JPH11300719A - セラミックグリーンシート製造用離型フィルム - Google Patents

セラミックグリーンシート製造用離型フィルム

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JPH11300719A
JPH11300719A JP13123398A JP13123398A JPH11300719A JP H11300719 A JPH11300719 A JP H11300719A JP 13123398 A JP13123398 A JP 13123398A JP 13123398 A JP13123398 A JP 13123398A JP H11300719 A JPH11300719 A JP H11300719A
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JP
Japan
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film
ceramic green
release film
green sheet
ceramic
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JP13123398A
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English (en)
Inventor
Kiyohiko Ito
喜代彦 伊藤
Yasuyuki Nogami
康幸 野上
Junzo Inagaki
順三 稲垣
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Toyo Metallizing Co Ltd
Original Assignee
Toyo Metallizing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリコーン系樹脂の付着の極めて少ない積層型
セラミックコンデンサ用セラミックグリーンシート、特
に、10μm以下の薄いセラミックグリーンシートを効
率良く製造することができるセラミックグリーンシート
製造用離型フィルムを提供すること。 【解決手段】プラスチックフィルムの片面にシリコーン
系樹脂皮膜を有し、かつ該シリコーン系樹脂皮膜面の蛍
光X線法によるケイ素元素強度A(単位:kcps)が
1.9≦ A ≦ 5の範囲を満足するセラミックシート
製造用離型フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックグリー
ンシート製造の際に用いられる離型フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、積層セラミックコンデンサ等用セ
ラミックグリーンシートを製造する際の工程用キャリア
フィルムとしては、プラスチックフィルムに熱あるいは
紫外線硬化性のシリコーン系樹脂皮膜を離型層として設
けた離型フィルムが一般的に用いられている。このよう
な、シリコーン系樹脂皮膜を有する離型フィルムとして
は、特開昭60−141553号公報、特開平3−23
1812号公報、特公平4−59207号公報、および
特公平6−2393号公報が知られている。
【0003】前記セラミックグリーンシートは、チタン
酸バリウム、アルミナ等のセラミック粉末を分散させた
水系ないし有機系溶媒にポリメチルメタクリレート、ポ
リビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルアルコール等の高分子バインダと可塑剤、分散剤とを
加えたものを高速ミキサーやボールミルにより混合分散
し、得られたセラミックスラリーを離型フィルム上にド
クターブレード法により数百μm〜数十μmの厚さに塗
布し、これを乾燥させて巻き取ることにより一般に製造
されている。
【0004】近年、積層セラミックチップコンデンサの
小型高容量化実現のため、セラミック層の1層の厚さを
より薄膜化し、かつ多層積層する事が要望されており、
このためには、10μm以下の非常に薄いセラミックグ
リーンシートを前記離型フィルムから精度よく、また欠
陥のないように離型させるとともに、該離型フィルムか
らセラミックグリーンシートへの異物の転写を極力少な
くし、該シートの積層密着度を向上させることが、多層
積層型セラミックコンデンサの容量を安定させ、かつ耐
電圧不良率を良好とするために必要となっている。
【0005】このためには、該離型フィルムに用いられ
ているプラスチックフィルムの厚みの均一性、表面平滑
性と離型面の離型力の均一性が重要となってくる。
【0006】しかしながら、セラミックグリーンシート
の薄膜化に伴い、前記離型フィルムとの剥離がより軽く
なるように該離型フィルムの離型処理を変更するとセラ
ミックグリーンシート面への離型処理剤すなわちシリコ
ーン系樹脂皮膜の一部が転移し、これにより該セラミッ
クグリーンシートの積層時におけるシート間の密着強度
が不足したり、あるいは、前記のように転移したシリコ
ーン系樹脂皮膜の一部がセラミックグリーンシート積層
後の焼成工程でセラミックコンデンサ内部に気泡を生じ
るため積層型セラミックコンデンサの耐電圧不良率が大
幅に上昇し好ましくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の問題点
を解決し、セラミックグリーンシート、特に、10μm
以下の薄いセラミックグリーンシートを効率良く製造す
ることができるセラミックグリーンシート製造用離型フ
ィルムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意検討し
た結果、本発明の上記目的は、下記の構成を有する本発
明によって工業的に有利に達成された。
【0009】[1]プラスチックフィルムの少なくとも
片面にシリコーン系樹脂皮膜を有し、かつ該シリコーン
系樹脂皮膜面の蛍光X線法によるケイ素元素強度(単
位:kcps)が下記(1)式を満足するセラミックグ
リーンシート製造用離型フィルム。
【0010】1.9 ≦ A ≦ 5 ‥‥ (1) [2]シリコーン系樹脂皮膜面における中心線平均表面
粗さ(Ra)が10〜30nmであることを特徴とする
上記[1]記載のセラミックグリーンシート製造用離型
フィルム。
【0011】[3]シリコーン系樹脂皮膜面における4
00nm以上高さの突起の個数が0.1mm2 当たり5
個以下であることを特徴とする上記[1]または[2]
に記載のセラミックグリーンシート製造用離型フィル
ム。
【0012】[4]プラスチックフィルムのフィッシュ
アイ値が0〜20個/1000cm2 であることを特徴
とする上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のセラ
ミックグリーンシート製造用離型フィルム。
【0013】[5]プラスチックフィルムがポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
ト、ポリエチレン−α,β−ビス(2−クロルフェノキ
シ)エタン−4,4´−ジカルボキシレートから選択さ
れる少なくとも1種であることを特徴とする上記[1]
〜[4]のいずれか1項に記載のセラミックグリーンシ
ート製造用離型フィルム。
【0014】本発明の特徴は、プラスチックフィルムの
離型面のシリコーン系樹脂皮膜の蛍光X線法によるケイ
素元素強度(単位:kcps)を一定の範囲とした点に
あり、これによりセラミックグリーンシートの剥離性を
満足しつつ、かつ該セラミックシートへのシリコーン系
樹脂皮膜の移行を極めて少なく出来るという相反する特
性を満足させることが出来たのである。本発明の離型フ
ィルムを用いることで、セラミックグリーンシート、特
に10μm以下の薄いセラミックグリーンシートを積層
後、焼成する工程でセラミックコンデンサ内部での気泡
の発生を極めて少なくすることが可能となり、積層型セ
ラミックコンデンサの耐電圧不良率を大幅に改善するこ
とが出来たのである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。
【0016】本発明のプラスチックフィルムとしては、
例えばポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィル
ム、ナイロンフィルム等の合成高分子フィルム(含むシ
ート)を挙げることができる。このうちでは、耐熱性、
表面特性等に優れているポリエチレンテレフタレートフ
ィルム、ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィル
ム、ポリエチレン−α,β−ビス(2−クロルフェノキ
シ)エタン−4,4´−ジカルボキシレートフィルムが
好ましく、特には、機械的強度、寸法安定性に優れる2
軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、2軸延伸
ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム、2軸延
伸ポリエチレン−α,β−ビス(2−クロルフェノキ
シ)エタン−4,4´−ジカルボキシレートフィルムが
好ましい。
【0017】本発明を構成するプラスチックフィルム
は、常法により製造されたものであり、特に2軸延伸ポ
リエチレンテレフタレートフィルム、2軸延伸ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートフィルム、2軸延伸ポリエ
チレン−α,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン
−4,4´−ジカルボキシレートフィルムにおけるフィ
ルム厚みは15〜350μm、好ましくは20〜100
μmの範囲のものが機械特性、寸法安定性、耐熱性、価
格等の点から好ましく適用される。
【0018】また、プラスチックフィルムのフィッシュ
アイ値が0〜20個/1000cm2 であると、該フィ
ルムを用いた離型フィルムから10μm以下の薄いセラ
ミックグリーンシートを剥離させる際の該シートの破れ
が極めて少なくなり望ましい。
【0019】本発明におけるシリコーン系樹脂皮膜と
は、下記(2)式の構造を有するポリオルガノシロキサ
ンを主成分としており、かつ該ポリオルガノシロキサン
が架橋されて皮膜を形成したものをいう。特に、前記架
橋反応が付加反応型で行われたシリコーン系被膜が本発
明の目的、効果をより明確にするため好ましい。
【0020】
【化1】 (ただし式中、R1は、メチル基および/またはフェニ
ル基、Viはビニル基を示す。) 具体的には、前記(1)式で代表されるポリオルガノシ
ロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを
塩化白金酸に代表される白金系触媒の存在下で付加反応
によってシリコーンの架橋構造を形成させることによっ
て一般に得られる。
【0021】この時、該シリコーン系樹脂皮膜の乾燥お
よび硬化(熱硬化、紫外線硬化、等)は、それぞれ個別
または同時に行うことができる。同時に行うときには、
プラスチックフィルムの耐熱性(熱的寸法安定性)にも
左右されるが、80℃〜200℃、好ましくは120℃
〜180℃の温度範囲で15秒以上加熱することが好ま
しい。
【0022】また、本発明において、シリコーン系樹脂
皮膜面の蛍光X線法によるケイ素元素強度A(単位:k
cps)が下記(1)式を満足せしめることが必要であ
る。
【0023】該ケイ素元素強度(単位:kcps)が、
5を越えると、剥離後のセラミックグリーンシート離型
面側へのシリコーン系樹脂被膜の移行量が多くなり、該
セラミックグリーンシートを積層後のセラミックグリー
ンシート層間での密着性が低下するため好ましくない。
また、該ケイ素元素強度(単位:kcps)が、1.9
未満であると、セラミックグリーンシート剥離が不十分
でセラミックグリーンシートにピンホールを生じたり、
剥離時にセラミックグリーンシートが破れ易くなるため
好ましくない。
【0024】該ケイ素元素強度が、上記範囲を外れた離
型フィルムを用いて作製したセラミックグリーンシート
から得られる積層型セラミックコンデンサは、積層セラ
ミックシート内部の電極がショートし易くなり、該コン
デンサに通電直後の初期不良が発生し易くなるため耐電
圧不良率が大幅に上昇する。
【0025】1.9 ≦ A ≦ 5 ‥‥ (1) 特に、本発明の特徴であるシリコーン系樹脂皮膜のセラ
ミックグリーンシートへの移行を少なくするためには、
ポリオルガノシロキサン中のビニル基のモル量とオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサンの量を調整することで
シリコーン系樹脂皮膜のゴム硬度を20°以下、好まし
くは、15°以下とすることが好ましい。この際のシリ
コーン系樹脂皮膜のゴム硬度は、前記所定量のポリオル
ガノシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンにポリオルガノシロキサンオイルと反応させた塩化白
金酸を所定量混合し、真空下で溶剤を除去した後、12
0℃で10分間加熱し、約10mmの厚みのシート状の
シリコーン系樹脂皮膜を作製し、これをJISゴム硬度
計で測定することによって得られるものである。
【0026】本発明において、シリコーン系樹脂皮膜の
形成する際の塗布方法は特に限定されないが通常、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロ
ヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化
水素、パークロロエチレン等のハロゲン化炭化水素、酢
酸エチル、メチルビニルケトン等の有機溶媒にシリコー
ン系樹脂を4〜18重量%の濃度で溶解した塗剤を用
い、ダイレクトグラビアコーター、マイクログラビアコ
ーター、リバースグラビアコーター、ダイレクトキスコ
ーター、リバースキスコーター、コンマコーター、ダイ
コーター、バー・ロッドタイプの塗布装置等によって塗
布することによって得られる。この中でも、マイクログ
ラビアコーター、ダイレクトキスコーター、リバースキ
スコーターを用いるとシリコーン系樹脂皮膜の厚みの均
一性が良好となり塗布ムラの発生が少ないので好まし
い。
【0027】本発明において、プラスチックフィルムの
表面の該シリコーン系樹脂皮膜面の表面平滑性を示す中
心線表面粗さ(Ra)がカットオフ値0.25mmで1
0〜30nm範囲であると積層型セラミックコンデンサ
を製造する際のセラミックグリーンシート積層工程にお
けるセラミックグリーンシート間の密着性が向上し積層
型セラミックコンデンサの容量バラツキが減少するため
望ましい。
【0028】また、プラスチックフィルムの表面の該シ
リコーン系樹脂皮膜面の400nm以上の突起の個数が
0.1mm2 当たり5個以下、好ましくは0個以下であ
ると8μm以下、特には6μm以下の薄いセラミックグ
リーンシートを作製する際に該シートのピンホールが減
少し積層型セラミックコンデンサの耐電圧不良率が減少
するため望ましい。
【0029】また、プラスチックフィルムの表面の該シ
リコーン系樹脂皮膜面の400nm以上の突起の個数が
0.1mm2 当たり5個以下、好ましくは0個以下であ
ると8μm以下、特には6μm以下の薄いセラミックグ
リーンシートを作製する際に該シートのピンホールが減
少し積層型セラミックコンデンサの耐電圧不良率が減少
するため望ましい。
【0030】
【実施例】本発明を実施例にて具体的に説明するが、本
発明はそれらに限定されるものではない。
【0031】なお、離型フィルムの特性評価は下記の方
法にて行なった。 1)蛍光X線法によるケイ素元素強度の測定:離型フィ
ルムを所定の大きさ(50mmφ)に切り取り、下記条
件の蛍光X線装置にて離型面側のケイ素元素強度Aをカ
ウントする。次に表面のシリコーン系樹脂被膜をサンド
ペーパーで除去後、メチルエチルケトンで洗浄、乾燥
後、前記と同様の条件方法にてケイ素元素強度Bをカウ
ントする。このようにして得られたケイ素元素強度Aか
らケイ素元素強度Bを引いた値をシリコーン系樹脂被膜
のケイ素元素強度(単位:KCPS)とした。
【0032】 ・装置名 :Rigaku製 X線SPECTROMETER RIX
1000 ・X線管 :横型Crターゲット ・元素コート゛ :Si06 ・分光結晶 :LIF1 ・スリット :COARSE ・一次フィルター :OUT ・タ゛イアフラム :30mm ・印加電圧、電流(XG):50kv−50mA ・PHA :100-350 ・PEAK :2θ/144.520deg、時間/40秒 ・BG.1 :2θ/143.000deg、時間/10秒 ・BG.2 :2θ/146.100deg、時間/10秒 2)離型性A:離型フィルムとポリエステル粘着フィル
ム(日東電工製31Bテープ:25μm厚み、50mm
幅)を5kgのローラーで圧着させながら貼り合わせ、
20℃で20時間放置した後の180゜剥離強度を引っ
張り試験器にて剥離速度300mm/分で測定した。こ
こで、剥離力が25g以下であれば離型性Aが良好であ
るといえる。 3)離型性B:離型フィルムの離型層上に下記組成のセ
ラミックスラリーを乾燥後の厚みが8μmとなるように
ドクターブレード法にて塗布し、乾燥後、100℃で1
0分間加熱固化させ、室温にて1時間放置した後、離型
フィルムからセラミックグリーンシートを剥離した。
【0033】この際のセラミックグリーンシートの18
0゜剥離強度を引っ張り試験器にて剥離速度300mm
/分で測定した。該剥離力が3g/50mm幅以下のも
のをを「◎」、該剥離力が3g/50mm幅を超え、8
g/50mm幅未満のものを「○」、該剥離力が8g/
50mm幅以上のものを「△」、剥離時にセラミックグ
リーンシートが破れたもの「×」とした。「○」以上で
あれば離型性Bが良好といえる。
【0034】「セラミックスラリーの組成」 アルミナ 53 重量部 酸化バリウム 8 重量部 酸化ケイ素 36 重量部 ポリビニルブチラール 30 重量部 ジクロルエタン 80 重量部 4)ピンホール:上記3)の離型性Bで得られたセラミ
ックグリーンシートを背面から光源をあてながら20倍
の拡大投影機にて観察し、セラミックグリーンシート
(面積50mm2 )中のピンホール数(円相当径で0.
1mmφ以上のもの)をカウントする。ここで、ピンホ
ールが多数見られたものを「×」、ピンホールが少し見
られたものを「△」、ピンホールが全く見られないない
ものを「○」とした。「△」以上であればピンホールが
良好といえる。 5)セラミックスシートへのシリコーン移行性:離型フ
ィルムの離型層上に上記3)離型性B記組成のセラミッ
クスラリー用い、上記3)と同様の方法にて、離型フィ
ルム上にセラミックグリーンシートを形成した。次に、
この離型フィルム上に成形したセラミックグリーンシー
トを10枚重ね、プレス機にて500kg/cm2 の圧
力を加えたまま温度50℃で1時間放置した。次に、こ
のシートを室温にて10分放置した後、離型フィルムか
らセラミックグリーンシートを剥離した。得られたセラ
ミックグリーンシートを所定の大きさ(50mmφ)に
切り取り、蛍光X線法により該シートの離型面側のケイ
素元素強度Cをカウントする。次に、該セラミックシー
トの離型面側の反対面を前記と同様の条件方法にてケイ
素元素強度Dをカウントする。このようにして得られた
ケイ素元素強度Cからケイ素元素強度Dを引いた値をセ
ラミックスシートへのシリコーン移行量(単位:KCP
S)とした。該シリコーン移行量(単位:KCPS)が
0.05以下であれば「◎」、0.05を超え、0.2
未満であれば「○」、0.2以上であれば「△」、0.
3以上であれば「×」とした。「○」以上であればセラ
ミックスシートへのシリコーン移行性が良好といえる。 6)中心線表面粗さ(単位:nm):JIS−B−06
01に基づき、カットオフ値0.25mmで測定した。 7)400nm以上高さの突起の個数(単位:個/0.
1mm2):JIS−B−0601に基づき、カットオ
フ値0.25mmで測定した。 8)フィッシュアイ値(単位:個/1000mm2):
偏光板を上下で偏光軸を直角に交わらせ(クロスニコル
状態)にし、該、偏光板の間にプラスチックフィルムを
挟み込み、10倍の拡大鏡にて輝点が30μmφ(円相
当径)以上のものをカウントした。
【0035】[実施例1]厚み50μmの2軸延伸ポリ
エステルフィルム「東レ(株)社製“ルミラーT70:中
心線表面粗さ21nm、400nm以上の高さの突起個
数0個/0.1mm2、フィッシュアイ値0個/1000
mm2」の片面に下塗り剤として下記組成Aをグラビア
ロール(#200、斜線タイプ)を用い塗工し、110
℃のオーブンにて15秒乾燥させた。さらに、前記下塗
り剤塗布した面に熱硬化性シリコーン系樹脂塗剤として
下記組成Bをグラビアロール(#200、斜線タイプ)
を用い塗工し、140℃のオーブンにて15秒乾燥、熱
硬化させ離型フィルムを得た。得られた離型フィルムの
シリコーン系樹脂被膜面の蛍光X線法によるケイ素元素
強度は、3.0kcpsであった。
【0036】結果を表1に示したが離型性、ピンホー
ル、セラミックスシートへのシリコーン移行性ともに極
めて良好である。
【0037】 「下塗り剤・組成A」 1)東レタ゛ウコーニンク゛シリコーン製 BY24−846A 1重量部 2)東レタ゛ウコーニンク゛シリコーン製 BY24−846B 1重量部 3)東レタ゛ウコーニンク゛シリコーン製 BY24−846C 1重量部 4)トルエン 100重量部 「熱硬化性シリコーン系樹脂塗剤・組成B」 1)東レタ゛ウコーニンク゛シリコーン製 LTC750A 5重量部 2)東レタ゛ウコーニンク゛シリコーン製 SRX212 0.05重量部 3)トルエン 100 重量部 [実施例2]シリコーン系樹脂塗剤を、下記組成Cとす
る以外は[実施例1]と同様の方法にて離型フィルムを
得た。得られた離型フィルムのシリコーン系樹脂被膜面
の蛍光X線法によるケイ素元素強度は、2.0kcps
であった。
【0038】結果を表1に示したがピンホール、セラミ
ックスシートへのシリコーン移行性ともに極めて良好で
ある。
【0039】 「熱硬化性シリコーン系樹脂塗剤・組成C」 1)東レタ゛ウコーニンク゛シリコーン製 LTC750A 3.3重量部 2)東レタ゛ウコーニンク゛シリコーン製 SRX212 0.03重量部 3)トルエン 100 重量部 [実施例3]シリコーン系樹脂塗剤を、下記組成Dとす
る以外は[実施例1]と同様の方法にて離型フィルムを
得た。得られた離型フィルムのシリコーン系樹脂被膜面
の蛍光X線法によるケイ素元素強度は、4.7kcps
であった。
【0040】結果を表1に示したが離型性、ピンホール
ともに極めて良好である。
【0041】 「熱硬化性シリコーン系樹脂塗剤・組成D」 1)東レタ゛ウコーニンク゛シリコーン製 LTC750A 7.7重量部 2)東レタ゛ウコーニンク゛シリコーン製 SRX212 0.08重量部 3)トルエン 100 重量部 [実施例4]中心線線表面粗さが12nmで400nm
以上の高さの突起個数が5個/0.1mm2の2軸延伸ポ
リエステルフィルムを用いる以外は[実施例1]と同様
の方法にて離型フィルムを得た。得られた離型フィルム
のシリコーン系樹脂被膜面の蛍光X線法によるケイ素元
素強度は、2.8kcpsであった。
【0042】結果を表1に示したが、離型性、セラミッ
クスシートへのシリコーン移行性ともに極めて良好であ
る。
【0043】[実施例5]中心線線表面粗さが28nm
で400nm以上の高さの突起個数が11個/0.1m
2の2軸延伸ポリエステルフィルムを用いる以外は
[実施例1]と同様の方法にて離型フィルムを得た。得
られた離型フィルムのシリコーン系樹脂被膜面の蛍光X
線法によるケイ素元素強度は、3.2kcpsであっ
た。
【0044】結果を表1に示したが離型性、セラミック
スシートへのシリコーン移行性ともに極めて良好であ
る。
【0045】[実施例6]中心線線表面粗さが15nm
で400nm以上の高さの突起個数が4個/0.1mm2
でフィッシュアイ値が16個/1000mm2 の2軸延
伸ポリエステルフィルムを用いる以外は[実施例1]と
同様の方法にて離型フィルムを得た。得られた離型フィ
ルムのシリコーン系樹脂被膜面の蛍光X線法によるケイ
素元素強度は、2.9kcpsであった。
【0046】結果を表1に示したが離型性、セラミック
スシートへのシリコーン移行性ともに極めて良好であ
る。
【0047】[実施例7]中心線線表面粗さが26nm
で400nm以上の高さの突起個数が20個/0.1m
2でフィッシュアイ値が24個/1000mm2 の2
軸延伸ポリエステルフィルムを用いる以外は[実施例
1]と同様の方法にて離型フィルムを得た。得られた離
型フィルムのシリコーン系樹脂被膜面の蛍光X線法によ
るケイ素元素強度は、3.3kcpsであった。
【0048】結果を表1に示したが離型性、セラミック
スシートへのシリコーン移行性ともに極めて良好であ
る。
【0049】[実施例8]中心線線表面粗さが32nm
で400nm以上の高さの突起個数が22個/0.1m
2でフィッシュアイ値が18個/1000mm2 の2
軸延伸ポリエステルフィルムを用いる以外は[実施例
1]と同様の方法にて離型フィルムを得た。得られた離
型フィルムのシリコーン系樹脂被膜面の蛍光X線法によ
るケイ素元素強度は、3.3kcpsであった。
【0050】結果を表1に示したが離型性、セラミック
スシートへのシリコーン移行性ともに極めて良好であ
る。
【0051】[比較例1]シリコーン系樹脂塗剤を、下
記組成Eとする以外は[実施例1]と同様の方法にて離
型フィルムを得た。得られた離型フィルムのシリコーン
系樹脂被膜面の蛍光X線法によるケイ素元素強度は、
5.5kcpsであった。
【0052】結果を表1に示したがセラミックスシート
へのシリコーン移行性に劣っており、セラミックスシー
ト積層・焼成後にブリスター(気泡)も発生していた。
【0053】 「熱硬化性シリコーン系樹脂塗剤・組成E」 1)東レタ゛ウコーニンク゛シリコーン製 LTC750A 9.1重量部 2)東レタ゛ウコーニンク゛シリコーン製 SRX212 0.09重量部 3)トルエン 100 重量部 [比較例2]シリコーン系樹脂塗剤を、下記組成Fとす
る以外は[実施例1]と同様の方法にて離型フィルムを
得た。得られた離型フィルムのシリコーン系樹脂被膜面
の蛍光X線法によるケイ素元素強度は、9.5kcps
であった。
【0054】結果を表1に示したがセラミックスシート
へのシリコーン移行性に劣っており、セラミックスシー
ト積層・焼成後にブリスター(気泡)も発生していた。
【0055】 「熱硬化性シリコーン系樹脂塗剤・組成F」 1)東レタ゛ウコーニンク゛シリコーン製 LTC750A 12.5重量部 2)東レタ゛ウコーニンク゛シリコーン製 SRX212 0.13重量部 3)トルエン 100 重量部 [比較例3]シリコーン系樹脂塗剤を、下記組成Gとす
る以外は[実施例5]と同様の方法にて離型フィルムを
得た。得られた離型フィルムのシリコーン系樹脂被膜面
の蛍光X線法によるケイ素元素強度は、1.6kcps
であった。
【0056】結果を表1に示したがセラミックスシート
の離型性に劣っており、特にセラミックスシートのピン
ホールに起因する内部電極のショート不良が発生しコン
デンサの耐圧不良率が著しく低下した。
【0057】 「熱硬化性シリコーン系樹脂塗剤・組成G」 1)東レタ゛ウコーニンク゛シリコーン製 LTC750A 2.5重量部 2)東レタ゛ウコーニンク゛シリコーン製 SRX212 0.03重量部 3)トルエン 100 重量部
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の離型フィ
ルムを使用すれば、シリコーン系樹脂の付着が極めて少
ないセラミックグリーンシートを製造用することができ
る。これにより、該セラミックグリーンシートを積層
後、焼成する工程でセラミックコンデンサ内部にブリス
ター(気泡)が発生し難くなるため積層型セラミックコ
ンデンサの耐電圧不良率が大幅に改善される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックフィルムの少なくとも片面に
    シリコーン系樹脂皮膜を有し、かつ該シリコーン系樹脂
    皮膜面の蛍光X線法によるケイ素元素強度A(単位:k
    cps)が下記(1)式を満足するセラミックグリーン
    シート製造用離型フィルム。 1.9 ≦ A ≦ 5 ‥‥ (1)
  2. 【請求項2】シリコーン系樹脂皮膜面における中心線平
    均表面粗さ(Ra)が10〜30nmであることを特徴
    とする請求項1記載のセラミックグリーンシート製造用
    離型フィルム。
  3. 【請求項3】シリコーン系樹脂皮膜面における400n
    m以上高さの突起の個数が0.1mm2 当たり5個以下
    であることを特徴とする請求項1または2に記載のセラ
    ミックグリーンシート製造用離型フィルム。
  4. 【請求項4】プラスチックフィルムのフィッシュアイ値
    が0〜20個/1000cm2 であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のセラミックグリー
    ンシート製造用離型フィルム。
  5. 【請求項5】プラスチックフィルムがポリエチレンテレ
    フタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポ
    リエチレン−α,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エ
    タン−4,4´−ジカルボキシレートから選択される少
    なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載のセラミックグリーンシート製造用離
    型フィルム。
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