JP2001500081A - 安全印刷の方法と装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 凹版印刷技術を用いてシートあるいはウエッブを印刷することにより文書、特に銀行券を安全印刷するために、回転式スクリーン印刷技術を使用してインク像が転写ローラ６に付与され、前記インク像は転写ローラから、彫版を備え、版胴の外殻内あるいはその上に固定された１個以上の凹版印刷プレートに転写され、凹版印刷プレートの彫版に介在しているインクが逆圧圧胴８によって版胴１に対して押圧されたシートあるいはウエッブに転写される。

Description

【発明の詳細な説明】 安全印刷の方法と装置 本発明は、 ―インク像(ink image)を１個またはそれ以上の回転する転写ローラに付与し 、 ―インク像を転写ローラから、彫版(engravings)を備え、回転する版胴(plate cylinder)の外殻の内部、あるいは上に固定されている1個またはそれ以上の凹 版印刷プレート(intaglio plate)上へ転写し、 ―凹版印刷プレートの彫版に介在するインクを、回転する逆圧圧胴(counter p ressure cylinder)によって回転する版胴に対し押圧されるシートあるいはウエ ッブ上に転写することを含む、凹版印刷技術(intaglio technology)を用いてシ ートあるいはウエッブを印刷することにより、文書、特に銀行券(banknotes)の 安全印刷(security printing)を行なう方法に関する。 銀行券を印刷する場合、凹版印刷技術により像は紙の少なくとも片側に付与さ れる。この技術は古いグラビア印刷技術から派生したものである。１９４５年以 来伝統的なグラビア印刷技術は段階的に産業的な方法に変換され、現在では、オ アロフ(0rlof)技術として知られる技術を利用して毎時1万枚の生産速度を達成し ている。この速度は商業的なオフセット印刷機のそれと対比しうる。凹版印刷法 (intaglio)は銀行券に対して触れると識別しうる浮き彫り(relief)を提供し銀行 券に安全のための特徴(security features)を設けるための魅力的な可能性を提 示している。更に浮き彫りは、透明インクを使用して再現が困難である更なる色 の濃淡(tints)、並びに種々の高さの輪郭が適用される潜像(latent images)を付 与する可能性を提示する。種々の像が角度を付けて見ることにより生じる。最近 では、銀行券をカラー複写機で複写されないようにするために、所謂ＯＶＩイン ク（ＯＶＩ：光学的に可変のインク）も適用されている。 伝統的な凹版印刷においては、彫版は完全に充填されており、印刷工程の間に 、インクは紙に転写され、その結果、紙の上に、触れると識別可能である、約２ ０ミクロンの厚さのインクの層が出来る。 工業規模で使用されている従来の凹版印刷の場合、多分刷り込み円筒体(stenc il cylinder)を介して彫版を充填することとワイパ円筒体(wiper cylinder)によ りセル(cells)の周りの領域を拭いてきれいにすることを組み合わせて行なう結 果、完全にはインクで充填されない。触れると識別可能で、通常４０ミクロンの 高さを有する浮き彫りは概ね２０ミクロンの厚さのインクの層と２０ミクロンの エンボスとから構成されている。エンボスは凹版印刷工程の間に塑性変形により 発生した紙の永久的な変形である。 高速の凹版印刷では、彫版には薄いインクの層のみが付与される。その結果、 凹版印刷工程の間凹版像として濃淡の付いたエンボス(tinted embossing)が作ら れる。通常約５０ミクロンの厚さで、触れると識別可能な浮き彫りは１０ミクロ ンのインクの層と約４０ミクロンのエンボス輸郭とから構成されている。 高速の凹版印刷により毎時1万枚のシートを生産することが可能で、従来の凹 版印刷によれば毎時印刷可能なシートの最大枚数は単に８０００枚である。高速 の凹版印刷の場合、インクを彫版に導入するために利用できる時間は比較的短い 。更に、導入圧を上げる必要があるか、あるいはインクの粘度を低くする必要が あるか、あるいは彫版内のインクが少ないことを容認する必要がある。 圧力は無限に上げることは不可能であり、粘度はインクが彫版から流出しては ならないという事実のため下限が決まっている。 彫版を備えた凹版印刷プレート上へ比較的薄い層のインクを導入する簡単な方 法は刷り込み円筒体と版胴に装着された印刷プレートとの間に１個またはそれ以 上の回転転写ローラを位置させることを含む。彫版を備えた凹版印刷プレート上 のインクが少ないことは、所要時間が短く、高速での作業が可能であることを意 味する。 付与するインクを少なくするために、刷り込み像(stencil image)をハーフト ーンとして作ることが可能である。しかしながら、もしもハーフトーンでは凹版 印刷プレートの彫版を直接充填する必要があるとすれば、印刷された像に網(scr een)が見える危険性がある。この問題を排除するために、この場合も、転写ロー ラは刷り込み円筒体と凹版印刷版胴との間に位置させる必要がある。 本発明の目的は、前述の問題を解決して、高速凹版印刷をもたらし、インクの 粘度の広範囲の変動を許容し、その結果凹版印刷プレート上のインク像の整合精 度(register accuracy)を高め、所望の層厚さを提供するようインクの計量を容 易にしうるような序文で述べた方法を提供することである。 本発明によれば、序文で述べた方法はこの目的に対するものであって、インク 像を転写ローラに付与するのに回転スクリーン印刷技術を使用することを特徴と する。 インク像を転写ローラに転写するためにスクリーン印刷技術が使用されるため 、インクはスクリーン印刷の網に開放状態とされた孔を通してスキーズ(squeege e)によって圧出されるのでインクの粘度は従来技術における場合よりもはるかに 重要でない。インクの層の厚さはスクリーン印刷網の目(frequency)の数の変調 を選択することにより容易に設定可能である（開度の異なる孔を有することによ りインク供給量を調整することが可能である）。転写ローラ上のインクの層は事 実上凹版印刷プレートの彫版に対応するので、凹版印刷プレート上のインク像の 所謂整合精度は高い。 本発明はまた、 ―彫版を備えた１個またはそれ以上の凹版印刷プレートをその外殼において受 け入れるようにされた回転式版胴と、 ―インク像を凹版印刷プレートに転写するための１個またはそれ以上の回転式 転写ローラと、 ―シートあるいはウエッブを版胴に送る手段と、 ―前記シートあるいはウエッブを版胴に対して押圧する回転式逆圧圧胴とを含 み、凹版印刷法を使用してシートあるいはウエッブを印刷することにより特に銀 行券の安全印刷を行なうための装置にも関する。 本発明によれば、前記装置はインク像を転写ローラに転送するために、内側に インクチューブとスキージとを備えた回転式スクリーン印刷ローラを含むことを 特徴とする。 オランダの特許出願第7 812 603号（図２）は、回転式スクリーン印刷技術、 特にスクリーン円筒体によりインク像を転写ローラに付与し、前記転写ローラか らインク像を版胴の***部分に転写し、前記***部分に介在するインクを回転す る逆圧圧胴によって回転する版胴に押圧されたウエッブに転写することを含む、 基板を印刷する方法を記載している。この方法は金属プレートを印刷するのに使 用され、最小の圧力でインクの薄い層によって非変形性金属プレートに滑らかな 像が提供される。本発明は、完全に異なる分野の印刷、すなわち浮き彫り印刷に も関し、凸版印刷では版胴と逆圧圧胴との間に極めて高度の接触圧(例えば８ト ン)を供給することにより紙のウエッブの材料が転写ローラによってインクを導 入ずみである彫版中に押圧される。オランダ特許出願第7 812 603号では版胴の ***部分を使用しているが、本発明ではグラビアプレートを使用している。 更に、特に銀行券を安全印刷する方法がドイツ特許第684 325号に開示されて いる。インク像は、彫版を備えた版胴にエッチングすることにより処理された高 価な金属の刷り込み円筒体によって付与され、インク像は逆圧ローラによって版 胴に対して押圧されたウエッブに転写される。機械的に相対的に弱いスクリーン 印刷ローラから版胴の彫版中へインクを転写しうるようにするために本発明の場 合には不可欠である転写ローラが何らない。 本発明は、処理が困難であり、高精度の整合性で、極めて薄い層厚さに制御さ れた浮き彫り印刷における極めて高価なインクであるＯＶＩインク(光学的に可 変なインク)を付与するのに極めて適している。オルロフ(Orlov)凹版印刷輪郭と して知られているものを使用して極めて高速(例えば毎時10、000枚のシート)で 作動することが可能である。この場合、紙は極めて変形するが、一方使用される インクは比較的少ない。印刷の間前後に移動するスクリーン式版胴中へ仕切りで 分離された２種類のインクを導入することによって、凹版印刷において色が徐々 にお互いに交じり合うアイリス効果と称されるものを達成することが可能である 。 本発明を図を参照して詳細に以下説明する。 図面は本発明による方法を実施可能な装置の斜視図を概略的に示す。 本装置は、その外殻内に彫版を備えた３個の凹版印刷プレート２が固定されて いる版胴１と、開口を備えたインクチューブ４と固定されたスキージ５とを内部 に備えた３個のスクリーン式印刷ローラ３と、このスクリーン式印刷ローラ３と 版胴１との間に位置された３個の転写ローラ６と、ワイパローラ７と、印刷され るためでかつロール１０から巻き戻されたウエッブ９を版胴１に対して押圧する 逆圧圧胴８とを含む。 作動の間、ローラと胴類とは矢印の方向に回転する。 スクリーン式印刷ローラ３の被覆物(jacket)は緊張した金網(gauze)から作ら れており、その孔は、印刷されるべき像、すなわちこの場合例として示している 文字Ａに対応する領域を除いて充填されている。インクはインクチューブ４の開 口を介してスクリーン式印刷ローラの金網の円筒体の内面上に供給され、インク は孔が開放している(所謂スクリーンの印刷網目)位置においてスキージ５によっ て金網を通して圧出される。 金網を通して圧出されるインクはインクの像の形態で転写ローラ６上まで送ら れ、該ローラの方は前記インクの像を凹版印刷プレート２の彫版中へ転写する。 ワイパローラ７は彫版の外側のインクが確実に除去されるようにする。 凹版印刷プレートの彫版内のインクは印刷材料９のウエッブ上に転写され、該 ウエッブは逆圧圧胴８によって版胴１に押圧され、次いで局部的に若干彫版内に 押し込まれる。 回転式スクリーン印刷手段（１から４）と介装された転写ローラ６との組み合 わせによって版胴上のインクの層が比較的薄くてその結果極めて高速で、かつ高 度の生産能力で作動出来るよう保証する。スキージ５によってインクがスクリー ンの印刷網目を通して圧出されるので、インクの濃度は小さな問題である。イン クの層の厚さはスクリーンの印刷網目の粗さ（孔の開度(holes more or less op en)）を調整することにより計量可能である。凹版印刷プレートの彫版中へ導入 されるインクの層の精度も、従来の凹版印刷法と比較して改善されている。最後 に、インクの層がより薄く、かつより正確に付与されることはまた、ワイパロー ラ、及び特に除去流体が対処すべきインクの量が少なくなることを意味する。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 1. 凹版印刷技術を用いてシートあるいはウエッブを印刷することにより文書 、特に銀行券を安全印刷する方法において、 ―インク像を１個またはそれ以上の転写ローラ（６）に付与し、 ―転写ローラ（６）からインク像を、彫版を備え、回転する版胴（１）の外殻 内あるいはその上に固定された1個またはそれ以上の凹版印刷プレート（２）上 に転写し、 ―凹版印刷プレートのセルに介在するインクを、回転する逆圧圧胴（８）によ って回転版胴（１）に対して押圧されたシートあるいはウエッブ（９）上に転写 する段階を含み、 インク像を転写ローラ（６）に付与するために回転式スクリーン印刷技術が使 用されていることを特徴とする文書、特に銀行券を安全印刷する方法。 2. 凹版印刷技術を用いてシートあるいはウエッブを印刷することにより文書 、特に銀行券を安全印刷する装置において、 ―彫版を備えた１個またはそれ以上の凹版印刷プレート（２）を外殻内あるい はその上において収容するようにされた回転式版胴（１）と、 ―インク像を凹版印刷プレート（２）に転写するようにされた１個またはそれ 以上の回転式転写ローラ（６）と、 ―シートあるいはウエッブ（９）を版胴（１）に送る手段と、 ―前記シートあるいはウエッブを版胴（１）に対して押圧する回転式逆圧圧胴 （８）とを含み、 インク像を転写ローラ（６）に転写するために、インクチューブ（４）とスキ ージ（５）とを内部に備えた回転式スクリーン印刷ローラ（３）を含むことを特 徴とする文書、特に銀行券を安全印刷する装置。