JPH11324771A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置

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JPH11324771A
JPH11324771A JP10137025A JP13702598A JPH11324771A JP H11324771 A JPH11324771 A JP H11324771A JP 10137025 A JP10137025 A JP 10137025A JP 13702598 A JP13702598 A JP 13702598A JP H11324771 A JPH11324771 A JP H11324771A
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圭一 榎木
Hitoshi Inoue
仁志 井上
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範孝 山口
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼トルク指標のばらつきを抑制して気筒毎
の燃料噴射量を調整し、気筒毎のトルク差に起因する振
動の発生を防止した内燃機関の燃料噴射制御装置を得
る。 【解決手段】 回転数を制御するための基本燃料量PR
を算出する手段31と、気筒別に燃焼開始前後のクラン
ク角周期Tを検出する手段32と、回転数およびクラン
ク角周期の少なくとも一方に基づいて気筒別の燃焼トル
ク指標αを算出する手段33と、燃焼トルク指標の気筒
間の差を零とする燃料補正量Qを算出する手段34と、
燃料補正量を気筒別に反映させる手段35と、基本燃料
量と所定タイミングで出力される燃料補正量とにより燃
料調整手段4を駆動する駆動制御手段37とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ディーゼルエン
ジンなどの自己着火式内燃機関の燃料噴射制御装置に関
し、特にアイドル中の低回転時の気筒毎のトルク変動を
防止することにより、トルク変動による車体振動を抑制
した内燃機関の燃料噴射制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自己着火式内燃機関(すなわ
ち、ディーゼル機関)においては、高圧(数100気
圧)の気筒内に燃料を高圧で噴射するために、燃料ポン
プを調整する燃料調整手段(操作機器)として、アクセ
ルポジションに連動するコントロールスリーブ(以下、
単に「スリーブ」という)などが用いられている。
【0003】また、この種のエンジンにおいては、燃料
噴射量(スリーブの操作量)を決定するために、エンジ
ン回転数やアクセルペダル位置などの動作特性量を検出
するセンサと、目標値を発生させる目標値発生手段と、
その後段に接続され実際値と目標値とを比較する比較手
段と、操作機器を調整する電子調整器とが設けられてい
る。
【0004】このとき、燃料噴射に必要な情報(たとえ
ば、エンジン回転数やアクセルペダル位置)は、演算処
理機能を備えた制御装置によって取得される。すなわ
ち、制御装置の演算値(スリーブ操作量を定める目標
値)にしたがって制御が行われ、噴射量操作部を介して
燃料ポンプが調整される。
【0005】図17は一般的なディーゼルエンジンの燃
料噴射制御装置を概略的に示す構成図である。図17に
おいて、エンジン1は、クランク1a、ピストン1bお
よび燃焼室1cにより構成されている。燃焼室1cに設
けられた燃料噴射弁2は、燃焼室1c内に燃料を噴射し
てエンジン1に燃料を供給する。
【0006】燃料ポンプ3は、燃料噴射弁2に送出する
高圧燃料の供給量を調整する。燃料ポンプ3のバルブ2
0から送出された高圧燃料は、燃料配管10を通って燃
料噴射弁2に供給される。
【0007】燃料ポンプ3内の燃料調整手段4は、燃料
ポンプ3から燃焼室1cへの燃料供給量を調整する。E
CU(電子制御ユニット)5は、燃料調整手段4の駆動
信号DSを出力し、燃料調整手段4が最適な燃料量を燃
焼室1cに供給するように制御する。
【0008】スリーブ位置検出手段6は、たとえばレゾ
ルバ式の位置センサからなり、燃料調整手段4内のスリ
ーブ位置PSを検出する。クランク角センサ7は、クラ
ンク1cの角度を示すクランク角信号CAを出力し、エ
ンジン回転数を検出するための手段として機能する。
【0009】ECU5は、駆動信号DSにより、クラン
ク角信号CAから得られるエンジン回転数が目標回転数
に一致するように、燃料調整手段4の制御を行う。各種
センサ8は、水温センサ、アクセルポジションセンサお
よび車速センサなどを含み、種々の運転状態を示す情報
をECU5に入力する。
【0010】図18は図17内の燃料調整手段4の具体
的な構成を示す側断面図である。図18において、燃料
調整手段4は、カットオフポート2013が形成された
プランジャ2006と、プランジャ2006のストロー
クを調整するスリーブ2014と、スリーブ2014を
変位させるロータリソレノイド2015(比例ソレノイ
ドの一種)などの駆動機構とにより構成されている。
【0011】カットオフポート2013は、燃料噴射弁
2に向けて燃料を送るための第1の通路2013aと、
低圧のポンプ室2002に向けて燃料を送るための第2
の通路2013bとを有する。スリーブ2014は、プ
ランジャ2006の有効ストロークを変えることによ
り、第2の通路2013bから流出する燃料の流量を調
整する。
【0012】図18の構成により、第1の通路2013
aを通過した燃料は、バルブ20から送出された後、燃
料噴射弁2から噴射される。このとき、ECU5は、ロ
ータリソレノイド2015への供給電流に対応した駆動
信号DSを出力し、プランジャ2006に形成されたカ
ットオフポート2013の開口面積が最適になるよう
に、スリーブ2014を変位させる。
【0013】次に、図18を参照しながら、図17に示
した燃料ポンプ3の動作について説明する。まず、ポン
プ室2002に導かれた燃料は、作動部分の潤滑を行う
と同時に、吸入ポート2004を通ってポンプ2005
に送られる。
【0014】プランジャ2006は、ドライシャフト2
000に連結したカムディスク2007に固定されてお
り、継手2000Aを介して、ドライシャフト2000
によりエンジン回転数に同期して駆動される。
【0015】カムディスク2007は、エンジンのシリ
ンダ数と同数のフェイスカムを有しており、回転しなが
らローラリング2009に配設されたローラ2010を
乗り越えるたびに、所定のカムリフトだけ往復運動す
る。
【0016】このようにして、プランジャ2006が回
転しながら往復運動すると、吸入ポート2004から送
られてきた燃料は、プランジャ高圧室2005A、カッ
トオフポート2013、分配ポート2011およびデリ
バリーバルブ2012から送出され、噴射ノズル(図示
せず)に圧送される。
【0017】このとき、デリバリーバルブ2012から
送出される燃料量は、第2の通路2013bの開口部を
被覆するスリーブ2014の位置によって決定される。
【0018】たとえば、第2の通路2013bの開口部
が、プランジャ2006に対する右側への移動により、
スリーブ2014の右端部を越えると、それまでプラン
ジャ高圧室2005A内から分配ポート2011に圧送
されていた燃料が、カットオフポート2013の開口部
を通ってポンプ室2002に解放されるので、分配ポー
ト2011への燃料圧送が終了する。
【0019】したがって、スリーブ2014の位置をプ
ランジャ2006に対して右方向に変位させると、第2
の通路2013bの開口部がスリーブ2014の右端部
を越えるのに要する時間が長くなるので、燃料噴射終了
時期が遅くなって燃料噴射量が増加する。
【0020】一方、スリーブ2014の位置をプランジ
ャ2006に対して左方向に変位させると、カットオフ
ポート2013の開口部がスリーブ2014の右端部を
越えるのに要する時間が短くなるので、燃料噴射終了時
期が早くなって燃料噴射量が減少する。
【0021】また、同時に、スリーブ2014の位置を
調整することにより、第2の通路2013bの開口部を
被覆する面積(または、第2の通路2014の開口面
積)を調整することができ、これにより、第2の通路2
013bからポンプ室2002に流れる燃料の単位時間
当たりの流量を調整することができる。
【0022】このとき、エンジン回転数に応じてスリー
ブ2014の位置を変化させることにより、エンジン回
転数に応じた適切な燃料量をデリバリーバルブ2012
から噴射ノズルに送ることができる。これにより、エン
ジン回転数に応じた燃料量をエンジン1に供給すること
ができる。
【0023】図19はプランジャ2006およびスリー
ブ2014の周辺を示す側面図である。図19におい
て、スリーブ2014は、ロータリソレノイド2015
のロータ(回転シャフト)2016の先端に偏心して設
けられたポール2017に支持されている。
【0024】また、スリーブ2014は、ロータ201
6の回転角に応じてその位置が左右に変位する。つま
り、エンジン回転数に応じてロータ2016の回転角を
制御することにより、スリーブ2014の位置が変位す
るので、分配ポート2011に送られる燃料量が調整さ
れることになる。
【0025】なお、スリーブ2014の位置を調整する
ための手段としてロータリソレノイド2015を用いた
が、遠心式ガバナを用いることもできる。
【0026】ところで、上記のように構成された従来の
多気筒エンジンの燃料噴射制御装置においては、全気筒
に対する燃料噴射量が共通に制御されている。しかしな
がら、噴射系部品のばらつきや経時変化などのため、各
気筒間に燃料噴射量のばらつきが発生し、各気筒間にお
ける発生トルクに差が生じるおそれがある。
【0027】この結果、エンジン1の回転周期に変動が
生じ、特にアイドル運転のような低回転域においては、
約6Hz〜8Hzのトルク変動が発生してエンジン・マ
ウントを加振するので、運転者に不快な振動を与えて乗
用車の商品性を低下させることになる。
【0028】このような不具合を解決するため、従来よ
り、内燃機関の各気筒毎に噴射される燃料噴射量を制御
する装置が種々提案されている。たとえば、特公平4−
37262号公報に記載された装置においては、各気筒
の燃焼行程における所定クランク角期間の周期からエン
ジン回転数を検出し、前回の燃焼気筒における値との偏
差を算出して、この偏差を燃焼トルクの大きさを示す指
標とし、指標に対する目標値を零として気筒毎の燃料噴
射量をPID演算している。
【0029】しかしながら、上記指標は、実際に発生し
た燃焼トルクとの相関性が低く、各気筒の燃料補正量が
収束するのに長い時間を要する。また、気筒別燃料補正
量の合計値が零にならないので、目標回転数制御に対し
て定常外乱的に作用し、双方の制御系が干渉してしまう
ことになる。
【0030】さらに、位置制御型の燃料ポンプ3の場合
には、スリーブ2014の応答遅れを考慮していないこ
とから、補正すべき気筒に補正量が反映されずに、制御
系が発散するおそれもある。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】従来の内燃機関の燃料
噴射制御装置は以上のように、気筒毎の燃料噴射量の有
効な補正処理を考慮していないので、気筒毎の発生トル
クの変動により車体振動を招き、乗り心地を悪化させる
という問題点があった。
【0032】また、たとえば特公平4−37262号公
報に記載された装置によれば、燃焼トルク指標と実際の
発生トルクとの相関性が低いことから気筒毎の燃料補正
量が収束するのに長い時間を要するうえ、気筒別燃料補
正量の合計値が零にならないことから目標回転数制御に
対して定常外乱的に作用して双方の制御系が干渉し、さ
らに、スリーブの応答遅れを考慮していないことから対
象気筒に補正量が反映されずに制御系が発散するという
問題点があった。
【0033】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、燃焼トルク指標のばらつきを抑
制して気筒毎の燃料噴射量を調整し、気筒毎のトルク差
に起因する振動の発生を防止した内燃機関の燃料噴射制
御装置を得ることを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る内燃機関の燃料噴射制御装置は、内燃機関の複数の気
筒内に燃料を噴射して供給する内燃機関の燃料噴射制御
装置であって、燃料の供給量を調整する燃料調整手段
と、内燃機関の回転数を所望の回転数に制御するための
基本燃料量を算出するエンジン回転数制御手段と、内燃
機関の各燃焼気筒別に、燃焼開始前および燃焼終了後の
各所定クランク角期間をクランク角周期として検出する
クランク角周期検出手段と、クランク角周期および基本
燃料量の少なくとも一方に基づいて、内燃機関の燃焼時
に気筒別に発生するトルク値に対応した燃焼トルク指標
を算出する気筒別燃焼トルク指標算出手段と、燃焼トル
ク指標の気筒間の差が零となるように、気筒別に燃料の
供給量を増減するための燃料補正量を算出する気筒別燃
料補正量算出手段と、燃料補正量を気筒別に反映させる
ための所定タイミングで出力する気筒別燃料補正量反映
管理手段と、基本燃料量と所定タイミングで出力される
燃料補正量とにより燃料調整手段を駆動する駆動制御手
段とを備えたものである。
【0035】また、この発明の請求項2に係る内燃機関
の燃料噴射制御装置は、請求項1において、燃焼トルク
指標算出手段は、燃焼開始前のクランク角周期と燃焼終
了後のクランク角周期との差を、燃焼トルク指標として
算出するものである。
【0036】また、この発明の請求項3に係る内燃機関
の燃料噴射制御装置は、請求項1において、燃焼トルク
指標算出手段は、燃焼開始前のクランク角周期と燃焼終
了後のクランク角周期との比を、燃焼トルク指標として
算出するものである。
【0037】また、この発明の請求項4に係る内燃機関
の燃料噴射制御装置は、請求項1において、燃焼トルク
指標算出手段は、燃焼開始前のクランク角周期と燃焼終
了後のクランク角周期との差を、燃焼気筒別の基本燃料
量で除算した値を、燃焼トルク指標として算出するもの
である。
【0038】また、この発明の請求項5に係る内燃機関
の燃料噴射制御装置は、請求項1において、燃焼トルク
指標算出手段は、燃焼開始前のクランク角周期と燃焼終
了後のクランク角周期との比を、燃焼気筒別の基本燃料
量で除算した値を、燃焼トルク指標として算出するもの
である。
【0039】また、この発明の請求項6に係る内燃機関
の燃料噴射制御装置は、請求項1において、クランク角
周期に基づいて、内燃機関の各燃焼気筒別に、燃焼開始
前および燃焼終了後の各回転数を検出する回転数検出手
段を備え、燃焼トルク指標算出手段は、各回転数に基づ
いて燃焼トルク指標を算出するものである。
【0040】また、この発明の請求項7に係る内燃機関
の燃料噴射制御装置は、請求項6において、燃焼トルク
指標算出手段は、燃焼開始前の回転数と燃焼終了後の回
転数との差を、燃焼トルク指標として算出するものであ
る。
【0041】また、この発明の請求項8に係る内燃機関
の燃料噴射制御装置は、請求項6において、燃焼トルク
指標算出手段は、燃焼開始前の回転数と燃焼終了後の回
転数との比を、燃焼トルク指標として算出するものであ
る。
【0042】また、この発明の請求項9に係る内燃機関
の燃料噴射制御装置は、請求項6において、燃焼トルク
指標算出手段は、燃焼開始前の回転数と燃焼終了後の回
転数との差を、燃焼気筒別の基本燃料量で除算した値
を、燃焼トルク指標として算出するものである。
【0043】また、この発明の請求項10に係る内燃機
関の燃料噴射制御装置は、請求項6において、燃焼トル
ク指標算出手段は、燃焼開始前の回転数と燃焼終了後の
回転数との比を、燃焼気筒別の基本燃料量で除算した値
を、燃焼トルク指標として算出するものである。
【0044】また、この発明の請求項11に係る内燃機
関の燃料噴射制御装置は、請求項1から請求項10まで
のいずれかにおいて、燃料補正量を気筒別に保存する補
正量保存手段を備え、燃料補正量算出手段は、所定数の
燃焼トルク指標の中で最大値および最小値を示す各気筒
を検出し、最大値の燃焼トルク指標を示す気筒の燃料補
正量に対しては、所定補正量を減算し、最小値の燃焼ト
ルク指標を示す気筒の燃料補正量に対しては、所定補正
量を加算するものである。
【0045】また、この発明の請求項12に係る内燃機
関の燃料噴射制御装置は、請求項11において、燃料補
正量算出手段は、燃焼トルク指標の最大値と最小値との
指標差を算出し、指標差に応じて所定補正量を決定する
ものである。
【0046】また、この発明の請求項13に係る内燃機
関の燃料噴射制御装置は、請求項12において、燃料補
正量算出手段は、指標差が所定値以上を示す場合に所定
補正量を増大させるものである。
【0047】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、この発明の
実施の形態1を図について説明する。図1はこの発明の
実施の形態1を示す機能ブロック図であり、たとえば、
前述(図17参照)と同様に、位置制御型の燃料ポンプ
3を装着した4気筒ディーゼルエンジンの燃料噴射制御
装置におけるECU30の要部構成を示している。図1
において、前述と同様の構成については、同一符号を付
して詳述を省略する。また、ECU30は前述のECU
5に対応しており、動作プログラムが前述と異なる。な
お、図1に示されない構成は、図17〜図19に示した
通りである。
【0048】ECU30は、クランク角信号CA(エン
ジン回転数Neに対応)に基づいて燃料調整手段4を制
御するために、エンジン回転数制御手段31、クランク
角周期検出手段32、気筒別燃焼トルク指標算出手段3
3、気筒別燃料補正量算出手段34、気筒別燃料補正量
反映管理手段35、加算手段36および位置帰還制御手
段37を備えている。
【0049】また、ECU30には、前述の各種センサ
8からの運転状態を示す情報が入力されている。さら
に、ECU30は、クランク角信号CAのパルスに基づ
いて複数気筒を順次識別するための気筒識別カウンタ
(後述する)を備えている。なお、クランク角信号CA
のパルス波形(後述する)は、各気筒に対応したクラン
ク角位置を特定できるように設定されている。
【0050】図2は各クランク角[°]に対するクラン
ク角信号CAのパルス波形とエンジン回転数Ne[rp
m]との関係を示す説明図である。図2において、クラ
ンク角センサ7は、燃焼時の発生トルクによるエンジン
回転数Neの変化を精度良く検出できるように設計され
ている。
【0051】すなわち、クランク角センサ7から生成さ
れるクランク角信号CAのパルスは、燃焼が開始するク
ランク角期間(BTDC10°〜ATDC10°)と、
燃焼が終了するクランク角期間(ATDC70°〜AT
DC90°)とにおいて、ONレベルとなる。
【0052】なお、BTDC10°は、圧縮行程の上死
点(TDC)から10°手前のクランク角位置、ATD
C10°は、上死点から10°回転した後のクランク角
位置であり、以下、それぞれ、B10°、A10°と省
略して記す。
【0053】エンジン回転数Neは、圧縮行程終了時に
相当する燃焼開始期間(B10°〜A10°)において
最小となり、爆発行程終了時に相当する燃焼終了期間
(A70°〜A90°)において最大となる。
【0054】また、ECU30の処理ルーチン(後述す
る)は、クランク角信号CAのパルス立上がりタイミン
グ(たとえば、B10°)およびパルス立下がりタイミ
ング(たとえば、A10°)において、割り込みがかか
るようになっている。したがって、ECU30内の各手
段31〜35には、割り込み処理起動用のクランク角信
号CAが入力されている。
【0055】図1において、エンジン回転数制御手段3
1は、たとえばPID制御器により構成されており、ク
ランク角信号CAから実際のエンジン回転数Neを演算
し、エンジン回転数Neを目標エンジン回転数(たとえ
ば、アイドル回転数)に一致させるための基本的な燃料
供給量すなわち基本燃料量PR(スリーブ位置の基本目
標値)を演算する。
【0056】エンジン回転数制御手段31は、たとえ
ば、クランク角信号CAのパルス立上がりタイミングB
10°から次のパルス立上がりタイミングB10°まで
の、クランク角期間180°分の平均回転数をエンジン
回転数Reとして演算し、このエンジン回転数Reをフ
ィードバック信号として、目標エンジン回転数との偏差
を基本燃料量PRとする。
【0057】クランク角周期検出手段32は、たとえば
クランク角信号CAのパルス立上がりとパルス立下がり
とのタイミング差をソフトウェア的に演算して、クラン
ク角信号CAのパルスON期間を示すクランク角周期T
(後述する第1、第2のクランク角周期T1、T2)を
検出する。
【0058】気筒別燃焼トルク指標算出手段33は、ク
ランク角周期Tに基づいて、各燃焼毎の燃焼トルクの大
きさを示す燃焼トルク指標αを算出し、これをECU3
0のRAM内に保存する。
【0059】具体的には、気筒別燃焼トルク指標算出手
段33は、後述するように、クランク角周期T(T1、
T2)に基づいて、各クランク角周期T1およびT2に
おけるエンジン回転数N1およびN2を求め、各エンジ
ン回転数N1およびN2の偏差を気筒別の燃焼トルク指
標αとして算出する。
【0060】気筒別燃料補正量算出手段34は、燃焼ト
ルク指標αに基づいて気筒別の燃料補正量Qを算出し、
これをECU30のRAM内に格納する。このとき、気
筒別燃料補正量算出手段34は、たとえば4気筒の燃焼
トルク指標αのうち最大値を示す気筒に対しては、燃料
補正量Qを所定補正量Δqだけ減算(燃料供給量を低
減)し、最小値を示す気筒に対しては、燃料補正量Qを
所定補正量Δqだけ加算(燃料供給量を増大)する。
【0061】気筒別燃料補正量反映管理手段35は、気
筒別の燃料補正量Qが対応気筒に反映されるように燃料
補正量Qの出力タイミングを管理しており、気筒別燃料
補正量算出手段34から燃料補正量Qを読み込み、気筒
別の反映タイミングに同期させて燃料補正量Qを出力す
る。
【0062】また、気筒別燃料補正量反映管理手段35
は、たとえば位置制御型の燃料ポンプ3に対しては、ス
リーブ2014(図18、図19参照)の応答遅れを考
慮して、以下のようにスリーブ2014を制御する。
【0063】すなわち、燃料噴射弁2(図17参照)の
燃料噴射が完了した直後に、次の燃焼気筒の燃料補正量
Qを目標スリーブ位置に反映することにより、次気筒の
燃料噴射開始時には、スリーブ2014が所望の位置に
制御されるようにする。
【0064】加算手段36は、気筒別燃料補正量反映管
理手段35から出力される気筒別の燃料補正量Qと基本
燃料量PRとを加算して、気筒毎の最終的な目標燃料量
に対応した目標スリーブ位置Poを生成する。
【0065】位置帰還制御手段37は、たとえばPID
制御器からなり、燃料調整手段4の駆動制御手段を構成
しており、スリーブ位置PSおよび目標スリーブ位置P
oに基づいて、燃料調整手段4の制御量を駆動信号DS
として出力する。
【0066】すなわち、位置帰還制御手段37は、スリ
ーブ位置検出手段6により検出された実際のスリーブ位
置PSをフィードバック信号として、スリーブ位置PS
が目標スリーブ位置Poに一致するように燃料調整手段
4を制御する。
【0067】図1の構成により、気筒毎の燃焼トルク指
標αのばらつきがなくなるように、気筒別に燃料供給量
(スリーブ位置PS)が調整されるので、気筒毎の発生
トルクの差が減少し、エンジン1(図17参照)の振動
を抑制することができる。
【0068】次に、図3〜図6および図8のフローチャ
ートと図7の説明図とを参照しながら、図1に示したこ
の発明の実施の形態1による各気筒毎の燃料噴射制御動
作について具体的に説明する。図3はECU30全体の
気筒毎の制御処理ルーチンを示しており、前述のよう
に、クランク角信号CAの割り込みタイミング毎に実行
される。この実施の形態1では、絶対気筒識別すること
ができないので、各気筒の燃料補正量Qは、エンジン始
動毎に「0」にリセットされる。たとえば、所定気筒毎
にパルス信号を発生させる気筒識別センサを付加し、絶
対気筒識別できる場合はもちろん、キーオフ後にも各気
筒の燃料補正量Qを記憶しておき、気筒別制御実行時の
初期値としてもよい。
【0069】たとえば、アイドル中で且つエンジン回転
数が所定領域内に入っていると判定された場合におい
て、図3の各気筒毎の制御ルーチンが実行される。これ
により、燃焼毎に燃焼トルクの大きさを示す燃焼トルク
指標αが算出されて、気筒別に燃焼トルク指標αがRA
M内に保存される。
【0070】図4はECU30内の気筒識別ルーチンを
示しており、エンジン1の始動毎に実行される。各気筒
毎の制御を行うためには気筒を識別する必要があるの
で、図4のようにソフトウェア的に気筒識別が行われ
る。図4の気筒識別ルーチンにより、各気筒の相対関係
は、カウンタ値で認識される。
【0071】図5は気筒別燃焼トルク指標算出手段33
により実行される燃焼トルク指標αの演算ルーチンの具
体例を示し、図6は気筒別燃料補正量算出手段34によ
り実行される気筒別の燃料補正量Qの演算ルーチンを示
している。
【0072】図6の処理ルーチンにより、各気筒の燃焼
トルク指標αが比較され、各気筒間の指標差Δαが小さ
くなるように気筒毎の燃料補正量Qが算出され、ECU
30内のRAMに保存する。
【0073】図7(a)、(b)は指標差Δαに対する
所定補正量Δqの設定値を示し、図7(a)は指標差Δ
αが所定値αe以上の場合に所定補正量Δqを増量設定
する場合を示し、図7(b)は指標差Δαの増大に比例
して所定補正量Δqを増量設定する場合を示す。また、
図8は気筒別燃料補正量反映管理手段35により実行さ
れる燃料補正量Qの反映管理ルーチンを示している。
【0074】図8の処理ルーチンにより、スリーブ20
14の応答遅れが考慮されて、気筒別の燃料補正量Qが
目標スリーブ位置Poに反映される。以上の動作を繰り
返すことにより、気筒間の燃焼トルクの差が低減され、
エンジン1の振動が抑制される。
【0075】図3において、ECU30内の気筒識別手
段は、まず、気筒識別カウンタkを更新して各気筒を順
次特定し(ステップS11)、各気筒毎の制御実行条件
が成立したか否かを判定する(ステップS12)。も
し、各気筒の制御実行条件が不成立(すなわち、NO)
と判定されれば、図3の処理ルーチンを直ちに終了す
る。
【0076】一方、運転条件がアイドル中で、且つエン
ジン1の冷却水温が所定値以上(暖機状態)であれば、
ステップS12において、各気筒の制御実行条件が成立
している(すなわち、YES)と判定され、以下のステ
ップに進む。
【0077】すなわち、気筒別燃焼トルク指標算出手段
33により、気筒別の燃焼トルク指標αを演算し(ステ
ップS13)、気筒別燃料補正量算出手段34により、
気筒別の燃料補正量Qを演算する(ステップS14)。
【0078】また、気筒別燃料補正量反映管理手段35
により、気筒毎に対応した所定タイミングで燃料補正量
Qを出力し、各気筒に燃料補正量Qを反映させて(ステ
ップS15)、図3の処理ルーチンを終了する。
【0079】次に、図4の気筒識別ルーチン(図3内の
ステップS11に対応)について説明する。図4の処理
ルーチンは、クランク角信号CAの立ち下がりの割り込
みタイミング(A10°)毎に実行される。
【0080】まず、クランク角信号CAの立ち下がりに
応答して、今回の立ち下がりタイミングが割り込みタイ
ミング(クランク角A10°)か否かを判定し(ステッ
プS21)、もし、クランク角A10°でない(すなわ
ち、NO)と判定されれば、図4の処理ルーチンを直ち
に終了する。
【0081】一方、ステップS21において、割り込み
タイミングA10°である(すなわち、YES)と判定
されれば、気筒識別カウンタkをインクリメントし(ス
テップS22)、気筒識別カウンタkの値が「4」に達
したか否かを判定する(ステップS23)。
【0082】もし、k=4に達していない(すなわち、
NO)と判定されれば、図4の処理ルーチンを直ちに終
了し、k=4に達した(すなわち、YES)と判定され
れば、気筒識別カウンタkの値を「0」にクリアして
(ステップS24)、図4の処理ルーチンを終了する。
【0083】ここでは、4気筒エンジンの場合を例にと
って、気筒識別カウンタkが「0、1、2、3」の値を
とるものとする。これにより、気筒識別カウンタkは、
クランク角A10°で割り込みされる毎にインクリメン
トされ、「4」に達する毎に「0」にクリアされる。
【0084】次に、図5の燃焼トルク指標演算ルーチン
(図3内のステップS13に対応)について説明する。
図4の処理ルーチンは、クランク角信号CAの立ち下が
りの割り込みタイミング(A10°およびA90°)毎
に実行される。
【0085】まず、クランク角信号CAの立ち下がりに
応答して、今回の立ち下がりタイミングがクランク角A
10°であるか否かを判定する(ステップS31)。も
し、クランク角A10°である(すなわち、YES)と
判定されれば、このとき検出されたクランク角周期T
を、制御気筒の燃焼開始直前での第1のクランク角周期
T1(B10°〜A10°)として格納する(ステップ
S32)。
【0086】また、第1のクランク角周期T1を用い
て、クランク角周期T1(B10°〜A10°)におけ
る第1のエンジン回転数N1を、以下の(1)式のよう
に演算し(ステップS33)、図5の処理ルーチンを終
了する。
【0087】 N1=60/(T1・360/20) …(1)
【0088】一方、ステップS31において、クランク
角A10°でない(すなわち、NO)と判定されれば、
続いて、クランク角A90°であるか否かを判定する
(ステップS34)。もし、クランク角A90°でない
(すなわち、NO)と判定されれば、図5の処理ルーチ
ンを直ちに終了する。
【0089】一方、ステップS34において、割り込み
タイミングA10°である(すなわち、YES)と判定
されれば、このとき検出されたクランク角周期Tを、制
御気筒の燃焼終了後における第2のクランク角周期T2
(A70°〜A90°)として格納する(ステップS3
5)。
【0090】また、第2のクランク角周期T2を用い
て、クランク角周期T2(A70°〜A90°)におけ
る第2のエンジン回転数N2を、以下の(2)式のよう
に演算する(ステップS36)。
【0091】 N2=60/(T2・360/20) …(2)
【0092】続いて、(1)式および(2)式から算出
された各エンジン回転数N1およびN2の差により、燃
焼トルク指標αを、以下の(3)式のように演算する
(ステップS37)。
【0093】α=N2−N1 …(3)
【0094】最後に、(3)式から算出された燃焼トル
ク指標αを、気筒識別カウンタkの値にしたがって気筒
別にRAMに格納し(ステップS38)、図5の処理ル
ーチンを終了する。
【0095】このように、クランク角信号CAのパルス
ON期間に基づいて、第1のクランク角周期T1(B1
0°〜A10°)における第1のエンジン回転数N1
と、第2のクランク角周期T2(A70°〜A90°)
における第2のエンジン回転数N2との差を演算し、こ
の回転数差を燃焼トルク指標αとして求める。
【0096】このとき、クランク角信号CAのパルスO
N期間は、図2のように、燃焼時に発生するトルクの影
響を最も受けるクランク角位置に設定されているので、
実際の燃焼トルクに相関性の高い燃焼トルク指標αを得
ることができる。したがって、各気筒の発生トルク差を
精度良く検出することができる。
【0097】次に、図6の燃料補正量演算ルーチン(図
3内のステップS14に対応)について説明する。図6
の処理ルーチンは、クランク角信号CAの立ち下がりの
割り込みタイミング(A90°)毎に実行され、エンジ
ン1の2回転(クランク角720°)毎に補正量演算が
行われる。
【0098】まず、クランク角信号CAの立ち下がりに
応答して、今回の立ち下がりタイミングがクランク角A
90°であるか否かを判定し(ステップS41)、も
し、クランク角A90°でない(すなわち、NO)と判
定されれば、図6の処理ルーチンを直ちに終了する。
【0099】一方、ステップS41において、クランク
角A90°である(すなわち、YES)と判定されれ
ば、続いて、気筒識別カウンタkの値が「3」(4気筒
中の4番目の気筒)であるか否かを判定する(ステップ
S42)。
【0100】もし、k=3でない(すなわち、NO)と
判定されれば、図6の処理ルーチンを直ちに終了し、k
=3である(すなわち、YES)と判定されれば、各気
筒の燃焼トルク指標αの中で、最大値αmaxを示す気
筒識別カウンタCmaxと、最小値αminを示す気筒
識別カウンタCminとを検出する(ステップS43、
S44)。
【0101】続いて、燃焼トルク指標αの最大値αma
xと最小値αminとの指標差Δα(=αmax−αm
in)を算出し(ステップS45)、指標差Δαが不感
帯上限値αcよりも大きいか否かを判定する(ステップ
S46)。
【0102】もし、Δα≦αc(すなわち、NO)と判
定されれば、各気筒間の燃焼トルク指標αの差が十分小
さく、所定補正量Δqによる燃料補正量Qの増減が不要
と見なして、図6の処理ルーチンを直ちに終了する。
【0103】また、ステップS46において、Δα>α
c(すなわち、YES)と判定されれば、所定補正量Δ
qにより燃料補正量Qの値を増減補正を行うために、ま
ず、指標差Δαに応じた所定補正量Δqをマップ演算に
より求める(ステップS47)。
【0104】続いて、燃焼トルク指標αの最大値αma
xを示す気筒識別カウンタCmaxの燃料補正量Qに所
定補正量Δqを減算し、最大値αmaxを示す気筒の燃
料補正量Qを減少させる(ステップS48)。
【0105】また、燃焼トルク指標αの最小値αmin
を示す気筒識別カウンタCminの燃料補正量Qに所定
補正量Δqを加算し、最小値αminを示す気筒の燃料
補正量Qを増大させ(ステップS49)、図6の処理ル
ーチンを終了する。
【0106】図6の燃料補正量演算処理により、他気筒
に比べて発生トルクが小さい気筒に対しては燃料供給量
が増大され、発生トルクが大きい気筒に対しては燃料供
給量が減少されるので、気筒間の発生トルクの差が抑制
されるように気筒別の燃料補正量Qが算出される。
【0107】また、最小値および最大値の燃焼トルク指
標αを示す気筒に対する燃料補正量Qとして、所定補正
量△qの減算処理(ステップS48)および加算処理
(ステップS49)が、1回の処理において同時に実行
されるので、4気筒の燃料補正量Qの合計値が常に零に
保持され、エンジン1の回転数制御系と気筒別制御系と
の間の干渉を防止することができる。
【0108】なお、1回当たりの所定補正量△qは、指
標差△αに応じてあらかじめ設定され、ECU30に内
蔵されたROM内にテーブルとして格納されている。指
標差△αと所定補正量△qとの関係は、図7(a)、
(b)のように設定される。たとえば、図7(a)のよ
うに、指標差△αが所定値αe以上を示す場合に所定補
正量△qが増大されるか、または、図7(b)のよう
に、指標差△αが大きくなるほど所定補正量△qが大き
くなるように設定される。これにより、各気筒制御を開
始した(指標差△αが大きい)場合に、燃焼トルクのば
らつきを速やかに収束させて過渡応答性を向上させると
ともに、各気筒制御が定常となった(指標差△αが小さ
い)場合の安定性を確保することができる。
【0109】また、気筒間の指標差△αが不感帯上限値
αc以下になれば、気筒間の発生トルクが均一になった
ものと判断し、図6の燃料補正量演算処理を終了するこ
とができる。
【0110】次に、図8の燃料補正量反映管理ルーチン
(図3内のステップS15に対応)について説明する。
図8の処理ルーチンは、クランク角信号CAの立ち下が
りの割り込みタイミング(A10°)毎に実行される。
【0111】まず、クランク角信号CAの立ち下がりに
応答して、今回の立ち下がりタイミングがクランク角A
10°であるか否かを判定し(ステップS51)、も
し、クランク角A10°でない(すなわち、NO)と判
定されれば、図8の処理ルーチンを直ちに終了する。
【0112】一方、ステップS51において、クランク
角A10°である(すなわち、YES)と判定されれ
ば、続いて、気筒識別カウンタkの値が「0」(4気筒
中の1番目の気筒)であるか否かを判定する(ステップ
S52)。
【0113】もし、k=0である(すなわち、YES)
と判定されれば、気筒識別カウンタkが「1」(4気筒
中の2番目の気筒)の燃料補正量Qを反映させて(ステ
ップS53)、図8の処理ルーチンを終了する。
【0114】また、ステップS52において、k=0で
ない(すなわち、NO)と判定されれば、続いて、気筒
識別カウンタkの値が「1」(4気筒中の2番目の気
筒)であるか否かを判定する(ステップS54)。
【0115】もし、k=1である(すなわち、YES)
と判定されれば、気筒識別カウンタkが「2」(4気筒
中の3番目の気筒)の燃料補正量Qを反映させて(ステ
ップS55)、図8の処理ルーチンを終了する。
【0116】また、ステップS54において、k=1で
ない(すなわち、NO)と判定されれば、続いて、気筒
識別カウンタkの値が「2」(4気筒中の3番目の気
筒)であるか否かを判定する(ステップS56)。
【0117】もし、k=2である(すなわち、YES)
と判定されれば、気筒識別カウンタkが「3」(4気筒
中の4番目の気筒)の燃料補正量Qを反映させて(ステ
ップS57)、図8の処理ルーチンを終了する。
【0118】また、ステップS56において、k=2で
ない(すなわち、NO)と判定されれば、気筒識別カウ
ンタkが「0」(4気筒中の1番目の気筒)の燃料補正
量Qを反映させて(ステップS58)、図8の処理ルー
チンを終了する。
【0119】図8のように、気筒別燃料補正量反映管理
手段35は、気筒識別カウンタkの示す気筒の次の制御
気筒の燃料補正量Qを順次反映させることになる。なぜ
なら、一般に、位置制御型の燃料ポンプ3においては、
燃料調整手段4を構成するスリーブに、約20msec
〜30msec程度の動作応答遅れ時間が存在するから
である。
【0120】したがって、燃料噴射を開始するタイミン
グで燃料補正値を目標スリーブ位置に反映させると、上
記応答遅れ時間のために、対象となる制御気筒の燃料供
給量が正確に補正されず、最悪の場合には次の制御気筒
に影響を与えることになり、制御系が発散状態に至って
しまうおそれがある。
【0121】このような不具合をなくすために、上記の
ように、燃焼気筒の燃料噴射がほぼ終了したクランク角
A10°において、次の燃焼気筒の燃料補正量Qを目標
スリーブ位置に反映している。これにより、次気筒の燃
料噴射において燃料補正量Qを正確に反映させることが
できる。
【0122】したがって、気筒間の燃焼トルクのばらつ
きが抑制されて、エンジン1の振動を抑制することがで
きる。なお、時間制御型の燃料ポンプにおいては、燃料
噴射弁の開弁時間で燃料供給量が調整されることから、
燃料補正量Qの反映の遅れが存在しないので、図8のよ
うに燃料補正量Qの反映タイミングの位相を進める処理
は不要となる。
【0123】実施の形態2.なお、上記実施の形態1で
は、(3)式のように、エンジン回転数N1およびN2
の差を燃焼トルク指標αとして算出したが、エンジン回
転数N1およびN2の比を燃焼トルク指標αとして算出
してもよい。
【0124】図9はエンジン回転数N1およびN2の比
を燃焼トルク指標αとして算出したこの発明の実施の形
態2による燃焼トルク指標演算ルーチンを示すフローチ
ャートである。図9において、ステップS31〜S36
およびS38は前述(図5参照)と同様であり、燃焼ト
ルク指標αの演算ステップS37Aのみが前述と異な
る。
【0125】この場合、気筒別燃焼トルク指標算出手段
は、第2のエンジン回転数N2を算出(ステップS3
6)後、燃焼前のクランク角周期T1(B10°〜A1
0°間のパルスON期間)から算出されるエンジン回転
数N1と、燃焼後のクランク角周期T2(A70°〜A
90°間のパルスON期間)から算出されるエンジン回
転数N2との比に基づいて、以下の(4)式のように燃
焼トルク指標αを演算する(ステップS37A)。
【0126】α=N2/N1 …(4)
【0127】これにより、前述と同様に、気筒別の発生
トルクを精度良く検出することができる。
【0128】実施の形態3.なお、上記実施の形態1で
は、各クランク角周期T1およびT2におけるエンジン
回転数N1およびN2を算出し、各エンジン回転数N1
およびN2の差に基づいて燃焼トルク指標αを演算した
が、各クランク角周期T1およびT2の差に基づいて燃
焼トルク指標αを演算してもよい。
【0129】図10はクランク角周期T1およびT2の
差を燃焼トルク指標αとして算出したこの発明の実施の
形態3による燃焼トルク指標演算ルーチンを示すフロー
チャートである。
【0130】図10において、ステップS31、S3
2、S34、S35およびS38は前述(図5参照)と
同様であり、エンジン回転数演算ステップS33および
S36を削除した点と、燃焼トルク指標αの演算ステッ
プS37Bを変更した点とが前述と異なる。
【0131】この場合、気筒別燃焼トルク指標算出手段
は、クランク角周期T2の読み込み(ステップS35)
後、燃焼前のクランク角周期T1(B10°〜A10°
間のパルスON期間)と、燃焼後のクランク角周期T2
(A70°〜A90°間のパルスON期間)との差に基
づいて、以下の(5)式のように燃焼トルク指標αを演
算する(ステップS37B)。
【0132】α=T1−T2 …(5)
【0133】これにより、前述と同様に、気筒別の発生
トルクを精度良く検出することができる。また、エンジ
ン回転数N1およびN2の演算ステップS33およびS
36が不要になるので、ECU30の演算負荷を軽減す
ることができる。
【0134】実施の形態4.なお、上記実施の形態3で
は、各クランク角周期T1およびT2の差に基づいて燃
焼トルク指標αを演算したが、各クランク角周期T1お
よびT2の比に基づいて燃焼トルク指標αを演算しても
よい。
【0135】図11はクランク角周期T1およびT2の
比を燃焼トルク指標αとして算出したこの発明の実施の
形態4による燃焼トルク指標演算ルーチンを示すフロー
チャートである。
【0136】図11において、ステップS31、S3
2、S34、S35およびS38は前述(図10参照)
と同様であり、燃焼トルク指標αの演算ステップS37
Cのみが前述と異なる。
【0137】この場合、気筒別燃焼トルク指標算出手段
は、クランク角周期T2の読み込み(ステップS35)
後、燃焼前のクランク角周期T1(B10°〜A10°
間のパルスON期間)と、燃焼後のクランク角周期T2
(A70°〜A90°間のパルスON期間)との比に基
づいて、以下の(6)式のように燃焼トルク指標αを演
算する(ステップS37C)。
【0138】α=T1/T2 …(6)
【0139】これにより、前述と同様に、ECU30の
演算負荷を軽減し、且つ気筒別の発生トルクを精度良く
検出することができる。
【0140】実施の形態5.なお、上記実施の形態1で
は、エンジン回転数N1およびN2の差をそのまま燃焼
トルク指標αとして算出したが、エンジン回転数N1お
よびN2の差を、さらに基本燃料量PRで除算して正規
化した値を燃焼トルク指標αとして算出してもよい。
【0141】図12はエンジン回転数N1およびN2の
差を基本燃料量PRで除算した値を燃焼トルク指標αと
して算出したこの発明の実施の形態5を示す機能ブロッ
ク図であり、図13はこの発明の実施の形態5による燃
焼トルク指標演算ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【0142】図12において、気筒別燃焼トルク指標算
出手段33Dは、クランク角周期Tのみならず、基本燃
料量PRに基づいて燃焼トルク指標αを算出する点のみ
が前述(図1参照)と異なる。
【0143】また、図13において、ステップS31〜
S36およびS38は前述(図5参照)と同様であり、
ステップS61〜S64を追加した点と、燃焼トルク指
標αの演算ステップS37Dを変更した点とが前述と異
なる。
【0144】この場合、気筒別燃焼トルク指標算出手段
33Dは、クランク角A10°の処理において、第1の
クランク角周期T1におけるエンジン回転数N1を算出
(ステップS33)した後、エンジン回転数制御手段3
1から基本燃料量PRを読み込んでRAM内に格納す
る。
【0145】すなわち、現在格納されている最新の気筒
別の基本燃料量PR(i)を前回の制御気筒に関する基
本燃料量PR(i−1)として格納し(ステップS6
1)、今回読み込まれた基本燃料量PRを最新の基本燃
料量PR(i)として格納する(ステップS62)。
【0146】これらのステップS61およびS62によ
り、各気筒と基本燃料量PR(i)との対応関係は、気
筒別燃料補正量反映管理手段35の気筒別制御量シフト
処理(図8参照)に整合される。
【0147】一方、クランク角A90°の処理におい
て、第2のクランク角周期T2におけるエンジン回転数
N2を算出(ステップS36)した後、前述の(3)式
のように各エンジン回転数N1およびN2の回転数差Δ
N(=N2−N1)を算出する(ステップS63)。
【0148】続いて、RAM内から前回の基本燃料量P
R(i−1)を読み込み(ステップS64)、回転数差
ΔNと基本燃料量PR(i−1)とを用いて、以下の
(7)式のように、燃焼トルク指標αを演算する(ステ
ップS37D)。
【0149】α=ΔN/PR(i−1) …(7)
【0150】(7)式のように、回転数差ΔNを、各気
筒の燃焼に影響した基本燃料量PR(i−1)で除算し
て正規化することにより、単位基本燃料量当たりに発生
するトルクの気筒間の差を検出することができる。
【0151】したがって、(7)式に基づく燃焼トルク
指標αを用いて、気筒間の差をなくすように目標スリー
ブ位置Po(目標燃料量)を補正すれば、単位基本燃料
量に対して、各気筒が同一の燃焼トルクを発生するよう
に制御することができる。
【0152】これにより、エンジン回転数制御系から見
た場合に、燃料噴射量にばらつきのない噴射系を用いて
エンジン回転数Neを制御した状態と同等になる。ま
た、回転数制御系および燃料噴射系の双方の制御系の干
渉もなくなり、エンジン回転数制御系の性能をさらに向
上させることができる。
【0153】実施の形態6.なお、上記実施の形態5で
は、エンジン回転数N1およびN2の回転数差ΔNを基
本燃料量PRで除算して正規化したが、エンジン回転数
N1およびN2の比を基本燃料量PRで除算して正規化
してもよい。
【0154】図14はエンジン回転数N1およびN2の
比を基本燃料量PRで正規化したこの発明の実施の形態
6による燃焼トルク指標演算ルーチンを示すフローチャ
ートである。
【0155】図14において、ステップS63Eおよび
S37Eを変更した点のみが前述(図13参照)と異な
る。
【0156】この場合、気筒別燃焼トルク指標算出手段
は、第2のエンジン回転数N2を算出(ステップS3
6)した後、前述の(4)式のように各エンジン回転数
N1およびN2の回転数比AN(=N2/N1)を算出
する(ステップS63E)。
【0157】続いて、前回の基本燃料量PR(i−1)
を読み込み(ステップS64)、回転数比ANと基本燃
料量PR(i−1)とを用いて、以下の(8)式のよう
に、燃焼トルク指標αを演算する(ステップS37
E)。
【0158】α=AN/PR(i−1) …(8)
【0159】これにより、前述と同様に、単位基本燃料
量に対する各気筒間の発生トルクの差を検出することが
でき、信頼性を向上させることができる。
【0160】実施の形態7.なお、上記実施の形態5で
は、エンジン回転数N1およびN2の回転数差ΔNを基
本燃料量PRで除算して正規化したが、クランク角周期
T1およびT2の差を基本燃料量PRで除算して正規化
してもよい。
【0161】図15はクランク角周期T1およびT2の
差を基本燃料量PRで正規化したこの発明の実施の形態
7による燃焼トルク指標演算ルーチンを示すフローチャ
ートである。
【0162】図15において、ステップS33およびS
36を削除した点と、ステップS63FおよびS37F
を変更した点とが前述(図13参照)と異なる。
【0163】この場合、気筒別燃焼トルク指標算出手段
は、第2のクランク角周期T2の読み込み(ステップS
35)後、前述の(5)式のように各クランク角周期T
1およびT2の周期差ΔT(=T1−T2)を算出する
(ステップS63F)。
【0164】続いて、前回の基本燃料量PR(i−1)
を読み込み(ステップS64)、周期差ΔTと基本燃料
量PR(i−1)とを用いて、以下の(9)式のよう
に、燃焼トルク指標αを演算する(ステップS37
F)。
【0165】α=ΔT/PR(i−1) …(9)
【0166】これにより、前述と同様に、単位基本燃料
量に対する各気筒間の発生トルクの差を検出することが
でき、信頼性を向上させることができる。
【0167】実施の形態8.なお、上記実施の形態7で
は、クランク角周期T1およびT2の周期差ΔTを基本
燃料量PRで除算して正規化したが、クランク角周期T
1およびT2の比を基本燃料量PRで除算して正規化し
てもよい。
【0168】図16はクランク角周期T1およびT2の
比を基本燃料量PRで正規化したこの発明の実施の形態
8による燃焼トルク指標演算ルーチンを示すフローチャ
ートである。図16において、ステップS63Gおよび
S37Gを変更した点のみが前述(図15参照)と異な
る。
【0169】この場合、気筒別燃焼トルク指標算出手段
は、第2のクランク角周期T2の読み込み(ステップS
35)後、前述の(6)式のように各クランク角周期T
1およびT2の周期比AT(=T1/T2)を算出する
(ステップS63G)。
【0170】続いて、前回の基本燃料量PR(i−1)
を読み込み(ステップS64)、周期比ATと基本燃料
量PR(i−1)とを用いて、以下の(10)式のよう
に、燃焼トルク指標αを演算する(ステップS37
G)。
【0171】α=AT/PR(i−1) …(10)
【0172】これにより、前述と同様に、単位基本燃料
量に対する各気筒間の発生トルクの差を検出することが
でき、信頼性を向上させることができる。
【0173】
【発明の効果】以上のようにこの発明の請求項1によれ
ば、内燃機関の複数の気筒内に燃料を噴射して供給する
内燃機関の燃料噴射制御装置であって、燃料の供給量を
調整する燃料調整手段と、内燃機関の回転数を所望の回
転数に制御するための基本燃料量を算出するエンジン回
転数制御手段と、内燃機関の各燃焼気筒別に、燃焼開始
前および燃焼終了後の各所定クランク角期間をクランク
角周期として検出するクランク角周期検出手段と、クラ
ンク角周期および基本燃料量の少なくとも一方に基づい
て、内燃機関の燃焼時に気筒別に発生するトルク値に対
応した燃焼トルク指標を算出する気筒別燃焼トルク指標
算出手段と、燃焼トルク指標の気筒間の差が零となるよ
うに、気筒別に燃料の供給量を増減するための燃料補正
量を算出する気筒別燃料補正量算出手段と、燃料補正量
を気筒別に反映させるための所定タイミングで出力する
気筒別燃料補正量反映管理手段と、基本燃料量と所定タ
イミングで出力される燃料補正量とにより燃料調整手段
を駆動する駆動制御手段とを備えたので、燃焼トルク指
標のばらつきを抑制して気筒毎の燃料噴射量を調整し、
気筒毎のトルク差に起因する振動の発生を防止した内燃
機関の燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【0174】また、この発明の請求項2によれば、請求
項1において、燃焼トルク指標算出手段は、燃焼開始前
のクランク角周期と燃焼終了後のクランク角周期との差
を、燃焼トルク指標として算出するようにしたので、燃
焼トルク指標のばらつきを抑制して気筒毎の燃料噴射量
を調整し、気筒毎のトルク差に起因する振動の発生を防
止した内燃機関の燃料噴射制御装置が得られる効果があ
る。
【0175】また、この発明の請求項3によれば、請求
項1において、燃焼トルク指標算出手段は、燃焼開始前
のクランク角周期と燃焼終了後のクランク角周期との比
を、燃焼トルク指標として算出するようにしたので、燃
焼トルク指標のばらつきを抑制して気筒毎の燃料噴射量
を調整し、気筒毎のトルク差に起因する振動の発生を防
止した内燃機関の燃料噴射制御装置が得られる効果があ
る。
【0176】また、この発明の請求項4によれば、請求
項1において、燃焼トルク指標算出手段は、燃焼開始前
のクランク角周期と燃焼終了後のクランク角周期との差
を、燃焼気筒別の基本燃料量で除算した値を、燃焼トル
ク指標として算出するようにしたので、燃焼トルク指標
のばらつきをさらに抑制して気筒毎の燃料噴射量を調整
し、気筒毎のトルク差に起因する振動の発生を防止した
内燃機関の燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【0177】また、この発明の請求項5によれば、請求
項1において、燃焼トルク指標算出手段は、燃焼開始前
のクランク角周期と燃焼終了後のクランク角周期との比
を、燃焼気筒別の基本燃料量で除算した値を、燃焼トル
ク指標として算出するようにしたので、燃焼トルク指標
のばらつきをさらに抑制して気筒毎の燃料噴射量を調整
し、気筒毎のトルク差に起因する振動の発生を防止した
内燃機関の燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【0178】また、この発明の請求項6によれば、請求
項1において、クランク角周期に基づいて、内燃機関の
各燃焼気筒別に、燃焼開始前および燃焼終了後の各回転
数を検出する回転数検出手段を備え、燃焼トルク指標算
出手段は、各回転数に基づいて燃焼トルク指標を算出す
るようにしたので、燃焼トルク指標のばらつきを抑制し
て気筒毎の燃料噴射量を調整し、気筒毎のトルク差に起
因する振動の発生を防止した内燃機関の燃料噴射制御装
置が得られる効果がある。
【0179】また、この発明の請求項7によれば、請求
項6において、燃焼トルク指標算出手段は、燃焼開始前
の回転数と燃焼終了後の回転数との差を、燃焼トルク指
標として算出するようにしたので、燃焼トルク指標のば
らつきを抑制して気筒毎の燃料噴射量を調整し、気筒毎
のトルク差に起因する振動の発生を防止した内燃機関の
燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【0180】また、この発明の請求項8によれば、請求
項6において、燃焼トルク指標算出手段は、燃焼開始前
の回転数と燃焼終了後の回転数との比を、燃焼トルク指
標として算出するようにしたので、燃焼トルク指標のば
らつきを抑制して気筒毎の燃料噴射量を調整し、気筒毎
のトルク差に起因する振動の発生を防止した内燃機関の
燃料噴射制御装置が得られる効果がある。
【0181】また、この発明の請求項9によれば、請求
項6において、燃焼トルク指標算出手段は、燃焼開始前
の回転数と燃焼終了後の回転数との差を、燃焼気筒別の
基本燃料量で除算した値を、燃焼トルク指標として算出
するようにしたので、燃焼トルク指標のばらつきをさら
に抑制して気筒毎の燃料噴射量を調整し、気筒毎のトル
ク差に起因する振動の発生を防止した内燃機関の燃料噴
射制御装置が得られる効果がある。
【0182】また、この発明の請求項10によれば、請
求項6において、燃焼トルク指標算出手段は、燃焼開始
前の回転数と燃焼終了後の回転数との比を、燃焼気筒別
の基本燃料量で除算した値を、燃焼トルク指標として算
出するようにしたので、燃焼トルク指標のばらつきをさ
らに抑制して気筒毎の燃料噴射量を調整し、気筒毎のト
ルク差に起因する振動の発生を防止した内燃機関の燃料
噴射制御装置が得られる効果がある。
【0183】また、この発明の請求項11によれば、請
求項1から請求項10までのいずれかにおいて、燃料補
正量を気筒別に保存する補正量保存手段を備え、燃料補
正量算出手段は、所定数の燃焼トルク指標の中で最大値
および最小値を示す各気筒を検出し、最大値の燃焼トル
ク指標を示す気筒の燃料補正量に対しては、所定補正量
を減算し、最小値の燃焼トルク指標を示す気筒の燃料補
正量に対しては、所定補正量を加算することにより、各
気筒に対する燃料補正量の総和が常に零に保持されるよ
うにしたので、制御系の干渉を防止してさらに信頼性を
向上させた内燃機関の燃料噴射制御装置が得られる効果
がある。
【0184】また、この発明の請求項12によれば、請
求項11において、燃料補正量算出手段は、燃焼トルク
指標の最大値と最小値との指標差を算出し、指標差に応
じて所定補正量を決定するようにしたので、各気筒の燃
焼トルクのばらつきを速やかに収束させることができ、
信頼性を向上させた内燃機関の燃料噴射制御装置が得ら
れる効果がある。
【0185】また、この発明の請求項13によれば、請
求項12において、燃料補正量算出手段は、指標差が所
定値以上を示す場合に所定補正量を増大させるようにし
たので、各気筒の燃焼トルクのばらつきを速やかに収束
させることができ、信頼性を向上させた内燃機関の燃料
噴射制御装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す機能ブロック
図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に用いられるクラン
ク角信号のパルス波形とエンジン回転数との関係を示す
説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による制御処理ルー
チンを示すフローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態1による機能識別ルー
チンを示すフローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態1による燃焼トルク指
標演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態1による燃料補正量演
算ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態1による指標差と所定
補正量との関係を示す説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態1による燃料補正量の
反映管理ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態2による燃焼トルク指
標演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図10】 この発明の実施の形態3による燃焼トルク
指標演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】 この発明の実施の形態4による燃焼トルク
指標演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】 この発明の実施の形態5を示す機能ブロッ
ク図である。
【図13】 この発明の実施の形態5による燃焼トルク
指標演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図14】 この発明の実施の形態6による燃焼トルク
指標演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図15】 この発明の実施の形態7による燃焼トルク
指標演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図16】 この発明の実施の形態8による燃焼トルク
指標演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図17】 従来の内燃機関の燃料噴射制御装置を概略
的に示す構成図である。
【図18】 一般的な燃料ポンプ内の燃料調整手段の具
体的な構成を示す側断面図である。
【図19】 一般的な燃料調整手段の要部の構成を示す
側面図である。
【符号の説明】
1 エンジン、1c 燃焼室、2 燃料噴射弁、201
4 スリーブ(燃料調整手段)、2015 ロータリソ
レノイド、3 燃料ポンプ、4 燃料調整手段、6 ス
リーブ位置検出手段、7 クランク角センサ、8 各種
センサ、30ECU、31 エンジン回転数制御手段、
32 クランク角周期検出手段、33、33D 気筒別
燃焼トルク指標算出手段、34 気筒別燃料補正量算出
手段、35 気筒別燃料補正量反映管理手段、36 加
算器、37 位置帰還制御手段(駆動制御手段)、N
e、N1、N2 エンジン回転数、PR、PR(i)、
PR(i−1) 基本燃料量、Q 燃料補正量、T、T
1、T2 クランク角周期、α 燃焼トルク指標、ΔT
周期差、AT 周期比、ΔN 回転数差、AN回転数
比、Δq 所定補正量、Δα 指標差、αe 所定値、
S11 気筒を識別するステップ、S13、S37、S
37A〜S37G 燃焼トルク指標を演算するステッ
プ、S14 燃料補正量を演算するステップ、S15
燃料補正量を反映管理するステップ、S33 第1のエ
ンジン回転数を演算するステップ、S36 第2のエン
ジン回転数を演算するステップ、S38 燃焼トルク指
標を格納するステップ、S43 燃焼トルク指標の最大
値を示す気筒を検出するステップ、S44 燃焼トルク
指標の最小値を示す気筒を検出するステップ、S45指
標差を演算するステップ、S47 所定補正量を求める
ステップ、S48 所定補正量を減算するステップ、S
49 所定補正量を加算するステップ、S53〜S58
燃料補正量を反映させるステップ、S64 基本燃料
量を読み込むステップ。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の複数の気筒内に燃料を噴射し
    て供給する内燃機関の燃料噴射制御装置であって、 前記燃料の供給量を調整する燃料調整手段と、 前記内燃機関の回転数を所望の回転数に制御するための
    基本燃料量を算出するエンジン回転数制御手段と、 前記内燃機関の各燃焼気筒別に、燃焼開始前および燃焼
    終了後の各所定クランク角期間をクランク角周期として
    検出するクランク角周期検出手段と、 前記クランク角周期および前記基本燃料量の少なくとも
    一方に基づいて、前記内燃機関の燃焼時に前記気筒別に
    発生するトルク値に対応した燃焼トルク指標を算出する
    気筒別燃焼トルク指標算出手段と、 前記燃焼トルク指標の前記気筒間の差が零となるよう
    に、前記気筒別に燃料の供給量を増減するための燃料補
    正量を算出する気筒別燃料補正量算出手段と、 前記燃料補正量を前記気筒別に反映させるための所定タ
    イミングで出力する気筒別燃料補正量反映管理手段と、 前記基本燃料量と前記所定タイミングで出力される燃料
    補正量とにより前記燃料調整手段を駆動する駆動制御手
    段とを備えたことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記燃焼トルク指標算出手段は、前記燃
    焼開始前のクランク角周期と前記燃焼終了後のクランク
    角周期との差を、前記燃焼トルク指標として算出するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制
    御装置。
  3. 【請求項3】 前記燃焼トルク指標算出手段は、前記燃
    焼開始前のクランク角周期と前記燃焼終了後のクランク
    角周期との比を、前記燃焼トルク指標として算出するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制
    御装置。
  4. 【請求項4】 前記燃焼トルク指標算出手段は、前記燃
    焼開始前のクランク角周期と前記燃焼終了後のクランク
    角周期との差を、前記燃焼気筒別の基本燃料量で除算し
    た値を、前記燃焼トルク指標として算出することを特徴
    とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 【請求項5】 前記燃焼トルク指標算出手段は、前記燃
    焼開始前のクランク角周期と前記燃焼終了後のクランク
    角周期との比を、前記燃焼気筒別の基本燃料量で除算し
    た値を、前記燃焼トルク指標として算出することを特徴
    とする請求項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 【請求項6】 前記クランク角周期に基づいて、前記内
    燃機関の各燃焼気筒別に、燃焼開始前および燃焼終了後
    の各回転数を検出する回転数検出手段を備え、 前記燃焼トルク指標算出手段は、前記各回転数に基づい
    て前記燃焼トルク指標を算出することを特徴とする請求
    項1に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  7. 【請求項7】 前記燃焼トルク指標算出手段は、前記燃
    焼開始前の回転数と前記燃焼終了後の回転数との差を、
    前記燃焼トルク指標として算出することを特徴とする請
    求項6に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  8. 【請求項8】 前記燃焼トルク指標算出手段は、前記燃
    焼開始前の回転数と前記燃焼終了後の回転数との比を、
    前記燃焼トルク指標として算出することを特徴とする請
    求項6に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  9. 【請求項9】 前記燃焼トルク指標算出手段は、前記燃
    焼開始前の回転数と前記燃焼終了後の回転数との差を、
    前記燃焼気筒別の基本燃料量で除算した値を、前記燃焼
    トルク指標として算出することを特徴とする請求項6に
    記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  10. 【請求項10】 前記燃焼トルク指標算出手段は、前記
    燃焼開始前の回転数と前記燃焼終了後の回転数との比
    を、前記燃焼気筒別の基本燃料量で除算した値を、前記
    燃焼トルク指標として算出することを特徴とする請求項
    6に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  11. 【請求項11】 前記燃料補正量を気筒別に保存する補
    正量保存手段を備え、 前記燃料補正量算出手段は、 所定数の燃焼トルク指標の中で最大値および最小値を示
    す各気筒を検出し、 最大値の燃焼トルク指標を示す気筒の燃料補正量に対し
    ては、所定補正量を減算し、 最小値の燃焼トルク指標を示す気筒の燃料補正量に対し
    ては、前記所定補正量を加算することを特徴とする請求
    項1から請求項10までのいずれかに記載の内燃機関の
    燃料噴射制御装置。
  12. 【請求項12】 前記燃料補正量算出手段は、 前記燃焼トルク指標の最大値と最小値との指標差を算出
    し、 前記指標差に応じて前記所定補正量を決定することを特
    徴とする請求項11に記載の内燃機関の燃料噴射制御装
    置。
  13. 【請求項13】 前記燃料補正量算出手段は、前記指標
    差が所定値以上を示す場合に前記所定補正量を増大させ
    ることを特徴とする請求項12に記載の内燃機関の燃料
    噴射制御装置。
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WO2001051794A1 (de) * 2000-01-12 2001-07-19 Volkswagen Aktiengesellschaft Verfahren und vorrichtung zur steuerung einer brennkraftmaschine
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