JP2005290199A - 光硬化性樹脂組成物及びその重合体 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物及びその重合体 Download PDF

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Abstract

【課題】 可視光透過性で高硬度の高屈折率膜を与えることができる硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 光硬化性樹脂組成物は、以下の成分(A)及び(B):
(A)下記式(1)で示される金属アルコキシドまたはその加水分解化合物
【化1】
Figure 2005290199

(式(1)中、R1は、ラジカル重合可能なビニル基を有する置換基を表し、Rは炭素数1〜5の飽和炭化水素基を表す。Mは、Ti、Sb、W、Zr、Ce、Sn及びFeからなる群より選択される少なくとも一種の金属原子を表す。mとnの和は金属Mの価数を表す。);
(B)下記式(2)で表されるフルオレン誘導体
【化2】
Figure 2005290199

(式(2)中、R3およびR4は、それぞれ独立的に、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシアルコキシ基、または末端に(メタ)アクリロイルオキシ基が置換したポリアルキレンオキシ基を表す。)
を含有する。
【選択図】 無し

Description

本発明は、可視光透過性で高硬度の高屈折率膜を与えることができる光硬化性樹脂組成物、それを利用する積層体及びその製造に関する。
通常、液晶表示装置や有機EL装置などの画像表示装置の表示素子表面には反射防止膜が形成されている。反射防止膜は、一般的に高屈折率層の表面に低屈折率層を設けた積層体構造を有している。このような反射防止膜においては、入射した可視光のうち、高屈折率層で反射した反射光と低屈折率層で反射した反射光とが、それらの光路差のために互いに干渉しあい、全体として反射光量が減少する。
ところで、反射防止膜に適した材料として、金属アルコキシドやその加水分解物と光硬化性樹脂を組み合わせた組成物に、屈折率向上剤としてチタン化合物を含有させた光硬化性樹脂組成物が提案されている(特許文献1、特許文献2)。しかし、このような光硬化性樹脂組成物の場合、酸化チタン含有量が全体の50質量%以下と低いため、十分な高屈折率材料とは言い難い。
また、重合性不飽和結合を分子内に2個以上有する光重合性有機化合物に、比較的高濃度で金属アルコキシドを添加する技術が提案されている(特許文献3)が、比較的低い屈折率材料であり、しかも添加する金属アルコキシドと光硬化性樹脂との間に反応性がないため、硬化性樹脂組成物の膜から金属アルコキシドがブリードアウトしたり、露出している金属アルコキシド加水分解物が剥がれ落ちる危険性がある。
また、2以上の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物に、表面を(メタ)アクリロイルオキシ基等を有するシラン化合物で修飾した金属酸化物粒子を配合した光硬化性樹脂組成物が提案されている(特許文献4)。この組成物からは、膜硬度が向上した硬化樹脂膜が得られるが、シラン化合物の屈折率が十分に高いとはいえず、高屈折率材料とは言い難い。
また、光硬化性樹脂組成物に使用するモノマー側の改良として、フルオレン誘導体を用いることが提案されている(特許文献5〜8)。しかし、フルオレン誘導体を含有する光硬化性樹脂組成物の場合、金属酸化物粒子が添加された光硬化性樹脂組成物に比べ硬度が高くなるが、屈折率が低い。このため、フルオレン誘導体に金属酸化物粒子を加えた系が提案されている(特許文献9)が、金属酸化物粒子とフルオレン誘導体の親和性が十分でなく、硬化樹脂内の金属酸化物粒子の分散性が不十分であるため透明性が低下する。
このように、可視光透過性で高硬度の高屈折率膜を与えることのできる実用的な硬化型樹脂組成物が未だ得られていない現状である。
特開昭61−130382号公報 特開平07−292285号公報 特開平10−176118号公報 特開平11−116845号公報 特開平3−106918号公報 特開平06−211936号公報 特開平06−220131号公報 特開平06−220148号公報 特開平05−164903号公報
本発明の課題は、可視光透過性で高硬度の高屈折率膜を与えることができる硬化性樹脂組成物、それを利用する積層体及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、特定の金属アルコキシドまたはその加水分解化合物に、特定のフルオレン化合物を配合した硬化型樹脂組成物により、上述の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の成分(A)及び(B):
(A)下記式(1)で示される金属アルコキシドまたはその加水分解化合物
Figure 2005290199
(式(1)中、R1は、少なくとも1つのラジカル重合可能なビニル基を有する炭素数が2〜20の置換基を表し、R1が複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。Rは、炭素数1〜5の飽和炭化水素基を表し、Rが複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。MはTi、Sb、W、Zr、Ce、Sn及びFeからなる群より選択される少なくとも一種の金属原子を表す。mおよびnはそれぞれ0または自然数を表す。但し、m及びnは同時に0ではなく且つmとnの和は金属Mの価数を表す。);
(B)下記式(2)で表されるフルオレン誘導体
Figure 2005290199
(式(2)中、R3およびR4は、それぞれ独立的に、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシアルコキシ基、または末端に(メタ)アクリロイルオキシ基が置換したポリアルキレンオキシ基を表す。)
を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物を提供する。ここで、本明細書においては、アクリロイル又はメタクリロイルを(メタ)アクリロイルと称し、アクリレート又はメタクリレートを(メタ)アクリレート、アクリル酸又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸と称する。
また、本発明は、以下の成分(A')からなる重合単位及び成分(B)からなる重合単位:
(A')下記式(1')で示される金属アルコキシドまたはその加水分解化合物
Figure 2005290199
(式(1')中、R1は、少なくとも1つのラジカル重合可能なビニル基を有する炭素数が2〜20の置換基を表し、R1が複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。Rは炭素数1〜5の飽和炭化水素基を表し、Rが複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。M'は金属原子を表す。mおよびnはそれぞれ0または自然数を表す。但し、m及びnは同時に0ではなく且つmとnの和は金属M'の価数を表す。);
(B)前記式(2)で表されるフルオレン誘導体
を有し、屈折率が1.55以上であることを特徴とする重合体を提供する。
また、本発明は、基材上に1以上の樹脂層が積層されて成る積層体であって、該樹脂層のうち少なくとも1層が、前述の本発明の重合体からなる層であることを特徴とする積層体、特に、具体的な態様として、本発明の重合体からなる1以上の高屈折率層と、該高屈折率層より0.1以上低い屈折率を有する重合体からなる1以上の低屈折率層とが積層されてなる反射防止膜および該反射防止膜を備えた表示装置を提供する。
本発明は、また、この積層体の製造方法であって、以下の工程(a)および(b):
(a)基材上に前述の光硬化性樹脂組成物の膜を形成する工程;
(b)得られた光硬化性樹脂組成物の膜に活性エネルギー線を照射して重合硬化させ、光硬化性樹脂組成物の重合体の層を形成する工程
を含むことを特徴とする製造方法を提供する。
特定の金属アルコキシドまたはその加水分解物と特定のフルオレン誘導体とを含有する本発明の光硬化性樹脂組成物を重合硬化させた重合体は、可視光透過性であり、しかも硬度が高く、高屈折率を示す。従って、本発明の光硬化性樹脂組成物は、高い光硬度、高い透明性、高い屈折率の重合体膜を与えることができる。このような重合体膜は、反射防止膜に適したものであり、ラミネート箔や画像表示画面保護板、ヘルメットシールド等の反射防止材料として有用である。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、前述した成分(A)および(B):
(A)前記式(1)で示される金属アルコキシドまたはその加水分解化合物
Figure 2005290199
(B)前記式(2)で表されるフルオレン誘導体




Figure 2005290199
を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物である。
成分(A)は、光硬化性樹脂組成物の硬化物に高い屈折率と高い硬度を付与するための成分である。本発明においては、式(1)の金属アルコキシドあるいはその加水分解物は、成分(A)として単独で使用してもよく、また金属アルコキシドと加水分解物を併用してもよい。また、成分(A)として、複数種の式(1)の金属アルコキシドまたはその加水分解物を併用してもよい。
ここで、式(1)におけるR1は、少なくとも1つのラジカル重合可能なビニル基を有する炭素数が2〜20の置換基を表し、R1が複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。また、RはSiなど金属原子を含んでいてもよい。R1の具体例としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、末端にスチリル基を有する置換基(例えば、p−ビニルベンジル基、p−スチリルシリル基等)、γ−(メタ)アクリロイルキシプロピルシリル基等が挙げられる。中でも、高屈折率膜を得るという観点から、Rとしてスチリル基、末端にスチリル基を有する置換基が好ましく、中でも、p−スチリルシリル基が好ましい。また、光硬化性樹脂組成物の反応性を高めるという観点から、Rとしてp−スチリルシリル基及び(メタ)アクリル基が好ましい。この場合、具体的には、p−スチリルシリル基を有する式(1)の化合物と(メタ)アクリル基を有する式(1)の化合物とを併用することが好ましく、あるいは一分子中に、p−スチリルシリル基と(メタ)アクリル基とを有する式(1)の化合物を使用することが好ましい。
式(1)におけるRは、炭素数1〜5の飽和炭化水素基を表し、Rが複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基等挙げられる。中でも、反応性が高いという観点から、メチル基が好ましく挙げられる。
式(1)におけるMは、Ti、Sb、W、Zr、Ce、Sn及びFeからなる群より選択される少なくとも一種の金属原子を表す。より高屈折率の硬化膜を得るという観点から、Mとしてはチタンが好ましい。
式(1)におけるmおよびnは、それぞれ0または自然数を表す。但し、m及びnは同時に0ではなく且つmとnの和は金属Mの価数を表す。なお、mは、大きすぎると硬化膜の硬度が低下するため、1または2が好ましく、1がより好ましい。
成分(A)の式(1)の金属アルコキシドとしては、下記式(3)の化合物を好ましく挙げることができる。特に、式(3)の金属アルコキシドと下記式(4)の金属アルコキシドとを同時に併用することが好ましい。
Figure 2005290199
Figure 2005290199
式(3)中、R11は炭素数1〜5からなる飽和炭化水素基またはフェニル基を表し、R11が複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。飽和炭化水素基の具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基等挙げられる。中でも、硬化膜の屈折率を低下させないという観点から、R11としてはメチル基が好ましい。M、R、m及びnは既に説明した通りである。
式(4)中、R12は水素原子またはメチル基である。R12が複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。M、R、m及びnは既に説明した通りである。
成分(A)の式(1)の金属アルコキシドの加水分解化合物は、金属アルコキシドと水とを接触させることにより生成する化合物であり、m個の置換基ORとn個の置換基ORのうちの少なくとも一部が加水分解を受けて水酸基となったものであり、更に水酸基同士が脱水縮合したものも含む。
本発明において、成分(B)の式(2)のフルオレン誘導体は、活性エネルギー線により重合可能なエチレン性不飽和化合物であり、光硬化性樹脂組成物の硬化膜のマトリックスを形成するための成分であり、硬化収縮率が小さい。従って、該光硬化性樹脂組成物からは、ひずみの少ない硬化膜が得られる。
式(2)中、R3およびR4は、それぞれ独立的に、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシアルコキシ基、または末端に(メタ)アクリロイルオキシ基が置換したポリアルキレンオキシ基を表す。ここで、(メタ)アクリロイルオキシアルコキシ基としては、アクリロイルオキシエトキシ基、アクリロイル(2−ヒドロキシ)プロポキシ基が好ましく挙げられる。また、末端に(メタ)アクリロイルオキシ基が置換したポリアルキレンオキシ基としては、[−O−(CH2CH(OH)CH2O)o−CO−CH=CH2]、[−O−(CH2CH2O)p−CO−CH=CH2]が好ましく挙げられる。ここで、oおよびpは、大きくなりすぎると得られる硬化膜の樹脂基材に対する密着性が向上する反面、硬化膜の硬度及び透明性が低下する傾向があるので、好ましくは2または3である。これらの中で、R3およびR4としては、共にアクリロイルオキシエトキシ基が反応性および得られる膜強度の観点から特に好ましい。
光硬化性樹脂組成物の固形分(硬化後に固形分となる成分も含む)中の成分(A)の配合割合は、少なすぎると光硬化性樹脂組成物の硬化膜の屈折率が過度に低下し過ぎる傾向があり、多すぎると硬化膜が脆くなりすぎる傾向があるので、好ましくは50〜89.9質量%、より好ましくは50〜80質量%である。
光硬化性樹脂組成物の固形分(硬化後に固形分となる成分も含む)中の成分(B)の配合割合は、少なすぎると光硬化性樹脂組成物の硬化膜が脆くなりすぎる傾向があり、多すぎると硬化膜の屈折率が低下しすぎる傾向があるので、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、成分(A)及び成分(B)に加えて、通常、成分(C)として光重合開始剤を含有する。その配合割合は、少なすぎると光硬化性樹脂組成物の硬化性が過度に低下し、多すぎると相対的に成分(A)及び成分(B)の配合比率が低下し、重合硬化膜の屈折率、膜硬度が共に低下するので、固形分(硬化後に固形分となる成分も含む)中に、好ましくは0.1〜10質量%である。
成分(C)光重合開始剤としては、硬化手段である活性エネルギー線(紫外線、可視光、電子線など)に応じて適宜選択することができる。また、光重合開始剤と共に、光増感剤、光重合促進剤などから選ばれる1種類以上の公知の光触媒化合物を好ましく併用することができる。場合により、少量の熱重合開始剤を併用してもよい。
成分(C)光重合開始剤の具体例としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントフルオレノン、ベンズアルデヒド、アントラキノン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4−ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−チオキサントン、カンファーキノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン等が挙げられる。また、N−アクリロイルキシエチルマレイミドのように分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する光重合開始剤も用いることができる。
光増感剤の具体例としては、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等を挙げることができる。また、光促進剤の具体例としては、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノ安息香酸2−n−ブトキシエチル、安息香酸2−ジメチルアミノエチルなどを挙げることができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物には、その成膜を容易にするために、希釈剤を加えることが好ましい。希釈剤の配合量は、目的とする硬化膜の膜厚に合わせて適宜決定することができる。
このような希釈剤としては、一般の樹脂塗料に用いられている希釈剤を使用することができ、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物; 酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチルなどのエステル系化合物; ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジオキサン等のエーテル系化合物; トルエン、キシレンなどの芳香族化合物; ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族化合物; 塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルムなどのハロゲン系炭化水素; メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノールなどのアルコール化合物; そして水等を挙げることができる。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物には、必要に応じて分子内に少なくとも1個のエチレン性二重結合を有し、活性エネルギー線(例えば、紫外線、可視光、電子線、エックス線)で重合可能なエチレン性不飽和化合物を配合することができる。
活性エネルギー線で重合可能なエチレン性不飽和化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ビフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビフェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、フェニルエポキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−[2−(メタ)アクリロイルエチル]−1,2−シクロヘキサンジカルボイミド、N−[2−(メタ)アクリロイルエチル]−1,2−シクロヘキサンジカルボイミド−1−エン、N−[2−(メタ)アクリロイルエチル]−1,2−シクロヘキサンジカルボイミド−4−エン等の単官能性(メタ)アクリレート系モノマー; N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカプロラクタム、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸アリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニル系モノマー; 1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールのエチレンオキサイド変性ジアクリレート、エチレンオキサイド変性テトラブロモビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレート、ジンクジアクリレートなどの2官能性(メタ)アクリレート; トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンのテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性イソシアヌール酸トリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンのテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールのテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールのテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホルマール、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−ヒドラジンなどの多官能性モノマー; ウレタンアクリレート、エステルアクリレートなどのオリゴマーアクリレートが挙げられる。これらのうち2官能以上の多官能性モノマーが好ましく用いられる。また、これらの化合物は単独で、または2種類以上で用いられる。
また、本発明の光硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、活性エネルギー線で重合可能なビニルエーテル系、エポキシ系またはオキセタン系の化合物等を配合してもよい。ビニルエーテル系化合物の具体例としては、エチレンオキサイド変性ビスフェノール−A−ジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノール−F−ジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性カテコールジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性レゾルシノールジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ハイドロキノンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性−1,3,5,ベンゼントリオールトリビニルエーテルなどが挙げられる。エポキシ系化合物の具体例としては、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、フェノールノボラックのグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどが挙げられる。また、オキセタン化合物の具体例としては3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンなどが挙げられる。
本発明の光硬化性樹脂組成物には、必要に応じて以下式(5)
Figure 2005290199
(式(5)中、R5は、炭素数1〜5の飽和炭化水素基を表し、R5が複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。MはTi、Sb、W、Zr、Ce、Sn及びFeからなる群より選択される少なくとも一種の金属原子を表す。qは金属Mの価数を表す。)
で表される金属アルコキシドまたはその加水分解物を加えることができる。ここで、Mとしては、より高屈折率の硬化膜が得られるためチタンを好ましく使用することができる。R5の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基等挙げられるが、反応性の高いメチル基が好ましく挙げることできる。
式(5)の金属アルコキシドの加水分解化合物は、金属アルコキシドと水とを接触させることにより生成する化合物であり、q個の置換基ORのうちの少なくとも一部が加水分解を受けて水酸基となったものであり、更に水酸基同士が脱水縮合してエーテル化したものも含む。
本発明の光硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、更に無機フィラー、重合禁止剤、着色顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、分散剤、光拡散剤、可塑剤、帯電防止剤、界面活性剤、非反応性ポリマー等を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、成分(A)及び成分(B)、更に必要に応じて成分(C)や他の添加物を、常法により均一に混合することにより製造することができる。なお、比較的長期に保存する場合には、成分(C)の光重合開始剤を配合せずに、使用直前に混合するようにしてもよい。
本発明の重合体は、前述した成分(A')の化合物からなる重合単位と成分(B)の化合物からなる重合単位とを含む、可視光透過性、高硬度、高屈折率を示す重合体となるが、特に、ナトリウムD線に対する屈折率は1.55以上である。ここで、前述の式(1')におけるM'は、重合体の屈折率が1.55以上となるように金属原子を選択するが、好ましいM'は、成分(A)の式(1)において定義したMと同義のものである。また、式(1')におけるR1、R、m及びnは、成分(A)の式(1)において定義したR1、R、m及びnと同義である。
この重合体としては、前述した本発明の光硬化性樹脂組成物を重合硬化させて得られる重合体が好適に用いられる。
なお、成分(A')の化合物からなる好ましい重合単位としては、以下式(3')
Figure 2005290199
(式(3')中、R11は炭素数1〜5からなる飽和炭化水素基またはフェニル基を表し、これらは同種であっても異なっていてもよい。R2、M'、mおよびnは式(1')において定義した通りである。)
で表される金属アルコキシドまたはその加水分解化合物が挙げられる。
また、本発明の重合体においては、式(3')の化合物からなる重合単位に加えて、以下式(4')
Figure 2005290199
(式(4')中、R12は水素原子またはメチル基を表す。R2、M'、mおよびnは式(3')で定義した通りである。)
で示される金属アルコキシドまたはその加水分解化合物からなる重合単位とが共存していることがより好ましい。また、重合体における成分(A')からなる重合単位と成分(B)からなる重合単位の質量換算での存在割合は、前述したように、好ましくは(50〜89.9):(10〜50)、より好ましくは(50〜80):(10〜30)である。
本発明の重合体は、その可視光透過性、高硬度、高屈折率を利用し、積層体を構成する樹脂層として用いることができる。即ち、本発明によれば、基材上に1以上の樹脂層が積層されて成る積層体であって、該樹脂層のうち少なくとも1層が、本発明の重合体からなる層であることを特徴とする積層体が提供される。
積層体を構成する基材としては、板状またはフィルム状の、金属(鉄、アルミニウムなど)基材、ガラスを含むセラミック基材、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートなどのプラスチック基材、熱硬化性樹脂基材等を使用することができる。
積層体を構成する樹脂層は、単層でも多層でもよく、単層の場合には本発明の重合体からなる層そのものであり、多層の場合にはその少なくとも1層が本発明の重合体からなる層であればよい。本発明の重合体からなる層と併用可能な樹脂層としては、積層体の用途に応じて適宜決定することができる。
このようにして得られる積層体は、前述したように、可視光透過性でありかつ高硬度を有する高屈折率膜の皮膜を得ることができるので、反射防止膜として応用可能であり、ラミネート箔や画像表示画面保護板、ヘルメットシールド、表示素子等の物品に有利に利用することができる。
反射防止膜の構造としては、基材/高屈折率層/低屈折率層、基材/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層、基材/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、基材/ハードコート層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、基材/ハードコート層/透明導電層/高屈折率層/低屈折率層等の構成のものが挙げられる。高屈折率層のうちの少なくとも1層は本発明の重合体からなる層である。また、上記低屈折率層としては、高屈折率層を構成する材料の屈折率よりも0.1以上低い材料からなることが好ましく、例えば、シリコーン系樹脂やフッ素系樹脂を用いることができる。
上記反射防止膜を備えた部材を有する表示装置としては、特に制限はなく、例えば、表面保護板、拡散板、偏光板等に上記反射防止膜を用いた表示装置、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマ表示装置などを挙げることができる。これらの表示装置の基本的構成は、本発明の反射防止膜を使用する以外は従来工程の表示装置の構成を採用することができる。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、上述したように基材上に1以上の樹脂層が積層された積層体を製造する際の樹脂層の原料として好ましく使用することができるが、このような積層体は、以下の工程(a)及び(b)を含む製造方法に従って製造することができる。
工程(a)
まず基材上に本発明の光硬化性樹脂組成物の膜を形成する。膜の形成は、含浸法、凸版印刷法、平板印刷法、凹版印刷などで用いられるロールを用いた塗工法、基材に噴霧するようなスプレー法、カーテンフローコート等の公知の成膜法により行うことができる。
なお、光硬化性樹脂組成物中に希釈剤(溶剤)が含まれている場合、希釈剤は後述する工程(b)を実施する前に予め除去しておくことが好ましい。この場合、通常は加熱により蒸発させる。その方法としては加熱炉、遠赤外炉または超遠赤外炉などを用いることができる。
工程(b)
工程(a)で得られた光硬化性樹脂組成物の膜に対し活性エネルギー線を照射することにより重合硬化させ、光硬化性樹脂組成物の重合体からなる層を形成する。これにより、塗料に対し濡れ性が悪い基材を使用した場合であっても、基材上に均一で薄い(例えば、0.01μm以上10μm以下の厚さ)の重合体からなる層が形成された積層体を得ることができる。
活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、レーザー、電子線、エックス線などの広範囲のものを使用することができるが、これらの中でも紫外線を用いることが実用面からは好ましい。具体的な紫外線発生源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどが挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
テトライソプロポキシチタン2.84gを、硝酸を添加した2−プロパノール(IPA)中で加水分解し、ジメチルスチリルシリルトリメトキシチタン(KBM−1403、信越シリコーン社製)2.2gを加えて50℃で24hr反応させ、溶媒をエバポレートしてスチリル基含有アルコキシチタン加水分解縮合物を得た。この加水分解縮合物0.9gとフルオレン誘導体(ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート)0.1gをメチルエチルケトン(MEK)で希釈し、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.05gを加えて光硬化性樹脂組成物を得た。
実施例2
テトライソプロポキシチタン15gとメタクリル酸1.5gを酢酸エチル4g中で攪拌し、(CH2=C(CH3)C(=O)O)mTi(O−isoPr)n(但し、m及びnは自然数であり、かつmとnとの和は4である。)を得た。このメタクリロイル基含有化合物0.5gとフルオレン誘導体(ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート)0.5gを酢酸エチルで希釈し、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.05gを加えて光硬化性樹脂組成物を得た。
実施例3
テトライソプロポキシチタン2.84gを硝酸を添加したIPA中で加水分解し、エバポレートしてアルコキシチタン加水分解物を得た。これを酢酸エチル4gに溶解し、メタクリル酸0.86gを添加して攪拌し、メタクリロイル基含有アルコキシチタン加水分解縮合物を得た。
このメタクリロイル基含有化合物0.7gとフルオレン誘導体(ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート)0.3gを酢酸エチルで希釈し、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.05gを加えて光硬化性樹脂組成物を得た。
実施例4
実施例1で調製したスチリル基含有アルコキシチタン加水分解縮合物0.5gと実施例2で調製したメタクリロイル基含有アルコキシチタン化合物0.2g、フルオレン誘導体(ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート)0.3gを酢酸エチルで希釈し、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.05gを加えて光硬化性樹脂組成物を得た。
実施例5
実施例1で調製したスチリル基含有アルコキシチタン加水分解縮合物0.5gと実施例3で調製したメタクリロイル基含有アルコキシチタン加水分解縮合物0.3g、フルオレン誘導体(ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート)0.2gを酢酸エチルで希釈し、光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.05gを加えて光硬化性樹脂組成物を得た。
比較例1
酸化チタン粒子(TTO−51、石原産業社製)1gとポリウレタンアクリレート系樹脂(ビームセット575CB、荒川化学工業社製)1gのMEK分散液を調製した。
比較例2
酸化チタン粒子(TTO−51、石原産業社製)1gとフルオレン誘導体(ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート)1gと光重合開始剤(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.05gのMEK分散液を調製した。
比較例3
テトライソプロポキシチタン2.84gを、硝酸を添加したIPA中で加水分解し、溶媒をエバポレートしてアルコキシチタン加水分解縮合物を得た。この加水分解縮合物0.7gとポリウレタンアクリレート系樹脂(ビームセット575CB、荒川化学工業社製)0.3gをMEKで希釈し光硬化性樹脂組成物を得た。
(評価)
実施例1〜5及び比較例1〜3において調製された光硬化性樹脂組成物を、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に固形分膜厚が5μmになるようにバーコート塗布し、130℃で30秒間乾燥後、1分間高圧水銀灯を照射して硬化樹脂層を形成した。実施例及び比較例における評価は、次の方法で行った。得られた結果を表1に示す。
鉛筆硬度: PETフィルム上に形成した硬化樹脂層について、JISに定める方法に従って測定した。
屈折率: PETフィルム上に形成した硬化樹脂層について、反射率測定器(F20、Filmetrics社製)で測定した。
ヘイズ(%): PETフィルム上に形成した硬化樹脂層についてヘイズメーター(日本電色工業社製 NDH−1001DP)で測定した。
Figure 2005290199
表1に記載された実施例1〜5の結果から分かるように、本発明で得られた光硬化性樹脂組成物からは、可視光領域で透明(ヘイズ0.5以上)でありかつ高硬度(鉛筆硬度2H以上)を有する高屈折率膜(屈折率1.60以上)を得ることができる。
実施例6
実施例2で得られた積層体上に低屈折率層として熱硬化性樹脂(オプスター7212、JSR社)を固形分膜厚が0.1μmとなるように塗工し、120℃で20分間乾燥することにより反射防止機能付きPETフィルムを得た。得られた反射防止機能付きPETフィルムの最低反射率は0.2%であり、鉛筆硬度は3Hであった。
実施例7
実施例6で得られた反射防止機能付きPETフィルムを液晶ディスプレイ上に貼り付けた後、ディスプレイ画面を目視にて観察した。その結果、反射防止機能付きPETフィルムを貼り付けた液晶ディスプレイの場合、それを貼り付けない液晶ディスプレイの場合に比べ、周辺環境の写り込みの少ない高品位の映像を観察することができた。
本発明の光硬化性樹脂組成物は、可視光透過性で且つ高硬度を有する高屈折率の皮膜を与えることができるので、反射防止膜として応用可能であり、ラミネート箔や画像表示画面保護板、ヘルメットシールド等の物品に有利に利用することができる。

Claims (17)

  1. 以下の成分(A)及び(B):
    (A)下記式(1)で示される金属アルコキシドまたはその加水分解化合物
    Figure 2005290199

    (式(1)中、R1は、少なくとも1つのラジカル重合可能なビニル基を有する炭素数が2〜20の置換基を表し、R1が複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。Rは炭素数1〜5の飽和炭化水素基を表し、Rが複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。Mは、Ti、Sb、W、Zr、Ce、Sn及びFeからなる群より選択される少なくとも一種の金属原子を表す。mおよびnは、それぞれ0または自然数を表す。但し、m及びnは同時に0ではなく且つmとnの和は金属Mの価数を表す。);
    (B)下記式(2)で表されるフルオレン誘導体
    Figure 2005290199
    (式(2)中、R3およびR4は、それぞれ独立的に、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシアルコキシ基、または末端に(メタ)アクリロイルオキシ基が置換したポリアルキレンオキシ基を表す。)
    を含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
  2. 式(1)中のR1が、スチリル基又は末端にスチリル基を有する置換基である請求項1記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 成分(A)が、式(3)
    Figure 2005290199
    (式(3)中、R11は炭素数1〜5からなる飽和炭化水素基またはフェニル基を表し、これらは同種であっても異なっていてもよい。R2、M、mおよびnは式(1)で定義した通りである。)
    で表される金属アルコキシドまたはその加水分解化合物である請求項1記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. 成分(A)が、式(3)の金属アルコキシドに加えて、更に以下式(4)
    Figure 2005290199
    (式(4)中、R12は水素原子またはメチル基を表す。R2、M、mおよびnは式(1)で定義した通りである。)
    で示される金属アルコキシドまたはその加水分解化合物を含有する請求項3記載の光硬化性樹脂組成物。
  5. 光硬化性樹脂組成物の固形分中の成分(A)の配合割合が、50〜89.9質量%であり、成分(B)の配合割合が10〜50質量%である1〜4のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  6. 更に成分(C)として光重合開始剤を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  7. 光硬化性樹脂組成物の固形分中の成分(C)の配合割合が、0.1〜10質量%である請求項6記載の光硬化性樹脂組成物。
  8. 以下の成分(A')からなる重合単位および成分(B)からなる重合単位:
    (A')下記式(1')で示される金属アルコキシドまたはその加水分解化合物
    Figure 2005290199

    (式(1')中、R1は、少なくとも1つのラジカル重合可能なビニル基を有する炭素数が2〜20の置換基を表し、R1が複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。Rは炭素数1〜5の飽和炭化水素基を表し、Rが複数存在する場合、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。M'は金属原子を表す。mおよびnはそれぞれ0または自然数を表す。但し、m及びnは同時に0ではなく且つmとnの和は金属M'の価数を表す。);
    (B)下記式(2)で表されるフルオレン誘導体
    Figure 2005290199
    (式(2)中、R3およびR4は、それぞれ独立的に、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシアルコキシ基、または末端に(メタ)アクリロイルオキシ基が置換したポリアルキレンオキシ基を表す。)
    を有し、屈折率が1.55以上であることを特徴とする重合体。
  9. 式(1')におけるM'が、Ti、Sb、W、Zr、Ce、Sn及びFeからなる群より選択される少なくとも一種の金属原子である請求項8記載の重合体。
  10. 式(1')中のR1が、スチリル基又は末端にスチリル基を有する置換基である請求項8記載の重合体。
  11. 成分(A')が、式(3')
    Figure 2005290199
    (式(3')中、R11は炭素数1〜5からなる飽和炭化水素基またはフェニル基を表し、これらは同種であっても異なっていてもよい。R、M'、mおよびnは式(1')で定義した通りである。)
    で表される金属アルコキシドまたはその加水分解化合物である請求項8記載の重合体。
  12. 成分(A')が、式(3')の金属アルコキシドまたはその加水分解化合物に加えて、以下式(4')
    Figure 2005290199
    (式(4')中、R12は水素原子またはメチル基を表す。R、M'、mおよびnは式(3')で定義した通りである。)
    で示される金属アルコキシドまたはその加水分解化合物を含有する請求項11記載の重合体。
  13. 重合体における成分(A')からなる重合単位と成分(B)からなる重合単位の質量換算での存在割合が、(50〜89.9):(10〜50)である請求項8記載の重合体。
  14. 基材上に1以上の樹脂層が積層されて成る積層体であって、該樹脂層のうち少なくとも1層が、請求項8〜13のいずれかに記載の重合体からなることを特徴とする積層体。
  15. 基材上に1以上の高屈折率層と1以上の低屈折率層とが積層されてなる反射防止膜であって、該高屈折率層を構成する材料が請求項8〜13のいずれかに記載の重合体であり、該低屈折率層を構成する材料が該高屈折率層を構成する材料の屈折率より0.1以上低い屈折率を有する重合体であることを特徴とする反射防止膜。
  16. 請求項15に記載の反射防止膜を備えることを特徴とする表示装置。
  17. 請求項14記載の積層体の製造方法であって、以下の工程(a)および(b):
    (a)基材上に請求項1〜7のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物の膜を形成する工程;
    (b)得られた光硬化性樹脂組成物の膜に活性エネルギー線を照射して重合硬化させ、光硬化性樹脂組成物の重合体からなる層を形成する工程
    を含むことを特徴とする製造方法。
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