JPH1142790A

JPH1142790A - インクジェットプリンタ

Info

Publication number: JPH1142790A
Application number: JP9200039A
Authority: JP
Inventors: Takuro Ito; 卓郎伊藤; Hitoshi Ushiogi; 均潮木; Yasuhiro Suzuki; 康裕鈴木
Original assignee: TEC CORP
Current assignee: TEC CORP
Priority date: 1997-07-25
Filing date: 1997-07-25
Publication date: 1999-02-16
Also published as: DE69826575T2; EP0893263A2; DE69826575D1; EP0893263A3; US6217145B1; KR19990014150A; KR100320357B1; EP0893263B1

Abstract

(57)【要約】【課題】大型化することなく印字ヘッドの先端面に付
着した紙粉を迅速かつ安全に除去可能とする。【解決手段】非印刷時に印字ヘッド２０の先端面２４
とドラム外周面１１との間にウォッシングボード３０を
介装可能かつ各ノズル２３から介装されたウォッシング
ボード３０の該先端面２４に対向する対向面３１に向け
てインクを吐出させつつ該先端面２４に接するインク流
動を生成可能であるとともに該先端面２４に付着した紙
粉を除去した後のインクを外部に排出可能に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ドラムの長手方向
に整列配設された複数のノズルを有する印字ヘッドを駆
動して、各ノズルからドラムとともに回転する媒体に向
けてインクをジェットしつつ画像を印刷可能に形成され
たインクジェットプリンタに関する。

【０００２】

【従来の技術】図１０に示すいわゆるシリアル型のイン
クジェットプリンタは、ガイドバー１００に沿って往復
移動可能なキャリア１０１に印字ヘッド２０Ｐとインク
カセット（図示省略）とを搭載させ、媒体（用紙）Ｐの
行（Ｘ）方向（図で左右方向）に印字ヘッド２０Ｐを移
動させつつ各ノズルからインクをジェットして画像を形
成する。印字ヘッド２０Ｐの各色インク用ノズルは、Ｘ
方向にはそれぞれに単一である。したがって、例えばＡ
４サイズ１枚のカラー印刷には１０分（０．１ＰＰＭ）
かかる。

【０００３】これに対し、例えば２０ＰＰＭの印刷高速
化を図れるインクジェットプリンタが提案（例えば、特
願平８−２９６９５９号）されている。図１１におい
て、印字ヘッドユニット２０Ｕを形成する各色用印字ヘ
ッド（２０Ｃ，２０Ｙ，２０Ｍ，２０Ｂ）の各色インク
用ノズルは、媒体（用紙Ｐ）を担持するドラム１０の長
手方向〔行方向（Ｘ）〕に例えば解像度相当ピッチある
いは解像度相当ピッチの２〜４倍のピッチで整列配設さ
れた多数とされ、Ｘ方向に静止あるいはノズルピッチ分
だけＸ方向に往復移動可能とされている。ここに、ドラ
ム１０は、その外周面に媒体（Ｐ）を担持した状態で軸
線Ｚを中心に例えば１２０ｒｐｍでＲ方向に回転可能と
されている。かくして、例えばＡ４サイズ１枚を２〜３
Ｓｅｃでカラー印刷することができる。

【０００４】しかも、各印字ヘッド２０はほとんど静止
状態に近くかつ各インクカセットを各印字ヘッド２０と
一体的に形成しなくてもよいので、大量インクを充填可
能な別置きインクタンクを用いて多数枚を連続的に印刷
することができる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
シリアル型では、低速であり、しかもインクカセット交
換時に印字ヘッド２０Ｐも同時に交換されるものも多い
ので、問題視されていないが、高速・連続印刷型には固
有的な技術事項が存在する。

【０００６】すなわち、ノズル先端と媒体（Ｐ）とのギ
ャップを例えば１ｍｍとし、各印字ヘッド２０と媒体
（Ｐ）とを高速相対回転（移動）させると、媒体から紙
粉が発生し易くかつ印字ヘッド２０の先端面に付着する
ことがある。これを放置すると、付着紙粉にインクが滲
み、さらに印刷面に落下して印刷品質の低下原因ともな
る。

【０００７】しかし、印刷運転中に外部から紙粉を除去
することは至難であるとともに機械的および人身的にも
危険である。したがって、非印刷時に除去する必要があ
る。ここにおいて、印字ヘッド２０とドラム１０の外周
面との間は狭小であるので、例えば印字ヘッド２０を行
方向（Ｘ）に移動させてドラム１０の外周面より外れた
位置に位置決めし、該ヘッド２０の先端面をゴム等の弾
性部材で拭くことが考えられる。

【０００８】しかし、これではプリンタの行方向の寸法
が大幅拡大してしまうとともに、クリーニング等のため
の準備と印刷位置への復帰とに長時間掛かることになり
高速印刷化を図る上での障害となる。

【０００９】また、印字ヘッド２０の先端面には、各ノ
ズルからジェットされたインクの媒体（Ｐ）に向う所定
軌跡を得るために、撥液（水）膜が設けられているの
で、この膜の破損を引起す虞れが強い。このために、除
去作業が一段と煩雑で長時間を必要とする。

【００１０】本発明の目的は、大型化することなく印字
ヘッドの先端面に付着した紙粉を迅速かつ安全に除去す
ることのできるインクジェットプリンタを提供すること
にある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】撥液（水）膜は、機械
的，熱的に非常に弱くその性状によっては、例えば硬質
ゴム製ブレードでなすっただけでも変形・破損する場合
がある。一方、インクジェットプリンタの固有的技術事
項として、ノズルの目詰防止やガス抜きのために印刷開
始に先立ちあるいは印刷運転途中においても、各ノズル
からインクを吐出させるメンテナンス（例えばパージ
等）が必要である。

【００１２】本発明はこれらの点に着目し、パージ等に
際する吐出インクあるいはパージ等に必要とする時間を
利用して印字ヘッドの先端面にインク流動を生成し、こ
のインク流動を利用して紙粉を除去可能に形成したもの
である。

【００１３】請求項１の発明は、ドラムの長手方向に整
列配設された複数のノズルを有する印字ヘッドを駆動し
て、各ノズルからドラムとともに回転する媒体に向けて
インクをジェットしつつ画像を印刷可能に形成されたイ
ンクジェットプリンタにおいて、非印刷時に前記印字ヘ
ッドの先端面と前記ドラム外周面との間にウォッシング
ボードを介装可能かつ前記各ノズルから介装されたウォ
ッシングボードの該先端面に対向する対向面に向けてイ
ンクを吐出させつつ該先端面に接するインク流動を生成
可能であるとともに該先端面に付着した紙粉を除去した
後のインクを外部に排出可能に形成したインクジェット
プリンタである。

【００１４】かかる発明では、非印刷時に、印字ヘッド
の先端面とドラム外周面との間にウォッシングボードを
介装させかつ各ノズルに対向位置決めする。そして、専
用にあるいはパージ等を利用して、印字ヘッドからウォ
ッシングボードの対向面へ向けてインクを吐出する。こ
れにより、印字ヘッドの先端面に接触するインク流動が
生成される。したがって、かかるインク流動を利用して
先端面に付着した紙粉が迅速かつ確実に除去でき安全で
自動化も容易に図れ得る。

【００１５】また、印字ヘッドとドラムとをウォッシン
グボードを介装できる間隔となるまで相対移動させるだ
けで足りるので、この点からも上記紙粉の除去を迅速に
行えるとともに、プリンタの大型化を阻止できる。

【００１６】なお、先端面に付着した紙粉を除去した後
のインクは外部に排出できるので、ウォッシングボード
からインクが溢れるようなことはない。

【００１７】また、請求項２の発明は、前記印字ヘッド
を前記ドラム外周面に対して離隔接近可能に形成すると
ともに、前記ウォッシングボードを前記ドラムの回転中
心を中心として回動可能かつ離隔状態の印字ヘッドと前
記ドラム外周面との間に選択的に介装および退避可能に
形成したインクジェットプリンタである。

【００１８】かかる発明では、印字ヘッドの先端面に付
着した紙粉を除去する場合には、印字ヘッドをドラム外
周面から離隔させ、しかる後にウォッシングボードをド
ラムの回転中心を中心として回動させて当該印字ヘッド
とドラム外周面との間に介装させる。

【００１９】このように、ウォッシングボードをドラム
の外周面に沿って移動させるので、移動用の空きスペー
スを小さく抑えることができるとともに、当該ウォッシ
ングボードを一段と迅速かつ正確に印字ヘッドとドラム
外周面との間に位置決めすることができる。

【００２０】したがって、請求項１の発明の場合と同様
な作用効果を奏し得る他、より一層の小型化を図りつつ
印字ヘッドの先端面に付着した紙粉を一段と迅速に除去
できる。また、印刷運転途中における紙粉除去を自動的
に行える。

【００２１】また、請求項３の発明は、前記ウォッシン
グボードの退避運動を利用して当該ウォッシングボード
の前記対向面を被覆可能に形成された防塵カバーが設け
られているインクジェットプリンタである。

【００２２】かかる発明では、印字ヘッドの先端面に付
着したインクを除去した後は、ウォッシングボードをド
ラムの回転中心を中心として回動して退避させる。この
際、ウォッシングボードの退避運動を利用して当該ウォ
ッシングボードの対向面が防塵カバーによって被覆され
る。

【００２３】これにより、印字中などにウォッシングボ
ードの対向面に紙粉や塵等が付着するのが防止されるの
で、次の非印刷時に該対向面に向けて各ノズルからイン
クを吐出して印字ヘッドの先端面に付着した紙粉を除去
する際に該対向面に付着した紙粉等が浮き上がって該先
端面に付着してしまうような事態は生じない。

【００２４】その結果、請求項１および請求項２の発明
の場合と同様な作用効果を奏し得る他、先端面を一段と
効果的に清掃して当該先端面に付着した紙粉を一段と確
実に除去できる。

【００２５】請求項４の発明は、前記ドラムの回転方向
にインク色ごとの前記印字ヘッドが配設されかつ各ウォ
ッシングボードが同期して前記ドラム外周面と離隔状態
の当該各印字ヘッドとの間に選択的に介装および退避可
能に一体的に形成されているインクジェットプリンタで
ある。

【００２６】かかる発明では、各色用の印字ヘッドに対
応する各ウォッシングボードを同期してドラム外周面と
当該各印字ヘッドとの間に介装しインク流動を生成して
各色用の印字ヘッドの先端面に付着した紙粉を除去する
ことができる。したがって、請求項２および請求項３の
発明の場合と同様な作用効果を奏し得る他、全部の印字
ヘッドの紙粉除去を一段と迅速に行える。

【００２７】請求項５の発明は、前記各印字ヘッドが当
該各ウォッシングボードに向けて同時にインク吐出可能
に形成されているインクジェットプリンタである。

【００２８】かかる発明では、各ウォッシングボードを
同期してドラム外周面と当該各印字ヘッドとの間に介装
し、かつ各印字ヘッドからインクを各ウォッシングボー
ドに向けて同時に吐出して先端面に付着した紙粉を除去
することができる。したがって、請求項４の発明の場合
よりも更に全部の印字ヘッドの紙粉除去を迅速に行え
る。

【００２９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。本インクジェットプリンタは、基本
的構成（１０，２０）が先提案（図１１）の場合と同様
とされているが、図１〜図８に示す如く、印字ヘッド２
０とドラム１０（媒体）との間にウォッシングボード３
０を介装し、該ウォッシングボード３０に向けて印字ヘ
ッド２０の各ノズル２３からインクを吐出させて生成し
たインク流動を利用して印字ヘッド２０の先端面２４に
付着した紙粉を除去可能に形成されている。

【００３０】この実施形態における各色用印字ヘッド
（２０Ｃ，２０Ｙ，２０Ｍ，２０Ｂ）は、それぞれに複
数（４つ）のノズルユニットを図１１に示すドラム１０
の軸線Ｚ方向つまり媒体（用紙Ｐ）の行（Ｘ）方向に各
一部を重ねかつ回転方向（Ｒ方向）に位置ずれさせた千
鳥形状に配設してある。例えば、シアン（Ｃ）用の印字
ヘッド２０Ｃは、図５〜図７に示すように４つのノズル
ユニット（２０ＣＡ，２０ＣＢ，２０ＣＣ，２０ＣＤ）
を連結部材２１に取付けてある。各ノズルユニットのノ
ズル先端（先端面２４）を同一高さに揃えてある。

【００３１】なお、印字ヘッドユニット２０Ｕ（２０
Ｃ，２０Ｙ，２０Ｍ，２０Ｂ）は、昇降手段９０によっ
て、図９（Ａ）に示す印刷時（下降限）と，同（Ｂ），
（Ｃ）に示す非印刷時（上昇限）および同（Ｄ）に示す
非印刷時で紙粉除去（パージ等）時の位置（高さ）に自
動調整される。

【００３２】ここにおいて、昇降手段９０は、図１に示
す如く、ドラム１０の軸線Ｚを通る垂直軸線Ｊと平行で
かつドラム１０の長手方向（Ｘ）において垂直軸線Ｊを
中心とした片側に立設された一対のガイドレール９１
と，このガイドレール９１に昇降可能に装着されかつヘ
ッド支持部材２９を介して各色用印字ヘッド（２０Ｃ，
２０Ｙ，２０Ｍ，２０Ｂ）を支持するスライダー９２
と，このスライダー９２を電気力を利用して昇降駆動す
る昇降駆動手段９３とから形成されている。

【００３３】上記した各ガイドレール９１は、固定フレ
ーム９９Ｆのドラム長手方向（Ｘ）両端部に立設されて
いる。スライダー９２は、両ガイドレール９１に上下動
可能に支持されている。昇降駆動手段９３は、モータ９
４と，このモータ９４の回転動力をスライダー９２の昇
降力に変換する動力変換手段９５〔ラック・ピニオン機
構９６（ラック９７，ピニオン９８），動力伝達歯車機
構９９〕とから形成されている。

【００３４】次に、本発明の特徴部であるウォッシング
ボード３０は、回動位置決め手段７０によってドラム１
０の回転中心（Ｚ）を中心として回動可能かつ離隔状態
の印字ヘッド（２０Ｃ〜２０Ｂ）とドラム外周面１１と
の間に選択的に介装および退避可能に形成されている。

【００３５】回動位置決め手段７０は、支持フレーム７
１，動力伝達歯車機構７６，駆動モータ７５，位置検出
センサ（７７，７８）を含み、図９（Ａ）に示す左に４
５度傾く退避位置と、同（Ｃ），（Ｄ）に示す紙粉除去
位置とに選択的かつ自動的に位置決め可能に形成されて
いる。

【００３６】ここに、支持フレーム７１は、図１に示す
如く、ウォッシングボード３０を保持しつつ支軸７２を
介してドラム１０の回転中心（Ｚ）を中心として回動可
能に形成されている。この支持フレーム７１には、円弧
形状の従動ギヤ７３が装着されており、この従動ギヤ７
３には静止体（プリンタ本体）側の駆動モータ７５に装
着された駆動ギヤ７４が動力伝達歯車機構７６を介して
接続されている。位置検出センサ７７（７８）は、ウォ
ッシングボード３０が退避位置（紙粉除去位置）に位置
決めされているか否かを検出可能に形成されている。

【００３７】また、ウォッシングボード３０は、図８に
示すように、この実施形態では４つの印字ヘッド（２０
Ｃ，２０Ｙ，２０Ｍ，２０Ｂ）に共通として一体形成さ
れている。印字ヘッド２０Ｃ用について説明すると、印
字ヘッド２０Ｃの幅方向（図８で左右方向）には、図３
に示す当該先端面２４に非対向の位置でかつ印字ヘッド
２０Ｃの長手方向に連続する一対のインク止め凸部（３
２，３２）が設けられ、かつ図３，図８に示す先端面２
４に非対向の位置（非対向面３１Ｅ）に排出口（３５，
３５）を介して図２に示すインク排出手段５０が接続さ
れている。

【００３８】つまり、各インク止め凸部（３２，３２）
と，先端面２４に対向する対向面３１と，便宜的なイン
ク止め側凸部（３２Ｓ，３２Ｓ）とで囲まれる空間が、
インク流動生成室３０Ｓを形成する。

【００３９】このインク流動生成室３０Ｓは、各ノズル
ユニット２０ＣＡ，２０ＣＢ，２０ＣＣ，２０ＣＤごと
に形成してもよいが、この実施形態では、共通の一室と
してある。同色インクの排出便宜のためである。したが
って、各色用印字ヘッド（２０Ｃ，２０Ｙ，２０Ｍ，２
０Ｂ）ごとの４つのインク流動生成室が設けられてい
る。

【００４０】なお、対向面３１に起立された複数の凸部
３４は、先端面２４と対向面３１との隙間Ｇ（図２，図
３参照）を確立するための位置決め部材である。つま
り、昇降手段９０は、連結部材２１の下端面が図７に示
すように位置決め部材（３４）の上端面に当接したとこ
ろで、印字ヘッドユニット２０Ｕ（２０Ｃ）の下降を停
止することができる。

【００４１】ここに、隙間Ｇの値は、インク流動性，紙
粉除去性およびこれらのためのインク必要量との関係
上、非常に重要である。大き過ぎる（例えば、０．５ｍ
ｍを越える）とインク必要量が増大し、、小さ過ぎる
（例えば、０．１ｍｍ未満）と円滑流動が必ずしも保証
されないばかりかその隙間Ｇ自体の確立が困難になる。
かくして、実験値として０．１〜０．５ｍｍの間で最も
好ましい０．３ｍｍに選択してある。

【００４２】また、この実施形態では、図４に示す如
く、ウォッシングボード３０の退避運動を利用して当該
ウォッシングボード３０の対向面３１を被覆可能に形成
された防塵カバー８０が設けられている。防塵カバー８
０は、カバー部８１とウォッシングボード３０の退避時
の移動力を駆動源としてカバー部８１をウォッシングボ
ード３０の対向面３１側に接触させる作動部８５とから
形成されている。

【００４３】作動部８５は、支軸８６を介して静止体
（プリンタ本体）に回動可能に設けられた支持部材８７
と，支持部材８７を図４（Ａ）で反対時計回り方向に付
勢する付勢バネ（図示省略）と，ストッパ８９とから形
成されている。支持部材８７の上方部８７ｕにはカバー
部８１が装着されており、かつその下方部８７ｄにはウ
ォッシングボード３０と係合可能な係合部８７ｅが形成
されている。

【００４４】したがって、ウォッシングボード３０が図
４（Ｂ）に示す如く退避位置に向けて回動されると、支
持部材８７の係合部８７ｅに当該ウォッシングボード３
０が係合し、支持部材８７は図中時計回り方向に回動さ
れる。これにより、カバー部８１がウォッシングボード
３０と密着して対向面３１を被覆する。

【００４５】インク排出手段５０は、図２に示す如く、
ウォッシングボード３０と一体的に形成された回収室５
１と排出管５２と排出チューブ５３と吸引ポンプ５４と
を含む吸引構造とされている。

【００４６】このインク排出手段５０（５４）は、各ノ
ズル２３からインクが吐出されている間でも吸引排出可
能に制御装置（図示省略）によって駆動制御される。詳
しくは、図２，図３において、各ノズル２３からのイン
クがインク流動生成室３１Ｓ内を満しかつインク面が先
端面２４に接触した後に吸引ポンプ５４を回転駆動して
吸引排出するものと形成されている。インク必要量の一
層の軽減を図るためである。

【００４７】さらに、この実施形態では、インク排出手
段５０により排出された排インクは、排インクカセット
６０に回収するものとされている。排インクカセット６
０は、排出チューブ５３（５４）に着脱自在とされてい
る。かくして、多数枚（例えば、２０００枚）を連続印
刷しても排インクの処理に手間が入らず、周囲を汚さず
かつプリンタ全体の簡素化・小型化も図れる。

【００４８】次に、この実施形態の作用・動作を説明す
る。非印刷時（印刷運転が終了後あるいは印刷運転の途
中の一時停止時）に、図９（Ａ），（Ｂ）に示す如く、
昇降手段９０が印字ヘッドユニット２０Ｕを上昇限に上
昇させ、その後あるいは併行して回動位置決め手段７０
がウォッシングボード３０を回動させ同（Ｃ）に示すよ
うに位置決めする。

【００４９】すると、制御手段は、昇降手段９０を逆動
作（下降）させ、連結部材２１の下端面が図７に示す位
置決め部材（３４）に当接したところで、停止させる
〔図９（Ｄ）参照〕。これにより、各印字ヘッド２０Ｃ
（２０Ｙ，２０Ｍ，２０Ｂ）の各先端面２４とウォッシ
ングボード３０との間に所定の隙間Ｇ（０．３ｍｍ）が
確立される。

【００５０】紙粉除去専用にあるいはメンテナンス（目
詰り防止，ガス抜き）のために、インク供給手段４０
（加圧ポンプ４１，供給チューブ４２）を働かせて、各
ノズル２３からインクを対向面３１に向けて吐出させ
る。紙粉除去専用とした場合でも、結果としてメンテナ
ンス効果も発揮することができる。

【００５１】吐出インクは、対向面３１で跳返りつつそ
の先端面２４と接触し当該先端面２４に付着した紙粉を
除去しつつインク流動生成室３０Ｓ内を満す。その一部
は、図３に示す非対向位置（３１Ｅ）の排出口３５，３
５から回収室５１に落下排出される。

【００５２】この段階で、インク排出手段５０（５４）
が起動される。したがって、各ノズル２３からの吐出イ
ンクは、流動しつつ吸引排出されるから、先端面２４に
付着した紙粉を効率良く除去することができる。インク
利用の回収除去であるから紙粉の再飛散は全くない。隙
間Ｇが０．３ｍｍであるから必要とするインク量も非常
に少なくてすむ。つまり、従来パージ等によるメンテナ
ンス用吐出量でもまかなえ得る。

【００５３】さらに、この実施形態では、インク流動生
成室３０Ｓ内が満杯となった後の各ノズル２３からのイ
ンク吐出は、図２に２点鎖線で示したインクジェット制
御部（素子）２５を働かせ、つまり通常の印刷時と同様
な高周波（例えば、５０ＫＨＺ）でインク吐出（スピッ
ト）させるように選択切替えすることができる。

【００５４】したがって、一種の超音波清浄作用と同様
に働くので、先端面２４に付着した紙粉をより確実に除
去することができ、かつノズルメンテナンスにも都合が
よい。

【００５５】この紙粉除去は、非常に短時間（例えば、
５秒）でよく、さらにこの実施形態では各色印字ヘッド
（２０Ｃ，２０Ｙ，２０Ｍ，２０Ｂ）について同時に実
行するものとされているので、作業時間が短い。

【００５６】紙粉除去後には、昇降手段９０と回動位置
決め手段７０とは、先とは逆に図９（Ｄ），（Ｃ），
（Ｂ），（Ａ）の順に働く。したがって、直ちに印刷再
開も行える。

【００５７】また、この際、ウォッシングボード３０の
退避運動を利用して当該ウォッシングボード３０の対向
面３１が防塵カバー８０によって被覆される。これによ
り、印字中などにウォッシングボード３０の対向面３１
に紙粉や塵等が付着するのが防止されるので、次の非印
刷時に、該対向面３１に向けて各色印字ヘッド（２０Ｃ
等）からインクを吐出してその先端面２４を清掃する際
に、該対向面３１に付着した紙粉等が浮き上がって該先
端面２４に付着してしまうような事態は生じない。

【００５８】しかして、この実施形態によれば、非印刷
時に各ノズル２３からインクを吐出しつつ印字ヘッド
（２０Ｃ等）の先端面２４とウォッシングボード３０と
の間にインク流動を生成しつつこのインク流動を利用し
て該先端面２４に付着した紙粉を除去可能に形成されて
いるので、紙粉を迅速・確実かつ安全に除去できる。し
たがって、高品質印刷を連続して行え取扱いも容易であ
るとともに自動化も簡単に図れ得る。

【００５９】また、印字ヘッド２０をドラム外周面１１
に対して離隔接近可能に形成するとともに、ウォッシン
グボード３０をドラム１０の回転中心（Ｚ）を中心とし
て回動させて退避位置および紙粉除去位置に選択的に位
置決め可能に形成したので、ウォッシングボード３０の
移動用の空きスペースを小さく抑えることができるとと
もに、当該ウォッシングボード３０を一段と迅速かつ正
確に紙粉除去位置に位置決めすることができる。したが
って、より一層の小型化を図りつつ印字ヘッド２０の先
端面２４に付着した紙粉を一段と迅速に除去できる。ま
た、印刷運転途中における紙粉除去を自動的に行える。

【００６０】また、ウォッシングボード３０の退避運動
を利用して当該ウォッシングボード３０の対向面３１を
防塵カバー８０で被覆可能に形成されているので、先端
面２４を一段と効果的に清掃して当該先端面２４に付着
した紙粉を一段と確実に除去できる。

【００６１】また、各色印字ヘッド（２０Ｃ，２０Ｙ，
２０Ｍ，２０Ｂ）に対応する各対向面３１が同期して紙
粉除去位置に位置決め可能に一体的に形成されているの
で、印字ヘッドユニット２０Ｕ全体の紙粉除去を一段と
短時間で行える。

【００６２】また、各色印字ヘッド（２０Ｃ，２０Ｙ，
２０Ｍ，２０Ｂ）が各対向面３１に向けて同時にインク
吐出可能に形成されているので、印字ヘッドユニット２
０Ｕ全体の紙粉除去を更に短時間で行える。

【００６３】また、印字ヘッド２０の長手方向に連続す
る一対のインク止め凸部（３２，３２）間でかつ先端面
２４に非対向な位置（３１Ｅ）に排出口３５を介してイ
ンク排出手段５０が接続されているので、紙粉除去に必
要なインク量を軽減できる。

【００６４】また、インク排出手段５０がインク吸引排
出構造とされかつインク吐出とインク排出とを並行して
行うことができるように形成されているので、インク流
動性をより高めつつインク必要量を一段と軽減できる。

【００６５】また、インク排出手段５０が排出口３５を
介して印字ヘッド２０の長手方向両側の位置（３１Ｅ）
に接続されているので、インク流動生成室３０Ｓ内に円
滑な高速流動を誘起できかつ両側への振分け流動とする
ことができるから、インク必要量を一段と軽減できる。

【００６６】また、ウォッシングボード３０（対向面３
１）と先端面２４との隙間Ｇが０．３ｍｍに選択されて
いるので、紙粉除去作用を一段と促進できかつこのため
に必要なインク量をより大幅に軽減できるとともにプリ
ンタ全体の一層の小型化を図りつつ自動除去を一段と容
易に図れる。

【００６７】さらに、各色用印字ヘッド（２０Ｃ）が連
結部材２１に複数（４つ）のノズルユニット（２０Ｃ
Ａ，２０ＣＢ，２０ＣＣ，２０ＣＤ）を各ノズル先端位
置を揃えて取付けた構造とされ、かつ連結部材２１の下
端面を位置決め部材（３４）の上端面に当接することに
より隙間Ｇを確立するように形成されているので、小さ
な０．１〜０．５ｍｍの隙間Ｇでも正確かつ繰り返しに
際しても安定して確立することができる。

【００６８】さらにまた、インク排出手段５０からの排
出インクを着脱自在な排インクカセット６０に回収する
ものと形成されているので、インク汚れがなくかつ長時
間の連続印刷が可能でプリンタ全体の小型化にも有効で
ある。

【００６９】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、非印刷時に印
字ヘッドの先端面とドラム外周面との間にウォッシング
ボードを介装可能かつ各ノズルから介装されたウォッシ
ングボードの対向面に向けてインクを吐出させつつ印字
ヘッドの先端面に接するインク流動を生成可能であると
ともに、該先端面に付着した紙粉を除去した後のインク
を外部に排出可能に形成したので、先端面に付着した紙
粉を迅速かつ確実に除去でき安全で自動化も容易に図れ
得る。

【００７０】また、請求項２の発明によれば、印字ヘッ
ドをドラム外周面に対して離隔接近可能に形成するとと
もに、ウォッシングボードをドラムの回転中心を中心と
して回動可能かつ離隔状態の印字ヘッドとドラム外周面
との間に選択的に介装および退避可能に形成したので、
請求項１の発明の場合と同様な効果を奏し得る他、より
一層の小型化を図りつつ印字ヘッドの先端面に付着した
紙粉を一段と迅速に除去できる。また、印刷運転途中に
おける紙粉除去を自動的に行える。

【００７１】また、請求項３の発明によれば、ウォッシ
ングボードの退避運動を利用して当該ウォッシングボー
ドの対向面を被覆可能に形成された防塵カバーが設けら
れているので、請求項１および請求項２の発明の場合と
同様な効果を奏し得る他、先端面を一段と効果的に清掃
して当該先端面に付着した紙粉を一段と確実に除去でき
る。

【００７２】さらに、請求項４の発明によれば、ドラム
の回転方向にインク色ごとの印字ヘッドが配設されかつ
各ウォッシングボードが同期してドラム外周面と離隔状
態の当該各印字ヘッドとの間に選択的に介装および退避
可能に一体的に形成されているので、請求項２および請
求項３の発明の場合と同様な効果を奏し得る他、全部の
印字ヘッドの紙粉除去を一段と迅速に行える。

【００７３】さらにまた、請求項５の発明によれば、各
印字ヘッドが当該各ウォッシングボードに向けて同時に
インク吐出可能に形成されているので、請求項４の発明
の場合よりも更に紙粉除去を迅速に行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態を説明するための図である。

【図２】同じく、ウォッシングボードを説明するための
図である。

【図３】同じく、側断面図である。

【図４】同じく、防塵カバーを説明するための図であ
る。

【図５】同じく、１色用の印字ヘッドの構造を説明する
ための図である。

【図６】同じく、１色用印字ヘッドの一部を省略した外
観斜視図である。

【図７】同じく、隙間確立に際する印字ヘッドとウォッ
シングボードとの位置関係を説明するための図である。

【図８】同じく、ウォッシングボードを示す一部を省略
した外観斜視図である。

【図９】同じく、動作を説明するための図である。

【図１０】従来インクジュットプリンタを説明するため
の図である。

【図１１】先提案インクジェットプリンタを説明するた
めの図である。

【符号の説明】

１０ドラム２０Ｕ印字ヘッドユニット２０Ｃ〜２０Ｂ各色用印字ヘッド２１連結部材２３ノズル２４先端面２５ジェット制御部２９ヘッド支持部材３０ウォッシングボード３０Ｓインク流動生成室３１対向面３１Ｅ非対向面（非対向の位置）３２インク止め凸部３２Ｓインク止め側凸部３４凸部（位置決め部材）３５排出口５０インク排出手段５１回収室５４吸引ポンプ６０排インクカセット７０回動位置決め手段７１支持フレーム７２支軸７４駆動ギヤ７５駆動モータ７６動力伝達歯車機構７７，７８位置検出センサ７９従動ギヤ８０防塵カバー８１カバー部８５作動部８７支持部材８９ストッパ９０昇降手段９１ガイドレール９２スライダー９３昇降駆動手段９４モータ９５動力変換手段９６ラック・ピニオン機構９９動力伝達歯車機構９９Ｆ固定フレームＰ用紙（媒体）Ｇ隙間Ｘドラムの長手方向

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ドラムの長手方向に整列配設された複数
のノズルを有する印字ヘッドを駆動して、各ノズルから
ドラムとともに回転する媒体に向けてインクをジェット
しつつ画像を印刷可能に形成されたインクジェットプリ
ンタにおいて、非印刷時に前記印字ヘッドの先端面と前記ドラム外周面
との間にウォッシングボードを介装可能かつ前記各ノズ
ルから介装されたウォッシングボードの該先端面に対向
する対向面に向けてインクを吐出させつつ該先端面に接
するインク流動を生成可能であるとともに該先端面に付
着した紙粉を除去した後のインクを外部に排出可能に形
成した、インクジェットプリンタ。
【請求項２】前記印字ヘッドを前記ドラム外周面に対
して離隔接近可能に形成するとともに、前記ウォッシン
グボードを前記ドラムの回転中心を中心として回動可能
かつ離隔状態の印字ヘッドと前記ドラム外周面との間に
選択的に介装および退避可能に形成した請求項１記載の
インクジェットプリンタ。
【請求項３】前記ウォッシングボードの退避運動を利
用して当該ウォッシングボードの前記対向面を被覆可能
に形成された防塵カバーが設けられている請求項１また
は請求項２記載のインクジェットプリンタ。
【請求項４】前記ドラムの回転方向にインク色ごとの
前記印字ヘッドが配設されかつ各ウォッシングボードが
同期して前記ドラム外周面と離隔状態の当該各印字ヘッ
ドとの間に選択的に介装および退避可能に一体的に形成
されている請求項２または請求項３記載のインクジェッ
トプリンタ。
【請求項５】前記各印字ヘッドが当該各ウォッシング
ボードに向けて同時にインク吐出可能に形成されている
請求項４記載のインクジェットプリンタ。