JPH1159454A - 動力舵取装置のサーボ弁 - Google Patents

動力舵取装置のサーボ弁

Info

Publication number
JPH1159454A
JPH1159454A JP32872697A JP32872697A JPH1159454A JP H1159454 A JPH1159454 A JP H1159454A JP 32872697 A JP32872697 A JP 32872697A JP 32872697 A JP32872697 A JP 32872697A JP H1159454 A JPH1159454 A JP H1159454A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torsion bar
plunger
servo valve
opening
power steering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP32872697A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3717293B2 (ja
Inventor
Takatoshi Sakata
隆敏 阪田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Koyo Seiko Co Ltd filed Critical Koyo Seiko Co Ltd
Priority to JP32872697A priority Critical patent/JP3717293B2/ja
Publication of JPH1159454A publication Critical patent/JPH1159454A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3717293B2 publication Critical patent/JP3717293B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】動力舵取装置のサーボ弁において中立時のステ
アリング剛性を高めるための構造は、複雑で大型であっ
た。 【解決手段】トーションバー7の軸方向中間部の大径部
12に、径方向に延びる収容孔13を形成し、これに一
対のプランジャ14,14を進退自在に収容し、両者間
に圧縮コイルばね15を介在させた。トーションバー7
を取り囲み且つ入力軸4と一体回転するトーションバー
ケース16に、プランジャ14を係合させる開口部19
を設けた。中立時にトーションバー7の軸方向中間部を
入力軸4に連結してトーションバー7のねじり剛性を高
める。圧縮コイルばね15とプランジャ14をトーショ
ンバー7に組み込んだ簡単な構造であり、スペースをと
らずコストも安い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】入力軸と出力軸とをトーショ
ンバーを介して連結した動力舵取装置のサーボ弁に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の動力舵取装置のサーボ弁では、
運転者によって操作されるステアリングホイールに連結
された入力軸と、例えばラックアンドピニオン機構を介
して車輪に連結された出力軸との間をトーションバーを
介して連結している。そして、操舵時には、トーション
バーが捩じられて生ずる入力軸と出力軸との間の相対変
位に応じて圧油の流路を切り換え、パワーシリンダに給
排して操舵補助力を得るようにしている。
【0003】一方、非操舵時(直進走行時)には、入力
軸側からの操作力によってトーションバーが捩じられる
ことは少ないが、車輪からの僅かな力、例えば路面の凹
凸又はタイヤのアンバランス等により発生する振動等に
よる力が出力軸側から伝わることにより、僅かにトーシ
ョンバーが捩じられる場合がある。このようにして生じ
た捩じれは、サーボ弁を僅かに働かせることになり、走
行方向を不安定にするおそれがある。
【0004】そこで、従来、中立状態でのステアリング
剛性を高めるために、入力軸を径方向に貫くプランジャ
を設け、走行状態に応じて外部からの油圧によってプラ
ンジャをトーションバーの軸方向中間部に押圧するよう
にした動力舵取装置のサーボ弁が提供されている(例え
ば、特公昭53−41851号公報および特公昭61−
41787号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プラン
ジャに動作油圧を負荷する油圧機構や、この油圧機構の
動作を走行状態に応じて制御する機構等が必要で、構造
が非常に複雑なうえに、多大なスペースを要しサーボ弁
が大型化するという問題があった。そこで、本発明の目
的は、簡単な構造で大型化を招くことなく中立時のステ
アリング剛性を確保できる動力舵取装置のサーボ弁を提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の課題解決手段として、請求項1記載の発明の態様は、
筒状の第1軸と第2軸とをトーションバーによって連結
する動力舵取装置のサーボ弁において、上記第1軸と一
体回転可能に連結され、トーションバーの周囲を取り囲
む筒状体と、この筒状体に形成された開口部と、上記ト
ーションバーの軸方向中間部に径方向に沿って形成され
た収容孔に進退自在に収容され、付勢用のばね部材を含
むプランジャとを備え、このプランジャの頂部は、非操
舵時のトーションバーのねじり剛性を高めるように、上
記ばね部材の付勢力によって上記開口部の縁部と弾性的
に係合することを特徴とするものである。
【0007】この態様では、非操舵時にプランジャの頂
部を筒状体の開口部の縁部に弾性的に係合させてトーシ
ョンバーの軸方向中間部と第1軸、例えば入力軸とを連
結することにより、トーションバーのねじりに関与する
有効長さを短くしてトーションバーのねじり剛性を高め
ることができる。したがって、非操舵時、すなわちバル
ブ中立時のステアリング剛性を高めることができる。し
かも、トーションバーのねじり剛性を高める機構をトー
ションバー自体に簡単な構造にて組み込むことができ、
したがって動力舵取装置を大型化することなく所望の操
舵性能を達成できる。
【0008】また、第1軸の内周面自体にプランジャと
係合する凹部等を加工しようとすると、加工が非常に困
難である。これに対して本態様では、第1軸内に組み込
む前の筒状体に径方向に孔明け加工を施せば良いので、
加工が非常に簡単となる。なお、付勢用のばね部材を含
むプランジャとは、ばね部材によって弾性的に付勢され
て開口部の縁部に係合する場合のプランジャと、自身が
弾性を持つ場合のプランジャとを含む趣旨である。ま
た、第1軸は入力軸であっても出力軸であっても良い。
【0009】請求項2記載の発明の態様は、請求項1に
おいて、上記筒状体は、トーションバーの第1軸側固定
端部に固定される固定部を含み、上記開口部は収容孔か
らのプランジャの抜脱を阻止する大きさを持つことを特
徴とするものである。この構成では、プランジャを収容
孔に組み込んだトーションバーを、筒状体で覆ってユニ
ット化することが可能となり、このユニット化により動
力舵取装置の組立が容易となることを通じて製造コスト
を安価にすることができる。
【0010】請求項3記載の発明の態様は、請求項1又
は2において、上記プランジャは、ばね部材としての圧
縮コイルばねの少なくとも一部を入り込ませた筒体の頂
部を開口部の縁部に係合させるものからなることを特徴
とするものである。圧縮コイルばねのセット荷重を増大
させるためには、圧縮コイルばねの有効径を大きくして
線径やセット時の撓み量を大きくすることが必要であ
る。ところが、仮にプランジャとしてボールを用いる場
合において、圧縮コイルばねの有効径を大きくするため
に収容孔の径を大きくすると、必然的にボール径が大き
くなる結果、圧縮コイルばねの長さ方向に関してセット
スペースが非常に狭くなり、逆に線径を小さくせざるを
得なくなってセット荷重を高くすることができなくな
る。
【0011】これに対して、本態様では、圧縮コイルば
ねを筒状のプランジャ内に入り込ませるようにしたの
で、収容孔の径をトーションバーのねじり応力の限界付
近まで大きくしても、圧縮コイルばねのセット長を十分
に長く確保できる。したがって、圧縮コイルばねの線径
や撓み量を多く確保してセット荷重を大きくすることが
でき、ひいては、トーションバーの捩じれ角が大きい領
域にトーションバーのねじりトルクの変位点を設定でき
るようになる。
【0012】請求項4記載の発明の態様は、請求項1,
2又は3において、上記収容孔はトーションバーの軸方
向中間部を径方向に貫通しており、上記プランジャは一
対が逆向きに配置されて互いの間に付勢用のばね部材を
介在させていることを特徴とするものである。この態様
では、単一のばね部材によって一対のプランジャを互い
に逆向きに働かせるので、トーションバーに不必要に曲
げが生じることがない。
【0013】請求項5記載の発明の態様は、請求項1,
2又は3において、上記収容孔は一対がトーションバー
の軸方向に並んで設けられており、これら一対の収容孔
にそれぞれ収容されたプランジャが、対応するばね部材
によって互いに逆向きに付勢されるようにしてあること
を特徴とするものである。この態様では、別々の収容孔
にそれぞれ収容された一対のプランジャをそれぞれ対応
する一対のばね部材で付勢するので、2本のばね部材を
並列で用いることになる結果、単一のばねで同じ収容孔
に収容された一対のプランジャを付勢する場合と比較し
て、2倍のセット荷重を得ることができる。
【0014】請求項6記載の発明の態様は、請求項1な
いし5の何れか一つにおいて、上記プランジャの頂部
は、開口部の縁部との係合によって自身を開口部の中心
に促すカム面を有し、プランジャの頂部の硬度を開口部
の縁部の硬度よりも高くしてあることを特徴とするもの
である。プランジャの作動をスムーズにするためには、
ばね部材により付勢されたプランジャの頂部が開口部の
縁部に係合することによって、プランジャの頂部を開口
部の中心に促すためのカム状効果を持たせることが必要
である。このカム状効果は、トーションバーの軸方向中
間部と筒状体との間に回転変位が生じたときにプランジ
ャを収容孔内にスムーズに後退させる効果をもたらす。
ところで、開口部の縁部は筒状体の内周側となるので、
この縁部に面取り加工を施すことは困難である結果、開
口部の縁部はエッジ状となり易い。そこで、必然的にプ
ランジャの頂部に傾斜状のカム面を設けることになる。
【0015】この場合において、仮に開口部の縁部の硬
度がプランジャの頂部の硬度よりも高いと、プランジャ
の頂部のカム面が偏磨耗して傾斜角が変化し、傾斜角の
変化したカム面に、エッジ状である開口部の縁部が食い
込んでロックするおそれがある。ロックしてしまうと、
トーションバーのいわゆる二段特性がなくなってしま
い、また、筒状体が塑性変形を起こすことにもなる。
【0016】これに対して、本発明では、プランジャの
頂部の硬度を相対的に高くしたので、プランジャの頂部
が摩耗し難い結果、カム面の傾斜角を一定に維持するこ
とができる。また、開口部の縁部が摩耗しても、カム面
の傾斜角になじむように(近づくように)摩耗するの
で、互いに食い込むようなことがなく、両者が係合する
トーションバーの回転方向の位置(すなわちバルブ中立
時の位置)を常に一定に維持することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の
形態としての動力舵取装置のサーボ弁の内部構成を示し
ている。図1を参照して、このサーボ弁1は、ピニオン
2により駆動されるラックバー3を備えたラックアンド
ピニオン式の動力舵取装置に適用されており、運転ハン
ドルはステアリングコラム(図示せず)を介して筒状の
入力軸4に連結されている。
【0018】上記のラックバー3は、操舵補助力を発生
する油圧アクチュエータとしてのパワーシリンダのピス
トンロッドを兼用している。このピストンロッドの両端
には図示しないタイロッドが連結されている。そして、
入力軸4に加えられるステアリングホイールからの操作
力がピニオン2に伝達され、このピニオン2の回転によ
り、ラックバー3を介してタイロッドが図示しない操舵
車輪の向きを変えるようになっている。
【0019】ハウジング5内には、上記入力軸4と、上
記ピニオン2を形成した出力軸6とが、図示しない軸受
を介して回転可能に支持されている。これら入力軸4と
出力軸6とはトーションバー7によって相対回転可能に
連結されている。ハウジング5については、入力軸4を
収容した上部ハウジングのみを示し、ピニオン2を収容
した下部ハウジングの図示は省略してある。
【0020】図1の要部の拡大図である図2を参照し
て、筒状の入力軸4は、出力軸6と一体回転可能に連結
されたバルブスリーブ8によって包囲されており、これ
らに溝や油路が形成されることによって、ポンプ等の圧
力源からの圧油をパワーシリンダの一対の油室に給排し
て操舵補助力を発生させる公知のロータリー型のバルブ
機構9が構成されている。このバルブ機構9では、操舵
時に入力軸4とバルブスリーブ8とが相対回転すること
によって、流路が制御されて、圧油をパワーシリンダへ
給排する一方、非操舵時には圧油を例えばリザーバタン
ク側へ還流させる。
【0021】上記のトーションバー7の対向端部7a,
7bは、ピン10および圧入されたセレーション11に
よって入力軸4および出力軸6にそれぞれ一体回転可能
に連結されている。また、トーションバー7は、軸方向
中間部としての大径部12を形成されている。この大径
部12には、一対のプランジャ14,14を進退自在に
収容したプランジャ収容孔13が径方向に貫通形成され
ている。これらのプランジャ14,14は、互いに逆向
きに配置されていて両者の間には圧縮コイルばね15が
介在している。両プランジャ14,14は、バルブ中立
時において、トーションバー7の軸方向中間部としての
大径部12を、後述する筒状体としてのトーションバー
ケース16を介して入力軸4側に連結させてトーション
バー7のねじり剛性を高めるためのものである。
【0022】一方、トーションバー7の対向端部7a,
7bの一方である入力軸4への固定端部7aから、中間
部としての大径部12までは、筒状体としてのトーショ
ンバーケース16によって覆われている。このトーショ
ンバーケース16は、ピン17によってトーションバー
7の固定端部7aに固定された第1の端部としての固定
部20を有している。これにより、トーションバーケー
ス16は実質的に入力軸4と一体に回転するようにして
ある。なお、上記の固定部20では、トーションバー7
の外周に対してろう付け等を施すことにより連結強度を
向上させることもできる。
【0023】また、図2および図3を参照して、トーシ
ョンバーケース16は、大径部12の周囲に沿う第2の
端部としての拡径部18を有しており、この拡径部18
には、上記一対のプランジャ14,14とそれぞれ係合
する一対の開口部19が貫通形成されている。これらの
開口部19は、非操舵時、すわなちバルブが中立状態に
あるときに、プランジャ14を係合させることができる
位置に設けられている。また、各開口部19は、プラン
ジャ収容孔13からのプランジャ14の抜脱を阻止する
大きさを持つ。すなわち開口部19の径はプランジャ収
容孔13の径よりも小さくされている。
【0024】トーションバーケース16としては、例え
ば一般の配管用炭素鋼管をプレス加工したものをコスト
安価に用いることができる。上記プランジャ14は、圧
縮コイルばね15の少なくとも一部を入り込ませた筒体
からなり、その頂部21を上記開口部19の係合部とし
ての縁部22に係合させるものからなる。プランジャ1
4の頂部21は、開口部19の縁部22と係合するカム
面としての円錐面部23と、この円錐面部23の先端側
に連続する球面部24とを含んでいる。圧縮コイルばね
15により付勢されたプランジャ14の傾斜した円錐面
部23が開口部19の縁部22に係合することにより、
プランジャ14を開口部19の中心に保持しようとする
カム状効果が得られるようになっている。カム面として
の円錐面部23の傾斜角度としては、例えば35〜55
度の範囲、特に45度が好ましい。
【0025】なお、プランジャ14の頂部21は、開口
部19の縁部22と係合した状態で入力軸4の内周面と
の接触を回避してあるが、その理由は、入力時と反力時
とのトルクのずれ、すなわちヒステリシスをなくすため
である。また、プランジャ14の頂部をトーションバー
ケース16よりも硬くしておくことが好ましい。例えば
プランジャ14の頂部の硬度をロックウェル硬さでHR
C55以上とし、トーションバーケース16の硬度をH
RC25〜30とすることが好ましい。上記の硬度を実
現するため、プランジャ14の頂部21には焼き入れを
施しておくことが好ましい。
【0026】本実施の形態によれば、以下の優れた利点
がある。すなわち、非操舵時(直進走行時)に圧縮コイ
ルばね15によって付勢されたプランジャ14を開口部
19の縁部22に係合させてトーションバー7の軸方向
中間部と入力軸4とを連結する。これにより、トーショ
ンバー7のねじりに関与する有効長さを短くしてトーシ
ョンバー7のねじり剛性を高めることができる。したが
って、非操舵時すなわちバルブ中立時のステアリング剛
性を高めることができる。
【0027】しかも、トーションバー7のねじり剛性を
高める機構をトーションバー7自体に、ばね内蔵のプラ
ンジャ14という簡単な構造にて組み込むことができ、
したがって、サーボ弁1を大型化することなく所望の操
舵性能を達成することができる。また、プランジャ14
を係合させるための係合部を、トーションバーケース1
6に形成した開口部19により構成したので、加工が非
常に簡単になる。というのは、この場合、入力軸4内に
組み込む前のトーションバーケース16に径方向に孔明
け加工を施して開口部19を形成すれば良いので、入力
軸4の内周面に直接加工を施す場合と比較して加工が非
常に簡単になる。
【0028】また、圧縮コイルばね15およびプランジ
ャ14,14を組み込んだトーションバー7をトーショ
ンバーケース16で覆ってユニット化することが可能と
なり、サーボ弁1の組立が容易となる結果、製造コスト
を安価にすることができる。また、圧縮コイルばね15
を筒状のプランジャ14内に入り込ませているので、プ
ランジャ収容孔13の径をトーションバー7のねじり応
力の限界付近まで大きくしても、圧縮コイルばね15の
セット長として十分な長さを確保することができる。結
果として、圧縮コイルばね15の線径や撓み量を多く確
保してセット荷重を大きくすることができ、ひいては、
図4に示すように、トーションバー7の捩じれ角θがよ
り大きい領域にトーションバー7のねじりトルクTの変
位点B,Cを設定できるようになる。
【0029】また、単一の圧縮コイルばね15によって
一対のプランジャ14,14を互いに逆向きに働かせる
ので、トーションバー7に不必要に曲げが生じることが
ない。また、トーションバーケース16よりプランジャ
14の頂部21の方が硬いため、プランジャ14の頂部
21に形成されたカム面としての円錐面部23は摩耗せ
ず、トーションバーケース16の開口部19の縁部22
が摩耗することになり、その結果、両者の接触角を略一
定を維持することができ、両者がロックするようなこと
がないと共に、上記のねじりトルクTの変位点B,Cを
略一定に維持することが可能となる。
【0030】次いで、図5は本発明の第2の実施の形態
の要部を示している。同図を参照して、本実施の形態で
は、径方向に延びる一対のプランジャ収容孔25,26
をトーションバー7の軸方向に並べて設け、各プランジ
ャ収容孔25,26のそれぞれに、単一のプランジャ2
7および単一の圧縮コイルばね28を収容した。一対の
プランジャ収容孔25,26は互いに逆向きに所定の深
さを持つように形成されており、両プランジャ27,2
7は対応する圧縮コイルばね28,28によって互いに
逆向きに付勢されている。
【0031】本実施の形態では、図1の実施の形態と同
様の作用効果を奏することに加えて、2本の圧縮コイル
ばね28,28を並列で用いることになるので、単一の
圧縮コイルばねを用いる場合と比較して、2倍のセット
荷重を得られる。その結果、バルブ中立時のステアリン
グ剛性を一層向上できる。なお、上記第1および第2の
実施の形態において、ボールプランジャを用いることも
可能である。
【0032】また、上記第1および第2の実施の形態で
はプランジャ14,27が入力軸4の内周面に接触しな
かったが接触させても良い。さらに、プランジャを係合
する凹部を入力軸の内周面に直接形成しても良い。次い
で、図6は第3の実施の形態を示している。この実施の
形態はプランジャ自体が弾性を持つことを特徴としてい
る。このプランジャ29は、プランジャ収容孔13に保
持された本体部30と、この本体部30の端面に固定さ
れたばね部材としての突面状の板ばね31とを備えてい
る。このプランジャ29では、その頂部が板ばね31に
より構成されており、板ばね31が、筒状体としてのト
ーションバーケース16の開口部19の縁部22に弾力
的に係合する。
【0033】なお、本発明は上記各実施の形態に限定さ
れるものではなく、例えばプランジャとしてボールプラ
ンジャを用いることも可能である。また、上記各実施の
形態ではプランジャ14,27が入力軸4の内周面に接
触しなかったが接触させても良い。さらに、上記各実施
の形態では、ラックアンドピニオン式の油圧式動力舵取
装置に適用されたが、ボールねじ式の動力舵取装置や電
動式の動力舵取装置にも適用可能である。その他、本発
明の範囲で種々の変更を施すことができる。
【0034】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、非操舵時にプ
ランジャを用いてトーションバーの軸方向中間部を第1
軸に連結し、これによりトーションバーのねじりに関与
する有効長さを短くしてトーションバーのねじり剛性を
向上できる結果、バルブ中立時のステアリング剛性を向
上できる。しかも、これを、トーションバー自体にばね
部材内蔵のプランジャという簡単な構造を組み込むのみ
で、装置全体を大型化することなく実現できる。特にト
ーションバー単体でいわゆる2段特性が成立するためサ
ーボ弁の中立位置にも何ら影響を受けないので、簡易な
センタ出し作業で組付けが可能である。また、第1軸内
に組み込む前の筒状体に径方向に孔明け加工を施せば良
いので、第1軸の内周面に加工を施す場合と比較して加
工が非常に簡単となる。
【0035】請求項2記載の発明では、プランジャを収
容孔に組み込んだトーションバーを、筒状体で覆ってユ
ニット化することが可能となり、動力舵取装置の組立が
容易となることを通じて製造コストを安価にすることが
できる。請求項3記載の発明では、圧縮コイルばねから
なるばね部材を筒状のプランジャ内に入り込ませている
ので、収容孔の径をトーションバーのねじり応力の限界
付近まで大きくしても、ばね部材のセット長を十分長く
確保できる。これにより線径や撓み量を多く確保してセ
ット荷重を大きくすることができ、ひいては、トーショ
ンバーの捩じれ角が大きい領域にトーションバーのねじ
りトルクの変位点を設定できるようになる。
【0036】請求項4記載の発明では、単一のばね部材
によって一対のプランジャを互いに逆向きに働かせるの
で、トーションバーに不必要に曲げが生じることがな
い。請求項5記載の発明では、2本のばね部材を並列で
用いることになるので、単一のばね部材を用いる場合と
比較して、2倍のセット荷重を得られる結果、バルブ中
立時のステアリング剛性を一層向上できる。
【0037】請求項6記載の発明では、プランジャの頂
部が摩耗し難くカム面の傾斜角を一定に維持できるの
で、プランジャの頂部が開口部に食い込んでロックして
しまうようなことがなく、長期にわたって安定した作動
を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態としての動力舵取装置の
サーボ弁の内部構成を示す概略断面図である。
【図2】図1の要部の拡大図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】ステアリングのねじれ角とねじりトルクの関係
を示すグラフ図である。
【図5】本発明の他の実施の形態としての動力舵取装置
のサーボ弁の要部の断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態としての動力舵
取装置のサーボ弁の要部の断面図である。
【符号の説明】 4 入力軸(第1軸) 6 出力軸(第2軸) 7 トーションバー 7a 固定端部 9 バルブ機構 10,11 ピン 12 大径部(軸方向中間部) 13 収容孔 14 プランジャ 15 圧縮コイルばね(ばね部材) 16 トーションバーケース(筒状体) 17 ピン 18 拡径部 19 開口部 20 固定部 21 頂部 22 縁部 23 円錐面部(カム面) 25,26 収容孔 27 プランジャ 28 圧縮コイルばね(ばね部材) 29 プランジャ 30 本体部 31 板ばね(頂部,ばね部材)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】筒状の第1軸と第2軸とをトーションバー
    によって連結する動力舵取装置のサーボ弁において、 上記第1軸と一体回転可能に連結され、トーションバー
    の周囲を取り囲む筒状体と、 この筒状体に形成された開口部と、 上記トーションバーの軸方向中間部に径方向に沿って形
    成された収容孔に進退自在に収容され、付勢用のばね部
    材を含むプランジャとを備え、 このプランジャの頂部は、非操舵時のトーションバーの
    ねじり剛性を高めるように、上記ばね部材の付勢力によ
    って上記開口部の縁部と弾性的に係合することを特徴と
    する動力舵取装置のサーボ弁。
  2. 【請求項2】上記筒状体は、トーションバーの第1軸側
    固定端部に固定される固定部を含み、上記開口部は収容
    孔からのプランジャの抜脱を阻止する大きさを持つこと
    を特徴とする請求項1記載の動力舵取装置のサーボ弁。
  3. 【請求項3】上記プランジャは、ばね部材としての圧縮
    コイルばねの少なくとも一部を入り込ませた筒体の頂部
    を開口部の縁部に係合させるものからなることを特徴と
    する請求項1又は2記載の動力舵取装置のサーボ弁。
  4. 【請求項4】上記収容孔はトーションバーの軸方向中間
    部を径方向に貫通しており、上記プランジャは一対が逆
    向きに配置されて互いの間に付勢用のばね部材を介在さ
    せていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の動
    力舵取装置のサーボ弁。
  5. 【請求項5】上記収容孔は一対がトーションバーの軸方
    向に並んで設けられており、これら一対の収容孔にそれ
    ぞれ収容されたプランジャが、対応するばね部材によっ
    て互いに逆向きに付勢されるようにしてあることを特徴
    とする請求項1,2又は3記載の動力舵取装置のサーボ
    弁。
  6. 【請求項6】上記プランジャの頂部は、開口部の縁部と
    の係合によって自身を開口部の中心に促すカム面を有
    し、 プランジャの頂部の硬度を開口部の縁部の硬度よりも高
    くしてあることを特徴とする請求項1ないし5の何れか
    一つに記載の動力舵取装置のサーボ弁。
JP32872697A 1997-06-11 1997-11-28 動力舵取装置のサーボ弁 Expired - Fee Related JP3717293B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32872697A JP3717293B2 (ja) 1997-06-11 1997-11-28 動力舵取装置のサーボ弁

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15378397 1997-06-11
JP9-153783 1997-06-11
JP32872697A JP3717293B2 (ja) 1997-06-11 1997-11-28 動力舵取装置のサーボ弁

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1159454A true JPH1159454A (ja) 1999-03-02
JP3717293B2 JP3717293B2 (ja) 2005-11-16

Family

ID=26482303

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32872697A Expired - Fee Related JP3717293B2 (ja) 1997-06-11 1997-11-28 動力舵取装置のサーボ弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3717293B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101028279B1 (ko) 2008-09-11 2011-04-11 현대자동차주식회사 동력조향장치의 토션 강성 제어장치

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101028279B1 (ko) 2008-09-11 2011-04-11 현대자동차주식회사 동력조향장치의 토션 강성 제어장치
US8245812B2 (en) 2008-09-11 2012-08-21 Hyundai Motor Company Device for controlling torsional stiffness of power steering system

Also Published As

Publication number Publication date
JP3717293B2 (ja) 2005-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6619420B1 (en) Rack and pinion steering gear with hydraulic yoke assembly
US8813594B2 (en) Rack and pinion steering gear unit
US5109753A (en) Power steering valve assembly mechanism with offset valve sleeve bore
KR100470318B1 (ko) 동력보조스티어링기어용서보밸브
JP3717293B2 (ja) 動力舵取装置のサーボ弁
JP6616670B2 (ja) パワーステアリング装置及びこれを備えるステアリング装置
JP3728371B2 (ja) パワーステアリング装置
JP2005112131A (ja) 動力舵取り装置用のサーボ弁
JP4799019B2 (ja) パワーステアリング装置およびその組立方法
JP2002211422A (ja) トーションバーの組み付け方法およびその方法に用いるトーションバー
KR100707002B1 (ko) 차량용 스티어링장치의 유압제어밸브
CN107914760B (zh) 电动转向装置
JP2006111079A (ja) 油圧パワーステアリング装置
JP3635363B2 (ja) 動力舵取装置
JP2000038150A (ja) 動力舵取装置の油圧制御弁
JP2613638B2 (ja) 動力舵取装置
KR200231004Y1 (ko) 동력조향장치의 과부하 방지장치
JPH0133421Y2 (ja)
JP2927652B2 (ja) 油圧パワーステアリング装置
KR20080083965A (ko) 유압식 동력 보조 조향장치
JP5124426B2 (ja) 油圧式パワーステアリング用コントロールバルブ
JPS6313100Y2 (ja)
KR20040104140A (ko) 파워 스티어링 장치의 랙 하우징
JPH092307A (ja) 油圧パワーステアリング装置
JP2010264822A (ja) 車両用ステアリングダンパ装置及びステアリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050728

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050830

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees