JPH11508973A - サクションボックス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 セルロースファイバを含有するウェブを製造するマシーンのサクションボックスであって、このサクションボックスは、穴あきジャケット（１）が設けられた回転サクションロール（２）内に配置され、このサクションボックス（３）はサクションロールの内面（５）に対して配置されるサクションインレット（６）を有するサクションチャンバ（４）及びサクションチャンバに負圧を形成しサクションロールの穴（８）を介してサクションチャンバに水を吸い込むサクション接続部（７）を含む。サクションインレット（６）にはリブ（１０）が設けられ、このリブはサクションロール（２）の回転方向（９）を横切る方向に配置され、サクションロールの内面（５）付近に、且つサクションロールの長手方向にサクションスリット（１１）を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】 サクションボックス 本発明は、請求の範囲の請求項１の序文に定められたサクションボックスに関 する。 以下において、本発明及び従来技術は主にペーパーマシーンに関して述べられ るが、本発明をペーパーマシーン専用に限定しない。したがって、本明細書中の ”ペーパーマシーン”という用語は、一般的なペーパーマシーン又はカードボー ドマシーン或いはセルロースファイバを含有するウェブを製造するためのパルプ 製造に使用されるマシーンについて言う。 ペーパーマシーンでは、サクションロールはヘッドボックス及びプレスセクシ ョンの後の、製造されるウェブの脱水のために使用される。サクションロールは 、ジャケットの全領域に穴を有するローラであり、内側にサクションボックスを 有し、このサクションボックスはサクションロールの内面に装着又はプレスされ 、さらにこれらの間にシーリングを有する。サクションボックスの目的は、ウェ ブから水を吸い取り、ウェブを介して空気を流し、この空気で湿気を取り除くこ とである。 マシーンが高速、即ちロールが高速で回転される場合、サクションロールの作 動は有効でなくなる。真空によりサクションロールの穴及びロールから幾らか水 を吸い取られるが、遠心力によって大部分の水はサクションボックス自体に入る ことが妨げられる。遠心力によって水の幾らかがサクションロールの穴及びサク ションロールの外側に戻される。このために、ウェブから取り除かれた水はウェ ブの下側に残るため、ウェブは湿ったままである。吸い取り段階の後、ロールの 内側からはねた水は再びウェブ又はプレスセクションでフェルトを湿らせる。ロ ールの穴はロールと共に回転する多量の水を含み、この水の幾らかはウェブの供 給側にも送られ、ウェブ又はフエルトを湿らせる。さらに、ロールの穴に残る水 及び水に含有する粒子は穴をブロックし、サクションポンプが必要な動力を増加 させる。 サクションロールの作動を向上させようとすると、サクションボックスの真空 レベルは増加し、これは普通真空ポンプが必要とする動力が増大することを意味 する。これは、この手段が生成する唯一の効果である。マシーンの速度の増大は 、乾燥セクションの効率の増大又はマシーンの長さ或いは蒸気消費を増大させる ことによって達成された。 本発明の目的は、上に述べた欠点をなくすことである。本発明の特定の目的は 、サクションロールによる湿ったウェブのより効率的な脱水を可能とし、サクシ ョンロールからサクションボックスへの水のより効率的な排水を可能にする新し いタイプのサクションボックス構造を提供することである。 本発明の特徴に関しては、請求の範囲を参照されたい。 セルロースファイバを含有するウェブを製造するためのマシーンにおける本発 明のサクションボックスは、穴あきジャケットが設けられた回転サクションロー ルの内側にある。サクションボックスは、サクションロールの内面に対して配置 されるサクションインレットを有するサクションチャンバ及びサクションチャン バに負圧を生成しサクションロールの穴を介してサクションチャンバへ水を吸い 込むサクション接続部を含む。本発明によると、サクションボックスのサクショ ンインレットにはリブ又はスラット（すきま翼）が設けられ、これらはサクショ ンロールの内面付近に、且つサクションロールに対して長手方向に位置されサク ションスリットを形成する。したがって、本発明は、サクションインレットの断 面フロー領域を減少させることにより、フロー速度が増大でき、サクションロー ルの穴を介して吸い取られた水は、穴を通過し格子のスリット、さらにサクショ ンボックスに入っても同じ方向に流れ続けるという考察に基づく。正確に向けら れたリブ又はスラットは、孔から現れる水滴をサクションボックスへ向かって方 向付ける。 リブはサクションインレットの全長及び全幅にわたって延出する格子を形成す るのが好ましく、この格子においてリブはサクションロールの内面に向かう尖鋭 なフロントエッジを含み、このフロントエッジはサクションロールの穴から現れ る水滴をカット又は捕獲する。 リブの尖鋭なフロントエッジはサクションロールの内面からある距離を置かれ ることが好ましく、この距離は、例えば１〜４ｍｍ、好ましくは２〜３ｍｍであ る。本発明の別の実施の形態では、リブのフロントエッジはサクションロールの 内面に直接接触し、即ち、内面をこする。これは、リブが内面をこする際に内面 を損傷させないように材料を適切に選択することによって実施され得る。したが って、リブには必要な場合に交換され新しくされ得るよりやわらかい材料から成 るフロントエッジが設けられるか或いはリブ全体がサクションロールの内面を損 傷させない適切な材料から成ってもよい。 リブの尖鋭なフロントエッジから始まり水滴に当たるリブの前面は、サクショ ンロールの内面に対して９０°を越える角度を形成するのが好ましい。このよう に、水滴は垂直方向からリブに当たらず、傾斜角度でリブに当たる。これは、水 滴の運動エネルギーが部分的に維持され、移動方向がサクションボックスに向か うことを意味する。 本発明の好適な実施の形態において、サクションボックスのサクションインレ ットには冷却デバイスが設けられ、この冷却デバイスは吸い込みによって吸引し た水及び蒸気を冷却し、圧力降下を起こし、サクションボックスのサクションイ ンレットの吸い込み効果を自然に向上させる。 冷却デバイスはリブ付近に配置された水噴射（スプレー）ジェットによって形 成されるのが好ましく、これによって微細な水ジェットは所望の方向、好ましく はサクションロールのジャケットから離れる方向に向けられ、主にサクションボ ックスのサクションチャンバに向けられる。 本発明のサクションボックスは従来技術に比べて大きな利点を有する。本発明 を適用することによって、乾燥されるべきウェブから水が大きな効率で除去され 、サクションロールに吸収された水は乾燥されるべきウェブに戻されずに除去さ れ得る。実施された予備テストによると、冷却デバイスなしで格子を使用するこ とによって、サクションロール通過後のウェブの固体含有量を約２％増加させる ことができる。したがって、本発明のサクションボックスはペーパーマシーンの エ ネルギー消費、紙の品質及び特性、並びにマシーンの速度に対して非常に優れた 効果を有する。 以下において、本発明は添付図面を参照にして詳細に述べられ、この図面には 本発明によって提供されるサクションボックスの概略断面図が示される。 図面はサクション(suction：吸い込み、吸い取り)ロール２の断面図を示し、 このサクションロールは数メートル、例えば５〜１０ｍの長さを有し得る円形ジ ャケット１によって形成される。ジャケット１の全体にはその全長にわたって外 周部に等距離に配置された穴８が設けられるが、この図面はジャケットの一部分 のみの穴を示す。サクションロールの内側にはサクションボックス３があり、こ のサクションボックスはサクションチャンバ４、サクションロールの内面に対し て開いているサクションインレット６及びサクションチャンバ４に真空を形成す るためのサクション接続部７を含む。 サクションインレット６のエッジには内面５に対して押されるシール１６及び １７が設けられ、サクションインレットの端部にも対応するシールが設けられる ため、サクションインレットは全体的にサクションロールの内面５に対して比較 的強く押される。したがって、サクションチャンバ４に存在する真空によっての みサクションロールの穴８を介した吸い込みが可能となる。シール１６及び１７ はそれら自体が公知のシーリング構造、例えば圧縮空気によって内面５に対して 張られたシーリング構造から成る。 互いに距離を置いてサクションインレット６に配置されるのは複数の細長いリ ブ１０であり、これらのリブはサクションロールの回転方向９を横切る方向に配 置され、サクションインレットの全長にわたって延出する。リブは格子を形成し てサクションインレット全体を被覆するため、サクションインレット内に多数の 並行な細長いサクションスリット１１がある。リブは共通の支持体１８に装着さ れ、サクションロールの内面５に向かう尖鋭なフロントエッジ１２を有する。尖 鋭なエッジは内面５から短い距離を置かれる。さらに、リブは傾斜した位置で取 り付けられるため、尖鋭なフロントエッジ１２から始まる前面１３はサクション ロールの内面に対して９０°を越える角度を形成する。 さらに、サクションボックスには二つのパイプが設けられ、これらのパイプは サクションインレット６の全長にわたって延出し、リブによって形成された格子 の下のサクションインレット６付近に配置され、冷却デバイス１４を構成する。 パイプにはジェット又は孔が設けられ、これらのジェットや孔はサクションロー ル２及びリブ１０によって形成された格子から離間するように、即ち主にサクシ ョンチャンバ４に向けられる。 図面に例示されるサクションボックスの作動は以下の通りである。ワイヤ及び その上にあり、サクションロールによって脱水されるウェブは回転サクションロ ールの周りを移動する。サクションボックス３の負圧はサクションインレット６ を介して穴８に吸い込みを形成し、これによって水がウェブ及びワイヤからサク ションインレット６に対向する穴８に吸収される。水は穴を介してサクションロ ールの内面へ流れ、ここでリブ１０によって形成された格子はサクションインレ ット６の断面フロー領域を減少させるため、比較的強い吸い込みフローがサクシ ョンスリット１１を介してサクションチャンバ４に向かって続けられる。サクシ ョンロールの内面５の水滴がリブの尖鋭なフロントエッジ１２に当たると同時に 、サクションフローのリブに方向付けられた水滴がサクションボックスへ渡され る。 処理されるウェブは比較的温かく負圧は比較的高いため、吸い込みによって除 去される水の大部分は蒸気の形態である。この理由から、冷却デバイス１４がリ ブの下に設けられて蒸気フローを冷却し、この蒸気を水に液化し、リブの下のサ クションインレットにかなりの圧力降下を形成する。これによってサクションイ ンレット領域におけるサクションロールの吸い込み効果が向上し、脱水効果も向 上する。 上記において、本発明は添付図面を参照することによって例を用いて説明され てきたが、本発明の異なる実施の形態も請求の範囲によって定められた発明の思 想の範囲内で可能である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，Ｌ Ｕ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ， ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，Ｓ Ｚ，ＵＧ)，ＵＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，Ｉ Ｌ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，Ｒ Ｕ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．セルロースファイバを含有するウェブを製造するマシーンのサクションボッ クスであって、前記サクションボックスは穴あきジャケット（１）が設けられた 回転サクションロール（２）内に配置され、前記サクションボックス（３）は、 サクションロールの内面（５）に対して配置されたサクションインレット（６） を有するサクションチャンバ（４）及びサクションチャンバに負圧を形成し、サ クションロールの穴（８）を介してサクションチャンバに水を吸い込むサクショ ン接続部（７）を含み、サクションインレット（６）にはリブ（１０）が設けら れ、前記リブはサクションロール（２）の回転方向を横切る方向に配置され、サ クションロールの内面（５）付近に、且つサクションロールの長手方向にサクシ ョンスリット（１１）を形成する、サクションボックス。 ２．リブ（１０）はサクションインレット（６）の全幅及び全長にわたって延出 する格子を形成する、請求項１記載のサクションボックス。 ３．リブ（１０）はサクションロールの内面に向かう尖鋭なフロントエッジ８１ ２）を含む、請求項１記載のサクションボックス。 ４．リブのフロントエッジ（１２）はサクションロールの内面（５）から距離を 置かれる、請求項３記載のサクションボックス。 ５．リブのフロントエッジ（１２）はサクションロールの内面（５）に接触する 、請求項３記載のサクションボックス。 ６．尖鋭なフロントエッジ（１２）から始まる前面（１３）はサクションロール の内面（５）に対して９０°を越える角度を形成する、請求項３記載のサクショ ンボックス。 ７．サクションインレットには冷却デバイス（１４）が設けられ、前記冷却デバ イスはサクションロール（２）の穴（８）を介して吸引された蒸気を冷却し、負 圧を増大させる、請求項１記載のサクションボックス。 ８．冷却デバイス（１４）にはリブ付近に配置された水噴射ジェット（１５）が 設けられる、請求項７記載のサクションボックス。 ９．ジェット（１５）はリブ（１０）から離れるようにサクションチャンバ（４ ）に向けられる、請求項８記載のサクションボックス。