JPH11246692A - 反射防止フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

反射防止フィルムおよびその製造方法

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JPH11246692A
JPH11246692A JP10047074A JP4707498A JPH11246692A JP H11246692 A JPH11246692 A JP H11246692A JP 10047074 A JP10047074 A JP 10047074A JP 4707498 A JP4707498 A JP 4707498A JP H11246692 A JPH11246692 A JP H11246692A
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film
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Nobuyuki Takiyama
信行 滝山
Mitsuyo Hasegawa
光世 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱や電子線により目的物や人体に悪影響を及
ぼさず、低温で、且つ短時間で成膜することができ、膜
強度が大きく、硬度が高く、基材との接着性にすぐれ、
均質性が高く、透明性に優れ、耐久性のある優れた反射
防止フィルム、屈折率を所望の値に自由にコントロール
出来る反射防止フィルムの製造方法を提供する。 【解決手段】 透明基材上に多層の反射防止層を逐次積
層して反射防止フィルムを作製するにあたり、これらの
うち少なくとも1層を、金属アルコキシドまたはその加
水分解物、紫外線反応性化合物及び有機溶媒を含有する
組成物を該基材上に塗布した後に、屈折率に応じて紫外
線照射を調節して照射し成膜することを特徴とする反射
防止フィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池、太陽熱
温水器、液晶画像表示装置、CRT、PDP、車両の窓
等に使用される透明な反射防止フィルムに関する。ま
た、この反射防止フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学レンズ、CRT、コンピュータやワ
ープロの液晶画像表示装置等の分野を中心に、透過率、
コントラストの向上、映り込み低減のために表面反射を
減少させる反射防止技術が従来より提案されている。反
射防止技術には、光学干渉層として積層する多層の反射
防止層が屈折率と光学膜厚が適当な値を有する事によ
り、積層体と空気界面における光の反射を減少させる事
が有効であることが知られている。このような反射防止
層として積層される高屈折率層にはTiO2、ZrO2
Ta25等が、低屈折率材料にはSiO2、MgF2等が
用いられており、これらはスパッタリング法、真空蒸着
法、イオンプレーティング法等の乾式製膜方法によって
作製されている。また、別の反射防止層の作製方法とし
て、チタンアルコキシドやシランアルコキシドに代表さ
れる金属アルコキシドを基材の表面に塗布、乾燥、加熱
して金属酸化物の膜を形成する方法が行われている。し
かし、この方法では加熱温度が300℃以上という高い
温度が必要で基材にダメージを与えてしまい、また特開
平8−75904号公報に記載されているような加熱温
度が100℃と比較的低温である方法では作製に長時間
が必要となり、いずれにも問題点があった。
【0003】近年、温度と時間を改良する方法として、
特開平9−21902号公報にみられるような高屈折率
材料をTi、Zr、TaまたはInのアルコキシドと分
子中に2個以上のアクリル基、メタクリル基、アリル基
またはビニル基を有する化合物を併用する低温での作製
方法の記載がある。特開平7−209503号公報に
は、ビニル基、アリル基、アクロイル基、メタクロイル
基の重合可能な官能基とアルコキシド基のような加水分
解可能官能基を併せ持つ有機珪素化合物と、重合可能な
不飽和結合を持つ単量体からの共重合物とを主成分とす
る光学皮膜形成コーティング用組成物が示されており、
バインダー樹脂成分と無機成分を分子レベルで均一なも
のにするという技術が提案されており、組成物を基材に
塗布した後、100°で長時間加熱するか、電離放射線
照射としての電子線により共重合させて皮膜とすること
が述べられている。この他、特開平8−295846号
及び同9−220791号公報にも反応性有機金属化合
物及び金属酸化物やシラン化合物組成物を含有する組成
物を熱または電離性放射線で硬化する技術が開示されて
いるが、実施例には熱あるいは電子線照射の例が記載さ
れている。更にこの他にも上記のような反応性有機金属
化合物はないが、電離性放射線として電子線や紫外線を
照射する記述が特開平5−270864号、同5−27
9598号、同6−11602号、同8−122501
号、同8−297201号、同9−21902号及び同
9−25350号公報にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱によ
って形成された膜は、得られた膜の強度が目的の性能を
満たしていなかったり、基材との接着性が不十分ではが
れ易かったりするものであった。また、上記のような成
膜を熱によって行う方法は、透明基材がプラスティック
フィルムの場合変形したりして不都合であった。
【0005】電離放射線としての電子線を照射すること
は確かに成膜は比較的低温で短時間の照射によってもの
は出来るものの、電子線が物質に当たった場合、二次放
射線などを放射して人体にあまり良くない影響を与える
可能性があり、また透明基材や塗布物を極僅かではある
が、分解されそこから発生するガスやラジカル的な化合
物が種々なものに悪影響を及ぼす虞がある。
【0006】本発明は、上記のような問題点を解決する
ものであり、新規な反射防止フィルムを、また反射防止
フィルムの製造方法を提供するものである。
【0007】本発明の第1の目的は、熱や電子線により
目的物や人体に悪影響を及ぼさず、低温で、且つ短時間
で成膜することが出来、硬度が高く、基材との接着性に
すぐれ、均質性が高く、透明性に優れ、耐久性のある優
れた反射防止フィルムを提供することにある。
【0008】本発明の第2の目的は、屈折率を所望の値
に自由にコントロール出来る反射防止フィルムの製造方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、金属アル
コキシドまたはその加水分解物、紫外線反応性化合物及
び/または紫外線反応性のある金属アルコキシド化合
物、及び有機溶媒を含有する組成物を透明基材上に塗設
し、紫外線を照射することによって、耐久性のあるまた
硬度が高く傷の付きにくい優れた反射防止層を得ること
に成功した。更に本発明者らはこうして作られる過程
で、反射防止層の屈折率が紫外線の照射量を変化するこ
とによって屈折率が異なることを見いだし、目標とする
屈折率を容易にコントロール出来るばかりでなく、所望
の屈折率を得ることが出来る優れた方法を発見した。例
えば、金属アルコキシドとしてチタンアルコキシドを例
にとると、チタンアルコキシドまたはその加水分解物を
塗布し、紫外光を照射すると屈折率が上昇することを見
出した。さらに詳しく解析すると、紫外線照射量に対応
して屈折率が上昇することを確認した。したがって、我
々はこの紫外光を照射することにより塗膜の屈折率を調
節することで反射防止層の設計が可能となり、本発明に
至った。
【0010】本発明は下記の構成により達成された。
【0011】(1)透明基材上の多層の反射防止層の少
なくとも1層が、金属アルコキシドまたはその加水分解
物、下記一般式(I)で表される紫外線反応性の金属ア
ルコキシド化合物、該一般式(I)の化合物を除く紫外
線反応性化合物及び有機溶媒を含有する組成物の塗膜に
紫外線を照射した層であることを特徴とする反射防止フ
ィルム。
【0012】 一般式(I):M(R1m(R2n(OR3p ここで、Mは金属、Oは酸素原子、R1は紫外線反応性
基で、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、アクリ
ロイル基、メタクリロイル基を有する基を表し、R2
炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R3は炭
素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基または水素原子を表
し、m+n+p=qで、qは金属の原子価で、q−1≧
m≧1、q−1≧p≧1、q−1≧n≧0、であり、
m、n及びpは正の整数を表す。
【0013】(2)前記紫外線を照射した層が、該層の
屈折率に応じて紫外線照射量を調節して照射し成膜した
層であることを特徴とする(1)に記載の反射防止フィ
ルム。
【0014】(3)前記金属アルコキシドまたはその加
水分解物がAl、Si、Ti、V、Zn、Sr、Y、Z
r、In、Sn、Ta、W、Tl及びCeから選ばれる
少なくとも一つの金属を有する化合物、またはこれらの
金属から選ばれる少なくとも2種を有する複合化合物で
あることを特徴とする(1)に記載の反射防止フィル
ム。
【0015】(4)前記一般式(I)のMがAl、S
i、Ti、V、Zn、Sr、Y、Zr、In、Sn、T
a、W、Tl及びCeから選ばれる少なくとも一つの金
属であることを特徴とする(1)に記載の反射防止フィ
ルム。
【0016】(5)前記紫外線反応性化合物が分子中に
少なくとも1個のビニル基、アリル基、アクリロイル基
及びメタクリロイル基を有することを特徴とする(1)
に記載の反射防止フィルム。
【0017】(6)前記透明基材上の多層の反射防止層
の少なくとも1層が、金属アルコキシドまたはその加水
分解物、不飽和二重結合基を有する下記一般式(II)の
金属アルコキシド化合物及び有機溶媒を含有する組成物
を塗布し成膜した層であることを特徴とする(1)に記
載の反射防止フィルム。
【0018】 一般式(II):M(R1v(R2w(OR3x ここで、Mは金属、Oは酸素原子、R1は不飽和二重結
合基を有する基で、ビニル基、イソプロペニル基、アリ
ル基、アクリロイル基、メタクリロイル基を有する基を
表し、R2は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基を表
し、R3は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基または
水素原子を表し、v+w+x=zで、zは金属の原子価
で、z−1≧v≧1、z−1≧x≧1、z−1≧w≧
0、であり、v、w及びxは正の整数を表す。
【0019】(7)前記一般式(II)のMがAl、S
i、Ti、V、Zn、Sr、Y、Zr、In、Sn、T
a、W、Tl及びCeから選ばれる少なくとも一つの金
属であることを特徴とする(6)に記載の反射防止フィ
ルム。
【0020】(8)前記透明基材と前記金属アルコキシ
ドまたはその加水分解物を含有する層との間に、ハード
コート層を有することを特徴とする(1)または(6)
に記載の反射防止フィルム。
【0021】(9)該ハードコート層が紫外線反応性化
合物を紫外線照射により硬化させたものであることを特
徴とする(8)に記載の反射防止フィルム。
【0022】(10)前記透明基材がセルローストリア
セテートであることを特徴とする(1)、(6)または
(8)のいずれか1項に記載の反射防止フィルム。
【0023】(11) 透明基材上に多層の反射防止層
を逐次積層して反射防止フィルムを作製するにあたり、
これらのうち少なくとも1層を、金属アルコキシドまた
はその加水分解物、紫外線反応性化合物及び有機溶媒を
含有する組成物を該基材上に塗設後、屈折率に応じて紫
外線照射を調節して照射し成膜することを特徴とする反
射防止フィルムの製造方法。
【0024】(12)透明基材上に多層の反射防止層を
逐次積層して反射防止フィルムを作製するにあたり、こ
れらのうち少なくとも1層を、金属アルコキシドまたは
その加水分解物、下記一般式(I)で表される紫外線反
応性の金属アルコキシド化合物、該一般式の化合物を除
く紫外線反応性化合物、及び有機溶媒を含有する組成物
を該基材上に塗設後、屈折率に応じて紫外線照射を調節
して照射し成膜することを特徴とする反射防止フィルム
の製造方法。
【0025】 一般式(I):M(R1m(R2n(OR3 ここで、Mは金属、Oは酸素原子、Rは紫外線反応性
基で、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、アクリ
ロイル基、メタクリロイル基を有する基を表し、R2
炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R3は炭
素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基または水素原子を表
し、m+n+p=qで、qは金属の原子価で、q−1≧
m≧1、q−1≧p≧1、q−1≧n≧0、であり、
m、n及びpは正の整数を表す。
【0026】(13)前記金属アルコキシドまたはその
加水分解物がAl、Si、Ti、V、Zn、Sr、Y、
Zr、In、Sn、Ta、W、Tl及びCeから選ばれ
る少なくとも一つの金属を有する化合物であることを特
徴とする(11)または(12)に記載の反射防止フィ
ルムの製造方法。
【0027】(14)前記一般式(I)のMがAl、S
i、Ti、V、Zn、Sr、Y、Zr、In、Sn、T
a、W、Tl及びCeから選ばれる少なくとも一つの金
属であることを特徴とする(12)に記載の反射防止フ
ィルムの製造方法。
【0028】(15)前記紫外線反応性化合物が分子中
に少なくとも1個のビニル基、アリル基、アクリロイル
基又はメタクリロイル基であることを特徴とする(1
1)または(12)に記載の反射防止フィルムの製造方
法。
【0029】(16)前記透明基材上の多層の反射防止
層の少なくとも1層が、金属アルコキシドまたはその加
水分解物、不飽和二重結合基を有する下記一般式(II)
の金属アルコキシド化合物及び有機溶媒を含有する組成
物を塗布し成膜した層であることを特徴とする(11)
または(12)に記載の反射防止フィルムの製造方法。
【0030】 一般式(II):M(R1v(R2w(OR3x ここで、Mは金属、Oは酸素原子、R1は不飽和二重結
合基を有する基で、ビニル基、イソプロペニル基、アリ
ル基、アクリロイル基、メタクリロイル基を有する基を
表し、R2は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基を表
し、R3は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基または
水素原子を表し、v+w+x=zで、zは金属の原子価
で、z−1≧v≧1、z−1≧x≧1、z−1≧w≧
0、であり、v、w及びxは正の整数を表す。
【0031】(17)前記一般式(II)のMがAl、S
i、Ti、V、Zn、Sr、Y、Zr、In、Sn、T
a、W、Tl及びCeから選ばれる少なくとも一つの金
属であることを特徴とする(16)に記載の反射防止フ
ィルムの製造方法。
【0032】(18)前記金属アルコキシドまたはその
加水分解物を含有する層を設層する前に、前記透明基材
と該金属アルコキシドまたはその加水分解物を含有する
層の下に、ハードコート層を設層することを特徴とする
(11)、(12)または(16)に記載の反射防止フ
ィルムの製造方法。
【0033】(19)該ハードコート層が紫外線反応性
化合物を含有する層であって、該ハードコート層を紫外
線照射により成膜することを特徴とする(18)に記載
の反射防止フィルムの製造方法。
【0034】(20)前記透明基材がセルローストリア
セテートであることを特徴とする(11)、(12)、
(16)または(18)のいずれか1項に記載の反射防
止フィルムの製造方法。
【0035】以下に、本発明を詳述する。
【0036】本発明でいう光学膜厚とは、層の屈折率n
と膜厚dとの積により定義される量で、例えば、基材面
に高屈折率層、空気に向かって低屈折率層を順に積層し
た光学干渉層を作る際、波長λの光に対して高屈折率層
及び低屈折率層の光学膜厚ndをλ/4と設定して作製
する反射防止積層体がよく知られている。
【0037】屈折率の高低はそこに含まれる金属あるい
は化合物によってほぼ決まり、例えばTiは高く、Si
は低く、Fを含有する化合物は更に低く、このような組
み合わせによって屈折率を設定している。
【0038】本発明の金属アルコキシドまたはその加水
分解物、一般式(I)の紫外線反応性の金属アルコキシ
ド化合物及び一般式(II)のいずれの金属も紫外線照射
によりこれらを含有する層の屈折率を変化させることが
出来る。金属としては、Al、Si、Ti、V、Ni、
Cu、Zn、Y、Ga、Ge、Zr、In、Sn、S
b、La、Ta、W、CeおよびNdから選ばれた少な
くとも一つの金属、または2種以上の金属からなる複合
金属アルコキシドがあり、好ましい金属は、Al、S
i、Ti、V、Zn、Y、Zr、In、Sn、Sr、T
a、Tl、WおよびCeであり、特に屈折率を変化させ
易い好ましい金属としてはTi、Zr、Tl、In−S
n錯体、Sr−TiO2である。例えばTiの場合光に
反応することは近年知られているが、Ti化合物を含む
層の屈折率を光により変化させることは知られていな
い。
【0039】本発明の屈折率を変化させるに必要な紫外
線照射量は後述の紫外線反応性化合物を反応硬化させる
程度あるいはそれ以上の量で屈折率を変化させることが
出来る。
【0040】本発明の金属アルコキシドまたはその加水
分解物のアルキル基としては炭素原子数1〜10のもの
がよいが、好ましくは炭素原子数1〜4である。またア
ルコキシド基は加水分解を受けて−金属原子−酸素原子
−金属原子−のように反応し、架橋構造を作り、硬化し
た層を形成する。
【0041】本発明に用いられる金属アルコキシドの例
として;Alのアルコキシドとしては、Al(O−CH
33、Al(OCH32(O、AL(OCH3)Al
(OC253、Al(OC37(i))3、Al(OC
49(n))3;Siの例としては、Si(OC
34、Si(OC254、Si(OC3
7(i))4、Si(OC49(t))4;Tiの例とし
ては、Ti(OCH34、Ti(OC254、Ti(OC3
7(n))4、Ti(OC37(i))4、Ti(OC4
9(n))4、Ti(OC37(i))4の2〜10量
体、Ti(OC49(n))4の2〜10量体、Vの例
としては、VO(OC253;Znの例としては、Z
n(OC252;Yの例としてはY(OC493;Z
rの例としては、Zr(OCH34、Zr(OC25
4、Zr(OC37(n))4、Zr(OC37(i))
4、Zr(OC49(n))4、Zr(OC49(n))
4の2〜10量体;Inの例としては、In(OC49
(n))3;Snの例としては、Sn(OC4
9(n))4、Taの例としてはTa(OCH35、Ta
(OC37(n))5、Ta(OC37(i))5、Ta
(OC49(n))5;Wの例としては、W(OC
256;Ceの例としては、Ce(OC373等が挙
げられる。これらを単独で又は2種以上組み合わせて用
いる事が出来る。中でも、Ti(OC37(n))4
Ti(OC37(i))4、Ti(OC49(n))4
Ti(OC37(i))4の2〜10量体、Ti(OC4
9(n))4の2〜10量体;Zr(OC37(i))
4、Zr(OC49(n))4;Si(OC254、S
i(OC37(i))4が特に好ましい。
【0042】また、本発明においては、上記金属アルコ
キシドを加水分解させて使用してもよく、酸性触媒又は
塩基性触媒の存在下に例えば上記の金属アルコキシドを
有機溶媒中で加水分解することによって得られる。この
酸性触媒としては、例えば硝酸、塩酸等の鉱酸やシュウ
酸、酢酸等の有機酸がよく、また塩基性触媒としては、
例えばアンモニア等が挙げられる。
【0043】本発明に使用される金属アルコキシドまた
はその加水分解物としては金属の価数の一部あるいは全
部が加水分解されていてもよく、Siの例としては、S
i(OCH3)(OH)3、Si(OCH32(O
H)2、Si(OCH33(OH)、Si(OC252
(OH)2、Si(OC37(i))3(OH);Tiの
例としては、Ti(OCH3)(OH)3、Ti(OC2
52(OH)2、Ti(OC37(n))3(OH)、
Ti(OC49(n))2(OH)2のような一部の例を
挙げたが、置換度は1〜3のいずれでも使用出来、また
2〜10量体についても同様な加水分解物を本発明では
用いることが出来る。これらに限定されるものではな
い。また2〜10量体についても同様な加水分解物を本
発明では用いることが出来る。
【0044】本発明の金属アルコキシド化合物を含む層
は、金属アルコキシド自身が自己縮合して架橋し網状結
合する。その反応を促進する触媒や硬化剤を使用するこ
とが出来る。それらのものとして、金属キレート化合
物、有機カルボン酸塩等の有機金属化合物や、アミノ基
を有する有機ケイ素化合物、光酸発生剤等がある。これ
らの触媒又は硬化剤の中で特に好ましいのはアルミキレ
ート化合物と光酸発生剤であり、アルミキレート化合物
の例としてはエチルアセトアセテートアルミニウムジイ
ソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセ
テート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソ
プロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネート
ビスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセ
チルアセトネート等であり、光酸発生剤の例としてはベ
ンジルトリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフ
ェートやその他のホスホニウム塩やトリフェニルホスホ
ニウムヘキサフルオロホスフェートの塩等である。
【0045】本発明に使用する金属アルコキシドまたは
その加水分解物を含む塗布組成物には、塗布液の保存安
定化のために、β−ジケトンと反応させてキレート化合
物にすることにより、安定な塗布組成物とすることが出
来る。このβ−ジケトンの具体例として、アセト酢酸メ
チル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル(n)、
アセト酢酸プロピル(i)、アセチルアセトン等を挙げ
ることが出来るが、特に安定性の面から好ましいのは、
アセト酢酸エチルである。β−ジケトンは、金属アルコ
キシドに対して、0.5〜2モルのモル比で用いられる
が、より好ましくは、0.8〜1.2モルである。
【0046】本発明の紫外線反応化合物は、不飽和二重
結合を少なくとも二つ有する重合性の化合物であり、ビ
ニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル
基、イソプロペニル基等の重合性基を有するもので、ア
クリロイル基またはメタクリロイル基が重合速度、反応
性の点から好ましい(但し、前記一般式の紫外線反応性
化合物は除く)。これらの紫外線反応性のモノマー、オ
リゴマーで、紫外線照射により架橋構造を形成するもの
が好ましい。紫外線硬化性樹脂としては、紫外線硬化型
アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルア
クリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート
系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、
又は紫外線硬化型エポキシ樹脂等を使用することが出来
る。紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポ
リエステルポリオールにイソシアネートモノマー、もし
くはプレポリマーを反応させて得られた生成物に更に2
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレー
トを包含するものとしてアクリレートのみを表示す
る)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基
を有するアクリレート系のモノマーを反応させることに
よって容易に得ることが出来る(例えば特開昭59−1
51110号公報)。
【0047】紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系
樹脂は、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキ
シエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系
のモノマーを反応させることによって容易に得ることが
出来る(例えば、特開昭59−151112号公報)。
【0048】紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹
脂、ポリオールアクリレート系樹脂または単量体の具体
例としては、エポキシアクリレートのオリゴマーやポリ
オールのポリアクリレート等が挙げられる。なかでも、
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂または単量
体が特に好ましい。具体的には、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ
アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペン
タエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエ
リスリトールペンタエリスリトール等が特に好ましい。
【0049】本発明に使用する上記紫外線反応性化合物
の光重合あるいは光架橋は上記化合物のみでも開始され
るが、重合の誘導期が長かったり、開始が遅かったりす
るため、光増感剤や光開始剤を用いると更に高速で重合
を行うことが出来る。これらの光増感剤や光開始剤は公
知のものが使用出来る。具体的には、アセトフェノン、
ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラー
ケトン、α−アミロキシムエステル、テトラメチルウラ
ムモノサルファイド、チオキサントン等及びこれらの誘
導体を挙げることが出来る。また、エポキシアクリレー
ト系の光反応剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエ
チルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を
用いることが出来る。紫外線反応性化合物に用いられる
光反応開始剤または光増感剤は紫外線反応性化合物の1
00重量部に対して0.1〜15重量部で光反応を開始
するには十分であり、好ましくは1〜10重量部であ
る。近紫外線領域から可視光線領域にかけては、その領
域に吸収極大のある増感剤を用いることによって使用出
来る。
【0050】次に本発明の下記一般式(I)の紫外線反
応性の金属アルコキシド化合物について説明する。
【0051】 一般式(I):M(R1m(R2n(OR3p (ここで、Oは酸素原子、R1は紫外線反応性基で、ビ
ニル基、イソプロペニル基、アリル基、アクリロイル
基、メタクリロイル基を有する基を表し、R2は炭素原
子数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R3は炭素原子
数1〜4の脂肪族炭化水素基または水素原子を表し、m
+n+p=qで、qは金属の原子価で、q−1≧m≧
1、q−1≧p≧1、q−1≧n≧0、であり、m、n
及びpは正の整数を表す) 上記一般式(1)の紫外線反応性の金属アルコキシド化
合物のR1は、紫外線反応性基で、不飽和二重結合性の
官能基を有しており、上記のうちアクリロイル基または
メタクリロイル基が反応性の速さから好ましい。R3
アルコキシ基は、前述の金属アルコキシドと同様に、加
水分解を受けながら金属酸化物へと連鎖的に反応する。
【0052】この紫外線反応性の金属アルコキシド化合
物は上記別の金属アルコキシド化合物とともに加水分解
を受けながら相互に胴体となって反応し、金属酸化物マ
トリックスの中に組み込まれ、結合し架橋する。
【0053】また、一方紫外線反応性の金属アルコキシ
ド化合物の紫外線反応性基とこれ以外の紫外線反応性化
合物が紫外線により重合し、架橋結合を形成する。
【0054】これら両方の架橋結合が相乗効果となって
これらを含有する層は非常に高度の硬度を持つようにな
る。言い換えれば無機酸化物と有機ポリマーが結合し合
ったハイブリッドの状態になっていると考えられる。こ
のようなハイブリッドの状態は、金属酸化物と有機物が
混在する状態とは異なり、一体化しているため硬度が高
く、相分離が起きにくい。したがって、均質な塗膜が出
来やすく、硬度が不足したり、白濁したり、透過率が低
下するなどの問題点を解決することができた。
【0055】本発明の紫外線反応性の金属アルコキシド
化合物の反応性基を化1に例示するが、これらに限定さ
れるものではない。
【0056】
【化1】
【0057】このように紫外線反応基が金属に直接結合
していてもよく、酸素原子を介して結合していてもよ
く、オキシアルキル基を介していてもよい。
【0058】この紫外線反応性の金属アルコキシドの具
体的例として、ビニルトリメトキシチタン、ビニルトリ
(β−メトキシ−エトキシ)チタン、ジビニロキジメト
キシチタン、アクリロイルオキシエチルトリエトキシチ
タン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリプロピル
(n)チタン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリ
プロピル(n)チタン、ジ(γ−アクリロイルオキシプ
ロピル)ジプロピル(n)チタン、アクリロイルオキシ
ジメトキシエチルチタン、ビニルトリメトキシジルコ
ン、ジビニロキジメトキシジルコン、アクリロイルオキ
シエチルトリエトキシジルコン、γ−アクリロイルオキ
シプロピルトリプロピル(n)ジルコン、γ−メタクリ
ロイルオキシプロピルトリプロピル(n)ジルコン、ジ
(γ−アクリロイルオキシプロピル)ジプロピル(n)
ジルコン、アクリロイルオキシジメトキシエチルジルコ
ン、ビニルジメトキシタリウム、ビニルジ(β−メトキ
シ−エトキシ)タリウム、ジビニロキシメトキシタリウ
ム、アクリロイルオキシエチルジエトキシタリウム、γ
−アクリロイルオキシプロピルジプロピル(n)タリウ
ム、γ−メタクリロイルオキシプロピルジプロピル
(n)タリウム、ジ(γ−アクリロイルオキシプロピ
ル)プロピル(n)タリウム、アクリロイルオキシメト
キシエチルタリウム、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、ジビニロキ
ジメトキシシラン、アクリロイルオキシエチルトリエト
キシシラン、γ−アクリロイルオキシプロピルトリプロ
ピル(n)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル
トリプロピル(n)シラン、ジ(γ−アクリロイルオキ
シプロピル)ジプロピル(n)シラン、アクリロイルオ
キシジメトキシエチルシラン等を挙げることが出来る。
【0059】本発明の一般式(II)の不飽和二重結合基
を有する金属アルコキシドについて説明する。
【0060】 一般式(II):M(R1v(R2w(OR3x (ここで、Mは金属、Oは酸素原子、R1は不飽和二重
結合基を有する基で、ビニル基、イソプロペニル基、ア
リル基、アクリロイル基、メタクリロイル基を有する基
を表し、R2は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基を
表し、R3は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基また
は水素原子を表し、v+w+x=zで、zは金属の原子
価で、z−1≧v≧1、z−1≧x≧1、z−1≧w≧
0、であり、v、w及びxは正の整数を表す)の金属及
び二重結合基を有する基を有する金属アルコキシド化合
物は、上記発明の構成の(1)または(12)に記載さ
れている紫外線反応性基を有する金属アルコキシド化合
物と全く同一であり、従ってここでは説明を省略する。
【0061】本発明の上記一般式(I)の紫外線反応性
基R1と該一般式(I)を除く紫外線反応性化合物の反
応基に対する紫外線による光重合の挙動はほとんど変わ
りなく、前述の一般式(I)を除く紫外線反応性化合物
の光増感剤や光開始剤などは同様なものが用いられる。
紫外線反応性化合物を光重合させる紫外線の光源として
は、紫外線を発生する光源であればいずれでも使用出来
る。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超
高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドラン
プ、キセノンランプ等を用いることが出来る。また、A
rFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、エキシマ
ランプまたはシンクロトロン放射光を等も用いることが
できる。照射条件はそれぞれのランプによって異なる
が、照射光量は20mJ/m2以上、好ましくは、10
0mJ/cm2以上、さらに400mJ/cm2以上が好
ましい。紫外線は、多層の反射防止層を1層ずつ照射し
てもよいし、積層後照射してもよい。生産性の点から、
多層を積層後、紫外線を照射することが好ましい。
【0062】本発明で使用される溶媒は、メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール
類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素類;エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;エチル
セロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、
ブチルカルビトール、ジエチルセロソルブ、ジエチルカ
ルビトール等のグリコールエーテル類;N−メチルピロ
リドン、ジメチルフォルムアミド、水等が挙げられ、そ
れらを単独または2種以上混合して使用する事が出来
る。なかでも、ケトン類、例えば、アセトン、メテルエ
チルケトン、シクロヘキサノン等のカルボニル基を有す
る溶媒と、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、i−プロパノール、n−ブタノール等の炭素数4以
下のアルコールを併用すると、UV照射量を低減でき、
生産性を向上することができるため特に好ましい。
【0063】本発明の組成物は上記の金属アルコキシド
またはその加水分解物、及び/まは上記の一般式(I)
の紫外線反応性の金属アルコキシド化合物、及び/また
は上記の該一般式(I)以外の紫外線反応性化合物、及
び/または上記一般式(II)の二重結合基を有する金属
アルコキシド化合物及び上記の有機溶媒を含有している
ものをいう。
【0064】本発明の一般式(II)を含有する層を、上
記本発明の構成の(1)、(11)または(12)に記
載の層と共に、透明基材上の多層のうちの1層として設
層することが好ましい。特に低屈折率層として、高屈折
率層の基材に対して空気側の上に設けることが好まし
い。一般式(II)を含有する層は成膜性が非常に優れ、
且つ硬度が高く、しかもしなやかであることが特徴であ
る。
【0065】本発明の反射防止層と透明基材との間に、
ハードコート層を設けても良い。本発明で用いるハード
コート層は、透明基材の上に、直に設層しても、ハロゲ
ン化銀写真感光材料などで使用している下引層を設けて
から設層しても良い。
【0066】本発明に用いるハードコート層は、紫外線
照射により、硬化する層が好ましい。紫外線で架橋反応
する化合物は、前述の紫外線反応性化合物と同様なもの
を用いることが出来る。光開始剤や光増感剤、それらの
使用量、紫外線の光源、照射量等についても前述と同様
である。
【0067】本発明で用いるハードコート層は、低反射
性を得る為の光学設計上から屈折率が1.45〜1.6
5の範囲にあることが好ましい。またハードコート層の
膜厚は2.0〜15.0μmの範囲にあることが好まし
い。これは2.0μmに満たない膜厚では充分な耐久
性、耐衝撃性が得られず、15.0μmを越える膜厚で
は屈曲性もしくは生産においての経済性等に問題が生じ
るためである。
【0068】本発明の反射防止フィルムに用いられる透
明基材としては、透明な樹脂フィルムであればいずれで
もよく、例えば、セルロースアセテート系フィルム、ポ
リエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、
ノルボネン系フィルム、ポリアリレート系フィルム、及
びポリスルホン系フィルム等が挙げられる。ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムのようなポリエステルフィル
ムは2軸延伸することにより光学的異方性があまりない
こと、製膜のし易さ、光学的透明性、ハードコート層や
他の層の接着性等からセルローストリアセテートフィル
ムが好ましい。
【0069】本発明の各層の組成物の塗布方法として
は、ディッピング、スピンコーター、ナイフコーター、
バーコーター、ブレードコーター、スクイズコーター、
リバースロールコーター、グラビアロールコーター、カ
ーテンコーター、スプレイコーター、ダイコーター等の
公知の塗布機を用いることが出来、塗布方法や浸漬法等
の連続塗布が可能な方法が好ましく用いられる。
【0070】組成物を基材に塗布する際、塗布液中の固
形分濃度や基材上への塗布液の塗布量等を調整すること
により、層の膜厚および塗布均一性等を調整することが
できる。また、基材フィルムへの塗布性の向上のため塗
液中に微量の界面活性剤等を添加しても差し支えない。
【0071】多層の反射防止層からなる反射防止フィル
ムの層構成は、透明基材の上に、必要に応じてハードコ
ート層を、任意の構成で、屈折率と膜厚と層の数、層順
により、目的とする光学特性を設計することができる。
反射防止層は、通常、基材よりも屈折率の高い高屈折率
の層と基材よりも屈折率の低い低屈折率の層を組み合わ
せることにより達成される。構成の例としては、基材側
から高屈折率層と低屈折率層の2層から成る構成や、屈
折率の異なる3層を、中屈折率層(基材あるいはハード
コート層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率
の低い層)、高屈折率層、低屈折率層の順に積層するこ
とや、さらに多くの反射防止層を積層すること等が提案
されている。なかでも、耐久性、光学特性、コストや生
産性などから、ハードコート層を有する基材上に、中屈
折率層、高屈折率層、低屈折率層を塗布することが好ま
しい。上記の反射防止フィルムを形成するための低屈折
率層を形成するための塗布用組成物としては、例えば、
フッ素系樹脂又はシリコーン系樹脂を主成分とする組成
物が好ましい。
【0072】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、実施
例に用いた評価方法は、以下に示す評価方法で行なっ
た。 (屈折率、膜厚)各層の屈折率と膜厚は、分光反射率の
測定より計算して算出した。また、作製した反射防止フ
ィルムの反射光学特性は、分光光度計(日立製作所製U
−4000型)を用い、5度正反射の条件にて反射率の
測定を行った。この測定法において、反射防止層が塗布
されていない側の基板面を粗面化した後、黒色のスプレ
ーを用いて光吸収処理を行い、フィルム裏面での光の反
射を防止し、反射率の測定を行った。以下、屈折率を
n、膜厚をdと表す。
【0073】透過率550nmにおける透過率を分光光
度計(日立製作所U−3400型)を用いて空気を参照
光として測定した。
【0074】(表面状態)得られた反射防止層膜の表面
状態を肉眼で観察した。
【0075】(接着性)JIS K 5400に準拠し
た碁盤目試験を行った。具体的には、塗布面上に1mm
間隔で縦、横に11本の切れ目をいれ、1mm角の碁盤
目を100個つくった。この上にセロハンテープを貼り
付け、90度の角度で素早く剥がし、剥がれずに残った
碁盤目の数をmとし、m/100として表した。
【0076】(硬度)硬度JIS規格K5400に従っ
て1kg荷重での鉛筆硬度で評価を行った。
【0077】(表面耐摩耗性)#0000のスチールウ
ールに1平方センチメートルあたり0.1kgの荷重を
かけて積層体フィルム表面を10往復した後の、スチー
ルウール往復方向の1センチメーター幅あたりの傷の発
生本数で評価した。
【0078】(耐久性)高温高湿環境下での耐久性につ
いては、80℃、90%RHの高温高湿環境下で、50
0時間の耐久性試験を行い、フィルム外観の変化とヘイ
ズ値の変化で評価を行った。
【0079】[実施例−1] 《ハードコート層を有するセルローストリアセテートフ
ィルム(以降、ハードコート層フィルムとする)の作
製》膜厚80μmのセルローストリアセテートフィルム
(コニカ(株)製コニカタック80UVSH)(屈折率
1.49)の片面にハードコート組成物を乾燥膜厚3.
5μmとなるように塗布し、80℃にて5分間乾燥し
た。次に80W/cm高圧水銀灯を12cmの距離から
4秒間照射して硬化させてハードコートフィルム−1を
作製した。ハードコート層の屈折率は1.50であっ
た。
【0080】 <ハードコート組成物> ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 60重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 20重量部 ジエトキシベンゾフェノン(UV開始剤) 2重量部 シリコーン系界面活性剤 1重量部 アエロジルR−972(日本アエロジル(株)社製) 1重量部 メチルエチルケトン 50重量部 酢酸エチル 50重量部 イソプロピルアルコール 50重量部 以上を攪拌しながら、超音波分散した。
【0081】《高屈折率層を有するフィルム(以降、高
屈折率層フィルムとする)の作製》前記ハードコート層
の上に下記高屈折率層用組成物−1をバーコーターで塗
布し、80℃で5分間乾燥させた後、高圧水銀ランプ
(80W)で紫外線の照射量を、0、100、200、
800mj/cm2と変えて照射し、それぞれ高屈折率
層フィルム−1、2、3、4(または、高屈折率層−
1、2、3、4)とした。
【0082】 <高屈折率層組成物−1> テトラ(n)ブトキシチタン 75重量部 テトラエトキシシラン 3.4重量部 シクロヘキサノン 2500重量部 トルエン 5700重量部 界面活性剤(大日本インキ社製F−177) 1重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 3重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 1重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 1重量部 ジエトキシベンゾフェノン(UV開始剤) 0.1重量部 γ−メタクリロイルプロピルトリメトキシシラン 5重量部 これらの高屈折率層−1、2、3、4の屈折率と膜厚を
表1に示した。
【0083】
【表1】
【0084】《低屈折率層を有するフィルム(以降、低
屈折率層フィルムとする)の作製》前記ハードコート層
の上に、下記低屈折率層組成物−1をバーコーターで塗
布し、80℃で30分間乾燥させ低屈折率層フィルム−
1(または、低屈折率層−1)を作製した。この低屈折
率層−1の屈折率は1.45であり、膜厚は、約90n
mであった。
【0085】<テトラエトキシシラン加水分解物の調製
>テトラエトキシシラン250重量部にエタノール38
0重量部を加え、この溶液に3重量部の塩酸(con
c)を235重量部の水で希釈した塩酸水溶液を室温
で、ゆっくり滴下した。滴下後、3時間室温で攪拌して
テトラエトキシシラン加水分解物を調製した。
【0086】 <低屈折率層組成物−1> テトラエトキシシラン加水分解物 180重量部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 5重量部 シクロヘキサノン 3200重量部 《反射防止フィルムの作製》前記高屈折率層フィルム−
1から4のそれぞれの層の上に、前記低屈折率層組成物
−1を前記と同様に塗布、乾燥、紫外線照射を順次行
い、反射防止フィルム−1、2、3、4を作製した。こ
れらの最小反射率と接着性試験結果を表2に示す。
【0087】
【表2】
【0088】(結果) 紫外光を照射した試料は最小反
射率が低下し、しかも接着性が改良されていることが判
る。
【0089】[実施例−2]実施例−1で作製したハー
ドコート層フィルムの層の上に前記高屈折率層組成物−
1をバーコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させ、
高圧水銀ランプ(80W)で紫外線を500mj/cm
2の照射量で照射を行ない、高屈折率層フィルム−5
(または、高屈折率層−5)を作製した。この層の屈折
率は1.80であり、膜厚は約76nmであった。
【0090】高屈折率層組成物−1からジペンタエリス
リトールヘキサアクリレートとその2量体と3量体の代
わりにトルエンを添加した以外は同様にして高屈折率層
フィルム−6(または、高屈折率層−6)を作製した。
この組成物を高屈折率層組成物−2とする。
【0091】高屈折率層組成物−1からγ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシランの代わりにトルエンを
添加した以外は同様にして高屈折率フィルム−7(また
は、高屈折率層−7)を作製した。この組成物を高屈折
率層組成物−3とする。
【0092】更に高屈折率層組成物−1からジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレートとその2量体と3量体
とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランをト
ルエンに変えた以外は同様に高屈折率フィルム−8(ま
たは、高屈折率層−8)を作製した。この組成物を高屈
折率層組成物−4とする。
【0093】この層の屈折率は1.78であり、膜厚は
約76nmであった。
【0094】《反射防止フィルムの作製》該高屈折率層
フィルム−5、6、7及び8の層の上に、実施例−1と
同様にして低屈折率層−1を積層し、反射防止フィルム
−5、6、7及び8を作製した。下記表3に最小反射
率、接着性、透過率の測定結果を示す。
【0095】
【表3】
【0096】(結果) 高屈折率層に本発明の紫外線反
応性金属アルコキシド及び紫外線反応性化合物を含有す
る反射防止フィルムは接着性が改良されていることが判
る。更に、透過率が高く良好なフィルムが得られた。
【0097】[実施例−3] 《高屈折率層フィルムの作製》実施例−1で作製したハ
ードコート層フィルムの層の上に下記高屈折率層組成物
−5をバーコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥させ
た後、高圧水銀ランプ(80W)で紫外線の照射量を、
0、100、200、400、800mj/cm2と変
えて紫外線照射を行ない、高屈折率層フィルム−9、1
0、11、12、及び13(または、高屈折率層−9、
10、11、12及び13)を作製した。
【0098】 <高屈折率層組成物−5> テトラ(n)ブトキシチタン 75重量部 シクロヘキサノン 2500重量部 イソプロピルアルコール 5700重量部 界面活性剤(大日本インキ社製F−177) 1重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 3重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 1重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 1重量部 ジエトキシベンゾフェノン(UV開始剤) 0.1重量部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 5重量部 これらの試料の屈折率と膜厚を表4に示した。
【0099】
【表4】
【0100】《反射防止フィルムの作製》また、これら
の高屈折率層フィルムの層の上に、実施例1と同様に低
屈折率層−1を積層し、反射防止フィルム−9、10、
11、12及び13を作製した。表5に最小反射率、接
着性の試験結果を示す。
【0101】
【表5】
【0102】(結果) イソプロパノールを使用するこ
とで、膜の状態が安定化する紫外光の光量は少なくて良
いことが判る。
【0103】[実施例−4] 《中屈折率層フィルムを有するセルローストリアセテー
トフィルム(以降、中屈折率層フィルムとする)》実施
例−1で作製したハードコート層フィルムの層の上に中
屈折率層組成物−1をバーコーターで塗布し、80℃で
5分間乾燥させた。高圧水銀ランプ(80W)で500
mj/cm2の紫外線照射量で照射を行ない、中屈折率
層フィルム−1(または、中屈折率層−1)を作製し
た。この中屈折率層−1の屈折率は1.60であり、膜
厚は約82nmであった。
【0104】 <中屈折率層組成物−1> テトラ(n)ブトキシチタン 30重量部 シクロヘキサノン 1400重量部 イソプロピルアルコール 3500重量部 界面活性剤(大日本インキ社製F−177) 1重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 6重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 1.5重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 1.5重量部 ジエトキシベンゾフェノン(UV開始剤) 0.1重量部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 5重量部 《反射防止フィルムの作製》該中屈折率層−1の上に、
高屈折率層組成物−6を実施例1と同様に塗布、乾燥、
紫外線を照射し、更に低屈折率層−1を積層し、反射防
止フィルム−14を作製した。この試料の反射率のデー
タを図1に示す。
【0105】(結果) 反射防止フィルム−14の硬度
は鉛筆硬度で2Hであり、摩耗傷は3本/cm以内、接
着性の碁盤目テストは100/100であり、低反射特
性、機械的特性とも非常に優れていた。また、高温高湿
環境下の耐久性試験後も、フィルムの外観や透過率にも
大きな変化はなく、耐久性においても優れていた。
【0106】[実施例−5] 《反射防止フィルムの作製》ハードコート層フィルムの
上に、実施例−4の中屈折率層組成物−1をバーコータ
ーで塗布し、乾燥後、その上に前記高屈折率層組成物−
3をバーコーターで塗布し、乾燥後、続いてその上に、
低屈折率層組成物−1を塗布し、80℃、5分間乾燥し
た。こうして3層積層した後に、高圧水銀ランプ(80
W)で紫外線を、500mj/cm2の照射量で照射
し、反射防止フィルム−15を作製した。
【0107】このフィルムを反射防止フィルム−14と
比較して測定、試験した結果を表6に示した。
【0108】
【表6】
【0109】(結果) 実施例−4の反射防止フィルム
−14は各層塗設ごとに紫外線を照射したのに、反射防
止フィルム−15は積層後に紫外線を照射したものであ
るが、いろいろ試験した結果照射しても両者とも同様な
結果が得られ紫外線照射の時期は何時でもよいというこ
とがわかった。
【0110】[実施例−6] 《中屈折率層フィルムの作製》実施例−1で作成したハ
ードコート層フィルムの層の上に下記中屈折率層組成物
−2をバーコーターで塗布し、80℃で5分間乾燥さ
せ、高圧水銀ランプ(80W)で紫外線を500mj/
cm2の照射量で照射し、中屈折率層フィルム−2(ま
たは、中屈折率層−2)を作製した。この中屈折率層−
2の屈折率は1.58であり、膜厚は約85nmであっ
た。
【0111】《反射防止フィルムの作製》該中屈折率層
−2の上に、下記高屈折率層組成物−6をバーコーター
で塗布し、80℃で5分間乾燥させ、高圧水銀ランプ
(80W)で紫外線を500mj/cm2の照射量で照
射し、更に、フッ素化合物を含有している低屈折率層組
成物−2:日本合成ゴム社製、商品名「オプスターJN
7212」を乾燥膜厚が100nmになるように塗布
し、120℃、1時間加熱して反射防止フィルム−16
を作製した。
【0112】 <中屈折率層組成物−2> テトラ(n)プロポキシジルコニウム 45重量部 シクロヘキサノン 1400重量部 イソプロピルアルコール 3500重量部 界面活性剤(大日本インキ社製F−177) 1重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 6重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 1.5重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 1.5重量部 ジエトキシベンゾフェノン(UV開始剤) 0.1重量部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 5重量部 <高屈折率層組成物−6> テトラ(i)プロポキシチタン 60重量部 シクロヘキサノン 2500重量部 イソプロピルアルコール 5700重量部 界面活性剤(大日本インキ社製F−177) 1重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 3重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 1重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 1重量部 ジエトキシベンゾフェノン(UV開始剤) 0.1重量部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 5重量部 反射防止フィルム−16を反射防止フィルム−14と比
較して試験を行い、その結果を表7に示した。
【0113】
【表7】
【0114】(結果) いずれの反射防止フィルムも低
反射率特性、機械的物性、保存性において良好な性能を
示した。
【0115】
【発明の効果】本発明の反射防止フィルムは紫外光を照
射することにより、低温、短時間で得られ、光学特性、
膜強度が良好で、基板との接着性に優れ、工業的に価値
のある反射防止フィルムを提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】波長に対する反射率の変化図。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材上の多層の反射防止層の少なく
    とも1層が、金属アルコキシドまたはその加水分解物、
    下記一般式(I)で表される紫外線反応性の金属アルコ
    キシド化合物、該一般式(I)の化合物を除く紫外線反
    応性化合物及び有機溶媒を含有する組成物の塗膜に紫外
    線を照射した層であることを特徴とする反射防止フィル
    ム。 一般式(I):M(R1m(R2n(OR3p ここで、Mは金属、Oは酸素原子、R1は紫外線反応性
    基で、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、アクリ
    ロイル基、メタクリロイル基を有する基を表し、R2
    炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R3は炭
    素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基または水素原子を表
    し、m+n+p=qで、qは金属の原子価で、q−1≧
    m≧1、q−1≧p≧1、q−1≧n≧0、であり、
    m、n及びpは正の整数を表す。
  2. 【請求項2】 前記紫外線を照射した層が、該層の屈折
    率に応じて紫外線照射量を調節して照射し成膜した層で
    あることを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 前記金属アルコキシドまたはその加水分
    解物がAl、Si、Ti、V、Zn、Sr、Y、Zr、
    In、Sn、Ta、W、Tl及びCeから選ばれる少な
    くとも一つの金属を有する化合物、またはこれらの金属
    から選ばれる少なくとも2種を有する複合化合物である
    ことを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィルム。
  4. 【請求項4】 前記一般式(I)のMがAl、Si、T
    i、V、Zn、Sr、Y、Zr、In、Sn、Ta、
    W、Tl及びCeから選ばれる少なくとも一つの金属で
    あることを特徴とする請求項1に記載の反射防止フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 前記紫外線反応性化合物が分子中に少な
    くとも1個のビニル基、アリル基、アクリロイル基及び
    メタクリロイル基を有することを特徴とする請求項1に
    記載の反射防止フィルム。
  6. 【請求項6】 前記透明基材上の多層の反射防止層の少
    なくとも1層が、金属アルコキシドまたはその加水分解
    物、不飽和二重結合基を有する下記一般式(II)の金属
    アルコキシド化合物及び有機溶媒を含有する組成物を塗
    布し成膜した層であることを特徴とする請求項1に記載
    の反射防止フィルム。 一般式(II):M(R1v(R2w(OR3x ここで、Mは金属、Oは酸素原子、R1は不飽和二重結
    合基を有する基で、ビニル基、イソプロペニル基、アリ
    ル基、アクリロイル基、メタクリロイル基を有する基を
    表し、R2は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基を表
    し、R3は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基または
    水素原子を表し、v+w+x=zで、zは金属の原子価
    で、z−1≧v≧1、z−1≧x≧1、z−1≧w≧
    0、であり、v、w及びxは正の整数を表す。
  7. 【請求項7】 前記一般式(II)のMがAl、Si、T
    i、V、Zn、Sr、Y、Zr、In、Sn、Ta、
    W、Tl及びCeから選ばれる少なくとも一つの金属で
    あることを特徴とする請求項6に記載の反射防止フィル
    ム。
  8. 【請求項8】 前記透明基材と前記金属アルコキシドま
    たはその加水分解物を含有する層との間に、ハードコー
    ト層を有することを特徴とする請求項1または6に記載
    の反射防止フィルム。
  9. 【請求項9】 該ハードコート層が紫外線反応性化合物
    を紫外線照射により硬化させたものであることを特徴と
    する請求項8に記載の反射防止フィルム。
  10. 【請求項10】 前記透明基材がセルローストリアセテ
    ートであることを特徴とする請求項1、6または8のい
    ずれか1項に記載の反射防止フィルム。
  11. 【請求項11】 透明基材上に多層の反射防止層を逐次
    積層して反射防止フィルムを作製するにあたり、これら
    のうち少なくとも1層を、金属アルコキシドまたはその
    加水分解物、紫外線反応性化合物及び有機溶媒を含有す
    る組成物を該基材上に塗設後、屈折率に応じて紫外線照
    射を調節して照射し成膜することを特徴とする反射防止
    フィルムの製造方法。
  12. 【請求項12】 透明基材上に多層の反射防止層を逐次
    積層して反射防止フィルムを作製するにあたり、これら
    のうち少なくとも1層を、金属アルコキシドまたはその
    加水分解物、下記一般式(I)で表される紫外線反応性
    の金属アルコキシド化合物、該一般式の化合物を除く紫
    外線反応性化合物、及び有機溶媒を含有する組成物を該
    基材上に塗設後、屈折率に応じて紫外線照射を調節して
    照射し成膜することを特徴とする反射防止フィルムの製
    造方法。 一般式(I):M(R1m(R2n(OR3p ここで、Mは金属、Oは酸素原子、R1は紫外線反応性
    基で、ビニル基、イソプロペニル基、アリル基、アクリ
    ロイル基、メタクリロイル基を有する基を表し、R2
    炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R3は炭
    素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基または水素原子を表
    し、m+n+p=qで、qは金属の原子価で、q−1≧
    m≧1、q−1≧p≧1、q−1≧n≧0、であり、
    m、n及びpは正の整数を表す。
  13. 【請求項13】 前記金属アルコキシドまたはその加水
    分解物がAl、Si、Ti、V、Zn、Sr、Y、Z
    r、In、Sn、Ta、W、Tl及びCeから選ばれる
    少なくとも一つの金属を有する化合物であることを特徴
    とする請求項11または12に記載の反射防止フィルム
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記一般式(I)のMがAl、Si、
    Ti、V、Zn、Sr、Y、Zr、In、Sn、Ta、
    W、Tl及びCeから選ばれる少なくとも一つの金属で
    あることを特徴とする請求項12に記載の反射防止フィ
    ルムの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記紫外線反応性化合物が分子中に少
    なくとも1個のビニル基、アリル基、アクリロイル基又
    はメタクリロイル基であることを特徴とする請求項11
    または12に記載の反射防止フィルムの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記透明基材上の多層の反射防止層の
    少なくとも1層が、金属アルコキシドまたはその加水分
    解物、不飽和二重結合基を有する下記一般式(II)の金
    属アルコキシド化合物及び有機溶媒を含有する組成物を
    塗布し成膜した層であることを特徴とする請求項11ま
    たは12に記載の反射防止フィルムの製造方法。 一般式(II):M(R1v(R2w(OR3x ここで、Mは金属、Oは酸素原子、R1は不飽和二重結
    合基を有する基で、ビニル基、イソプロペニル基、アリ
    ル基、アクリロイル基、メタクリロイル基を有する基を
    表し、R2は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基を表
    し、R3は炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基または
    水素原子を表し、v+w+x=zで、zは金属の原子価
    で、z−1≧v≧1、z−1≧x≧1、z−1≧w≧
    0、であり、v、w及びxは正の整数を表す。
  17. 【請求項17】 前記一般式(II)のMがAl、Si、
    Ti、V、Zn、Sr、Y、Zr、In、Sn、Ta、
    W、Tl及びCeから選ばれる少なくとも一つの金属で
    あることを特徴とする請求項16に記載の反射防止フィ
    ルムの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記金属アルコキシドまたはその加水
    分解物を含有する層を設層する前に、前記透明基材と該
    金属アルコキシドまたはその加水分解物を含有する層の
    下に、ハードコート層を設層することを特徴とする請求
    項11、12または16に記載の反射防止フィルムの製
    造方法。
  19. 【請求項19】 該ハードコート層が紫外線反応性化合
    物を含有する層であって、該ハードコート層を紫外線照
    射により成膜することを特徴とする請求項18に記載の
    反射防止フィルムの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記透明基材がセルローストリアセテ
    ートであることを特徴とする請求項11、12、16ま
    たは18のいずれか1項に記載の反射防止フィルムの製
    造方法。
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