JPH11321141A - クッション性を有する凹版 - Google Patents

クッション性を有する凹版

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JPH11321141A
JPH11321141A JP14214398A JP14214398A JPH11321141A JP H11321141 A JPH11321141 A JP H11321141A JP 14214398 A JP14214398 A JP 14214398A JP 14214398 A JP14214398 A JP 14214398A JP H11321141 A JPH11321141 A JP H11321141A
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勉 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬質な被印刷物に対してブランケットロール
を用いずダイレクトに印刷することができ、特に、液晶
パネル用ガラスへカラーフィルタを構成するためのマト
リックス画像をカラー印刷したり、あるいはコンパクト
ディスク等に画像をカラー印刷するのに好適なクッショ
ン性を有する凹版用版材及び凹版。 【解決手段】 クッション層2に、膜厚がセルの深さ寸
法よりも若干大きくなるように下地金属膜3を形成し円
筒研磨してクッション性を有する凹版用版材を形成し、
エッチングによりクッション層2が露出するようにイン
キを収容するセル4を形成し、クロムメッキ被膜5をコ
ートしてなる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明が属する技術分野】本願発明は、液晶パネル用ガ
ラスへカラーフィルタを構成するためのマトリックス画
像をカラー印刷したり、あるいはコンパクトディスク等
に画像をカラー印刷するのに好適なクッション性を有す
る凹版に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、液晶パネル用ガラスへカラーフィ
ルタを構成するためのマトリックス画像をカラー印刷し
たり、あるいはコンパクトディスク等に画像をカラー印
刷するには、グラビアオフセット印刷または水なしオフ
セット印刷が採用されてきており、グラビア印刷は採用
されてこなかった。その理由は、グラビア印刷は、クッ
ション性がないので印圧が増大するとガラスを割ってし
まったり、コンパクトディスク等に歪みを与える惧れが
あるので、ゴムからなるブランケットロールを介して印
刷することにより、印圧が増大するときはゴムの変形に
より印圧の増大を抑制できるグラビアオフセット印刷が
適切だからである。液晶パネル用ガラスへカラー印刷す
るには、ガラスに転移した直後のウエットのインキの膜
厚を均一な5〜6μmとして、バックライト光を均一に
透過しかつ高い透過率を保障する必要がある。また、コ
ンパクトディスク等に画像をカラー印刷するには、画像
がシャープに得られる限度にインキの膜厚を可能な限り
薄くする必要がある。その理由は、コンパクトディスク
等に印刷する画像は、中心に対して偏って印刷されるの
で、画像を形成しているインキの重量が、次世代のコン
パクトディスク装置の流体動圧軸受を採用したスピンド
ルモータの高速回転化にともなって、アンバランス回転
の原因として無視できなくなることが分かった。従来の
グラビア印刷版は、銅メッキの表層部に深さが15〜2
5μmとなるようにセルを形成する必要があり、そうす
ると、ウエットのインキの膜厚が15〜25μmとなる
から、液晶パネル用ガラスへカラー印刷したり、あるい
はコンパクトディスク等に画像をカラー印刷するのには
インキの膜厚が厚すぎて適していない。従来のグラビア
印刷版において、銅メッキの表面に深さが5〜6μmと
なるようにセルをエッチング形成できないのは、銅メッ
キ被膜が結晶組織であるためエッチングの進行が均一に
行われないためである。セルの輪郭や底面に凹凸が生じ
たり、大きさによって深さが異なったセルができること
は避けられない。特にシャドウ部の大きなセルについ
て、深さが5〜6μmとなるように得ても、ハイライト
部の小さなセルについては、輪郭や底面に凹凸が生じる
確率が高く、深さが5〜6μmに確実に得ることはほと
んど望めない。そこで、セルの深さが5〜6μmのグラ
ビア版を確実に得るには、アルカリガラスに画像を焼き
付けて現像しフッ酸によりエッチングすることにより深
さが均一なかなり正確なセルを形成することができる。
ただし、これは、グラビア印刷とはならず、ブランケッ
トロールを介して印刷を行うグラビアオフセット印刷と
なる。こうして、従来は、液晶パネル用ガラスへカラー
印刷したり、あるいはコンパクトディスク等にカラー印
刷するには、グラビアオフセット印刷、または水なし平
凹版オフセット印刷が採用されてきており、グラビア印
刷は採用されてこなかった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
印刷法によって製作される液晶パネル用カラーフィルタ
は、画像のシャープさが低く、線画像のエッジの乱れ、
線画像の凹凸があり、フィルム法によって製作される液
晶パネル用カラーフィルタに比べて著しく品質が劣り、
このため、玩具関係にしか用途が広がらず、コンピュー
タディスプレイやテレビジョン等の高級品には全く採用
されていない。グラビアオフセット印刷によって製作さ
れる液晶パネル用カラーフィルタの品質が劣り原因は、
次のように考えられる。グラビアオフセット印刷は、ブ
ランケットロールからガラス等の被印刷物にインキを転
移させる際に多少なりとも印圧が加わる。該印圧は、イ
ンキを押圧するので、インキの輪郭が外側に広がりある
いは乱れ、これが、ラインアンドセペースの値を小さく
できない原因の一つである。また、転移するインキが版
からブランケットロールに、さらにブランケットロール
からガラス等の被印刷物に、それぞれ100%の確率で
転移しないときは、インキが引きちぎられる結果とな
り、ガラス等の被印刷物に印刷されるインキの膜厚は均
一でなく表面に凹凸ができる。転移するインキがガラス
等の被印刷物に100%の確率で転移できるとした研究
結果が論文に発表されている。それによれば、アルカリ
ガラス製の凹版の0.1μmのシリコンゴムの被膜をコ
ートして離型性を付与すること、及びセルに光硬化性の
インキを盛った時点で光を照射してインキを半乾きにし
て千切れ難いインキにすることによって、版からブラン
ケットロールに100%の確率でインキを転移させるこ
とができたとしており、さらに、シリコン誘導体のブラ
ンケットロールに転移したインキを液晶パネル用ガラス
に印刷する前にもう一度光を照射してインキを半乾きに
して千切れ難いインキにするとともに、液晶パネル用ガ
ラスの表面に0.2〜0.3μmの膜厚のアクリル系粘
着剤をコートすることにより、ブランケットロールから
液晶パネル用ガラスに100%の確率でインキを転移さ
せることができたとしている。しかし、ブランケットロ
ールから液晶パネル用ガラスに100%の確率でインキ
を転移させるためには、版や印刷装置を超精密に製作す
ることが必須条件である。すなわち、通常の印刷装置の
機械精度では、ブランケットロールから液晶パネル用ガ
ラスにインキを転移させる際に印圧が掛りしかも変動す
ることが避けられない。印圧が全く無くしたり、全く変
動しないように機械精度を高めることは至難である。仮
に、ブランケットロールと液晶パネル用ガラスとの隙間
をインキの膜厚と完全に一致させてしかも印刷中に隙間
寸法に変動が生じないように、印刷機械を超精密に製作
できたとすれば、印圧は殆どかからず変動しない。しか
しながら、そのような装置を実用化することはほとんど
不可能である。なぜならば、ブランケットロールと液晶
パネル用ガラスとの隙間を例えば5.5μmに保持し、
ブランケットロールに付着している6μmの膜厚のイン
キを液晶パネル用ガラスに転移させるときには、インキ
の膜厚が5.5μmとなるように印圧が発生する。ブラ
ンケットロールが回転するとともに、ブランケットロー
ルの表面の速度に完全に一致させて液晶パネル用ガラス
を直動させる際に、ブランケットロールと液晶パネル用
ガラスとの隙間を全く変動させないようにすることは至
難である。ブランケットロールは真円・真円筒となるよ
うに超精密に製作する必要があり、液晶パネル用ガラス
を全く波動が生じないように直動させる必要がある。ブ
ランケットロールの直径に1μmの偏心があっても、ま
たは液晶パネル用ガラスがブランケットロールに対して
1μm近づくか遠ざかったりすると、それだけで、イン
キの膜厚が4.5μmとなり印圧が変動し、または、ブ
ランケットロールと液晶パネル用ガラスとの隙間が5.
5μmよりも大きくなってしまい、そのときは、ブラン
ケットロールに付着しているインキが液晶パネル用ガラ
スに転移できない。このことから言えることは、グラビ
アオフセット印刷機械の超精密化をいくら追求しても、
印圧をかける必要があり、印圧の変動を抑えることは不
可能である。従って、印圧がかかり、印圧が変動するこ
とが必須なので、ブランケットロールから液晶パネル用
ガラスに100%の確率でインキを転移させることは、
実験ではできたとしても、実用化はとても困難であると
考えられる。 【0004】本願発明は、上述した点に鑑み案出したも
ので、クッション性を有することにより、硬質な被印刷
物に対してブランケットロールを用いないダイレクトな
グラビア印刷が可能であり、しかも深さが小さく底面が
平滑で離型性があるセルを形成できることにより、液晶
パネル用ガラスへカラーフィルタを構成するためのマト
リックス画像をカラー印刷したり、あるいはコンパクト
ディスク等に画像をカラー印刷するのに好適なクッショ
ン性を有する凹版を提供することを目的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】本願第一の発明は、ゴム
からなるクッション層に下地金属膜を形成し、下地金属
膜の表面に膜厚がセルの深さに等しくなるようにクロム
メッキ被膜を形成し、該クロムメッキ被膜に前記下地金
属膜が露出するようにインキを収容するセルを形成して
なることを特徴とするクッション性を有する凹版を提供
するものである。本願第二の発明は、ロール状の版基材
の表面に、均一な厚さのゴムからなるクッション層を継
ぎ目に隙間が開かないように巻付け、クッション層の表
面に下地金属膜を形成して円筒研磨した後、膜厚がセル
の深さに等しくなるようにクロムメッキ被膜を形成し、
該クロムメッキ被膜に感光膜をコートして画像を焼き付
け、現像しエッチングすることにより、前記クロムメッ
キ被膜に前記下地金属膜が露出するようにインキを収容
するセルを形成してなることを特徴とするクッション性
を有する凹版を提供するものである。本願第三の発明
は、ゴムからなるクッション層に下地金属膜を形成し、
下地金属膜の表面にバラードメッキ被膜を形成し、さら
に膜厚がセルの深さに等しくなるようにクロムメッキ被
膜を形成し、該クロムメッキ被膜に前記バラードメッキ
被膜が露出するようにインキを収容するセルを形成して
なることを特徴とするクッション性を有する凹版を提供
するものである。本願第四の発明は、ロール状の版基材
の表面に、均一な厚さのゴムからなるクッション層を継
ぎ目に隙間が開かないように巻付け、クッション層の表
面に下地金属膜を形成して円筒研磨した後、バラードメ
ッキ被膜を形成して円筒研磨し、さらに膜厚がセルの深
さに等しくなるようにクロムメッキ被膜を形成し、該ク
ロムメッキ被膜に感光膜をコートして画像を焼き付け、
現像しエッチングすることにより、前記クロムメッキ被
膜に前記バラードメッキ被膜が露出するようにインキを
収容するセルを形成してなることを特徴とするクッショ
ン性を有する凹版を提供するものである。本願第五の発
明は、前記セルを形成したクロムメッキ被膜の表面に、
スクリン線のシャドウ部の耐刷力を補強する微小のクロ
ムメッキ被膜が積層形成されてなることを特徴とするク
ッション性を有する凹版を提供するものである。本願第
六の発明は、前記セルが形成したクロムメッキ被膜の表
面にシリコン誘導体ゴム、あるいはフッ素系樹脂をコー
トしてなることを特徴とするクッション性を有する凹版
を提供するものである。 【0006】 【発明の実施の形態】本願発明の実施の形態にかかるク
ッション性を有する凹版を図面を参照して説明する。図
1において、(a)はロール状の凹版用版材を示す断面
図、(b)は凹版用版材の拡大断面図、(c)は凹版用
版材のクロムメッキ被膜にセルをエッチング形成した状
態を示す拡大断面図である。符号1は版基材、符号2は
クッション層、符号3は下地金属膜、符号4はバラード
メッキ、符号5はクロムメッキ被膜、符号6はセルであ
る。このクッション性を有する凹版は、両端に被チャッ
ク孔を有する中空形状で、外面が真円かつ円筒に精密研
磨されたアルミニウム製(鉄製でもよい)の版基材1の
平滑な表面に、5〜10cmの均一な厚さで表面の平滑
度が高いゴムからなるクッション層2を継ぎ目に隙間が
開かないように巻付け接着し、版基材1の両端の被チャ
ック孔を両端チャックして無電解メッキ液に浸漬して回
転することにより、版基材1の端面からクッション層2
の表面にかけて、無電解メッキにより下地メッキ(銅メ
ッキ)を形成し、次いで、電解銅メッキ液に浸漬し回転
しかつ版基材1にメッキ電流を流して下地メッキの表面
に電気メッキの下地金属膜(銅メッキ)3を形成してか
ら、下地金属膜3の表面を砥石研磨装置により平滑に円
筒研磨し、続いてバラード処理してから25〜35μm
の膜厚となるようにバラードメッキ被膜(銅メッキ被
膜)4を形成し、さらに下地金属膜3の表面を砥石研磨
装置により平滑に円筒研磨しさらに鏡面研磨し、次いで
セルの深さに等しくなるようにクロムメッキ被膜5を形
成してロール状の凹版用版材(図1(a))を構成し、
続いて、クロムメッキ被膜5の表面を活性化処理してか
ら感光膜を均一に塗布して乾固し、レーザー露光装置に
より直接画像を焼き付けるか、フィルムを重ねて露光し
て画像を焼き付け、次いで、現像してからエッチングす
ることにより、前記下地金属膜3が露出するようにイン
キを収容するセル6を前記クロムメッキ被膜5に形成
し、次いで、レジスト剥離して凹版を完成する。この版
は、バラードメッキ被膜4が露出した銅色の鮮やかな画
像が得られる。切手や印紙等の印刷のように、スクリン
線数が例えば300本/インチと大きくして高精細な印
刷が必要なときは、シャドウ部におけるスクリン線の幅
が極めて小さくなり、そのために、ドクターの摺接に対
して耐刷力が不十分となるときは、上記のレジスト剥離
の後に、1〜2μmの膜厚のクロムメッキを版全面に付
ける。このようにすると、クロムメッキのスクリン線の
耐刷力が大きくなる。さらに、カラーフィルタを製造す
るための印刷に使用するため、インキの転移率を100
%とするためには、該セル6を有するクロムメッキ被膜
5の表面に脱酸素により硬化するシリコン誘導体ゴム又
はフッ素系樹脂を膜厚が0.1μmとなるようにコート
する。 【0007】クッション層2は、ロールの偏心回転に起
因して印圧が高く発生しようとするときに、印圧により
容易に変形して該印圧が印圧が高くなるのを抑制する役
目を果たしている。 【0008】この凹版は、クロムメッキ被膜5にエッチ
ングしてセル6の底面部にバラードメッキ4を露出させ
る。この凹版は、クロムメッキ被膜5の膜厚を容易かつ
正確に制御できる。従って、バラードメッキ4が露出す
るようにクロムメッキ被膜5をエッチングするのは、セ
ル6の深さをハイライト部からシャドウ部のいずれにお
いても等しく得られるためである。この凹版は、インキ
量が必要な印刷にあっては、クロムメッキ被膜5の膜厚
を例えば10〜20μmと大きくすれば良い。 【0009】この凹版は、クロムメッキ被膜5にエッチ
ングしてセル6の底面部にバラードメッキ4を露出さ
せ、クロムメッキ被膜5の表面に脱酸素により硬化する
シリコン誘導体ゴム7を膜厚が0.1μmとなるように
コートする。これは、セル6の底面及び側面を占めるゴ
ムの撥油性が機能して、セル6としてのインキに対する
離型性を有する点で有利である。セル6の深さを極めて
浅くすると、ゴムの撥油性が効いてくる。 【0010】従って、この凹版を、液晶パネル用ガラス
へカラー印刷するための版として構成するときは、クロ
ムメッキ被膜5の膜厚を4〜6μmとする。こうして、
セル6の深さを極めて浅くした液晶パネル用ガラスへカ
ラー印刷するための凹版は、表面にコートされたシリコ
ン誘導体ゴムの撥油性により、インキに対する離型性を
保有できる。そして、この凹版をガラスに接触させて印
刷すると、接触圧が印圧として作用しようとするが、接
触圧はセル内に少しも作用しない。インキはセル6内よ
りガラスに転移し、その際に、大きな印圧がかかる惧れ
が全く無いから、印圧によりインキの輪郭が外側に広が
りあるいは乱れることがない。このため、液晶パネル用
ガラスにカラーフィルタを製造するためのカラー印刷を
行うための、本願発明にかかる凹版は、レーザー露光装
置を使用してパターンを正確に焼き付けて製作した場合
には、6μmのライン/スペースが得られる。従って、
ドクターによりセル6にUVインキを盛ってUV光線を
照射してUVインキを半乾きにしてから液晶パネル用ガ
ラスへカラー印刷する技法を併用すれば、この凹版から
ガラスへのインキの転移を100%の確率で得られるか
ら、本願発明にかかる凹版を使用した印刷法により、従
来のフォトリソグラフィー法に比べてはるかに安価にカ
ラーフィルタを製造できる。 【0011】クロムメッキ被膜5の膜厚は、希望の寸法
に容易かつ正確に制御できる。その結果、セル6の深さ
を希望の寸法にハイライト部からシャドウ部のいずれに
おいても等しく得られる。これによって、ハイライト部
からシャドウ部までのインキの転移量をセルの面積に完
全に比例させることができ、もって、ハイライト部から
シャドウ部までの濃淡階調度を直線的に変化させること
ができ、濃淡階調度が豊かでシャープなグラビア画像が
得られる。この凹版は、使用後にバラードメッキ4を引
き裂いて取り除けば落版ができるので、版に繰り返し使
用性が生じ、経済的で好ましい。 【0012】本願発明は、バラードメッキは必要的では
ない。すなわち、本願発明のクッション性を有する凹版
は、ロール状の版基材1の表面に、均一な厚さのゴムか
らなるクッション層2を継ぎ目に隙間が開かないように
巻付け、クッション層の表面に下地金属膜3を形成して
円筒研磨した後、膜厚がセルの深さに等しくなるように
クロムメッキ被膜5し、該クロムメッキ被膜5に感光膜
をコートして画像を焼き付け、現像しエッチングするこ
とにより、前記クロムメッキ被膜5に前記下地金属膜3
が露出するようにインキを収容するセル6を形成した凹
版も含むものである。本願発明は、セルを有するクロム
メッキ被膜の表面にシリコン誘導体ゴムをコートするこ
とは必要的ではない。 【0013】 【発明の効果】以上説明してきたように、本願発明のク
ッション性を有する凹版によれば、クッション層により
クッション性を備えて印圧が高くならないように抑制す
ることができるとともに必要十分な耐刷力を有するの
で、硬質な被印刷物、特にガラスへの印刷をダイレクト
に良好に印刷することができる。この凹版は、クロムメ
ッキ被膜の膜厚を所望の寸法に制御することが容易かつ
正確にでき、下地金属膜またはバラードメッキはを露出
するようにクロムメッキ被膜をエッチングしてセルを形
成するので、2、3μm〜数十μmの希望する任意の深
さのかつ均一な深さのセルを版表面から垂直に彫り込ま
れた版を得ることができ、セルに盛るインキの膜厚は均
一になり、またコンパクトディスク等への薄膜なグラビ
ア印刷に関して、ハイライト部からシャドウ部までのイ
ンキの転移量をセルの面積に完全に比例させることがで
き、ハイライト部からシャドウ部までの濃淡階調度を直
線的に変化させることができ、濃淡階調度が豊かでシャ
ープなグラビア画像が得られる。そして、この凹版を、
セルを有するクロムメッキ被膜の表面に撥油性を有する
シリコン誘導体ゴムをコートすると、インキに対する離
型性がある深さが極めて浅く均一なセルを有する凹版が
得られる。従って、この凹版を使用してガラスへのダイ
レクトな印刷を行えば、グラビアオフセット印刷とは異
なり、セル内のインキを印圧により潰されることがなく
被印刷物への転移を保障できる。従って、従来の印刷法
によるカラーフィルタの製造上の欠点である断面山盛り
状態のインキの転移を回避でき、インキの膜厚が極めて
薄く均一で、輪郭がシャープで、輪郭線のエッジの乱れ
が少ない印刷ができ、コンパクトディスク等にインキの
膜厚が極めて薄い鮮明な画像をカラー印刷するのに好適
である。なお、インキはUVインキを使用するのが好ま
しい。この凹版は、クロムメッキ被膜を4〜6μmに浅
く形成し感光膜を形成しレーザ露光装置によりパターン
を焼き付けてクロムメッキ被膜の表面にセルを形成し撥
油性を有するシリコン誘導体ゴムをコートすると、6μ
mのラインアンドスペースを実現できて、インキに対す
る離型性があるセルを有する凹版が得られる。従って、
版のセルに盛られたインキにUV光源を照射して半乾き
にしてから転移させる技法を併用することにより、10
0%のインキ転移率が得られる。この凹版は、転移する
インキの膜厚が均一でインキの表面に凹凸が生じないか
ら、前記の印刷法によるカラーフィルタの製造がフォト
リソグラフィー法と同等以上の品質が印刷法により実用
できて、カラーフィルタの製造コストをフォトリソグラ
フィー法に比べて飛躍的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本願発明の実施の形態にかかるクッション性を
有する凹版に係り、(a)はロール状の凹版用版材を示
す断面図、(b)は凹版用版材の拡大断面図、(c)は
凹版用版材のクロムメッキ被膜にセルをエッチング形成
した状態を示す拡大断面図である。 【符号の説明】 1 ・・・・版基材 2 ・・・・クッション層 3 ・・・・エッチング容易性を有する下地金属
膜(銅メッキ) 4 ・・・・セル 5 ・・・・耐刷力を有する硬質膜(クロムメッ
キ被膜)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ゴムからなるクッション層に下地金属膜
    を形成し、下地金属膜の表面に膜厚がセルの深さに等し
    くなるようにクロムメッキ被膜を形成し、該クロムメッ
    キ被膜に前記下地金属膜が露出するようにインキを収容
    するセルを形成してなることを特徴とするクッション性
    を有する凹版。 【請求項2】 ロール状の版基材の表面に、均一な厚さ
    のゴムからなるクッション層を継ぎ目に隙間が開かない
    ように巻付け、クッション層の表面に下地金属膜を形成
    して円筒研磨した後、膜厚がセルの深さに等しくなるよ
    うにクロムメッキ被膜を形成し、該クロムメッキ被膜に
    感光膜をコートして画像を焼き付け、現像しエッチング
    することにより、前記クロムメッキ被膜に前記下地金属
    膜が露出するようにインキを収容するセルを形成してな
    ることを特徴とするクッション性を有する凹版。 【請求項3】 ゴムからなるクッション層に下地金属膜
    を形成し、下地金属膜の表面にバラードメッキ被膜を形
    成し、さらに膜厚がセルの深さに等しくなるようにクロ
    ムメッキ被膜を形成し、該クロムメッキ被膜に前記バラ
    ードメッキ被膜が露出するようにインキを収容するセル
    を形成してなることを特徴とするクッション性を有する
    凹版。 【請求項4】 ロール状の版基材の表面に、均一な厚さ
    のゴムからなるクッション層を継ぎ目に隙間が開かない
    ように巻付け、クッション層の表面に下地金属膜を形成
    して円筒研磨した後、バラードメッキ被膜を形成して円
    筒研磨し、さらに膜厚がセルの深さに等しくなるように
    クロムメッキ被膜を形成し、該クロムメッキ被膜に感光
    膜をコートして画像を焼き付け、現像しエッチングする
    ことにより、前記クロムメッキ被膜に前記バラードメッ
    キ被膜が露出するようにインキを収容するセルを形成し
    てなることを特徴とするクッション性を有する凹版。 【請求項5】 〔請求項1〕ないし〔請求項4〕のいず
    れか一項に記載のセルを形成したクロムメッキ被膜の表
    面に、スクリン線のシャドウ部の耐刷力を補強する微小
    のクロムメッキ被膜が積層形成されてなることを特徴と
    するクッション性を有する凹版。 【請求項6】 〔請求項1〕ないし〔請求項4〕のいず
    れか一項に記載のセルを形成したクロムメッキ被膜の表
    面にシリコン誘導体ゴム、あるいはフッ素系樹脂をコー
    トしてなることを特徴とするクッション性を有する凹
    版。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002248876A (ja) * 2001-02-26 2002-09-03 Printing Bureau Ministry Of Finance 凹版版面、その凹版版面の作製方法、その凹版版面を用いた凹版印刷方法及びその凹版印刷物
JP2007168246A (ja) * 2005-12-21 2007-07-05 Asahi Kasei Chemicals Corp 印刷基材
JP2009090663A (ja) * 2007-09-20 2009-04-30 Think Laboratory Co Ltd グラビア両面同時印刷装置
JP2009090662A (ja) * 2007-09-20 2009-04-30 Think Laboratory Co Ltd グラビア印刷装置
JP2009096189A (ja) * 2007-09-26 2009-05-07 Think Laboratory Co Ltd センタードラム型グラビア印刷装置

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