JPH1124238A - ペリクルの収納構造及びその収納方法 - Google Patents

ペリクルの収納構造及びその収納方法

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JPH1124238A
JPH1124238A JP17363397A JP17363397A JPH1124238A JP H1124238 A JPH1124238 A JP H1124238A JP 17363397 A JP17363397 A JP 17363397A JP 17363397 A JP17363397 A JP 17363397A JP H1124238 A JPH1124238 A JP H1124238A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来、ペリクルをトレイとフタとよりなるケー
スに収納し、かつこれ等のトレイとフタとをペリクルに
接触させることによってペリクルを拘束し、この状態
で、ペリクルを輸送した場合には、輸送時の振動や衝撃
によってペリクルを擦って損傷したり、強い擦れによる
塵が発生してペリクルに付着したりする問題があった。 【解決手段】枠体1と、この枠体1の上縁面に接着され
たペリクル膜2と、該枠体1の下端面に塗着した粘着材
3と、該粘着材3を保護するために枠体1の下端面に粘
着された保護フィルム4とからなるペリクルを、トレイ
5とフタ6とよりなるケースに収納する構造に於いて、
保護フィルム4に所定の接着力を有する粘着材8を塗着
して、該保護フィルム4をトレイ5に仮着したペリクル
の収納構造である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LSI等を製造す
る際のリソグラフィー工程で使用されるフォトマスクや
レティクルに異物が付着することを防止するために用い
られるペリクルの収納構造及びその収納方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体回路パターン等の製造に於
いては、一般にペリクルと呼ばれる防塵手段を用いて、
フォトマスクやレティクルへの異物の付着を防止するこ
とが行われている(例えば特公昭54ー28718号公
報)。ペリクルはフォトマスク或いはレティクルの形状
に合わせた形状を有する厚さ数ミリ程度の枠体の上縁面
に、厚さ10μm内外以下のニトロセルロース或いはセ
ルロース誘導体などの透明な高分子膜(以下、ペリクル
膜という)を展張して接着し、かつ該枠体の下縁面に粘
着材を塗着すると共に、この粘着材上に所定の接着力で
保護フィルムを粘着させたものである。
【0003】前記粘着材は、ペリクルをフォトマスク或
いはレティクルに固着するためのものであり、また、保
護フィルムは該粘着材がその用に供するまで該粘着材の
接着力を維持するために、該粘着材の接着面を保護する
ものである。このペリクルを製造者から使用者に運搬す
るに当たっては、ペリクル膜等に異物が付着するのを防
ぎ、或いはペリクルが損傷するのを防ぐために、該ペリ
クルをトレイとフタとからなるケースに収納し、更に防
塵袋等に収納して運搬するのが一般的である。
【0004】従来、前述の構造を有するペリクルのケー
スの収納は、図3乃至図4に示すように行われていた。
即ち、図に於いて、ペリクル膜52は展張(ピンと張っ
た)状態で枠体51の一方の上縁面に接着され、枠体5
1の他の面(下縁面)には適当な厚さの粘着材53が設
けられ、さらに粘着材53の下面には保護フィルム54
が貼り付けられてペリクルを構成している。このペリク
ルは、トレイ55の平坦な面である設置面55aの上に
保護フィルム54が接するように置かれる。
【0005】トレイ55の設置面55a上に載置された
ペリクルは、トレイ55に設けられた突起状のポスト5
5bによって、左右の動きが拘束され、そしてフタ56
を上方からかぶせ、クリップ57によってフタ56とト
レイ55との4隅を固定することによってケースに収納
されていた。この結果、前記ペリクルはフタ56の斜面
56aと、ポスト55bと、設置面55aとに囲まれて
拘束され、ケースに収納された状態となっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】然るに、前述のように
ペリクルはケースのフタ56の斜面56a、ポスト55
b及び設置面55aで拘束された収納状態で輸送される
が、輸送時には何らかの振動、衝撃を受けることは避け
ることが出来なかった。従来のペルクルのケース内での
拘束状態において、ペリクルとケースのフタ56の斜面
56aとの間に大きな隙間があると、輸送時の振動、衝
撃によってペリクルがケースのフタ56にぶつかり、こ
の部分が強い擦れのために摩耗して発塵することがあっ
た。このような場合には、ペリクルを異物のない状態で
使用者に届けるという最も重要な機能を失うことになる
問題があった。
【0007】一方で、ペリクルとケースとの間の隙間を
なくした場合には、すなわち前記斜面56aが前記枠体
51(或いは前記ペリクル膜52の端部)と予め接触し
ている場合にも、相互の接触圧力によって斜面56aの
内面或いは前記ペリクル膜52の端部が摩耗し、異物を
発生することが経験上知られている。
【0008】そこで、かかるペリクルの収納構造に於い
て最も好ましいとされているやり方は、前記ペリクルと
前記ケースのフタ56の斜面56aとの間にごく僅かな
隙間をとるというものである。具体的には前記ペリクル
をトレイ55の上に置き、フタ56をかぶせ、クリップ
57でフタ56とトレイ55を相互に固定したとき、斜
面56aと枠体1の上端との間に0.1乃至0.3mm
程度の隙間を設ける構造である。
【0009】発明者の実験によって、このような隙間の
確保で、ある程度の振動、衝撃に耐えることが確かめら
れている。しかし、この場合にも大きな衝撃を受けた時
には、発塵する問題があった。更に梱包の方法(例えば
衝撃効果の高い軟らかい発泡材等を大量に使用するな
ど)によってケースやペリクルに加わる衝撃を和らげる
手段が必要であり、或いは振動や衝撃の少ない輸送手段
を必要としたり、前述のフタ56とペリクルとの適度の
隙間を確保するために、トレイ55やフタ56の成形を
高い精度で行う必要があるなど、コスト面で非常に好ま
しくない問題があった。しかし、これ等の多くの手段も
原理的に、全く発塵しないことを保証することは極めて
難しいという問題があった。
【0010】本発明は前述の多くの問題点に鑑み開発さ
れた全く新しい技術であって、特にペリクルをケース内
に収納するに当たって、ペリクルをケースのトレイの設
置面上に所定の接着力で仮着することによって、ペリク
ルをケース内に拘束するようにし、これによって輸送時
の振動や衝撃に充分耐えることが出来るようにした全く
新しい技術を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前述の多く
の問題点に鑑み、長年の研究と種々の実験を行うことに
よって、ペリクルを、これを収納するケースのトレイに
固定することによって、前述の問題が解消されることを
発見した。しかし、ケース内に収納されたペリクルが使
用者側に届いた後では、使用者がペリクルをケース内か
ら容易に取り出すことが出来なくてはならないので、ペ
リクルをトレイに固定するに当たっては、この点を充分
考慮しなければならいことに思い至った。
【0012】即ち、ペリクルをトレイに固定するに当た
っては、使用者がこのトレイからペリクルを容易に取り
出すことが出来る所定の接着力で接着或いは粘着して一
時的に仮着しておくことを発明した。
【0013】前述のように、ペリクルをトレイと所定の
接着力で仮着するとは、例えば、輸送中の振動や衝撃が
加わった時に、ペリクルとトレイとが接着状態を保つぎ
りぎりの強さとするのが合理的である。発明者の実験
で、適度の緩衝材を詰めた梱包では、通常の陸上輸送時
にケースには、5G乃至10G程度の加速度が加わると
いうデータがある。従ってペリクルの重さの10倍程度
の接着力が現実的な効果を得る上では適当であると考え
られる。
【0014】しかし、原理的にいえば、いかなる小さい
接着力であっても衝撃に対しては抵抗力となり、前記ペ
リクルと前記フタとの擦れの強さを緩和する効果があ
る。従って本発明における前記接着力の下限を設定する
必要はないが、本発明の効果をより明瞭ならしめるた
め、および本発明に実施を明らかに判別出来るようにす
るために接着力或いは粘着力の下限を次のように設定す
る。
【0015】即ち、この接着力あるいは粘着力について
は定義しにくい面もあるが、本発明においては、接着部
に対して一定の荷重を加えて1秒以上完全剥離しないと
き、この接着力はこの一定荷重以上あると定義する。こ
の定義に基づく、前記接着力の下限は、前記ペリクルの
自重程度とすることが出来る。
【0016】一方で、前記接着力の上限は、ペリクルを
ケースから取り出す方法によって、条件が様々に変化す
るので、これを決定することは困難である。すなわち、
例えば単にトレイを自重に任せた状態で平坦な面上に置
き、その上に載っているペリクルを取り出すとすれば、
ペリクルとトレイとの接着力はトレイの自重以下である
必要がある。さもないとペリクルを取り出すために持ち
上げた時、トレイも持ち上がってしまうからである。
【0017】しかし、近年は使用者が自動貼付機を使用
してトレイからペリクルを取り出す方法が増えている。
この場合には、トレイを吸着パッドで固定するために、
更に強い接着力であっても、トレイからペリクルを脱離
させることが可能である。かかるごとく、ペリクルとト
レイとの接着力の上限は、ペリクルを取り出すときのト
レイの固定方法によって選択の余地があり、その状況に
よって適宜選ぶべきである。勿論、必要最小限の接着力
が実用上好ましいことは、言を待たない。
【0018】本発明に係るペリクルの収納構造は、前述
の如く従来の多くの問題を解決すべく発明されたもので
あって、その発明全体の構成をまとめると、先ず、第1
発明の要旨は、枠体と、該枠体の上縁面に接着されたペ
リクル膜と、該枠体の下縁面に塗着した粘着材と、該粘
着材を保護するために枠体の下縁面に粘着された保護フ
ィルムからなるペリクルを、トレイのフタとよりなるケ
ースに収納する構造に於いて、前記ペリクルの保護フィ
ルムを所定の接着力で直接前記トレイに仮着して構成し
たことを特徴としたペリクルの収納構造である。
【0019】本発明のペリクルの収納構造は、前述のよ
うに、ペリクルをトレイとフタとよりなるケースに収納
するに当たって、ペリクルの保護フィルムを所定の接着
力で前記トレイに仮着したので、ペリクルをこの所定の
接着力を介してトレイに直接に拘束することが出来、こ
れによってペリクルを輸送する際に、振動や衝撃によっ
てペリクルがケースに強くぶつかることを防ぎ、塵が発
生することを防止することが出来る。
【0020】本発明に係るペリクルの収納構造の第2発
明の要旨は、前記ペリクルの保護フィルムを前記トレイ
に仮着するに当たっては、該保護フィルムと枠体との接
着力よりも弱いペリクルの自重を支えることが出来る程
度の接着力で仮着して構成したことを特徴とした第1発
明のペリクルの収納構造である。
【0021】第2発明に於いては、前述のように、ペリ
クルの最下面に位置する保護フィルムをトレイに仮着さ
せるに当たって、保護フィルムと枠体との接着力よりも
弱いペリクルの自重を支えることが出来る程度の接着力
でトレイに仮着したので、トレイに仮着されているペリ
クルを極めて弱い力でトレイから簡単に剥離して取り出
すことが出来る。
【0022】本発明に係るペリクルの収納方法も前述の
ペリクルの収納構造と同様に、従来の多くの問題点を根
本的に改善した技術であって、その発明の要旨は、枠体
と、該枠体の上縁面に接着されたペリクル膜と、該枠体
の下縁面に塗着した粘着材と、該粘着材を保護するため
に枠体の下縁面に粘着された保護フィルムからなるペリ
クルを、トレイとフタとよりなるケースに収納する方法
に於いて、前記ペリクルの枠体の下縁面に粘着された保
護フィルムの下面或いはトレイの設置面に所定の接着力
を有する接着材あるいは粘着材を塗着した後、該保護フ
ィルムを前記トレイに所定の接着力で接着してペリクル
をトレイに仮着することを特徴とするペリクルの収納方
法である。
【0023】前述の本発明の収納方法に於いては、ペリ
クルの枠体の下縁面に粘着された保護フィルムの下面
に、所定の接着力を有する接着材あるいは粘着材を塗着
して該保護フィルムをトレイに仮着するので、ペリクル
をケース内のトレイの所定位置に正確かつ極めて容易に
仮着させ、これによってペリクルをトレイを介して安定
した状態で拘束することが出来る。
【0024】
【発明の実施の形態】図により本発明に係るペリクルの
収納構造及びその収納方法の一実施例について具体的に
説明すると、図1は本発明に係るペリクルの収納構造を
示す縦断面説明図、図2は図1の要部を拡大した状態の
縦断面拡大説明図である。
【0025】図1及び図2に於いて、ペリクルは既に詳
述したように、枠体1と、該枠体1の上縁面に接着され
たペリクル膜2と、該枠体1の下縁面に塗着された粘着
材3と、該粘着材3を保護するために粘着材3に粘着さ
れた保護フィルム4から構成されている。前記実施例に
於いては、枠体1の下縁面に粘着材3を塗着して形成し
たが、予め層状に形成された粘着材3は単に枠体1の下
縁面に積層して貼着するのみで良い(しかし、本明細書
に於いては、このような場合も含めて単に「塗着する」
と総称する)。
【0026】前述のように構成されたペリクルを、トレ
イ5とフタ6とよりなるケースに収納するに当たって、
どのようにすれば効果的であるか、また、ペリクルをト
レイ5に具体的にどこで接着すべきか等について全体的
に、検討すると次の通りである。
【0027】即ち、先ずペリクルとトレイ5との接触す
る可能性がある部分は、前記枠体1とこの枠体1を周り
から支持している複数個のポスト5bとの間、あるいは
前記保護フィルム4と前記ポスト5bとの間、または前
記保護フィルム4と前記ペリクルの設置面5aとの間が
考えられる。
【0028】勿論このほかにも、前記トレイ5に、前記
ペリクルに接触する構造を積極的に設けることも可能で
あるし、例えば粘着テープ等によって前記トレイ5と前
記枠体1とを結び合うことなども可能であるが、通常ペ
リクルのトレイ5への収納、輸送、取り出しは、図1の
ように、前記トレイ5を下にしてその上に前記ペリクル
が置かれているという構造上、最も安定的にペリクルを
トレイ5上に固定できるのは、前記保護フィルム4と前
記設置面5aとの間を粘着材(或いは接着剤)8により
接着する構造である。図中、7はトレイ5及びフタ6の
コーナー部を固定するクリップである。
【0029】この場合、前記ペリクルを前記トレイ5か
ら取り出すとき、従来通り前記保護フィルム4が前記粘
着剤3に固着したまま取り出せるように、前記保護フィ
ルム4とトレイ5との間の接着力は、前記保護フィルム
4と前記粘着材3との間の接着力よりも弱くすべきであ
る。
【0030】このように、保護フィルム4と設置面5a
との間に粘着材8を設ける方法による場合、粘着材3と
保護フィルム4との間の粘着力と、保護フィルム4と粘
着材8との間の粘着力と、粘着材8と設置面5aとの間
の粘着力とのバランスを調整するために、粘着材3、保
護フィルム4、粘着材8及び設置面5aの材料を選択す
るのが有効的である。この粘着材8を保護フィルム4と
トレイ5との間に介在させるに当たっては、粘着材8を
予め保護フィルム4或いはトレイ5のいずれに塗着する
ことも可能である。
【0031】本発明に於いては、これ等の材料を特に限
定するものではないが、一般的に、粘着材3は、レティ
クルやマスク材料への接着性や剥離性の観点から、ゴム
系、アクリル系あるいはシリコン系などの粘着材を選択
する。また、設置面5aすなわちトレイ5の材質は、成
形性や帯電防止性などの観点から、例えば制電性を付与
したアクリル樹脂や、ABS樹脂などのプラスチックを
使用するのが一般的である。
【0032】そこで上記粘着力のバランスを調整するた
めには、保護フィルム4の材質と粘着材8の材料の選択
によることが好ましい。保護フィルム4としてはポリエ
チレンやポリエステル等のフィルムが使用できる。これ
らの材料は単独で用いても良いが、フィルムの片面ある
いは両面にシリコーンなどの皮膜を形成して粘着力を制
御することもできる。
【0033】特に、シリコーン処理ポリエステルフィル
ムは、シリコーンの種類により表裏で粘着力を変えるこ
とも可能であり、設計の自由度が得られる。また粘着材
8は粘着力や発塵性の観点から、ゴム系、アクリル系あ
るいはシリコン系などの粘着材を適宜選択する。
【0034】前述の本願発明のペリクルの収納構造及び
その収納方法の具体的実施例を詳細に説明すると、次の
通りである。
【0035】
【実施例1】図1および図2において、枠体1、ペリク
ル膜2、粘着材3、保護フィルム4からなるペリクル
を、設置面5aの前記保護フィルム4に対応する箇所に
アクリルラテックス系の粘着材8を塗布し、前記保護フ
ィルム4を前記設置面5aに仮着することによって、ペ
リクルをトレイ5に粘着固定し、ペリクルをトレイ5に
拘束してケースに収納した。
【0036】この時前記ペリクルの上端と、フタ6の斜
面6aとの間には、約0.3mmの隙間が確保されてい
た。かかる収納状態のケースを10セット段積みにし、
一般にエアキャップと呼ばれている緩衝材を周囲に配置
した上で、段ボール箱に収納するという梱包状態で、落
下テストを実施した。高さ1mからの落下テストを10
回実施した結果、前記ペリクルと前記フタ6との擦れお
よび擦れに基づく発塵は全く認められなかった。
【0037】この実施例に於いては、前記アクリルラテ
ックス系の粘着材8は、前記保護フィルム4の全周に亘
って接着(粘着)するような塗布ではなく、8ヶ所のス
ポット的な塗布を行った。この時の接着力は、先の定義
で表現すれば、前記ペリクルの重量の8倍以上で、15
倍以下であった。そして前記トレイ5を下面からエアの
吸着パッドで吸着固定した状態で、前記ペリクルを手で
トレイ5から容易に取り外すことが出来た。
【0038】
【比較例1】前述の実施例1に対して、この比較例1で
は、前記アクリルラテックス系粘着材8を保護フィルム
4とトレイ5との間に介在させないで、従来の収納方法
と同じく、保護フィルム5をトレイ5に直接載置した状
態のままの構成にしておき、前述の実施例1と全く同一
の梱包状態で落下テストを実施した。その結果10枚の
ペリクル全てに擦れが観察され、更にその内の半数では
発塵が認められた。なお、この落下テストに於ける衝撃
値は、外箱である前記段ボール箱では最大衝撃値50G
が測定され、前記ペリクルを収納したケースでは最大1
0Gが測定された。(富士フィルム(株)製ショックセ
ンサー使用)。
【0039】
【発明の効果】本発明に係るペリクル収納構造及びその
収納方法は、前述のような構成と作用とを有するので、
次のような多大な効果を有している。
【0040】本発明では、ペリクルをトレイとフタより
なるケースに収納するに当たって、ペリクルの保護フィ
ルムと所定の接着力で該トレイに仮着して構成したの
で、ペリクルを輸送する際に振動や衝撃によってペリク
ルがケースに強く接触することを防止することが出来
る。
【0041】従って、ペリクルがケースに強くぶつかっ
て擦れが発生してペリクル自体を損傷させたり、或いは
ペリクルとケースとの強い擦れによる小さな塵が発生
し、この塵がペリクルに付着したりすることを防止出来
る。
【0042】本発明では、ペリクルの保護フィルムを所
定の接着力でトレイに接着させたので、該トレイよりペ
リクルを簡単に取り出すことが出来る。特にペリクルを
トレイに仮着させるに当たって、保護フィルムと枠体と
の接着力よりも弱いペリクルの自重を支えることが出来
る程度の接着力でトレイに仮着した場合には、ペリクル
をトレイから弱い力で容易に取り出すことが出来る。
【0043】本発明は前述のように全体の構成が極めて
簡単であるので、何ら特別の手段を用いることなく、容
易に実施することが出来、従って安価に効率良く実施す
ることが出来、しかもペリクルをその本来の機能を損な
うことなく、使用者に安全かつ安価に提供することが出
来る等の多大な効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るペリクルの収納構造を示す縦断面
説明図である。
【図2】図1の要部を拡大した状態の縦断面拡大説明図
である。
【図3】従来例のペリクルの収納例を示す縦断面説明図
である。
【図4】図3の要部を拡大した状態の縦断面拡大説明図
である。
【図5】図3のペリクルの収納状態を示す要部の平面説
明図である。
【符号の説明】
1 枠体 2 ペリク
ル膜 3 粘着材 4 保護フ
ィルム 5 トレイ 5a 設置面 5b ポスト 6 フタ 6a 斜面 7 クリッ
プ 8 粘着材 51 枠体 52 ペリク
ル膜 53 粘着材 54 保護フ
ィルム 55 トレイ 56 フタ 57 クリップ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】枠体と、該枠体の上縁面に接着されたペリ
    クル膜と、該枠体の下縁面に塗着した粘着材と、該粘着
    材を保護するために枠体の下縁面に粘着された保護フィ
    ルムからなるペリクルを、トレイとフタとよりなるケー
    スに収納する構造に於いて、前記ペリクルの保護フィル
    ムを所定の接着力で直接前記トレイに仮着して構成した
    ことを特徴としたペリクルの収納構造。
  2. 【請求項2】前記ペリクルの保護フィルムを前記トレイ
    に仮着するに当たって、該保護フィルムと枠体との接着
    力よりも弱いペリクルの自重を支えることが出来る程度
    の接着力で仮着して構成したことを特徴とした請求項1
    のペリクルの収納構造。
  3. 【請求項3】枠体と、該枠体の上縁面に接着されたペリ
    クル膜と、該枠体の下縁面に塗着した粘着材と、該粘着
    材を保護するために枠体の下縁面に粘着された保護フィ
    ルムからなるペリクルを、トレイとフタとよりなるケー
    スに収納する方法に於いて、前記ペリクルの枠体の下縁
    面に粘着された保護フィルムとトレイとの間に所定の接
    着力を有する接着材あるいは粘着材を介在させた後、該
    保護フィルムを前記トレイに所定の接着力で接着してペ
    リクルをトレイに仮着することを特徴とするペリクルの
    収納方法。
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