JPH1124119A - ブレ補正カメラ - Google Patents

ブレ補正カメラ

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JPH1124119A
JPH1124119A JP18007897A JP18007897A JPH1124119A JP H1124119 A JPH1124119 A JP H1124119A JP 18007897 A JP18007897 A JP 18007897A JP 18007897 A JP18007897 A JP 18007897A JP H1124119 A JPH1124119 A JP H1124119A
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大 新谷
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  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レリーズ操作直後のブレ補正撮影でブレ補正
不可時の誤撮影を防止する。 【解決手段】 カメラはレリーズ直後からブレ補正レン
ズ32,33を駆動してブレ補正撮影が可能になってい
る。メモリ203にはシャッタ操作にのみ起因するブレ
成分のデータが記憶されている。レリーズ動作前にブレ
量検出回路29でブレ量が検出され、S2ブレ推定値演
算部204でこの検出値にメモリ203のブレ成分のデ
ータを加算してレリーズ操作直後のブレ量の推定値が算
出される。更にブレ補正判別部205でブレ量の推定値
に基づきブレ補正の可否が判別され、ブレ補正不可のと
きはその旨の警告表示等の処理が行われる。レリーズ動
作前にシャッタ操作に起因する急激なブレの補正の可否
を判別し、その判別結果に応じた処理を行うことでブレ
た画像の誤撮影を防止するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光面に投影され
た被写体光像のカメラブレに起因するブレを補正してブ
レの少ない写真撮影が可能なブレ補正カメラに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記ブレ補正カメラが種々、提案
されているが、これらのブレ補正カメラは、一般に、光
軸が変更可能な撮影レンズを設けるとともに、カメラブ
レに基づく露光面における被写体光像のブレ方向及びブ
レ量を検出するセンサを設け、このセンサで検出された
被写体光像のブレ方向及びブレ量に基づき撮影レンズの
光軸を変更して露光面における被写体光像のブレをキャ
ンセルするように構成されている。具体的には、所定の
周期でセンサにより検出されるブレ量の変化率からブレ
量を予測し、その予測されるブレ量をキャンセルするよ
うに所定の周期で撮影レンズの光軸を変更するようにし
ている。
【0003】このようなブレ補正方法では、不連続かつ
急峻なブレが発生した場合、ブレ量の予測が極めて困難
で、かかる急激なブレ発生前のブレ量を用いてブレ補正
を行なっても十分なブレ補正効果を得ることはできな
い。写真撮影においては、シャッタボタンの全押し操作
により露光の指示がなされるが、このシャッタボタンの
操作直後はこの操作に起因して急激なブレが発生するこ
とが多いので、露光指示後に直ちにブレ補正動作と露光
動作とを開始させるようにすると、ブレ補正の信頼性が
著しく低下することになる。
【0004】このため、従来のブレ補正カメラでは、例
えば特開平7−218970号公報に示されるように、
露光が指示されてからシャッタボタンの操作に起因する
急激なブレがなくなるまでの所定の時間は露光を禁止
し、露光指示後、所定時間だけ遅延させて露光動作を開
始させるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のブレ補正カメラ
は、シャッタボタンの操作によりレリーズが指示される
と、常に所定時間だけ遅延させて露光を開始するように
しているので、シャッタボタンの操作から露光が完了す
るまでに長時間を要することとなる。また、撮影者がシ
ャッタチャンスと判断してシャッタ操作を行なっても露
光タイミングがシャッタチャンスからずれるため、シャ
ッタボタンの操作性が低下する。
【0006】そこで、この問題を回避するため、シャッ
タボタンの操作に起因するブレをシミュレーションして
シャッタ操作特有のブレ量を予め算出しておき、このブ
レ量に基づいて露光開始直後のブレを補正することによ
りレリーズ指示の直後から露光開始を可能にする方法が
考えられる。
【0007】しかし、この方法を採用した場合、シミュ
レーションよりも過大なブレが生じるシャッタ操作が行
われたときには光学的なブレ補正量は不十分で、実質的
にブレ補正はできず、失敗撮影を招くという不都合があ
る。
【0008】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、シャッタ操作による急激なブレが発生した場合
にも撮影の失敗を招くことなく好適なブレ補正撮影が可
能なブレ補正カメラを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、露光面におけ
る被写体光像のブレを補正し得るブレ補正カメラにおい
て、上記被写体光像のブレに関する情報を検出するブレ
検出手段と、レリーズを指示するシャッタ操作部材の操
作にのみ起因するブレに関する情報が記憶された記憶手
段と、レリーズ前に上記ブレ検出手段によりブレに関す
る情報を検出するとともに、この検出結果と上記記憶手
段に記憶された被写体光像のブレに関する情報とに基づ
いて上記シャッタ操作部材によりレリーズが指示された
直後の被写体光像のブレに関する情報の推定値を算出す
る算出手段と、上記推定値が予め設定された閾値を超え
ているか否かを判別する判別手段と、上記推定値が上記
閾値を超えているとき、所定の処理を行う処理手段とを
備えたものである(請求項1)。
【0010】上記構成によれば、レリーズ動作が行われ
る前に被写体光像の露光面におけるブレに関する情報が
検出され、この検出結果と記憶手段に記憶されたシャッ
タ操作部材の操作にのみ起因するブレに関する情報とに
基づいてシャッタ操作部材によりレリーズが指示された
直後のブレに関する情報の推定値が算出される。
【0011】そして、このブレに関する情報の推定値と
予め設定された所定の閾値とを比較してブレ補正の可否
が判別され、ブレに関する情報の推定値が所定の閾値を
超え、ブレ補正が不可と判別されると、所定の処理が行
われる。
【0012】なお、上記ブレ補正カメラにおいて、上記
被写体光像のブレに関する情報は、露光面における被写
体光像のブレ量にするとよい(請求項2)。
【0013】上記構成によれば、レリーズ動作が行われ
る前に被写体光像の露光面におけるブレ量が検出され、
この検出値に記憶手段に記憶されたシャッタ操作部材の
操作にのみ起因するブレ量を加算してシャッタ操作部材
によりレリーズが指示された直後のブレ量の推定値が算
出される。
【0014】そして、このブレ量の推定値と予め設定さ
れた所定の閾値とを比較してブレ補正の可否が判別さ
れ、ブレ量の推定値が所定の閾値を超え、ブレ補正が不
可と判別されると、所定の処理が行われる。
【0015】また、上記ブレ補正カメラにおいて、上記
所定の処理は、ブレ補正不能の警告又はレリーズ動作の
禁止にするとよい(請求項3,4)。
【0016】上記構成によれば、ブレに関する情報の推
定値が所定の閾値を超え、ブレ補正が不可と判別される
と、撮影者にブレ補正不能の警告が行われる。あるい
は、ブレ補正が不可と判別されると、レリーズ動作が禁
止される。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るブレ補正カ
メラの外観を示す正面斜視図であり、図2は、同ブレ補
正カメラの背面図である。
【0018】カメラ1は、カメラブレによる撮影画像の
ブレを補正して撮影することのできるブレ補正機能を有
している。カメラ1は、カメラ本体2の正面略中央にズ
ームレンズからなる撮影レンズ3を有し、この撮影レン
ズ3の内部に、後述するブレ補正用の光学系が設けられ
ている。また、撮影レンズ3のレンズ系内には複数枚の
シャッタ羽根を組み合わせてなるレンズシャッタが設け
られている。
【0019】カメラ本体2の正面であって撮影レンズ3
の上部に測距窓5が設けられ、この測距窓5の左側に測
光窓4が設けられている。また、測距窓5の右側にファ
インダー対物窓6が設けられている。
【0020】カメラ本体2の測光窓4の後方位置には、
SPC等から成る受光素子を備えた測光回路が設けら
れ、この受光素子により被写体からの光を受光して被写
体の輝度が検出されるようになっている。また、カメラ
本体2の測距窓5の後方位置には、一対のラインイメー
ジセンサからなる受光素子を備えた位相差検出方式の測
距回路が設けられ、被写体からの光を受光素子で受光し
て被写体までの距離が検出されるようになっている。
【0021】また、カメラ本体2のファインダー対物窓
6の後方位置には、被写体光像をカメラ本体2の背面に
設けられたファインダー接眼窓10に導くファインダー
光学系が設けられている。ファインダー光学系内には、
露光面における被写体光像のカメラブレに関する情報
(ブレ方向及びブレ量の情報)を検出するためのCCD
エリアセンサからなるセンサが設けられている。また、
ファインダー光学系内には視野枠やブレている被写体光
像のブレ補正に関する情報を表示する表示部が設けられ
ている。
【0022】図3は、ファインダー内の表示部の一例を
示す図である。表示部は、視野枠Kの下部及び左右の両
側部に設けられている。視野枠Kの下部に設けられた表
示エリアA1にはAF(自動調節)、AE(自動露出調
節)及びフラッシュ発光等に関する情報が表示され、視
野枠Kの右側部の表示エリアA2には、後述するブレ補
正モードの設定の有無及びブレ補正の可否の情報が表示
される。また、視野枠Kの左下隅部に設けられた表示エ
リアA3,A4には、被写体光像のブレ状態の検出値、
光学的なブレ補正を施したときのブレ状態の予測値及び
シャッタボタン8によりレリーズ操作が行われた直後の
ブレ状態の推定値等が表示される。なお、レリーズ操作
が行われた直後のブレ状態の推定値は、シャッタボタン
8の操作に起因して発生する被写体光像のブレ量のデー
タ(以下、S2ブレデータという。)を予め設定してお
き、現在生じている被写体光像のブレ量を検出し、この
検出結果にS2ブレデータを加算して得られる被写体光
像のブレ量である。
【0023】表示エリアA2には、LED表示P1,P
2,P3とシンボルマーク表示SP1とが設けられてい
る。LED表示P1は、ブレ補正モードが設定されてい
ることを示す表示である。また、LED表示P2は、ブ
レ補正不可を示す表示であり、シンボルマーク表示SP
1は、ブレ補正不可の原因、すなわち、ブレ量が過大で
ブレ補正を有効に行えないことを示す表示である。従っ
て、LED表示P2及びシンボルマーク表示SP1が点
灯されているときは、ブレ量が過大であるため、光学的
なブレ補正が行われないことを示す。
【0024】また、LED表示P3は、後述するS2ブ
レメモリモードにおけるレリーズ操作(シャッタボタン
8の全押し)の可能状態を示す表示である。S2ブレメ
モリモードは、撮影者固有のS2ブレデータを取り込む
ためのモードで、このモードにおいて、S2ブレデータ
を取り込む際に撮影者のシャッタボタン8によるレリー
ズ操作が受付可能になると、LED表示P3が点灯され
る。
【0025】表示エリアA3,A4には、それぞれ複数
個のLEDをライン状に配列してなる2個のレベル表示
部が設けられている。表示エリアA3は横方向(X方
向)のブレに関する情報(ブレ状態の検出値、ブレ補正
後のブレ状態の予測値及びレリーズ操作直後のブレ状態
の推定値等)をレベル表示するものであり、上段のレベ
ル表示部にブレ状態の検出値がレベル表示され、下段の
レベル表示にブレ補正後のブレ状態の予測値及びレリー
ズ操作直後のブレ状態の推定値がレベル表示される。ま
た、表示エリアA4は縦方向(Y方向)のブレに関する
情報をレベル表示するものであり、右側のレベル表示部
にブレ状態の検出値がレベル表示され、左側のレベル表
示にブレ補正後のブレ状態の予測値及びレリーズ操作直
後のブレ状態の推定値がレベル表示される。
【0026】ブレに関する情報の表示は、後述するブレ
検出回路により検出されたブレ方向及びブレ量に関する
データに基づいて行われる。本実施の形態では、後述す
るように、CCDエリアセンサを用い、被写体光像の当
該CCDエリアセンサの撮像面におけるブレ方向及びブ
レ量を検出するようにしているので、その検出結果が表
示エリアA3,A4にレベル調整されて表示される。
【0027】なお、ブレ状態の検出センサとしては、角
速度センサや角加速度センサ等を用いることも可能で、
これらのセンサを用いた場合は、検出結果をブレに関す
る情報として直接、表示させるようにしてもよいが、好
ましくは被写体光像のブレ量に変換して表示エリアA
3,A4にレベル表示させるとよい。
【0028】表示エリアA3,A4に設けられたレベル
表示部は、図4に示すように、3つの領域L1,L2,
L3に分割され、各領域L1,L2,L3は、それぞれ
黄色、緑色、赤色で表示されるようになっている。
【0029】領域L1は、ブレ状態(予測値、推定値を
含む。)がブレ補正を要しない程度に微小である領域で
ある。表示されたブレ状態の検出値又はブレ状態の推定
値のピーク値が領域L1にあるときは、現在発生し又は
レリーズ操作直後に発生すると推定されるブレの写真撮
影に与える影響が問題とならない程度に小さいことを示
し、表示されたブレ状態の予測値のピーク値が領域L1
にあるときは、ブレ補正により被写体光像のブレが写真
撮影に悪影響を与えない程度に抑制されることを示す。
【0030】領域L2は、ブレ状態がブレ補正を要し、
かつ、ブレ補正可能な中程度の領域である。表示された
ブレ状態の検出値又はブレ状態の推定値のピーク値が領
域L2にあるときは、現在発生し又はレリーズ操作直後
に発生すると推定されるブレの写真撮影に与える影響が
問題となる程大きいことを示すとともに、ブレ補正を行
うことによりそのブレ状態を領域L1にまで抑制できる
ことを示し、表示されたブレ状態の予測値のピーク値が
領域L2にあるときは、ブレ補正によっても被写体光像
のブレが写真撮影に悪影響を与え、ブレ補正機能以外に
よるカメラブレ対策が必要であることを示す。
【0031】領域L3は、ブレ状態がブレ補正できない
程度に過大であることを示す領域である。表示されたブ
レ状態の検出値又はブレ状態の推定値のピーク値が領域
L3にあるときは、現在発生し又はレリーズ操作直後に
発生すると推定されるブレが過大で、正常にブレ補正で
きないことを示している。この表示は、撮影者にカメラ
固定、露出制御値の変更、フラッシュ発光等の他の方法
によるカメラブレ対策が必要であることの警告表示とも
なっている。
【0032】なお、表示されたブレ状態の検出値のピー
ク値が領域L3にあるときは、露出制御において、光学
的なブレ補正が行われないので、ブレ補正後のブレ状態
の予測値の算出及びその表示も行われず、従って、通
常、表示されたブレ補正後のブレ状態の予測値が領域L
3に入ることはない。
【0033】ブレに関する情報は、例えば図5に示すよ
うに、ブレ量に対応する複数のLEDドットを点灯する
ことによりレベル表示される。なお、図6に示すよう
に、ブレ量のピーク値に対応する1個のLEDドットの
みを点灯することによりピーク値表示するようにしても
よい。なお、図5,図6において、白抜きのLEDドッ
トは消灯状態を示し、点描したLEDドットは点灯状態
を示している。
【0034】本実施の形態では、複数のLEDドットを
直線状に配列してレベル表示部を構成しているが、円形
に配列に構成してもよい。円形のレベル表示部では、ブ
レ状態の検出値、レリーズ操作直後のブレ状態の推定値
及びブレ補正後のブレ状態の予測値は、点灯されたLE
Dドット群の先端もしくはピーク値表示のLEDドット
の角度位置でその大きさが判別されることになる。この
表示方法は、帯状の表示スペースがない場合に適用する
ことができる。
【0035】図1に戻り、カメラ本体2の左側部にはグ
リップ部7が設けられ、カメラ本体2の上面、グリップ
部7の上方位置にシャッタボタン8が設けられている。
シャッタボタン8は、半押しでオンになるS1スイッチ
(図7参照)と全押しでオンになるS2スイッチ(図7
参照)の操作部材である。S1スイッチは、撮影準備を
指示するスイッチであり、S1スイッチがオンになる
と、測光回路により被写体輝度が検出されるとともに、
この検出結果に基づいて露出制御値(絞り値及びシャッ
タスピードの制御値)が演算される。また、測距回路に
より被写体距離が検出され、この検出結果に基づいてA
F制御が行われる。
【0036】また、カメラ本体2の上面の右側部にブレ
補正モードを設定するブレ補正モード設定ボタン9が設
けられている。ブレ補正モードは、カメラブレが生じて
いる場合に被写体光像のブレを抑制して撮影するモード
である。撮影者によりブレ補正モードを選択設定するよ
うにしているのは、ブレ効果を狙って意図的にブレた画
像を撮影する場合があることを考慮したものである。
【0037】ブレ補正モード設定ボタン9を操作する
と、ブレ補正スイッチSB(図7参照)がオンになり、
その操作情報はカメラの撮影動作を集中制御する制御部
20(図7参照)に入力される。カメラ起動時にはブレ
補正モードは「OFF」に初期設定されており、ブレ補
正スイッチSBのオン信号が入力される毎に、ブレ補正
モードは「ON」と「OFF」とが交互に切換設定され
る。そして、ブレ補正モードが「ON」になると、ファ
インダー内の表示エリアA2のLED表示P1が点灯さ
れる。
【0038】カメラ本体2の背面の左側上部にファイン
ダー接眼窓10が設けられ、略中央にLCDからなる表
示部11が設けられている。LCD表示部11は、カメ
ラの撮影に関する各種情報(露出制御値、電池容量、フ
ラッシュ発光、撮影モード、フィルム感度、ブレ補正の
有無等の各種情報)を表示するものである。このLCD
表示部11の下方位置には、S2ブレメモリモードを設
定するS2ブレメモリモード設定ボタン12が設けら
れ、LCD表示部11の上方位置にメインスイッチ13
が設けられている。
【0039】また、カメラ本体2の背面の右側上部にズ
ームスイッチ14が設けられ、このズームスイッチ14
を操作して撮影レンズ3のズーム比が変更される。更
に、カメラ本体2の右端部に電池収納室15が設けら
れ、この電池収納室15に電源電池がセットされる。
【0040】図7は、本発明に係るブレ補正カメラのブ
ロック構成図である。同図において、制御部20は、A
F、AE、露出制御及びブレ補正等のカメラ1の一連の
撮影動作を集中制御するマイクロコンピュータである。
制御部20は、ブレ補正を行なうためのX方向のブレ補
正レンズ32とY方向のブレ補正レンズ33の駆動制御
値を算出するブレ補正制御値演算部201を備えてい
る。また、制御部20は、S2ブレメモリモードにおい
て、S2ブレデータを算出するS2ブレデータ演算部2
02とこの演算を行なうために必要なデータ及び演算結
果を記憶するメモリ203とを備えている。なお、S2
ブレメモリモードにおけるS2ブレデータの演算方法に
ついては後述する。
【0041】更に、制御部20は、S2ブレ推定値演算
部204とブレ補正判別部205とを備えている。S2
ブレ推定値演算部204は、シャッタボタン8によるレ
リーズ操作直後の被写体光像のブレ状態の推定値(ブレ
量の推定値。以下、S2ブレ推定値という。)を演算す
るものである。S2ブレ推定値演算部204は、シャッ
タボタン8によるレリーズ直前にブレ量検出回路29に
より検出されるブレ量にメモリ203に記憶されたS2
ブレデータを加算してS2ブレ推定値を演算する。ブレ
補正判別部205は、S2ブレ推定値演算部204で算
出されたS2ブレ推定値を用いて光学的にブレ補正がで
きるか否かを判別するものである。ブレ補正判別部20
5は、S2ブレ推定値の絶対値(ブレの振幅)を所定の
閾値dと比較し、S2ブレ推定値の振幅が所定の閾値d
を超える場合は、ブレ補正不可と判別する。この判別結
果は表示制御回路34に出力され、ファインダー内の表
示エリアA2のLED表示P2及びシンボルマーク表示
SP1を点灯してブレ補正不可の表示が行われる。
【0042】制御部20は、例えばシャッタボタン8の
半押し状態の撮影準備中において、ブレ量検出回路29
により検出されたX方向及びY方向のブレ量ξx,ξy
入力される毎に、これらの検出値を表示制御回路34に
出力して現在のカメラブレの状態を表示する。
【0043】また、制御部20は、露出制御において、
後述するブレ量検出回路29により検出されたX方向及
びY方向のブレ量ξx,ξyが入力される毎に、ブレ補正
制御値演算部201でこれらの検出結果に基づきブレ補
正を行なうためのブレ補正レンズ32,33の駆動制御
値をそれぞれ算出し、X方向の駆動制御値をブレ補正モ
ータ制御回路30に、また、Y方向の駆動制御値をブレ
補正モータ制御回路31に出力し、露光面における被写
体光像のブレを光学的に補正する。
【0044】測光回路21は被写体輝度を検出する回路
であり、測距回路22は被写体距離を検出する回路であ
る。制御部20は、検出された被写体輝度に基づき露出
制御値を設定するとともに、検出された被写体距離に基
づき撮影レンズ3のAF制御値を設定する。
【0045】また、Zモータ制御回路23は、撮影レン
ズ3内のズームレンズ24の駆動を制御する回路であ
る。Zモータ制御回路23にはズームスイッチ14の操
作方向及び操作量に基づき制御部20で生成された駆動
信号が入力され、Zモータ制御回路23はこの駆動信号
に基づきズームレンズ24の駆動を制御する。AFモー
タ制御回路25は、撮影レンズ3内のフォーカスレンズ
26の駆動を制御する回路である。AFモータ制御回路
25は、制御部20から入力されるAF制御値に基づき
フォーカスレンズ26の駆動を制御して自動的に撮影レ
ンズ3の焦点調節を行う。
【0046】絞り・シャッタ制御回路27は、レンズシ
ャッタ28の開口径及び開閉駆動を制御する回路であ
る。絞り・シャッタ制御回路27は、制御部20から入
力される露出制御値に基づきレンズシャッタ28の最大
開口径を設定し、所定のタイミングでレンズシャッタ2
8の開閉動作を行う。
【0047】ブレ量検出回路29は、カメラブレに基づ
く露光面における被写体光像のブレ方向及びブレ量を検
出するものである。ブレ補正用のレンズは、後述するよ
うに、互いに直交するX方向とY方向とにそれぞれ変位
可能な1組のレンズ32,33(以下、ブレ補正レンズ
という。)から構成されているので、被写体光像のブレ
量はX方向及びY方向のそれぞれについて検出される。
検出されたブレ量は制御部20に入力され、このブレ量
に基づいてブレ補正レンズ32,33の駆動制御値が算
出される。
【0048】図8は、ブレ量検出回路のブロック構成図
である。同図に示すブレ量検出回路29は、基本的に、
例えば特開平3−192228号公報に示されている回
路と同一である。従って、ここでは詳細説明は省略し、
概要説明を行う。
【0049】ブレ量検出回路29は、CCDエリアセン
サ291を備えた撮像部29A、撮像画像からX方向及
びY方向のコントラスト値Cx,Cy並びに相関値Cを
演算する相関値演算部29B及びこの相関値演算部29
Bでの演算結果に基づいてX方向及びY方向のブレ量を
算出するブレ量算出部29Cから構成されている。
【0050】撮像部29Aは、CCDエリアセンサ29
1、信号処理回路292、A/D変換器293及び画像
メモリ294から構成されている。CCDエリアセンサ
291は、上述したファインダー光学系内のセンサであ
り、被写体光像を電気信号に変換して取り込む撮像素子
である。CCDエリアセンサ291は、カラーセンサ、
モノクロセンサのいずれであってもよい。信号処理回路
292は、CCDエリアセンサ291から出力される各
画素の受光信号のレベル補正やノイズ除去等の信号処理
を行うものである。A/D変換器293は、各画素の受
光信号(アナログ信号)をデジタル信号(以下、画素デ
ータという。)に変換するものである。
【0051】画像メモリ294は、CCDエリアセンサ
291で取り込まれた画像データ(画像を構成する一群
の画素データ)を記憶するメモリである。画像メモリ2
94は、1枚分の画像データの記憶容量を有する基準部
メモリ294aとこれと同一の記憶容量を有する参照部
メモリ294bとから構成され、基準部メモリ294a
にはブレ量検出の基準画像(ブレ量検出処理の最初に撮
像された画像)の画像データが記憶され、参照部メモリ
294bには上記基準画像と比較参照される複数枚の参
照画像(ブレ量検出処理で周期的に撮像される複数枚の
撮像画像)の画像データが順次、更新的に記憶される。
【0052】相関値演算部29Bは、X方向及びY方向
のコントラスト値Cx,Cy並びに相関値Cを演算する
演算回路295とこの演算回路295の演算結果を記憶
するメモリ296とから構成される。相関値演算部29
Bは、相関値Cの演算に際し、図6に示すように、撮像
画像Gを複数の小ブロックの画像G(1)〜G(n)に分割
し、各分割画像G(1)〜G(n)毎にX方向(横方向)及び
Y方向(縦方向)のコントラスト値Cx(I),Cy(I)
(I=1,2,…n)を演算する。そして、これらのコ
ントラスト値Cx(I),Cy(I)からX方向及びY方向の
相関値Cを算出するための所定数m(<n)の分割画像
を抽出する。例えば48個の分割画像G(1)〜G(48)に
対してX方向及びY方向のブレ量算出用の分割画像がそ
れぞれ4個ずつ抽出される。かかる分割画像の抽出は、
撮像画像の内、コントラストの高い部分の画像を抽出
し、その部分画像を用いてブレ量を精度良く検出するた
めの処理である。
【0053】なお、X方向のコントラスト値Cx(I)
は、基準部メモリ294aに記憶された基準画像と参照
部メモリ294bに記憶された参照画像をX方向に1画
素ピッチ分ずらした画像とを比較し、各画素位置におけ
る濃度差(絶対値)を積算したものである。撮像画像の
X方向の濃度変化が大きいほど、コントラスト値Cxは
大きくなるから、各ブロックの画像G(I)についてコン
トラスト値Cx(I)を演算し、このコントラスト値Cx
(I)の大きいブロックを抽出することによりX方向にコ
ントラストの大きい部分画像が抽出される。
【0054】コントラスト値Cx(I)の演算はブレ検出
開始時に最初に取り込まれた画像GRを用いて行われ
る。すなわち、ブレ検出開始当初に取り込まれた画像デ
ータは、基準部メモリ294aと参照部メモリ294b
とに記憶されるので、基準部メモリ294aから各画素
位置(i,j)の画素データg(i,j)を読み出すととも
に、参照部メモリ294bからその画素位置(i,j)
よりX方向に1画素分ずれた位置(i,j+1)の画素
データg(i,j+1)を読み出し、両画素データg(i,j),g
(i,j+1)のレベル差Δgxの絶対値|Δgx|=|g(i,
j)−g(i,j+1)|を積算することにより行われる。
【0055】また、Y方向のコントラスト値Cyについ
てもX方向のコントラスト値Cx(I)と同様に各ブロッ
クの画像G(I)についてコントラスト値Cy(I)が演算さ
れ、このコントラスト値Cy(I)の大きいブロックを抽
出することによりY方向にコントラストの大きい部分画
像が抽出される。
【0056】相関値Cは、ブレ量開始当初の画像GR
対して所定時間t経過後の画像GSがどの方向にどれだ
けずれているか、すなわち、時間tの間の撮影画像のブ
レ方向及びブレ量を算出するためのデータである。画像
Sの画像GRに対するずれは、画像GSをX方向及びY
方向に所定量(例えば1画素ピッチ)ずつずらした画像
S′を画像GRと比較し、両画像が最も一致する画像G
S′を求めることにより算出される。
【0057】相関値Cは、各画像GS′と画像GRとの一
致度を示すもので、コントラスト値Cx,Cyの演算と
同様に、各画素位置における濃度差(絶対値)の積算値
で定義される。なお、上記のように、撮像画像の内、抽
出されたコントラストの高いm個の分割画像G(r)(r
=1,2,…m)についてのみ相関値Cを演算するよう
にしているので、各分割画像毎に算出した相関値をC
(r)(r=1,2,…m)とすると、相関値Cは、C=
C(1)+C(2)+…C(m)で算出される。
【0058】X方向にk画素ピッチ、Y方向にh画素ピ
ッチずらした画像GS′に対する相関値CをC(k,
h)で表し、k=h=0,±1,±2とすると、25個
の相関値C(k,h)が得られる。C(0,0)は、画
像GRと画像GSとを比較した場合の相関値で、カメラブ
レが生じていなければ、画像GSは画像GRと同一となる
から、C(0,0)=0となる。
【0059】一方、C(k,h)=0であれば、X方向
の画素ピッチをPx,Y方向の画素ピッチをPyとする
と、画像GSをX方向にk画素ピッチ分、Y方向にh画
素ピッチ分ずらした画像GS′が画像GRと同一となるか
ら、画像GS′は画像GRに対して斜め方向にP(=√
(Px2+Py2))だけカメラブレが生じていることが
わかる。
【0060】従って、画像GSについて、25個の相関
値C(k,h)(k=h=0,±1,±2)を算出し、
相関値C(k,h)が極小となるシフト位置を求めるこ
とにより被写体光像のブレ方向及びブレ量が算出され
る。この場合、相関値C(k,h)の極小値が画素間の
中間位置にあると推定される場合は、補間演算によりそ
の位置が算出され、この算出値から正確なブレ量
(ξx,ξy)が算出される。
【0061】演算回路295は、上記コントラスト値C
x(I),Cy(I)及び相関値C(k,h)を演算するため
の減算回路295a、絶対値回路295b、加算回路2
95c及びレジスタ295dを備えている。減算回路2
95aは、コントラスト値Cx(I)の演算において、基
準画像の画素データg(i,j)と参照画像の画素データg
(i,j+1)とのレベル差Δgx=g(i,j)−g(i,j+1)を、
また、コントラスト値Cy(I)の演算において、基準画
像の画素データg(i,j)と参照画像の画素データg(i+1,
j)とのレベル差Δgy=g(i+1,j)−g(i,j)を演算す
るものである。また、相関値C(k,h)の演算におい
ては、基準画像GRの画素データg(i,j)と参照画像GS
をX方向及びY方向にそれぞれk画素ピッチ、h画素ピ
ッチだけずらした画像GS′の画素データg(i+k,j+h)と
のレベル差Δg=g(i+k,j+h)−g(i,j)を演算するもの
である。
【0062】また、絶対値回路295bは、上記レベル
差Δgx,Δgy,Δgの絶対値を演算するものであ
る。加算回路295c及びレジスタ295dは、各画素
位置におけるΔgx,Δgy,Δgの絶対値を積算して
コントラスト値Cx(I),Cy(I)及び相関値C(k,
h)を算出するものである。
【0063】メモリ296は、演算回路295で演算さ
れたX方向及びY方向のコントラスト値Cx(I),Cy
(I)と相関値C(k,h)を記憶するものである。
【0064】ブレ量算出部29Cは、メモリ296から
X方向及びY方向のコントラスト値Cx(I),Cy(I)を
読み出し、相関値演算のための分割画像を抽出する。ま
た、抽出された各分割画像について算出された相関値C
(k,h)に対して補間演算を行い、相関値C(k,
h)が極小値となるシフト位置(X座標ξx,Y座標
ξy)を求めることによりブレ方向とブレ量とを算出す
る。この被写体光像のブレに関する情報(ブレ方向とブ
レ量)は、制御部20に入力される。
【0065】図7に戻り、ブレ補正レンズ32は、X方
向のブレを補正するためのブレ補正レンズであり、ブレ
補正レンズ33は、Y方向のブレを補正するためのブレ
補正レンズである。また、ブレ補正モータ制御回路30
は、ブレ補正レンズ32を駆動するモータ301の駆動
を制御する回路であり、ブレ補正モータ制御回路31
は、ブレ補正レンズ33を駆動するモータ311の駆動
を制御する回路である。
【0066】図10は、ブレ補正用の光学系の構造を示
す分解斜視図である。ブレ補正用の光学系は、撮影レン
ズ3の先端部に設けられている。撮影レンズ3のレンズ
保持体37の先端部には環状の凹部37aが設けられ、
この凹部37a内にX方向のブレ補正レンズ32とY方
向のブレ補正レンズ33とがそれぞれ光軸Lに直交する
平面内のX軸方向(カメラ本体2の横方向)とY軸方向
(カメラ本体2の縦方向)に移動可能に設けられてい
る。
【0067】X方向のブレ補正レンズ32は、周縁に相
対向して円筒状のピン穴部381と歯部382とが設け
られるとともに、ピン穴部381の近傍位置にレンズ位
置検出用の投光素子40が設けられた環状の保持枠38
に保持されている。Y方向のブレ補正レンズ33も保持
枠38と同一構造を成す保持枠39に保持されている。
【0068】凹部37aに、図に示すように、光軸Lを
原点とするXY座標を想定すると、凹部37a内の+Y
軸上の適所にピン42が突設され、このピン42を保持
枠38のピン穴部381に遊嵌させてX方向のブレ補正
レンズ32が凹部37a内にX軸方向に変位可能に取り
付けられている。また、凹部37a内の+X軸上の適所
にピン43が突設され、このピン43を保持枠39のピ
ン穴部391に遊嵌させてY方向のブレ補正レンズ33
が凹部37a内にY軸方向に変位可能に取り付けられて
いる。
【0069】レンズ保持体37内には、凹部37a内の
−Y軸上の適所に駆動軸に固着された駆動ギヤ44を突
出させてモータ301が配設され、この駆動ギヤ44は
保持枠38の歯部382に噛合されている。また、凹部
37a内の−X軸上の適所に駆動軸に固着された駆動ギ
ヤ45を突出させてモータ311が配設され、この駆動
ギヤ45は保持枠39の歯部392に噛合されている。
更に、凹部37aの底面であってブレ補正レンズ32の
投光素子40を臨む位置に受光素子46が設けられ、ブ
レ補正レンズ33の投光素子41を臨む位置に受光素子
47が設けられている。
【0070】ブレ補正レンズ32及びブレ補正レンズ3
3は、ブレ補正レンズ32を内側にして凹部37内にそ
れぞれX方向とY方向とに変位可能に取り付けられ、押
え環48により凹部37から飛び出さないように固定さ
れている。
【0071】上記構成において、モータ301を正方向
又は逆方向に回転駆動すると、ブレ補正レンズ32がピ
ン42を中心として微小角だけ時計回り又は反時計回り
に回動し、これによりブレ補正レンズ32の光軸Lxが
光軸Lに対してX軸上を±X方向に変位してX方向のブ
レ補正が行われる。投光素子40からは受光素子46に
向けて縞模様の光像が投光されており、受光素子46に
おけるこの縞模様の光像の受光位置によりブレ補正レン
ズ32の位置情報(例えば基準位置からの変位量等)が
検出され、この位置情報をモータ301のブレ補正モー
タ制御回路30にフィードバックすることによりブレ補
正レンズ32の変位量が正確に制御される。
【0072】同様に、モータ311を正方向又は逆方向
に回転駆動すると、ブレ補正レンズ33がピン43を中
心として微小角だけ時計回り又は反時計回りに回動し、
これによりブレ補正レンズ33の光軸Lyが光軸Lに対
してY軸上を±Y方向に変位してY方向のブレ補正が行
われる。投光素子41からは受光素子47に向けて縞模
様の光像が投光されており、受光素子47におけるこの
縞模様の光像の受光位置によりブレ補正レンズ33の位
置情報が検出され、この位置情報をモータ311のブレ
補正モータ制御回路31にフィードバックすることによ
りブレ補正レンズ33の変位量が正確に制御される。
【0073】図7に戻り、表示制御回路34は、ファイ
ンダー内に設けられた表示部35(図3参照)の表示を
制御する回路である。表示制御回路34は、制御部20
から入力される制御信号、ブレ補正の有無及びブレ補正
の可否の表示データに基づき表示部35の表示エリアA
2に所定の表示を行う。また、表示制御回路34は、制
御部20から入力されるブレ量ξx,ξyを表示データに
変換して表示領域A3,A4にレベル表示する。
【0074】スイッチSAはS2ブレメモリモード設定
ボタン13の操作を検出するスイッチ、スイッチSB
ブレ補正モード設定ボタン9の操作を検出するスイッチ
である。また、S1スイッチ及びS2スイッチ、それぞ
れシャッタボタン8の半押し状態と全押しを検出するス
イッチである。スイッチSA,SB、S1スイッチ及びS
2スイッチの検出信号は制御部20に入力される。
【0075】次に、ブレ補正レンズ32,33によるブ
レ補正の方法及びブレ補正後の被写体光像のブレ量につ
いて説明する。
【0076】まず、カメラ本体2を保持している手の通
常の振れに起因するブレ(以下、このブレを通常ブレと
いう。)の補正について説明する。なお、便宜上、X方
向のブレ補正について説明する。
【0077】図11は、露光面における被写体光像のX
方向のブレ量の検出値を示す図である。同図において、
横軸はサンプリング回数nを示し、縦軸はブレ量検出値
D(n)を示している。
【0078】露光面における被写体光像のブレを光学的
に軽減する基本的な原理は、n回目のブレ量検出値D
(n)は(n−2)回目のブレ量検出値D(n-2)と(n−
1)回目のブレ量検出値D(n-1)との偏差ΔD(n-1)(=
D(n-1)−D(n-2))分だけブレ量検出値D(n-1)から変
移した値D(n)′になると仮定し、(n−1)回目のブ
レ量検出時に露光面における被写体光像の結像位置を−
ΔD(n-1)だけ変移させるブレ補正を行なうことで、n
回目のブレ量検出値D(n)と(n−1)回目のブレ量検
出値D(n-1)との偏差ΔD(n)を小さくするものである。
【0079】図11において、P1は、ブレ補正がなか
った場合のn回目のブレ量検出値D(n)であり、P2
は、(n−1)回目のブレ量検出時にn回目の検出値と
して仮定したブレ量検出値D(n)′である。D(n)′=D
(n)であれば、(n−1)回目に−ΔD(n-1)のブレ補正
を行なえば、n回目に検出値として予測されるブレ量
(以下、ブレ量予測値という。)D(n)″はD(n-1)とな
り、誤差は生じないが、通常は、n回目のブレ量検出値
D(n)はD(n)′と一致せず、同図に示すように、例えば
D(n)′>D(n)であれば、ブレ補正後のn回目における
ブレ量予測値D(n)″はP3となり、その誤差は(D
(n)′−D(n))となる。
【0080】図12は、上記ブレ補正の原理に基づきブ
レ補正を行なった場合のブレ量予測値の一例を示す図で
ある。
【0081】同図において、曲線は、ブレ補正を行な
わなかった場合の被写体光像のブレ波形であり、曲線
は、ブレ補正を行なった場合に推定される被写体光像の
ブレ波形である。
【0082】なお、ブレ量検出回路29により検出され
るブレ量は、光学的にブレ補正が行なわれないCCDエ
リアセンサ291の撮像面における被写体光像を用いて
検出されるので、撮影レンズ3でブレ補正を行なってい
る場合でもブレ補正がない場合のブレ量となっている。
従って、曲線は、ブレ量検出回路29により検出され
るブレ量検出値D(n)を示している。
【0083】一方、ブレ補正後の被写体光像のブレ量
は、実測することができないので、曲線は、上記ブレ
補正原理に基づきブレ補正を行なった場合に推定される
ブレ量を演算により算出したものである。曲線は、2
回目のブレ量検出時からブレ補正を行なった場合のもの
で、(n−1)回目のブレ量検出時に偏差ΔD(n-1)を
キャンセルするようにブレ補正をかけ、この偏差量ΔD
(n-1)がロスなくブレ補正されたとした場合のものであ
る。
【0084】同図に示すように、ブレ補正した場合に推
定されるブレ波形は、ブレ補正を開始した位置を中心と
して変動する曲線の微分係数の波形となる。
【0085】ところで、被写体光像のブレを光学的に補
正する場合、補正用レンズ32,33の応答特性により
ロスが発生するため、上記偏差ΔD(n-1)をブレ補正制
御値F(n)としてモータ301,311のブレ補正モー
タ制御回路30,31に入力した場合、実際に補正され
る被写体光像のブレ量(以下、ブレ補正量という。)F
(n)′は、ΔD(n-1)より小さくなる。このため、実際に
は、ブレ補正後のブレ波形は、図12の曲線に示すよ
うにはならない。
【0086】上記ロス分E(n)は、一般に入力されるブ
レ補正制御値ΔD(n-1)の二乗に比例するので、E(n)=
ΔD(n-1)2/α(α;係数)とすると、実際のブレ補正
量F(n)′は、 F(n)′=F(n)−E(n) =ΔD(n-1)−ΔD(n-1)2/α となる。従って、ブレ補正量F(n)′と偏差ΔD(n-1)と
の差を小さくするには、上記ロス分E(n)を見込んでブ
レ補正制御値F(n)を設定する必要がある。いま、偏差
ΔD(n-1)にロス分E(n)のk倍を加算してブレ補正制御
値F(n)を設定したとすると、ブレ補正量F(n)′は下記
(1)式となる。
【0087】
【数1】
【0088】なお、上記(1)式において、第2項はロ
ス分である。また、上記係数αは、カメラ1に設けられ
たブレ補正機構に固有の係数で、実験等により適切な値
が設定されるものである。係数kは、機械的ロスを補償
するためのフィードバック量を決定する係数であるが、
ブレの振幅が急に小さくなった場合にブレ補正量が過剰
にならないようにするため、通常は1以下に設定され
る。
【0089】サンプリング毎に上記ブレ補正制御値F
(n)を演算し、このブレ補正制御値F(n)でブレ補正を行
なった場合、n回目のブレ量検出値D(n)″はブレ補正
がなかった場合のブレ量検出値D(n)とn回目までのブ
レ補正量の積算値S(n)(=F(2)′+F(3)′…+F(n-
1)′+F(n)′=S(n-1)+F(n)′)との誤差と推定さ
れるから、下記(3)式で算出することができる。
【0090】
【数2】
【0091】図13は、上記演算方法により算出したブ
レ補正後のブレ量の予測値のシミュレーション結果を示
す図である。
【0092】同図は、カメラブレによる被写体光像のブ
レ波形を正弦波としたもので、ブレ補正を行なわなかっ
た場合のブレ量検出値D(n)をD(n)=100・sin(n)として
いる。また、k=0.8、α=50とし、サンプリング
周期1°でシミュレーションしたものである。また、実
線で示す曲線はブレ補正がなかった場合のブレ量検出値
D(n)を示し、一点鎖線で示す曲線はブレ補正量積算値
S(n)を示し、点線で示す曲線はブレ補正後のブレ量検
出値(予測値)D(n)″(以下、ブレ補正後の予測され
るブレ量検出値をブレ補正予測値という。)を示してい
る。なお、ブレ波形を正弦波としたのは、微小な露光時
間におけるブレ波形が正弦波に近似し得ることを考慮し
たものである。
【0093】同図に示すように、ブレ波形が正弦波で近
似できる場合は、光学的なブレ補正を比較的好適に行な
えることが分かる。従って、通常ブレの場合、突発的に
急峻なブレが発生しない限り、係数kを適当に調整する
ことにより被写体光像のブレを効果的に軽減できること
がわかる。
【0094】次に、シャッタボタン8を全押しし、レリ
ーズを指示したときのレリーズ操作時に発生するブレの
補正について説明する。
【0095】シャッタボタン8が全押しされてから露光
が終了するまでの時間内に発生するカメラブレを考察す
ると、シャッタボタン8を全押しした瞬間に急峻なブレ
(振幅の大きい高い周波数の波形を有するブレ)が発生
し、この後、通常ブレに落ち着いていく。シャッタボタ
ン8の操作直後に発生するブレのブレ波形は、通常ブレ
のブレ波形にシャッタボタン8の操作にのみ起因するブ
レ(以下、このブレをS2ブレという。)のブレ波形が
重畳されたもので、通常ブレのブレ成分とS2ブレのブ
レ成分とを有している。
【0096】通常ブレにおいては、微小な露光時間内で
の被写体光像のブレ波形が大きく変動することは殆どな
く、しかも撮影毎のバラツキも少ないので、上述の演算
式(2)により算出されたブレ補正制御値F(n)に基づ
くブレ補正レンズ32,33の駆動により比較的良好に
ブレ補正を行なうことが可能である。
【0097】しかし、S2ブレは、通常のブレ波形に比
して振幅が大きく、しかもその変化が急峻であるため、
シャッタボタン8の操作直後のブレに対して、通常ブレ
に対して設定されたブレ補正制御値F(n)によりブレ補
正を行なっても十分なブレ補正を得ることは困難であ
る。
【0098】図14は、S2ブレにおけるブレ補正予測
値のシミュレーション結果を示す図である。
【0099】シャッタボタン8の操作直後のブレ波形
は、通常ブレのブレ波形にS2ブレのブレ波形が重畳し
た波形となるから、同図では、通常ブレのブレ波形を1
00・sin(n)、S2ブレのブレ波形500・sin(4n)と
し、sin(n)にn=50の位相をずらせて500・sin(4
n)を重畳して全体のブレ波形としている。
【0100】また、曲線は、k=0.8,α=50と
して上記(2)式により算出されるブレ補正量積算値S
(n)であり、曲線は、このブレ補正量積算値S(n)を用
いて上記(3)式により算出されるブレ補正予測値D
(n)″である。更に、曲線は、k=1.5,α=50
として上記(2)式により算出されるブレ補正量積算値
S(n)であり、曲線は、このブレ補正量積算値S(n)を
用いて上記(3)式により算出されるブレ補正予測値D
(n)″である。
【0101】同図の曲線,に示すように、0≦n≦
50の範囲では、通常ブレに対するブレ補正であるか
ら、ブレ補正後のブレ補正予測値D(n)″は2以内の微
小量に収まっているが、50<nにおいては、S2ブレ
が重畳され、これに対するブレ補正制御値F(n)が不十
分なため、ブレ補正後のブレ補正予測値D(n)″は10
〜40(すなわち、数倍〜数十倍)に悪化し、光学的な
ブレ補正が困難であることが分かる。
【0102】S2ブレが重畳されたとき、光学的なブレ
補正が困難になる要因は、上記(2)式における機械的
ロスを補償するための補正加算量H(n)=k・ΔD(n-1)
2/αがS2ブレによるブレ量の増加に対して相対的に
小さく、有効なブレ補正のレスポンスが得られないため
である。すなわち、補正加算量H(n)を決定する係数k
が通常ブレにS2ブレが重畳されたブレ波形に対して不
適切で、このブレ波形に対するブレ補正制御値F(n)が
不十分となるためである。
【0103】係数kは、通常ブレのブレ波形に対して設
定され、しかもブレが小さい場合にも過剰補正とならな
いように1以下の値が設定されるので、通常ブレのブレ
波形にこのブレ波形の数倍の振幅を有する急峻なS2ブ
レのブレ波形が重畳された場合、S2ブレのブレ成分を
考慮していないブレ補正制御値F(n)が不十分となるの
は当然である。
【0104】かかる場合、S2ブレのブレ波形は、通常
ブレのブレ波形に比して必ず大きい振幅を有しているか
ら、S2ブレが発生したとき、図14の曲線,に示
すように、係数kを通常ブレに対する値よりも大きい適
宜の値に変更してブレ補正制御値F(n)を改善するよう
にするとよい。図14においては、S2ブレが発生した
とき、係数kを0.8から1.5に増大することにより
ブレ補正予測値D(n)″の+側の最大値が略40から略
15に低減されている。
【0105】しかし、S2ブレ発生時に係数kを増加変
更する方法では、S2ブレの発生直後の最初の急増する
ブレ波形(すなわち、50<n<150のブレ波形)に
対しては、効果的にブレ量を抑制できるが、その次のブ
レ量が減少するブレ波形(すなわち、150<n)に対
してはブレ補正予測値D(n)″が−側に大きく増大し、
係数kを増大したことによる弊害が生じることとなって
いる。
【0106】従って、かかる弊害を回避するため、S2
ブレの発生時におけるブレは、通常ブレのブレ成分とS
2ブレのブレ成分との合成であるから、各ブレ成分につ
いてそれぞれブレ補正を行なうことが好ましい。すなわ
ち、通常ブレのブレ波形に対するブレ補正制御値F1
(n)とS2ブレのブレ波形に対するブレ補正制御値F2
(n)とを算出し、両ブレ補正制御値F1(n),F2(n)の
合計値によりブレ補正を行なうことが好ましい。
【0107】この場合、S2ブレのブレ波形に対するブ
レ補正制御値F2(n)の演算式も上述した通常のブレの
ブレ波形に対するブレ補正制御値F(n)の演算式(2)
を採用することできる。なお、補正加算量H(n)の係数
kは、S2ブレのブレ波形に基づき1以上の適宜の値を
設定する必要がある。
【0108】今、図14に示したS2ブレのブレ波形の
例について、通常ブレのブレ成分に対するブレ補正制御
値F1(n)とS2ブレのブレ成分に対するブレ補正制御
値F2(n)とを算出し、両ブレ補正制御値F1(n),F2
(n)の合計値によりブレ補正を行なう場合のシミュレー
ションを行なうと、図12に示すようになる。
【0109】なお、同図に示す曲線は、図14に示す
曲線と同一のブレ波形である。また、曲線は通常ブ
レのブレ成分に対するブレ補正制御値F1(n)とS2ブ
レのブレ成分に対するブレ補正制御値F2(n)とを算出
し、両ブレ補正制御値F1(n),F2(n)によりブレ成分
毎にブレ補正した場合のブレ補正量積算値S(n)であ
り、曲線はこのブレ補正量積算値S(n)を用いて算出
されるブレ補正予測値D(n)″である。
【0110】通常ブレのブレ成分に対するブレ補正制御
値F1(n)及びブレ補正量F1(n)′は、上記
(1),(2)式より下記(4),(5)式で表され
る。
【0111】
【数3】
【0112】また、S2ブレのブレ成分に対するブレ補
正制御値F2(n)及びブレ補正量F2(n)′は下記
(6),(7)式で表される。
【0113】
【数4】
【0114】また、S2ブレが重畳されたとき、ブレ補
正制御値F(n)をブレ補正制御値F1(n)にブレ補正制御
値F2(n)を加算した値G(n)=F1(n)+F2(n)に変更
設定してブレ補正を行なった場合のブレ補正量F(n)′
は、上記(1)式より、 F(n)′=G(n)−G(n)2/α …(8) であるから、ブレ補正後のブレ補正予測値D(n)″は、
上記(3)式より下記(9)式で算出される。
【0115】
【数5】
【0116】同図の曲線と図14の曲線とを比較す
ると、S2ブレの発生直後の最初の急増するブレ波形に
対しては、係数kのみを増大変更する方法に比してブレ
量の抑制効果が若干低下するが、その後のブレ波形に対
しては、係数kのみを増大変更する方法のようにブレ補
正予測値D(n)″が−側に大きく増大することはなく、
全体に好適なブレ補正効果が得られている。
【0117】上記のように、通常ブレ及びS2ブレのブ
レ波形の特徴に基づき適当な係数k1,k2を決定して
ブレ補正演算値F1(n),F2(n)の演算式を設定してお
くとともに、S2ブレのブレ成分のブレ量のデータ(す
なわち、S2ブレデータ)をメモリしておき、シャッタ
ボタン8の操作直後のブレ発生時に、このブレ波形を通
常ブレのブレ成分とS2ブレのブレ成分とに分離し、各
ブレ成分について上記ブレ補正演算値F1(n),F2(n)
によりブレ補正を行なえば、急峻なS2ブレが収斂する
まで待つことくなく直ちに好適なブレ補正を行なうこと
ができる。
【0118】S2ブレデータは、予め実験的に標準的な
ブレ波形を求め(例えば複数のS2ブレのブレ成分を平
均したり、複数のS2ブレのブレ成分を代表的な波形に
近似して求める)、メモリ203に記憶しておいてもよ
いが、S2ブレのブレ成分は撮影者により個人差がある
ので、ブレ補正カメラに実際のシャッタボタン8の操作
によるS2ブレデータを取込み、このS2ブレデータに
基づきブレ補正制御値F2(n)のデータを算出する機能
をブレ補正カメラに持たせるようにしてもよい。このよ
うにすると、撮影者固有のS2ブレのブレ波形に対応し
てブレ補正制御値F2(n)のデータが設定されるので、
より好適にブレ補正が可能となる。
【0119】本実施の形態に係るブレ補正カメラ1は、
S2ブレメモリモードを有し、このモードにおいてS2
ブレデータの取込みが可能になっている。
【0120】次に、S2ブレメモリモードにおけるS2
ブレデータの取込み方法について、図16,図17に示
すフローチャートを用いて説明する。
【0121】図16,図17は、S2ブレデータの取込
制御を示すフローチャートである。同図に示すデータ取
込制御では、S2ブレのブレ波形を3回取込み、これら
の平均値をS2ブレデータとしている。また、ブレ量検
出回路29により検出されるブレ量検出値D(n)は、通
常ブレのブレ波形にS2ブレのブレ波形が重畳されたも
のであるから、最初に通常ブレのブレ波形のデータD1
(n)を検出し、この後、シャッタボタン8の操作直後の
通常ブレとS2ブレとの合成波のデータD(n)を検出
し、このデータD(n)から通常ブレのブレ波形のデータ
D1(n)を減算してS2ブレのブレ波形のデータD2(n)
を検出するようにしている。
【0122】S2ブレメモリモードが設定されると、図
16,図17に示すフローチャートが実行され、まず、
S2ブレのブレ波形の取込回数をカウントするカウント
値Iが「1」に設定され(#2)、LCD表示部11に
取込回数Iが表示される(#4)。
【0123】続いて、予め設定された所定の周期Δt
(例えば1ms)でブレ量検出回路29によりブレ量D
1(n)の検出が開始される(#6)。このブレ量D1(n)
は、未だシャッタボタン8の操作が行なわれていないの
で、通常ブレのブレ波形を構成するブレ量のデータであ
る。
【0124】続いて、ブレ量D1(n)の開始時のブレ波
形が通常ブレのブレ波形と見なし得るか否か(すなわ
ち、所定の基本的な正弦波形に近似し得るか否か)が判
別され(#8)、通常ブレのブレ波形と見なせる状態に
なると、(#8でYES)、通常ブレのブレ波形を構成
するブレ量D1(n)のデータ取込みが開始される(#1
0)。
【0125】最初から検出したブレ量D1(n)を通常ブ
レのブレ波形のデータとして取り込まないのは、検出開
始時のブレ波形が通常ブレのブレ波形であるか否かが分
からないので、その確認をするためである。通常ブレの
ブレ波形は、経験的に一定範囲内の振幅レベルを有する
正弦波に近似することができるので、検出されたブレ量
D1(n)のピーク値、すなわち、ブレ波形の変化率δ=
|dD1/dt|が略0となるときのブレ量D1(n)の
絶対値|D1|が所定レベルb以上のときは、通常ブレ
のブレ波形ではないと推定されるので、そのピーク値|
D1|が所定レベルbより小さくなった時点で通常ブレ
のブレ波形を構成するブレ量D1(n)のデータ取込みを
開始するようにしている。
【0126】すなわち、図18は、S2ブレメモリモー
ドで検出されるブレ量の波形の一例で、横軸はサンプリ
ング数N、縦軸は検出レベルを示すものであるが、同図
において、サンプリング数N=0でステップ#6のブレ
量D1(n)の検出を開始したとすると、ステップ#8の
判別処理により、逐次検出されるブレ量D1(n)を用い
てブレ波形のピーク点Q1,Q2…が検出されるととも
に、そのピーク点の振幅が±bの範囲内に入っているか
否かが判別され、±bの範囲内にピーク値を有するピー
ク点Q5のタイミングで通常ブレのブレ波形を構成する
ブレ量D1(n)のデータ取込みが開始される。
【0127】ステップ#10では、ブレ量D1(n)のデ
ータ取込みのサンプリング数nのカウント値が「1」に
設定され、この後、所定の周期Δtでブレ量D1(n)の
検出が行なわれる(#12〜#20)。このブレ量検出
においては、逐次検出されるブレ量D1(n)のデータを
用いてブレ波形のピーク値の検出が行なわれ(#1
4)、最初のピーク値(図18のQ6参照)が検出され
ると(#16でNO)、そのときのサンプリング数nが
位相θ1として記憶されるとともに、ブレ量D1(n)が
通常ブレのブレ波形の振幅Aとして記憶される(#1
8)。
【0128】また、2回目のピーク値(図18のQ7参
照)が検出されると(#16でYES)、そのときのサ
ンプリング数nが位相θ2として記憶され(#18)、
続いて、位相θ1と位相θ2のデータから通常ブレのブ
レ波形の位相θ(=4(θ2−θ1))が算出される
(#24)。
【0129】続いて、上記振幅A及び位相θから通常ブ
レの正弦波に近似したブレ波形BS1が決定される(#
26)。なお、位相差(θ2−θ1)のサンプリング数
をqとすると、ブレ波形BS1はBS1(q)=Asin(θ)
=D1(θ1)・sin(4q)となる。
【0130】続いて、LCD表示部11にシャッタボタ
ン8の全押し操作を指示する表示が行なわれる(#2
8)。なお、LCD表示部11への表示に代えて、或い
は表示に加えてブザー等を発音させて操作指示を行なう
ようにしてもよい。
【0131】この後、シャッタボタン8の全押し操作に
よりS2スイッチがオンになると(#30でYES)、
ブレ量D2(m)のデータ取込みのサンプリング数mのカ
ウント値が「1」に設定され(#32)、ステップ#2
6で決定した通常ブレのブレ波形BS(q)のカウント値
mにおけるブレ量BS1(4m)が算出される(#34)。
このブレ量BS1(4m)は、現在生じているS2ブレのブ
レ波形に含まれる通常ブレのブレ成分(図18の点線で
示すの波形を参照)の予測値である。
【0132】続いて、ブレ量検出回路29によりブレ量
D2(m)(図18の実線で示すの波形を参照)の検出
が行なわれ(#36)、更にこのブレ量検出値D2(m)
から通常ブレのブレ成分の予測値BS1(4m+ψ)を減算
してS2ブレのブレ成分のブレ量BS2(m)=D2(m)−
BS1(4m+ψ)(図18で一点鎖線で示すの波形を参
照)が算出される(#38)。なお、通常ブレのブレ成
分の予測値BS1(4m+ψ)の位相ψは、図18におい
て、カウント値mのカウント開始点におけるブレ波形B
S1の位相である。
【0133】通常ブレのブレ波形とS2ブレのブレ波形
との合成波のブレ量D2(m)の検出及びこのブレ量D2
(m)と通常ブレのブレ成分の予測値BS1(4m)とに基づ
くS2ブレのブレ成分のブレ量BS2(m)の算出は、S
2ブレのブレ波形成分|BS2(m)|が所定のレベルc
以下になるまで所定の周期Δtで行なわれ(#34〜#
40のループ)、|BS2(m)|≦cになると(#40
でYES)、1回目のS2ブレのブレ成分のブレ量BS
2(m,1)(m=1,2,…)のデータが記憶される(#
42)。なお、ブレ量BS2(m,1)の括弧内の「1」は
1回目の算出値であることを示す。
【0134】続いて、カウント値Iが「3」になったか
否かが判別され(#44)、I<3であれば(#44で
YES)、カウント値Iを1だけインクリメントとして
(#46)、ステップ#4に戻り、上述と同様の処理を
繰り返して(I+1)回目のS2ブレのブレ成分のブレ
量BS2(m,I+1)(m=1,2,…)のデータの算出が
行なわれる。今回はI=1であるから、ステップ#4に
戻り、2回目と3回目のS2ブレのブレ成分のブレ量B
S2(m,2),BS2(m,3)のデータが算出処理が行なわ
れ、この処理が終了すると(#44でNO)、3回分の
S2ブレのブレ成分のブレ量BS2(m,1),BS2(m,
2),BS2(m,3)の平均値BS(m)={BS2(m,1)+
BS2(m,2)+BS2(m,3)}/3を算出し、この算出
結果BS(m)をS2ブレデータとしてメモリ203に記
憶した後(#46)、処理を終了する。
【0135】なお、上記実施の形態では、S2ブレのブ
レ成分のブレ量BS2(m,I)のデータを複数回、取込
み、これらの平均値をS2ブレデータとしていたが、デ
ータの取込みを複数回にするか、1回だけにするかを操
作者に選択させるようにしてもよい。このようにすれ
ば、取込回数を1回にすれば、S2ブレデータが迅速に
得られ、取込回数を複数回にすれば、高い精度のS2ブ
レデータが得られ、操作者は目的に応じてS2ブレデー
タの取込方法を選択することができるようになる。ま
た、上記実施の形態では、ブレ補正制御値F2(n)の演
算式(6)の係数k2を予め設定していたが、S2ブレ
メモリモードで取り込まれたれS2ブレのブレ成分のデ
ータに基づいて係数k2を決定するようにしてもよい。
【0136】次に、本発明に係るブレ補正カメラのブレ
補正撮影の制御について、図19,図20のフローチャ
ートを用いて説明する。
【0137】メインスイッチ13が押されて図略の電源
スイッチSMがオンになり、カメラ1が起動すると、ブ
レ補正モード設定ボタン9によりブレ補正モードが設定
されているか否かが判別される(#50)。
【0138】ブレ補正モードが設定されていなければ
(#50でNO)、後述するステップ#52〜#62の
処理をスキップしてステップ#64に移行し、S1スイ
ッチがオン状態となっているか否かが判別される(#6
4)。
【0139】ブレ補正モードが設定されていれば(#5
0でYES)、カメラブレによる被写体光像のブレ量が
検出されるとともに、この検出値D(n)にメモリ20
3に記憶されているS2ブレデータBS(n)を加算し
てレリーズ操作直後のブレ量の推定値(以下、この推定
値をS2ブレ推定値という。)DS(n)(=D(n)
+BS(n))(n=1,2,…)が演算され、この演
算結果からブレ補正の可否が判別される(#52〜#6
0)。
【0140】なお、被写体光像のブレ量D(n)の検出
は、測光回路21により被写体輝度が検出され(#5
2)、この検出結果を考慮してブレ量検出回路29によ
り所定の周期で行われる(#54)。また、S2ブレ推
定値DS(n)は、メモリ203からサンプリング数n
に対応するS2ブレデータBS(n)を読み出し、この
S2ブレデータBS(n)を検出されたブレ量D(n)
に加算して算出される(#56)。
【0141】更に、ブレ補正の可否が判別は、算出され
たS2ブレ推定値DS(n)の絶対値が予め設定された
所定の閾値dを超えているか否かにより行われ、|DS
(n)|>dであれば、ブレ補正不可と判断される(#
60)。
【0142】そして、S2ブレ推定値DS(n)が過大
でブレ補正ができないときは(#60でNO)、S1ス
イッチの割込みを禁止して(すなわち、シャッタボタン
8の半押し操作を不許可状態にして)ファインダー内の
表示エリアA2のLED表示P2及びシンボルマークS
P1を点灯してその旨の警告が行われる(#62)。な
お、この警告処理では、ブレ量検出値D(n)及びS2
ブレ推定値DS(n)もファインダー内の表示エリアA
3,A4に、図5又は図6に示す表示形態でレベル表示
される。ブレ量検出値D(n)は、表示エリアA3では
上段のレベル表示部に表示され、表示エリアA4では左
側のレベル表示部に表示される。また、S2ブレ推定値
DS(n)は表示エリアA3の下段のレベル表示部に表
示され、表示エリアA4では右側のレベル表示部に表示
される。
【0143】ブレ補正不可の警告は、ブレ補正が可能に
なるまで継続され(#52〜#62のループ)、ブレ補
正が可能になると(#60でYES)、S1スイッチの
割込禁止が解除され(すなわち、シャッタボタン8の半
押し操作が許可状態にされ)、S1スイッチがオン状態
となっているか否かが判別される(#64)。
【0144】そして、S1スイッチがオフ状態であれば
(#64でNO)、ステップ#50に戻り、S1スイッ
チがオン状態になるまで、ブレ補正モードの設定状態に
応じてブレ量D(n)の検出及びS2ブレ推定値DS
(n)の演算並びにブレ量検出値D(n),S2ブレ推
定値DS(n)の表示が継続される(#50〜#62の
ループ)。
【0145】S1スイッチがオン状態になると(#64
でYES)、測距回路22により被写体距離を検出し、
この被写体距離に基づき撮影レンズ3のAF制御値が算
出され、更にこのAF制御値に基づき撮影レンズ3のA
F制御が行なわれる(#66)。続いて、測光回路21
により被写体輝度を検出し、この被写体輝度に基づき露
出制御値が設定される(#68)。
【0146】続いて、ブレ補正モードが設定されている
か否かが判別され(#70)、ブレ補正モードが設定さ
れていると(#70でYES)、通常ブレに対するブレ
補正が開始される(#72)。このときは、未だシャッ
タボタン8の操作は行なわれないので、S2ブレのブレ
成分を考慮せず、通常ブレに対するブレ補正が行なわれ
る。
【0147】すなわち、ブレ量検出回路29によりブレ
量D1(n)が検出され、制御部20のブレ補正制御値演
算部201によりこのブレ量D1(n)を用いて上記
(4)式で示した所定の演算式によりブレ補正制御値F
1(n)が算出され、このブレ補正制御値F1(n)に基づき
ブレ補正レンズ32,33を駆動してブレ補正が行なわ
れる。すなわち、X方向の撮影画像のブレ補正制御値F
x(n)に基づきブレ補正レンズ32をX方向に駆動する
とともに、Y方向の撮影画像のブレ補正制御値F1y(n)
に基づきブレ補正レンズ33をY方向に駆動して露光面
における被写体光像のブレ量ξx,ξyがキャンセルされ
る。
【0148】一方、ブレ補正モードが設定されていなけ
れば(#70でNO)、上記ステップ#72はスキップ
され、ブレ補正処理は行なわれない。
【0149】続いて、シャッタボタン8の全押し操作に
よりS2スイッチがオン状態になったか否かが判別され
(#74)、S2スイッチがオフ状態であれば(#72
でNO)、S1スイッチのオン状態が継続しているか否
かが判別され(#76)、S1スイッチがオフ状態であ
れば(#76でNO)、ステップ#50に戻り、S1ス
イッチのオン状態が継続していれば(#76でYE
S)、ステップ#74に戻り、S2スイッチがオン状態
になるまでレリーズ待機状態が継続される(#74,#
76のループ)。
【0150】そして、S2スイッチがオン状態になると
(#74でYES)、通常ブレに対するブレ補正がS2
ブレに対するブレ補正に切り換えられてブレ補正処理が
開始される(#78)。
【0151】すなわち、S2スイッチがオンになると、
サンプリングカウント値nがリセットされた後、ブレ量
D(n)が検出される。このブレ量D(n)は、通常ブレのブ
レ成分D1(n)とS2ブレのブレ成分D2(n)との合成で
あるから、メモリ203にS2ブレのブレ成分D2(n)
として記憶されたからS2ブレデータBS(n)を読み出
し、このS2ブレデータBS(n)をブレ量D(n)から減算
することにより通常ブレのブレ成分D1(n)が算出され
る。
【0152】更に、このブレ成分D1(n)を用いて上記
(4)式により通常ブレのブレ成分に対するブレ補正制
御値F1(n)が算出され、S2ブレデータBS(n)を用い
て上記(6)式によりS2ブレのブレ成分に対するブレ
補正制御値F2(n)が算出され、これらのブレ補正制御
値F1(n)とブレ補正制御値F2(n)とを加算してS2ブ
レ発生時のブレ補正制御値G(n)が算出される。なお、
ブレ補正制御値F2(n)は、S2ブレメモリモードにお
いて、S2ブレデータBS(n)を用いて算出し、メモリ
203に記憶しておいてもよい。
【0153】そして、このブレ補正制御値G(n)に基づ
きブレ補正レンズ32,33を駆動してブレ補正が行な
われる。すなわち、X方向の撮影画像のブレ補正制御値
G1x(n)に基づきブレ補正レンズ32をX方向に駆動す
るとともに、Y方向の撮影画像のブレ補正制御値G1
y(n)に基づきブレ補正レンズ33をY方向に駆動して露
光面における被写体光像のブレ量ξx,ξyがキャンセル
される。
【0154】また、ブレ補正制御値F1(n),F2(n)に
より上記(9)式によりブレ補正後のブレ量D(n)″
(S2ブレをブレ補正したときのブレ量の予測値)が算
出され、この算出値D(n)″とブレ量検出値D(n)
とがファインダー内の表示エリアA3,A4に、図5又
は図6に示す表示形態でレベル表示される。ブレ量検出
値D(n)は、表示エリアA3では上段のレベル表示部
に表示され、表示エリアA4では左側のレベル表示部に
表示される。また、S2ブレのブレ補正予測値D
(n)″は表示エリアA3の下段のレベル表示部に表示
され、表示エリアA4では右側のレベル表示部に表示さ
れる(#80)。
【0155】なお、S2ブレのブレ補正予測値D
(n)″は、シャッタボタン8の全押し直後に算出さ
れ、実際に発生しているS2ブレを伴うブレを補正した
ものに近似したものとなっているので、この表示では、
実際のブレ補正後のブレ量(予測値)が表示されてい
る。
【0156】続いて、S2ブレに対するブレ補正及びそ
のブレ補正予測値の表示が開始されると、直ちにレンズ
シャッタ28を駆動して撮影が行われ(#82)、撮影
が終了すると、ブレ補正動作が停止され(#84)、フ
ィルムが1コマ分巻き上げられた後(#86)、次の撮
影を行なうべくステップ#50に戻る。
【0157】なお、上記処理では、S2ブレ推定値DS
(n)によるブレ補正可否の判断で、ブレ補正不可とな
ったとき、S1スイッチの割込禁止と警告の両方を行う
ようにしているが、いずれか一方を行うようにしてもよ
い。
【0158】また、上記実施の形態ではS2ブレ推定値
によるブレ補正の可否の判断をシャッタボタン8に操作
前に行うようにしているが、S1スイッチがオンにな
り、撮影準備が行われる際にS2ブレ推定値によるブレ
補正の可否の判断を行い、ブレ補正不可のときにはレリ
ーズを禁止する(S2スイッチを不許可とする)ように
してもよい。
【0159】上記のように、レリーズ動作の前に、ブレ
量の検出値D(n)にS2ブレデータBS(n)を加算
してシャッタボタン8の操作によるレリーズ直後のS2
ブレ推定値DS(n)を算出するとともに、このS2ブ
レ推定値DS(n)を用いてブレ補正の可否を判断し、
ブレ補正が不可のときはその旨の警告を行うようにして
いるので、シャッタボタン8のレリーズ操作直後からブ
レ補正ができないほど過大なカメラブレが推定されると
きに、誤ってブレ補正されない撮影が行われることを防
止することができる。特に、ブレ補正不可のとき、S1
スイッチ(又はS2スイッチ)の割込禁止(すなわち、
レリーズ動作の禁止)を行うようにしているので、撮影
の失敗を確実に防止することができる。
【0160】なお、上記実施の形態では、露光面におけ
る被写体光像の結像位置を変更することのできるブレ補
正レンズを設け、固定された結像面における被写体光像
のブレを光学的に抑制するタイプのカメラについて説明
したが、撮影レンズの光軸に対して露光面が位置変更可
能に設けられ、露光面の位置を変位させて当該露光面に
おける被写体光像の結像位置のブレを抑制し得るタイプ
のカメラ(例えばCCD等の固体撮像素子を用いたデジ
タルカメラにおいて、撮影レンズの光軸に対して撮像面
の位置を変更可能に撮像素子を構成したカメラ等)につ
いても本発明を適用することができる。また、デジタル
カメラにあっては、撮像面における被写体光像の結像位
置を相対的に変位させてブレを抑制するタイプに限られ
ず、例えば撮像画面より大きい撮像エリアを有する撮像
素子を設け、撮影画像として取り込むべき撮像エリア内
の画像の抽出範囲(撮像画面に相当する範囲)を変化さ
せて疑似的にブレ補正を行うようなタイプにも本発明を
適用することができる。
【0161】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
レリーズ前に被写体光像の露光面におけるブレ量等のブ
レに関する情報を検出し、この検出値と予め記憶手段に
記憶していたシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブ
レ量等のブレに関する情報とに基づいてシャッタ操作部
材によりレリーズが指示された直後のブレに関する情報
の推定値を算出し、更にこの推定値を用いてブレ補正の
可否を判別するとともに、ブレ補正不可のときは、所定
の処理を行うようにしたので、カメラブレがブレ補正で
きないほど過大なときの誤撮影(ブレ補正されない写真
の誤撮影)を防止することができる。
【0162】特に、ブレ補正不可のとき、撮影者にその
旨の警告を行うようにしたので、撮影者は確実に撮影の
際に適切なブレ対策を講じることができる。
【0163】また、ブレ補正不可のとき、レリーズ動作
を禁止するようにしたので、確実に誤撮影を防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブレ補正カメラの外観を示す正面
斜視図である。
【図2】本発明に係るブレ補正カメラの外観を示す背面
図である。
【図3】ファインダー内の表示部の一例を示す図であ
る。
【図4】レベル表示部の構成を示す図である。
【図5】レベル表示部にブレ量検出値とブレ補正予測値
とをレベル表示した一例を示す図である。
【図6】レベル表示部にブレ量検出値とブレ補正予測値
とをピークレベル表示した一例を示す図である。
【図7】本発明に係るブレ補正カメラのブロック構成図
である。
【図8】ブレ量検出回路のブロック構成図である。
【図9】撮像画像に設けた小ブロックの分割画像を示す
図である。
【図10】ブレ補正用の光学系の構造を示す分解斜視図
である。
【図11】露光面における被写体光像のブレを光学的に
軽減する基本原理を説明するための図である。
【図12】ブレ補正原理に基づきブレ補正を行なった場
合のブレ量補正予測値の一例を示す図である。
【図13】通常ブレにおけるブレ補正予測値のシミュレ
ーション結果を示す図である。
【図14】S2ブレにおけるブレ補正予測値のシミュレ
ーション結果を示す図である。
【図15】ブレ波形のブレ成分毎にブレ補正を行なった
場合のS2ブレにおけるブレ補正予測値のシミュレーシ
ョン結果を示す図である。
【図16】S2ブレメモリモードにおけるS2ブレのブ
レ波形のデータ取込制御を示すフローチャートである。
【図17】S2ブレメモリモードにおけるS2ブレのブ
レ波形のデータ取込制御を示すフローチャートである。
【図18】S2ブレメモリモードで検出されるブレ量の
波形の一例を示す図である。
【図19】本発明に係るブレ補正カメラのブレ補正撮影
の制御を示すフローチャートである。
【図20】本発明に係るブレ補正カメラのブレ補正撮影
の制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 カメラ 2 カメラ本体 3 撮影レンズ 4 測光窓 5 測距窓 6 ファインダー対物窓 7 グリップ部 8 シャッタボタン(シャッタ操作部材) 9 ブレ補正モード設定ボタン 10 ファインダー接眼窓 11 LCD表示部 12 S2ブレメモリモード設定ボタン 13 メインスイッチ 14 ズームスイッチ 15 電池収納室 20 制御部(処理手段) 201 ブレ補正制御値演算部 202 S2ブレデータ演算部 203 メモリ(記憶手段) 204 S2ブレ推定値演算部(算出手段) 205 ブレ補正判別部(判別手段) 21 測光回路 22 測距回路 23 Zモータ制御回路 24 ズームレンズ 25 AFモータ制御回路 26 フォーカスレンズ 27 絞り・シャッタ制御回路 28 レンズシャッタ 29 ブレ量検出回路(ブレ検出手段) 30,31 ブレ補正モータ制御回路 301,311 モータ 32,33 ブレ補正レンズ 34 表示制御回路 35 表示部 37 レンズ保持体 38,39 保持枠 40,41 投光素子 42,43 ピン 44,45 駆動ギヤ 46,47 受光素子 48 押え環 SA,SB,S1,S2 スイッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光面における被写体光像のブレを補正
    し得るブレ補正カメラにおいて、上記被写体光像のブレ
    に関する情報を検出するブレ検出手段と、レリーズを指
    示するシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレに関
    する情報が記憶された記憶手段と、レリーズ前に上記ブ
    レ検出手段によりブレに関する情報を検出するととも
    に、この検出結果と上記記憶手段に記憶された被写体光
    像のブレに関する情報とに基づいて上記シャッタ操作部
    材によりレリーズが指示された直後の被写体光像のブレ
    に関する情報の推定値を算出する算出手段と、上記推定
    値が予め設定された閾値を超えているか否かを判別する
    判別手段と、上記推定値が上記閾値を超えているとき、
    所定の処理を行う処理手段とを備えたことを特徴とする
    ブレ補正カメラ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のブレ補正カメラにおい
    て、上記被写体光像のブレに関する情報は、露光面にお
    ける被写体光像のブレ量であることを特徴とするブレ補
    正カメラ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のブレ補正カメラに
    おいて、上記所定の処理は、ブレ補正不能の警告である
    ことを特徴とするブレ補正カメラ。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のブレ補正カメラに
    おいて、上記所定の処理は、レリーズ動作を禁止するも
    のであることを特徴とするブレ補正カメラ。
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