JP3635282B2 - ブレ補正カメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光面に投影された被写体光像のカメラブレに起因するブレを補正してブレの少ない写真撮影が可能なブレ補正カメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記ブレ補正カメラが種々、提案されているが、これらの手ブレ補正カメラは、一般に、光軸が変更可能な撮影レンズを設けるとともに、カメラブレに基づく露光面における被写体光像のブレ方向及びブレ量(以下、これらの情報をブレ情報という。)を検出するセンサを設け、このセンサで検出されたブレ情報に基づき撮影レンズの光軸を変更して露光面における被写体光像のブレをキャンセルするように構成されている。
【0003】
具体的には、所定の周期でセンサにより検出されるブレ量の変化率からブレ量を予測し、その予測されるブレ量をキャンセルように所定の周期で撮影レンズの光軸を変更するようにしている。
【0004】
このようなブレ補正方法では、不連続かつ急峻なブレが発生した場合、ブレ量の予測が極めて困難で、かかる急激なブレ発生前のブレ量を用いてブレ補正を行なっても十分なブレ補正効果を得ることはできない。写真撮影においては、シャッタボタンの全押し操作により露光の指示がなされるが、このシャッタボタンの操作直後はこの操作に起因して急激なブレが発生することが多いので、露光指示後直ちにブレ補正動作と露光動作とを開始させるようにすると、ブレ補正の信頼性が著しく低下することになる。
【0005】
従来、このような問題を解決するため、例えば特開平7−218970号公報には、露光が指示されてからシャッタボタンの操作に起因する急激なブレがなくなるまでの所定の時間は露光を禁止し、露光指示後、所定時間だけ遅延させて露光動作を開始させるようにしたブレ補正カメラが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報記載のブレ補正カメラでは、露光動作の開始を露光指示後、所定時間だけ遅延させているので、シャッタボタンの操作から露光が完了するまでに長時間を要することとなる。特に、ブレ補正の確実性を確保するため十分な遅延時間を設けると、撮影者に不自然なシャッタ操作の感触を与えることになる。また、撮影者がシャッタチャンスと判断してシャッタ操作を行なっても露光タイミングがシャッタチャンスからずれるため、シャッタボタンの操作性が非常に悪いものとなる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、シャッタ操作による急激なブレが発生した場合にも好適なブレ補正を可能にし、シャッタボタンの操作性を低下させることのないブレ補正カメラを提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明は、露光面における被写体光像の結像位置が変更可能な撮影光学系と、露光面における被写体光像のブレ量を検出するブレ量検出手段と、露光を指示する撮影者によるシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ量のデータが記憶された記憶手段と、上記シャッタ操作部材の操作により露光が指示されると、この露光指示後に上記ブレ量検出手段で検出されるブレ量と上記記憶手段に記憶されたブレ量とを用いて露光面における被写体光像のブレを補正するためのブレ補正制御値を演算する演算手段と、上記ブレ補正制御値を用いて上記撮影光学系の駆動を制御する駆動制御手段とを備えたものである。
【0009】
上記構成によれば、シャッタ操作部材の操作により露光が指示されると、この露光指示後にブレ量検出手段により検出されたブレ量と記憶手段に記憶されたシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分のブレ量とを用いてブレ補正制御値が演算され、このブレ補正制御値を用いて撮影光学系の駆動が制御される。
【0010】
すなわち、シャッタ操作部材の操作により露光が指示された直後は、露光面における被写体光像の結像位置がシャッタ操作部材の操作に起因するブレ成分を含む急峻かつ大振幅のブレ波形で変移するが、撮影光学系は、シャッタ操作部材の操作に起因するブレ成分のブレ補正を加味したブレ補正制御値で駆動され、上記被写体光像の結像位置の変移量が低減される。従って、シャッタ操作部材の操作により露光が指示されると、直ちに露光開始が可能になる。
【0011】
また、請求項2に記載された発明は、露光面における被写体光像の結像位置が変更可能な撮影光学系と、所定の周期で露光面における被写体光像のブレ量を検出するブレ量検出手段と、ブレデータ取込モードで撮影者により上記シャッタ操作部材が操作されると、検出された上記被写体光像のブレ量を用いてこのシャッタ操作部材の操作時の被写体光像のブレ波形に含まれる、上記撮影者固有の上記シャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分のブレ量を算出するブレ成分算出手段と、上記ブレ成分算出手段で算出されたブレ成分のブレ量を記憶する記憶手段と、上記シャッタ操作部材により露光が指示されると、この露光指示後に上記ブレ量検出手段で検出されるブレ量と上記記憶手段に記憶されたブレ量とを用いて露光面における被写体光像のブレを補正するためのブレ補正制御値を演算する演算手段と、上記ブレ補正制御値を用いて上記撮影光学系の駆動を制御する駆動制御手段とを備えたものである。
【0012】
上記構成によれば、ブレデータ取込モードにおいて、撮影者による実際のシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分のブレ量のデータを取り込み、記憶手段に記憶させることが可能になる。ブレデータ取込モードにおいて、撮影者が実際にシャッタ操作部材を操作すると、その操作直後にブレ量が検出され、この検出結果を用いて、シャッタ操作部材の操作時の被写体光像のブレ波形に含まれるシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分のブレ量が算出され、この算出結果が記憶手段に記憶される。
【0013】
そして、撮影モードで、撮影者がシャッタ操作部材を操作して露光を指示すると、この露光指示後にブレ量検出手段により検出されたブレ量と記憶手段に記憶された撮影者固有のシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分のブレ量とを用いてブレ補正制御値が演算され、このブレ補正制御値を用いて撮影光学系の駆動が制御される。
【0014】
また、請求項3に記載された発明は、露光面における被写体光像のブレ量を検出するブレ量検出手段と、露光を指示する撮影者によるシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ量のデータが記憶された記憶手段と、上記シャッタ操作部材の操作により露光が指示されると、この露光指示後に上記ブレ量検出手段で検出されるブレ量と上記記憶手段に記憶されたブレ量とを用いて露光面における被写体光像の結像位置が変更可能な撮影光学系の駆動を制御して露光面における被写体光像のブレを補正するためのブレ補正制御値を演算する演算手段とを備えたものである。
【0015】
上記構成によれば、シャッタ操作部材の操作により露光が指示されると、この露光指示後にブレ量検出手段により検出されたブレ量と記憶手段に記憶されたシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分のブレ量とを用いてブレ補正制御値が演算される。
【0016】
これにより、上記ブレ補正制御値を用いて撮影光学系の駆動が制御される。
【0017】
すなわち、シャッタ操作部材の操作により露光が指示された直後は、露光面における被写体光像の結像位置がシャッタ操作部材の操作に起因するブレ成分を含む急峻かつ大振幅のブレ波形で変移するが、撮影光学系は、シャッタ操作部材の操作に起因するブレ成分のブレ補正を加味したブレ補正制御値で駆動され、上記被写体光像の結像位置の変移量が低減される。従って、シャッタ操作部材の操作により露光が指示されると、直ちに露光開始が可能になる。
【0018】
また、請求項4に記載された発明は、所定の周期で露光面における被写体光像のブレ量を検出するブレ量検出手段と、ブレデータ取込モードで撮影者により上記シャッタ操作部材が操作されると、検出された上記被写体光像のブレ量を用いてこのシャッタ操作部材の操作時の被写体光像のブレ波形に含まれる、上記撮影者固有の上記シャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分のブレ量を算出するブレ成分算出手段と、上記ブレ成分算出手段で算出されたブレ成分のブレ量を記憶する記憶手段と、上記シャッタ操作部材により露光が指示されると、この露光指示後に上記ブレ量検出手段で検出されるブレ量と上記記憶手段に記憶されたブレ量とを用いて露光面における被写体光像の結像位置が変更可能な撮影光学系の駆動を制御して露光面における被写体光像のブレを補正するためのブレ補正制御値を演算する演算手段とを備えたものである。
【0019】
上記構成によれば、ブレデータ取込モードにおいて、撮影者による実際のシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分のブレ量のデータを取り込み、記憶手段に記憶させることが可能になる。ブレデータ取込モードにおいて、撮影者が実際にシャッタ操作部材を操作すると、その操作直後にブレ量が検出され、この検出結果を用いて、シャッタ操作部材の操作時の被写体光像のブレ波形に含まれるシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分のブレ量が算出され、この算出結果が記憶手段に記憶される。
【0020】
そして、撮影モードで、撮影者がシャッタ操作部材を操作して露光を指示すると、この露光指示後にブレ量検出手段により検出されたブレ量と記憶手段に記憶された撮影者固有のシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分のブレ量とを用いてブレ補正制御値が演算される。
【0021】
これにより、上記ブレ補正制御値を用いて撮影光学系の駆動が制御される。
【0022】
なお、請求項5に記載されたように、上記ブレ成分算出手段は、ブレ成分のブレ量を複数回算出し、これらのブレ量の平均値を上記記憶手段に記憶すべきブレ成分のブレ量とするとよい。
【0023】
上記構成によれば、ブレデータ取込モードにおいて、撮影者固有のシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分のブレ量のデータが複数回算出され、これらの平均値が記憶手段に記憶される。
【0024】
また、請求項6に記載された発明によれば、上記ブレ補正カメラにおいて、上記ブレ補正制御値は上記撮影者による上記シャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分に対する第1のブレ補正制御値と上記シャッタ操作部材の操作に起因しないブレ成分に対する第2のブレ補正制御値とからなり、上記演算手段は、露光指示後に上記ブレ量検出手段で検出されるブレ量から上記記憶手段に記憶されたブレ成分のブレ量を減算して上記シャッタ操作部材の操作に起因しないブレ成分のブレ量を算出し、各ブレ成分のブレ量を用いてそれぞれ上記第1,第2のブレ補正制御値を演算するものである。
【0025】
上記構成によれば、露光指示後にブレ量検出手段で検出されるブレ量から記憶手段に記憶されたブレ成分のブレ量を減算してシャッタ操作部材の操作に起因しないブレ成分のブレ量が算出される。また、このシャッタ操作部材の操作に起因しないブレ成分(以下、第1のブレ成分という。)のブレ量を用いて第1のブレ成分に対する第1のブレ補正制御値が算出され、記憶手段に記憶されたシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分(以下、第2のブレ成分という。)のブレ量を用いて第2のブレ成分に対する第2のブレ補正制御値が算出される。
【0026】
そして、第1及び第2のブレ補正制御値を加算してブレ補正制御値が算出され、このブレ補正制御値を用いて撮像光学系の駆動が制御される。この結果、シャッタ操作部材の操作直後の被写体光像のブレ波形のうち、第1のブレ成分は第1のブレ補正制御値によりブレ補正され、第2のブレ成分は第2のブレ補正制御値によりブレ補正される。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るブレ補正カメラの外観を示す正面斜視図であり、図2は、同ブレ補正カメラの背面図である。
【0028】
カメラ1は、カメラブレによる撮影画像のブレを補正して撮影することのできるブレ補正機能を有している。カメラ1は、カメラ本体2の正面略中央にズームレンズからなる撮影レンズ3を有し、この撮影レンズ3の内部に、後述するブレ補正用の光学系が設けられている。また、撮影レンズ3のレンズ系内には複数枚のシャッタ羽根を組み合わせてなるレンズシャッタが設けられている。
【0029】
カメラ本体2の正面であって撮影レンズ3の上部に測距窓5が設けられ、この測距窓5の左側に測光窓4が設けられている。また、測距窓5の右側にファインダー対物窓6が設けられ、更にその右側にズーム連動タイプの内蔵フラッシュ7が設けられている。
【0030】
カメラ本体2の測光窓4の後方位置には、SPC等から成る受光素子を備えた測光回路が設けられ、この受光素子により被写体からの光を受光して被写体の輝度が検出されるようになっている。また、カメラ本体2の測距窓5の後方位置には、一対のラインイメージセンサからなる受光素子を備えた位相差検出方式の測距回路が設けられ、被写体からの光を受光素子で受光して被写体までの距離が検出されるようになっている。
【0031】
また、カメラ本体2のファインダー対物窓6の後方位置には、被写体光像をカメラ本体2の背面に設けられたファインダー接眼窓10に導くファインダー光学系が設けられている。ファインダー光学系内には、露光面における被写体光像のカメラブレに関する情報(ブレ方向及びブレ量の情報)を検出するためのCCDエリアセンサからなるセンサが設けられている。また、ファインダー光学系内には視野枠やカメラブレしている被写体光像(以下、ブレ画像という。)のブレ補正に関する情報を表示する表示部が設けられている。
【0032】
図3は、ファインダー内の表示部の一例を示す図である。
【0033】
表示部は、視野枠Kの下部及び左右の両側部に設けられ、視野枠Kの下部に設けられた表示エリアA1には、AF(自動調節)、AE(自動露出調節)及びフラッシュ発光に関する情報が表示され、視野枠Kの右側部の表示エリアA2にはブレ補正に関する情報が表示され、視野枠Kの左下隅部に設けらた表示部A3,A4には、後述するブレ検出回路により検出されたブレ画像のブレ量が表示される。
【0034】
表示エリアA2には、LED表示P1,P2,P3,P4とシンボルマーク表示SP1,SP2とが設けられている。LED表示P1は、後述するブレ補正モードが設定されていることを示す表示であり、LED表示P2は、ブレ補正モードが解除されていることを示す表示である。また、LED表示P3は、ブレ補正不可を示す表示であり、シンボルマーク表示SP1,SP2は、それぞれブレ補正不可の原因を示す表示である。すなわち、シンボルマーク表示SP1は、ブレ量が過大でブレ補正を有効に行えないことを示し、シンボルマーク表示SP2は、電源電池の電圧が低すぎてブレ補正動作が行えないことを示すものである。そして、ブレ補正の有無に関する情報は、これらのLED表示P1,P2,P3及びシンボルマーク表示SP1,SP2を点灯することにより行なわれる。
【0035】
また、LED表示部P4は、後述するS2ブレメモリモード(本願発明のブレデータ取込モードに相当)におけるレリーズ操作(シャッタボタン9の全押し)の可能状態を示す表示である。S2ブレメモリモードは、撮影者固有のレリーズ操作に起因するカメラブレのデータ(以下、S2ブレデータという。)を取り込むモードである。S2ブレメモリモードにおいて、S2ブレデータを取り込む際、撮影者のシャッタ操作が受付可能になると、LED表示P4が点灯される。
【0036】
表示エリアA3,A4には複数個のLEDをライン状に配列してなるレベル表示部が設けられている。表示エリアA3はX方向のブレ量を表示するものであり、表示エリアA4はY方向のブレ量を表示するものである。
【0037】
図1に戻り、カメラ本体2の左側部にはグリップ部2aが設けられ、カメラ本体2の上面、グリップ部2aの上方位置にシャッタボタン8が設けられている。シャッタボタン8は、半押しでオンになるS1スイッチ(図4参照)と全押しでオンになるS2スイッチ(図4参照)の操作部材である。S1スイッチは、撮影準備を指示するスイッチであり、S1スイッチがオンになると、測光回路により被写体輝度が検出されるとともに、この検出結果に基づいて露出制御値(絞り値及びシャッタスピードの制御値)が演算される。また、測距回路により被写体距離が検出され、この検出結果に基づいてAF制御が行われる。また、電源電池についてブレ補正ができるか否かのチェック(以下、バッテリーチェックという。)が行われ、このチェック結果が表示エリアA2に表示される。
【0038】
また、カメラ本体2の上面の右側部にブレ補正モードを設定するブレ補正モード設定ボタン9が設けられている。ブレ補正モードとは、カメラブレが生じている場合にブレ画像を補正して撮影するモードである。撮影者によりブレ補正モードを選択設定するようにしているのは、ブレ効果を狙って意図的にブレ画像を撮影する場合があることを考慮したものである。
【0039】
ブレ補正モード設定ボタン9を操作すると、ブレ補正スイッチSB(図4参照)がオンになり、その操作情報はカメラの撮影動作を集中制御する制御部20(図4参照)に入力される。カメラ起動時にはブレ補正モードは「OFF」に初期設定されており、ブレ補正スイッチSBのオン信号が入力される毎に、ブレ補正モードは「ON」と「OFF」とが交互に切換設定され、ファインダー内の表示エリアA2の対応するLED表示P1,P2が点灯される。
【0040】
カメラ本体2の背面の左側上部にファインダー接眼窓10が設けられ、略中央にLCDからなる表示部11が設けられている。LCD表示部11は、カメラの撮影に関する各種情報(露出制御値、電池容量、フラッシュ発光、撮影モード、フィルム感度、ブレ補正の有無等の各種情報)を表示するものである。このLCD表示部11の下方位置には撮影モード(セルフタイマー撮影、連写撮影等のモード)の選択、フラッシュ発光モードの選択、赤目軽減の有無、撮影シーンの選択等のための操作ボタン12が設けられ、LCD表示部11の上方位置にメインスイッチ14が設けられている。また、カメラ本体2の背面の右側上部にズームスイッチ15が設けられ、このズームスイッチ15を操作して撮影レンズ3のズーム比が変更される。
【0041】
更に、カメラ本体2の右端部に電池収納室16が設けられ、この電池収納室16に電源電池Eがセットされる。電源電池Eは、フラッシュ発光、AE/AF及び露出等の各種制御動作の電源供給源であるとともに、カメラブレに関する情報の検出及びブレ補正用の光学系の駆動のための電源供給源である。
【0042】
図4は、本発明に係るブレ補正カメラのブロック構成図である。
【0043】
同図において、制御部20は、AF、AE、露出制御及びブレ補正等のカメラ1の一連の撮影動作を集中制御するマイクロコンピュータである。制御部20は、ブレ補正を行なうためのX方向のブレ補正レンズ32とY方向のブレ補正レンズ33の駆動制御値を算出するブレ補正制御値演算部201を備えている。また、制御部20は、S2ブレメモリモードにおいて、S2ブレデータを算出するS2ブレデータ演算部202とかかる演算を行なうために必要なデータ及び演算結果を記憶するメモリ203とを備えている。なお、S2ブレメモリモードにおけるS2ブレデータの演算方法については後述する。
【0044】
制御部20は、例えばシャッタボタン9の半押し状態の撮影準備中において、ブレ量検出回路31により検出されたX方向及びY方向のブレ量ξx,ξyが入力される毎に、これらの検出値を表示制御回路36に出力して現在のカメラブレの状態を表示する。
【0045】
また、制御部20は、露出制御において、後述するブレ量検出回路31により検出されたX方向及びY方向のブレ量ξx,ξyが入力される毎に、ブレ補正制御値演算部201でこれらの検出結果に基づきブレ補正を行なうためのブレ補正レンズ32,33の駆動制御値をそれぞれ算出し、X方向の駆動制御値をブレ補正モータ制御回路34に、また、Y方向の駆動制御値をブレ補正モータ制御回路35に出力し、露光面における被写体光像のブレを光学的に補正する。
【0046】
測光回路21は被写体輝度を検出する回路であり、測距回路22は被写体距離を検出する回路である。制御部20は、検出された被写体輝度に基づき露出制御値を設定するとともに、検出された被写体距離に基づき撮影レンズ3のAF制御値を設定する。
【0047】
また、FL発光制御回路23は、内蔵フラッシュ7の発光を制御する回路である。FL発光制御回路23は、制御部20から入力される所定の発光タイミングで、制御部20から入力される発光量に基づき内蔵フラッシュ7を所定の発光量で発光させる。
【0048】
また、Zモータ制御回路24は、撮影レンズ3内のズームレンズ25の駆動を制御する回路である。Zモータ制御回路24にはズームスイッチ15の操作方向及び操作量に基づき制御部20で生成された駆動信号が入力され、Zモータ制御回路24はこの駆動信号に基づきズームレンズ25の駆動を制御する。AFモータ制御回路26は、撮影レンズ3内のフォーカスレンズ27の駆動を制御する回路である。AFモータ制御回路26は、制御部20から入力されるAF制御値に基づきフォーカスレンズ27の駆動を制御して自動的に撮影レンズ3の焦点調節を行う。
【0049】
絞り・シャッタ制御回路28は、レンズシャッタ29の開口径及び開閉駆動を制御する回路である。絞り・シャッタ制御回路28は、制御部20から入力される露出制御値に基づきレンズシャッタ29の最大開口径を設定し、所定のタイミングでレンズシャッタ29の開閉動作を行う。
【0050】
また、電源電池Eは、電池収納室16に収納されたカメラ1のメイン電源であり、電圧検出回路30は、電源電池Eの電圧を検出する回路である。電圧検出回路30は、例えば電源電池Eに並列接続された2個の高抵抗の直列回路から成り、電源電池Eの電圧を抵抗分割して検出し、この検出値を制御部20に入力する。
【0051】
制御部20は、起動時やS1スイッチによる撮影準備動作開始時に電圧検出回路30から入力される検出電圧により電源電池Eのバッテリーチェックを行い、撮影制御の可否を判断する。また、ブレ補正モード設定ボタン9によりブレ補正モードが設定されているときは、ブレ補正スイッチSBやS1スイッチがオンになると、電圧検出回路30から入力される検出電圧により電源電池Eのバッテリーチェックを行い、光学的なブレ補正の可否を判断する。
【0052】
電池電圧の最大レベルをVmax、ブレ補正用レンズの安定駆動可能な最小レベルをVB、撮影可能な電池電圧の最小レベルをVminとすると、ブレ補正モードが設定されているとき、制御部20は、検出電圧VがVB<V≦Vmaxであれば、ブレ量検出回路31によりブレ量を検出し、その検出結果に基づくブレ補正の可否の判別結果をファインダー内の表示部361に表示するとともに、ブレ補正が可能であれば、露出制御時にはブレ補正を行う。一方、検出電圧VがVmin<V≦VBであれば、ブレ量の検出結果に基づくブレ補正の可否の判別結果の表示のみを行ない、光学的なブレ補正を行わない。
【0053】
ブレ量検出回路31は、カメラブレに基づく露光面における撮影画像のブレ量を検出するものである。ブレ補正用のレンズは、後述するように、互いに直交するX方向とY方向とにそれぞれ変位可能な1組のレンズ32,33(以下、ブレ補正レンズという。)から構成されているので、上記ブレ量はX方向及びY方向のそれぞれについて検出される。検出されたブレ量は制御部20に入力され、このブレ量に基づいてブレ補正レンズ32,33の駆動制御値が算出される。
【0054】
図5は、ブレ量検出回路のブロック構成図である。
【0055】
本実施の形態では、電池電圧VがVmin<V≦VBの範囲であってもブレ量検出だけは行なうようにしているので、消費電力の省力化を考慮し、CCDエリアセンサを用いてブレ量検出回路31を構成している。同図に示すブレ量検出回路31は、基本的に、例えば特開平3−192228号公報に示されている回路と同一である。従って、ここでは詳細説明は省略し、概要説明を行う。
【0056】
ブレ量検出回路31は、CCDエリアセンサ311を備えた撮像部31A、撮像画像からX方向及びY方向のコントラスト値Cx,Cy並びに相関値Cを演算する相関値演算部31B及びこの相関値演算部31Bでの演算結果に基づいてX方向及びY方向のブレ量を算出するブレ量算出部31Cから構成されている。
【0057】
撮像部31Aは、CCDエリアセンサ311、信号処理回路312、A/D変換器313及び画像メモリ314から構成されている。CCDエリアセンサ311は、上述したファインダー光学系内のセンサであり、被写体光像を電気信号に変換して取り込む撮像素子である。CCDエリアセンサ311は、カラーセンサ、モノクロセンサのいずれであってもよい。信号処理回路312は、CCDエリアセンサ311から出力される各画素の受光信号のレベル補正やノイズ除去等の信号処理を行うものである。A/D変換器313は、各画素の受光信号(アナログ信号)をデジタル信号(以下、画素データという。)に変換するものである。
【0058】
画像メモリ314は、CCDエリアセンサ311で取り込まれた画像データ(画像を構成する一群の画素データ)を記憶するメモリである。画像メモリ314は、1枚分の画像データの記憶容量を有する基準部メモリ314aとこれと同一の記憶容量を有する参照部メモリ314bとから構成され、基準部メモリ314aにはブレ量検出の基準画像(ブレ量検出処理の最初に撮像された画像)の画像データが記憶され、参照部メモリ314bには上記基準画像と比較参照される複数枚の参照画像(ブレ量検出処理で周期的に撮像される複数枚の撮像画像)の画像データが順次、更新的に記憶される。
【0059】
相関値演算部31Bは、X方向及びY方向のコントラスト値Cx,Cy並びに相関値Cを演算する演算回路315とこの演算回路315の演算結果を記憶するメモリ316とから構成される。相関値演算部31Bは、相関値Cの演算に際し、図6に示すように、撮像画像Gを複数の小ブロックの画像G(1)〜G(n)に分割し、各分割画像G(1)〜G(n)毎にX方向(横方向)及びY方向(縦方向)のコントラスト値Cx(I),Cy(I)(I=1,2,…n)を演算する。そして、これらのコントラスト値Cx(I),Cy(I)からX方向及びY方向の相関値Cを算出するための所定数m(<n)の分割画像を抽出する。例えば48個の分割画像G(1)〜G(48)に対してX方向及びY方向のブレ量算出用の分割画像がそれぞれ4個ずつ抽出される。かかる分割画像の抽出は、撮像画像の内、コントラストの高い部分の画像を抽出し、その部分画像を用いてブレ量を精度良く検出するための処理である。
【0060】
なお、X方向のコントラスト値Cx(I)は、基準部メモリ314aに記憶された基準画像と参照部メモリ314bに記憶された参照画像をX方向に1画素ピッチ分ずらした画像とを比較し、各画素位置における濃度差(絶対値)を積算したものである。撮像画像のX方向の濃度変化が大きいほど、コントラスト値Cxは大きくなるから、各ブロックの画像G(I)についてコントラスト値Cx(I)を演算し、このコントラスト値Cx(I)の大きいブロックを抽出することによりX方向にコントラストの大きい部分画像が抽出される。
【0061】
コントラスト値Cx(I)の演算はブレ検出開始時に最初に取り込まれた画像GRを用いて行われる。すなわち、ブレ検出開始当初に取り込まれた画像データは、基準部メモリ314aと参照部メモリ314bとに記憶されるので、基準部メモリ314aから各画素位置(i,j)の画素データg(i,j)を読み出すとともに、参照部メモリ314bからその画素位置(i,j)よりX方向に1画素分ずれた位置(i,j+1)の画素データg(i,j+1)を読み出し、両画素データg(i,j),g(i,j+1)のレベル差Δgxの絶対値|Δgx|=|g(i,j)−g(i,j+1)|を積算することにより行われる。
【0062】
また、Y方向のコントラスト値CyについてもX方向のコントラスト値Cx(I)と同様に各ブロックの画像G(I)についてコントラスト値Cy(I)が演算され、このコントラスト値Cy(I)の大きいブロックを抽出することによりY方向にコントラストの大きい部分画像が抽出される。
【0063】
相関値Cは、ブレ量開始当初の画像GRに対して所定時間t経過後の画像GSがどの方向にどれだけずれているか、すなわち、時間tの間の撮影画像のブレ方向及びブレ量を算出するためのデータである。画像GSの画像GRに対するずれは、画像GSをX方向及びY方向に所定量(例えば1画素ピッチ)ずつずらした画像GS′を画像GRと比較し、両画像が最も一致する画像GS′を求めることにより算出される。
【0064】
相関値Cは、各画像GS′と画像GRとの一致度を示すもので、コントラスト値Cx,Cyの演算と同様に、各画素位置における濃度差(絶対値)の積算値で定義される。なお、上記のように、撮像画像の内、抽出されたコントラストの高いm個の分割画像G(r)(r=1,2,…m)についてのみ相関値Cを演算するようにしているので、各分割画像毎に算出した相関値をC(r)(r=1,2,…m)とすると、相関値Cは、C=C(1)+C(2)+…C(m)で算出される。
【0065】
X方向にk画素ピッチ、Y方向にh画素ピッチずらした画像GS′に対する相関値CをC(k,h)で表し、k=h=0,±1,±2とすると、25個の相関値C(k,h)が得られる。C(0,0)は、画像GRと画像GSとを比較した場合の相関値で、カメラブレが生じていなければ、画像GSは画像GRと同一となるから、C(0,0)=0となる。
【0066】
一方、C(k,h)=0であれば、X方向の画素ピッチをPx,Y方向の画素ピッチをPyとすると、画像GSをX方向にk画素ピッチ分、Y方向にh画素ピッチ分ずらした画像GS′が画像GRと同一となるから、画像GS′は画像GRに対して斜め方向にP(=√(Px2+Py2))だけカメラブレが生じていることがわかる。
【0067】
従って、画像GSについて、25個の相関値C(k,h)(k=h=0,±1,±2)を算出し、相関値C(k,h)が極小となるシフト位置を求めることによりカメラブレのブレ方向及びブレ量が算出される。この場合、相関値C(k,h)の極小値が画素間の中間位置にあると推定される場合は、補間演算によりその位置が算出され、この算出値から正確なブレ量(ξx,ξy)が算出される。
【0068】
演算回路315は、上記コントラスト値Cx(I),Cy(I)及び相関値C(k,h)を演算するための減算回路315a、絶対値回路315b、加算回路315c及びレジスタ315dを備えている。減算回路315aは、コントラスト値Cx(I)の演算において、基準画像の画素データg(i,j)と参照画像の画素データg(i,j+1)とのレベル差Δgx=g(i,j)−g(i,j+1)を、また、コントラスト値Cy(I)の演算において、基準画像の画素データg(i,j)と参照画像の画素データg(i+1,j)とのレベル差Δgy=g(i+1,j)−g(i,j)を演算するものである。また、相関値C(k,h)の演算においては、基準画像GRの画素データg(i,j)と参照画像GSをX方向及びY方向にそれぞれk画素ピッチ、h画素ピッチだけずらした画像GS′の画素データg(i+k,j+h)とのレベル差Δg=g(i+k,j+h)−g(i,j)を演算するものである。
【0069】
また、絶対値回路315bは、上記レベル差Δgx,Δgy,Δgの絶対値を演算するものである。加算回路315c及びレジスタ315dは、各画素位置におけるΔgx,Δgy,Δgの絶対値を積算してコントラスト値Cx(I),Cy(I)及び相関値C(k,h)を算出するものである。
【0070】
メモリ316は、演算回路315で演算されたX方向及びY方向のコントラスト値Cx(I),Cy(I)と相関値C(k,h)を記憶するものである。
【0071】
ブレ量算出部31Cは、メモリ316からX方向及びY方向のコントラスト値Cx(I),Cy(I)を読み出し、相関値演算のための分割画像を抽出する。また、抽出された各分割画像について算出された相関値C(k,h)に対して補間演算を行い、相関値C(k,h)が極小値となるシフト位置(X座標ξx,Y座標ξy)を求めることによりブレ方向とブレ量とを算出する。このカメラブレに関する情報(ブレ方向とブレ量)は、制御部20に入力される。
【0072】
図4に戻り、ブレ補正レンズ32は、X方向のブレを補正するためのブレ補正レンズであり、ブレ補正レンズ33は、Y方向のブレを補正するためのブレ補正レンズである。また、ブレ補正モータ制御回路34は、ブレ補正レンズ32を駆動するモータ341の駆動を制御する回路であり、ブレ補正モータ制御回路35は、ブレ補正レンズ33を駆動するモータ351の駆動を制御する回路である。
【0073】
図7は、ブレ補正用の光学系の構造を示す分解斜視図である。
【0074】
ブレ補正用の光学系は、撮影レンズ3の先端部に設けられている。撮影レンズ3のレンズ保持体37の先端部には環状の凹部37aが設けられ、この凹部37a内にX方向のブレ補正レンズ32とY方向のブレ補正レンズ33とがそれぞれ光軸Lに直交する平面内のX軸方向(カメラ本体2の横方向)とY軸方向(カメラ本体2の縦方向)に移動可能に設けられている。
【0075】
X方向のブレ補正レンズ32は、周縁に相対向して円筒状のピン穴部381と歯部382とが設けられるとともに、ピン穴部381の近傍位置にレンズ位置検出用の投光素子40が設けられた環状の保持枠38に保持されている。Y方向のブレ補正レンズ33も保持枠38と同一構造を成す保持枠39に保持されている。
【0076】
凹部37aに、図に示すように、光軸Lを原点とするXY座標を想定すると、凹部37a内の+Y軸上の適所にピン42が突設され、このピン42を保持枠38のピン穴部381に遊嵌させてX方向のブレ補正レンズ32が凹部37a内にX軸方向に変位可能に取り付けられている。また、凹部37a内の+X軸上の適所にピン43が突設され、このピン43を保持枠39のピン穴部391に遊嵌させてY方向のブレ補正レンズ33が凹部37a内にY軸方向に変位可能に取り付けられている。
【0077】
レンズ保持体37内には、凹部37a内の−Y軸上の適所に駆動軸に固着された駆動ギヤ44を突出させてモータ341が配設され、この駆動ギヤ44は保持枠38の歯部382に噛合されている。また、凹部37a内の−X軸上の適所に駆動軸に固着された駆動ギヤ45を突出させてモータ351が配設され、この駆動ギヤ45は保持枠39の歯部392に噛合されている。更に、凹部37aの底面であってブレ補正レンズ32の投光素子40を臨む位置に受光素子46が設けられ、ブレ補正レンズ33の投光素子41を臨む位置に受光素子47が設けられている。
【0078】
ブレ補正レンズ32及びブレ補正レンズ33は、ブレ補正レンズ32を内側にして凹部37内にそれぞれX方向とY方向とに変位可能に取り付けられ、押え環48により凹部37から飛び出さないように固定されている。
【0079】
上記構成において、モータ341を正方向又は逆方向に回転駆動すると、ブレ補正レンズ32がピン42を中心として微小角だけ時計回り又は反時計回りに回動し、これによりブレ補正レンズ32の光軸Lxが光軸Lに対してX軸上を±X方向に変位してX方向のブレ補正が行われる。投光素子40からは受光素子46に向けて縞模様の光像が投光されており、受光素子46におけるこの縞模様の光像の受光位置によりブレ補正レンズ32の位置情報(例えば基準位置からの変位量等)が検出され、この位置情報をモータ341のブレ補正モータ制御回路34にフィードバックすることによりブレ補正レンズ32の変位量が正確に制御される。
【0080】
同様に、モータ351を正方向又は逆方向に回転駆動すると、ブレ補正レンズ33がピン43を中心として微小角だけ時計回り又は反時計回りに回動し、これによりブレ補正レンズ33の光軸Lyが光軸Lに対してY軸上を±Y方向に変位してY方向のブレ補正が行われる。投光素子41からは受光素子47に向けて縞模様の光像が投光されており、受光素子47におけるこの縞模様の光像の受光位置によりブレ補正レンズ33の位置情報が検出され、この位置情報をモータ351のブレ補正モータ制御回路35にフィードバックすることによりブレ補正レンズ33の変位量が正確に制御される。
【0081】
図4に戻り、表示制御回路36は、ファインダー内に設けられた表示部361(図3参照)の表示を制御する回路である。表示制御回路36は、制御部20から入力される制御信号、ブレ補正の有無及びブレ補正の可否の表示データに基づき表示部361の表示エリアA2に所定の表示を行う。
【0082】
スイッチSFLはフラッシュ発光モードを設定するための操作ボタン12の操作を検出するスイッチ、スイッチSAはS2ブレメモリモード設定ボタン13の操作を検出するスイッチ、スイッチSBはブレ補正モード設定ボタン9の操作を検出するスイッチである。また、S1スイッチ及びS2スイッチ、それぞれシャッタボタン8の半押し状態と全押しを検出するスイッチである。スイッチSFL,SA,SB、S1スイッチ及びS2スイッチの検出信号は制御部20に入力される。
【0083】
次に、ブレ補正レンズ32,33によるブレ補正の方法及びブレ補正後の被写体光像のブレ量について説明する。
【0084】
まず、カメラ本体2を保持している手の通常の振れに起因するブレ(以下、このブレを通常ブレという。)の補正について説明する。なお、便宜上、X方向のブレ補正について説明する。
【0085】
図8は、露光面における被写体光像のX方向のブレ量の検出値を示す図である。同図において、横軸はサンプリング回数nを示し、縦軸はブレ量検出値D(n)を示している。
【0086】
露光面における被写体光像のブレを光学的に軽減する基本的な原理は、n回目のブレ量検出値D(n)は(n−2)回目のブレ量検出値D(n-2)と(n−1)回目のブレ量検出値D(n-1)との偏差ΔD(n-1)(=D(n-1)−D(n-2))分だけブレ量検出値D(n-1)から変移した値D(n)′になると仮定し、(n−1)回目のブレ量検出時に露光面における被写体光像の結像位置を−ΔD(n-1)だけ変移させるブレ補正を行なうことで、n回目のブレ量検出値D(n)と(n−1)回目のブレ量検出値D(n-1)との偏差ΔD(n)を小さくするものである。
【0087】
図8において、P1は、ブレ補正がなかった場合のn回目のブレ量検出値D(n)であり、P2は、(n−1)回目のブレ量検出時にn回目の検出値として仮定したブレ量検出値D(n)′である。D(n)′=D(n)であれば、(n−1)回目に−ΔD(n-1)のブレ補正を行なえば、n回目に検出値として予測されるブレ量予測値D(n)″はD(n-1)となり、誤差は生じないが、通常は、n回目のブレ量検出値D(n)はD(n)′と一致せず、同図に示すように、例えばD(n)′>D(n)であれば、ブレ補正後のn回目におけるブレ量予測値D(n)″はP3となり、その誤差は(D(n)′−D(n))となる。
【0088】
図9は、上記ブレ補正の原理に基づきブレ補正を行なった場合のブレ量検出値(予測値)の一例を示す図である。
【0089】
同図において、曲線▲1▼は、ブレ補正を行なわなかった場合の被写体光像のブレ波形であり、曲線▲2▼は、ブレ補正を行なった場合に推定される被写体光像のブレ波形である。
【0090】
なお、ブレ量検出回路31により検出されるブレ量は、光学的にブレ補正が行なわれないCCDエリアセンサ311の撮像面における被写体光像を用いて検出されるので、撮影レンズ3でブレ補正を行なっている場合でもブレ補正がない場合のブレ量となっている。従って、曲線▲1▼は、ブレ量検出回路31により検出されるブレ量検出値D(n)を示している。
【0091】
一方、ブレ補正後の被写体光像のブレ量は、実測することができないので、曲線▲2▼は、上記ブレ補正原理に基づきブレ補正を行なった場合に推定されるブレ量を演算により算出したものである。曲線▲2▼は、2回目のブレ量検出時からブレ補正を行なった場合のもので、(n−1)回目のブレ量検出時に偏差ΔD(n-1)をキャンセルするようにブレ補正をかけ、この偏差量ΔD(n-1)がロスなくブレ補正されたとした場合のものである。
【0092】
同図に示すように、ブレ補正した場合に推定されるブレ波形は、ブレ補正を開始した位置を中心として変動する曲線▲1▼の微分係数の波形となる。
【0093】
ところで、被写体光像のブレを光学的に補正する場合、補正用レンズ32,33の応答特性によりロスが発生するため、上記偏差ΔD(n-1)をブレ補正制御値F(n)としてモータ341,351のブレ補正モータ制御回路34,35に入力した場合、実際に補正される被写体光像のブレ量(以下、ブレ補正量という。)F(n)′は、ΔD(n-1)より小さくなる。このため、実際には、ブレ補正後のブレ波形は、図9の曲線▲2▼に示すようにはならない。
【0094】
上記ロス分E(n)は、一般に入力されるブレ補正制御値ΔD(n-1)の二乗に比例するので、E(n)=ΔD(n-1)2/α(α;係数)とすると、実際のブレ補正量F(n)′は、
Figure 0003635282
となる。従って、可及的にブレ補正量F(n)′と偏差ΔD(n-1)との差を小さくするには、上記ロス分E(n)を見込んでブレ補正制御値F(n)を設定する必要がある。いま、偏差ΔD(n-1)に上記ロス分E(n)のk倍を加算してブレ補正制御値F(n)を設定したとすると、ブレ補正量F(n)′は下記(1)式となる。
【0095】
【数1】
Figure 0003635282
【0096】
なお、上記(1)式において、第2項はロス分である。また、上記係数αは、カメラ1に設けられたブレ補正機構に固有の係数で、実験等により適切な値が設定されるものである。また、係数kは、機械的ロスを補償するためのフィードバック量を決定する係数であるが、ブレの振幅が急に小さくなった場合にブレ補正量が過剰にならないように、通常は1以下に設定される。
【0097】
サンプリング毎に上記ブレ補正制御値F(n)を演算し、このブレ補正制御値F(n)でブレ補正を行なった場合、n回目のブレ量検出値D(n)″はブレ補正がなかった場合のブレ量検出値D(n)とn回目までのブレ補正量の積算値S(n)(=F(2)′+F(3)′…+F(n-1)′+F(n)′=S(n-1)+F(n)′)との誤差と推定されるから、下記(3)式で算出することができる。
【0098】
【数2】
Figure 0003635282
【0099】
図10は、上記演算方法により算出したブレ補正後のブレ量の予測値のシミュレーション結果を示す図である。
【0100】
同図は、カメラブレによる被写体光像のブレ波形を正弦波としたもので、ブレ補正を行なわなかった場合のブレ量検出値D(n)をD(n)=100・sin(n)としている。また、k=0.8、α=50とし、サンプリング周期1°でシミュレーションしたものである。また、実線で示す曲線はブレ補正がなかった場合のブレ量検出値D(n)を示し、一点鎖線で示す曲線はブレ補正量積算値S(n)を示し、点線で示す曲線はブレ補正後のブレ量検出値(予測値)D(n)″(以下、ブレ補正後の予測されるブレ量検出値をブレ補正予測値という。)を示している。なお、ブレ波形を正弦波としたのは、微小な露光時間におけるブレ波形を正弦波に近似し得ることを考慮したものである。
【0101】
同図に示すように、ブレ波形が正弦波で近似できる場合は、光学的なブレ補正を比較的好適に行なえることが分かる。従って、通常ブレの場合、突発的に急峻なブレが発生しない限り、係数kを適当に調整することにより被写体光像のブレを効果的に軽減できることがわかる。
【0102】
次に、シャッタボタン8を全押しし、レリーズを指示したときのレリーズ操作時に発生するブレの補正について説明する。
【0103】
シャッタボタン8が全押しされてから露光が終了するまでの時間内に発生するカメラブレを考察すると、シャッタボタン8を全押しした瞬間に急峻なブレ(振幅の大きい高い周波数の波形を有するブレ)が発生し、この後、通常ブレに落ち着いていく。シャッタボタン8の操作直後に発生するブレのブレ波形は、通常ブレのブレ波形にシャッタボタン8の操作にのみ起因するブレ(以下、このブレをS2ブレという。)のブレ波形が重畳されたもので、通常ブレのブレ成分とS2ブレのブレ成分を有している。
【0104】
通常ブレにおいては、微小な露光時間内での被写体光像のブレ波形が大きく変動することは殆どなく、しかも撮影毎のバラツキも少ないので、上述の演算式(2)により算出されたブレ補正制御値F(n)に基づくブレ補正レンズ32,33の駆動により比較的良好にブレ補正を行なうことが可能である。
【0105】
しかし、S2ブレは、通常のブレ波形に比して振幅が大きく、しかもその変化が急峻であるため、シャッタボタン8の操作直後のブレに対して通常ブレに対して設定されたブレ補正制御値F(n)によりブレ補正を行なっても十分なブレ補正を得ることは困難である。
【0106】
図11は、S2ブレにおけるブレ補正予測値のシミュレーション結果を示す図である。
【0107】
シャッタボタン8の操作直後のブレ波形は、通常ブレのブレ波形にS2ブレのブレ波形が重畳した波形となるから、同図では、通常ブレのブレ波形を100・sin(n)、S2ブレのブレ波形500・sin(4n)とし、sin(n)にn=50の位相をずらせて500・sin(4n)を重畳して全体のブレ波形▲1▼としている。
【0108】
また、曲線▲2▼は、k=0.8,α=50として上記(2)式により算出されるブレ補正量積算値S(n)であり、曲線▲3▼は、このブレ補正量積算値S(n)を用いて上記(3)式により算出されるブレ補正予測値D(n)″である。更に、曲線▲4▼は、k=1.5,α=50として上記(2)式により算出されるブレ補正量積算値S(n)であり、曲線▲5▼は、このブレ補正量積算値S(n)を用いて上記(3)式により算出されるブレ補正予測値D(n)″である。
【0109】
同図の曲線▲2▼,▲3▼に示すように、0≦n≦50の範囲では、通常ブレに対するブレ補正であるから、ブレ補正後のブレ補正予測値D(n)″は2以内の微小量に収まっているが、50<nにおいては、S2ブレが重畳され、これに対するブレ補正制御値F(n)が不十分なため、ブレ補正後のブレ補正予測値D(n)″は10〜40(すなわち、数倍〜数十倍)に悪化し、光学的なブレ補正が困難であることが分かる。
【0110】
S2ブレが重畳されたとき、光学的なブレ補正が困難になる要因は、上記(2)式における機械的ロスを補償するための補正加算量H(n)=k・ΔD(n-1)2/αがS2ブレによるブレ量の増加に対して相対的に小さく、有効なブレ補正のレスポンスが得られないためである。すなわち、補正加算量H(n)を決定する係数kが通常ブレにS2ブレが重畳されたブレ波形に対して不適切で、このブレ波形に対するブレ補正制御値F(n)が不十分となるためである。
【0111】
係数kは、通常ブレのブレ波形に対して設定され、しかもブレが小さい場合にも過剰補正とならないように1以下の値が設定されるので、通常ブレのブレ波形にこのブレ波形の数倍の振幅を有する急峻なS2ブレのブレ波形が重畳された場合、S2ブレのブレ成分を考慮していないブレ補正制御値F(n)が不十分となるのは当然である。
【0112】
かかる場合、S2ブレのブレ波形は、通常ブレのブレ波形に比して必ず大きい振幅を有しているから、S2ブレが発生したとき、図11の曲線▲4▼,▲5▼に示すように、係数kを通常ブレに対する値よりも大きい適宜の値に変更してブレ補正制御値(n)を改善するようにするとよい。図11においては、S2ブレが発生したとき、係数kを0.8から1.5に増大することによりブレ補正予測値D(n)″の+側の最大値が略40から略15に低減されている。
【0113】
しかし、S2ブレ発生時に係数kを増加変更する方法では、S2ブレの発生直後の最初の急増するブレ波形(すなわち、50<n<150のブレ波形)に対しては、効果的にブレ量を抑制できるが、その次のブレ量が減少するブレ波形(すなわち、150<n)に対してはブレ補正予測値D(n)″が−側に大きく増大し、係数kを増大したことによる弊害が生じることとなっている。
【0114】
従って、かかる弊害を回避するため、より好ましくは、S2ブレの発生時におけるブレは、通常ブレのブレ成分とS2ブレのブレ成分との合成であるから、各ブレ成分についてそれぞれブレ補正を行なうことが好ましい。すなわち、通常ブレのブレ波形に対するブレ補正制御値F1(n)とS2ブレのブレ波形に対するブレ補正制御値F2(n)とを算出し、両ブレ補正制御値F1(n),F2(n)の合計値によりブレ補正を行なうことが好ましい。
【0115】
この場合、S2ブレのブレ波形に対するブレ補正制御値F2(n)の演算式も上述した通常のブレのブレ波形に対するブレ補正制御値F(n)の演算式(2)を採用することできる。なお、補正加算量H(n)の係数kは、S2ブレのブレ波形に基づき1以上の適宜の値を設定する必要がある。
【0116】
今、図11に示したS2ブレのブレ波形の例について、通常ブレのブレ成分に対するブレ補正制御値F1(n)とS2ブレのブレ成分に対するブレ補正制御値F2(n)とを算出し、両ブレ補正制御値F1(n),F2(n)の合計値によりブレ補正を行なう場合のシミュレーションを行なうと、図12に示すようになる。
【0117】
なお、同図に示す曲線▲1▼は、図11に示す曲線▲1▼と同一のブレ波形である。また、曲線▲2▼は通常ブレのブレ成分に対するブレ補正制御値F1(n)とS2ブレのブレ成分に対するブレ補正制御値F2(n)とを算出し、両ブレ補正制御値F1(n),F2(n)によりブレ成分毎にブレ補正した場合のブレ補正量積算値S(n)であり、曲線▲3▼はこのブレ補正量積算値S(n)を用いて算出されるブレ補正予測値D(n)″である。
【0118】
なお、通常ブレのブレ成分に対するブレ補正制御値F1(n)及びブレ補正量F1(n)′は、上記(1),(2)式より下記(4),(5)式で表される。
【0119】
【数3】
Figure 0003635282
【0120】
また、S2ブレのブレ成分に対するブレ補正制御値F2(n)及びブレ補正量F2(n)′は下記(6),(7)式で表される。
【0121】
【数4】
Figure 0003635282
【0122】
また、S2ブレが重畳されたとき、ブレ補正制御値F(n)をブレ補正制御値F1(n)にブレ補正制御値F2(n)を加算した値G(n)=F1(n)+F2(n)に変更設定してブレ補正を行なった場合のブレ補正量F(n)′は、上記(1)式より、
F(n)′=G(n)−G(n)2/α …(8)
であるから、ブレ補正後のブレ補正予測値D(n)″は、上記(3)式より下記(9)式で算出される。
【0123】
【数5】
Figure 0003635282
【0124】
同図の曲線▲3▼と図11の曲線▲5▼とを比較すると、S2ブレの発生直後の最初の急増するブレ波形に対しては、係数kのみを増大変更する方法に比してブレ量の抑制効果が若干低下するが、その後のブレ波形に対しては、係数kのみを増大変更する方法のようにブレ補正予測値D(n)″が−側に大きく増大することはなく、全体に好適なブレ補正効果が得られている。
【0125】
上記のように、通常ブレ及びS2ブレのブレ波形の特徴に基づき適当な係数k1,k2を決定してブレ補正演算値F1(n),F2(n)の演算式を設定しておくとともに、S2ブレのブレ成分のブレ量のデータ(すなわち、S2ブレデータ)をメモリしておき、シャッタボタン8の操作直後のブレ発生時に、このブレ波形を通常ブレのブレ成分とS2ブレのブレ成分とに分離し、各ブレ成分について上記ブレ補正演算値F1(n),F2(n)によりブレ補正を行なえば、急峻なS2ブレが収斂するまで待つことくなく直ちに好適なブレ補正を行なうことができる。
【0126】
S2ブレデータは、予め実験的に標準的なブレ波形を求め(例えば複数のS2ブレのブレ成分を平均したり、複数のS2ブレのブレ成分を代表的な波形に近似して求める)、メモリ203に記憶しておいてもよいが、S2ブレのブレ成分は撮影者により個人差があるので、ブレ補正カメラに実際のシャッタボタン8の操作によるS2ブレデータを取込み、このS2ブレデータに基づきブレ補正制御値F2(n)のデータを算出するようにしてもよい。このようにすると、撮影者固有のS2ブレのブレ波形に対応してブレ補正制御値F2(n)のデータが設定されるので、より好適にブレ補正が可能となる。
【0127】
本実施の形態に係るブレ補正カメラ1は、S2ブレメモリモードを有し、このモードにおいてS2ブレデータの取込みが可能になっている。
【0128】
次に、S2ブレメモリモードにおけるS2ブレデータの取込み方法について、図13,図14に示すフローチャートを用いて説明する。
【0129】
図13,図14は、S2ブレデータの取込制御を示すフローチャートである。
【0130】
同図に示すデータ取込制御では、S2ブレのブレ波形を3回取込み、これらの平均値をS2ブレデータとしている。また、ブレ量検出回路31により検出されるブレ量検出値D(n)は、通常ブレのブレ波形にS2ブレのブレ波形が重畳されたものであるから、最初に通常ブレのブレ波形のデータD1(n)を検出し、この後、シャッタボタン8の操作直後の通常ブレとS2ブレとの合成波のデータD(n)を検出し、このデータD(n)から通常ブレのブレ波形のデータD1(n)を減算してS2ブレのブレ波形のデータD2(n)を検出するようにしている。
【0131】
S2ブレメモリモードが設定されると、図13,図14に示すフローチャートが実行され、まず、S2ブレのブレ波形の取込回数をカウントするカウント値Iが「1」に設定され(#2)、LCD表示部11に取込回数Iが表示される(#4)。
【0132】
続いて、予め設定された所定の周期Δt(例えば1ms)でブレ量検出回路31によりブレ量D1(n)の検出が開始される(#6)。このブレ量D1(n)は、未だシャッタボタン8の操作が行なわれていないので、通常ブレのブレ波形を構成するブレ量のデータである。
【0133】
続いて、ブレ量D1(n)の開始時のブレ波形が通常ブレのブレ波形と見なし得るか否か(すなわち、所定の基本的な正弦波形に近似し得るか否か)が判別され(#8)、通常ブレのブレ波形と見なせる状態になると(#8でYES)、通常ブレのブレ波形を構成するブレ量D1(n)のデータ取込みが開始される(#10)。
【0134】
最初から検出したブレ量D1(n)を通常ブレのブレ波形のデータとして取り込まないのは、検出開始時のブレ波形が通常ブレのブレ波形であるか否かが分からないので、その確認をするためである。通常ブレのブレ波形は、経験的に一定範囲内の振幅レベルを有する正弦波に近似することができるので、検出されたブレ量D1(n)のピーク値、すなわち、ブレ波形の変化率δ=|dD1/dt|が略0となるときのブレ量D1(n)の絶対値|D1|が所定レベルb以上のときは、通常ブレのブレ波形ではないと推定されるので、そのピーク値|D1|が所定レベルbより小さくなった時点で通常ブレのブレ波形を構成するブレ量D1(n)のデータ取込みを開始するようにしている。
【0135】
すなわち、図15は、S2ブレメモリモードで検出されるブレ量の波形の一例で、横軸はサンプリング数N、縦軸は検出レベルを示すものであるが、同図において、サンプリング数N=0でステップ#6のブレ量D1(n)の検出を開始したとすると、ステップ#8の判別処理により、逐次検出されるブレ量D1(n)を用いてブレ波形のピーク点Q1,Q2…が検出されるとともに、そのピーク点の振幅が±bの範囲内に入っているか否かが判別され、±bの範囲内にピーク値を有するピーク点Q5のタイミングで通常ブレのブレ波形を構成するブレ量D1(n)のデータ取込みが開始される。
【0136】
ステップ#10では、ブレ量D1(n)のデータ取込みのサンプリング数nのカウント値が「1」に設定され、この後、所定の周期Δtでブレ量D1(n)の検出が行なわれる(#12〜#20)。このブレ量検出においては、逐次検出されるブレ量D1(n)のデータを用いてブレ波形のピーク値の検出が行なわれ(#14)、最初のピーク値(図15のQ6参照)が検出されると(#16でNO)、そのときのサンプリング数nが位相θ1として記憶されるとともに、ブレ量D1(n)が通常ブレのブレ波形の振幅Aとして記憶される(#18)。
【0137】
また、2回目のピーク値(図15のQ7参照)が検出されると(#16でYES)、そのときのサンプリング数nが位相θ2として記憶され(#18)、続いて、位相θ1と位相θ2のデータから通常ブレのブレ波形の位相θ(=4(θ2−θ1))が算出される(#24)。
【0138】
続いて、上記振幅A及び位相θから通常ブレの正弦波に近似したブレ波形BS1が決定される(#26)。なお、位相差(θ2−θ1)のサンプリング数をqとすると、ブレ波形BS1はBS1(q)=Asin(θ)=D1(θ1)・sin(4q)となる。
【0139】
続いて、LCD表示部11にシャッタボタン8の全押し操作を指示する表示が行なわれる(#28)。なお、LCD表示部11への表示に代えて、或いは表示に加えてブザー等を発音させて操作指示を行なうようにしてもよい。
【0140】
この後、シャッタボタン8の全押し操作によりS2スイッチがオンになると(#30でYES)、ブレ量D2(m)のデータ取込みのサンプリング数mのカウント値が「1」に設定され(#32)、ステップ#26で決定した通常ブレのブレ波形BS(q)のカウント値mにおけるブレ量BS1(4m)が算出される(#34)。このブレ量BS1(4m)は、現在生じているS2ブレのブレ波形に含まれる通常ブレのブレ成分(図15の点線で示す▲3▼の波形を参照)の予測値である。
【0141】
続いて、ブレ量検出回路31によりブレ量D2(m)(図15の実線で示す▲1▼の波形を参照)の検出が行なわれ(#36)、更にこのブレ量検出値D2(m)から通常ブレのブレ成分の予測値BS1(4m+ψ)を減算してS2ブレのブレ成分のブレ量BS2(m)=D2(m)−BS1(4m+ψ)(図14で一点鎖線で示す▲2▼の波形を参照)が算出される(#38)。なお、通常ブレのブレ成分の予測値BS1(4m+ψ)の位相ψは、図15において、カウント値mのカウント開始点におけるブレ波形BS1の位相である。
【0142】
通常ブレのブレ波形とS2ブレのブレ波形との合成波のブレ量D2(m)の検出及びこのブレ量D2(m)と通常ブレのブレ成分の予測値BS1(4m)とに基づくS2ブレのブレ成分のブレ量BS2(m)の算出は、S2ブレのブレ波形成分|BS2(m)|が所定のレベルc以下になるまで所定の周期Δtで行なわれ(#34〜#40のループ)、|BS2(m)|≦cになると(#40でYES)、1回目のS2ブレのブレ成分のブレ量BS2(m,1)(m=1,2,…)のデータが記憶される(#42)。なお、ブレ量BS2(m,1)の「1」は1回目の算出値であることを示す。
【0143】
続いて、カウント値Iが「3」になったか否かが判別され(#44)、I<3であれば(#44でYES)、カウント値Iを1だけインクリメントとして(#46)、ステップ#4に戻り、上述と同様の処理を繰り返して(I+1)回目のS2ブレのブレ成分のブレ量BS2(m,I+1)(m=1,2,…)のデータの算出が行なわれる。今回はI=1であるから、ステップ#4に戻り、2回目と3回目のS2ブレのブレ成分のブレ量BS2(m,2),BS2(m,3)のデータが算出処理が行なわれ、この処理が終了すると(#44でNO)、3回分のS2ブレのブレ成分のブレ量BS2(m,1),BS2(m,2),BS2(m,3)の平均値BS(m)={BS2(m,1)+BS2(m,2)+BS2(m,3)}/3を算出し、この算出結果BS(m)をS2ブレデータとしてメモリ203に記憶した後(#46)、処理を終了する。
【0144】
なお、上記実施の形態では、S2ブレのブレ成分のブレ量BS2(m,I)のデータを複数回、取込み、これらの平均値をS2ブレデータとしていたが、データの取込みを複数回にするか、1回だけにするかを操作者に選択させるようにしてもよい。このようにすれば、取込回数を1回にすれば、S2ブレデータが迅速に得られ、取込回数を複数回にすれば、高い精度のS2ブレデータが得られ、操作者は目的に応じてS2ブレデータの取込方法を選択することができるようになる。
【0145】
次に、本発明に係るブレ補正カメラのブレ補正撮影の制御について、図16のフローチャートを用いて説明する。
【0146】
メインスイッチ14が押されて図略の電源スイッチSMがオンになり、カメラ1が起動すると、ブレ補正モード設定ボタン9によりブレ補正モードが設定されているか否かが判別される(#50)。
【0147】
ブレ補正モードが設定されていると(#50でYES)、測光回路21により被写体輝度が検出されるとともに(#52)、この検出結果を考慮してブレ量検出回路31による被写体光像のブレ量の検出が開始され(#54)、所定の周期で検出されたブレ量検出値D(n)がファインダー内の表示部361の表示エリアA3,A4に表示される(#56)。一方、ブレ補正モードが設定されていなければ(#50でNO)、上記ステップ#52〜#56はスキップされ、ブレ量D(n)の検出及びブレ量D(n)の表示は行なわれない。
【0148】
続いて、シャッタボタン8の半押し操作によりS1スイッチがオン状態になっているか否かが判別され(#58)、S1スイッチがオフ状態であれば(#58でNO)、ステップ#50に戻り、S1スイッチがオン状態となるまで、ブレ補正モードの設定状態に応じてブレ量D(n)の検出及びブレ量D(n)の表示が継続される(#50〜#58のループ)。
【0149】
S1スイッチがオン状態になると(#58でYES)、測距回路22により被写体距離を検出し、この被写体距離に基づき撮影レンズ3のAF制御値が算出され、更にこのAF制御値に基づき撮影レンズ3のAF制御が行なわれる(#60)。続いて、測光回路21により被写体輝度を検出し、この被写体輝度に基づき露出制御値が設定される(#62)。
【0150】
続いて、ブレ補正モードが設定されているか否かが判別され(#64)、ブレ補正モードが設定されていると(#64でYES)、通常ブレに対するブレ補正が開始される(#66)。このときは、未だシャッタボタン8の操作は行なわれないので、S2ブレのブレ成分を考慮せず、通常ブレに対するブレ補正が行なわれる。
【0151】
すなわち、ブレ量検出回路31によりブレ量D1(n)が検出され、制御部20のブレ補正制御値演算部201によりこのブレ量D1(n)を用いて上記(4)式で示した所定の演算式によりブレ補正制御値F1(n)が算出され、このブレ補正制御値F1(n)に基づきブレ補正レンズ32,33を駆動してブレ補正が行なわれる。すなわち、X方向の撮影画像のブレ補正制御値F1X(n)に基づきブレ補正レンズ32をX方向に駆動するとともに、Y方向の撮影画像のブレ補正制御値F1y(n)に基づきブレ補正レンズ33をY方向に駆動して露光面における被写体光像のブレ量ξx,ξyがキャンセルされる。
【0152】
一方、ブレ補正モードが設定されていなければ(#64でNO)、上記ステップ#66はスキップされ、ブレ補正処理は行なわれない。
【0153】
続いて、シャッタボタン8の全押し操作によりS2スイッチがオン状態になったか否かが判別され(#68)、S2スイッチがオフ状態であれば(#68でNO)、S1スイッチのオン状態が継続しているか否かが判別され(#70)、S1スイッチがオフ状態であれば(#70でNO)、ステップ#50に戻り、S1スイッチのオン状態が継続していれば(#70でYES)、ステップ#68に戻り、S2スイッチがオン状態になるまでレリーズ待機状態が継続される(#68,#70のループ)。
【0154】
そして、S2スイッチがオン状態になると(#68でYES)、通常ブレに対するブレ補正がS2ブレに対するブレ補正に切り換えられる(#72)。
【0155】
すなわち、S2スイッチがオンになると、サンプリングカウント値nがリセットされた後、ブレ量D(n)が検出される。このブレ量D(n)は、通常ブレのブレ成分D1(n)とS2ブレのブレ成分D2(n)との合成であるから、メモリ203にS2ブレのブレ成分D2(n)として記憶されたからS2ブレデータBS(n)を読み出し、このS2ブレデータBS(n)をブレ量D(n)から減算することにより通常ブレのブレ成分D1(n)が算出される。
【0156】
更に、このブレ成分D1(n)を用いて上記(4)式により通常ブレのブレ成分に対するブレ補正制御値F1(n)が算出され、S2ブレデータBS(n)を用いて上記(6)式によりS2ブレのブレ成分に対するブレ補正制御値F2(n)が算出され、これらのブレ補正制御値F1(n)とブレ補正制御値F2(n)とを加算してS2ブレ発生時のブレ補正制御値G(n)が算出される。なお、ブレ補正制御値F2(n)は、S2ブレメモリモードにおいて、S2ブレデータBS(n)を用いて算出し、メモリ203に記憶しておいてもよい。
【0157】
そして、このブレ補正制御値G(n)に基づきブレ補正レンズ32,33を駆動してブレ補正が行なわれる。すなわち、X方向の撮影画像のブレ補正制御値G1x(n)に基づきブレ補正レンズ32をX方向に駆動するとともに、Y方向の撮影画像のブレ補正制御値G1y(n)に基づきブレ補正レンズ33をY方向に駆動して露光面における被写体光像のブレ量ξx,ξyがキャンセルされる。
【0158】
続いて、S2ブレに対するブレ補正が開始されると、直ちにレンズシャッタ29を駆動して撮影が行われ(#74)、撮影が終了すると、ブレ補正動作が停止され(#76)、フィルムが1コマ分巻き上げられた後(#78)、次の撮影を行なうべくステップ#50に戻る。
【0159】
上記のように、シャッタボタン8が全押しされ、レリーズ指示が行なわれた直後のブレ補正では、通常ブレのブレ補正制御値F1(n)にS2ブレのブレ成分F2(n)を加算したシャッタボタン8の操作特有のブレを加味したブレ補正制御値G(n)によりブレ補正を行なうようにしているので、ブレ補正動作に起因するシャッタボタン8の操作と実際のレリーズ動作との間のタイムラグを低減することができる。これによりブレ補正を行なう場合もシャッタチャンスを逃すことなく好適な写真撮影を行なうことができる。
【0160】
また、S2ブレのブレ成分のブレ量BS2(n)のデータ取込みを可能にしているので、撮影者によってS2ブレのブレ波形が異なる場合にもS2ブレのブレ成分のブレ量BS2(n)の適正値を設定することができる。
【0161】
なお、上記実施の形態では、ブレ補正制御値F2(n)の演算式(6)の係数k2を予め設定していたが、S2ブレメモリモードで取り込まれたれS2ブレのブレ成分のデータに基づいて係数k2を決定するようにしてもよい。
【0162】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、シャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分のブレ量のデータを予め記憶手段に記憶しておき、シャッタ操作部材の操作により露光が指示されると、この露光指示後に検出されるブレ量と記憶されたブレ量とを用いてシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分を加味したブレ補正制御値を算出し、このブレ補正制御値を用いて露光面における被写体光像のブレを補正するようにしたので、シャッタ操作部材の操作後、直ちに好適なブレ補正を行なって露光を行なうことができる。この結果、カメラのシャッタ操作の操作性が低下することがなく、ブレ補正を行なう場合にもシャッタチャンスを逃すことなく迅速に写真撮影を行なうことができる。
【0163】
請求項2に記載の発明によれば、ブレデータ取込モードにおいて、撮影者が実際にシャッタ操作部材の操作を行なうことにより、その撮影者固有のシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分のブレ量のデータを算出し、その算出結果を記憶手段に記憶させるようにしたので、シャッタ操作部材の操作直後に行なわれるブレ補正がその撮影者特有のシャッタ操作にのみ起因するブレ成分を加味して行なわれ、撮影者が異なる場合も安定して好適なブレ補正を行なうことができる。
【0164】
請求項3に記載の発明によれば、シャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分のブレ量のデータを予め記憶手段に記憶しておき、シャッタ操作部材の操作により露光が指示されると、この露光指示後に検出されるブレ量と記憶されたブレ量とを用いてシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分を加味したブレ補正制御値を算出するようにしたので、このブレ補正制御値を用いて露光面における被写体光像のブレを補正シャッタ操作部材の操作後、直ちに好適なブレ補正を行なって露光を行なうことができる。この結果、カメラのシャッタ操作の操作性が低下することがなく、ブレ補正を行なう場合にもシャッタチャンスを逃すことなく迅速に写真撮影を行なうことができる。
【0165】
請求項4に記載の発明によれば、ブレデータ取込モードにおいて、撮影者が実際にシャッタ操作部材の操作を行なうことにより、その撮影者固有のシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分のブレ量のデータを算出し、その算出結果を記憶手段に記憶させるようにしたので、シャッタ操作部材の操作直後に行なわれるブレ補正がその撮影者特有のシャッタ操作にのみ起因するブレ成分を加味して行なわれ、撮影者が異なる場合も安定して好適なブレ補正を行なうことができ る。
【0166】
請求項5に記載の発明によれば、上記ブレ成分のブレ量のデータを、複数回取り込まれたデータの平均値としたので、その撮影者固有のシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分のブレ量のデータの精度が向上する。
【0167】
請求項6に記載の発明によれば、シャッタ操作部材の操作による露光指示後に検出されるブレ量を、シャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分とそれ以外のブレ成分とに分離し、各ブレ成分に対してそれぞれブレ補正制御値を算出し、これらのブレ補正制御値を用いてブレ成分毎にブレ補正を行なうようにしたので、シャッタ操作部材の操作に起因するブレ成分が含まれたブレに対するブレ補正の精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブレ補正カメラの外観を示す正面斜視図である。
【図2】本発明に係るブレ補正カメラの外観を示す背面図である。
【図3】ファインダー内の表示部の一例を示す図である。
【図4】本発明に係るブレ補正カメラのブロック構成図である。
【図5】ブレ量検出回路のブロック構成図である。
【図6】撮像画像に設けた小ブロックの分割画像を示す図である。
【図7】ブレ補正用の光学系の構造を示す分解斜視図である。
【図8】露光面における被写体光像のブレを光学的に軽減する基本原理を説明するための図である。
【図9】ブレ補正原理に基づきブレ補正を行なった場合のブレ量検出値(予測値)の一例を示す図である。
【図10】通常ブレにおけるブレ補正予測値のシミュレーション結果を示す図である。
【図11】S2ブレにおけるブレ補正予測値のシミュレーション結果を示す図である。
【図12】ブレ波形のブレ成分毎にブレ補正を行なった場合のS2ブレにおけるブレ補正予測値のシミュレーション結果を示す図である。
【図13】S2ブレメモリモードにおけるS2ブレのブレ波形のデータ取込制御を示すフローチャートである。
【図14】S2ブレメモリモードにおけるS2ブレのブレ波形のデータ取込制御を示すフローチャートである。
【図15】S2ブレメモリモードで検出されるブレ量の波形の一例を示す図である。
【図16】本発明に係るブレ補正カメラのブレ補正撮影の制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 カメラ
2 カメラ本体
3 撮影レンズ
4 測光窓
5 測距窓
6 ファインダー対物窓
7 内蔵フラッシュ
8 シャッタボタン
9 ブレ補正モード設定ボタン
10 ファインダー接眼窓
11 LCD表示部
12 操作ボタン
13 S2ブレメモリモード設定ボタン
14 メインスイッチ
15 ズームスイッチ
16 電池収納室
20 制御部(駆動制御手段)
201 ブレ補正制御値演算部(演算手段)
202 S2ブレデータ演算部(ブレ成分算出手段)
203 メモリ(記憶手段)
21 測光回路
22 測距回路
23 FL発光制御回路
24 Zモータ制御回路
25 ズームレンズ
26 AFモータ制御回路
27 フォーカスレンズ
28 絞り・シャッタ制御回路
29 レンズシャッタ
30 電圧検出回路
31 ブレ量検出回路(ブレ量検出手段)
32,33 ブレ補正レンズ(撮影光学系)
34,35 ブレ補正モータ制御回路
341,351 モータ
36 表示制御回路
361 表示部
37 レンズ保持体
38,39 保持枠
40,41 投光素子
42,43 ピン
44,45 駆動ギヤ
46,47 受光素子
48 押え環
E 電源電池
FL,SA,SB,S1,S2 スイッチ

Claims (6)

  1. 露光面における被写体光像の結像位置が変更可能な撮影光学系と、露光面における被写体光像のブレ量を検出するブレ量検出手段と、露光を指示する撮影者によるシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ量のデータが記憶された記憶手段と、上記シャッタ操作部材の操作により露光が指示されると、この露光指示後に上記ブレ量検出手段で検出されるブレ量と上記記憶手段に記憶されたブレ量とを用いて露光面における被写体光像のブレを補正するためのブレ補正制御値を演算する演算手段と、上記ブレ補正制御値を用いて上記撮影光学系の駆動を制御する駆動制御手段とを備えたことを特徴とするブレ補正カメラ。
  2. 露光面における被写体光像の結像位置が変更可能な撮影光学系と、所定の周期で露光面における被写体光像のブレ量を検出するブレ量検出手段と、ブレデータ取込モードで撮影者により上記シャッタ操作部材が操作されると、検出された上記被写体光像のブレ量を用いてこのシャッタ操作部材の操作時の被写体光像のブレ波形に含まれる、上記撮影者固有の上記シャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分のブレ量を算出するブレ成分算出手段と、上記ブレ成分算出手段で算出されたブレ成分のブレ量を記憶する記憶手段と、上記シャッタ操作部材により露光が指示されると、この露光指示後に上記ブレ量検出手段で検出されるブレ量と上記記憶手段に記憶されたブレ量とを用いて露光面における被写体光像のブレを補正するためのブレ補正制御値を演算する演算手段と、上記ブレ補正制御値を用いて上記撮影光学系の駆動を制御する駆動制御手段とを備えたことを特徴とするブレ補正カメラ。
  3. 露光面における被写体光像のブレ量を検出するブレ量検出手段と、露光を指示する撮影者によるシャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ量のデータが記憶された記憶手段と、上記シャッタ操作部材の操作により露光が指示されると、この露光指示後に上記ブレ量検出手段で検出されるブレ量と上記記憶手段に記憶されたブレ量とを用いて露光面における被写体光像の結像位置が変更可能な撮影光学系の駆動を制御して露光面における被写体光像のブレを補正するためのブレ補正制御値を演算する演算手段とを備えたことを特徴とするブレ補正カメラ。
  4. 所定の周期で露光面における被写体光像のブレ量を検出するブレ量検出手段と、ブレデータ取込モードで撮影者により上記シャッタ操作部材が操作されると、検出された上記被写体光像のブレ量を用いてこのシャッタ操作部材の操作時の被写体光像のブレ波形に含まれる、上記撮影者固有の上記シャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分のブレ量を算出するブレ成分算出手段と、上記ブレ成分算出手段で算出されたブレ成分のブレ量を記憶する記憶手段と、上記シャッタ操作部材により露光が指示されると、この露光指示後に上記ブレ量検出手段で検出されるブレ量と上記記憶手段に記憶されたブレ量とを用いて露光面における被写体光像の結像位置が変更可能な撮影光学系の駆動を制御して露光面における被写体光像のブレを補正するためのブレ補正制御値を演算する演算手段とを備えたことを特徴とするブレ補正カメラ。
  5. 請求項2または4記載のブレ補正カメラにおいて、上記ブレ成分算出手段は、ブレ成分のブレ量を複数回算出し、これらのブレ量の平均値を上記記憶手段に記憶すべきブレ成分のブレ量とするものであることを特徴とするブレ補正カメラ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のブレ補正カメラにおいて、上記ブレ補正制御値は上記撮影者による上記シャッタ操作部材の操作にのみ起因するブレ成分に対する第1のブレ補正制御値と上記シャッタ操作部材の操作に起因しないブレ成分に対する第2のブレ補正制御値とからなり、上記演算手段は、露光指示後に上記ブレ量検出手段で検出されるブレ量から上記記憶手段に記憶されたブレ成分のブレ量を減算して上記シャッタ操作部材の操作に起因しないブレ成分のブレ量を算出し、各ブレ成分のブレ量を用いてそれぞれ上記第1,第2のブレ補正制御値を演算するものであることを特徴とするブレ補正カメラ。
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