JPH11291960A - クローラ式産業車両 - Google Patents

クローラ式産業車両

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Publication number
JPH11291960A
JPH11291960A JP11132198A JP11132198A JPH11291960A JP H11291960 A JPH11291960 A JP H11291960A JP 11132198 A JP11132198 A JP 11132198A JP 11132198 A JP11132198 A JP 11132198A JP H11291960 A JPH11291960 A JP H11291960A
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JP
Japan
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crawler
link
connecting pin
vehicle
industrial vehicle
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP11132198A
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English (en)
Inventor
Shigenori Matsushita
重則 松下
Kazutoshi Hori
一俊 堀
Haruhiro Tsubota
晴弘 坪田
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行中の障害物への衝突によるつまずき等を
無くして不整地等での走破性および走行安定性を向上
し、作業性向上を図れるクローラ式産業車両を提供す
る。 【解決手段】 産業車両1の前部、中間部及び後部の少
なくともいずれかにそれぞれ左右1対ずつのクローラ装
置10,10、20,20を配設設ける。クローラ装置
10,20は、車体2に固設されたブラケット7の車両
進行方向の前部、及びトラックフレーム12の略中央部
前寄りの間を、それぞれ連結ピン16a,16bにより
前後方向に揺動自在に連結する第1リンク16と、ブラ
ケット7の後部、及びトラックフレーム12の略中央部
後寄りの間を、それぞれ連結ピン17a,17bにより
前後方向に揺動自在に連結する第2リンク17とを有
し、連結ピン16b,17b間の距離L2を、連結ピン
16a,17a間の距離L1より短くし、かつ、第1リ
ンク16の中心線と第2リンク17の中心線との各延長
線の交点Pが、両リンクより下方に位置させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不整地走行用のク
ローラ式走行装置(以後、クローラ装置と呼ぶ)を備え
た産業車両に関する。
【0002】
【従来の技術】図25は、従来のクローラ装置を備えた
産業車両の一例を表わす側面図である。産業車両70の
車体2の上には上部旋回体3が旋回自在に搭載され、上
部旋回体3には運転室4、エンジンルーム5、および、
バケット等を有する作業機6が付設されている。また、
車体2には前後部にそれぞれ左右1対の三角形状のクロ
ーラ装置80が配設されている。すなわち、車体2の後
方には駆動装置を有する左右1対の後方クローラ装置8
0Aが、車体2の前方には操向装置を有する左右1対の
前方クローラ装置80Bが配設されている。各クローラ
装置80は、上部に設けられたスプロケット11と、ス
プロケット11の下方に設けられたトラックフレーム1
2と、トラックフレーム12の前後に回動自在に配設さ
れた2個のアイドラ13,13と、トラックフレーム1
2の下部に回動自在に取着された下転輪14,14と、
これらのスプロケット11、アイドラ13,13、およ
び下転輪14,14の外側に卷装された履帯15とから
構成されている。
【0003】三角形状のクローラ装置の従来技術として
は、例えば特開平4−8682号公報に記載されたもの
があり、図26に同公報に開示されたクローラ装置を示
している。同図は、図25のX−X断面図である後方ク
ローラ装置80Aの正面断面図を示したものである。同
図において、ホイールハブ81の先端部には、履帯15
を駆動するスプロケット11が固設されている。また、
ホイールハブ81にはベアリング82を介してブラケッ
ト83が回動自在に取着されており、ブラケット83の
下部には所定個数の下転輪14を回動自在に備えたトラ
ックフレーム12が固設されている。
【0004】この構造は前方クローラ装置80Bにおい
ても同様であり、両者ともスプロケット11を中心とし
て前後方向に回動自在となっている。4個の前方クロー
ラ装置80B,80B及び後方クローラ装置80A,8
0Aは図示しないサスペンション機構により4点接地す
ることを可能にしているが、個々の前方クローラ装置8
0B及び後方クローラ装置80Aはそれぞれ地面の傾斜
に対してスプロケット11を中心として前後方向に回動
することによって均等に接地するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平4−8682号公報に開示された従来のクローラ装
置を備えた産業車両においては、前方クローラ装置80
Bはスプロケット11を中心として回動するようになっ
ているため、産業車両70が走行中に図27に示すよう
に前方の障害物23に衝突した場合、前方クローラ装置
80Bの前部が下向きになり、つまずくような状態とな
ることがある。この結果、不整地での走破性及び走行安
定性が良くないという問題が発生している。
【0006】本発明は、上記の従来の問題点に着目し、
走行中の障害物への衝突によるつまずき等を無くして不
整地等での走破性および走行安定性を向上し、かつ、作
業性向上を図れるクローラ式産業車両を提供することを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用および効果】上記の
目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、駆動
装置により回転駆動されるスプロケット11と、トラッ
クフレーム12に回転自在に配設されたアイドラ13
と、前記スプロケット11および前記アイドラ13に卷
装された履帯15とを有するクローラ装置を、車体2の
進行方向前後にそれぞれ左右1対ずつ備えたクローラ式
産業車両において、前記クローラ装置10,20が、車
体2に固設されたブラケット7の車両進行方向の前部、
および、トラックフレーム12の略中央部の前寄りの間
を、それぞれ連結ピン16aおよび連結ピン16bによ
り前後方向に揺動自在に連結する第1リンク16と、前
記ブラケット7の車両進行方向の後部、および、トラッ
クフレーム12の略中央部の後寄りの間を、それぞれ連
結ピン17aおよび連結ピン17bにより前後方向に揺
動自在に連結する第2リンク17とを有し、前記連結ピ
ン16bと連結ピン17b間の距離L2を、前記連結ピ
ン16aと連結ピン17a間の距離L1より短くし、か
つ、第1リンク16の中心線と第2リンク17の中心線
とのそれぞれの延長線の交点Pが、第1リンク16およ
び第2リンク17より下方に位置するようにした構成と
している。
【0008】請求項1に記載の発明によると、本産業車
両に備えたクローラ装置は、車体に固設されたブラケッ
トにトラックフレームを連結する前後1対の第1および
第2リンクを有しており、この両リンクにより4節リン
クが構成される。この4節リンクの下辺の長さ(すなわ
ち、第1および第2リンクとトラックフレームとの連結
ピン間の距離)を上辺の長さ(すなわち、第1および第
2リンクと前記ブラケットとの連結ピン間の距離)より
短くし、かつ、両リンクの各中心線の延長線どうしの交
点が両リンクより下方に位置するようにしたので、走行
中にクローラ装置が障害物に衝突してトラックフレーム
に前後方向の外力が加わった場合、トラックフレームの
前部又は後部の内、外力が加わった方が上昇して他方は
下降し、よってこのクローラ装置は障害物を容易に乗り
越えられるように傾斜する。したがって、障害物につま
ずくような状態になることはないので、産業車両の不整
地での走破性が向上し、車両の走行安定性も良くなり、
よって荷物等の積載用の産業車両においては荷こぼれを
少なくすることができる。また、前後に左右1対ずつの
クローラ装置を備えているので、接地長を長くでき、か
つ、各クローラ装置の接地性が良くなり、この結果、高
牽引力を発揮して不整地での走破性が向上し、作業能率
が向上する。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
クローラ式産業車両において、前記クローラ装置20
は、アイドラ13をスプロケット11から離間する方向
に付勢するリコイルスプリング22を有するとともに、
アイドラ13が車両進行方向の外側に、スプロケット1
1が車両進行方向の内側に配設された構成としている。
【0010】請求項2に記載の発明によると、リコイル
スプリングにより付勢されたアイドラは車両進行方向の
外側(前端部または後端部)に位置するため、前進ある
いは後進中に障害物に衝突した場合、リコイルスプリン
グによってこのときの衝撃が緩衝される。したがって、
クローラ装置および車体の破損を防止するとともに、産
業車両の乗り心地を向上させる。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
記載のクローラ式産業車両において、前記履帯15のラ
グ18のパターンは、車両進行方向に方向性を有すると
ともに、進行方向の前後に配設されたクローラ装置1
0,20で前後対称である構成としている。
【0012】請求項3に記載の発明によると、履帯のラ
グパターンは車両進行方向に方向性を有しているので、
牽引力を増大させることができるとともに、車両の前後
で履帯のラグパターンを対称にしたので、産業車両の前
後進時の牽引力に差がなく、走行性が良くなる。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項1、2又
は3記載のクローラ式産業車両において、前後にそれぞ
れ左右1対ずつ備えたクローラ装置10,20のうち、
前後いずれか一側の左右1対のクローラ装置10,20
は操向可能とし、他側の左右1対のクローラ装置10,
20はイコライザバー37により揺動自在としている。
【0014】請求項4に記載の発明によると、前後いず
れか一側の左右1対のクローラ装置をイコライザバーに
より揺動自在にしたので、不整地走行時の接地性が向上
し、不整地走破性が向上する。また、イコライザ機能と
操向機能を前後のクローラ装置に分離したので、機能が
簡単になり、配管やホースの引き回しが容易となる。さ
らに、安価で、かつ、故障の少ない機構により車体側と
クローラ装置とを連結できる。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項1、2、
3又は4記載のクローラ式産業車両において、前記クロ
ーラ式産業車両は、クローラダンプ30,40、油圧シ
ョベル41、ブルドーザ42、農業用トラクタ46、フ
ォワード47、フォークリフト50、振動ローラ53、
クレーン54、くい打機56またはモータスクレーパ6
0の内、いずれか1つの車両としている。
【0016】請求項5に記載の発明によると、前記4節
リンクを有するクローラ装置を備えたいずれの産業車両
においても、不整地や軟弱地での走破性および走行安定
性が向上し、作業性が良くなる。
【0017】請求項6に記載の発明は、駆動装置により
回転駆動されるスプロケット11と、トラックフレーム
12に回転自在に配設されたアイドラ13と、前記スプ
ロケット11および前記アイドラ13に卷装された履帯
15とを有するクローラ装置を車体2に備えたクローラ
式産業車両において、車体2の進行方向の前部あるいは
後部のいずれか一方に少なくとも1対の左右1対ずつの
クローラ装置10,20を、他方に左右1対のホイール
式走行装置63をそれぞれ備えると共に、このクローラ
装置10,20は、車体2に固設されたブラケット7の
車両進行方向の前部、および、トラックフレーム12の
略中央部の前寄りの間を、それぞれ連結ピン16aおよ
び連結ピン16bにより前後方向に揺動自在に連結する
第1リンク16と、前記ブラケット7の車両進行方向の
後部、および、トラックフレーム12の略中央部の後寄
りの間を、それぞれ連結ピン17aおよび連結ピン17
bにより前後方向に揺動自在に連結する第2リンク17
とを有し、前記連結ピン16bと連結ピン17b間の距
離L2を、前記連結ピン16aと連結ピン17a間の距
離L1より短くし、かつ、第1リンク16の中心線と第
2リンク17の中心線とのそれぞれの延長線の交点P
が、第1リンク16および第2リンク17より下方に位
置するようにした構成としている。
【0018】請求項6に記載の発明によると、それぞれ
のクローラ装置は前後1対の第1および第2リンクによ
り車体に連結されたトラックフレームを有し、この第1
および第2リンクの各中心線の延長線どうしの交点が両
リンクよりも下方に位置するので、クローラ装置が障害
物に衝突した場合に、クローラ装置の衝突した側が上昇
するように傾斜し、クローラ装置が障害物を容易に乗り
越えることができる。したがって、産業車両の走破性が
良くなる。また、一方のホイール式走行装置は操向角を
大きくすることができるので、旋回半径を小さくでき、
よって旋回時に小回りが効く。
【0019】請求項7に記載の発明は、駆動装置により
回転駆動されるスプロケット11と、トラックフレーム
12に回転自在に配設されたアイドラ13と、前記スプ
ロケット11および前記アイドラ13に卷装された履帯
15とを有するクローラ装置を車体2に備えたクローラ
式産業車両において、車体2の進行方向の前部、中間部
および後部にそれぞれ左右1対ずつのクローラ装置1
0,20を備えると共に、このクローラ装置10,20
は、車体2に固設されたブラケット7の車両進行方向の
前部、および、トラックフレーム12の略中央部の前寄
りの間を、それぞれ連結ピン16aおよび連結ピン16
bにより前後方向に揺動自在に連結する第1リンク16
と、前記ブラケット7の車両進行方向の後部、および、
トラックフレーム12の略中央部の後寄りの間を、それ
ぞれ連結ピン17aおよび連結ピン17bにより前後方
向に揺動自在に連結する第2リンク17とを有し、前記
連結ピン16bと連結ピン17b間の距離L2を、前記
連結ピン16aと連結ピン17a間の距離L1より短く
し、かつ、第1リンク16の中心線と第2リンク17の
中心線とのそれぞれの延長線の交点Pが、第1リンク1
6および第2リンク17より下方に位置するようにした
構成としている。
【0020】請求項7に記載の発明によると、それぞれ
のクローラ装置の前後1対の第1および第2リンクによ
り車体に連結されたトラックフレームを有し、この第1
および第2リンクの各中心線の延長線どうしの交点が両
リンクよりも下方に位置するので、クローラ装置が障害
物に衝突した場合に、クローラ装置の衝突した側が上昇
するように傾斜し、クローラ装置が障害物を容易に乗り
越えることができる。したがって、産業車両の走破性が
良くなる。また、このようなクローラ装置を車体の前
部、中間部および後部にそれぞれ左右1対ずつ(計6セ
ット)備えているので全体の接地圧が低くなり、不整地
や軟弱地での走破性が向上し、高牽引力を発揮できる。
また、クレーダに適用した場合には、前部にクローラ装
置を備えているので、ホイール式走行装置に比して車両
の上下方向の変位(バウンディング)が少なく、よって
整地性が向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るクローラ式
産業車両の実施形態を、図面を参照して詳述する。
【0022】まず、図1〜図3に基づいて、第1実施形
態を説明する。図1は、本実施形態に係わるクローラ式
産業車両に用いられるクローラ装置10の側面図であ
る。同図において、ブラケット7はクローラ式産業車両
の車体(図示せず)の側部に固設されており、ブラケッ
ト7の上部にスプロケット11が回動自在に支持されて
いる。スプロケット11には、これを回転駆動する油圧
モータや電動モータ等からなる駆動装置(図示せず)が
取着されており、この駆動装置への動力供給は車体側に
配設された動力源(図示せず)から行われるようになっ
ている。また、ブラケット7の下方には車両進行方向
(以後、前後方向と呼ぶ)に沿ってトラックフレーム1
2が配設されており、さらに、トラックフレーム12の
前端部および後端部にはアイドラ13としてそれぞれ前
方アイドラ13a及び後方アイドラ13bが回動自在に
取着され、またトラックフレーム12の下部には所定個
数(ここでは2個)の下転輪14,14が回動自在に取
着されている。そして、前記スプロケット11とアイド
ラ13a,13bと下転輪14,14との外側には履帯
15が卷装されている。
【0023】前記ブラケット7の前部とトラックフレー
ム12の略中央部の前寄りとは、第1リンク16を介し
てそれぞれ連結ピン16a,16bにより連結されてい
る。また、ブラケット7の後部とトラックフレーム12
の略中央部の後寄りとは、第2リンク17を介してそれ
ぞれ連結ピン17a,17bにより連結されている。ブ
ラケット7、第1リンク16、第2リンク17およびト
ラックフレーム12は4節リンクを構成しており、この
4節リンクの下辺の連結ピン16bと連結ピン17bと
の距離L2は上辺の連結ピン16aと連結ピン17aと
の距離L1より短くなっている。なお、第1リンク16
の中心線と第2リンク17の中心線との各延長線の交点
Pが、上記の両リンクよりも下方に位置するようにして
いる。さらに、本実施形態においては、第1リンク16
および第2リンク17の鉛直線方向に対する傾き角度が
大きくなるように、前記交点Pが履帯15の内側に位置
するようになっている。
【0024】図2は上記クローラ装置10の作動の説明
図であり、同図に従って作動について説明する。 走行
中に前方のアイドラ13aが凹凸の大きい不整地での障
害物23や、側溝などの段差による障害物23に衝突し
た場合、この衝突により前方から力Fが加わってトラッ
クフレーム12は後方に揺動する。このとき、前述のよ
うに第1リンク16および第2リンク17で構成された
4節リンクの下辺の連結ピン16b,17b間の距離L
2は上辺の連結ピン16a,17a間の距離L1よりも
短いので、連結ピン16bは連結ピン16aよりも後方
に位置し、また連結ピン17bは連結ピン17aよりも
前方に位置している。したがって、第1リンク16は後
方に揺動して連結ピン16bは上昇すると同時に、第2
リンク17は後方に揺動して連結ピン17bは下降す
る。これによって、トラックフレーム12の前方が上昇
し、かつ後方が下降して傾斜するので、前方アイドラ1
3aは上昇し、後方アイドラ13bは下降する。しか
も、第1リンク16と第2リンク17の各中心線の交点
Pが履帯15の内側に位置するように、鉛直線方向に対
する第1リンク16および第2リンク17の傾き角度を
大きくしているので、トラックフレーム12の前後方向
の揺動に対するトラックフレーム12の傾斜角度は大き
くなる(敏感に作用する)。したがって、トラックフレ
ーム12の傾斜による前方アイドラ13aと後方アイド
ラ13bの高さの差hは大きくなる。
【0025】図3に、上記のクローラ装置10を用いた
産業車両1の側面図を示す。産業車両1は、車体2の前
部および後部にそれぞれ左右1対の前方クローラ装置1
0Aおよび後方クローラ装置10Bを備えている。これ
らの前方クローラ装置10Aおよび後方クローラ装置1
0Bの各トラックフレーム12は、前記4節リンクを介
して車体2に取着されている。したがって、前進走行中
に前方クローラ装置10Aが障害物23に衝突した場
合、前方クローラ装置10Aの前方アイドラ13aは上
昇し、後方アイドラ13bは下降するので、前方クロー
ラ装置10Aは障害物23につまずくこと無く容易に乗
り越えることができる。なお、各クローラ装置10は前
後方向に対して対称に構成されているので、後方クロー
ラ装置10Bが前進中に障害物23に衝突した場合や、
後進中にこれらの前方クローラ装置10Aまたは後方ク
ローラ装置10Bが衝突した場合でも、上記と同じよう
に作動して障害物23を容易に乗り越えることができ
る。これにより、産業車両1の不整地での走破性が向上
すると共に、走行時の安定性も向上する。
【0026】つぎに、図4〜図9に基づいて第2実施形
態を説明する。図4は本実施形態に係わるクローラ式産
業車両に用いられるクローラ装置20の側面図であり、
まず、同図に基づいてクローラ装置20を説明する。産
業車両の車体2(図示せず)に固設されたブラケット7
の上部には、所定個数(ここでは2個)の上転輪21,
21が回動自在に支持されており、ブラケット7の下方
には車両の前後方向に沿ってトラックフレーム12が配
設されている。また、ブラケット7の前部とトラックフ
レーム12の略中央部の前寄りとは第1リンク16を介
してそれぞれ連結ピン16a,16bにより連結されて
おり、ブラケット7の後部とトラックフレーム12の略
中央部の後寄りとは第2リンク17を介してそれぞれ連
結ピン17a,17bにより連結されている。このと
き、ブラケット7、第1リンク16、第2リンク17お
よびトラックフレーム12は4節リンクを構成してお
り、この4節リンクの下辺の連結ピン16b,17b間
の距離L2は上辺の連結ピン16a,17a間の距離L
1より短くなっている。
【0027】また、トラックフレーム12の一端部には
スプロケット11が回動自在に取着されており、他端部
にはアイドラ13が回動自在に、かつ、リコイルスプリ
ング22を介して取着されている。リコイルスプリング
22はアイドラ13をスプロケット11から離間させる
方向に(すなわち外側に向けて)付勢している。さら
に、トラックフレーム12の下部には、所定個数(ここ
では2個)の下転輪14,14が取着されている。そし
て、前記上転輪21,21、アイドラ13、スプロケッ
ト11および下転輪14,14には履帯15が卷装され
ている。ここで、第1リンク16の中心線と第2リンク
17の中心線の各延長線の交点Pが、両リンクよりも下
方で、履帯15の内側に位置するようになっている。
【0028】以下に、上記クローラ装置20の作動を説
明する。アイドラ13またはスプロケット11が前後方
向に外力を受けると、トラックフレーム12がその外力
の方向に揺動する。いま、アイドラ13側から外力を受
けたとする。このとき、第1実施形態のクローラ装置1
0と同様に、第1リンク16および第2リンク17で構
成された4節リンクの下辺の連結ピン16b,17b間
の距離L2は上辺の連結ピン16a,17a間の距離L
1よりも短いので、連結ピン16bは連結ピン16aよ
りもスプロケット11側に位置し、また連結ピン17b
は連結ピン17aよりもアイドラ13側に位置してい
る。したがって、第1リンク16はスプロケット11側
に揺動して連結ピン16bは上昇すると同時に、第2リ
ンク17はスプロケット11側に揺動して連結ピン17
bは下降する。これによって、トラックフレーム12の
アイドラ13側が上昇し、かつスプロケット11側が下
降して傾斜するので、アイドラ13は上昇し、スプロケ
ット11は下降する。しかも、第1リンク16の中心線
と第2リンク17の中心線の各延長線の交点Pが履帯1
5の内側に位置するように、鉛直線方向に対する第1リ
ンク16および第2リンク17の傾き角度を大きくして
いるので、トラックフレーム12の前後方向の揺動に対
するトラックフレーム12の傾斜角度は大きくなる。
【0029】なお、上記リンク機構は前後方向に対して
対称なので、スプロケット11側から外力を受けた場合
でも、上記と同様に作動し、スプロケット11は上昇
し、アイドラ13は下降する。
【0030】図5は、上記クローラ装置20を取着した
産業車両の一例としての上部旋回式クローラダンプ30
の側面図であり、同図に基づいて本実施形態に係わる産
業車両の説明を行う。車体2の上部に旋回ベアリング3
4を介して上部旋回体3が旋回自在に搭載されており、
上部旋回体3の下部に設けられたフレーム33上の前部
には運転室4およびエンジンルーム5が搭載され、また
後部には荷台32がダンプ可能に(つまり、傾動して排
土可能に)搭載されている。車体2は詳細は後述するよ
うに前部フレーム35と後部フレーム31を有してお
り、この前部フレーム35に左右1対の前方クローラ装
置20A,20Aが、後部フレーム31には左右1対の
後方クローラ装置20B,20Bがそれぞれ装着されて
いる。この前方クローラ装置20Aおよび後方クローラ
装置20Bは前記クローラ装置20により構成されてお
り、それぞれ前後方向の外側にアイドラ13が位置し、
内側にスプロケット11が位置するように配設されてい
る。
【0031】図において細い2点鎖線で示すように、各
前方クローラ装置20Aおよび後方クローラ装置20B
が外側のアイドラ13側から外力を受けたときには、ア
イドラ13側が上昇してスプロケット11側は下降し、
また反対に内側のスプロケット11側から外力を受けた
ときには、スプロケット11側が上昇してアイドラ13
側は下降する。
【0032】図6は、図5のA−A断面図を示してい
る。本実施形態では、車体2はアーティキュレートピン
36により水平面内で屈折自在に連結された前部フレー
ム35と後部フレーム31を備えている。前部フレーム
35および後部フレーム31には、それぞれ左右1対の
前方クローラ装置20A,20A、および後方クローラ
装置20B,20Bが取着されている。そして、前部フ
レーム35は図示しない操向手段(操向シリンダ等)に
よって細い2点鎖線に示すように後部フレーム31に対
してアーティキュレートピン36を中心として回動さ
れ、これにより産業車両の操向が行われるようになって
いる。また、後部フレーム31の上部に、前記旋回ベア
リング34が搭載されている。
【0033】また、各クローラ装置20の履帯15の表
面にはラグ18が設けられており、そのラグパターンは
前後方向に方向性を有する。例えば、ハの字形のパター
ンは、図の破線に示すように接地時に進行方向に開いた
形状になるように形成されており、これにより牽引力の
増大を図っている。また、このラグパターンは前方クロ
ーラ装置20Aと後方クローラ走行装置20Bとで互い
に対称に配置されており、前後進時の牽引力がほぼ等し
くなるようにしている。
【0034】図7は、図5のB視図を示している。後部
フレーム31の後端部に、イコライザバー37が産業車
両の進行方向に対して左右方向に配設されている。この
イコライザバー37は、前後方向に、かつ水平に設けら
れた軸38を中心に、細い2点鎖線で図示するように左
右両端部で上下方向に揺動自在となるように配設されて
いる。このイコライザバー37の左右両端部に、前記後
方クローラ装置20B,20Bが回動自在に取着されて
いる。
【0035】次に、本実施形態に係わる上部旋回式クロ
ーラダンプ30の不整地走行時の障害物乗り越え動作に
ついて、図8および図9を参照して説明する。図8に示
すように前進走行中に前方クローラ装置20Aのアイド
ラ13が障害物23に衝突した場合、アイドラ13は前
述のリコイルスプリング22の付勢力に抗して後退す
る。これにより、衝突時の衝撃が緩和される。また、こ
のとき、同時に前方から外力Fが加わってトラックフレ
ーム12は後方に揺動するので、前述のごとき作動によ
り、図9に示すようにトラックフレーム12は傾斜し、
アイドラ13が上昇し、スプロケット11が下降する。
【0036】以上のように、本実施形態によると、各ク
ローラ装置20のトラックフレーム12は、前記第1リ
ンク16および第2リンクにより構成される4節リンク
を介して車体2に取着されているので、走行中に障害物
23により前後方向に外力を受けたときには、この外力
を受けた方のアイドラ13またはスプロケット11が上
昇するようにトラックフレーム12が傾斜する。したが
って、クローラ装置20がつまずくような状態になるこ
とが無く、スムーズに障害物を乗り越えることができ、
産業車両の不整地での走破性および走行安定性が向上す
る。
【0037】また、クローラ装置20を車両の前後部に
それぞれ左右1対ずつ備えたので、前後のクローラ装置
20がそれぞれ単独で接地できる。特に、左右の後方ク
ローラ装置20B,20Bをイコライザバー37で連結
しているので、左右方向の地面の傾斜に合わせてイコラ
イザバー37が傾動し左右の後方クローラ装置20B,
20Bの接地性が良い。さらに、左右いずれか一方の後
方クローラ装置20B,20Bが接地してない場合で
も、接地してない方の後方クローラ装置20Bが前後方
向に回動することにより必ず接地することができる。こ
の結果、従来のように左右に1対のクローラ装置のみを
有するクローラダンプに比して、不整地における接地性
が良くなり、大きな牽引力を発揮することができる。ま
た、接地性が良いため、履帯15のすべりが少なく、履
帯寿命が向上する。
【0038】また、前方クローラ装置20Aおよび後方
クローラ装置30Bがそれぞれ単独で接地して、クロー
ラ接地長を長くすることできるので、走行安定性が良く
なる。したがって、乗り心地が良くなるとともに、荷こ
ぼれが少ない。この結果、作業能率を非常に向上でき、
作業性が良くなる。
【0039】操向機能を車体2の前部に設け、かつ、イ
コライズ機能を後部に設けて各機能を前後で分担したの
で、各クローラ装置を例えば油圧モータで駆動する場合
に、前後部の限られた空間での配管やホース類の数が減
少し、また、車体2側とクローラ装置側間を連結する機
構の動きが単純化される。これによって、配管やホース
類を設置する機構が簡単化され、これらの機構を安価
で、かつ故障の少ない簡単な構造により構成できる。
【0040】つぎに、本発明に係わる4節リンクを有す
るクローラ装置10,20を備えたクローラ式産業車両
の他の実施形態を、図10〜図24に基づいて説明す
る。
【0041】図10は、上部旋回機能を有しない固定式
のクローラダンプ40の側面図である。ここでは、前実
施形態の上部旋回式クローラダンプ30と同一構成部材
には同一符号を付して説明を省略する。左右1対ずつの
クローラ装置20,20がそれぞれフレーム33(車体
2)の下部の前部および後部に直接取着されており、こ
のフレーム33の上部に前記運転室4および荷台32等
が搭載されている。
【0042】本実施形態のクローラダンプ40は、第2
実施形態における上部旋回式クローラダンプ30に対し
て旋回ベアリング34等を有していないので、車両高さ
を低くすることができ、よって例えば高さの低いトンネ
ル等の掘削現場での土砂運搬にも使用可能となってい
る。また、前記同様の作用によって、接地性が良く、走
破性および走行安定性が向上する。
【0043】次は、本発明に係わる前記クローラ装置を
備えた油圧ショベル41の実施形態を表わし、図11は
この油圧ショベル41の側面図である。同図において、
これまでの実施形態と同じ構成部材には同一の符号を付
し、ここでの説明を省く。(以後も、同様とする) 車体2の前部および後部に、前記第2実施形態と同じク
ローラ装置20,20がそれぞれ左右1対備えられてお
り、また車体2の上部には旋回ベアリング34を介して
上部旋回体3が旋回自在に搭載されている。上部旋回体
3には、運転室4、エンジンルーム5および作業機6等
が付設されている。なお、本実施形態では、操向はスキ
ッドステアリング式により行われる例を示しているが、
前述の第2実施形態で示したようなアーティキュレート
ステアリング式、あるいは、両方式を併用するなどによ
り行うようにしてもよい。
【0044】上記構成による油圧ショベル41は、各ク
ローラ装置20が前記4節リンクの構造を有しているの
で、不整地での走破性が向上する。また、従来の左右1
対のクローラ装置を備えた油圧ショベルに比して、不整
地における接地性が良くなり、よって、走行安定性が良
好で乗り心地も良く、牽引力も大きい。さらに、履帯の
すべりが少なくなるので、履帯の耐久性が向上し、また
作業能率が向上する。
【0045】つぎに、図12は、前記第2実施形態に記
載されたクローラ装置20を備えたブルドーザ42の側
面図である。フレーム33の前部および後部に、それぞ
れ左右1対のクローラ装置20,20を備えている。ま
た、フレーム33の上部には運転室4およびエンジンル
ーム5を備えており、さらに前部に上下動自在の土工板
43を、後部に上下動自在のリッパ44を備えている。
ここで、操向はスキッドステア式による。上記構成によ
ると、不整地走破性が良好となり、牽引力も大きくな
る。また、不整地における接地性が良いので、走行安定
性が向上する。したがって、作業性能が向上すると共
に、整地作業が容易となる。
【0046】次に、図13は、第1実施形態と同様のク
ローラ装置10を有するモータグレーダ45の側面図で
ある。同図において、フレーム33の前端部に左右1対
のクローラ装置10A,10Aを有しており、またフレ
ーム33の後部には前後にそれぞれ左右1対のクローラ
装置10B,10Bがタンデムに配設されている。ま
た、フレーム33の後部の上部に運転室4およびエンジ
ンルーム5を備え、中央下方には土工板43を有してい
る。なお、操向は、前端部のクローラ装置10Aを操向
して行われる。
【0047】上記構成によると、不整地や軟弱地での走
破性および走行安定性が良く、また牽引力が大きくなる
ので作業性能が向上する。また、ホイール式走行装置に
比してフレーム33の上下方向の変位が少ないため整地
作業が容易となる。
【0048】図14は、第2実施形態と同様のクローラ
装置20を有する農業用トラクタ46の側面図である。
同図において、前部および後部にそれぞれ左右1対のク
ローラ装置20,20を備えたフレーム33の上部に、
運転室4およびエンジンルーム5が配設されており、フ
レーム33の後部には農具用の作業機6が設けられてい
る。上記構成によると、農業用トラクタ46の軟弱地で
の走破性および走行安定性が良く、牽引力が大きいため
作業性能が向上する。また、ホイール式走行装置に比し
て接地圧が低いため土を踏み固めることがなく、農作業
に適する。
【0049】図15は、第1実施形態と同様のクローラ
装置10を有するフォワーダ47の側面図である。同図
において、前部および後部にそれぞれ左右1対のクロー
ラ装置10,10を備えたフレーム33の上部に、運転
室4、エンジンルーム5および作業機6が搭載されてい
る。上記構成によると、軟弱地での走破性および走行安
定性が良く、牽引力が大きくなり登坂性能が向上する。
これによって、作業性能が向上する。
【0050】図16は、第2実施形態と同様のクローラ
装置20を有するフォークリフト50の側面図である。
同図において、前部および後部にそれぞれ左右1対のク
ローラ走行装置20,20を備えたフレーム33の上部
に、運転席8およびエンジンルーム5が搭載されてい
る。また、フレーム33の前部には、マスト51と、こ
のマスト51に昇降自在に取り付けられたフォーク52
とが設けられている。上記構成によると、フォークリフ
ト50の不整地での走破性および走行安定性が向上し、
またホイール式走行装置に比して上下方向の変位が少な
いので作業性が向上する。
【0051】図17は、第1実施形態と同様のクローラ
装置10を有する振動ローラ53の側面図である。同図
において、上部に運転席8およびエンジンルーム5が搭
載された後部フレーム31の下部に、左右1対のクロー
ラ走行装置10,10が配設されている。また、後部フ
レーム31の前端部には、前部フレーム35が連結ピン
36により水平方向に回動自在に連結されており、この
前部フレーム35に転圧用のクローラ装置10が取着さ
れている。上記構成によると、不整地での走破性および
走行安定性が良く、牽引力が大きいため作業性能が向上
する。また、面転圧が可能となり、深く、かつ均一に転
圧することができる。
【0052】図18は、第2実施形態と同様のクローラ
装置20を有するクレーン54の側面図である。同図に
おいて、車体2の後部上にエンジンルーム5が配設さ
れ、車体2の前部および後部の下部には、それぞれ左右
1対のクローラ装置20,20が設けられている。ま
た、車体2の略中央部には、旋回ベアリング34を介し
て上部旋回体3が旋回自在に搭載されている。この上部
旋回体3に、運転室4および伸縮自在なブーム55が搭
載されている。上記構成によると、不整地での走破性が
向上し、また接地性が良いので牽引力も大きくなる。こ
れにより、クレーン54の安定性が良くなり、作業性能
が向上する。
【0053】図19は、第2実施形態と同様のクローラ
装置20を有するくい打機56の側面図である。同図に
おいて、前部および後部にそれぞれ左右1対のクローラ
装置20,20を備えた車体2には、上部旋回体3が旋
回ベアリング34を介して旋回自在に搭載されている。
この上部旋回体3には、運転室4、エンジンルーム5お
よび作業機6が搭載されている。上記構成によると、軟
弱地および不整地での走破性が良好となり、高い牽引力
が得られると共に、接地性が良いので安定性が良く、作
業性能が向上する。また、安定性が良いのでアウトリガ
が不要となり、よって構造が簡単となり、安価に構成で
きる。
【0054】図20は、第1実施形態と同様のクローラ
装置10を有するモータスクレーパ60の側面図であ
る。同図において、トラクタ61のフレーム33(これ
は、車体2の一構成部品)の前部に運転室4およびエン
ジンルーム5が搭載されており、フレーム33の後部に
は左右1対のクローラ装置10,10が設けられてい
る。また、トラクタ61の後端部には、上下方向に回動
自在に、かつ、水平方向に屈折(アーティキュレート)
自在に土工機62が取着されており、この土工機62の
後部に左右1対のクローラ装置10,10が取着されて
いる。なお、操向は、トラクタ61と土工機62とのア
ーティキュレートにより行われる。上記構成によると、
不整地での走破性および走行安定性が良いので、作業性
能が向上する。また、ホイール式走行装置を有するモー
タスクレーパに比して接地圧が低いため軟弱地での走破
性も良く、牽引力も大きい。さらに、土工機62の上下
方向の変位が少ないので、整地性能が良好となる。
【0055】図21は、第1実施形態と同様のクローラ
装置10を有し、かつ、ホイール式走行装置も併せて有
するモータグレーダ45aの側面図である。本実施形態
においは、前記図13で示した実施形態のモータグレー
ダ45に対して、前端部の左右1対のクローラ装置10
A,10Aの代わりに左右1対のホイール式走行装置6
3,63を配設している。上記構成によると、不整地や
軟弱地での走破性および走行安定性が良く、また牽引力
が大きくなるので作業性能が向上する。さらに、前端部
のホイール式走行装置63,63の操向角を大きくする
ことができので、旋回半径を小さくすることが可能とな
る。
【0056】図22は、第2実施形態と同様のクローラ
装置20を有するフォークリフト50aの側面図であ
る。本実施形態では、前記図16で示した実施形態のフ
ォークリフト50に対して、後部のクローラ装置20,
20の代わりにホイール式走行装置63,63を配設し
ている。上記構成によると、不整地での走破性および走
行安定性が向上する。また、ホイール式走行装置63,
63の操向角を大きくすることができるので、旋回半径
を小さくすることができる。
【0057】図23は、第1実施形態と同様のクローラ
装置10を有する振動ローラ53aの側面図である。本
実施形態においては、前記図17で示した実施形態の振
動ローラ53に対して、後部の左右1対のクローラ装置
10,10の代わりにホイール式走行装置63,63を
配設している。上記構成によると、不整地での走破性お
よび走行安定性が良く、牽引力が大きいため作業性能が
向上する。また、操向時のホイール式走行装置63と地
面との抵抗が小さいので操向操作性が良好となり、また
乗り心地が向上する。
【0058】図24は、第1実施形態と同様のクローラ
装置10を有するモータスクレーパ60aの側面図であ
る。本実施形態においては、前記図20で示した実施形
態のモータスクレーパ60に対して、後部の左右1対の
クローラ装置10,10の代わりにホイール式走行装置
63,63を配設している。上記構成によると、不整地
での走破性および走行安定性が良いので、作業性能が向
上する。また、操向時のホイール式走行装置63と地面
との抵抗が小さいので、操向性能が向上する。
【0059】なお、以上説明した各実施形態において
は、クローラ装置10又はクローラ装置20をそれぞれ
取着した例を示しているが、本発明に係わるクローラ式
産業車両は上記のような実施形態に記載された構成に限
定されるものではなく、クローラ装置10又はクローラ
装置20で示したような前記4節リンク構造を有するク
ローラ装置を備えた産業車両であればよい。
【0060】また、上記で説明した履帯15のラグパタ
ーンに関しては、第2実施形態で示したクローラ装置2
0に限定するものでなく、第1実施形態で示したクロー
ラ装置10を備えた他の産業車両においても同様に構成
することができ、このとき、同様の作用及び効果を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係わるクローラ式産業
車両に用いられるクローラ装置の側面図である。
【図2】第1実施形態に用いられるクローラ装置の作動
説明図である。
【図3】第1実施形態に係わるクローラ式産業車両の側
面図である。
【図4】第2実施形態に係わるクローラ式産業車両に用
いられるクローラ装置の側面図である。
【図5】第2実施形態に係わるクローラ式産業車両の一
例の上部旋回式クローラダンプの側面図である。
【図6】図5のA−A断面図である。
【図7】図5のB視図である。
【図8】第2実施形態に係わるクローラ式産業車両の障
害物衝突時の説明図である。
【図9】第2実施形態に係わるクローラ式産業車両の障
害物乗り越え時の説明図である。
【図10】本発明に係わる他の実施形態を表わす固定式
クローラダンプの側面図である。
【図11】本発明に係わる他の実施形態を表わす油圧シ
ョベルの側面図である。
【図12】本発明に係わる他の実施形態を表わすブルド
ーザの側面図である。
【図13】本発明に係わる他の実施形態を表わすモータ
グレーダの側面図である。
【図14】本発明に係わる他の実施形態を表わす農業用
トラクタの側面図である。
【図15】本発明に係わる他の実施形態を表わすフォワ
ードの側面図である。
【図16】本発明に係わる他の実施形態を表わすフォー
クリフトの側面図である。
【図17】本発明に係わる他の実施形態を表わす振動ロ
ーラの側面図である。
【図18】本発明に係わる他の実施形態を表わすクレー
ンの側面図である。
【図19】本発明に係わる他の実施形態を表わすくい打
機の側面図である。
【図20】本発明に係わる他の実施形態を表わすモータ
スクレーパの側面図である。
【図21】本発明に係わる他の実施形態を表わすモータ
グレーダの側面図である。
【図22】本発明に係わる他の実施形態を表わすフォー
クリフトの側面図である。
【図23】本発明に係わる他の実施形態を表わす振動ロ
ーラの側面図である。
【図24】本発明に係わる他の実施形態を表わすモータ
スクレーパの側面図である。
【図25】従来技術に係わるクローラ装置を備えた産業
車両の側面図である。
【図26】図25のX−X断面図である。
【図27】従来に係わるクローラ式産業車両の障害物衝
突時の説明図である。
【符号の説明】
2…車体、3…上部旋回体、4…運転室、5…エンジン
ルーム、6…作業機、7…ブラケット、8…運転席、1
0…クローラ装置、11…スプロケット、12…トラッ
クフレーム、13,13a,13b…アイドラ、15…
履帯、16…第1リンク、16a,16b…連結ピン、
17…第2リンク、17a,17b…連結ピン、18…
ラグ、20…クローラ装置、22…リコイルスプリン
グ、30…上部旋回式クローラダンプ、34…旋回ベア
リング、37…イコライザバー、40…クローラダンプ
(固定式)、41…油圧ショベル、42…ブルドーザ、
45,45a…モータグレーダ、46…農業用トラク
タ、47…フォワード、50,50a…フォークリフ
ト、53,53a…振動ローラ、54…クレーン、56
…くい打機、60,60a…モータスクレーパ、63…
ホイール式走行装置、80…クローラ装置、81…ホイ
ールハブ、82…ベアリング。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動装置により回転駆動されるスプロケ
    ット(11)と、トラックフレーム(12)に回転自在に配設さ
    れたアイドラ(13)と、前記スプロケット(11)および前記
    アイドラ(13)に卷装された履帯(15)とを有するクローラ
    装置を、車体(2) の進行方向前後にそれぞれ左右1対ず
    つ備えたクローラ式産業車両において、前記クローラ装
    置(10,20) が、車体(2) に固設されたブラケット(7) の
    車両進行方向の前部、および、トラックフレーム(12)の
    略中央部の前寄りの間を、それぞれ連結ピン(16a) およ
    び連結ピン(16b) により前後方向に揺動自在に連結する
    第1リンク(16)と、前記ブラケット(7) の車両進行方向
    の後部、および、トラックフレーム(12)の略中央部の後
    寄りの間を、それぞれ連結ピン(17a) および連結ピン(1
    7b) により前後方向に揺動自在に連結する第2リンク(1
    7)とを有し、 前記連結ピン(16b) と連結ピン(17b) 間の距離(L2)を、
    前記連結ピン(16a) と連結ピン(17a) 間の距離(L1)より
    短くし、かつ、第1リンク(16)の中心線と第2リンク(1
    7)の中心線とのそれぞれの延長線の交点(P) が、第1リ
    ンク(16)および第2リンク(17)より下方に位置するよう
    にしたことを特徴とするクローラ式産業車両。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のクローラ式産業車両にお
    いて、 前記クローラ装置(20)は、アイドラ(13)をスプロケット
    (11)から離間する方向に付勢するリコイルスプリング(2
    2)を有するとともに、アイドラ(13)が車両進行方向の外
    側に、スプロケット(11)が車両進行方向の内側に配設さ
    れたことを特徴とするクローラ式産業車両。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のクローラ式産業車
    両において、 前記履帯(15)のラグ(18)のパターンは、車両進行方向に
    方向性を有するとともに、進行方向の前後に配設された
    クローラ装置(10,20) で前後対称であることを特徴とす
    るクローラ式産業車両。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載のクローラ式産
    業車両において、 前後にそれぞれ左右1対ずつ備えたクローラ装置(10,2
    0) のうち、前後いずれか一側の左右1対のクローラ装
    置(10,20) は操向可能とし、他側の左右1対のクローラ
    装置(10,20) はイコライザバー(37)により揺動自在とし
    たことを特徴とするクローラ式産業車両。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載のクローラ
    式産業車両において、前記クローラ式産業車両は、クロ
    ーラダンプ(30,40) 、油圧ショベル(41)、ブルドーザ(4
    2)、農業用トラクタ(46)、フォワード(47)、フォークリ
    フト(50)、振動ローラ(53)、クレーン(54)、くい打機(5
    6)またはモータスクレーパ(60)の内、いずれか1つの車
    両であることを特徴とするクローラ式産業車両。
  6. 【請求項6】 駆動装置により回転駆動されるスプロケ
    ット(11)と、トラックフレーム(12)に回転自在に配設さ
    れたアイドラ(13)と、前記スプロケット(11)および前記
    アイドラ(13)に卷装された履帯(15)とを有するクローラ
    装置を車体(2) に備えたクローラ式産業車両において、 車体(2) の進行方向の前部あるいは後部のいずれか一方
    に少なくとも1対の左右1対ずつのクローラ装置(10,2
    0) を、他方に左右1対のホイール式走行装置(63)をそ
    れぞれ備えると共に、このクローラ装置(10,20) は、車
    体(2) に固設されたブラケット(7) の車両進行方向の前
    部、および、トラックフレーム(12)の略中央部の前寄り
    の間を、それぞれ連結ピン(16a) および連結ピン(16b)
    により前後方向に揺動自在に連結する第1リンク(16)
    と、前記ブラケット(7) の車両進行方向の後部、およ
    び、トラックフレーム(12)の略中央部の後寄りの間を、
    それぞれ連結ピン(17a) および連結ピン(17b) により前
    後方向に揺動自在に連結する第2リンク(17)とを有し、 前記連結ピン(16b) と連結ピン(17b) 間の距離(L2)を、
    前記連結ピン(16a) と連結ピン(17a) 間の距離(L1)より
    短くし、かつ、第1リンク(16)の中心線と第2リンク(1
    7)の中心線とのそれぞれの延長線の交点(P) が、第1リ
    ンク(16)および第2リンク(17)より下方に位置するよう
    にしたことを特徴とするクローラ式産業車両。
  7. 【請求項7】 駆動装置により回転駆動されるスプロケ
    ット(11)と、トラックフレーム(12)に回転自在に配設さ
    れたアイドラ(13)と、前記スプロケット(11)および前記
    アイドラ(13)に卷装された履帯(15)とを有するクローラ
    装置を車体(2) に備えたクローラ式産業車両において、 車体(2) の進行方向の前部、中間部および後部にそれぞ
    れ左右1対ずつのクローラ装置(10,20) を備えると共
    に、 このクローラ装置(10,20) は、車体(2) に固設されたブ
    ラケット(7) の車両進行方向の前部、および、トラック
    フレーム(12)の略中央部の前寄りの間を、それぞれ連結
    ピン(16a) および連結ピン(16b) により前後方向に揺動
    自在に連結する第1リンク(16)と、前記ブラケット(7)
    の車両進行方向の後部、および、トラックフレーム(12)
    の略中央部の後寄りの間を、それぞれ連結ピン(17a) お
    よび連結ピン(17b) により前後方向に揺動自在に連結す
    る第2リンク(17)とを有し、 前記連結ピン(16b) と連結ピン(17b) 間の距離(L2)を、
    前記連結ピン(16a) と連結ピン(17a) 間の距離(L1)より
    短くし、かつ、第1リンク(16)の中心線と第2リンク(1
    7)の中心線とのそれぞれの延長線の交点(P) が、第1リ
    ンク(16)および第2リンク(17)より下方に位置するよう
    にしたことを特徴とするクローラ式産業車両。
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