JPH1159158A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH1159158A
JPH1159158A JP21653897A JP21653897A JPH1159158A JP H1159158 A JPH1159158 A JP H1159158A JP 21653897 A JP21653897 A JP 21653897A JP 21653897 A JP21653897 A JP 21653897A JP H1159158 A JPH1159158 A JP H1159158A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポテンショメータを廃止しながら、必要な弁開
度とする制御が可能な車両用空調装置を提供する。 【解決手段】 例えば、夏場において車室内が非常に高
温な状態にあり、急速に車室内を冷却する場合では、T
AOn は、数式1にて例えば−15℃といった値が算出
される。この場合は、Tn が−15℃には成りえないた
め、TAOn <T n の関係となり、この差(TAOn
n )は負で、絶対値は大きな値となる。このため、バ
ルブ駆動時間SWtが長くなり、バルブ駆動時間WVtも長
く算出される。このようにすることで、目標吹出温度T
AOと、空調風の温度Tn との差が大きくなる程、流量
調整弁12のバルブ駆動時間WVtを長くするようにした
ため、従来使用していたポテンショメータを廃止しなが
ら、必要な弁開度となるように制御できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用空調装置で
あって、特に加熱用熱交換器であるヒータコアに供給さ
れる温水量を流量調整弁にて調整することで、空調風の
温度を調整する所謂リヒート式の空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車室内の温度を自動的に設定温度
に制御する車両用空調装置において、上記リヒート式の
ものが周知である。例えば、外気温度、車室内温度、設
定温度等の空調情報に基づいて、車室内に吹き出す必要
熱量データ(目標吹出温度)を算出し、この目標吹出温
度と実際の吹出温度との差を考慮して、流量調整弁の弁
開度を制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来装置では、流量調整弁の弁開度を絶対位置で検出する
ポテンショメータを使用しているために、部品点数が増
加し、コスト増となる。そこで、本発明の目的は、上記
ポテンショメータを廃止しながら、必要な弁開度へ制御
可能な車両用空調装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1ないし3記載の発明では、空調情報を検出
する空調情報検出手段(21〜24)と、この空調情報
検出手段(21〜24)にて検出された空調情報に基づ
いて、空調風の目標吹出温度(TAO)を算出する目標
吹出温度算出手段(S20)と、空調風の温度(Tn )
を検出する温度検出手段(25)と、目標吹出温度算出
手段(S20)にて算出された目標吹出温度(TAO)
と、温度検出手段(25)にて検出された空調風の温度
(Tn )との差が大きくなる程、流量調整弁の作動時間
(WVt)を長い時間として算出する時間算出手段(S4
0)とを有することを特徴としている。
【0005】これにより、時間算出手段により、目標吹
出温度と、空調風の温度(Tn )との差が大きくなる
程、流量調整弁の作動時間(WVt)を長い時間として算
出するため、ポテンショメータを廃止しながら、必要な
弁開度となるように制御できる。また、請求項3記載の
発明では、流量調整弁(12)は、その所定作動量
(X)に対して第1温度変化する第1温度特性範囲
(A)と、所定作動量に対して第1温度変化(A)より
大きい第2温度特性範囲(B)とを有し、時間算出手段
(S40)は、第1温度特性範囲(A)と第2温度特性
範囲(B)とで、上記差が同じであっても、第1温度特
性範囲(A)の方が第2温度特性範囲(B)より作動時
間(WVt)を長く算出することを特徴としている。
【0006】これにより、流量調整弁の作動範囲に応じ
て、空調風の温度特性が異なり、その所定作動量に対し
て第1温度変化する第1温度特性範囲と、所定作動量に
対して第1温度変化より大きい第2温度特性範囲とを有
する場合において、時間算出手段にて、第1温度特性範
囲の方が第2温度特性範囲より作動時間を長く算出する
ため、空調風の温度を調整可能な全範囲において、応答
性を向上することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1に車両用空調装置の全体構成図を示す。
車両用空調装置1は、車室内への空調風流路をなす空調
ケース2を有する。空調ケース2には、車室内へ向かう
空気流を発生する送風機3が設けられている。
【0008】空調ケース2内で、送風機3の下流側に
は、車両に搭載された冷凍サイクル(図示しない)のエ
バポレータ4が配置されている。このエバポレータ4
は、内部に低温低圧冷媒が流れ、この蒸発潜熱により通
過する空気から熱を奪うことで、空気を冷却する冷却用
熱交換器を構成している。さらに空調ケース2内で、上
記エバポレータ34の下流側には、通過する空気を加熱
する加熱用熱交換器5(以下、ヒータコア)が設置され
ている。このヒータコア5は、温水回路6内に設けられ
ており、温水回路6を流れる温水(熱源流体、エンジン
冷却水)が循環するようになっている。これにより、ヒ
ータコア5では、通過する空気と温水とが熱交換するこ
とで、空気が加熱される。
【0009】ヒータコア5の下流側における空調ケース
2には、図示しない車両窓ガラスの内面に向かって空調
風を送風するデフロスタ用空気通路7、乗員の上半身に
向けて空調風を送風するフェイス用空気通路8、および
乗員の下半身に向けて空調風を送風するフット用空気通
路9が形成されている。なお、これら空気通路7〜9
は、図示しない吹出口切換ドアにて開閉されることで、
吹出口モードとして周知のフェイスモード、バイレベル
モード、フットモード、デフロスタモード等が切り換え
可能となっている。
【0010】次に、上記温水回路6およびヒータコア5
での空調風の温度調整について説明する。温水回路6
は、図1に示すように車両駆動用エンジン10(内燃機
関)を冷却するエンジン冷却水(上記温水)が流れるも
のである。なお、図示しないが図1中エンジン10の左
側で、温水回路6には、エンジン冷却水を冷却する周知
のラジエータを有する冷却水回路が接続されている。ま
た、これら温水回路6および冷却水回路には、エンジン
10に内蔵された機械式のポンプ(図示しない)にて温
水が流れる。
【0011】温水回路6には、エンジン冷却水がヒータ
コア5をパイパスするバイパス回路6aが設けられてい
る。そして、この温水回路6のうち、バイパス回路6a
とヒータコア5への温水流入回路6bとの分岐部には、
ヒータコア5へ供給される温水流量を調整する3方弁タ
イプの流量調整弁12が設けられている。本例では、こ
の流量調整弁12は、円筒状のハウジング12a内に、
弁体12bが収納されたロータリ式のものである。弁体
12bには、図1に示すように温水が流れる制御用流路
12cが形成されている。なお、図1中弁体12bに
は、その形状および制御流路12cを分かりやすくする
ため、ハッチングがいれてある。
【0012】そして、本例では、弁体12bは回動する
と、制御流路12cの温水入口側の開口部と、ハウジン
グ12aに開口した温水取入口(図示しない)との重畳
面積が変化する。さらに、制御流路12cの温水出口側
の開口部と、ハウジング12aに開口したバイパス回路
6a用の温水取出口(図示しない)およびハウジング1
2aに開口した温水流入回路6b用の温水取出口(図示
しない)の重畳面積が変化する。
【0013】例えば、ヒータコア5へ温水供給量を最大
(最大暖房)にするためには、図1中弁体12bを時計
回りに回動して、バイパス回路6aを閉塞するととも
に、上記温水取入口および温水流入回路6bとを全開と
する。一方、ヒータコア5へ温水供給量を最小(0、最
大冷房)にするためには、図1中弁体12bを逆時計回
りに回動して、バイパス回路6aおよび上記温水取入口
を若干開口するとともに、温水流入回路6bを閉塞す
る。
【0014】なお、このように若干ながらバイパス回路
6aおよび上記温水取入口を開口したのは、急激に流量
調整弁12により温水流れを遮断すると、ウォーターハ
ンマー音が発生するため、本例では温水がバイパス回路
6aに流れるようにして、上記ウォーターハンマー音の
発生を防止している。また、図1に示した流量調整弁1
2の状態は、弁開度が上記最大暖房と上記最大冷房との
中間の状態を表している。
【0015】さらに、本例では、流量調整弁12は、そ
の作動範囲を上記最大暖房から上記最大冷房までの範囲
と規制するために、例えばハウジング12aには、図示
しない一対のストッパー部が形成されており、弁体12
b(回動軸心方向の一端部)には、このストッパー部と
係合する係合部が形成されている。これにより、流量調
整弁12は、弁体12bの作動位置が上記最大暖房とな
ると、一方のストッパー部と係合部とがぶつかること
で、それ以上弁体12bが作動しないようにしている。
一方、流量調整弁12は、弁体12bの作動位置が上記
最大冷房となると、他方のストッパー部と係合部とがぶ
つかることで、それ以上弁体12bが作動しないように
している。
【0016】このようにして、ヒータコア5への温水供
給量が変化し、ヒータコア5での空気の加熱度合いが変
化するため、空調風の温度が調整される。また、上記バ
イパス回路6aには、均圧弁11が設けられている。こ
の均圧弁11は、ヒータコア5の温水上流側と温水下流
側との間の圧力を一定にすることで、エンジン回転数に
よるヒータコア5を流れる温水流量の変化を和らげるた
めに設けられている。
【0017】詳しく説明すると、上記エンジン10の回
転数が変動すると、上記ポンプの回転数が変化し、温水
の吐出量(吐出圧力)が変化する。従って、例えば図1
に示すような弁開度が、所定の中間開度であるときに、
エンジン回転数によって、ヒータコア5に供給される温
水流量が変動するが、例えば、エンジン回転数が上昇し
て温水の圧力が上昇すると、均圧弁11が開弁する。こ
れにより、ヒータコア5の温水上流側と温水下流側との
間の圧力を一定にでき、エンジン回転数によるヒータコ
ア5を流れる温水流量の変化を和らげることができる。
【0018】次に、上述の車両用空調装置1の制御系に
ついて説明する。図1に示すように車両用空調装置1
は、制御装置20にて空調制御されるようになってい
る。制御装置20は、周知のコンピュータ手段であり、
空調プログラムが記憶されたROMや、データを一時的
に記憶するRAM、A/D変換器、タイマー等を有する
ものである。
【0019】制御装置20は、入力端子として空調情報
を検出する空調情報検出手段である各種センサが接続さ
れている。具体的には、制御装置20には、車室外の温
度を検出する外気温センサ21と、車室内の温度を検出
する内気温センサ22、車室内に入射する日射センサ2
3と、ヒータコア5の空気下流側に設置され、ヒータコ
ア5にて温度調整された空調風の温度を検出する空調風
温度センサ25、温水回路5を循環する温水温度を検出
する水温センサ24と、車室内の設定温度を設定する温
度設定器26とが接続されている。
【0020】一方、制御装置20は、出力端子として、
上記流量調整弁12の弁体12bを回動する手段である
サーボモータ27、上記送風機3を駆動する図示しない
駆動回路、上記吹出口切換ドアを駆動する図示しないサ
ーボモータ等に接続されている。次に、本発明の要部で
ある上記サーボモータ27(流量調整弁12)の駆動制
御内容について図2のフローチャートにて説明する。
【0021】先ず、ステップS10では、空調情報入力
として、上記各種センサ21〜25の検出値(デジタル
値)を読み込むとともに、上記温度設定器26の設定温
度(デジタル値TSET )を読み込む。続いて、ステップ
S20にて、上記ステップS10にて読み込まれた空調
情報に基づいて、以下の数式1より空調風の目標温度で
ある目標吹出温度TAOを算出する。
【0022】
【数1】TAO=KSET ×TSET −Kr ×Tr −Kam×
Tam−Ks ×Ts +C ここで、TSET は温度設定器26の検出値、Tr は内気
温センサ22の検出値、Tamは外気温センサ21の検出
値、Ts は日射センサ23の検出値である。また、KSE
T 、Kr 、Kam、Ks はそれぞれゲインであり、Cは補
正用定数である。
【0023】次にステップS30(時間算出手段)で
は、上記サーボモータ17のバルブ駆動時間SWt(通電
時間)を以下の数式(比例積分制御の制御式)2から算
出する。
【0024】
【数2】SWt=Kp 〔{(TAOn −Tn )−(TAO
n-1 −Tn -1)}+(θ/Ti)・(TAOn
n )〕 なお、Tn は上記空調風温度センサ25の検出値、つま
り空調風の実際の温度であり、Tn は今回(最新)の検
出値、Tn -1は前回の検出値、TAOn は今回(最新)
のTAO、TAOn-1 は前回のTAOである。また、K
pは比例定数、Tiは積分定数、θはサンプリング時間
を表す。
【0025】そして、上記数式2は、前回と今回とで空
調情報が全く変化しておらずTAO n =TAOn-1 とす
ると、以下の数式3となる。なお、この数式3の意味は
後で詳述する。
【0026】
【数3】SWt=Kp 〔{(−Tn +Tn -1)}+(θ/
Ti)・(TAOn −Tn )〕 続いて、ステップS40では、上記バルブ駆動時間SWt
を補正して、最終的なバルブ駆動時間WVtを以下の数式
4にて算出する。なお、詳細は後で説明する。
【0027】
【数4】WVt=SWt・Kg 但し、Kg は補正項である。そして、ステップS50で
は、上記バルブ駆動時間WVtが0より大きい場合では、
サーボモータ17を正転し、上記バルブ駆動時間WVtが
0より小さい場合では、サーボモータ17を正転するよ
うに制御信号をサーボモータ17に出力する。但し、こ
こでいう正転とは、弁体12bがヒータコア5の循環温
水流量を増加して空調風の温度を高める方向(図1中矢
印a方向)に回動する方向と定義し、逆転とは、弁体1
2bがヒータコア5の循環温水流量を減少して空調風の
温度を下げる方向(図1中矢印b方向)に回動する方向
と定義する。
【0028】次に上述のステップS30での数式3の意
味について説明する。先ず、(TAOn −Tn )の意味
を説明する。なお、説明を分かりやすくするため、(−
n+Tn -1)を0と見なして説明する。例えば、夏場
において車室内が非常に高温な状態にあり、急速に車室
内を冷却する場合では、上記TAOn は、上記数式1に
て例えば−15℃といった値が算出される。この場合
は、Tn が−15℃には成りえないため、TAOn <T
n の関係となり、この差(TAOn −Tn )は負で、絶
対値は大きな値となる。このため、バルブ駆動時間SWt
が長くなり、バルブ駆動時間WVtも長く算出される。
【0029】つまり、(TAOn −Tn )の差が大きく
なる程、バルブ駆動時間SWtが長くなり、バルブ駆動時
間WVtも長く算出される。これにより、ステップS50
では、サーボモータ17にて弁体12bを図1中矢印b
方向に大きく回動させるので、空調風の温度は最大限低
い温度となる。この後、車室内の温度(Tr )が設定温
度程度まで下がってくるにつれて、上記TAOn も徐々
に高くなり、差(TAOn −Tn )も徐々に小さくな
る。そして、例えば車室内の温度が(Tr )が設定温度
まで下がって安定してくると、TAOn がTn より高く
なって、差(TAOn −Tn )が正となる。
【0030】これにより、ステップS50では、サーボ
モータ17にて弁体12bを図1中矢印a方向に若干回
動させるので、空調風の温度は上昇する。また、車室内
の温度(Tr )が設定温度にほぼ安定しても、日射等に
よってTAOn が変動するため、上記(TAOn
n )が正となったり負となったりすることで、日射等
の空調環境の変化に追従して、空調風の温度が調整され
る。
【0031】一方、例えば、冬場において車室内が非常
に低温な状態にあり、急速に車室内を暖房する場合で
は、上記TAOn は、上記数式1にて例えば70℃とい
った値が算出される。この場合は、Tn が70℃には成
りえないため、TAOn >Tnの関係となり、この差
(TAOn −Tn )は正で、絶対値は大きな値となる。
このため、バルブ駆動時間SWtが長くなり、バルブ駆動
時間WVtも長く算出される。
【0032】そして、バルブ駆動時間SWtは、(TAO
n −Tn )の差が大きくなる程、長くなり、バルブ駆動
時間WVtも長く算出される。これにより、ステップS5
0では、サーボモータ17にて弁体12bを図1中矢印
a方向に大きく回動させるので、空調風の温度は最大限
高い温度となる。そして、この後、車室内の温度(Tr
)が設定温度程度まで上昇してくるにつれて、上記T
AOn も徐々に低くなり、差(TAOn −Tn )も徐々
に小さくなる。そして、例えば車室内の温度が(Tr )
が設定温度まで上昇して安定してくると、TAOn がT
n より低くなって、差(TAOn −Tn )が負となる。
【0033】これにより、ステップS50では、サーボ
モータ17にて弁体12bを図1中矢印b方向に若干回
動させるので、空調風の温度は低下する。また、車室内
の温度(Tr )が設定温度にほぼ安定しても、日射等に
よってTAOn が変動するため、上記(TAOn
n )が正となったり負となったりすることで、日射等
の空調環境の変化に追従して、空調風の温度が調整され
る。
【0034】このようにすることで、目標吹出温度TA
Oと、空調風の温度Tn との差が大きくなる程、流量調
整弁12のバルブ駆動時間(WVt)を長くするようにし
たため、従来使用していたポテンショメータを廃止しな
がら、必要な弁開度となるように制御できる。次に、
(−Tn +Tn -1)の意味について説明する。先ず、上
述の(TAOn−Tn )だけによるバルブ駆動時間WVt
算出では、以下のような問題がある。
【0035】つまり、空調風の温度をTAOに近づけよ
うとして、弁体12bを駆動したとしても、温水流量は
これに追従して変動せずに若干遅れたり、温水回路5に
おける流量調整弁12とヒータコア5との流路長さや、
ヒータコア5の熱伝達による遅れによって、空調風の温
度は直ぐさま変わらない。従って、例えば空調風の温度
を上記TAO(例えば25℃とする)に近づけべく、上
昇しようとして、も直ぐさま空調風の温度が上昇しない
ため、さらに弁体12bが図1中矢印a方向に駆動す
る。これにより、例えば温水流量が追従してきたときに
は、空調風の温度が25℃を大きく越えてしまい(オー
バーシュート)、今度は弁体12bを図1中矢印b方向
に駆動するので、弁体12bが頻繁に作動する。
【0036】そこで、このような不具合を防止するため
に、数式3中に(−Tn +Tn -1)が含まれている。つ
まり、空調風の温度を上昇する過程では、TAOn >T
n にあり、Tn >Tn -1となるため、(−Tn
n -1)は負となる。これにより、(−Tn +Tn -1
は、バルブ駆動時間WVtは短く算出されるため、弁体1
2bの作動を抑制しようと機能する。この結果、空調風
の温度がオーバーシュートすることを低減でき、弁体1
2bが頻繁に作動することが防止できる。なお、空調風
の温度を低下する場合では、同様に(−Tn +Tn -1
が機能する。
【0037】次に、上記ステップS40の内容について
詳しく説明する。図3は、本発明者が上記弁体12bの
作動位置(開度)に対する空調風の温度を実験した温度
コントロール特性の結果である。なお、弁開度0°と
は、ヒータコア5に温水を供給しない最大冷房時であ
り、バルブ開度100とは、ヒータコア5に最大限温水
を供給する最大暖房時のことである。
【0038】これを見て分かるように本例では、流量調
整弁12は、弁開度0〜30°(30°を所定作動量に
値する)に対して空調風の温度が10〜15℃(第1温
度,5°)変化する第1温度特性範囲M、弁開度30〜
60°(30°、上記所定作動量と同じ)に対して空調
風の温度が15〜65℃(第2温度)変化する第2温度
特性範囲Lを有する。
【0039】つまり、本例では、上記第1温度特性範囲
Mでは、上記第2温度特性範囲に比べて温度変化が少な
く、非常に応答性が悪い。このため、本例では、上記応
答性を向上させるために、上記補正項Kg を設け、この
補正項Kg は、図4に示すマップから決定される。つま
り、この補正項Kg は、図3の応答性が悪い所程、大き
く決定される。すなわち、図3の応答性が悪い所程、バ
ルブ駆動時間WVtが長く算出されるので、空調風の温度
の全範囲において、応答性を向上することができる。
【0040】(変形例)上記実施形態では、バイパス回
路6aを設けたが、本発明はバイパス回路6aを設けな
い温水回路6でも適用できる。なお、この場合は、流量
調整弁12を2方弁タイプのものを使用すれば良い。ま
た、上記各実施形態では、流量調整弁12は、ロータリ
式のものを使用したが、バタフライ式のものであっても
良いし、どのようなタイプのものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における車両用空調装置の全
体概略構成図である。
【図2】上記実施形態おける制御装置の制御内容を表す
フローチャートである。
【図3】上記実施形態における流量調整弁の温度コント
ロール特性を表す図である。
【図4】上記実施形態におけるKg の決定方法を示す図
である。
【符号の説明】 5…ヒータコア、12…流量調整弁、20…制御装置。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気を加熱する加熱用熱交換器(5)
    と、この加熱用熱交換器(5)に供給される熱源流体の
    流量を調整する流量調整弁(12)とを有し、前記流量
    調整弁(12)を調整することで、空調風の温度を調整
    する車両用空調装置であって、 少なくとも車室内の設定温度(TSET )と車室内の温度
    (Tr )とに基づいて、空調風の目標吹出温度(TA
    O)を算出する目標吹出温度算出手段(S20)と、 前記空調風の温度(Tn )を検出する温度検出手段(2
    5)と、 前記目標吹出温度算出手段(S20)にて算出された目
    標吹出温度(TAO)と、前記温度検出手段(25)に
    て検出された空調風の温度(Tn )との差が大きくなる
    程、前記流量調整弁の作動時間(WVt)を長い時間とし
    てく算出する時間算出手段(S40)とを有することを
    特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記目標吹出温度(TAO)が前記空調
    風の温度(Tn )より高いときには、前記流量調整弁
    (12)を前記熱源流体の流量が大きくなるように制御
    するとともに、前記目標吹出温度(TAO)が前記空調
    風の温度(Tn)より低いときには、前記流量調整弁
    (12)を前記熱源流体の流量が少なくなるように制御
    するようになっている請求項1記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記流量調整弁(12)は、その所定作
    動量に対して第1温度変化する第1温度特性範囲(M)
    と、前記所定作動量に対して前記第1温度変化より大き
    い第2温度特性範囲(L)とを有し、 前記時間算出手段(S40)は、前記第1温度特性範囲
    (M)と前記第2温度特性範囲(L)とで、前記差が同
    じであっても、前記第1温度特性範囲(M)の方が前記
    第2温度特性範囲(L)より前記作動時間(WVt)を長
    く算出することを特徴とする請求項1または2記載の車
    両用空調装置。
JP21653897A 1997-08-11 1997-08-11 車両用空調装置 Expired - Fee Related JP3814964B2 (ja)

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