JPH11508833A - 手持ち式電動研削盤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 回転する偏心ピン（２０）によって駆動される工具ホルダー（２２）を備え、該工具ホルダーが、研削工具を装備するために工具側及び工具ホルダー側に固定されていて互いに対応し合うロックエレメント（４０，４１）を備えた急速ロック装置（２４）を有する形式の手持ち式電動研削盤において、比較的大きな出力を工具ホルダー（２２）から研削工具（１０）へ伝達するために、工具側のロックエレメント（４０）が、同一円形ラインに沿って配置された複数のフック（４２）によって形成されており、かつ工具ホルダー側のロックエレメント（４１）が、リング状に湾曲されたばね線材（４３）によって形成されている。前記ばね線材（４３）は、工具側のフック（４２）の数に等しい数の、半径方向内向きの湾入部（４３１）を有し、該湾入部は、研削工具（１０）をロックするために前記工具側のフック（４２）に背面から係合する。

Description

【発明の詳細な説明】 手持ち式電動研削盤 技術分野： 本発明は、請求項１に発明の上位概念として規定した形式の手持ち式電動研削 盤に関する。 背景技術： 三角形の研削プレートとして構成された研削工具を備えた前記形式の公知の手 持ち式電動研削盤（欧州特許出願公開第０６１０８０１号明細書）では、急速ロ ック装置のホルダー側のロックエレメントは、操作キーと一体成形されたロック バーを有し、該ロックバーは、押圧ばねの力に抗してシフト可能であり、かつ係 止突起を形成する２つの斜面をもった切欠部を有している。工具側のロックエレ メントは、少なくとも１つの係止フックによって形成されており、該係止フック は研削プレートから一体に成形されており、かつ該研削プレートから上向きに突 出している。研削プレートが工具ホルダーの支承面に装着される場合、前記係止 フックは工具ホルダーの切欠部内に突入しかつ前記押圧ばねの力を受けて係止突 起によって背面から係合される。その都度１２０°回動された任意の位置で対称 的な研削プレートを工具ホルダーに装着できるようにするために、三角形状の研 削プレートの３つの角頂点 に係止フックが夫々１つ配置されている。工具側に固定された複数のロックエレ メントは支持爪によって形成され、該支持爪は１対ずつ研削プレートの各角頂点 で係止フックに対して対称的に配置されている。これに対して、前記支持爪と協 働する、工具ホルダー側に固定されたロックエレメントは、２つの嵌合穴によっ て形成されており、該嵌合穴は、操作キーとは反対の工具ホルダー側に配置され ている。研削工具を交換するためには前記操作キーが押圧ばねの力に抗してシフ トされ、これによって係止突起が係止フックを解放する。次いで研削プレートが 手操作で工具ホルダーから取り出される。研削プレートの再装着時には、２つの 支持爪が工具ホルダーの２つの嵌合穴に差込まれ、かつ研削工具が工具ホルダー の支承面に圧着される。その場合、係止突起の下位摺動斜面を介してロックバー が、係止フックを係止突起に沿ってガイドさせるまで前記押圧ばねの力に抗して シフトされる。次いで再び跳ね戻るロックバーが、係止突起を係止フックの背面 に押し込め、これによって研削工具は軸方向でシフト不能に工具ホルダーに位置 固定されている。 発明の利点： 前記の背景技術に対比して、請求項１に特徴部分として規定した構成手段を有 する本発明の手持ち式電動研削盤によって得られる利点は次の通りである。すな わち：本発明の急速ロック装置は、その製造コストが 著しく低廉で、ダストによって動作不全を起こす虞れもなく堅牢で操作が簡便で あり、特に抗張・抗圧にかつ傾動不能に保持された研削工具に対して、より大き な出力を工具ホルダーから伝達することが可能になる。多層研削アタッチメント （Lamellenschleifvorsaetze）、研削リップ（Schleifzungen）又は研削管（sch leifrohre）のような特殊研削工具は、本発明による急速チャック装置の構成に 基づいて「下」からの研削時にも「上」からの研削時にも使用することができ、 後者の場合このことは、特殊工具の上面を介して研削力を発生させ、かつ工具ホ ルダーによって吸収することができることを意味している。 請求項２以降に記載した構成手段によって、請求項１に記載した手持ち式電動 研削盤の更なる有利な実施形態と改良が可能になる。本発明の有利な実施形態で は、ばね線材は、工具ホルダーの支承面に対して平行な１平面内で旋回可能に前 記工具ホルダーに保持されて操作キーと結合されている。該ばね線材は、工具側 のフックの数に実質的に等しい数の、半径方向内向きの湾入部を有し、該湾入部 は、研削工具のためのロック位置を形成する前記ばね線材の旋回位置では前記工 具側のフックに背面から係合する。このように構成したことによって、工具交換 時の操作快適性が著しく高められると同時に、工具ホルダー内に挿嵌された研削 工具のために高いロック確実性が得られる。 本発明の有利な実施形態ではばね線材は、工具ホルダーに一体成形された複数 のウェブの横スリット内でガイドされており、前記ウェブは、回転軸受の軸線に 対して共軸の円形ラインに沿って配置され、かつ前記ばね線材のロック位置では その都度ウェブ対を各湾入部の両側に位置させるように構成されており、かつ前 記ウェブ対は、殊に等しい周角度だけ互いにずらされている。リング状に湾曲さ れたばね線材は、ほぼ半径方向外向きに互いに平行に延びる２つの線材脚片で終 わっており、両線材脚片の内、一方の線材脚片の自由端部が直角に他方の線材脚 片の前で屈曲されている。操作キーは、前記の両線材脚片の自由端部で該線材脚 片にクリップ締結されている。この構成手段に基づいて、ばね線材及び操作キー は、プラスチックから一体に製造された工具ホルダー内に著しく簡便かつ迅速に 組付けることが可能になる。 本発明の有利な実施形態では、工具側と工具ホルダー側とに固定された嵌合エ レメントが、軸方向で互いに対応嵌合する多辺形成形体によって構成されており 、前記の多辺形成形体は、回転軸受の軸線に対して共軸に、工具ホルダーと研削 工具との互いに対面した方の側に配置されている。その場合、工具側の多辺形成 形体は、研削工具の上面から張出すように殊に該研削工具と一体成形された筒体 の内面側に形成されており、また工具ホルダー側の多辺形成形体は、工具ホルダ ーから突出するように殊に該工具ホルダーと一体成形されていて前記筒体内に嵌 合挿入可能なスピゴットの下側に形成されているのが有利である。工具側のロッ クエレメントを形成している急速ロック装置のフックは、前記筒体の外壁に一体 成形されているのが有利である。従って全ての工具側エレメント及び全ての工具 ホルダー側エレメントは、研削工具もしくは工具ホルダーの製造時に同時に一緒 に一体成形することができる。 本発明の有利な実施形態では、玉軸受として構成された回転軸受は、工具ホル ダー側の多辺形成形体を有するスピゴット内に収容され、かつ、工具ホルダーを プラスチックから製造する際に、前記玉軸受の一方の端面を部分的にカバーする キャップ状リングディスクと一緒に工具ホルダー内に射出封入されている。なお 玉軸受の外レースに部分的に被さる前記キャップ状リングディスクは、射出成形 操作時に玉軸受の上位に位置するプラスチックが該玉軸受内に流入するのを防止 する。工具ホルダーと一体成形されるスピゴット内に前記玉軸受を封入すること によって、製造上の利点が得られるばかりでなく、運転中には玉軸受は防塵され ることになる。 本発明の有利な実施形態では、互いに等しい周角度ずらされた、回転軸受軸線 を中心とする複数の回動位置、殊に３つの回動位置で研削工具を工具ホルダーに 装着できるように、多辺形成形体が構成されかつ工具側フックが配置されている 。これによって、例えば三角形状の対称的な研削プレートとして構成された研削 工具を迅速かつ正確に、その元の位置に対してその都度１２０°回動させて位置 決めすることが可能であり、従って研削プレート及び研削リーフの角頂点角隅域 の研削作用が例えば摩耗又は汚れによつて減退した場合、第１又は第２の角隅域 に代えて第２又は第３の角隅域を爾後の研削のために使用することが可能であり 、その場合角隅は絶えず正確に前向きに方位づけられている。 手持ち式電動研削盤の別の実施形態では工具ホルダーは、研削工具に対面した 方の面の半径方向外域に同一ピッチ円に沿って複数本のピン状足部を有しており 、該ピン状足部は研削ディスク（研削工具）の嵌合穴に係合し、かつ工具ホルダ ーに対する研削ディスクの相対回動防止機構として役立ち、これによって工具ホ ルダーと研削ディスクとの間の極めて直接的な力伝達作用を可能にする。 研削工具は摩耗部品であるので、工具ホルダーに対して該研削工具角隅域を迅 速に位置決め変換すること、或いは研削工具を簡便に交換できることは格別顕著 な利点である。この利点は、研削工具の係止手段と工具ホルダーの係止手段との 協働から生じる。従って工具ホルダーも研削工具も共に発明の新規性並びに顕著 な進歩性を有するものであり、しかも該工具ホルダーは、種々異なった構成の研 削工具を補助工具なしに着脱可能又はロック可能に装着又は位置決め変換するこ とのできる１つの重要な構成部品もしくは重要な補充部品である。 図面の簡単な説明： 第１図は一部断面して示した手持ち式電動研削盤の部分的な側面図である。 第２図は第１図に示した手持ち式研削盤の工具ホルダーを上方から見た斜視図 である。 第３図は第２図のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿った断面図である。 第４図は第２図に示した工具ホルダーの下面図である。 第５図は第１図の手持ち式研削盤に設けた急速ロック装置の操作キーを下方か ら見た拡大斜視図である。 第６図は第１図の手持ち式研削盤における急速ロック装置のリング状ばね線材 の下面図である。 第７図は第１図に示した手持ち式研削盤の研削工具の平面図である。 第８図は別の実施例による本発明の工具ホルダーを下方から見た斜視図である 。 第９図は別の実施例による研削工具上面側の平面図である。 発明を実施するための最良の形態： 次に図面に基づいて本発明の実施例を詳説する。 第１図において一部断面して部分的側面図で示した手持ち式電動研削盤は、三 角形の対称的な研削プレートとして形成された研削工具１０を装備した揺振研削 盤９として構成されている。プラスチックから製造された研削プレートの下面は 、図示を省いた研削リーフ（Schleifblaetter）を受容するための面ファスナー 式ライニング１１を装備している。該揺振研削盤９は双殻形の機械ケーシングを 有し、該機械ケーシングは２つのケーシング外殻板１２１，１２２から組立てら れており、両ケーシング外殻板は、ケーシング縦軸線に対して平行に延びるパー ティングライン１２３に沿って互いに突合わされている。機械ケーシング１２内 には電動モータ１３が内蔵されている。但し図面では、電動モータの内、出力軸 １４に装着されたファン１５しか看取することができない。機械ケーシング１２ の上側に配置されたオン／オフ・スイッチ１６は前記電動モータ１３をオン／オ フに切換えるためのものである。出力軸１４はマイタ歯車装置１７を介して作業 軸１８を駆動し、該作業軸１８は、ケーシングに固定的に配置された玉軸受１９ ａ，１９ｂ内に回転可能に軸支されており、かつ機械ケーシング１２の下端面側 では偏心ピン２０を以て機械ケーシング１２から突出している。偏心ピン２０に は、別の玉軸受２１の内レースが軸方向にシフト不能に装着されており、該玉軸 受 ２１の外レースは、シャーレ形の工具ホルダー２２内に、特に射出封入によって 保持されている。第２図乃至第４図において種々の側から見て拡大して図示され ているプラスチックから製作された工具ホルダー２２は揺振体２３を介して機械 ケーシング１２に固定されているので、偏心ピン２０の回転時に回転連動を阻止 され、従って単なる円形揺振運動を行うに過ぎない。工具ホルダー２２には研削 工具１０が、追って詳説するように工具ホルダー側並びに工具側に設けられてい る対応したロックエレメントによって位置決めされると共に、操作キー２５を介 して手操作で作動可能な急速ロック装置２４によって保持されている。その場合 、研削工具１０は、シャーレ形の工具ホルダー２２の、引出し線によって明確に 際立たされている支承面３７上に載設されており、かつ工具ホルダー２２と相俟 ってダスト吸出室２６を封じ込めており、該ダスト吸出室２６は一方では研削工 具１０内に穿設した複数の吸出穴２７（第７図）と研削リーフ内の対応した複数 の穴とを介して、図示を省いた工作物の被加工側へ向かって開いており、また他 方ではベローズ２８を介して、機械ケーシング１２内に延びているダスト吸出通 路２９と連通しており、該ダスト吸出通路２９は端部側で外設サクションブロワ に接続することができる。 工具ホルダー２２は第２図では俯瞰斜視図で、第４図では下面図で、また第３ 図では第２図のＩＩＩ−Ｉ ＩＩ線に沿った縦断面図で拡大図示されている。該工具ホルダー２２は、研削工 具１０から離反した上側中央にリング接続管片３０を支持しており、該リング接 続管片３０は、機械ケーシング１２内に保持された揺振体２３内に挿嵌可能であ り、かつ、前記リング接続管片３０に一体成形された複数の突起３１を介して相 対回動不能に揺振体２３内に保持されている。研削工具１０に対面した方の、工 具ホルダー２２の下側では、前記リング接続管片３０に対して共軸に、内部中空 のスピゴット３２が続いており、該スピゴット３２内には共軸に玉軸受２１が収 容されている。リング接続管片３０とスピゴット３２と玉軸受２１の互いに整合 した軸線は、第１図及び第３図では鎖線で図示されており、かつ符号３３で示さ れているのに対して、前記軸線３３に対して偏心量分だけずらされている作業軸 １８の軸線は符号３４で表されている。 研削工具の上側、つまり研削工具が揺振研削盤９の方に向いた側で、リング接 続管片３０は突起３１と一体であり、またピゴット３２は工具ホルダー２２と一 体であり、かつ射出成形工程時に一緒に成形される。この場合玉軸受２１は、玉 軸受２１の一方の端面を部分的にカバーする、つまり該玉軸受２１の外レースに 部分的に被さるキャップ状のリングディスク３５と共に、射出成形時に、ピゴッ ト３２内に一緒に射出封入され、この場合、前記リングディスク３５は、玉軸受 ２１内へのプラスチックの流入を阻止する。 特に第４図から判るように工具ホルダー２２の下側でピゴット３２の外面に対 称的な多辺形凸面成形体３６が形成されており、該多辺形凸面成形体は、夫々互 いに１２０°ずらされた３つの等しい円弧区分３６１から成り、これら３つの円 弧区分は、やはり互いに１２０°ずらされた軸方向ストリップ状の３つの等しい 円弧区分３６２によって結合されており、該円弧区分３６２の円弧曲率半径は、 円弧区分３６１の円弧曲率半径よりも大である。 研削工具１０が工具ホルダー２２の支承面３７に支持されるところの研削工具 上面の俯瞰平面図である第７図から判るように、研削工具１０の上面には、該研 削工具１０と一体的な筒体３８が突出しており、該筒体の内面には、前記多辺形 凸面成形体３６に対応する雌型の多辺形凹面成形体３９が形成されており、該多 辺形凹面成形体は円弧区分３９１と円弧区分３９２を有している。この場合円弧 区分３９２は、円弧区分３６２によって規定された軸方向条片を受容するための 軸方向条溝として構成されているので、工具ホルダー２２の支承面３７に研削工 具１０を装着する際に多辺形凸面成形体３６と多辺形凹面成形体３９とは互いに 嵌合し、かつ研削工具１０を工具ホルダー２２に相対回動不能に固定的に位置決 めする。従って多辺形凸面成形体３６と多辺形凹面成形体３９は、工具ホルダー ２２と研削工具１０との間を係合接続するための、明細書冒頭で述べたホルダー 側と工具側とに位置固定されていて互いに対応するロックエレメントを形成して いる。 多辺形凸面成形体３６と多辺形凹面成形体３９を角対称的に構成したことによ って、研削工具１０を、軸線３３を中心として夫々互いに１２０°回動した３つ の位置で工具ホルダー２２に装着することが可能である。急速ロック装置２４は 研削工具１０を工具ホルダー２２に位置決めし、スピゴット３２からの研削工具 １０の不都合な引き抜けを防止する。このために急速ロック装置２４は、工具側 に位置決めされたロックエレメント４０並びに、ホルダー側に位置決めされてい て前記ロックエレメント４０と協働するロックエレメント４１を有している。 第１図及び第７図から判るように工具側のロックエレメント４０は、研削工具 １０に一体成形された複数のフック４２として形成されており、これらのフック は同一円周線上で互いに等しい回転角だけずらして配置されており、かつ、工具 ホルダー２２の支承面３７に対面した研削工具１０の上面から突出している。こ の場合フック４２は、構造を単純化するために筒体３８の外周面に一体成形され ており、該筒体の内周面は多辺形凹面成形体３９を支持している。フック４２と 協働するホルダー側のロックエレメント４１は、第４ 図及び第６図に示したリング状に湾曲されたばね線材４３によって形成される。 該ばね線材４３は、筒体３８のフック４２の数に等しい数の（図示例では３つの ）半径方向内向きの湾入部４３１を有しており、該湾入部４３１は、フック４２ に相応して矢張り等しい回転角だけ互いにずらして配置されている。 第３図及び第４図から判るように、リング状に湾曲されたばね線材４３は、複 数のウェブ４４の横スリット５１内で回動可能に、或いは該ばね線材の線材脚片 ４３２，４３３でもってガイドスリット５３内で一方の側に向かって、では図平 面内へ旋回可能に、工具ホルダー２２に取付けられており、前記ウェブ４４はス ピゴット３２もしくは玉軸受２１の軸線３３に対して共軸のピッチ円に沿って配 置されておりかつ工具ホルダー２２と一体に該工具ホルダー２２から下向きに張 出している。該ウェブ４４は、第４図に示したようにばね線材４３のロック位置 において夫々１対のウェブが湾入部４３１の両側に位置するように、１対ずつ配 置されている。ウェブ対それ自体は、やはり等しい円周角だけ互いにずらされて いる。リング状に湾曲されたばね線材４３は、ほぼ半径方向外向きに張出した互 いに平行な２つの線材脚片４３２，４３３で終わっている。 一方の線材脚片４３２は末端を直角に屈曲されており、かつ他方の線材脚片４ ３３の真直ぐな端部の前に 位置している。線材脚片４３２，４３３は、工具ホルダー２２の前部先端に穿設 された開口５２を貫通している。 線材脚片４３２，４３３の自由端部に、急速クロック装置２４の操作キー２５ がクリップ止め可能であり、これによってばね線材４３によって支持される。こ のために操作キー２５はその下側に、第５図に示したように、適当な溝と係止突 起を有している。この場合ばね線材４３の線材脚片４３２（第６図）は溝４５内 に押し込められ、しかも該線材脚片４３２の屈曲端部が横溝４７内に位置するこ とになるのに対して、他方の線材脚片４３３は溝４６内にクリップ止めされる。 前記の溝４５，４６及び横溝４７に夫々配設されている係止突起４８〜５０は、 線材脚片４３２，４３３と操作キー２５との間の結合を確保するためのものであ る。ところで操作キー２５によって、ウェブ４４の横スリット５１内でガイドさ れるばね線材４３はばね線材平面内で旋回され、これによって、ロック位置でフ ック４２の背面に係合している湾入部４３１が、前記フック４２から滑り外れる ので、ばね線材４３の、半径方向で更に外位に位置している部分が、湾入部４３ １の部位へずれ動き、これによってフック４２を解放する。次いで研削工具１０ は軸線３３の方向に工具ホルダー２２から手で引き出すことができる。急速クロ ック機構２４のこの位置で研削工具１０は交換され、 かつ（前述したように研削工具１０が三角形の対称的な研削プレートとして形成 されている場合には）その都度１つの頂角が前方に向かって位置するように１２ ０°回動されて再び工具ホルダー２２内に挿入することができる。これによって 研削リーフの角隅域を均等に摩耗させることが可能になり、しかもこの場合、研 削リーフを、工具ホルダー２２の面ファスナー式ライニングから解離する必要は ない。多辺形凸面成形体３６と多辺形凹面成形体３９とを嵌め合わせ、工具ホル ダー２２の支承面３７に研削工具１０を載設することによって研削工具１０を装 着した後に、操作キー２５は、ばね線材４３が、第４図に示したロック位置を占 めるまで（第４図で見て時計回り方向に）逆旋回させられる。これによってばね 線材４３の湾入部４３１が研削工具１０のフック４２の背面に再び係合し、かつ 該研削工具１０は工具ホルダー２２に固定的にロックされた状態になる。工具側 のロックエレメント４０を例えば自由端部にフック４２を有するばね舌状片とし て適当に構成すると共に、ばね線材４３もしくは湾入部４３１をそれ相応に弾性 的に構成した場合は、研削工具１０を工具ホルダー２２にクリップ式に緊締する ことが可能である。その場合は操作キー２５の必要がなくなる共に、ウェブ４４ の横スリット５１内にばね線材４３を回動可能に収容する必要もなくなる。 第８図において下方から見た斜視図で示した本発明 による工具ホルダー２２２の別の実施例は、該工具ホルダー２２２が、下面もし くは支承面２３７を超えて下向きに直角に張出す球面状自由端部又は斜め面取り 自由端部をもった６本の円筒ピン状の足部２５４を有している点で、第４図の実 施例とは異なっている。 工具ホルダー２２２は、吸出通路２２９、夫々互いに１２０°ずらされた等し い円弧区分４６１，４６２を有する対称的な多面成形体２３６、挿入ばね線材及 び操作キーの図示を省いた複数のウェブ２４４並びに、第４図に相応したばね線 材の線材脚片を貫通させるための切欠部２５２を有している。 足部２５４は、支承面２３７を超えて突出する張出し域でもって、第９図に示 した研削ディスク１００の実質的に遊びなく嵌合するガイド穴６６０内に係合し ており、前記研削ディスク１００は、ガイド穴６６０を除けば、第７図に示した 研削工具に相当している。 研削ディスク１００のガイド穴６６０への足部２５４の嵌合接続によって、工 具ホルダー２２２の多辺形凸面成形体２３６及び研削工具１００の多辺形凹面成 形体３９０、つまり第９図に示した研削ディスクもしくは研削工具１００の筒体 ３８０内で係合する多辺形凸面成形体２３６と多辺形凹面成形体３９０に加えて 、付加的な回動防止機構が作られる。この付加的な回動防止機構によって、工具 ホルダー２２２に対する研削ディスク１００の特に固定的なロック作用が保証さ れている。これに基づいて、加工すべき工作物面において研削ディスクをガイド する際の精密度が改善される。 第９図には別の実施例による研削工具１００の上面を俯瞰した平面図が示され ているが、該研削工具１００は、ガイド穴６６０を除けば第７図に示した研削工 具１０に合致しており、かつ第８図に示した工具ホルダー２２２と連結するため に設けられている。 研削工具１００は、第８図の工具ホルダー２２２における支承面２３７に支持 される。研削工具１００の上面から、研削工具１００と一体成形された筒体３８ ０が突出しており、該筒体３８０の内面には、工具ホルダー２２２の多辺形凸面 成形体２３６に対応した雌型の、円弧区分４９１，４９２を有する多辺形凹面成 形体３９０が形成されている。工具ホルダー２２２の支承面２３７に研削工具１ ００を装着する場合に、前記の多辺形凸面成形体２３６と多辺形凹面成形体３９ ０は互いに係合して研削工具１００を工具ホルダー２２２に固定的に位置決めす る。前記の多辺形凸面成形体２３６と多辺形凹面成形体３９０は、工具ホルダー ２２２と研削工具１００との間を係合接続するための、明細書冒頭で述べたホル ダー側と工具側とに位置固定されていて互いに対応するロックエレメントを形成 している。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．少なくとも部分的にプレート状の交換可能な研削工具（１０）と、回転する 偏心ピン（２０）に回転軸受（２１）を介して装着されていて、駆動機械側から 離反した方の下面側に前記研削工具（１０）のための支承面（３７）を形成して いる工具ホルダー（２２）と、前記工具ホルダー（２２）に前記研削工具（１０ ）を位置固定するために工具側及び工具ホルダー側に固定されていて互いに対応 し合うロックエレメント（４０，４１）を有する急速ロック装置とを備えた形式 の手持ち式電動研削盤において、工具側のロックエレメント（４０）として、同 一円形ラインに沿って配置された複数のフック（４２）が設けられ、しかも工具 ホルダー（２２）に対面し合う研削工具（１０）の上面から突出しており、かつ 工具ホルダー側のロックエレメント（４１）として、リング状に湾曲されたばね 線材（４３）が設けられており、該ばね線材が、前記フック（４２）によって背 面から係合可能に配置されていることを特徴とする、手持ち式電動研削盤。 ２．ばね線材（４３）が、工具ホルダー（２２）の支承面（３７）に対して平行 な平面内で旋回可能に前記工具ホルダー（２２）に保持されて操作キー（２５） と結合されており、前記ばね線材（４３）が、 工具側のフック（４２）の数に実質的に等しい数の、半径方向変形部、殊に半径 方向内向きの湾入部（４３１）を有し、該湾入部（４３１）が、研削工具（１０ ）のためのロック位置を形成する前記ばね線材（４３）の旋回位置では前記工具 側のフック（４２）に背面から係合し、また前記ばね線材（４３）の別の旋回位 置では前記フック（４２）を解放するように構成されている、請求項１記載の手 持ち式電動研削盤。 ３．ばね線材（４３）が、工具ホルダー（２２）に一体成形された複数のウェブ （４４）の横スリット（５１）内にシフト可能に受容されており、前記ウェブ（ ４４）が、回転軸受軸線（３３）に対して共軸のピッチ円に沿って配置され、か つ前記ばね線材（４３）のロック位置ではその都度ウェブ対を各湾入部（４３１ ）の両側に位置させるように構成されており、かつ前記ウェブ対が、殊に等しい 周角度だけ互いにずらされている、請求項１又は２記載の手持ち式電動研削盤。 ４．リング状のばね線材（４３）が、ほぼ半径方向外向きに互いに平行に延びる ２つの線材脚片（４３２，４３３）で終わっており、両線材脚片の内、一方の線 材脚片（４３２）の自由端部が直角に他方の線材脚片（４３３）の前で屈曲され ており、かつ操作キー（２５）が、前記の両線材脚片（４３２，４３ ３）の自由端部で該線材脚片（４３２，４３３）にクリップ締結されている、請 求項１から３までのいずれか１項記載の手持ち式電動研削盤。 ５．工具ホルダー（２２）に研削工具（１０）を相対回動不能に位置決めするた めに工具側と工具ホルダー側に配置されていて互いに対応した嵌合エレメントが 設けられており、工具側と工具ホルダー側との嵌合エレメントが、軸方向で互い に対応嵌合する多辺形成形体（３６，３９）によって構成されており、前記の多 辺形成形体（３６，３９）が、回転軸受軸線（３３）に対して共軸に、工具ホル ダー（２２）と研削工具（１０）との互いに対面した方の側に配置されている、 請求項１から４までのいずれか１項記載の手持ち式電動研削盤。 ６．工具側の多辺形成形体（３９）が、研削工具（１０）の上面から張出すよう に該研削工具と一体成形された筒体（３８）の内面側に形成されており、また工 具ホルダー側の多辺形成形体（３６）が、工具ホルダー（２２）から突出するよ うに該工具ホルダーと一体成形されていて前記筒体（３８）内に嵌合挿入可能な スピゴット（３２）の下側に形成されており、かつ工具側のロックエレメント（ ４０）を形成している、急速ロック装置（２４）のフック（４２）が、前記筒体 （３８）の外面側に半径方向に張出すように一体成形されている、請求項５記載 の手 持ち式電動研削盤。 ７．互いに等しい周角度ずらされた、回転軸受軸線（３３）を中心とする複数の 回動位置、殊に３つの回動位置で研削工具（１０）を工具ホルダー（２２）に装 着できるように、多辺形成形体（３６，３９）が構成されかつ工具側フック（４ ２）が配置されている、請求項５又は６記載の手持ち式電動研削盤。 ８．玉軸受（２１）として構成された回転軸受がスピゴット（３２）内に配置さ れており、かつ、工具ホルダー（２２）をプラスチックから製造する際に、前記 玉軸受（２１）の一方の端面を部分的にカバーするキャップ状リングディスク（ ３５）と一緒に工具ホルダー（２２）内に射出封入されている、請求項６又は７ 記載の手持ち式電動研削盤。 ９．工具ホルダー（２２２）が複数の足部（２５４）を有し、該足部（２５４） が、前記工具ホルダー（２２２）に対する研削ディスク（１００）の付加的な相 対回動防止機構として、前記研削ディスク（１００）内に係合式に嵌入可能であ る、請求項８記載の手持ち式電動研削盤。 10．手持ち式電動研削盤の工具ホルダー（２２）に装着するために構成された研 削工具において、工具ホルダー（２２）に面した研削工具側に配置された対称的 な多辺形成形体（３９）が、前記工具ホルダー（２２）の対応した多辺形成形体 （３６）内に嵌合 して回転連動するように構成されていることを特徴とする、研削工具。 11．多辺形成形体（３９）が、工具ホルダー（２２）に軸方向で位置決めするた めに、半径方向に張出した複数のフック（４２）を有している、請求項１０記載 の研削工具。 12．工具ホルダー（２２２）の足部（２５４）を係合させるためのガイド穴（６ ６０）を有している、請求項１１記載の研削工具。