JP4117943B2 - クッション性を有する印刷版の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本願発明は、液晶パネル用ガラスへカラーフィルタを構成するためのマトリックス画像をカラー印刷したり、あるいはコンパクトディスク等に画像をカラー印刷したり、あるいはフレキソ版として好適なクッション性を有する印刷版の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、印刷版特に、液晶パネル用ガラスへカラーフィルタを構成するためのマトリックス画像をカラー印刷したり、あるいはコンパクトディスク等に画像をカラー印刷するには、グラビアオフセット印刷または水なしオフセット印刷が採用されてきており、グラビア印刷は採用されてこなかった。
【0003】
その理由は、グラビア印刷は、クッション性がないので印圧が増大するとガラスを割ってしまったり、コンパクトディスク等に歪みを与える惧れがあるので、ゴムからなるブランケットロールを介して印刷することにより、印圧が増大するときはゴムの変形により印圧の増大を抑制できるグラビアオフセット印刷が適切だからである。
【0004】
液晶パネル用ガラスへカラー印刷するには、ガラスに転移した直後のウエットのインキの膜厚を均一な5〜6μmとして、ドライなインキの膜厚を均一な1〜1.5μmとして、バックライト光を均一に透過しかつ高い透過率を保障する必要がある。
【0005】
また、コンパクトディスク等に画像をカラー印刷するには、画像がシャープに得られる限度にインキの膜厚を可能な限り薄くする必要がある。その理由は、コンパクトディスク等に印刷する画像は、中心に対して偏って印刷されるので、画像を形成しているインキの重量が、次世代のコンパクトディスク装置の流体動圧軸受を採用したスピンドルモータの高速回転化にともなって、アンバランス回転の原因として無視できなくなることが分かった。
【0006】
従来のグラビア印刷版は、銅メッキの表層部に深さが15〜25μmとなるようにセルを形成する必要があり、そうすると、ウエットのインキの膜厚が15〜25μmとなるから、液晶パネル用ガラスへカラー印刷したり、あるいはコンパクトディスク等に画像をカラー印刷するのにはインキの膜厚が厚すぎて適していない。
【0007】
従来のグラビア印刷版において、銅メッキの表面に深さが5〜6μmとなるようにセルをエッチング形成できないのは、銅メッキ被膜が結晶組織であるためエッチングの進行が均一に行われないためである。セルの輪郭や底面に凹凸が生じたり、大きさによって深さが異なったセルができることは避けられない。特にシャドウ部の大きなセルについて、深さが5〜6μmとなるように得ても、ハイライト部の小さなセルについては、輪郭や底面に凹凸が生じる確率が高く、深さが5〜6μmに確実に得ることはほとんど望めない。
【0008】
そこで、セルの深さが5〜6μmのグラビア版を確実に得るには、アルカリガラスに画像を焼き付けて現像しフッ酸によりエッチングすることにより深さが均一なかなり正確なセルを形成することができる。ただし、これは、グラビア印刷とはならず、ブランケットロールを介して印刷を行うグラビアオフセット印刷となる。
【0009】
こうして、従来は、液晶パネル用ガラスへカラー印刷したり、あるいはコンパクトディスク等にカラー印刷するには、グラビアオフセット印刷、または水なし平印刷版オフセット印刷が採用されてきており、グラビア印刷は採用されてこなかった。
【0010】
他方、従来のフレキソ版(樹脂凸版)は、光硬化性樹脂にマスクフィルムを重ねて赤外光を照射しエッチングするか、又は光硬化性樹脂にカーボンブラックの被膜を形成し、ポジ型の感光膜を塗ってレーザーによりネガ画像を焼き付けて現像し、次いで赤外光を照射してからエッチングすることにより製版している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の印刷法によって製作される液晶パネル用カラーフィルタは、画像のシャープさが低く、線画像のエッジの乱れ、線画像の凹凸があり、フィルム法によって製作される液晶パネル用カラーフィルタに比べて著しく品質が劣り、このため、玩具関係にしか用途が広がらず、コンピュータディスプレイやテレビジョン等の高級品には全く採用されていない。
【0012】
グラビアオフセット印刷によって製作される液晶パネル用カラーフィルタの品質が劣り原因は、次のように考えられる。
グラビアオフセット印刷は、ブランケットロールからガラス等の被印刷物にインキを転移させる際に多少なりとも印圧が加わる。該印圧は、インキを押圧するので、インキの輪郭が外側に広がりあるいは乱れ、これが、ラインアンドセペースの値を小さくできない原因の一つである。また、転移するインキが版からブランケットロールに、さらにブランケットロールからガラス等の被印刷物に、それぞれ100%の確率で転移しないときは、インキが引きちぎられる結果となり、ガラス等の被印刷物に印刷されるインキの膜厚は均一でなく表面に凹凸ができる。
【0013】
転移するインキがガラス等の被印刷物に100%の確率で転移できるとした研究結果が論文に発表されている。
それによれば、アルカリガラス製の印刷版の0.1μmのシリコンゴムの被膜をコートして離型性を付与すること、及びセルに光硬化性のインキを盛った時点で光を照射してインキを半乾きにして千切れ難いインキにすることによって、版からブランケットロールに100%の確率でインキを転移させることができたとしており、さらに、シリコン誘導体のブランケットロールに転移したインキを液晶パネル用ガラスに印刷する前にもう一度光を照射してインキを半乾きにして千切れ難いインキにするとともに、液晶パネル用ガラスの表面に0.2〜0.3μmの膜厚のアクリル系粘着剤をコートすることにより、ブランケットロールから液晶パネル用ガラスに100%の確率でインキを転移させることができたとしている。
【0014】
しかし、ブランケットロールから液晶パネル用ガラスに100%の確率でインキを転移させるためには、版や印刷装置を超精密に製作することが必須条件である。すなわち、通常の印刷装置の機械精度では、ブランケットロールから液晶パネル用ガラスにインキを転移させる際に印圧が掛りしかも変動することが避けられない。印圧が全く無くしたり、全く変動しないように機械精度を高めることは至難である。
【0015】
仮に、ブランケットロールと液晶パネル用ガラスとの隙間をインキの膜厚と完全に一致させてしかも印刷中に隙間寸法に変動が生じないように、印刷機械を超精密に製作できたとすれば、印圧は殆どかからず変動しない。しかしながら、そのような装置を実用化することはほとんど不可能である。
【0016】
なぜならば、ブランケットロールと液晶パネル用ガラスとの隙間を例えば5.5μmに保持し、ブランケットロールに付着している6μmの膜厚のインキを液晶パネル用ガラスに転移させるときには、インキの膜厚が5.5μmとなるように印圧が発生する。ブランケットロールが回転するとともに、ブランケットロールの表面の速度に完全に一致させて液晶パネル用ガラスを直動させる際に、ブランケットロールと液晶パネル用ガラスとの隙間を全く変動させないようにすることは至難である。ブランケットロールは真円・真円筒となるように超精密に製作する必要があり、液晶パネル用ガラスを全く波動が生じないように直動させる必要がある。ブランケットロールの直径に1μmの偏心があっても、または液晶パネル用ガラスがブランケットロールに対して1μm近づくか遠ざかったりすると、それだけで、インキの膜厚が4.5μmとなり印圧が変動し、または、ブランケットロールと液晶パネル用ガラスとの隙間が5.5μmよりも大きくなってしまい、そのときは、ブランケットロールに付着しているインキが液晶パネル用ガラスに転移できない。
【0017】
このことから言えることは、グラビアオフセット印刷機械の超精密化をいくら追求しても、印圧をかける必要があり、印圧の変動を抑えることは不可能である。従って、印圧がかかり、印圧が変動することが必須なので、ブランケットロールから液晶パネル用ガラスに100%の確率でインキを転移させることは、実験ではできたとしても、実用化はとても困難であると考えられる。
【0018】
他方、従来のフレキソ版(樹脂凸版)は、光硬化性樹脂を使用しているので、ちいさなドットを柱状に形成すると容易に折損してしまい、硬化樹脂の脆性を解消できず、高精細な版を作るときができなかった。
【0019】
本願発明は、上述した点に鑑み案出したもので、印刷版、特に、クッション性を有することにより、硬質な被印刷物に対してブランケットロールを用いないダイレクトなグラビア印刷が可能であり、しかも深さが小さく底面が平滑で離型性があるセルを形成できることにより、液晶パネル用ガラスへカラーフィルタを構成するためのマトリックス画像をカラー印刷したり、あるいはコンパクトディスク等に画像をカラー印刷したり、あるいはフレキソ版として好適であるクッション性を有する印刷版の製造方法を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、ゴムまたはクッション性を有する樹脂からなる版材に金属膜を形成し、前記金属膜の表面にレジスト画像を形成し、金属膜エッチングにより前記金属膜の露出部分を除去し、次いで、版材エッチングにより前記版材の露出部分にセルを彫り込み、次いで、前記金属膜の画像を除去してからDLC膜をコートするクッション性を有するグラビア印刷版の製造方法であって、前記金属膜が銅メッキ膜であることを特徴とするクッション性を有するグラビア印刷版の製造方法を提供するものである。
【0021】
本願発明においては、ロール状の版基材の表面に、均一な厚さのゴムまたはクッション性を有する樹脂からなる版材を継ぎ目に隙間が開かないように巻付け、前記版材を形成することが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
本願発明の実施の形態にかかるクッション性を有する印刷版を図面を参照して説明する。
図1において、(a)はロール状の版基材に版材を形成しさらに版材の表面に金属膜を形成してなる印刷版用版材を示す断面図、(b)は印刷版用版材の拡大断面図、(c)は印刷版用版材の表面の金属膜にレジスト画像を形成した状態を示す拡大断面図、(d)は印刷版用版材の金属膜にエッチングした状態を示す拡大断面図、(e)は印刷版用版材の版基材の露出部分を彫り込んだ状態を示す拡大断面図、(f)は印刷版用版材の版基材の露出部分にセルを彫り込んだ後に金属膜を除去した状態を示す拡大断面図、(g)は印刷版用版材の版基材にセルを彫り込んだ後にDLC膜を形成した状態を示す拡大断面図である。
【0023】
符号1は版基材、符号2はゴムまたはクッション性を有する樹脂からなる版材、符号3は金属膜、符号4はレジスト画像、符号5はセル、符号6はDLC膜である。
【0024】
この実施態様のクッション性を有する印刷版の製造方法は、
図1(a),(b)に示すように、両端に被チャック孔を有する中空形状で、外面が真円かつ円筒に精密研磨されたアルミニウム製(鉄製でもよい)の版基材1の平滑な周面に、5〜10cm(1〜2mmでもよい)の均一な厚さで表面の平滑度が高いゴム、又はクッション性を有する樹脂からなる板状であり継ぎ目に隙間が開かないように巻付け接着してなる版材2を備え、版基材1の両端の被チャック孔を両端チャックして無電解メッキが付着し得る表面処理を行ってから無電解メッキ液に浸漬して回転することにより、版基材1の端面から版材2の表面にかけて、数μmの膜厚の無電解メッキ製の金属膜(例えば、銅メッキ)3を形成して、ロール状の印刷版用版材を構成する。
【0025】
続いて、図1(c)に示すように、金属膜(銅メッキ)3の表面を活性化処理してから感光膜を均一に塗布して乾固し、レーザー露光装置により直接画像を焼き付けるか、フィルムを重ねて露光して画像を焼き付け、次いで、現像しエッチングしてレジスト画像4を形成し前記金属膜3を露出させる。
【0026】
続いて、図1(d)に示すように、エッチングにより前記金属膜3の露出部分を除去して前記ゴム、又はクッション性を有する樹脂からなる版材2を露出し、
続いて、図1(e)に示すように、溶剤によってレジスト画像を除去して(この段階で必ずしも除去しなくても良い)金属膜3の画像をマスクとして、前記版材2をエッチングし得る溶剤に浸漬してウエットエッチングするか、プラズマエッチング等のドライエッチングにより、前記版材2の露出部分に深さ寸法が例えば、2〜4μmのセル5を彫り込む。
【0027】
続いて、図1(f)に示すように、金属膜3の画像を除去し版材2にセル5が形成された状態にて印刷版とするか、
さらに、図1(g)に示すように、セル5が形成されたゴム、又はクッション性を有する樹脂からなる版材2に、プラズマCVD法やスパッタリング等の薄膜形成技術により、DLC膜を膜厚が例えば0.5μm以下となるようにコートした状態にて印刷版とするものである。
【0028】
この実施態様のクッション性を有する印刷版の製造方法の対象は、
グラビア印刷版だけでなく、オフセット印刷版や、フレキソ印刷版、液晶パネル用カラーフィルタ製造用印刷版等が含まれる。DLCは、ダイヤモンドライクカーボン=硬質炭素化合物であり、特に、ドクターで版面の非画線部に付着したインキを掻き取ることにより版面が摩耗するグラビア印刷版を製造する場合において、極めて多数の耐刷枚数を得るために必要であり、それ以外の印刷版を製造する場合には必要としない。
【0029】
DLC膜の形成は、版面に耐刷力を付ける手段であり、金属膜3は版面に耐刷力を付ける手段にはなり得ない。その理由は、金属膜3が銅メッキであると耐刷力が当然ないが、クロムメッキであっても、シャドウ部では金属膜3がスクリン線にのみ残るので充分な耐刷力が確保できないからである。
【0030】
これに対して、セル5を形成し金属膜3を除去した版材2にDLC膜を形成する場合は、DLC膜がスクリン線にのみでなくセル5の表面を覆うので、密着強度を大きく確保できるからである。
【0031】
版材2は、通常の条件において、シリコンゴムを含まない。その理由は、シリコンゴムは、化学的に極めて安定しており、現在のところ、シリコンゴムを溶解できる溶剤が見当たらないこと、及びプラズマエッチング等によってもエッチングできないからである。
【0032】
版材2は、クッション性を有しているので、ロールの偏心回転に起因して印圧が高く発生しようとするときに、印圧により容易に変形して該印圧が印圧が高くなるのを抑制する役目を果たしている。
【0033】
本願発明の製造方法にかかる印刷版は、クッション性を有するので、液晶パネル用ガラスへカラーフィルタを構成するためのマトリックス画像をカラー印刷したり、あるいはコンパクトディスク等に画像をカラー印刷するのに好適である。
【0034】
特に、カラーフィルタ製造用の印刷版の製造にあっては、セル5が形成された版材2の表面に脱酸素により硬化するシリコン誘導体ゴムを膜厚が例えば、0.1μmとなるようにコートして、シリコン誘導体ゴムの撥油性を機能させてセル5のインキに対する離型性を保有させることが有利である。DLC膜の形成にあたって、DLC膜に撥油性を機能させる原料ガスを選択するのも有利である。
【0035】
そして、この印刷版をガラスに接触させて印刷すると、接触圧が印圧として作用しようとするが、接触圧はセル5内には少しも作用しない。インキはセル5内よりガラスに転移し、その際に、大きな印圧がかかる惧れが全く無いから、印圧によりインキの輪郭が外側に広がったりあるいは乱れることがない。
【0036】
このため、液晶パネル用ガラスにカラーフィルタを製造するためのカラー印刷を行うための、本願発明にかかる印刷版は、レーザー露光装置を使用してパターンを正確に焼き付けて製作した場合には、6μmのライン/スペースが得られる。
【0037】
従って、ドクターによりセル5にUVインキを盛ってUV光線を照射してUVインキを半乾きにしてから液晶パネル用ガラスへカラー印刷する技法を併用すれば、この印刷版からガラスへのインキの転移を100%の確率で得られ、本願発明にかかる印刷版を使用した印刷法により、従来のフォトリソグラフィー法に比べてはるかに安価にカラーフィルタを製造できる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本願発明のクッション性を有する印刷版の製造方法によれば、
ゴムまたはクッション性を有する樹脂からなる版材に金属膜を形成し、金属膜の表面にレジスト画像を形成し、エッチングにより前記金属膜の露出部分を除去し、次いで、前記と異なるエッチングにより、前記版材の露出部分にセルを彫り込み、次いで、金属膜の画像を除去するように構成したので、
印刷版に、クッション性を持たせることができ、硬質な被印刷物に対してブランケットロールを用いないダイレクトなグラビア印刷が可能であり、しかも深さが小さく底面が平滑で離型性があるセルを形成できて、液晶パネル用ガラスへカラーフィルタを構成するためのマトリックス画像をカラー印刷したり、あるいはコンパクトディスク等に画像をカラー印刷したり、あるいはフレキソ版として好適である。
【0039】
さらに、金属膜の画像を除去してからDLC膜をコートする場合には、クッション性を備えていることに加えて、耐刷力を有するので一層好適である。
【0040】
さらに、ロール状の版基材の表面に、均一な厚さのゴムまたはクッション性を有する樹脂からなる版材を継ぎ目に隙間が開かないように巻付け、前記版材を形成する場合には、液晶パネル用ガラスへカラーフィルタを構成するためのマトリックス画像をカラー印刷するためのマザーロールやフレキソ版用印刷ロールとして一層好適である。
【0041】
この印刷版の製造方法において、特にドライエッチングによりセル5を形成する場合には、均一な深さのセルを版表面から垂直に彫り込まれた版を得ることができ、セルに盛るインキの膜厚は均一になり、またコンパクトディスク等への薄膜なグラビア印刷に関して、ハイライト部からシャドウ部までのインキの転移量をセルの面積に完全に比例させることができ、ハイライト部からシャドウ部までの濃淡階調度を直線的に変化させることができ、濃淡階調度が豊かでシャープなグラビア画像が得られる。
【0042】
そして、この印刷版を、セルを有するクロムメッキ被膜の表面に撥油性を有するシリコン誘導体ゴムをコートすると、インキに対する離型性がある深さが極めて浅く均一なセルを有する印刷版が得られる。従って、この印刷版を使用してガラスへのダイレクトな印刷を行えば、グラビアオフセット印刷とは異なり、セル内のインキを印圧により潰されることがなく被印刷物への転移を保障できる。従来の印刷法によるカラーフィルタの製造上の欠点である断面山盛り状態のインキの転移を回避でき、インキの膜厚が極めて薄く均一で、輪郭がシャープで、輪郭線のエッジの乱れが少ない印刷ができ、コンパクトディスク等にインキの膜厚が極めて薄い鮮明な画像をカラー印刷するのに好適である。
【0043】
この印刷版は、クロムメッキ被膜を4〜6μmに浅く形成し感光膜を形成しレーザ露光装置によりパターンを焼き付けてクロムメッキ被膜の表面にセルを形成し撥油性を有するシリコン誘導体ゴムをコートすると、6μmのラインアンドスペースを実現できて、インキに対する離型性があるセルを有する印刷版が得られる。従って、版のセルに盛られたインキにUV光源を照射して半乾きにしてから転移させる技法を併用することにより、100%のインキ転移率が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の実施の形態にかかるクッション性を有する印刷版の製造方法に係り、(a)はロール状の版基材に版材を形成しさらに版材の表面に金属膜を形成してなる印刷版用版材を示す断面図、(b)は印刷版用版材の拡大断面図、(c)は印刷版用版材の表面の金属膜にレジスト画像を形成した状態を示す拡大断面図、(d)は印刷版用版材の金属膜にエッチングした状態を示す拡大断面図、(e)は印刷版用版材の版基材の露出部分を彫り込んだ状態を示す拡大断面図、(f)は印刷版用版材の版基材の露出部分にセルを彫り込んだ後に金属膜を除去した状態を示す拡大断面図、(g)は印刷版用版材の版基材にセルを彫り込んだ後にDLC膜を形成した状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・・版基材
2 ・・・・版材
3 ・・・・金属膜
4 ・・・・レジスト画像
5 ・・・・セル
6 ・・・・DLC膜
Claims (2)
- ゴムまたはクッション性を有する樹脂からなる版材に金属膜を形成し、前記金属膜の表面にレジスト画像を形成し、金属膜エッチングにより前記金属膜の露出部分を除去し、次いで、版材エッチングにより前記版材の露出部分にセルを彫り込み、次いで、前記金属膜の画像を除去してからDLC膜をコートするクッション性を有するグラビア印刷版の製造方法であって、前記金属膜が銅メッキ膜であることを特徴とするクッション性を有するグラビア印刷版の製造方法。
- ロール状の版基材の表面に、均一な厚さのゴムまたはクッション性を有する樹脂からなる版材を継ぎ目に隙間が開かないように巻付け、前記版材を形成することを特徴とする請求項1に記載のクッション性を有する印刷版の製造方法。
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