JP3198573B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP3198573B2
JP3198573B2 JP00241092A JP241092A JP3198573B2 JP 3198573 B2 JP3198573 B2 JP 3198573B2 JP 00241092 A JP00241092 A JP 00241092A JP 241092 A JP241092 A JP 241092A JP 3198573 B2 JP3198573 B2 JP 3198573B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用空調装置に係
り、特に空調装置からの吹出空気温度の自動制御に好適
な車両用空調装置の温度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の車両用空調装置において、車室
内の空調制御を行うのに必要な必要吹出温度TAOの空
気流を得るために、車室内への吹出口に設けた吹出口温
度センサで検出された実際の吹出温度TAOaを利用し
て、吹出口の空気流の吹出温度TAOaを必要吹出温度
TAOに制御する方法がある。吹出温度TAOaは、エ
アミックスダンパの開度(熱交換能力調整手段に相当す
る)により決定されるもので、このエアミックスダンパ
の開度を調整するための移動時間SWn は必要吹出温度
TAOと吹出温度TAOaとの温度差En から次式の様
に求められる。
【0003】
【数1】En =TAO−TAOa
【0004】
【数2】 SWn =Kp {( En −En-1)+(θ/Ti )En } {但し、Kp :比例ゲイン、Ti :積分時間、θ:サン
プリング時間、En-1:前回の温度差En の値} 上記数2で定義されるように、エアミックスダンパの移
動時間SWn は温度差En の式に制御係数Kp 及びTi
を掛け合わせた式からなる。サンプリング時間θは車両
の空調を行う後述の制御フローの周期のことであり、こ
の温度制御では4秒である。温度差En-1 はこの制御フ
ローにおける一回前の温度差En のことである。
【0005】ところで、エアミックスダンパ開度に対す
る吹出温度TAOaの特性には、図4に示すように、非
直線性が存在するため、吹出温度TAOaを単位温度だ
け変化させるために必要なエアミックスダンパの移動時
間SWn の単位変化量は吹出温度TAOaにより異な
る。
【0006】従って、エアミックスダンパの移動時間S
Wn を同一の変化量で制御すると、吹出温度TAOaの
安定した適切な制御を行うことができない。そこで、図
4に示すように、T1、T2を切換点としてエアミック
スダンパ開度と吹出温度TAOaとの特性曲線を折線近
似する。この分割区間の近似直線の傾きは、エアミック
スダンパの単位開度当たりの吹出温度TAOaの変化量
を示す。
【0007】エアミックスダンパの単位開度当たりの吹
出温度TAOaの変化量が、吹出温度TAOaがT1よ
り低い温度の第一領域と、T1からT2までの第二領域
と、T2よりも高い温度の第三領域では違い、吹出温度
TAOaが低い第一領域ではエアミックスダンパの単位
開度当たりの吹出温度TAOaの変化量は小さく、第三
領域では、エアミックスダンパの単位開度当たりの吹出
温度TAOaの変化量は大きい。
【0008】そこで、例えば、特開平1−293215
号公報にて示されているように、吹出温度TAOaの特
性に応じて制御係数を変更するという吹出温度のフィー
ドバック制御の方法がとられている。これは、図7に示
すように、吹出温度TAOaに対する制御係数の積分時
間Ti を、第一領域、第二領域、第三領域で変えること
でエアミックスダンパの単位開度当たりの吹出温度TA
Oaの変化量を変更しようとするものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような構
成においては、吹出口温度センサにより検出された温度
を用いてフィードバックゲイン(制御係数)を変更する
ため、吹出温度センサの応答遅れ(時定数)により、実
際の吹出温度と吹出口温度センサの検出値とが一致せず
吹出温度に応じた最適ゲインを適用できないため、吹出
温度のハンチングが生じることがある。
【0010】つまり、図4に示すように、エアミックス
ダンパ開度がA→Bに変化した場合の吹出温度の変化量
をA’→B’とすると、図7に示すように、吹出温度に
応じてフィードバックゲインである積分時間Tiを変更
する時に、積分時間TiにはTi=20を用いてエアミ
ックスダンパ開度を制御したい。しかし、実際の吹出温
度がB’であっても吹出口温度センサは応答遅れから
C’と検出し、積分時間Ti=10を用いて制御を行っ
てしまうことがある。このような最適なゲインとは異な
るゲインを用いて制御を行う場合があり、A’→B’の
時には、数2において分母となるTi の値に、Ti =2
0では無く、Ti =10という大きいゲインを用いるた
めに、エアミックスダンパの移動時間が大き過ぎて、ハ
ンチングを起こすことになる。
【0011】エアミックスダンパがハンチングを起こす
と、実際の吹出温度が安定せず、吹出温度もハンチング
を起こすこととなる。そこで、本発明は、以上のような
ことに対処すべく、車両用空調装置において、エアミッ
クスダンパのハンチング、即ち吹出温度のハンチングを
防ぎ、安定した制御を行える空調装置を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成する為に、少なくとも車室外温度と車室内温度及び車
室内の目標設定温度の信号に基づいて、車室内の吹出口
から吹出す吹出空気流の必要吹出温度を演算する必要吹
出温度演算手段と、前記吹出口からの吹出空気流の吹出
温度を検出する吹出温度検出手段と、前記吹出温度を変
更させる熱交換能力を調整する熱交換能力調整手段と、
を備え、この熱交換能力調整手段による前記熱交換能力
の調整で、前記吹出温度の検出値を前記必要吹出温度に
制御する車両用空調装置において、前記必要吹出温度演
算手段により演算された必要吹出温度と前記吹出温度検
出手段により検出された吹出温度との差を算出する温度
差算出手段と、前記吹出温度検出手段で検出された空気
流の温度を前記必要吹出温度に制御するために必要な前
記熱交換能力調整手段の調整量を、前記温度差算出手段
により算出された温度差に基づき演算する演算手段と、
前記演算手段において温度差に掛け合わす制御係数を前
記必要吹出温度との関係値に基づき決定する制御係数決
定手段と、を有し、前記演算手段で求めた調整量により
前記熱交換能力調整手段を制御する車両用空調装置を採
用するものである。
【0013】
【作用】上記構成よりなる本発明の車両用空調装置の温
度制御手段によれば、少なくとも車室外温度、車室内温
度及び設定温度に基づいて、必要吹出温度演算手段によ
り必要吹出温度が演算される。
【0014】吹出空気流の現実の吹出温度を吹出温度検
出手段により検出し、必要吹出温度との温度差を温度差
算出手段により算出する。この温度差算出手段により算
出された温度差に基づき吹出温度を必要吹出温度にする
ための熱交換能力の調整量が演算される。
【0015】エアミックスダンパの開度に対する吹出空
気温度の変化特性は、一般に図4に示すような非直線特
性を有する。そこで、エアミックスダンパ開度の調整量
の演算手段である演算式の制御係数を、必要吹出温度と
の関係値に基づいて変化させる。
【0016】必要吹出温度との関係値に基づいて制御係
数を変化させると、エアミックスダンパの開度に合わせ
た制御係数を用いて吹出温度を制御することができる。
また、制御係数を必要吹出温度との関係により変化させ
れば、必要吹出温度の信号には実際の吹出温度の検出値
を用いた場合のような応答遅れが無く、エアミックスダ
ンパ開度の制御に最適な制御係数を用いることができ
る。
【0017】エアミックスダンパ開度の調整量を、エア
ミックスダンパを駆動するアクチュエータの動作時間に
対応付けて変化させることにより、図4に示す非直線特
性に対応し安定した制御が行なわれる。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。図1は、本発明に係る車両用空調装置の一例を示し
ている。この空調装置は、車両に装備したエアダクト
(吹出口)10を有しており、このエアダクト10の上
流部内には、その上流から下流にかけて、内外気切換ダ
ンパ20、ブロワ30、エバポレータ40、エアミック
スダンパ50、及びヒータコア60が配設されている。
内外気切換ダンパ20は、サーボモータ20aによる駆
動のもとに、その開度に応じ、エアダクト10内にその
導入口11から外気を流入させ、或いはエアダクト10
内にその導入口12を介し当該車両の車室内の内気を流
入させ、又は両導入口11、12から外気及び内気の双
方をエアダクト10内に流入させる。
【0019】ブロワ30は、ブロワコントローラ30a
により駆動されるブロワモータMの回転速度に応じ、導
入口11からの外気及び導入口12からの内気のうちの
少なくとも一方を空気流としてエバポレータ40に向け
送風する。エバポレータ40は、空気調和装置の冷凍サ
イクルの作動に応じて循環する冷媒によりブロワ30か
らの空気流を冷却する。
【0020】エアミックスダンパ50は、サーボモータ
50aにより駆動されて、その開度に応じ、エバポレー
タ40を通温した空気流をヒータコア60に流入する空
気と、ヒータコア60を迂回して上部吹出ダクト10a
内に直接流する空気とに振り分ける。エアダクト10の
後流部上部吹出ダクト10aと下部吹出ダクト10bと
に分岐してあり、上部吹出ダクト10aの開口端14は
車室の上方に向けて開口しており、下部吹出ダクト10
bの開口端15は車室の下方に向けて開口している。
【0021】ヒータコア60は、図1に示すごとく、下
部吹出ダクト10bの内端部にて傾斜して配設されてお
り、このヒータコア60は、当該車両のエンジン冷却系
統からの冷却水の現実の温度に応じ、その流入冷却空気
流を加熱して下部吹出ダクト10b内に流動させる。
【0022】吹出口切換ダンパ70は、図1に示すごと
く、上部吹出ダクト10aと下部吹出ダクト10bとの
間の境界壁13の下流開口部内に切換可能に配設されて
おり、この吹出口切換ダンパ70は、サーボモータ70
aにより駆動されて、空気調和装置のバイレベルモード
時に第一切換位置(図に実線で示す位置)に切換わり、
上部吹出ダクト10aからはヒータコア60を迂回した
冷風を、下部吹出ダクト10bからはヒータコア60を
通過した暖風を車室内に吹出させる。また、空気調和装
置のヒートモード時又はベンティレーションモード時
に、吹出口切換ダンパ70は、サーボモータ70aによ
り駆動されて、第二切換位置(図に二点鎖線で示す位
置)又は第三切換位置(図に一点鎖線で示す位置)に切
換わって、下部吹出ダクト10b又は上部吹出ダクト1
0aから車室内に空気流を吹出させる。
【0023】操作スイッチSWは、空気調和装置を作動
させるとき操作されて操作信号を生じる。温度設定器8
0は、車両乗員が車室内の温度を所望の温度に設定する
とき操作されて同所望の温度を設定温信号として発生す
る。内気温センサ90は、車室内の現実の温度を検出し
内気温検出信号として発生する。外気温センサ100
は、当該車両の外気の現実の温度を検出し外気温検出信
号として発生する。日射センサ110は車室内への入射
日射量を検出し日射検出信号として発生する。
【0024】上部吹出口温度センサ120は、上部吹出
ダクト10aの吹出口14に配設されているもので、こ
の上部吹出口温度センサ120は、上部吹出ダクト10
aの吹出口14からの吹出空気流の現実の温度を検出し
上部吹出口温検出信号として発生する。また、下部吹出
口温度センサ130は、下部吹出ダクト10bの吹出口
15に配設されているもので、この下部吹出口温度セン
サ130は、下部吹出ダクト10bの吹出口15からの
吹出空気流の現実の温度を検出し下部吹出口温検出信号
として発生する。
【0025】コントロールユニットECUは、A−D変
換器140を有しており、このA−D変換器140は、
温度設定器80からの設定温信号、内気温センサ90か
らの内気温検出信号、外気温センサ100からの外気温
検出信号、日射センサ110からの日射検出信号、上部
吹出口温度センサ120からの上部吹出口温検出信号及
び下部吹出口温度センサ130からの下部吹出口温検出
信号を、設定温、内気温、外気温、日射量、上部吹出口
温及び下部吹出口温を表す各ディジタル信号にそれぞれ
ディジタル変換する。
【0026】マイクロコンピュータ150は、コンピュ
ータプログラムを、図2に示すフローチャートに従い実
行する。この実行中において、ブロワコントローラ30
a及び各サーボモータ20a、50a、70aの駆動制
御に必要な演算処理をする。但し、上述のコンピュータ
プログラムは、マイクロコンピュータ150のROM内
に予め記憶されている。また、マイクロコンピュータ1
50は、当該車両のイグニッションスイッチIGのON
時にバッテリBaの正側端子+Bから給電されて作動状
態になり、操作スイッチSWからの操作信号に応答して
コンピュータプログラムの実行を開始する。
【0027】以下、このマイクロコンピュータ150が
実行する空調制御について、図2に示すフローチャート
に沿って説明する。図2に示す如くこの自動制御処理を
ステップ200にて開始すると、まずステップ210に
て、以降の処理の実行に必要な初期化の処理を行う。次
にステップ220では車両乗員がセットした設定温度を
目標設定温度Tset としてA−D変換器140を介して
読み込む。また、ステップ230では、A−D変換器1
40を介して、内気温センサ90、外気温センサ10
0、日射センサ110、上部吹出口温センサ120、下
部吹出口温センサ130の各種センサにて検出された内
気温度Tr、外気温度Tam、日射量Ts、上部吹出口温
TAV、下部吹出口温TAHを読み込む。
【0028】ステップ240では、マイクロコンピュー
タ150が次の数3に基づき、ステップ230における
目標設定温度Tset 、内気温度Tr、外気温度Tam、日
射量Tsに応じ、車室内への空気流の必要吹出温度TA
Oを演算する。
【0029】
【数3】TAO=Kset ・Tset −Kr・Tr−Kam・
Tam−Ks・Ts+C 但し、数3において、Kset 、Kr、Kam及びKsは、
温度設定ゲイン、内気温ゲイン、外気温ゲイン、日射量
ゲインをそれぞれ表し、またCは補正係数を表す。な
お、数3は、マイクロコンピュータ150のROMに、
予め記憶されている。
【0030】上述のようにステップ240における演算
処理が終了すると、マイクロコンピュータ150が、ス
テップ250にて、車室内への空気流の吹出モードと必
要吹出温度TAOとの関係を表す吹出モードパターンデ
ータ(図3(A)参照)に基づき、ステップ240にお
ける必要吹出温度TAOに応じ、吹出モードを、ヒート
モード、バイレベルモード或いはベンティレーションモ
ードと決定する。但し、前記吹出モードパターンデータ
は、マイクロコンピュータ150のROMに、予め記憶
されている。
【0031】次に、コンピュータプログラムがステップ
260に進むと、マイクロコンピュータ150が温度差
En を数1に基づき以下のように演算する。
【0032】即ち、ステップ250における吹出モード
がベンティレーションモードの時、マイクロコンピュー
タ150が、ステップ230の検出データである上部吹
出口温度TAVをTAOaとセットする。また、ステッ
プ250における吹出モードがヒートモードの時、マイ
クロコンピュータ150が、ステップ230における下
部吹出口温度TAHをTAOaとセットする。また、ス
テップ250における吹出モードがバイレベルモードの
時、マイクロコンピュータ150が{(TAV+TA
H)/2}をTAOaとセットする。そして、マイクロ
コンピュータ150が、数1に基づき、TAOa及びス
テップ240における必要吹出温度TAOに応じて温度
差Enを演算する。なお、数1はマイクロコンピュータ
150のROMに予め記憶されている。
【0033】ステップ270では、ステップ260にお
ける温度差En の絶対値を温度制御不感帯温度幅Enoと
比較判別する。温度制御不感帯温度幅Enoは、後述する
ような空調制御が行われた時に、目標の温度に制御され
たと判断するための温度幅であり、温度制御不感帯温度
幅EnoにはEno=2程度の値を代入している。この比較
判別は、実際の吹出温度TAOaがその時の必要吹出温
度TAOの温度制御不感帯幅Enoの温度内にあれば吹出
温度を変更するためのエアミックスダンパ50の開度を
変更しないようにするものである。
【0034】現段階にて、温度差Enの絶対値が温度制
御不感帯温度幅Eno以上の場合には、マイクロコンピュ
ータ150が、同ステップ270にて「NO」と判別
し、次のステップ280にて、先回の温度差En をEn-
1 とセットする。そして、図5に示すように、制御係数
である積分時間Ti を必要吹出温度TAOに基づいて決
定する。
【0035】次に、ステップ290にて前述の数2に基
づきエアミックスダンパ50の移動時間を算出する。こ
れは、温度差En が温度制御不感帯温度幅Enoの絶対値
以上であるために、エアミックスダンパ50の移動時間
SWn を新たに演算することを意味する。
【0036】この数2で求められたエアミックスダンパ
50を調整するための移動時間SWn は、エアミックス
ダンパ50を動かす時間と方向を表し、数2で求めた移
動時間SWn の正負で方向が決まり、求まった移動時間
SWn の絶対値の時間だけエアミックスダンパ50を動
かす。なお、数2はマイクロコンピュータ150のRO
Mに予め記憶されている。
【0037】従来は、図7に示す如く、実際の吹出温度
TAOaと積分時間Ti との関係により、制御係数であ
る積分時間Ti の値が決まっていた。実際の吹出温度T
AOaを用いる場合には、吹出温度の検出時にセンサの
応答遅れがあり、最適な制御係数の積分時間Ti を用い
ることができないことがあった。
【0038】しかし、本発明では必要吹出温度TAOと
の関係により積分時間Ti を決定するため、実際の吹出
温度TAOaを用いた場合のような応答遅れが無い。図
4に示すように、エアミックスダンパ50の開度がA→
Bとなった時には実際の吹出温度TAOaが必要吹出温
度TAOになったものと判断して、図5に示すように、
a→bとなったと判断し、積分時間Tiには、Ti=2
0を用いて制御式の演算をする。
【0039】従って、ステップ280、ステップ290
において、最適な積分時間Ti を用いてエアミックスダ
ンパ50の移動時間SWn の演算を行うことができるの
で、エアミックスダンパ50のハンチング、即ち吹出温
度のハンチングを防ぐことができる。
【0040】一方、ステップ270における判別が「Y
ES」となる場合には、マイクロコンピュータ150
が、ステップ300にてエアミックスダンパの移動時間
SWnを0とする。このことは、温度差En が温度制御
不感帯温度幅En の絶対値内であるために、エアミック
スダンパ50及びサーボモータ51aが停止状態におか
れることを意味する。これは、エアミックスダンパ50
の耐久性や、エアミックスダンパ50の駆動音による騒
音に対処するためになされる処理である。
【0041】上述のようにステップ280、290或い
は300における演算処理が終了すると、マイクロコン
ピュータ150が、次のステップ310にて、エアダク
ト10から必要吹出温度TAOとの関係において吹出す
べき空気流の量(以下、ブロワ風量Vという)を特定す
るデータV−TAO(図3(B)参照)に基づき、ステ
ップ240における目標吹出温度TAOに応じてブロワ
風量Vを決定する。但し、上述のデータV−TAOは、
マイクロコンピュータ150のROMに予め記憶されて
いる。
【0042】ステップ310での演算処理が終了する
と、マイクロコンピュータ150が、ステップ320に
て、ステップ310におけるブロワ風量Vを目標ブロワ
電圧BLWとしてブロワコントローラ30aに出力し、
ステップ280、290或いは300におけるエアミッ
クスダンパの移動時間SWn を目標開度出力信号として
サーボモータ50aに出力し、ステップ250における
吹出モードを吹出モード出力信号としてサーボモータ7
0aに出力する。また、内外気導入ダンパ20の目標開
度φと必要吹出温度TAOとの関係を表すデータφ−T
AOに基づき、ステップ240における必要吹出温度T
AOに応じ目標開度φを決定し吸込モード出力信号とし
てサーボモータ20aに出力する。
【0043】そして、サーボモータ70aが、マイクロ
コンピュータ150からの吹出モード出力信号に応答し
て、吹出口切換ダンパ70を、図1にて図示実線、一点
鎖線或いは二点鎖線で示す切換位置に切換える。また、
サーボモータ50aが、マイクロコンピュータ150か
らの目標開度出力信号に応じて、エアミックスダンパ5
0を数2で求めた移動時間SWn の時間だけ駆動する。
【0044】この時、ステップ300におけるセット結
果により目標開度出力信号の値が特定されるときは、エ
アミックスダンパの移動時間SWn の値が0であるた
め、サーボモータ50aが停止する。従って、エアミッ
クスダンパ50の開度は変化しない。また、サーボモー
タ20aが、マイクロコンピュータ150からの吸込モ
ード出力信号に応答して、内外気導入ダンパ20をその
目標開度に向けて駆動する。
【0045】また、ブロワコントローラ30aが、マイ
クロコンピュータ150からの目標ブロワ出力電圧BL
Wに応じて目標値に制御する。すると、内気及び外気の
一方又は双方が、内外気導入ダンパ20を介しブロワ3
0により目標ブロワ風量でもって空気流としてエアダク
ト10内に導入され、エバポレータ40により冷却され
た後、エアミックスダンパ50に向けて流動する。つい
で、エバポレータ40からの冷却空気流の一部がエアミ
ックスダンパ50の開度に応じ上部吹出ダクト10a内
に直接流入するとともに、残余の冷却空気流がヒータコ
ア60により加熱されて下部吹出ダクト10b内に流入
する。
【0046】そして、上述のステップ250における決
定吹出モードがベンティレーションモードである場合に
は、上部吹出ダクト10a及び下部吹出ダクト10b内
への各流入空気流が混合空気流として吹出口14から車
室内に吹出す。また、上述のステップ250における決
定吹出モードがバイレベルモードである場合には、上部
吹出ダクト10a内への流入空気流が、吹出口14から
車室内に吹出すと共に、下部吹出ダクト10b内への流
入空気流が吹出口15から車室内に吹出す。また、ヒー
トモード時には、上部吹出ダクト10a及び下部吹出ダ
クト10b内への各流入空気流が混合空気流として吹出
口15から車室内に吹出す。
【0047】このようにして、本発明の図2のフローチ
ャートに示すようなサイクルを約4秒に一回の周期で行
う。本実施例では、必要吹出温度に応じて数2の演算式
の積分時間Tiを変更させる方法について述べたが、図
6に示す如く、必要吹出温度TAOと比例ゲインKpと
の関係により比例ゲインKpを積分時間Ti と同様に変
更させても良く、吹出温度のハンチングを防ぐという同
様の効果を得ることができる。
【0048】また、積分時間Ti 、比例ゲインKp の何
れか一つだけを必要吹出温度TAOとの関係により変更
させる例について述べたが、両方の制御係数を必要吹出
温度TAOとの関係により変更させても良い。ただし、
全ての制御係数を必要吹出温度TAOとの関係により変
更させるための制御係数の値の調整は困難である。
【0049】なお、本発明の実施にあたっては、温度制
御不感帯温度幅Enoの値を適宜変更しても良い。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、エ
アミックスダンパ開度の調整量である移動時間を演算す
る演算式の制御係数を必要吹出温度との関係値により変
化させるため、実際の吹出温度の検出値を用いた場合の
ような応答遅れが無い。
【0051】従って、応答遅れが無くエアミックスダン
パ開度を制御するのに最適な制御係数を用いることがで
きるため、エアミックスダンパのハンチング、即ち吹出
空気温度のハンチングを防ぐことができ、より安定した
制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体構成図である。
【図2】図1のマイクロコンピュータの作用を示すフロ
ーチャートである。
【図3】吹出モードの必要吹出温度TAOとの関係を示
すパターン図及びブロワ風量Vの必要吹出温度TAOと
の関係を示すグラフである。
【図4】エアミックスダンパ開度と吹出温度との関係を
示す特性図である。
【図5】必要吹出温度TAOに対する積分時間Ti の設
定量を示す図である。
【図6】必要吹出温度TAOに対する比例ゲインKp の
設定量を示す図である。
【図7】吹出温度TAOaに対する積分時間Ti の設定
量を示す図である。
【図8】特許請求の範囲に対応する図である。
【符号の説明】
10 エアダクト 40 エバポレータ 50 エアミックスダンパ 50a サーボモータ 60 ヒータコア 70 吹出口切換ダンパ 80 温度設定器 90 内気温センサ 120 上部吹出口温度センサ 130 下部吹出口温度センサ 150 マイクロコンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本田 祐次 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 伊藤 裕司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/00 101

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも車室外温度と車室内温度及び
    車室内の目標設定温度の信号に基づいて、車室内の吹出
    口から吹出す吹出空気流の必要吹出温度を演算する必要
    吹出温度演算手段と、 前記吹出口からの吹出空気流の吹出温度を検出する吹出
    温度検出手段と、 前記吹出温度を変更させる熱交換能力を調整する熱交換
    能力調整手段と、 を備え、この熱交換能力調整手段による前記熱交換能力
    の調整で、前記吹出温度の検出値を前記必要吹出温度に
    制御する車両用空調装置において、 前記必要吹出温度演算手段により演算された必要吹出温
    度と前記吹出温度検出手段により検出された吹出温度と
    の差を算出する温度差算出手段と、 前記吹出温度検出手段で検出された空気流の温度を前記
    必要吹出温度に制御するために必要な前記熱交換能力調
    整手段の調整量を、前記温度差算出手段により算出され
    た温度差に基づき演算する演算手段と、 前記演算手段において温度差に掛け合わす制御係数を前
    記必要吹出温度との関係値に基づき決定する制御係数決
    定手段と、 を有し、前記演算手段で求めた調整量により前記熱交換
    能力調整手段を制御する車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記温度差算出手段で算出された温度差
    が所定値の範囲内に制御されたことを判断する判断手段
    を備え、この判断手段で所定値の範囲内に制御されたと
    判断した時には、熱交換能力を調整しないことを特徴と
    する請求項1記載の車両用空調装置の温度制御装置。
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