JPH1163007A - クラッチ用摩擦連結部材 - Google Patents

クラッチ用摩擦連結部材

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JPH1163007A
JPH1163007A JP21942597A JP21942597A JPH1163007A JP H1163007 A JPH1163007 A JP H1163007A JP 21942597 A JP21942597 A JP 21942597A JP 21942597 A JP21942597 A JP 21942597A JP H1163007 A JPH1163007 A JP H1163007A
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clutch
friction
plate
carbon
friction facing
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JP21942597A
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Yoshinaga Fukuda
佳修 福田
Hideo Kagawa
英雄 香川
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Exedy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタリック系摩擦フェーシングを用いたクラ
ッチ用摩擦連結部材の摩擦特性を改善する。 【解決手段】 第1摩擦連結部15は、コアプレート1
7と、メタリック系摩擦フェーシング18と、カーボン
80とを備えている。摩擦フェーシング18はコアプレ
ート18に固定されている。カーボン80は摩擦フェー
シング18の表面に配置されている。カーボン80によ
って、例えば、高温時の摩擦係数の低下が抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラッチ用摩擦連
結部材、特に、車両のクラッチ装置に用いられるクラッ
チ用摩擦連結部材に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のクラッチ装置はエンジンのフライ
ホイールに取り付けられる。クラッチ装置は主にクラッ
チディスク組立体とクラッチカバー組立体とから構成さ
れている。クラッチディスク組立体は、トランスミッシ
ョンから延びるシャフトに連結されたハブと、前記ハブ
の外周に設けられたクラッチ連結部とから構成されてい
る。クラッチ連結部は、例えば、環状のプレートと、プ
レートの両面に固定された摩擦フェーシングとからな
る。摩擦フェーシングの材料は主に、オルガニック材
(有機材料=化学材料)とメタリック材(無機材料=金
属材料)とに分類される。
【0003】メタリック材は、金属のもつ耐熱性、高面
圧性を利用し、重車両やレース車両用として使用されて
いる。メタリック材の主成分は銅粉であり、添加剤は
錫、鉛、グラファイト等である。メタリック材からなる
摩擦フェーシングは前述の材料を混入したものを加熱焼
結するとともに芯板に焼結して製造する。さらにメタリ
ック材の摩擦フェーシングとして、セラミックを利用し
たセラメタリックス・フェーシングも開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】メタリック材からなる
摩擦フェーシングでは、高温時の摩擦係数低下、半クラ
ッチ動作時のフィーリングが悪化、クラッチ連結時の鳴
き、ジャダー発生といった摩擦特性における問題が多
い。本発明の目的はメタリック系摩擦フェーシングを用
いたクラッチ用摩擦連結部材の摩擦特性を改善すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のクラッ
チ用摩擦連結部材は、プレートとメタリック系摩擦フェ
ーシングとカーボンとからなる。メタリック系摩擦フェ
ーシングはプレートに固定されている。カーボンはメタ
リック系摩擦フェーシングの表面に配置されている。ク
ラッチ連結時にメタリック系摩擦フェーシングが磨耗す
ると、カーボンも磨耗する。磨耗したカーボンは相手側
の部材に付着し、さらにメタリック系摩擦フェーシング
に付着する。このように摩擦面に付着したカーボンによ
り、例えば、高温時の摩擦係数の低下が抑えられる。
【0006】請求項2に記載のクラッチ用摩擦連結部材
は、請求項1において、カーボンはメタリック系摩擦フ
ェーシングに嵌め込まれたブロック形状である。
【0007】
【発明の実施の形態】第1実施形態 構成 図1及び図2は本発明に係るツインクラッチの全体を示
している。このツインクラッチは車両、特にこの実施形
態ではレース用車両に用いられる。ツインクラッチはエ
ンジンのフライホイール1に取り付けられるものであ
り、主に、クラッチディスク組立体2、クラッチカバー
4、プレッシャープレート30、インターミディエイト
プレート31などから構成されている。図1のO─Oが
ツインクラッチの回転軸線である。図2のR1 方向がフ
ライホイール1の回転方向に一致する。以下の説明で
は、エンジン側(図1の左側)を軸方向前方とし、トラ
ンスミッション側(図1の右側)を軸方向後方とする。
【0008】フライホイール1はエンジンのクランクシ
ャフトに連結された円板状の部材である。フライホイー
ル1は例えば鋳鉄や鋼等の材料から構成されている。フ
ライホイール1の外周側軸方向後側には、平坦な環状の
摩擦面1aが形成されている。エンジンのフライホイー
ル1に対向する位置にクラッチディスク組立体2が配置
されている。クラッチディスク組立体2の半径方向外側
にはフライホイールリング3が配置され、フライホイー
ルリング3を挟んでフライホイール1と反対側には、ク
ラッチカバー4が配置されている。これらの部品はクラ
ッチ出力軸5(トランスミッション入力軸)と同心に配
置されている。フライホイールリング3は、円周方向に
等間隔で3カ所に軸方向後方に延びる弧状部を有する。
また、フライホイールリング3とクラッチカバー4の外
周部とは、軸方向に延びる複数のボルト6によりフライ
ホイール1に固定されている。ボルト6はフライホイー
ルリング3の弧状部を貫通している。フライホイールリ
ング3はフライホイール1と一体の部材であると見なし
てもよい。
【0009】クラッチディスク組立体2では、中心部に
設けたハブ7がクラッチ出力軸5にスプラインを介して
連結している。ハブ7の外向きフランジ10の軸方向両
側には板金製の円板状プレートである第1及び第2円板
状プレート11、12が設けてあり、これらは、コイル
スプリング13を介してフランジ10に連結されてい
る。なお、第1円板状プレート11はフライホイール1
に近接して配置されており、第2円板状プレート12は
第1円板状プレート11の軸方向後方に配置されてい
る。第1円板状プレート11と第2円板状プレート12
の外周部同士は複数のストップピン14により互いに固
定されている。
【0010】クラッチディスク組立体2は、さらに、図
4に示すように、第1及び第2の摩擦連結部15、16
を外周部に有している。第1摩擦連結部15はフライホ
イール1の摩擦面1aに近接して配置されている。第1
摩擦連結部15(クラッチ用摩擦連結部材)は、第1円
板状プレート11の外周側を環状に延びており、図7に
示すように、コアプレート17(プレート)と、その両
面に固定された摩擦フェーシング18(メタリック系摩
擦フェーシング)とを備えている。コアプレート17は
環状状のプレート部材である。コアプレート17は、環
状部分から半径方向外方に延び摩擦フェーシング28が
両面に固定された複数の突出部17aを有している。コ
アプレート17には中心孔17cの縁に沿って複数の孔
17bが形成され、孔17b内に貫通したリベット20
によりコアプレート17は第1円板状プレート11に固
定されている。
【0011】摩擦フェーシング18は、セラミック・メ
タル焼結材料製であり、焼結によりコアプレート17に
固定されている。摩擦フェーシング18は円周方向に比
較的長く延びている。各摩擦フェーシング18には複数
のカーボン80が配置されている。各カーボン80は、
摩擦フェーシング18上で一定の面積を有するととも
に、軸方向に所定の高さを有している。言い換えると、
各カーボン80は、一つの塊またはブロックとなってお
り、摩擦フェーシング18に形成された孔内に嵌め込ま
れ、孔内でコアプレート17に当接している。さらに具
体的に説明すると、カーボン80は円周方向3箇所に並
んでいる。円周方向両側のカーボン80は摩擦フェーシ
ング18上で半径方向内側に配置され、真ん中のカーボ
ン80は半径方向外側に配置されている。また真ん中の
カーボン80は他の2つに比べて面積が大きい。
【0012】図7ではカーボン80は表面形状が円形で
あるが、三角や四角または他の形状であってもよい。摩
擦フェーシング18の表面に孔の代わりに凹部を設けそ
こにカーボンを嵌め込んでもよい。その場合はカーボン
は摩擦フェーシングの表面にのみ配置されるが、少なく
ともカーボンは摩擦フェーシングの磨耗代分の厚みを有
している必要がある。
【0013】第2摩擦連結部16は第1摩擦連結部15
とほぼ同様の構造を有しているが、第1摩擦連結部15
と異なり、図6に示すように、コアプレート17の内周
に複数の爪状の突部又は内歯19を備えている。さら
に、コアプレート17には、他の内歯19より半径方向
内側に長く延びる当接部19aが円周方向に等間隔で形
成されている。
【0014】第1円板状プレート11の外周部には、板
金製の筒状係合部21が固定されている。さらに図4を
用いて詳細に述べると、筒状係合部21の軸方向前方端
部に設けた内向きフランジ21aが、第1摩擦連結部1
5のコアプレート17と共に、リベット20により第1
円板状プレート11の外周部に固定されている。筒状係
合部21の筒状部分はプレス加工による複数の歯型にな
っている。言い換えると、筒状係合部21の筒状部分に
は、半径方向外方に突出する複数の突起22が形成され
ている。各突起22は軸方向に延びている。第2摩擦連
結部16のコアプレート17の内歯19は複数の突起2
2間に挿入され、それにより第2摩擦連結部16は、筒
状係合部21に対して軸方向に移動自在にしかも回転不
能に連結している。第2摩擦連結部16は、筒状係合部
21に対して軸方向後側から取付けまたは軸方向後側に
取り外し可能である。図4及び図6に示すように、筒状
係合部21の筒状部分において、軸方向後側には円周方
向に等間隔で複数の切り欠き部22aが形成されてい
る。切り欠き部22aは、突起22間において所定距離
まで軸方向に切り欠かれている。第2摩擦連結部16の
コアプレート17に形成された当接部19aは、切り欠
き部22aを通ってさらに半径方向内側に延びている。
【0015】弾性部材24は、環状の板形状であり、内
周部が第2円板状プレート12の外周部に複数のリベッ
ト27で固定されている。弾性部材24の外周部は筒状
係合部21の内周側まで延びている。弾性部材24の外
周部に対しては第2摩擦連結部16のコアプレート17
の当接部19aが軸方向後側から当接可能である。すな
わち、当接部19aの先端は、第2円板状プレート12
の外周縁よりさらに半径方向外方に延びた弾性部材24
の部分(外周部)に軸方向後側から当接可能になってい
る。
【0016】クラッチカバー4の内周側の部分に複数の
スタッドピンと2本のワイヤリングとからなる支点機構
25が設けられており、支点機構25がダイヤフラムス
プリング26の半径方向中間部を支持している。ダイヤ
フラムスプリング26は、内周部がレリーズベアリング
(図示せず)に連結し、外周部がプレッシャープレート
30の後面の突起に支持されている。クラッチカバー
4、プレッシャープレート30、支点機構25、及びダ
イヤフラムスプリング26等でクラッチカバー組立体が
構成されている。
【0017】プレッシャープレート30は両摩擦連結部
15、16を挟んでフライホイール1に対向しており、
それらに沿って環状に延びている。さらに、両摩擦連結
部15、16の間には環状のインターミディエイトプレ
ート31がそれらと同心に設けてある。インターミディ
エイトプレート31には、半径方向に貫通する複数の孔
31aが形成されている。
【0018】図3は図1のIII-III 矢視部分図である。
プレッシャープレート30とインターミディエイトプレ
ート31は、それぞれ、円周方向に間隔を隔てた外周部
の3箇所に、半径方向外方へ突出したボス32、33を
一体に備えている。ボス33の後面には、クラッチ接線
方向(ほぼクラッチ円周方向)に延びるストラッププレ
ート35(第1弾性部材)の一端部がリベット36によ
り固定されている。ストラッププレート35の他端部
は、フライホイールリング3の後端面にボルト37によ
り固定されている。ストラッププレート35はインター
ミディエイトプレート31をフライホイールリング3に
対して相対回転不能に連結すると共に、クラッチ接続状
態(インターミディエイトプレート31がフライホイー
ル1側へ移動した状態)において、インターミディエイ
トプレート31をクラッチレリーズ方向に弾性的に付勢
する。
【0019】ボス32の後面には、クラッチ接線方向に
延びるストラッププレート38の一端部がリベット39
により固定されている。リベット39に対応してクラッ
チカバー4には軸方向孔4aが形成されている。ストラ
ッププレート38の他端部は、リベット40によりクラ
ッチカバー4に固定されている。このようにして、スト
ラッププレート38は、プレッシャープレート30をク
ラッチカバー4に対して相対回転不能に連結している。
【0020】さらに、各ボス32とそれに隣接するボス
33との間には、軸方向に延びるコイルスプリング42
(第2弾性部材)が圧縮状態で配置されている。図3及
び図5から明らかなように、コイルスプリング42は一
端部がボス33の後面に設けた凹部43に、半径方向に
移動不能の状態で入り込んでいる。又、コイルスプリン
グ42の他端部は、ボス32の前面に設けた凹部44に
入り込むと共に、リベット39の頭部の外周に嵌合して
おり、半径方向に移動しない状態で取り付けてある。
【0021】コイルスプリング42とストラッププレー
ト35のばね定数はほぼ同一であり、クラッチ連結時に
たわみ量がほぼ同一になるように設定されている。した
がって、クラッチ連結時に、インターミディエイトプレ
ート31に対してコイルスプリング42から作用する荷
重とストラッププレート35から作用する荷重は釣り合
っている。
【0022】クラッチ接続状態 クラッチ接続状態では、ダイヤフラムスプリング26の
付勢力によりプレッシャープレート30が第2摩擦連結
部16をインターミディエイトプレート31に押し付
け、インターミディエイトプレート31が第1摩擦連結
部15をフライホイール1に押し付けている。
【0023】このクラッチ接続状態において、前述した
ように、ストラッププレート35がインターミディエイ
トプレート31をクラッチレリーズ方向に付勢する力
と、コイルスプリング42がインターミディエイトプレ
ート31を逆方向に付勢する力は釣り合うように設定さ
れている。したがって、第1摩擦連結部15がフライホ
イール1及びインターミディエイトプレート31に対し
て与える力は、第2摩擦連結部16がインターミディエ
イトプレート31及びプレッシャープレート30に対し
て与える力と等しくなる。そのために、両摩擦連結部1
5、16の全ての摩擦フェーシング18からトルクが均
等かつ効率良く伝えられ、全体として充分に大きいトル
クを伝達することができる。
【0024】クラッチ接続状態では、第2摩擦連結部1
6のコアプレート17の当接部19aは、弾性部材24
をフライホイール1側にわずかに弾性変形させている。
また、筒状係合部21の切り欠き部22aの底部と当接
部19aとの間には所定の軸方向隙間が確保されてい
る。クラッチレリーズ動作 図1に示すクラッチ接続状態から、レリーズベアリング
(図示せず)によりダイヤフラムスプリング26の内周
部を押して図1の2点鎖線のように変形させると、ダイ
ヤフラムスプリング26からプレッシャープレート30
への押し付け力が解放される。これにより、第1及び第
2摩擦連結部15、16に対する押し付け力も解放さ
れ、クラッチがレリーズされる。
【0025】このようにしてクラッチがレリーズされる
場合、プレッシャープレート30はストラッププレート
38により軸方向後方に引き上げられる。ストラッププ
レート35とコイルスプリング42のばね定数が等しく
しかも両弾性部材の初期たわみ量は等しいため、図7に
示すように、クラッチレリーズ動作において、フライホ
イール1に対してインターミディエイトプレート31が
後方へ引き上げられるリフト量は、常にプレッシャープ
レート30のリフト量の半分になる。その結果、クラッ
チレリーズ状態ならびにレリーズ動作や接続動作の途中
において、インターミディエイトプレート31はフライ
ホイール1とプレッシャープレート30との間の中間位
置にほぼ正確に保たれる。すなわち切れ不良が生じにく
い。
【0026】また、クラッチレリーズ状態で第2摩擦連
結部16は弾性部材24によりインターミディエイトプ
レート31側への移動が規制されている。これにより、
不要なドラグトルク(引きずりトルク)が防止される。クラッチ接続動作 前記状態から、図示しないレリーズベアリングを操作し
てダイヤフラムスプリング26を図1の実線で示すよう
に復元させると、ダイヤフラムスプリング26の付勢力
によりプレッシャープレート30が第2摩擦連結部16
をインターミディエイトプレート31に押し付け、イン
ターミディエイトプレート31が第1摩擦連結部15を
フライホイール1に押し付ける。
【0027】このクラッチ接続動作において、第2摩擦
連結部16は筒状係合部21の突起22に沿って移動す
るが、その際、当接部19aが弾性部材24を弾性変形
させる。これにより、プレッシャープレート30と第2
摩擦連結部16との圧接力が急激に増加することが防止
され、圧接開始時のショックが弾性部材24により吸収
される。この結果、半クラッチ操作を容易に行うことが
できる。
【0028】カーボンによる摩擦特性の改善 カーボン80は摩擦フェーシング18と共に磨耗して粉
状になり、相手側部材であるフライホイール1、プレッ
シャープレート30、インターミディエイトプレート3
1に付着する。そして、カーボンはさらに摩擦フェーシ
ング18の表面に付着する。このようにカーボンが各部
材の摩擦面に付着することで以下の効果が得られる。
【0029】1)潤滑性が向上することで、半クラッチ
フィーリングが向上し、また鳴きやジャダーが低減す
る。さらに相手攻撃量が減少する。 2)高温時の摩擦係数低下が抑えられる。第2実施形態 図8に示す第1摩擦連結部15では、カーボン81は摩
擦フェーシング18に形成された溝内に配置されてい
る。具体的には3本のカーボン81がほぼ半径方向に直
線状に延びている。第3実施形態 図9に示す第1摩擦連結部15では、カーボン81は摩
擦フェーシング18に形成された溝内に配置されてい
る。具体的には1本のカーボン81が斜めに延びてい
る。カーボン81はR1 側端が半径方向内側に配置さ
れ、R2 側端が半径方向外側に配置されている。第4実施形態 図10及び図11に示すクラッチディスク組立体51は
一般的な単板乾式クラッチとして用いられる。クラッチ
ディスク組立体51は、主に、摩擦連結部52と、ハブ
55と、プレート53,54と、コイルスプリング56
と、摩擦抵抗発生機構57とから構成されている。
【0030】ハブ55は、筒状のボス74と、ボス74
から半径方向に延びるフランジ75とから構成されてい
る。ボス74は図示しないトランスミッション入力軸に
連結されている。フランジ75にはコイルスプリング5
6が配置される収容部73が形成されている。プレート
53,54はフランジ75の両側に配置された円板状の
部材である。プレート53は互いに固定され、中心孔が
ボス74の回りに相対回転自在に嵌められている。プレ
ート53,54には、コイルスプリング56の円周方向
両端を支持するための切欠き71,72がそれぞれ形成
されている。
【0031】摩擦抵抗発生機構57はフランジ75とプ
レート53,54との間に配置されている。摩擦連結部
52(クラッチ用摩擦連結部材)は、図11に示すよう
に、コアプレート61(プレート)と、その両面に固定
された摩擦フェーシング64(メタリック系摩擦フェー
シング)とを備えている。コアプレート61は環状のプ
レート部材である。コアプレート61は、環状部分から
半径方向外方に延び摩擦フェーシング64が両面に固定
された複数の突出部61aを有している。コアプレート
61には中心孔17cの縁に沿って複数の孔が形成され
ている。孔内に貫通したリベット80により、コアプレ
ート61はプレート71に固定されている。
【0032】摩擦フェーシング64は、セラミック・メ
タル焼結材料製であり、焼結によりコアプレート61に
固定されている。摩擦フェーシング64は比較的円周方
向に長く延びている。各摩擦フェーシング64には複数
のカーボン65が配置されている。各カーボン65は、
摩擦フェーシング64上で一定の面積を有するととも
に、軸方向に所定の高さを有している。言い換えると、
各カーボン65は一つの塊またはブロックとなってお
り、摩擦フェーシング64に形成された孔内に嵌め込ま
れ、孔内でコアプレート61に当接している。さらに具
体的に説明すると、カーボン65は円周方向3箇所に並
んでいる。円周方向両側のカーボン65は摩擦フェーシ
ング64上で半径方向内側に配置され、真ん中のカーボ
ン65は半径方向外側に配置されている。また真ん中の
カーボン65は他の2つに比べて面積が大きい。
【0033】
【実施例】本願のクラッチ用摩擦フェーシングの性能を
従来のクラッチ用摩擦フェーシング(メタリック材料)
と比較するために以下の試験を行った。試験はクラッチ
の台上テスト(フルサイズテスト)である。測定項目
は、トルク振動、摩擦係数、相手攻撃量などである。試
験条件は、プレッシャープレートの摩擦面温度200
℃、回転数1750rpm、イナーシャ0.1kg・m
・s2 、吸収エネルギー1679kg・mである。以上
の条件で2000回のクラッチ断続を行った。なお、カ
ーボンは日本カーボン社製のSCカーボン剤を使用し
た。
【0034】
【表1】
【0035】a)摩擦係数μ及びトルク 図12には本願のクラッチ用摩擦フェーシング(白丸)
と従来のクラッチ用摩擦フェーシング(黒丸)の摩擦係
数μの変化を記している。図12から明らかなように、
従来のクラッチ用摩擦フェーシング(黒丸)では試験回
数が70回を越えると摩擦係数が低下し、500〜20
00回の間では0.4まで低下している。それに対して
本願のクラッチ用摩擦フェーシング(白丸)では試験回
数90回までは従来のクラッチ用摩擦フェーシング(黒
丸)に比べて低いが、それ以上の回数になると逆転し、
試験回数100〜2000回の間では0.5〜0.6の
値を維持している。この結果、表1に示すように、安定
時平均摩擦係数μは本願のクラッチ用摩擦フェーシング
で0.514となり、従来のクラッチ用摩擦フェーシン
グの0.408に比べて大きくなる。
【0036】図13には本願のクラッチ用摩擦フェーシ
ング(白丸)と従来のクラッチ用摩擦フェーシング(黒
丸)のトルク(kg・m)の変化を記している。この場
合は摩擦係数μの変化と同様に、初期の段階では従来の
クラッチ用摩擦フェーシング(黒丸)が大きく、安定期
(例えば200回以上)になると本願のクラッチ用摩擦
フェーシング(白丸)の値が大きくなる。この結果、表
1に示すように、安定時平均トルクは本願のクラッチ用
摩擦フェーシングで81.48(kg・m)となり、従
来のクラッチ用摩擦フェーシングの70.79(kg・
m)に比べて大きくなる。
【0037】b)トルク変動 本願のクラッチ用摩擦フェーシングは従来のクラッチ用
摩擦フェーシングに比べてトルク変動の振幅が減少し
た。 c)鳴き 本願のクラッチ用摩擦フェーシングは従来のクラッチ用
摩擦フェーシングに比べて鳴きのレベルが減少した。
【0038】d)相手攻撃量 本願のクラッチ用摩擦フェーシングは従来のクラッチ用
摩擦フェーシングに比べて相手材料(プレッシャープレ
ート及びフライホイール)への攻撃量が減少した。従来
のクラッチ用摩擦フェーシングでは、プレッシャープレ
ートの磨耗量は平均で3.3μm、最大5.0μmであ
る。フライホイールの磨耗量は平均で14.0μm、最
大19.0μmである。表1に示すように、相手攻撃量
の平均は従来のクラッチ用摩擦フェーシングでは17.
3μmである。
【0039】本願のクラッチ用摩擦フェーシングでは、
プレッシャープレートの磨耗量は平均で3.0μm、最
大5.0μmである。フライホイールの磨耗量は平均で
4.4μm、最大7.0μmである。表1に示すよう
に、相手攻撃量の平均は従本願のクラッチ用摩擦フェー
シングでは7.4μmである。
【0040】
【発明の効果】本願に係るクラッチ用摩擦連結部材で
は、メタリック系摩擦フェーシングの表面に配置された
カーボンにより、例えば、高温時の摩擦係数の低下が抑
えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のツインクラッチの縦断
面概略図。
【図2】本発明の第1実施形態のツインクラッチの平面
図。
【図3】図1のIII-III 矢視図。
【図4】図1の部分拡大図。
【図5】図1の部分拡大図。
【図6】弾性部材を示す部分平面図。
【図7】第1摩擦連結部(クラッチ用摩擦フェーシン
グ)の平面図。
【図8】他の実施形態における図7に対応する図。
【図9】他の実施形態における図7に対応する図。
【図10】他の実施形態における、クラッチディスク組
立体の断面図。
【図11】クラッチディスク組立体の部分平面図。
【図12】実施例における摩擦係数μの変化を示すグラ
フ。
【図13】実施例におけるトルクの変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1 フライホイール 2 クラッチディスク 4 クラッチカバー 5 クラッチ出力軸 11 第1円板状プレート 12 第2円板状プレート 15 第1摩擦連結部(クラッチ用摩擦連結部材) 16 第2摩擦連結部(クラッチ用摩擦連結部材) 17 コアプレート(プレート) 18 摩擦フェーシング(メタリック系摩擦フェーシン
グ) 80 カーボン 81 カーボン 82 カーボン 52 摩擦連結部(クラッチ用摩擦連結部材) 61 コアプレート(プレート) 64 摩擦フェーシング(メタリック系摩擦フェーシン
グ) 65 カーボン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プレートと、 前記プレートに固定されたメタリック系摩擦フェーシン
    グと、 前記メタリック系摩擦フェーシングの表面に配置された
    カーボンと、を備えたクラッチ用摩擦連結部材。
  2. 【請求項2】前記カーボンは前記メタリック系摩擦フェ
    ーシングに嵌め込まれたブロック形状である、請求項1
    に記載のクラッチ用摩擦連結部材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009097690A (ja) * 2007-10-19 2009-05-07 Across Corp 摩擦クラッチ
WO2011141983A1 (ja) * 2010-05-10 2011-11-17 株式会社アクロス 摩擦クラッチ

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