JPH1136963A - ディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置

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JPH1136963A
JPH1136963A JP9188305A JP18830597A JPH1136963A JP H1136963 A JPH1136963 A JP H1136963A JP 9188305 A JP9188305 A JP 9188305A JP 18830597 A JP18830597 A JP 18830597A JP H1136963 A JPH1136963 A JP H1136963A
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JP
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angle
time
pulse
spill
fuel injection
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Withdrawn
Application number
JP9188305A
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English (en)
Inventor
Ryoji Koi
良治 小井
Tatsushi Nakajima
樹志 中島
Jiro Takagi
二郎 高木
Hiroo Kinuhata
裕生 衣畑
Kanji Kizaki
幹士 木崎
Kunihiro Kawahara
邦博 川原
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Toyota Motor Corp
Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Publication of JPH1136963A publication Critical patent/JPH1136963A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

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  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】燃料のスピル時期を適正に制御し、高精度な燃
料噴射量制御を実現する。 【解決手段】ECU71は、エンジン運転状態に応じて
目標スピル角度を演算すると共に、回転数センサ35に
よる回転角パルスに基づき目標スピル角度までの回転角
パルスのカウント数とその1パルス分に満たない余り角
度とを演算し、これらの演算データを基に、電磁スピル
弁23を駆動させ燃料噴射量を制御する。特にECU7
1は、目標スピル角度を含む1燃焼前の所定のパターン
近似期間で、連続する複数のパルス時間からパターン近
似期間当初の所定クランク角度に対する経過時間パター
ンを近似する。さらに、該近似した経過時間パターンを
用い、所定クランク角度に対する目標スピル角度の時刻
と、同じく所定クランク角度に対する目標スピル角度直
前の回転角パルスの時刻とを求め、これら時刻の差から
余り角度相当時間を予測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車に
適用されるディーゼルエンジンに係り、詳しくは燃料ス
ピル式の燃料噴射ポンプを備えてその燃料噴射ポンプに
おける燃料のスピル(溢流)を電子制御することにより
噴射量制御を行う燃料噴射量制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子制御ディーゼルエンジンの燃
料噴射ポンプにおいては、例えば電磁スピル弁等を制御
して燃料の圧送終わり、即ち燃料噴射の終了を制御し、
所要の燃料噴射量を得るようにしている。このような電
磁スピル弁では、通常、燃料の加圧タイミングに同期
し、且つ一定のポンプ回転角度毎に入力される信号、例
えばエンジン回転角パルスと平均エンジン回転速度とに
より目標スピル角度を時間換算して目標スピル時期を決
定し、その目標スピル時期に基づいて電磁スピル弁をオ
ン・オフ制御するようにしている。
【0003】例えば、特開昭62−267547号公報
に開示された技術では、その時々の運転状態に応じて決
定される燃料噴射量を得るべく、噴射終了時期に相当す
る目標スピル時期に電磁スピル弁によりスピルポートを
開放させている。ここで、目標スピル時期を決定するに
は、一定のクランク角毎に得られるエンジン回転角パル
スに基づき、そのエンジン回転角パルスのある基準位置
から目標スピル角度までのパルスカウント数と1パルス
分に満たない余り角度とを求める。そして、その余り角
度については、前回のスピル時期を含む1パルス分の所
要時間(スピル時パルス時間)に基づいて時間換算する
ようにしていた。
【0004】ところが、前記従来公報の技術では、エン
ジンの回転変動が大きい場合に、上記のスピル時パルス
時間の差が大きくなる。例えば、今回の目標スピル時期
周辺の瞬時回転速度が、前回のスピル時期周辺のそれに
比べて落ち込むような場合には、今回のスピル時パルス
時間が前回のスピル時パルス時間に比べて長くなる。従
って、そのような回転変動の大きい状態で求められた前
回のスピル時パルス時間に基づいて余り角度を時間換算
した場合には、その時間換算の誤差が非常に大きくな
り、燃料噴射量制御の精度が悪化するおそれがあった。
燃料噴射量制御の精度悪化に起因して、エンジンの回転
変動がさらに誘発されて出力低下を招来するというおそ
れもあった。またこうした問題は、エンジン始動時に急
加速される場合など、過渡運転時に生じ易く、燃料噴射
量制御の精度悪化に起因して、スモークの発生を招来す
るというおそれもあった。
【0005】一方、特開平5−33714号公報に開示
された技術では、ディーゼルエンジンの前回の爆発行程
直後に瞬時回転速度が低下する所定期間で、瞬時回転速
度の変化を曲線近似すると共に、該曲線近似した瞬時回
転速度の変化に基づき、今回の目標スピル角度に対応す
る1パルス分の所要時間を予測するようにしていた。同
公報では、余り角度の時間換算に使用するための1パル
ス分の所要時間が精度良く予測でき、回転変動による影
響を受けにくい燃料噴射量制御が実現できる旨が開示さ
れていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以下に、上記特開平5
−33714号公報の装置における問題を説明する。つ
まり、エンジンの瞬時回転速度、並びに単位クランク角
度当たりの経過時間は時々刻々と変化し、連続するパル
ス間の一区間内でも単位クランク角度当たりの経過時間
は変化する。しかし、特開平5−33714号公報の装
置では、目標スピル角度に対応する余り角度の時間換算
を1次補間にて取り扱っている。即ち、単位クランク角
度あたりの経過時間を一定として取り扱っている(特開
昭62−267547号公報の装置も同様)。従って、
例えパルス間の所要時間が精度良く予測できたとして
も、余り角度を時間換算する際において実際の経過時間
との間にズレが生じる。その結果、スピル角度の制御誤
差が生じ、燃料噴射量の制御精度が悪化するおそれがあ
った。
【0007】図8は、従来装置における時間換算のズレ
量を示している。同図から分かるように、1次補間によ
るスピル時期の制御では実経過時間の推移を正確に反映
することができず、目標スピル角度と実際のスピル角度
(実スピル角度)と間に制御誤差が生じてしまう。
【0008】本発明は前述した問題点に鑑みてなされた
ものであって、燃料のスピル時期を適正に制御し、高精
度な燃料噴射量制御を実現することができるディーゼル
エンジンの燃料噴射量制御装置を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明では、燃料噴射ポンプからディーゼルエンジン
の気筒に対し噴射供給される燃料をスピルさせることで
同燃料量を調量する電磁弁と、前記エンジンの所定のク
ランク角度毎に回転角パルスを検出するエンジン回転検
出手段と、エンジン運転状態に応じて目標スピル角度を
演算すると共に、前記検出される回転角パルスに基づ
き、その回転角パルスのある基準位置から前記目標スピ
ル角度までの回転角パルスのカウント数とその1パルス
分に満たない余り角度とを演算する角度データ演算手段
とを備え、前記目標スピル角度までの回転角パルスのカ
ウント数と余り角度の相当時間とを基に、前記電磁弁を
駆動させ燃料噴射量を制御することを前提としている。
【0010】そして請求項1に記載の発明ではその特徴
として、経過時間パターン近似手段は、目標スピル角度
を含む1燃焼前の所定のパターン近似期間で、前記検出
される回転角パルスの連続する複数のパルス時間から前
記パターン近似期間当初の所定クランク角度に対する経
過時間パターンを近似する。また、相当時間予測手段
は、近似した1燃焼前の所定クランク角度に対する経過
時間パターンを用い、当該所定クランク角度に対する目
標スピル角度の時刻と、同じく所定クランク角度に対す
る目標スピル角度直前の回転角パルスの時刻とを求め、
これら時刻の差から前記余り角度の相当時間を予測す
る。
【0011】上記構成によれば、1燃焼前の所定のパタ
ーン近似期間内で近似される経過時間パターンにより、
その時々のクランク角度に対応する経過時間(所定クラ
ンク角度に対する目標スピル角度の時刻や各回転角パル
スの時刻)が正確に把握でき、この経過時間から余り角
度の相当時間が直接的に求められる。従って、時々刻々
と変化する瞬時回転速度に応じたスピル時期の制御が可
能となり、従来装置のような制御誤差が解消できる。つ
まり、燃料噴射の終了時期が常に所望のタイミングにて
制御できるようになる。その結果、燃料のスピル時期を
適正に制御し、高精度な燃料噴射量制御を実現すること
ができる。
【0012】上記請求項1の発明は、請求項2又は請求
項3のように具体化されるとよい。即ち請求項2に記載
の発明では、前記経過時間パターン近似手段は、2次以
上の補間式を用いて1燃焼前の経過時間パターンを近似
する。この場合、2次補間式や3次補間式など、多次の
補間式により経過時間パターンを近似することで、余り
角度の時間換算時における演算精度が向上する。
【0013】請求項3に記載の発明では、前記経過時間
パターン近似手段は、前記エンジンの比較的低回転域で
は3次以上の補間式を用いて1燃焼前の経過時間パター
ンを近似し、それ以外の回転域では2次補間式を用いて
1燃焼前の経過時間パターンを近似する。
【0014】要するに、エンジンの構造上、その瞬時回
転速度はTDC(ピストン上死点)付近にて落ち込む。
そのため、TDC付近での瞬時回転速度の落ち込みをも
考慮して経過時間パターンを近似するには、3次以上の
補間式が必要となる。しかし、このような3次以上の補
間式を要するのは、目標スピル角度を含む所定のパター
ン近似期間内にTDCが入り込む場合だけであって、パ
ターン近似期間内にTDCがなければ2次補間式にてパ
ターン近似が可能となる。つまり、エンジンの中高回転
域では、目標スピル角度がTDCよりも先のタイミング
となりTDCが前記所定のパターン近似期間外に位置す
るため、比較的演算負荷の軽い2次補間式で経過時間パ
ターンが近似できるのに対し、エンジンの低回転域で
は、目標スピル角度がTDCよりも後のタイミングとな
りTDCがパターン近似期間内に位置するため、経過時
間パターンの近似に3次以上の補間式が必要となる。
【0015】こうした実状下において上記構成によれ
ば、エンジンの回転域に適した補間式が選択的に用いら
れるため、常に燃料スピル時期の制御精度が確保でき、
しかも演算負荷が必要最小限に抑制できる。特にエンジ
ンの高回転域においては必然として演算の時間周期が密
になるため、演算負荷が軽減されることはより有効であ
ると言える。
【0016】請求項4に記載の発明では、前記目標スピ
ル角度直前のパルス時間について1燃焼前の値と今回値
との比により前記相当時間予測手段にて予測される余り
角度の相当時間を補正すると共に、当該相当時間の補正
結果に応じて今回の燃料スピル時期を制御する。この場
合、加減速時など、過渡運転時にもその際の回転変動に
応じた燃料スピル制御が可能となり、制御精度が向上す
る。
【0017】また上記構成によれば、エンジン始動時に
急加速される場合などの過渡運転時にも燃料噴射量の制
御精度が維持でき、スモーク(白煙)の発生やエンジン
出力の不用意な低下を抑制することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明におけるディーゼル
エンジンの燃料噴射量制御装置を自動車に具体化した一
実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】図1はこの実施の形態における過給機付デ
ィーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置を示す概略構成
図である。燃料噴射ポンプ1はディーゼルエンジン2の
クランク軸40にベルト等を介して駆動連結されたドラ
イブプーリ3を備えている。そして、そのドライブプー
リ3の回転によって燃料噴射ポンプ1が駆動され、ディ
ーゼルエンジン2の各気筒(この場合は4気筒)毎に設
けられた各燃料噴射ノズル4に燃料が圧送されて燃料噴
射を行う。
【0020】燃料噴射ポンプ1において、ドライブプー
リ3はドライブシャフト5の先端に取り付けられてお
り、そのドライブシャフト5の途中には、ベーン式ポン
プよりなる燃料フィードポンプ(この図では90度展開
されている)6が設けられている。ドライブシャフト5
の基端側には円板状のパルサ7が取り付けられている。
このパルサ7の外周面には、ディーゼルエンジン2の気
筒数と同数の、即ちこの場合4個の欠歯部が等角度間隔
で形成され、各欠歯部の間には14個ずつの突起が等角
度間隔で(11.25°CA毎に)形成されている。ド
ライブシャフト5の基端部は図示しないカップリングを
介してカムプレート8に接続されている。
【0021】パルサ7とカムプレート8との間にはロー
ラリング9が設けられ、このローラリング9にはその円
周に沿ってカムプレート8のカムフェイス8aに対向す
る複数のカムローラ10が取り付けられている。カムフ
ェイス8aはディーゼルエンジン2の気筒数と同数だけ
設けられている。また、カムプレート8はスプリング1
1によって常にカムローラ10に付勢係合されている。
【0022】カムプレート8には燃料加圧用プランジャ
12の基端が一体回転可能に取り付けられ、それらカム
プレート8及びプランジャ12がドライブシャフト5の
回転に連動して回転される。即ち、ドライブシャフト5
の回転力がカップリングを介してカムプレート8に伝達
されることにより、カムプレート8が回転しながらカム
ローラ10に係合して気筒数と同数だけ図中左右方向へ
往復駆動される。このカムプレート8の往復運動に伴い
プランジャ12が回転しながら同方向へ往復駆動され
る。つまり、カムプレート8のカムフェイス8aがロー
ラリング9のカムローラ10に乗り上げる過程でプラン
ジャ12が往動(リフト)され、その逆にカムフェイス
8aがカムローラ10から降りる過程でプランジャ12
が復動される。
【0023】プランジャ12はポンプハウジング13に
形成されたシリンダ14に嵌挿されており、プランジャ
12の先端面(図の右端面)とシリンダ14の底面との
間が高圧室15となっている。プランジャ12には、そ
の先端側外周にディーゼルエンジン2の気筒数と同数の
吸入溝16が形成されると共に、高圧室15側からプラ
ンジャ12の軸方向に延びる分配ポート17が形成され
ている。また、それら吸入溝16及び分配ポート17に
対応して、ポンプハウジング13には分配通路18及び
吸入ポート19が形成されている。
【0024】この場合、ドライブシャフト5が回転され
て燃料フィードポンプ6が駆動されることにより、図示
しない燃料タンクから燃料供給ポート20を介して燃料
室21内へ燃料が供給される。また、プランジャ12が
復動されて高圧室15が減圧される吸入行程中に、吸入
溝16の一つが吸入ポート19に連通することにより、
燃料室21から高圧室15へと燃料が導入される。一
方、プランジャ12が往動されて高圧室15が加圧され
る圧縮行程中に、分配通路18から各気筒毎の燃料噴射
ノズル4へ燃料が圧送されて噴射される。
【0025】ポンプハウジング13には、高圧室15と
燃料室21とを連通させる燃料溢流用のスピル通路22
が形成されている。このスピル通路22の途中には、高
圧室15からの燃料スピルを調整する電磁スピル弁23
が設けられている。この電磁スピル弁23はコイル24
を有する常開型の弁であり、コイル24が無通電(オ
フ)の状態では弁体25が開放されて高圧室15内の燃
料が燃料室21へスピルされる。また、コイル24が通
電(オン)されることにより、弁体25が閉鎖されて高
圧室15から燃料室21への燃料のスピルが止められ
る。
【0026】従って、電磁スピル弁23の通電時間を変
化させることにより、同弁23が閉弁・開弁制御され、
高圧室15から燃料室21への燃料のスピルが調整され
る。そして、プランジャ12の圧縮行程中に電磁スピル
弁23を開弁させることにより、高圧室15内における
燃料が減圧されて、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射が
停止される。つまり、プランジャ12が往動しても、電
磁スピル弁23が開弁している間は高圧室15内の燃料
圧力が上昇せず、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射が行
われることはない。プランジャ12の往動中に、電磁ス
ピル弁23の閉弁・開弁の時期を制御することにより、
燃料噴射ノズル4からの燃料噴射終了時期が変更されて
燃料噴射量が調整される。
【0027】ポンプハウジング13の図の下側には、燃
料噴射時期を調整するための油圧駆動式タイマ装置(こ
の図では90度展開されている)26が設けられてい
る。このタイマ装置26は、ドライブシャフト5の回転
方向に対するローラリング9の位置を変更することによ
り、カムフェイス8aがカムローラ10に係合する時
期、即ちカムプレート8及びプランジャ12の往復駆動
時期を変更するものである。
【0028】タイマ装置26は、タイマハウジング27
と、同ハウジング27内に嵌装されたタイマピストン2
8と、同じくタイマハウジング27内一側の低圧室29
にてタイマピストン28を他側の加圧室30へ押圧付勢
するタイマスプリング31等とから構成されている。タ
イマピストン28はスライドピン32を介してローラリ
ング9に接続されている。
【0029】タイマハウジング27の加圧室30には、
燃料フィードポンプ6により加圧された燃料が導入され
るようになっている。そして、その燃料圧力とタイマス
プリング31の付勢力との釣り合い関係によってタイマ
ピストン28の位置が決定される。かかる場合、タイマ
ピストン28の位置に応じてローラリング9の位置が決
定され、それによりカムプレート8を介してプランジャ
12の往復動タイミングが決定される。
【0030】タイマ装置26の燃料圧力、即ち制御油圧
を調節するために、タイマ装置26には電磁式のタイミ
ングコントロールバルブ(以下、TCVという)33が
設けられている。詳細には、タイマハウジング27の加
圧室30と低圧室29とは連通路34によって連通され
ており、同連通路34の途中にTCV33が設けられて
いる。このTCV33は、デューティ制御に伴う通電又
は通電の遮断により開閉制御されるようになっており、
同TCV33の開閉制御により加圧室30内の燃料圧力
が調整される。このとき、その燃料圧力調整によりプラ
ンジャ12のリフトタイミングが制御され、各燃料噴射
ノズル4からの燃料噴射時期が調整される。
【0031】ローラリング9の上部には、電磁ピックア
ップコイルよりなるエンジン回転検出手段としての回転
数センサ35が取り付けられている。この回転数センサ
35は、パルサ7の外周面に対向して取り付けられてお
り、パルサ7外周に形成された突起が横切る度に、エン
ジン回転数NEに応じた検出信号を出力する。そのた
め、ディーゼルエンジン2が回転すると、回転数センサ
35は、図5で示すように所定のクランク角度(11.
25°CA)毎に、各突起に対応したポンプ角パルス
(エンジン回転角パルス)を出力すると共に、欠歯部に
対応した、基準となるエンジン回転角パルス(基準位置
信号)を出力する。但し、図5では説明の便宜上、波形
整形後の出力信号を示す。そして、これらのエンジン回
転角パルスから燃料噴射ポンプ1の回転速度、即ちディ
ーゼルエンジン2におけるクランク軸40の時間当たり
の回転数(エンジン回転速度)が検出可能となってい
る。
【0032】なおここで、回転数センサ35は前記ロー
ラリング9と一体であるため、タイマ装置26の制御動
作に関わりなく、プランジャリフトに対して一定のタイ
ミングで基準となるタイミング信号を出力する。本実施
の形態では、回転数センサ35の検出信号、即ちエンジ
ン回転角パルスからパルス毎の瞬時回転速度が検出され
るようになっている。
【0033】次に、ディーゼルエンジン2について説明
する。ディーゼルエンジン2には、シリンダ41、ピス
トン42及びシリンダヘッド43により各気筒毎に対応
する主燃焼室44がそれぞれ形成されている。それら各
主燃焼室44は、同じく各気筒毎に対応し、各燃料噴射
ノズル4により燃料が噴射供給される副燃焼室45に連
設されている。各副燃焼室45には、始動補助装置とし
ての周知のグロープラグ46がそれぞれ取り付けられて
いる。
【0034】ディーゼルエンジン2の吸気管47には過
給機を構成するターボチャージャ48のコップレッサ4
9が設けられ、排気管50にはターボチャージャ48の
タービン51が設けられている。排気管50には、過給
圧力を調節するためのウェイストゲートバルブ52が設
けられている。周知のようにこのターボチャージャ48
は、排気ガスのエネルギを利用してタービン51を回転
させ、その同軸上にあるコンプレッサ49を回転させて
吸入空気を昇圧させる。これにより、密度の高い混合気
を主燃焼室44へ送り込んで燃料を多量に燃焼させ、デ
ィーゼルエンジン2の出力を増大させるようになってい
る。
【0035】また、ディーゼルエンジン2には、排気管
50内の排気の一部を吸気管47の吸入ポート53へ還
流させるための還流管54が設けられ、還流管54の途
中には排気の還流量を調節するためのエキゾーストガス
リサキュレイションバルブ(EGRバルブ)55が設け
られている。このEGRバルブ55はバキュームスイッ
チングバルブ(VSV)56の制御によって開閉制御さ
れる。
【0036】さらに、吸気管47の途中には、アクセル
ペダル57の踏込量に連動して開閉されるスロットルバ
ルブ58が設けられている。スロットルバルブ58に平
行してバイパス路59が設けられ、同バイパス路59に
はバイパス絞り弁60が設けられている。バイパス絞り
弁60は、各種運転状態に応じて駆動するアクチュエー
タ63によって開閉制御される。アクチュエータ63は
二段のダイヤフラム室を有し、各々のダイヤフラム室内
圧は二つのVSV61,62により制御されるようにな
っている。このバイパス絞り弁60は、例えばアイドル
運転時には騒音振動等の低減のために半開状態に制御さ
れ、通常運転時には全開状態に制御され、さらに運転停
止時には円滑な停止のために全閉状態に制御される。
【0037】そして、上記のように燃料噴射ポンプ1及
びディーゼルエンジン2に設けられた電磁スピル弁2
3、TCV33、グロープラグ46及び各VSV56,
61,62は電子制御装置(以下、ECUという)71
にそれぞれ電気的に接続され、同ECU71によってそ
れらの駆動タイミングが制御される。
【0038】運転状態を検出するセンサとしては、前記
回転数センサ35に加えて以下の各種センサが設けられ
ており、これら各センサはそれぞれECU71に接続さ
れている。即ち、 ・吸気管47に配設された吸気温センサ72は、エアク
リーナ64の近傍における吸気温度THAを検出する。 ・同じく吸気管47に配設されたアクセル開度センサ7
3は、スロットルバルブ58の開閉位置からエンジン負
荷に相当するアクセル開度ACCPを検出する。 ・吸入ポート53の近傍に配設された吸気圧センサ74
は、ターボチャージャ48によって過給された後の吸入
空気圧力(過給圧力PiM)を検出する。 ・ディーゼルエンジン2のシリンダブロック(ウォータ
ジャケット)に配設された水温センサ75は、ディーゼ
ルエンジン2の冷却水温THWを検出する。 ・同じくシリンダブロックに配設されたクランク角セン
サ76は、クランク軸40の回転基準位置、例えば特定
気筒の上死点に対するクランク軸40の回転位置を検出
する。 ・図示しないトランスミッションに配設された車速セン
サ77は、出力軸と共に回転するマグネット77aによ
りリードスイッチ77bをオン・オフさせて車両速度
(車速)SPDを検出する。
【0039】次に、前述したECU71の構成につい
て、図2のブロック図に従って説明する。ECU71は
CPU(中央処理装置)81、所定の制御プログラム及
びマップ等を予め記憶したROM(リードオンリメモ
リ)82、CPU81の演算結果等を一時記憶するRA
M(ランダムアクセスメモリ)83、予め記憶されたデ
ータを保存するバックアップRAM84等と、これら各
部と入力ポート85及び出力ポート86等とをバス87
によって接続した論理演算回路として構成されている。
【0040】入力ポート85には、前述した吸気温セン
サ72、アクセル開度センサ73、吸気圧センサ74及
び水温センサ75が、各バッファ88,89,90,9
1、マルチプレクサ93及びA/D変換器94を介して
接続されている。同じく入力ポート85には、前述した
回転数センサ35、クランク角センサ76及び車速セン
サ77が波形整形回路95を介して接続されている。そ
して、CPU81は入力ポート85を介して入力される
各センサ35,72〜77等の検出信号を入力値として
読み込む。
【0041】また、出力ポート86には、電磁スピル弁
23、TCV33、グロープラグ46及びVSV56,
61,62等が各駆動回路96,97,98,99,1
00,101を介して接続されている。そして、CPU
81は各センサ35,72〜77から読み込んだ入力値
に基づき、電磁スピル弁23、TCV33、グロープラ
グ46及びVSV56,61,62等を好適に制御す
る。
【0042】次に、前述したECU71内のCPU81
により実行される燃料噴射量制御の処理動作について図
面に従って説明する。図3及び図4のフローチャート
は、回転数センサ35のNEパルス信号の立ち上がりで
起動される割り込みルーチンを示すものである。
【0043】処理が開始されると、CPU81は、先ず
図3のステップ101で基準位置信号が出力されてから
のパルス数を示すカウンタCNIRQ(初期値=0)を
「1」だけインクリメントする。なおここで、カウンタ
CNIRQは、「0」から「13」までの値が1回のカ
ウント周期となるよう構成されている(図5参照)。ま
た、CPU81は、ステップ102で現在の時刻(今回
の割込時刻)NEINから前回の割込時刻ZNEINを
減算してパルス時間TNINTを算出する(TNINT
=NEIN−ZNEIN)。
【0044】続いてCPU81は、ステップ103で今
回割り込んだパルス信号が基準位置信号であるか否かを
判別する。詳しくは、前記ステップ102にて算出した
パルス時間TNINTの今回値が同じくTNINTの前
回値の1.5倍以上であるか否かを判別し、今回値が前
回値の1.5倍以上であれば基準位置信号と判別する。
基準位置信号であると判別された場合、CPU81は、
ステップ104でカウンタCNIRQの値を「0」にク
リアし、その後ステップ105に進む。一方、基準位置
信号でないと判別された場合、CPU81はそのままス
テップ105に進む。
【0045】CPU81は、ステップ105で現在の時
刻(今回の割込時刻)NEINを前回の割込時刻ZNE
INとして記憶する。また、CPU81は、ステップ1
06で前回のカウント周期におけるカウンタCNIRQ
でのパルス時間TN(i)をTNOLD(i)として記
憶すると共に、続くステップ107で前記ステップ10
2にて算出したパルス時間TNINTを今回のカウント
周期におけるカウンタCNIRQでのパルス時間TN
(i)として記憶する(但し、i=CNIRQ)。
【0046】その後、CPU81は、図4のステップ1
08で今現在のカウンタCNIRQの値が「6」である
か、即ち今回の割り込んだパルス信号がCNIRQ=6
に相当する信号であるか否かを判別する。CNIRQ=
6と判別された場合、CPU81は、ステップ109で
最終スピル角度(最終噴射量)QFINに位相補正電圧
VRPを加算して目標スピル角度QANGFを算出す
る。ここで、CNIRQ=6のタイミングで目標スピル
角度QANGFを算出するのは、実際の目標スピル角度
より早いタイミングで確実にQANGFを算出するため
である。なお因みに、最終噴射量QFINは、図示しな
い別途のメインルーチンによりエンジン回転数NE、ア
クセル開度ACCP及び冷却水温THW等に基づいて算
出されるようになっている。
【0047】続いて、CPU81は、ステップ110で
前記算出した目標スピル角度QANGFより、当該QA
NGFまでのエンジン回転角パルスのパルス数(以下、
スピル時期パルス数CANGという)と、1パルス分に
満たない余り角度QANGMとを算出する。かかる場
合、図5からも分かるように、目標スピル角度QANG
Fは、 QANGF=11.25・CANG+QANGM …(1) で表され、この(1)式に従いスピル時期パルス数CA
NG及び余り角度QANGMが算出される。
【0048】その後、CPU81は、ステップ111で
その時のエンジン回転数NEが所定の低回転域(本実施
の形態では、2000rpm以下)にあるか否かを判別
し、エンジン回転数NEが低回転域にあればステップ1
12に進み、エンジン回転数NEが中高回転域にあれば
ステップ114に進む。
【0049】エンジン回転数NEが低回転域にあると判
別された場合、CPU81は、ステップ112で1燃焼
前(前回)のカウント周期におけるクランク角度に対す
る経過時間パターンを差分法による3次補間式で近似す
る。詳しくは、以下の(2)〜(4)式に従い3次式係
数C1,C2,C3を算出する。
【0050】
【数1】 上記(2)〜(4)式によれば、パルス時間TN(CA
NG−1),TN(CANG),TN(CANG+1)
が経過時間パターンを近似するためのパラメータとな
り、これらのパラメータを求めるためのパルス番号「C
ANG−2」〜「CANG+1」の期間がパターン近似
期間に相当する(図6,7参照、但し同図では、CAN
G=10)。この場合、目標スピル角度QANGFを含
む1燃焼前の所定のパターン近似期間で、所定クランク
角度に対する経過時間パターンが近似されることにな
る。
【0051】また、CPU81は、続くステップ113
で以下の(5)〜(7)式に従い余り角度相当時間TS
PBを算出する。つまり、パルス番号「CANG−2」
から目標スピル角度QANGFまでの積算時間SIGS
Pと、同じくパルス番号「CANG−2」からスピル時
期パルス数CANGまでの積算時間SIGCANとを算
出し、その差から余り角度相当時間TSPBを算出する
(図6,7参照)。
【0052】
【数2】 余り角度相当時間TSPBの算出後、CPU81はステ
ップ116に進む。一方、エンジン回転数NEが中高回
転域にあると判別された場合、CPU81は、ステップ
114で1燃焼前(前回)のカウント周期における所定
クランク角度に対する経過時間パターンを差分法による
2次補間式で近似する。詳しくは、以下の(2’),
(3’)式に従い2次式係数C1,C2を算出する。
【0053】
【数3】 この場合、パルス時間TN(CANG),TN(CAN
G+1)が経過時間パターンを近似するためのパラメー
タとなり、これらのパラメータを求めるためのパルス番
号「CANG−1」〜「CANG+1」の期間がパター
ン近似期間に相当する(図6参照、但し同図では、CA
NG=10)。
【0054】また、CPU81は、続くステップ115
で余り角度相当時間TSPBを算出する。つまり、以下
の(5’)〜(7’)式に従って積算時間SIGSP,
SIGCANを算出し、その差から余り角度相当時間T
SPBを算出する。
【0055】
【数4】 余り角度相当時間TSPBの算出後、CPU81はステ
ップ116に進む。前記ステップ108でCNIRQ≠
6と判別された場合には、CPU81は、ステップ10
9〜115の処理を読み飛ばし、そのままステップ11
6に進む。
【0056】CPU81は、ステップ116で今現在の
カウンタCNIRQの値が「CANG−1」であるか、
即ち今回の割り込んだパルス信号がCNIRQ=CAN
G−1に相当する信号であるか否かを判別する。
【0057】この場合、CNIRQ=CANG−1と判
別されれば、CPU81は、ステップ117で以下の
(8)式を用い、車両の加減速状態に応じて余り角度相
当時間TSPBを補正し、最終の余り角度相当時間TS
Pを算出する。
【0058】
【数5】 つまり、上記(8)式では、パルス時間TN(CANG
−1)の今回値「TN」と前回値「TNOLD」との比
により前記算出した余り角度相当時間TSPBが補正さ
れ、その補正結果が最終の余り角度相当時間TSPとし
て求められる。
【0059】一方、前記ステップ116でCNIRQ≠
CANG−1と判別されれば、CPU81は、ステップ
117の処理を読み飛ばし、本ルーチンを一旦終了す
る。図6及び図7は、上記CPU81の演算処理をより
具体的に示すタイムチャートである。図6では、車両の
加速に伴いエンジン回転数が低回転域から上昇する過程
を示しており、目標スピル角度QANGFはパルス番号
「10」と「11」との間に位置する(スピル時期パル
ス数CANGは「10」)。またこのとき、目標スピル
角度QANGFはTDCよりも遅角側に設定され、TD
Cは図の8番パルスから11番パルスまでの期間、即ち
パターン近似期間内に位置する。
【0060】CNIRQ=6となる図6の時刻t1で
は、目標スピル角度QANGF,スピル時期パルス数C
ANG,余り角度QANGMが算出されると共に、経過
時間パターンの近似により余り角度相当時間TSPBが
算出される(前記図4のステップ109〜115)。図
6では比較的低回転域での回転数変化を示すため、経過
時間パターンの近似に前記(2)〜(4)式の3次補間
式が用いられる。かかる場合、1燃焼前(前回)のパタ
ーン近似期間における複数のパルス時間TN(9),T
N(10),TN(11)からパターン近似期間当初の
クランク角度(図では、8番パルスでのクランク角度)
に対する経過時間パターンが近似される。
【0061】図7(a)は、上記の如く近似された経過
時間パターン(但し、前回燃焼時の経過時間パターン)
を示しており、この経過時間パターンに基づき、8番パ
ルスでのクランク角度に対する目標スピル角度QANG
Fの時刻(積算時間SIGSP)と、同じく8番パルス
でのクランク角度に対するQANGF直前の回転角パル
スの時刻(積算時間SIGCAN)とが求められ、これ
ら積算時間SIGSP,SIGCANの差から余り角度
相当時間TSPBが予測される(前記(5)〜(7)
式)。
【0062】また、CNIRQ=9(=CANG−1)
となる図6の時刻t2では、前記余り角度相当時間TS
PBが前記(8)式により補正され、その補正結果であ
る最終の余り角度相当時間TSPにより燃料スピル時期
が実際に制御されるようになる。図7(b)によれば、
車両の加速状態に応じて経過時間パターンが更新され、
加速状態を反映した余り角度相当時間TSPが求められ
ていることが分かる。
【0063】なお本実施の形態の装置では、前記図3,
4のルーチンのステップ109,110により請求項記
載の角度データ演算手段が構成されている。また、同ス
テップ112,114により経過時間パターン近似手段
が構成され、同ステップ113,115により相当時間
予測手段が構成されている。
【0064】以上詳述した本実施の形態によれば、以下
に示す効果が得られる。 (a)本実施の形態では、1燃焼前の所定のパターン近
似期間で、エンジン回転角パルスの連続する複数のパル
ス時間からパターン近似期間当初の所定クランク角度に
対する経過時間パターンを近似した。そして、該近似し
た経過時間パターンを用い、当該所定クランク角度に対
する目標スピル角度QANGFの時刻(図7(a)の積
算時間SIGSP)と、同じく所定クランク角度に対す
るQANGF直前の回転角パルスの時刻(図7(b)の
積算時間SIGCAN)とを求め、これら時刻の差から
余り角度相当時間TSPBを予測するようにした。
【0065】上記構成によれば、その時々のクランク角
度に対応する経過時間(所定クランク角度に対するQA
NGFの時刻や各回転角パルスの時刻)が正確に把握で
き、この経過時間から余り角度相当時間TSPBが直接
的に求められる。従って、時々刻々と変化する瞬時回転
速度に応じたスピル時期の制御が可能となり、従来装置
のような制御誤差が解消できる。つまり、前記図8のよ
うにスピル時期の実際値と目標値とがずれてしまうとい
った不具合が解消できる。かかる場合、燃料噴射の終了
時期が常に所望のタイミングにて制御できるようにな
る。その結果、燃料のスピル時期を適正に制御し、高精
度な燃料噴射量制御を実現することができる。
【0066】(b)ディーゼルエンジン2の比較的低回
転域では3次以上の補間式を用いて1燃焼前の経過時間
パターンを近似し、それ以外の回転域では2次補間式を
用いて1燃焼前の経過時間パターンを近似するようにし
た。つまり、エンジン中高回転域では、目標スピル角度
QANGFがTDCよりも先のタイミングとなりTDC
が前記所定のパターン近似期間外に位置するため、比較
的演算負荷の軽い2次補間式で経過時間パターンが近似
できるのに対し、エンジン低回転域では、目標スピル角
度QANGFがTDCよりも後のタイミングとなりTD
Cがパターン近似期間内に位置するため、経過時間パタ
ーンの近似に3次以上の補間式が必要となる。
【0067】こうした実状下において上記構成によれ
ば、エンジン回転域に適した補間式が選択的に用いられ
るため、常に燃料スピル時期の制御精度が確保でき、し
かも演算負荷が必要最小限に抑制できる。特にエンジン
高回転域においては必然として演算の時間周期が密にな
るため、演算負荷が軽減されることはより有効であると
言える。
【0068】(c)QANGF直前のパルス時間につい
て1燃焼前の値と今回値との比により余り角度相当時間
TSPBを補正すると共に、当該TSPBの補正結果に
応じて今回の燃料スピル時期を制御するようにした(前
記(8)式)。この場合、加減速時など、過渡運転時に
もその際の回転変動に応じた燃料スピル制御が可能とな
り、制御精度が向上する。
【0069】また上記構成によれば、エンジン始動時に
急加速される場合などの過渡運転時にも燃料噴射量の制
御精度が維持でき、スモーク(白煙)の発生やエンジン
出力の不用意な低下を抑制することができる。
【0070】(d)また、本実施の形態では、上記のよ
うにエンジン回転変動の影響を受けることなく燃料噴射
量制御が実施できる。そのため、ノーマルフライホイー
ルやフライホイールダンパ等のように回転変動に差のあ
る機構を採用した異なるディーゼルエンジンの間でも、
制御される燃料噴射量に差が生じることはなく、噴射量
制御のために同一の噴射量指令値を用いても差し支えが
ない。
【0071】なお、本発明の実施の形態は、上記以外に
次の形態にて実現できる。上記実施の形態では、エンジ
ン回転数NEが比較的低回転域にあるか否かに応じて経
過時間パターンを近似するための補間式を選択的に用い
るようにしたが(3次補間式或いは2次補間式のいずれ
かを用いた)、この構成を変更してもよい。例えば常に
3次補間式を用いて経過時間パターンを近似したり、4
次以上の補間式を用いて経過時間パターンを近似したり
してもよい。また、経過時間パターンを近似する一手法
として、最小二乗法を用いてもよい。これらいずれの場
合でも、余り角度の時間換算時における演算精度が確保
できる。
【0072】経過時間パターンを近似するためのパター
ン近似期間は任意に変更して設定でき、要は、目標スピ
ル角度QANGFを含む1燃焼前の所定期間に設定され
ればよい。
【0073】上記実施の形態では、QANGF直前のパ
ルス時間について1燃焼前の値と今回値との比により余
り角度相当時間TSPBを補正していたが、この補正の
手法を変更してもよい。例えば複数のパルス時間から前
回燃焼時の瞬時回転速度の平均値を求めると共に、同じ
く複数のパルス時間から今回燃焼時の瞬時回転速度の平
均値を求め、これら瞬時回転速度の平均値の比により余
り角度相当時間TSPBを補正する。かかる構成におい
ても、加減速時など、過渡運転時の回転変動に応じた燃
料スピル制御が可能となる。要は、前回燃焼時と今回燃
焼時との回転数変動を反映した補正ができる構成であれ
ばよい。
【0074】上記実施の形態では、本発明を過給機付の
4気筒ディーゼルエンジンに具体化したが、過給機を持
たないディーゼルエンジンに具体化するなど、他の態様
のディーゼルエンジンに本発明を適用することも可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態におけるディーゼルエンジン
の燃料噴射制御装置の概要を示す構成図。
【図2】ECUの構成を示すブロック図。
【図3】NE割り込みルーチンを示すフローチャート。
【図4】図3に続き、NE割り込みルーチンを示すフロ
ーチャート。
【図5】エンジン回転角パルスと電磁スピル弁のON/
OFF動作との関係を示すタイムチャート。
【図6】実施の形態の装置について、その作用を説明す
るためのタイムチャート。
【図7】実施の形態の装置について、その作用を説明す
るためのタイムチャート。
【図8】従来技術における問題点を説明するためのタイ
ムチャート。
【符号の説明】
1…燃料噴射ポンプ、2…エンジン(ディーゼルエンジ
ン)、23…電磁スピル弁、35…エンジン回転検出手
段を構成する回転数センサ、71…ECU(電子制御装
置)、81…角度データ演算手段,経過時間パターン近
似手段,相当時間予測手段を構成するCPU。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高木 二郎 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 衣畑 裕生 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 木崎 幹士 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 川原 邦博 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料噴射ポンプからディーゼルエンジンの
    気筒に対し噴射供給される燃料をスピルさせることで同
    燃料量を調量する電磁弁と、 前記エンジンの所定のクランク角度毎に回転角パルスを
    検出するエンジン回転検出手段と、 エンジン運転状態に応じて目標スピル角度を演算すると
    共に、前記検出される回転角パルスに基づき、その回転
    角パルスのある基準位置から前記目標スピル角度までの
    回転角パルスのカウント数とその1パルス分に満たない
    余り角度とを演算する角度データ演算手段とを備え、 前記目標スピル角度までの回転角パルスのカウント数と
    余り角度の相当時間とを基に、前記電磁弁を駆動させ燃
    料噴射量を制御するようにしたディーゼルエンジンの燃
    料噴射量制御装置において、 目標スピル角度を含む1燃焼前の所定のパターン近似期
    間で、前記検出される回転角パルスの連続する複数のパ
    ルス時間から前記パターン近似期間当初の所定クランク
    角度に対する経過時間パターンを近似する経過時間パタ
    ーン近似手段と、 前記経過時間パターン近似手段により近似した1燃焼前
    の所定クランク角度に対する経過時間パターンを用い、
    当該所定クランク角度に対する目標スピル角度の時刻
    と、同じく所定クランク角度に対する目標スピル角度直
    前の回転角パルスの時刻とを求め、これら時刻の差から
    前記余り角度の相当時間を予測する相当時間予測手段と
    を備えることを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴
    射量制御装置。
  2. 【請求項2】前記経過時間パターン近似手段は、2次以
    上の補間式を用いて1燃焼前の経過時間パターンを近似
    するものである請求項1に記載のディーゼルエンジンの
    燃料噴射量制御装置。
  3. 【請求項3】前記経過時間パターン近似手段は、前記エ
    ンジンの比較的低回転域では3次以上の補間式を用いて
    1燃焼前の経過時間パターンを近似し、それ以外の回転
    域では2次補間式を用いて1燃焼前の経過時間パターン
    を近似するものである請求項1に記載のディーゼルエン
    ジンの燃料噴射制御装置。
  4. 【請求項4】前記目標スピル角度直前のパルス時間につ
    いて1燃焼前の値と今回値との比により前記相当時間予
    測手段にて予測される余り角度の相当時間を補正すると
    共に、当該相当時間の補正結果に応じて今回の燃料スピ
    ル時期を制御する請求項1〜請求項3のいずれかに記載
    のディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置。
JP9188305A 1997-07-14 1997-07-14 ディーゼルエンジンの燃料噴射量制御装置 Withdrawn JPH1136963A (ja)

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