JPH1128854A - 孔版印刷装置 - Google Patents

孔版印刷装置

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JPH1128854A
JPH1128854A JP18538697A JP18538697A JPH1128854A JP H1128854 A JPH1128854 A JP H1128854A JP 18538697 A JP18538697 A JP 18538697A JP 18538697 A JP18538697 A JP 18538697A JP H1128854 A JPH1128854 A JP H1128854A
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paper
cylinder
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JP18538697A
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English (en)
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Yoshihiko Kudo
芳彦 工藤
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Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一台の装置で、両面同時印刷、片面印刷、一
工程多色印刷が全てできるようにして使用性の向上を図
る。 【解決手段】 第1の版胴201と第2の版胴601の
間における転写胴700に、印刷用紙Sを挟持するクラ
ンプ機構700Cを設けるとともに、転写胴700の近
傍に、印刷モードに応じてクランプ機構700Cを開閉
する第1のカム部材710と第2のカム部材720を設
け、第1のカム部材710は給紙タイミングに対してク
ランプ機構700Cを閉じる位置と開く位置の二つの位
置を選択的に取るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、穿孔製版された孔
版印刷用原紙(以下「マスタ」という)を多孔性円筒状
の版胴の外周面に巻装し、マスタの穿孔部からインキを
滲出させ、該インキを印刷用紙に転移させることによっ
て印刷画像を転写する方式の孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、簡便な印刷方式として、デジ
タル式感熱孔版印刷が知られている。これは、原稿画像
の読み取り情報に基づいてサーマルヘッド等により溶融
穿孔されたマスタを、多孔性円筒状の版胴の外周面に巻
装した後、版胴内部に配置されたインキ供給機構により
インキを供給するとともに、該インキをマスタの穿孔部
より滲出させ、印刷用紙に転移させることにより印刷画
像を転写するものである。この孔版印刷において、近
年、印刷用紙の節約やファイルの増大防止等の理由か
ら、印刷用紙の両面に印刷を行う両面印刷が増加の傾向
にある。この両面印刷は、一旦印刷した印刷用紙を裏返
して再度給紙することによって得られるわけであるが、
印刷用紙を再給紙するための手順が面倒であるという問
題があった。また、印刷終了後の印刷物は、インキが十
分に乾燥していないため、すぐに裏面に印刷しようとす
ると、給紙経路における搬送ローラやプレスローラ等が
この乾燥不十分な画像部に押し付けられ、印刷画像が汚
れたり不鮮明になったりする。このため、大抵の場合、
印刷用紙の表面への印刷が終了して数時間以上経過して
から裏面への印刷を行っていた。特に、インキ量の多い
いわゆるベタ画像部がある場合には、長時間乾燥させる
ことが必要であるため、翌日になってから裏面への印刷
が行われていた。
【0003】このように、両面印刷は裏面に印刷を行う
まで長時間待たねばならず、しかも2回の給紙を行うの
で、正味の印刷時間においても片面印刷に比べて2倍の
時間を要し、時間がかかりすぎるという問題があった。
【0004】この両面印刷の時間的問題を解消するもの
として、例えば、特開平6−71996号公報や特開平
8−118774号公報記載の孔版印刷装置が知られて
いる。特開平6−71996号公報記載の孔版印刷装置
は、図14に示すように、内部にインキローラ1000
等を備えるとともに外周面にマスタを挟持するクランパ
1001を備えた版胴1003と1004を対向配置す
る構成となっている。版胴1004は版胴1003に対
して接離自在となっており、印刷用紙1005の表裏面
に対応する製版済みマスタをそれぞれの版胴に巻装した
状態で版胴1004が版胴1003に押圧され、印刷用
紙1005の両面に同時に印刷がなされる。印刷済みの
印刷用紙1005aは排紙部1006へ排出される。な
お、いずれか一方の版胴に未製版のマスタを巻装して両
面印刷と同様の動作を行うこととすれば、片面印刷が可
能となる。
【0005】特開平8−118774号公報記載の孔版
印刷装置は、図15に示すように、版胴1003と10
04の間に転写胴1007を設けるとともに、この転写
胴1007に対して各版胴1003と1004を接離自
在に設ける構成となっている。版胴1003のインキ画
像が転写胴1007に転写され、その後、版胴1004
と転写胴1007との間で両面同時印刷を行うものであ
る。特開平6−71996号公報記載の孔版印刷装置で
は、連続印刷を行う場合、排出済みの印刷用紙の最上面
に、未だインキの乾燥が十分でない印刷用紙の裏面画像
が重なるため、オフセット現象等により画像汚れを生じ
るという問題があるが、この転写胴1007を用いた間
接転写方式によれば、インキの乾燥工程を確保できるの
で、上記画像汚れの問題を解消できるという利点があ
る。また、特開平8−118774号公報記載の孔版印
刷装置の場合にも、転写胴1007にインキ画像を転写
することなく版胴1004との間で上記と同様の動作を
行うことにより片面印刷が可能となる。
【0006】また、従来において、チラシ等を印刷する
場合等、一枚の印刷用紙に単色のみならず多色刷り印刷
を行いたい場合には、複数色の版胴をそれぞれ用意し、
一色目の印刷を行った後インキを十分に乾燥させ、その
後版胴を交換して再給紙することによって多色印刷を行
っていた。このため、多色印刷の場合にも両面印刷の場
合と同様に、時間がかかりすぎるという問題があった。
【0007】多色印刷における時間的問題を解消するも
のとして、例えば特開平4−329175号公報記載の
多色刷り印刷装置が知られている。これは、図16に示
すように、外周面に印刷用紙1005の先端部を挟持す
るクランパ1008を備えた印刷胴1009の周りに、
色の異なる複数の版胴1010、1011を配置すると
ともにこれらの版胴1010、1011を印刷胴100
9に対して接離自在に設ける構成となっている。印刷用
紙1005を巻装した印刷胴1009の1回転中に版胴
1010、1011を連続的に接離させることにより、
一工程で多色印刷物を得ることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記3例の
従来技術において、再給紙せずに、すなわち、時間をか
けずにできる印刷の形態は、表1に示す通りである。
【0009】
【表1】
【0010】近年においては、一台の装置にて、片面印
刷、両面同時印刷、一工程多色印刷を行いたいというユ
ーザ側のニーズが高まっているが、表1から明らかなよ
うに、従来のものではこれらの印刷モードを全て可能に
するものは無く、ユーザニーズに十分に対応しきれない
現状にあった。
【0011】そこで、本発明は、同一の構成で片面印
刷、両面同時印刷、一工程多色印刷の全ての印刷モード
を可能とする孔版印刷装置の提供を、その目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来個別に存
在していた転写胴と、多色印刷における印刷胴の概念を
融合して転写胴に印刷用紙のクランプ機能を付与し、更
に、印刷モードに応じてその必要性が変化する転写胴の
クランプ機構の開閉を、複雑な電気的制御によることな
く簡単な機械的構成により低コストで行うことを狙った
ものである。具体的には、請求項1記載の発明では、孔
版印刷用原紙を版胴の外周面に巻装した後、上記孔版印
刷用原紙からインキを滲出させ、該インキを給紙部より
供給される印刷用紙に転移させることによって印刷画像
を転写し、該印刷用紙を排紙部へ排出する孔版印刷装置
であって、第1及び第2の版胴と、上記第1の版胴と第
2の版胴の間において上記印刷用紙の版胴に接する面と
反対側の面に対向する位置に配置され、上記第1及び第
2の版胴と同じ周速度で回転する転写胴と、を備え、上
記第1の版胴と第2の版胴は上記転写胴に対してそれぞ
れ接離自在に設けられている孔版印刷装置において、上
記転写胴には上記印刷用紙の供給方向先端部を挟持する
クランプ機構が設けられ、該転写胴の近傍には該クラン
プ機構を印刷モードに応じて開閉するクランプ開閉部材
が設けられている、という構成を採っている。
【0013】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
構成において、上記クランプ機構には接触子が備えら
れ、上記クランプ開閉部材は上記接触子を案内して上記
クランプ機構を開閉するカム部材である、という構成を
採っている。
【0014】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
構成において、上記カム部材は、上記印刷用紙の供給側
に位置する第1のカム部材と、所定の印刷モードにおい
て上記印刷用紙を開放する側に位置する第2のカム部材
とからなり、上記第1のカム部材は給紙タイミングに対
して上記クランプ機構を閉じる位置と開く位置とを選択
的に取り得るように設けられている、という構成を採っ
ている。
【0015】請求項4記載の発明では、請求項3記載の
構成において、上記第1のカム部材を上記クランプ機構
を閉じる位置又は開く位置に移動させる駆動部材が備え
られているとともに、該駆動部材を印刷モードの入力に
応じて制御する制御手段が備えられている、という構成
を採っている。
【0016】請求項5記載の発明では、請求項1,2記
載の構成において、上記排紙部を給紙経路の最終位置と
して共用する複数の給紙部が設けられ、印刷モードに応
じて上記各給紙部を使い分ける、という構成を採ってい
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図に基づいて説明
する。図1は、本実施例における孔版印刷装置の全体構
成を示す概要図である。図1において、孔版印刷装置1
は、大別して、第1製版部100、第1印刷部200、
給紙部300、第1排紙部400、第2製版部500、
第2印刷部600、転写胴700及び第2排紙部900
とから構成されている。
【0018】第1製版部100には、マスタ101が備
えられている。このマスタ101は、1〜2μm程度の
薄い熱可塑性樹脂フィルムに対して、多孔質支持体とな
る和紙あるいは合成繊維、もしくはこれら両材料を混紗
したものを貼り付けてなるラミネート構造を有してい
る。マスタ101は、芯材101Aにロール状に巻かれ
ており、順次繰り出すことができるようになっている。
ロール状態から繰り出されたマスタ101は、サーマル
ヘッド102に対してプラテンローラ103によって押
圧され、サーマルヘッド102の発熱素子の選択的な発
熱により、主走査方向、副走査方向の領域で穿孔され
る。この場合の主走査方向はプラテンローラ103の軸
方向に相当し、副走査方向は主走査方向と直角な方向に
相当している。このため、プラテンローラ103は、単
にマスタ101をサーマルヘッド102に向けて押圧す
るだけでなく、マスタ101を副走査方向に繰り出す向
きに回転できるようになっている。穿孔処理、すなわち
製版が終了したマスタ101は、カッター104により
必要長さに裁断され、ガイド部材105を介して第1の
版胴201に向けて搬送される。
【0019】第1印刷部200は、多孔性円筒状の第1
の版胴201と、この第1の版胴201の内部に配置さ
れたインキ供給機構202をその要部として備えてい
る。第1の版胴201は、回転軸201Aを中心にして
図示矢印方向に回転可能であり、その周面には一部を除
いて多数の穿孔部が形成されている。そしてその表面に
は、図示しないが、合成繊維からなる薄肉のメッシュス
クリーンが貼り付けられている。このメッシュスクリー
ンの材料としては金属を用いることも可能である。第1
の版胴201の周面のうちで穿孔がされていない箇所に
は、マスタ101の先端を載置するための磁性体からな
るステージ203と、このステージ203に対して接離
自在であり、磁石を有するクランパ204が設けられて
いる。この構成により、マスタ101は、その先端をス
テージ203上に載置した状態でクランパ204により
挟持されて固定されるようになっている。
【0020】インキ供給機構202は、インキローラ2
05と、ドクターローラ206とで主に構成されてい
る。インキローラ205は、第1の版胴201の回転軸
201Aの下方であって後述する転写胴700と対向す
る位置に配置されており、図示矢印方向に回転する金属
ローラとしてなる。このインキローラ205は、第1の
版胴201の内周面に当接しながら該第1の版胴201
の周速度よりも僅かに遅い周速度で回転し、ドクターロ
ーラ206によって担持量を規定されたインキを、第1
の版胴201及びメッシュスクリーンの穿孔部に供給す
るようになっている。ドクターローラ206によって担
持量を規定されるインキは、回転軸201Aに形成され
た吐出口からインキ溜まり部207に滴下させられるよ
うになっている。また、インキローラ205は、転写胴
700と対向する位置に配置されていることにより、第
1の版胴201が印刷時に転写胴700に当接した際の
変形を防止するバックアップローラとしても機能するよ
うになっている。
【0021】第1の版胴201は、図2に示す進退機構
によって印刷用紙Sの搬送路に対して進退可能、すなわ
ち、転写胴700に対して接離自在に設けられている。
進退機構は、版胴移動アーム206を備えている。版胴
移動アーム206は、印刷装置本体の不動部に支持され
ている支軸206Aを支点として印刷用紙Sの搬送路に
進出する位置と、その搬送路から退避する位置とに揺動
することができる部材であり、退避位置にあるときには
揺動側の先端に位置するアームストッパ207に係止さ
れるようになっている。アームストッパ207は揺動可
能なアームであり、その揺動端近傍に連結されたアクチ
ュエータ208Aを有するソレノイド208によって版
胴移動アーム206の揺動側先端に対して係脱できるよ
うになっている。ソレノイド208のアクチュエータ2
08Aはリターンバネ209によって常時突出するよう
になっており、これによってアームストッパ207は版
胴移動アーム206の揺動側先端に常時係合可能となっ
ている。給紙部300から繰り出される印刷用紙Sの搬
送方向における第1の版胴201の上流側に配置されて
いる印刷用紙検出センサPからの信号によってソレノイ
ド208が動作すると、アームストッパ207と版胴移
動アーム206の揺動側先端との係合が解除される。
【0022】版胴移動アーム206における揺動端の一
部には、第1の版胴201の回転軸201Aが支持され
ており、この回転軸201Aと揺動側先端との間には、
版胴移動アーム206に支持されている軸210Aによ
り回転自在に支持されたカムフォロア210が設けられ
ている。カムフォロア210は、印刷装置本体の不動部
において回転自在に設けられている偏心カムで構成され
た版胴移動カム211に対面している。版胴移動カム2
11は、小径部がカムフォロア210に対向した時に第
1の版胴201を印刷用紙Sの搬送路に進出させ、大径
部がカムフォロア210に対向した時には第1の版胴2
01を印刷用紙Sの搬送路から退避させるとともに、版
胴移動アーム206の揺動側先端をアームストッパ20
7に係合させることができる形状に形成されている。な
お、図2中、符号212は、版胴移動アーム206にお
けるカムフォロア210を版胴移動カム211に当接さ
せる向きに版胴移動アーム206を揺動させる付勢力を
与えるための引張バネを示している。
【0023】上記進退機構により以下のような動作が行
われる。まず、第1の版胴201を印刷用紙Sの搬送路
から退避した位置に設定する場合には、版胴移動カム2
11の大径部がカムフォロア210に対向することによ
り版胴移動アーム206の揺動側先端がアームストッパ
207に係合する。これにより第1の版胴201は、版
胴移動アーム206に掛けられている引張バネ212の
付勢力に抗して印刷用紙Sの搬送路から退避した位置に
保持される。次に、第1の版胴201を印刷用紙Sの搬
送路に進出させる場合には、ソレノイド208がリター
ンバネ209の付勢力に抗してアームストッパ207を
版胴移動アーム206の揺動側先端から離し、係止状態
を解除する。版胴移動アーム206は、引張バネ212
の付勢力によりカムフォロア210が版胴移動カム21
1に向け移動する方向に揺動する。版胴移動カム211
の小径部にカムフォロア210が当接することにより、
版胴移動アーム206は第1の版胴201を印刷用紙S
の搬送路に進出させる。
【0024】給紙部300は、印刷用紙Sの繰り出しタ
イミングを設定するレジストローラ301を備えてい
る。このレジストローラ301は、図示しない給紙カセ
ットから搬送されてくる印刷用紙Sの先端を保持し、第
1の版胴201上のマスタ101の画像先端部と印刷用
紙Sとの転写位置とを整合させるために設けられてい
る。繰り出された印刷用紙Sは、ガイド部材302によ
ってインキローラ205に対向する位置に向け給送され
るようになっている。
【0025】第1排紙部400は、搬送手段400A
と、排紙トレイ400Bとを備えている。搬送手段40
0Aは、マスタ101に応じた画像を転写された印刷用
紙Sを剥離する剥離爪401Aと、吸引搬送装置402
Aを備えている。剥離爪401Aは、第1の版胴201
の回転方向における印刷用紙Sへの画像印刷後に相当す
る位置に配置されて印刷用紙Sの剥離部をなす揺動部材
であり、第1の版胴201の表面から離れた位置と、印
刷用紙Sの先端と第1の版胴201との間に入り込む位
置とに選択的に揺動できるようになっている。なお、図
示しないが、剥離爪401Aによって先端が版胴表面か
ら離れた印刷用紙Sの印刷面に対してエアブローを行
い、印刷用紙Sの剥離を助成する構成を設けることも可
能である。吸引搬送装置402Aは、第1の版胴201
から剥離された印刷用紙Sを排紙トレイ400Bに向け
吸引保持した状態で搬送するために設けられており、図
示しない吸引ファンに連結された吸引ボックス404A
と、搬送ベルト405Aとを備えている。吸引ボックス
404Aは、剥離爪401Aによって第1の版胴201
から剥離された印刷用紙Sを搬送ベルト405Aに吸引
させるために設けられている。搬送ベルト405Aは、
一対のプーリ406A、407Aの軸方向に沿って複数
掛け渡されており、一方のプーリを駆動側として図示矢
印方向に移動することができるようになっている。
【0026】次に、第2製版部500、第2印刷部60
0について説明する。第2製版部500及び第2印刷部
600は、後述する転写胴700を挟んで第1印刷部2
00における第1の版胴201と対向する位置に設けら
れている。第2製版部500は、第1製版部100と同
じ構成を備えており、便宜上、第1製版部100の説明
に用いた符号のうちの1桁目の数字をそのまま適用し
て、その詳細な説明は省く。第2印刷部600は、第1
印刷部200と同様に、第2の版胴601とインキ供給
機構602とを主要部としている。第2の版胴601
は、第1の版胴201と同様に、回転軸601Aを中心
にして図示矢印方向に回転可能であり、その周面には一
部を除いて多数の穿孔部が形成されている。そしてその
表面には、図示しないが、合成繊維からなる薄肉のメッ
シュスクリーンが貼り付けられている。このメッシュス
クリーンの材料としては金属を用いることも可能であ
る。第2の版胴601の周面のうちで穿孔がされていな
い箇所には、マスタ501の先端を載置するための磁性
体からなるステージ603と、このステージ603に対
して接離自在であり、磁石を有するクランパ604が設
けられている。この構成により、マスタ501は、その
先端をステージ603上に載置した状態でクランパ60
4により挟持されて固定されるようになっている。
【0027】インキ供給機構602は、インキローラ6
05と、ドクターローラ606及びインキ供給パイプ6
07とで主に構成されている。インキローラ605は、
第2の版胴601の回転軸601Aの上方に位置して図
示矢印方向に回転する金属ローラであって、第2の版胴
601の内周面に当接しながら該第2の版胴601の周
速度よりも僅かに遅い周速度で回転し、ドクターローラ
606によって担持量を規定されたインキを、第2の版
胴601及びメッシュスクリーンの穿孔部に供給するよ
うになっている。また、インキローラ605は、転写胴
700と対向する位置に配置されており、第2の版胴6
01が印刷時に転写胴700に当接した際の変形を防止
するバックアップローラとしても機能するようになって
いる。インキ供給パイプ607は、本実施例の場合、第
2の版胴601の回転軸601Aと兼用されている中空
パイプ内から回転軸601Aの上方に位置するインキ溜
まり部608に向けてインキを給送するようになってい
る。インキ溜まり部608は、インキローラ605とド
クターローラ606とで形成される楔状空間が該当して
いる。このため、インキ供給パイプ607は、第2の版
胴601の回転軸601Aから延長され、その末端部が
上記インキ溜まり部608に向けて開口している。
【0028】第2の版胴601は、図2に示した構成と
同様な進退機構により転写胴700に対して接離するこ
とができるようになっている。なお、進退機構に関して
は、版胴移動アーム206において、支点位置が版胴移
動アーム206をシーソ運動可能な揺動方向を設定でき
る位置に変更されている点が、図2に示した構成と異な
っているが、機能上全く同じであるので、図2に示した
符号をそのまま用い、その詳細な説明は省く。
【0029】第2排紙部900は、搬送手段900A、
910Aと、排紙トレイ900B及びガイド板920を
備えている。搬送手段900Aは、マスタ501に応じ
た画像を転写された印刷用紙Sを剥離する剥離爪901
Aと、吸引搬送装置902Aを備えている。剥離爪90
1Aは、第2の版胴601の回転方向における印刷用紙
Sへの画像印刷後に相当する位置に配置されて印刷用紙
Sの剥離部をなす揺動部材であり、第2の版胴601の
表面から離れた位置と、印刷用紙Sの先端と第2の版胴
601との間に入り込む位置とに選択的に揺動可能とな
っている。なお、図示しないが、剥離爪901Aによっ
て先端が版胴表面から離れた印刷用紙Sの印刷面に対し
てエアブローを行い、印刷用紙Sの剥離を助成する構成
を設けることも可能である。
【0030】吸引搬送装置902Aは、第2の版胴60
1から剥離された印刷用紙Sをガイド板920に向けて
吸引保持した状態で搬送するために設けられており、図
示しない吸引ファンに連結された吸引ボックス904A
と、搬送ベルト905Aとを備えている。吸引ボックス
904Aは、剥離爪901Aによって第2の版胴601
から剥離された印刷用紙Sを搬送ベルト905Aに吸引
させるために設けられている。搬送ベルト905Aは、
一対のプーリ906A及び907Aの軸方向に沿って複
数掛け渡されており、一方のプーリを駆動側として、図
示矢印方向に移動できるようになっている。
【0031】ガイド板920は、搬送手段900Aによ
って搬送された印刷用紙Sをその搬送方向を変えて搬送
手段910Aへと導くために設けられている。搬送手段
910Aは吸引搬送装置912Aを備えている。吸引搬
送装置912Aは、ガイド板920から搬送された印刷
用紙Sを排紙トレイ900Bに向けて吸引保持した状態
で搬送するために設けられており、図示しない吸引ファ
ンに連結された吸引ボックス914Aと、搬送ベルト9
15Aを備えている。搬送ベルト915Aは、一対のプ
ーリ916A及び917Aの軸方向に沿って複数掛け渡
されており、一方のプーリを駆動側として、図示矢印方
向に移動できるようになっている。
【0032】図1に示すように、第1の版胴201と第
2の版胴601の間には転写胴700が配置されてお
り、この転写胴700は第1の版胴201及び第2の版
胴601と同じ周速度で図示矢印方向に回転できるよう
になっている。転写胴700は、図5から明らかなよう
に、第1の版胴201におけるクランパ204及び第2
の版胴601におけるクランパ604が入り込むことが
できる凹部700Dを周面の一部に形成されたドラム部
材であり、印刷用紙Sの供給方向先端部を挟持するため
のクランプ機構700Cを備えている。凹部700D以
外の周面には、合成ゴムからなる弾性部材が貼られてお
り、表面にインキが転移できるようになっている。
【0033】クランプ機構700Cは、図3に示すよう
に、印刷用紙Sの先端部が載置されるステージとしての
磁石板705と、この磁石板705との間で印刷用紙S
の先端部を挟む磁性材料からなるクランパ706と、こ
のクランパ706を転写胴700に対して回動自在に支
持するクランパ軸707と、転写胴700の側面外方に
突出したクランパ軸707の一端に回転可能に設けられ
た接触子としてのコロ708と、一端がクランパ軸70
7に係止されるとともに他端が転写胴700の適正箇所
に係止され、クランパ706を常時閉じるように付勢す
るバネ709とから構成されている。
【0034】転写胴700の近傍には、クランプ機構7
00Cを印刷モードに応じて開閉するためのクランプ開
閉部材としての第1のカム部材710と、第2のカム部
材720が設けられている。第1のカム部材710は、
印刷用紙Sの供給側に、且つ、転写胴700の回転に伴
うコロ708の軌道上に位置するように、筐体部1Bに
固定された2本の支軸730,730によって変位可能
に支持されている。第2のカム部材720は、同じくコ
ロ708の軌道上に位置するように、第1のカム部材7
10とほぼ径方向で対向する定位置(後述する一工程多
色印刷モードにおけるクランプ機構700Cの開放位
置)をもって筐体部1Bに固定されている。第1のカム
部材710には、転写胴700の軸方向に貫通する長穴
710aが転写胴700の周方向に間隔をおいて2つ形
成されており、この長穴710aに上記支軸730を挿
通されて支持されている。また、第1のカム部材710
の下面にはラック部710bが形成されており、このラ
ック部710bには、筐体部1Bに固定された駆動部材
としてのモータ732の回転軸に固定されたギヤ733
が噛み合っている。図3において、転写胴700の側板
は省略している。
【0035】図4等に示すように、第1のカム部材71
0の上面には、図面上右側から、コロ708を滑らかに
乗り上げさせるための初期案内面710cと、クランプ
機構700Cを開くための凸面710dと、クランプ機
構700Cを閉じるための凹面710eが連続的に且つ
緩やかに形成されている。凸面710dから凹面710
eが緩やかに連続することによって、クランパ706の
急激な閉じ動作を回避でき、印刷用紙Sへの挟持による
損傷を防止することができる。第2のカム部材720に
も、凹面720aと凸面720bが連続的に形成されて
いる。この第2のカム部材720では凹面720a側が
第1のカム部材710の初期案内面710cとして機能
し、クランパ706の滑らかな開き動作が得られるよう
になっている。なお、図4乃至図7において、第1のカ
ム部材710のラック部710bは省略している。
【0036】第1のカム部材710は印刷モードに応じ
てモータ732で駆動され、図面上、支軸730が長穴
710aの右端に当接する位置、すなわち、給紙タイミ
ングに対して印刷用紙Sをクランプ可能な位置(図4、
図5に示す位置=以下、クランプ位置という)と、支軸
730が長穴710aの左端に当接する位置、すなわ
ち、給紙タイミングに対してクランプ機構700Cが常
時閉じた位置(図6、図7に示す位置=以下、非クラン
プ位置という)とを選択的に取り得るようになってい
る。駆動部材としてのモータ732は、印刷モードの入
力に応じて図示しない孔版印刷装置1のメイン制御部に
より駆動される。
【0037】転写胴700の回転に伴ってコロ708が
第1のカム部材710の凸面710d又は第2のカム部
材720の凸面720bに乗り上げると、クランパ軸7
07が回動してクランパ706が磁石板705から引き
離され、クランプ機構700Cが開く。従って、第1の
カム部材710が図4及び図5に示すクランプ位置にあ
る場合には、印刷用紙Sがレジストローラ301によっ
て繰り出されるタイミングとクランパ706が開くタイ
ミングとが同期して印刷用紙Sの先端を挟持することが
可能となる。しかしながら、第1のカム部材710が図
6及び図7に示す非クランプ位置にある場合には、印刷
用紙Sが繰り出されるタイミングとクランパ706が開
くタイミングとが同期せず、すなわち、既にコロ708
は凸面710dを過ぎ凹面710eに達してクランパ7
06は閉じているので、印刷用紙Sの先端はクランパ7
06によって挟持されない。
【0038】図1に示すように、転写胴700の近傍に
は、転写胴700の表面に接離可能なクリーニングロー
ラ701が配置されており、このクリーニングローラ7
01はクリーナタンク702に貯留されているクリーナ
704中に一部を浸漬させて回転可能なクリーナ供給ロ
ーラ703に当接している。クリーナは転写胴700の
周面に残留しているインキを除去するために用いられ
る。
【0039】後に詳細に説明するが、本発明による実施
例においては、両面同時印刷及び一工程多色印刷が可能
であり、両面同時印刷の場合は印刷用紙Sの表裏面にお
いて、一工程多色印刷の場合は各色間での印刷開始位置
を整合させて画像ずれを起こさないようにすることが印
刷品質を損なわせないようにするために必要である。そ
こでこの例では、印刷用紙Sに対する印刷開始位置の位
相を印刷用紙Sの上側、下側の両面で同じ位置に調整す
るための天地移動機構を装備している。この天地移動機
構は、図8に示すように、第1の版胴201、転写胴7
00及び第2の版胴601の回転を駆動する歯車群を備
えた遊星歯車機構により構成されている。なお、上記遊
星歯車群は、第1の版胴201と転写胴700との間及
び第2の版胴601と転写胴700との間にそれぞれ設
けられているが、いずれの歯車群も同じ構成であるの
で、図8においては、第2の版胴601と転写胴700
との間の歯車群についてのみ説明する。
【0040】第2の版胴601及び転写胴700の回転
軸601A、700Aには、第2の版胴ギヤ601B及
び転写胴ギヤ700Bがそれぞれ一体的に設けられてい
る。これら各ギヤのうち、転写胴ギヤ700Bには、駆
動モータM1の出力軸に固定された駆動ギヤ800が噛
み合っており、第2の版胴ギヤ601B及び転写胴ギヤ
700Bには、アイドルギヤ801a、801bがそれ
ぞれ噛み合っている。
【0041】転写胴700は、第2の版胴601に設け
られているような進退機構がなく、印刷装置本体の不動
部により回転自在に支持されているだけであるので、駆
動ギヤ800が常に噛み合うことができるようになって
いる。
【0042】アイドルギヤ801a、801bは、第2
の版胴601及び転写胴700の各回転軸601A、7
00Aに一端側が軸支されている連結アーム802a,
802bの各他端側に軸支されている。また、これらア
イドルギヤ801a、801bの軸支部分は連結リンク
803により連結されている。これによりこれらアイド
ルギヤ801a、801bは第2の版胴ギヤ601B及
び転写胴ギヤ700Bとの噛み合いを保持しつつこれら
の版胴ギヤ601B及び転写胴ギヤ700Bの周囲を転
動することができる。第2の版胴601側に位置する連
結アーム802aには、移動ロッド804の一端が連結
されている。移動ロッド804は図8に示す矢印A,B
の向きに移動させることができる。
【0043】前記天地移動機構において印刷位置の位相
を調整する場合には、移動ロッド804を例えば、矢印
Aの向きに移動させる。すると、この変位量が連結アー
ム802aの時計回りの向きの回動変位に変換され、第
2の版胴ギヤ601Bに噛み合うアイドルギヤ801a
が、第2の版胴ギヤ601B上を時計回りの向きに転動
する。このため、アイドルギヤ801bは反時計回りに
回転し、転写版胴ギヤ700B及び転写胴700が時計
回りの向きに回動させられる。これにより、第2の版胴
601の印刷開始位置に対して転写胴700での印刷開
始位置を調整することができるので、両者間での印刷開
始位置を整合させることが可能になる。
【0044】このような歯車群により構成されている遊
星歯車機構においては、転写胴ギヤ700Bと第2の版
胴ギヤ601Bの歯数を同じに、また、アイドルギヤ8
01a、アイドルギヤ801bの歯数を同じに設定し、
かつ、転写胴ギヤ700B、第2の版胴ギヤ601Bの
歯数がアイドルギヤ801a、アイドルギヤ801bの
歯数の整数倍となるように設定する。このようにする
と、印刷位置の位相調整に際しての、アイドルギヤ80
1a,801b同士の噛み合い、アイドルギヤ801a
と第2の版胴ギヤ601Bとの噛み合い、アイドルギヤ
801bと転写胴ギヤ700Bとの噛み合い、などにお
いて、噛み合う歯の組合せが常に同じになる。またこれ
らの歯数比を1:2あるいは1:3にすれば、2回転毎
あるいは3回転毎に噛み合う歯の組合せが同じになるの
で、多少、ギヤの加工精度等を含む噛み合い精度が悪く
ても、第2の版胴601と転写胴700との相対位置関
係を変化させないようにすることができる。なお、上記
天地移動機構は、第1の版胴201、第2の版胴601
と転写胴700との間で個別に設けて印刷開始位置を異
ならせるようにすることも可能なものである。
【0045】上記の構成に基づいて、以下に孔版印刷装
置1の印刷動作について説明する。印刷動作に先立ち、
オペレータによって図示しない操作パネルの印刷モード
切換キーが押されて印刷モードが選択される。まず、両
面印刷モード(両面同時印刷)が選択された場合を説明
する。印刷に先立ち、第1の版胴201、第2の版胴6
01上に巻装されていた使用済みのマスタ101、50
1が図示しない排版装置によって版胴表面から剥離さ
れ、廃棄される。次いで、第1製版部100において製
版処理が実施される。この処理工程において、サーマル
ヘッド102の発熱素子に当接したマスタ101は、図
示しない画像読み取り部での画像読み取り信号に応じて
選択的に発熱される上記発熱素子により、画像情報に応
じた穿孔を形成される。なお、この時、マスタ101
は、図示しないステッピングモータを駆動源とする搬送
機構によって、第1の版胴201のステージ203に向
け繰り出され、ステッピングモータのパルス数のカウン
トを基にした繰り出し量が制御されることにより、クラ
ンパ204に挟持される。この状態において、第1の版
胴201はマスタ101の繰り出し速度と同じ周速度で
回転し、マスタ101を巻装される。マスタ101の繰
り出し量が所定量に達すると、この状態が、マスタ10
1の繰り出しに用いられるステッピングモータのパルス
数によって割り出され、カッター104によってマスタ
101の繰り出し方向後端が裁断される。
【0046】第1の版胴201へのマスタ101の巻装
が終了すると、第2製版部500においてマスタ501
の製版が実施されるとともに、第2の版胴601に対す
るマスタ501の巻装が実施される。第2製版部500
での製版処理に際しては、第1製版部100での製版処
理に用いられた原稿が交換され、この原稿に基づき、サ
ーマルヘッド502の発熱素子に当接したマスタ501
は図示しない画像読み取り部での画像読み取り信号に応
じて選択的に発熱される上記発熱素子により、画像情報
に応じた穿孔を形成される。なお、この時、マスタ50
1は、第2の版胴601の表面側からみて実像となるよ
うに穿孔製版される。製版されたマスタ501は、第1
の版胴201への巻装時と同様に、繰り出しに用いられ
るステッピングモータのパルス数に従って、第2の版胴
601のステージ603への繰り出し及び裁断が実施さ
れて第2の版胴601上に巻装される。
【0047】第1の版胴201に対するマスタ101の
巻装及び第2の版胴601に対するマスタ501の巻装
が終了すると、第2の版胴601と転写胴700との間
で転写処理が実施される。この転写処理では、第1の版
胴201は転写胴700に対して当接せず、第2の版胴
601のみが既述の進退機構により転写胴700の表面
に当接する。すなわち、進退機構に装備されているソレ
ノイド208によってアームストッパ207が版胴移動
アーム206の揺動側先端から離されると、版胴移動ア
ーム206が引張バネ212の付勢力により揺動し、カ
ムフォロア210を版胴移動カム211の小径部に当接
する。これにより、版胴移動アーム206は第2の版胴
601を転写胴700に当接する向きに揺動することが
できる。
【0048】これに先立ち、モータ732によって第1
のカム部材710が、図6及び図7に示す非クランプ位
置に移動される。次に、転写胴700の表面に当接した
第2の版胴601と転写胴700とが時計回り方向と反
時計回り方向とにそれぞれ回転することにより、転写胴
700への第2の版胴601からの印刷画像転写が終了
すると、給紙部300から印刷用紙Sが繰り出される。
給紙部300から印刷用紙Sが繰り出されると、印刷用
紙検出センサPによってその状態が検出され、第1の版
胴201側の進退機構により第1の版胴201が印刷用
紙Sの搬送路に進出し、転写胴700に当接する。この
時、クランプ機構700Cのクランパ706は、コロ7
08が第1のカム部材710の凸面710dを過ぎて凹
面710eに達し、既に開閉動作を終了しているため、
クランパ706によって印刷用紙Sの先端が挟持される
ことはない。
【0049】第1の版胴201が転写胴700に当接す
る状態では、転写胴700に対し、第2の版胴601上
に位置するマスタ501の穿孔部を介したインキの転写
が終了しているので、印刷用紙Sが第1の版胴201と
転写胴700とで挟持搬送されると、印刷用紙Sの表裏
面に対して同時に画像転写が実施される。なお、初回の
両面印刷時には印刷後の画像位置を観察し、画像位置が
ずれている場合には、前述した天地移動機構により表裏
各面での印刷開始位置が調整される。
【0050】印刷処理された印刷用紙Sは、その先端部
が転写胴700のクランパ706によって挟持されてい
ないため、第1排紙部400の剥離爪401Aにより、
容易に第1の版胴201の表面より剥離され、搬送手段
400Aの吸引搬送装置402Aによって排紙トレイ4
00Bに向けて吸引搬送されて排出される。
【0051】天地位置の調整が行われた後、所定の印刷
枚数の印刷を実行する際には、転写胴700の表面に当
接した第2の版胴601と転写胴700とが時計回り方
向と反時計回り方向とにそれぞれ連続的に回転して第2
の版胴601から転写胴700への印刷画像転写が行わ
れるとともに、第1の版胴201と転写胴700との間
に給紙部300から印刷用紙Sが所定枚数繰り出されて
各印刷用紙Sの表裏両面に対し同時に画像転写が実施さ
れる。転写胴700は、同じマスタにより印刷する場合
には、第2の版胴601から転移したインキによる画像
印刷が終了する度、あるいは所定の印刷回数毎にクリー
ニングローラ701によって表面をクリーニングされ
る。また、クリーニングに関しては新たなマスタによる
印刷処理が実施される場合には、その前の段階、すなわ
ち、前段でのマスタによる最終印刷が終了した時点で実
施されることは勿論である。
【0052】次に、多色印刷モード(一工程多色印刷)
が選択された場合を説明する。多色印刷の場合は、印刷
に先立ってユーザが意図する色のインキが充填された版
胴に交換しておく必要がある。オペレータによって図示
しない操作パネルの多色印刷モードキーが押されると、
第1の版胴201、第2の版胴601上に巻装されてい
た使用済みのマスタ101、501が図示しない排版装
置によって版胴表面から剥離され、廃棄される。次い
で、第1製版部100において製版処理が実施される。
この処理工程において、サーマルヘッド102の発熱素
子に当接したマスタ101は、図示しない画像読み取り
部での画像読み取り信号に応じて選択的に発熱される上
記発熱素子により、画像情報に応じた穿孔を形成され
る。なお、この時、マスタ101は、図示しないステッ
ピングモータを駆動源とする搬送機構によって、第1の
版胴201のステージ203に向け繰り出され、ステッ
ピングモータのパルス数のカウントを基にした繰り出し
量が制御されることにより、クランパ204に挟持され
る。この状態において、第1の版胴201はマスタ10
1の繰り出し速度と同じ周速度で回転し、マスタ101
を巻装される。マスタ101の繰り出し量が所定量に達
すると、この状態が、マスタ101の繰り出しに用いら
れるステッピングモータのパルス数によって割り出さ
れ、カッター104によってマスタ101の繰り出し方
向後端が裁断される。
【0053】第1の版胴201へのマスタ101の巻装
が終了すると、第2製版部500においてマスタ501
の製版が実施されるとともに、第2の版胴601に対す
るマスタ501の巻装が実施される。第2製版部500
での製版処理に際しては、第1製版部100での製版処
理に用いられた原稿が交換され、この原稿に基づき、サ
ーマルヘッド502の発熱素子に当接したマスタ501
は図示しない画像読み取り部での画像読み取り信号に応
じて選択的に発熱される上記発熱素子により、画像情報
に応じた穿孔を形成される。なお、この時、マスタ50
1は、第2の版胴601の表面側からみて鏡像となるよ
うに穿孔製版される。製版されたマスタ501は、第1
の版胴201への巻装時と同様に、繰り出しに用いられ
るステッピングモータのパルス数に従って、第2の版胴
601のステージ603への繰り出し及び裁断が実施さ
れて第2の版胴601上に巻装される。
【0054】第1の版胴201に対するマスタ101の
巻装及び第2の版胴601に対するマスタ501の巻装
が終了すると、モータ732によって第1のカム部材7
10が、図4及び図5に示すクランプ位置に移動され
る。次に、給紙部300から印刷用紙Sが繰り出され
る。給紙部300から印刷用紙Sが繰り出されると、印
刷用紙検出センサPによってその状態が検出され、第1
の版胴201側の進退機構により第1の版胴201が印
刷用紙Sの搬送路に進出し、転写胴700に当接する。
この時、第1のカム部材710はクランプ位置に移動し
ているので、図5に示すように、給紙部300から印刷
用紙Sが繰り出されるタイミングとクランパ706が開
くタイミングとが同期し、印刷用紙Sの先端を挟持す
る。更に、第1の版胴201と転写胴700とが時計回
り方向と反時計回り方向にそれぞれ回転することによ
り、第1の版胴201のマスタ101の画像が印刷用紙
Sに転写される。
【0055】印刷処理された印刷用紙Sは、その先端部
が転写胴700のクランパ706によって挟持されてい
るため、第1排紙部400の剥離爪401Aによっては
第1の版胴201の表面から剥離されず、引き続き転写
胴700が反時計回り方向に回転することにより、第2
の版胴601との当接点に至る。この時、両面印刷時と
同様に、第2の版胴601が進退機構により転写胴70
0の表面に当接する。すなわち、進退機構に装備されて
いるソレノイド208によってアームストッパ207が
版胴移動アーム206の揺動側先端から離されると、版
胴移動アーム206が引張バネ212の付勢力により揺
動し、カムフォロア210が版胴移動カム211の小径
部に当接する。これにより、版胴移動アーム206は第
2の版胴601が転写胴700に当接する向きに揺動す
る。
【0056】このようにして、第2の版胴601が転写
胴700に当接することにより、印刷用紙Sに第2の版
胴601のマスタ501の画像が転写され、印刷用紙S
の表面には、第1の版胴201のマスタ101による画
像と、第2の版胴601のマスタ501による画像が転
写される。予め、第1の版胴201及び第2の版胴60
1にはユーザが意図した色のインキが充填されているの
で、多色印刷が実施される。なお、初回の多色印刷時に
は印刷後の画像位置を観察し、画像位置がずれている場
合には、前述した天地移動機構により各転写画像間での
印刷開始位置が調整される。
【0057】図9に示すように、第2の版胴601から
の画像転写が進むにつれて、クランプ機構700Cのコ
ロ708が第2のカム部材720の凸面720bに乗り
上げ、クランパ軸707が回転してクランパ706が磁
石板705より引き離される。これによって印刷処理さ
れた印刷用紙Sの先端部は開放される。従って、印刷用
紙Sは第2排紙部900の剥離爪901Aにより容易に
搬送手段900Aへと導かれ、搬送手段900Aの吸引
搬送装置902Aによってガイド板920に向けて吸引
搬送される。更に、ガイド板920によってその搬送方
向を変更されるとともに、搬送手段910Aへと導か
れ、搬送手段910Aの吸引搬送装置912Aによって
排紙トレイ900Bに向けて吸引搬送されて排出され
る。
【0058】天地位置の調整が行われた後、所定の印刷
枚数の印刷を実行する際には、第1の版胴201と転写
胴700との間に給紙部300から印刷用紙Sが所定枚
数繰り出され、第1の版胴201のマスタ101による
画像と、第2の版胴601のマスタ501による画像が
各印刷用紙Sの表面に対し転写される。
【0059】次に、片面印刷モードが選択された場合を
説明する。オペレータによって図示しない操作パネルの
片面印刷モードキーが押されると、第1の版胴201上
に巻装されていた使用済みのマスタ101が図示しない
排版装置によって版胴表面から剥離され、廃棄される。
次いで、第1製版部100において製版処理が実施され
る。この処理工程は上記両面印刷モードの場合と同様で
あるので説明を省略する。第2の版胴601上に巻装さ
れていた使用済みのマスタ501は版胴表面に残したま
まにしておき、後に両面印刷モードあるいは多色印刷モ
ードが選択された場合に上記説明のように廃棄される。
従って片面印刷モードの場合にはマスタの無駄が発生し
ない。
【0060】これに先立ち、モータ732により第1の
カム部材710が図6及び図7に示す非クランプ位置に
移動される。第1の版胴201へのマスタ101の巻装
が終了すると、給紙部300から印刷用紙Sが繰り出さ
れる。給紙部300から印刷用紙Sが繰り出されると、
印刷用紙検出センサPによってその状態が検出され、第
1の版胴201側の進退機構により、第1の版胴201
が印刷用紙Sの搬送路に進出し、転写胴700に当接す
る。この時、転写胴700のクランパ706は、コロ7
08が第1のカム部材710の凸面710dを過ぎて凹
面710eに達し、既に開閉動作を終了しているため、
クランパ706によって印刷用紙Sの先端が挟持される
ことはない。第1の版胴201が転写胴700に当接
し、印刷用紙Sが第1の版胴201と転写胴700とで
挟持搬送されると、印刷用紙Sの表面に対して画像転写
が実施される。このように、片面印刷モードの場合に
は、転写胴700は印刷用紙Sを第1の版胴201へ押
圧する押圧手段としてのみ機能する。
【0061】印刷処理された印刷用紙Sは、その先端部
が転写胴700のクランパ706によって挟持されてい
ないため、第1排紙部400の剥離爪401Aにより容
易に第1の版胴201の表面より剥離され、搬送手段4
00Aの吸引搬送装置402Aによって排紙トレイ40
0Bに向けて吸引搬送されて排出される。なお、初回の
印刷時には印刷後の画像位置を観察し、画像位置がずれ
ている場合には、前述した天地移動機構により上述した
各印刷モードの場合同様に印刷開始位置が調整される。
【0062】次に、請求項5に対応する実施例を図10
乃至図13に基づいて説明する。上記実施例と異なる点
は、第2印刷部600及びこれに対する進退機構の位
置、第2製版部500の位置、クリーニングローラ70
1の位置、給紙部300に加えて第2給紙部350が設
けられている点、第2排紙部900が存在しない点、ク
ランプ機構700Cを開閉するカム部材の形状である。
本実施例における孔版印刷装置2の最も大きな特徴は、
印刷モードに応じて二つの給紙部のうち適する一方のみ
が自動的に選択され、これらの給紙部は一つの第1排紙
部400を共用することである。なお、上記実施例と同
一部分は同一符号で示しており、特に必要がない限り機
能上の重複説明は省略する。
【0063】第2給紙部350は、印刷用紙Sの繰り出
しタイミングを設定するレジストローラ351を備えて
いる。このレジストローラ351は、図示しない給紙カ
セットから給紙ローラ352で搬送されてくる印刷用紙
Sの先端を保持し、第2の版胴601上のマスタ501
の画像先端部と印刷用紙Sとの転写位置とを整合させる
ために設けられている。繰り出された印刷用紙Sは、ガ
イド部材353によってインキローラ605に対向する
位置に向け給送されるようになっている。
【0064】図示しない孔版印刷装置2のメイン制御部
によって、両面印刷モード、片面印刷モードの場合には
給紙手段として給紙部300が選択され、多色印刷モー
ドの場合には第2給紙部350が選択されるようになっ
ている。
【0065】転写胴700のクランプ機構700Cを開
閉するクランプ開閉部材としてのカム部材は、転写胴7
00の近傍において第2給紙部350側に設けられる第
1のカム部材715と、第1排紙部400側に設けられ
る第2のカム部材720とから構成されている。上記の
ように第2給紙部350は多色印刷モードにしか使用さ
れないので、第1のカム部材715は上記実施例の場合
のように印刷用紙Sを挟持する場合とそうでない場合の
2つのモードに対応する必要はない。従って本実施例に
おける第1のカム部材715は可動構成ではなく、上記
実施例における第1のカム部材710のクランプ位置を
もって筐体部1Bに上記実施例における第2のカム部材
720と同様に固定されている。このように第1のカム
部材715は可動構成が必要ではないので、上記実施例
における駆動部材としてのモータ732も不要で、長穴
710aやラック部710bも不要となる。従って、実
質的には第2のカム部材720を対称配置することによ
って形成可能となる。なお、第1のカム部材715にお
ける715a、715b、715cはそれぞれ、上記実
施例におけるにおける第1のカム部材710の初期案内
面710c、凸面710d、凹面710eに対応する。
【0066】上記の構成に基づいて、以下に孔版印刷装
置2の印刷動作の要部についてのみ説明する。まず、両
面印刷モード(両面同時印刷)が選択された場合を説明
する。オペレータによって図示しない操作パネルの両面
印刷モードキーが押されると、メイン制御部によって給
紙手段として給紙部300が選択される。第1の版胴2
01に対するマスタ101の巻装及び第2の版胴601
に対するマスタ501の巻装が終了すると、第2の版胴
601と転写胴700との間で転写処理が実施される。
この転写処理では、第1の版胴201は転写胴700に
対して当接せず、第2の版胴601のみが既述の進退機
構により転写胴700の表面に当接する。次に、転写胴
700の表面に当接した第2の版胴601と転写胴70
0とが時計回り方向と反時計回り方向とにそれぞれ回転
することにより、転写胴700への第2の版胴601か
らの印刷画像転写が終了すると、給紙部300から印刷
用紙Sが繰り出される。給紙部300から印刷用紙Sが
繰り出されると、印刷用紙検出センサPによってその状
態が検出され、第1の版胴201側の進退機構により第
1の版胴201が印刷用紙Sの搬送路に進出し、転写胴
700に当接する。この時、クランプ機構700Cのク
ランパ706は閉じているので、印刷用紙Sの先端が挟
持されることはない。
【0067】第1の版胴201が転写胴700に当接す
る状態では、転写胴700に対し、第2の版胴601上
に位置するマスタ501の穿孔部を介したインキの転写
が終了しているので、印刷用紙Sが第1の版胴201と
転写胴700とで挟持搬送されると、印刷用紙Sの表裏
面に対して同時に画像転写が実施される。
【0068】印刷処理された印刷用紙Sは、その先端部
が転写胴700のクランパ706によって挟持されてい
ないため、第1排紙部400の剥離爪401Aにより、
容易に第1の版胴201の表面より剥離され、搬送手段
400Aの吸引搬送装置402Aによって排紙トレイ4
00Bに向けて吸引搬送されて排出される。
【0069】次に、片面印刷モードが選択された場合を
説明する。オペレータによって図示しない操作パネルの
片面印刷モードキーが押されると、メイン制御部によっ
て給紙手段として給紙部300が選択される。第1の版
胴201へのマスタ101の巻装が終了すると、給紙部
300から印刷用紙Sが繰り出される。給紙部300か
ら印刷用紙Sが繰り出されると、印刷用紙検出センサP
によってその状態が検出され、第1の版胴201側の進
退機構により、第1の版胴201が印刷用紙Sの搬送路
に進出し、転写胴700に当接する。この時、転写胴7
00のクランパ706は閉じているので、印刷用紙Sの
先端が挟持されることはない。第2の版胴601上に巻
装されていた使用済みのマスタ501は版胴表面に残し
たままにしておき、後に両面印刷モードあるいは多色印
刷モードが選択された場合に廃棄される。従って片面印
刷モードの場合にはマスタの無駄が発生しない。第1の
版胴201が転写胴700に当接し、印刷用紙Sが第1
の版胴201と転写胴700とで挟持搬送されると、印
刷用紙Sの表面に対して画像転写が実施される。
【0070】印刷処理された印刷用紙Sは、その先端部
が転写胴700のクランパ706によって挟持されてい
ないため、第1排紙部400の剥離爪401Aにより容
易に第1の版胴201の表面より剥離され、搬送手段4
00Aの吸引搬送装置402Aによって排紙トレイ40
0Bに向けて吸引搬送されて排出される。
【0071】次に、多色印刷モード(一工程多色印刷)
が選択された場合を説明する。多色印刷の場合は、印刷
に先立ってユーザが意図する色のインキが充填された版
胴に交換しておく必要がある。オペレータによって図示
しない操作パネルの多色印刷モードキーが押されると、
メイン制御部によって給紙手段として第2給紙部350
が選択される。第1の版胴201に対するマスタ101
の巻装及び第2の版胴601に対するマスタ501の巻
装が終了すると、第2給紙部350から印刷用紙Sが繰
り出される。第2給紙部350から印刷用紙Sが繰り出
されると、印刷用紙検出センサPによってその状態が検
出され、第2の版胴601側の進退機構により第2の版
胴601が印刷用紙Sの搬送路に進出し、転写胴700
に当接する。
【0072】第1のカム部材715はクランプ位置に固
定されているので、図11及び図12に示すように、第
2給紙部350から印刷用紙Sが繰り出されるタイミン
グとクランパ706が開くタイミングとが同期し、印刷
用紙Sの先端を挟持する。更に、第2の版胴601と転
写胴700とが時計回り方向と反時計回り方向にそれぞ
れ回転することにより、第2の版胴601のマスタ50
1の画像が印刷用紙Sに転写される。印刷処理された印
刷用紙Sは、その先端部が転写胴700のクランパ70
6によって挟持されているため、引き続き転写胴700
が反時計回り方向に回転することにより、第1の版胴2
01との当接点に至る。この時、両面印刷時と同様に、
第1の版胴201が進退機構により転写胴700の表面
に当接する。第1の版胴201が転写胴700に当接す
ることにより、印刷用紙Sに第1の版胴201のマスタ
101の画像が転写され、印刷用紙Sの表面には、第2
の版胴601のマスタ501による画像と、第1の版胴
201のマスタ101による画像が転写される。予め、
第2の版胴601及び第1の版胴201にはユーザが意
図した色のインキが充填されているので、多色印刷が実
施される。
【0073】図13に示すように、第1の版胴201か
らの画像転写が進むにつれて、クランプ機構700Cの
コロ708が第2のカム部材720の凸面720bに乗
り上げ、クランパ軸707が回転してクランパ706が
磁石板705より引き離される。これによって印刷処理
された印刷用紙Sの先端部は開放される。従って、印刷
用紙Sは第1排紙部400の剥離爪401Aにより容易
に搬送手段400Aへと導かれ、搬送手段400Aの吸
引搬送装置402Aによって排紙トレイ400Bに向け
て吸引搬送されて排出される。各印刷モードにおける天
地調整については上記実施例と同様であるので省略す
る。
【0074】なお、上記各実施例においては転写胴70
0に対して第1の版胴201、第2の版胴601をそれ
ぞれの進退機構によって当接させる構成としたが、この
ような版胴の接離構成はこれに限定されるものではな
く、例えばマスタを支持する版胴側の部材を可撓性を有
するものとし、第1の版胴201のインキローラ205
と、第2の版胴601のインキローラ605を転写胴7
00側に向けて揺動させる、すなわち、マスタの一部分
域を膨出させる構成とすることも可能である。
【0075】
【発明の効果】請求項1乃至4記載の発明によれば、第
1の版胴と第2の版胴の間における転写胴に印刷用紙を
挟持するクランプ機構を設けるとともに、転写胴の近傍
にクランプ機構を印刷モードに応じて開閉するクランプ
開閉部材を設ける構成としたので、一台の装置で、両面
印刷、片面印刷、多色印刷の全てを、再給紙による時間
の無駄を来すことなく、且つ、画像汚れ等を来すことな
く行うことができる。また、クランプ機構の開閉を複雑
な電気的制御によることなく行えるので、全印刷モード
対応化におけるコスト低下を図ることができる。
【0076】請求項5記載の発明によれば、印刷モード
に応じて給紙部を変え、且つ、各給紙部は一つの排紙部
を共用する構成としたので、複雑な排紙部構成を簡易化
でき、よって全印刷モード対応化における構成のコンパ
クト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る孔版印刷装置のの一実施例を示す
全体概要図である。
【図2】図1で示した孔版印刷装置における第1の版胴
の進退機構を示す側面図である。
【図3】図1で示した孔版印刷装置におけるクランプ機
構及びその開閉部材を示す斜視図である。
【図4】図1で示した孔版印刷装置において、第1のカ
ム部材がクランプ位置にある状態で且つクランパが閉じ
た状態を示す側面図である。
【図5】図1で示した孔版印刷装置において、第1のカ
ム部材がクランプ位置にある状態で且つクランパが開い
た状態を示す側面図である。
【図6】図1で示した孔版印刷装置において、第1のカ
ム部材が非クランプ位置にある状態で且つクランパが閉
じた状態を示す側面図である。
【図7】図1で示した孔版印刷装置において、第1のカ
ム部材が非クランプ位置にある状態で且つ給紙タイミン
グとずれてクランパが閉じた状態を示す側面図である。
【図8】図1で示した孔版印刷装置において、天地移動
機構を示す側面図である。
【図9】図1で示した孔版印刷装置において、多色印刷
モード時、コロが第2のカム部材に乗り上げてクランパ
が開いた状態の要部側面図である。
【図10】本発明に係る孔版印刷装置の他の実施例を示
す全体概要図である。
【図11】図10で示した孔版印刷装置において、多色
印刷モード時、クランパが開いた状態を示す側面図であ
る。
【図12】図10で示した孔版印刷装置において、多色
印刷モード時、クランパが閉じて印刷用紙を挟持した状
態を示す側面図である。
【図13】図10で示した孔版印刷装置において、多色
印刷モード時、コロが第2のカム部材に乗り上げてクラ
ンパが開いた状態の要部側面図である。
【図14】従来における両面同時印刷対応の孔版印刷装
置を示す概要図である。
【図15】従来における転写胴を用いた両面同時印刷対
応の孔版印刷装置を示す概要図である。
【図16】従来における一工程多色印刷対応の孔版印刷
装置を示す概要図である。
【符号の説明】
101、501 孔版印刷用原紙としてのマスタ 201 第1の版胴 300 給紙部 350 第2給紙部 400 排紙部としての第1排紙部 601 第2の版胴 700 転写胴 700C クランプ機構 710、715 クランプ開閉部材としての第1のカム
部材 720 クランプ開閉部材としての第2のカム部材 732 モータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】孔版印刷用原紙を版胴の外周面に巻装した
    後、上記孔版印刷用原紙からインキを滲出させ、該イン
    キを給紙部より供給される印刷用紙に転移させることに
    よって印刷画像を転写し、該印刷用紙を排紙部へ排出す
    る孔版印刷装置であって、 第1及び第2の版胴と、 上記第1の版胴と第2の版胴の間において上記印刷用紙
    の版胴に接する面と反対側の面に対向する位置に配置さ
    れ、上記第1及び第2の版胴と同じ周速度で回転する転
    写胴と、を備え、 上記第1の版胴と第2の版胴は上記転写胴に対してそれ
    ぞれ接離自在に設けられている孔版印刷装置において、 上記転写胴には上記印刷用紙の供給方向先端部を挟持す
    るクランプ機構が設けられ、該転写胴の近傍には該クラ
    ンプ機構を印刷モードに応じて開閉するクランプ開閉部
    材が設けられていることを特徴とする孔版印刷装置。
  2. 【請求項2】上記クランプ機構には接触子が備えられ、
    上記クランプ開閉部材は上記接触子を案内して上記クラ
    ンプ機構を開閉するカム部材であることを特徴とする請
    求項1記載の孔版印刷装置。
  3. 【請求項3】上記カム部材は、上記印刷用紙の供給側に
    位置する第1のカム部材と、所定の印刷モードにおいて
    上記印刷用紙を開放する側に位置する第2のカム部材と
    からなり上記第1のカム部材は給紙タイミングに対して
    上記クランプ機構を閉じる位置と開く位置とを選択的に
    取り得るように設けられていることを特徴とする請求項
    2記載の孔版印刷装置。
  4. 【請求項4】上記第1のカム部材を上記クランプ機構を
    閉じる位置又は開く位置に移動させる駆動部材が備えら
    れているとともに、該駆動部材を印刷モードの入力に応
    じて制御する制御手段が備えられていることを特徴とす
    る請求項3記載の孔版印刷装置。
  5. 【請求項5】上記排紙部を給紙経路の最終位置として共
    用する複数の給紙部が設けられ、印刷モードに応じて上
    記各給紙部を使い分けることを特徴とする請求項1,2
    記載の孔版印刷装置。
JP18538697A 1997-07-10 1997-07-10 孔版印刷装置 Pending JPH1128854A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005112569A (ja) * 2003-10-08 2005-04-28 Tohoku Ricoh Co Ltd 両面印刷装置
JP2010264764A (ja) * 2010-07-30 2010-11-25 Tohoku Ricoh Co Ltd 印刷装置

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JP2005112569A (ja) * 2003-10-08 2005-04-28 Tohoku Ricoh Co Ltd 両面印刷装置
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