JPH11289966A - 低塩低タンパクパン用組成物及びそれを用いたパンの製造方法 - Google Patents

低塩低タンパクパン用組成物及びそれを用いたパンの製造方法

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JPH11289966A
JPH11289966A JP9969498A JP9969498A JPH11289966A JP H11289966 A JPH11289966 A JP H11289966A JP 9969498 A JP9969498 A JP 9969498A JP 9969498 A JP9969498 A JP 9969498A JP H11289966 A JPH11289966 A JP H11289966A
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Mizuki Ito
美月 伊藤
Yutaka Wada
豊 和田
Masatoshi Hosogoe
政敏 細越
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特に腎臓病患者向けなどの低塩低タンパクパン
製造用の組成物、及びこの組成物を用いて、ソフトで食
感の良好な低塩低タンパクパンを製造する方法を提供す
る。 【解決手段】澱粉40〜60重量%を含有するタンパク
質含量が5〜8重量%の小麦粉組成物100重量部に対
し、糖類3〜30重量部及び澱粉分解物5〜50重量部
を配合してなる低塩低タンパクパン用組成物、並びにこ
の組成物と、上記小麦粉組成物100重量部当たり、油
脂5〜30重量部及び食塩0.4〜1.2重量部とを用
い、パンを製造する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な低塩低タンパ
クパン用組成物及びそれを用いたパンの製造方法に関す
る。さらに詳しくは、本発明は、特に腎臓病患者向け
や、その他低塩低タンパク食品を必要とする患者向けの
低塩低タンパクパン製造用の組成物、及びこの組成物を
用いて、ソフトで食感の良好な低塩低タンパクパンを製
造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、腎臓病の原因が解明されていない
ため、その治療法として主に食事療法が行われている。
腎臓病患者はその病状から低タンパク低ナトリウム、ま
た腎不全の場合には低カリウムの食事を強いられてい
る。しかし、腎臓病の食事療法である食事制限は難し
く、また腎臓病患者は在宅患者が多いことからも、手軽
に食事制限のできる食品が望まれている。従来の腎臓病
患者向けの食品は、タンパク質含量を抑えてエネルギー
を高めたデザート的なものが多く、そのため甘味が強く
常食とするには困難があった。したがって、甘味を抑え
飽きのこない淡白な食品、特に主食として摂取可能な低
タンパク、低ナトリウム、低カリウムの食品が求められ
ており、中でも主食としての低塩低タンパクの食パン、
テーブルパンなどの提供が要望されている。一般に、パ
ンの主原料である小麦粉はタンパク質含量の多少によ
り、強力粉(タンパク質12.0重量%程度)、中力粉
(タンパク質8.0〜10.0重量%程度)、薄力粉(タ
ンパク質7.0〜9.5重量%程度)に分けられるが、主
に強力粉はパン用に、中力粉は麺類に、薄力粉は菓子類
に使用される。通常、市販されている食パン、テーブル
パンなどの製造にはパン用小麦粉である強力粉が使用さ
れているが、その含有タンパク質量は、一般に11.5
〜12.5重量%であり、この小麦粉を主原料として製
造されたパンの含有タンパク質量は、8.0〜10.0重
量%程度となる。また、通常のパンでは小麦粉組成物1
00重量部に対して、食塩は2.0〜2.5重量部程度添
加するため、腎臓病患者のように低タンパク低ナトリウ
ム食を必要とする場合には不適切であり、食するパンの
量も制限されていた。また、乳化剤などの食品添加物の
添加は、なるべく控えることが望ましい。従来の低タン
パクパンは、主として澱粉を含有させた低タンパクの小
麦粉組成物、又は含有タンパク質の量を調整した薄力粉
のみを主原料として製造されていた。例えば、特開平5
−7448号公報には、小麦粉に澱粉を配合してなる低
タンパクパン用穀粉組成物が開示されている。しかしな
がら、このようにして製造されたパンは、比容積が小さ
い上、内層が粗く、大きな穴が生じたり、あるいは外層
においても、滑らかさがなく、ひび割れが生じ、食感も
重く口どけが悪いなどの問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、通常のパンと同様の比容積があり、かつ
ソフトで食感の良好な低塩低タンパクパンを製造するた
めの組成物、及びこの組成物を用いて上記の品質の良好
な低塩低タンパクパンを製造する方法を提供することを
目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、澱粉を特定の
割合で含有する低タンパク質含量の小麦粉組成物に、糖
類及び澱粉分解物を、それぞれ特定の割合で配合した組
成物と、油脂及び食塩とを、それぞれ所定の割合で用
い、製パンすることにより、低タンパクであるために、
引き起こされる、パンの比容積の低下、内層や外層の荒
れ、パン表面のひび割れなどを、乳化剤などの食品添加
物を用いることなしに防止することができ、低タンパク
及び低塩でありながら、通常のパンと同様の比容積を有
し、かつソフトで食感の良いパンが得られ、その目的を
達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)澱粉4
0〜60重量%を含有し、かつタンパク質の含有量が5
〜8重量%の小麦粉組成物100重量部に対し、糖類3
〜30重量部及び澱粉分解物5〜50重量部を配合して
なる低塩低タンパクパン用組成物、及び(2)第(1)
項記載の低塩低タンパクパン用組成物と、その中の小麦
粉組成物100重量部当たり、油脂5〜30重量部及び
食塩0.4〜1.2重量部とを用い、製パンすることを特
徴とするパンの製造方法、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の低塩低タンパクパン用組
成物は、澱粉含有小麦粉組成物に、糖類及び澱粉分解物
を配合したものであって、上記澱粉としては特に制限は
なく、例えば小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、
タピオカ澱粉など、従来食品原料として慣用されている
澱粉の中から、適宣1種又は2種以上を選択して用いる
ことができるが、特に小麦澱粉が好適である。本発明に
おいては、この澱粉は、小麦粉組成物中に40〜60重
量%の割合で含有することが必要である。この澱粉の含
有量が40重量%未満では、所望の低タンパク質含量の
パンが得られないし、60重量%を超えるとソフトで食
感のよいパンが得られにくい。また、澱粉を上記範囲で
含有する小麦粉組成物としては、タンパク質含有量5〜
8重量%のものが用いられる。一方、澱粉分解物として
は、特に制限はなく、例えば小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、コ
ーンスターチ、タピオカ澱粉など、通常の食品原料とし
て使用される澱粉を、従来公知の方法により加水分解処
理し、脱塩、脱色したのち、ろ過して濃縮後、乾燥させ
たものなどを用いることができる。このような澱粉分解
物は、未処理の澱粉に比較し、低温でも速やかに水に溶
解して、低粘度の溶液となり、かつ風味への影響も少な
く、消化性の良いものとなる上、油脂や香料など、水に
溶けない物質の吸着性が良く、分散性も向上する。この
ような澱粉分解物を用いることにより、パンにボリュー
ムを付与し、ソフトな食感と内層のきめの向上及びパン
焼成時の釜伸びを促進する効果が発揮される。本発明に
おいては、この澱粉分解物は1種用いてもよいし、2種
以上を組み合わせて用いてもよく、また、配合量は、前
記小麦粉組成物100重量部に対し、5〜50重量部の
範囲で選ばれる。この量が5重量部未満では硬くてボリ
ュームのないパンとなるし、50重量部を超えるとパン
内層のきめが詰まりすぎ、重い食感となる。得られるパ
ンのボリューム、食感及び内層のきめなどを考慮する
と、この澱粉分解物の好ましい配合量は10〜40重量
部の範囲である。
【0006】さらに、糖類としては、通常使用されてい
る上白糖で十分であるが、ナトリウムやカリウムを更に
抑えたい場合には、上白糖に比較し、ナトリウム、カリ
ウムの含量が少ない、例えば、粉飴、結晶性ブドウ糖、
グラニュー糖などでも代用できる。糖類はパンの出来上
がりに直接影響を及ぼす重要な原料である。製パンにお
いて糖類を使用することにより酵母の栄養源となり、パ
ンの色付けと風味を向上させ、甘味をつけるとともに、
老化防止にもなる。本発明においては、この糖類は1種
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
く、また、その配合量は、前記小麦粉組成物100重量
部に対して、3〜30重量部の範囲で選ばれる。この量
が3重量部未満では得られるパンのソフト感が劣り、か
つ内層が粗くなるし、30重量部を超えると甘味が強く
なりすぎる。パンのソフト感、内層のきめ及び食味など
を考慮すると、この糖類の好ましい配合量は、5〜25
重量部の範囲である。このようにして、本発明の低塩低
タンパクパン用組成物が得られる。次に、本発明のパン
の製造方法においては、前記低塩低タンパクパン用組成
物と油脂と食塩とを用い、製パンが行われる。ここで、
油脂としては特に制限はなく、従来食用油脂として慣用
されている動植物油脂、例えば大豆油、なたね油、コー
ン油、パーム油、バター、牛脂、豚脂及びこれらの配合
油、分別油、硬化油、エステル交換油などを配合した練
り込み用マーガリンなどを用いることができるが、腎臓
病患者に対しては、その病状から、ナトリウムやカリウ
ムの摂取を制限される場合もあることから、ナトリウム
及びカリウムの含量が少ない無塩バター又は無塩マーガ
リン、若しくはタンパク質を含まないショートニングを
用いることが望ましい。この油脂を使用することによ
り、パンに風味を与え、食感を改善し、生地の伸張性を
増し、ガス保持力を改善しパンの容積を大きくする上、
老化を遅らせ、保存性を高めることができる。
【0007】本発明においては、この油脂は1種用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、ま
た、その使用量は、低塩低タンパクパン用組成物中の小
麦粉組成物100重量部当たり、5〜30重量部の範囲
である。この量が5重量部未満では得られるパンは硬い
食感となるし、30重量部を超えると油っこさが強くな
る。パンの食感及び油っこさなどを考慮すると、この油
脂の好ましい使用量は10〜20重量部の範囲である。
なお、高エネルギーを必要とする場合には、粉末油脂を
使用することができる。一方、食塩は、パンに適度の塩
味を与え、グルテンを引き締めるとともに、発酵速度を
抑制し、かつ生地の変敗をある程度抑制する上、内層を
白くするなどの目的で用いられる。本発明においては、
この食塩の使用量は、低塩低タンパクパン用組成物中の
小麦粉組成物100重量部当たり、0.4〜1.2重量部
の範囲である。この量は、通常の製パン時の1/2以下
である。食塩の量が0.4重量部未満ではパンの比容積
が小さくなり、かつ内層、外層共に粗く食感も悪くなる
し、1.2重量部を超えるとパン中のナトリウムやカリ
ウムの含有量が多くなり、これらの摂取を制限されてい
る腎臓病患者などに対しては不適切となる。パンの比容
積、食感及びナトリウムやカリウムの含有量などを考慮
すると、この食感の好ましい使用量は、0.5〜1.0重
量部の範囲である。
【0008】また、本発明のパンの製造方法における前
記配合物を、冷凍生地又は冷凍パンとして使用すること
もできる。本発明においては、前記成分以外にも必要に
応じ微量栄養素であるビタミン類、カルシウム、鉄など
を配合してもよいし、さらに果汁、野菜なども配合する
ことができる。本発明のパンの製造方法においては、従
来から知られているストレート法や中種法を用いること
ができる。ストレート法は、小麦粉、副原料及び水の全
てを同時に加えてミキシングし、生地を作る方法であ
る。一方、中種法は、小麦粉の一部に酵母の全量と砂糖
と水を加え混合し、中種を作り発酵させ、この発酵生地
に残りの小麦粉、その他の原材料及び適量の水を加えて
本ごねを行い、生地を作る方法である。このようにし
て、通常のパンと同様の比容積を有し、かつソフトで食
感が良好である上、製パン性能のよい低塩低タンパクパ
ンが得られる。本発明において対象とするパンは、例え
ば食パン、テーブルパンのような主食又は準主食として
食用に供するパンである。この低塩低タンパクパンは、
最終製品としてのタンパク質含有量は3〜4重量%程度
であり、また食塩含有量は0.2〜1.0重量%程度であ
る。すなわち、タンパク質含有量は、通常の食パンの5
0重量%程度、ロールパンの45重量%程度である。ま
た、ナトリウムやカリウムについても、食塩を小麦粉組
成物100重量部当たり、1.0重量部の割合で添加し
た場合、ナトリウム含有量は、通常の食パンの約40重
量%程度、またカリウム含有量は約50重量%程度とな
り、腎臓病患者などの低塩低タンパク食を必要とする場
合の食品として、望ましいものとなる。
【0009】
【実施例】次に、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定
されるものではない。 実施例1 第1表に示す材料を用い、以下のストレート法により、
ロールパンを製造した。主原料である小麦粉組成物は、
パン用小麦粉(タンパク質含量11.5重量%)50重
量部に、小麦澱粉50重量部を加え均一に混合し、10
0重量部としてタンパク質含量を5.8重量%としたも
のである。この小麦粉組成物及び砂糖、イースト、食
塩、水をミキサーに投入し、低速2分間、中高速7分間
混練し、ショートニングを加え低速2分間、中高速3分
間混練後、澱粉分解物を加え、さらに低速1分間、中高
速1分間混練した。この際のこね上げ温度は27℃であ
った。次に、この生地をフロアタイム30分間とり、3
5gに分割し、次いで丸めを行い、20分間のベンチタ
イムの後、成形を行い、36℃湿度80%でおよそ60
分間のホイロを取り、180℃で20分間焼成を行い、
低タンパクパン(ロールパン)を得た。このロールパン
は、食塩含有量が0.6重量%(配合より算出、以下同
様)、タンパク質含有量が3.8重量%(マクロケルダ
ール法により、粗タンパク質を測定、以下同様)であっ
た。また、下記の評価法により、パンの諸性質を評価し
た。結果を第2表に示す。 <パンの諸性質の評価法>10人のパネラーによる官能
評価を、次の項目と基準で行った。 (1)風味・食感 10人のパネラーが食して風味食感を評価した。 (2)外観 パンをパン切りナイフで切り、パンの内層及び外層を目
視により判断した。 (3)弾力性 ○:弾力性あり。 ×:弾力性なし。 (4)総合評価 ○:8人以上が良好と評価した。 △:4〜7人が良好と評価した。 ×:7人以上が不良と評価した。 比較例1、2 第1表に示す材料を用いて生地を調製し、実施例1に準
じてロールパンを製造した。このロールパンは、食塩含
有量が、それぞれ0.6重量%であり、タンパク質含有
量が、比較例1では3.0重量%、比較例2では5.8重
量%であった。また、実施例1と同様にしてパンの諸性
質を評価した。結果を第2表に示す。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】第2表から明らかなように、パン用小麦粉
50重量部に、小麦デンプン50重量部を加えてなる小
麦粉組成物を配合した本発明の実施例1は、しっとりと
して弾力性もあり、パンらしい引きが感じられ、風味も
良好であった。また、外層も滑らかで肌切れが見られ
ず、パン底の状態も良好であった。内層においても、き
めが均一でパンらしく目が立っていた。一方、パン用小
麦粉30重量部に、小麦デンプン70重量部を加えてな
る小麦粉組成物を配合した比較例1では、ボリュームが
なく、ぼそぼそとした食感となり、外層も肌切れがひど
く、パン底にはくぼみが見られた。内層のきめも粗く、
大きな穴が目立ち、層璧も厚いものとなった。また、パ
ン用小麦粉70重量部に、小麦澱粉30重量部を加えて
なる小麦粉組成物を配合した比較例2では、ボリューム
も良好で、しっとりとして弾力性もあり、風味食感とも
に良好で、外層も滑らかで肌切れが見られず、パン底の
状態も良好であった。また、内層もきめが細かく均一に
揃っており、非常に状態の良いパンが得られた。しか
し、タンパク質含量が5.8重量%と高く、腎臓病患者
など低タンパク食品を必要としている患者向けの食品と
しては不向きである。 実施例2 第3表に示す材料のうち、中種用の材料をミキサーに投
入し、低速2分間、中高速2分間混練した。得られた中
種生地を27℃湿度75%で2時間発酵させた。さら
に、前記中種生地と第3表に示す本ごね材料(ショート
ニングと澱粉分解物を除く)をミキサーに投入し、低速
2分間、中高速7分間混練し、ショートニングを加え、
さらに低速2分間、中低速3分間混練したのち、澱粉分
解物を加え、低速1分間、中高速1分間混練した。この
際のこね上げ温度は28℃であった。次にこの生地をフ
ロアタイム30分間とり、35gに分割し、次いで丸め
を行い20分間のベンチタイムの後、成形を行い、38
℃湿度85%でおよそ60分間のホイロをとり、180
℃で20分間の焼成を行い、低タンパクパン(ロールパ
ン)を得た。このロールパンは、食塩含有量が0.6重
量%、タンパク質含有量が3.8重量%であった。ま
た、実施例1と同様にしてパンの諸性質を評価した。結
果を第4表に示す。 比較例3、4 第3表に示す材料を用いて生地を調製し、実施例2に準
じて中種法によるロールパンを製造した。このロールパ
ンは、食塩含有量が、それぞれ0.6重量%であり、タ
ンパク質含有量が、比較例3では3.0重量%、比較例
4では5.8重量%であった。また、実施例1と同様に
してパンの諸性質を評価した。結果を第4表に示す。
【0013】
【表3】
【0014】
【表4】
【0015】第4表から明らかなように、パン用小麦粉
50重量部に、小麦澱粉50重量部を加えてなる小麦粉
組成物を配合した本発明の実施例2は、しっとりとして
弾力性もあり、パンらしい引きが感じられ、風味も良好
であった。また、外層も滑らかで肌切れが見られず、パ
ン底の状態も良好であった。内層においても、きめが均
一でパンらしく目が立っていた。一方、パン用小麦粉3
0重量部に、小麦澱粉70重量部を加えてなる小麦粉組
成物を配合した比較例3では、ボリュームがなく、ほそ
ぼそとした食感となり、外層も肌切れがひどく、パン底
にはくぼみが見られた、内層もきめが粗く、大きな穴が
目立ち、層壁も厚い物となった。また、パン用小麦粉7
0重量部に、小麦澱粉30重量部を加えてなる小麦粉組
成物を配合した比較例4では、ボリュームも良好で、し
っとりとして弾力性もあり、風味食感ともに良好で、外
層も滑らかで肌切れが見られず、パン底の状態も良好で
あった。また、内層もきめが細かく均一に揃っており、
非常に状態の良いパンが得られた。しかし、タンパク質
含量が5.8重量%と高く、腎臓病患者など低タンパク
食品を必要としている患者向けの食品としては不向きで
ある。 実施例3及び比較例5、6 実施例2において、各材料の配合量を第5表に示すよう
に変えた以外は、実施例2と同様にしてロールパンを製
造した。これらのロールパンについて、実施例1と同様
に諸性質を評価した。結果を第6表に示す。
【0016】
【表5】
【0017】
【表6】
【0018】第6表からも明らかなように、食塩の添加
量が1.0重量部のものは、風味、食感、製パン性能と
もに良好であった。食塩の添加量が0.3重量部のもの
(比較例5)は、食感が硬く、ボリュームもなく、内層
のきめも粗く、外層には肌切れが目立つものとなった。
食塩の添加量を2.0重量部としたもの(比較例6)
は、製パン性能、ボリューム、風味食感ともに良好であ
り、内層のきめも細かく均等であり、外層も滑らかなも
のとなった。しかし、比較例6においては、塩味をやや
強く感じナトリウム含量も高くなり、腎臓病患者など低
ナトリウムを必要としている患者向けの食品としては不
向きである。 実施例4及び比較例7、8 実施例2において、各材料の配合量を第7表に示すよう
に変えた以外は、実施例2と同様にしてロールパンを製
造した。これらのロールパンについて、実施例1と同様
に諸性質を評価した。結果を第8表に示す。
【0019】
【表7】
【0020】
【表8】
【0021】第8表からも明らかなように、油脂(ショ
ートニング)を30重量部添加したものは、ボリューム
もあり、パンらしい引きが感じられ、風味食感及び製パ
ン性能ともに良好であった。一方、油脂の添加量3重量
部のもの(比較例7)は、ソフト感があり風味はほぼ良
好であるが、内層のきめがやや粗く、大きさにばらつき
がみられた。また、外層においてもやや肌切れが目立つ
ものとなった。油脂の添加量が35重量部のもの(比較
例8)は、ボリュームがなく、やや油っぽさの残る食感
となり、内層のきめも粗く大きな穴がみられた。 実施例5及び比較例9、10 実施例2において、各材料の配合量を第9表に示すよう
に変えた以外は、実施例2と同様にしてロールパンを製
造した。これらのロールパンについて、実施例1と同様
に諸性質を評価した。結果を第10表に示す。
【0022】
【表9】
【0023】
【表10】
【0024】第10表からも明らかなように、澱粉分解
物を20重量部添加したものはボリュームがあり、パン
らしい引きが感じられ、内層のきめも細かく均一で、外
層も滑らかであった。一方、澱粉分解物を5重量部添加
したもの(比較例9)は、ボリュームがなく、食感も硬
く、内層のきめも粗く大きな穴が目立った。外層にも滑
らかさがみられなかった。また、澱粉分解物の添加量が
45重量部のもの(比較例10)は、ボリュームは良
く、引きも感じられ、内層のきめも細かく均一であった
が、きめが詰まりすぎ、硬い食感となった。 実施例6及び比較例11、12 実施例2において、各材料の配合量を第11表に示すよ
うに変えた以外は、実施例2と同様にしてロールパンを
製造した。これらのロールパンについて、実施例1と同
様に諸性質を評価した。結果を第12表に示す。
【0025】
【表11】
【0026】
【表12】
【0027】第12表からも明らかなように、糖類(砂
糖)を5重量部添加したものは、ボリュームもあり、ソ
フトな食感となった。また、内層のきめも細かく均一で
あり、層壁も薄く透明感もみられた。外層においても肌
切れがみられず、滑らかであった。糖類を2重量部添加
したもの(比較例11)は、食感が硬く、内層のきめも
粗く大きさにバラツキがあり、大きな穴も見られた。ま
た、糖類を35重量部添加したもの(比較例12)は、
ソフトでしっとりとした食感だが、甘みを強く感じ、内
層に大きな穴が見られた。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、パンの含有タンパク質
を市販のパンの半分以下である4.0重量%以下にする
ことができ、また、製パン性能を低下させることなく、
食塩の添加量も1重量%以下にまで削減することが可能
である。さらに、低塩低タンパクパンでありながらも、
乳化剤を使用せずに、通常のパンと同様の比容積を有
し、かつソフトで食感の良いパンを得ることができる。
本発明で得られた低塩低タンパクパンは、タンパク質、
ナトリウム及びカリウムの摂取を制限される、腎臓病患
者向けの低タンパク低ナトリウム低カリウム食品として
有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】澱粉40〜60重量%を含有し、かつタン
    パク質の含有量が5〜8重量%の小麦粉組成物100重
    量部に対し、糖類3〜30重量部及び澱粉分解物5〜5
    0重量部を配合してなる低塩低タンパクパン用組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の低塩低タンパクパン用組成
    物と、その中の小麦粉組成物100重量部当たり、油脂
    5〜30重量部及び食塩0.4〜1.2重量部とを用い、
    製パンすることを特徴とするパンの製造方法。
JP9969498A 1998-04-10 1998-04-10 低塩低タンパクパン用組成物及びそれを用いたパンの製造方法 Pending JPH11289966A (ja)

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JP9969498A JPH11289966A (ja) 1998-04-10 1998-04-10 低塩低タンパクパン用組成物及びそれを用いたパンの製造方法

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