JPH11227095A - 耐火性複合床材 - Google Patents

耐火性複合床材

Info

Publication number
JPH11227095A
JPH11227095A JP5442898A JP5442898A JPH11227095A JP H11227095 A JPH11227095 A JP H11227095A JP 5442898 A JP5442898 A JP 5442898A JP 5442898 A JP5442898 A JP 5442898A JP H11227095 A JPH11227095 A JP H11227095A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gypsum board
fire
resistant composite
gypsum
composite flooring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5442898A
Other languages
English (en)
Inventor
Kichiya Matsuno
吉弥 松野
Tetsuji Ogawa
哲司 小川
Kenji Sato
健司 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ibiden Co Ltd filed Critical Ibiden Co Ltd
Priority to JP5442898A priority Critical patent/JPH11227095A/ja
Priority to PCT/JP1998/001809 priority patent/WO1999016984A1/ja
Priority to EP98914107A priority patent/EP1022400A1/en
Publication of JPH11227095A publication Critical patent/JPH11227095A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Floor Finish (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 石膏を床材に使用して,強度が高く,軽くて
耐火性に優れ,加工性にも優れた耐火性複合床材を提供
する。 【解決手段】 石膏ボード3若しくは石膏板の表側面7
1又は裏側面72の少なくとも一方に,熱硬化性樹脂及
び無機質繊維からなる補強層4を接着してなる耐火性複
合床材7である。石膏ボード若しくは石膏板の厚みは,
9.5〜25.0mmである。また,石膏ボード若しく
は石膏板の比重は0.9〜1.5であること,石膏ボー
ドは,曲げ強度が80〜350kgf/cm2 であり,
曲げヤング率が35,000〜70,000kgf/c
2 であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本願発明は,建築材料などに用いられる耐
火性複合床材に関するものであって,耐火性及び床材と
しての強度を有し,フリーアクセスフロアー(以下,
「FAフロアー」という。)に使用される複合床材に関
する。
【0002】
【従来技術】コンピュータ等を設置するFAフロアーの
基材は,コンピュータの重量に耐え,地震時にコンピュ
ータ等が転倒した場合でもその衝撃で破損しないことが
要求され,また,配線を床下面に配設することになるた
め,ケーブル火災などでも耐えられるように耐火性にも
優れていることが必要とされている。このようなFAフ
ロアーの基材としては,スチール,アルミニウムなど
の金属を使用したもの,ポリ塩化ビニル,ABS樹
脂,ポリプロピレンなどの樹脂製のもの,繊維で補強
したコンクリート製のもの,ケイ酸カルシウム板に金
属板を貼付したもの,パーティクルボードなどの木質
系のものがある。
【0003】
【解決しようとする課題】ところが,の金属を使用し
たもの,のコンクリート製のもの,のケイ酸カルシ
ウム板に金属を貼付したものは,重く,加工性も悪い。
の樹脂製のものやのパーティクルボードは,耐火性
に劣る。このため,強度が高く,軽くて耐火性に優れ,
加工性にも優れた実用的な床材はこれまで開発されてい
なかった。ところで,建築材料としては,石膏ボードが
コストの観点で優れており,壁材等に使用されている。
例えば,熱可塑性樹脂製のプリプレグを石膏ボードに貼
付した壁,間仕切り用の建築材料が特開平7−3292
36号に提案されている。
【0004】しかしながら,これは床材としての使用で
はない。石膏ボードは強度が低いため床材に使用するこ
とはできないというのが建築業界の常識であった。
【0005】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,石膏
を床材に使用して,強度が高く,軽くて耐火性に優れ,
加工性にも優れた耐火性複合床材を提供しようとするも
のである。
【0006】
【課題の解決手段】第1の発明は,石膏ボード若しくは
石膏板の表側面又は裏側面の少なくとも一方に,熱硬化
性樹脂及び無機質繊維からなる補強層を設けてなる耐火
性複合床材であって,上記石膏ボード若しくは石膏板の
厚みは,9.5〜25.0mmであることを特徴とする
耐火性複合床材である。
【0007】第1の発明において,石膏ボード若しくは
石膏板の厚みは9.5〜25.0mmであるため,これ
を芯材として用いた耐火性複合床材は優れた強度を発揮
する。一方,9.5mm未満の場合には,耐火性複合床
材に要求される強度を付与することができない場合があ
る。また,25.0mmを超える場合には,それに見合
う効果は期待できない。
【0008】また,石膏ボード若しくは石膏板は,低コ
ストで耐火性及び圧縮強度に優れている反面,力が加わ
ると,力が加わった側とは反対側に引張り力が発生し
て,この力の発生点を起点として破壊が生じる。そこ
で,第1の発明においては,石膏ボード若しくは石膏板
の表側面又は裏側面に補強層を接着することにより,石
膏ボード若しくは石膏板の引張り力に対する強度を改善
している。即ち,石膏ボード若しくは石膏板の表側面又
は裏側面には,熱硬化性樹脂及び無機質繊維からなる補
強層が形成されているため,引張り力が加わった場合で
も破壊が起きない。また,補強層は,熱硬化性樹脂及び
無機質繊維からなるため,加工性にも優れている。
【0009】また,熱硬化性樹脂は熱可塑性樹脂と異な
り,耐火性に優れ,高温化でも軟化しないため,補強層
としての機能が失われない。さらに,第1の発明の耐火
性複合床材は,石膏ボード若しくは石膏板,熱硬化性樹
脂,及び無機質繊維から構成されているため,軽量で加
工性に優れ,かつ低コストである。
【0010】次に,第1の発明の詳細について説明す
る。石膏ボードとは,石膏板の表側面又は/及び裏側面
にボード原紙を貼着したものである。また,石膏板と
は,石膏からなる板状体をいう。
【0011】石膏ボード若しくは石膏板の厚みは,9.
5〜25.0mmである。この理由は,この範囲では,
充分な剛性及び耐衝撃性が得られ,かつ床下の配線スペ
ースを充分確保でき,また高い加工性を有するからであ
る。一方,9.5mm未満の場合には,十分な剛性及び
耐衝撃性が得られないおそれがある。また,25.0m
mを超える場合には,それに見合う効果が得られ難い。
【0012】特に,石膏ボード若しくは石膏板の厚み
は,19〜25mmであることが好ましい。これによ
り,更に優れた剛性,耐衝撃性及び加工性が得られる。
また,石膏ボード若しくは石膏板を複数枚積層して上記
の厚みに調整してもよい。なお,上記石膏ボード若しく
は石膏板の厚みとは,1層のみの石膏ボード若しくは石
膏板を用いている場合には1層の厚みを,複数層積層さ
れている場合には複数層の厚みを,後述するボード原紙
が貼着されている場合には該ボード原紙の厚みをも含め
た厚みをいう。
【0013】また,石膏ボード若しくは石膏板の比重
は,0.9〜1.5であることが好ましい。これによ
り,比較的軽量で,優れた鋼性及び耐衝撃性を発揮でき
る。一方,0.9未満の場合には,もろくなるおそれが
ある。また1.5を超える場合には,軽量化が妨げられ
るおそれがある。上記石膏ボード若しくは石膏板の比重
とは,1層のみの石膏ボード若しくは石膏板が設けられ
ている場合には1層の比重を,複数層積層されている場
合には複数層の比重を,後述するボード原紙が貼着され
ている場合には該ボード原紙の厚みをも含めた比重をい
う。また,上記比重とは,4℃の水の体積密度に対す
る,石膏ボード若しくは石膏板の体積密度の比をいう。
【0014】上記石膏ボードは,曲げ強度が80〜35
0kgf/cm2 であり,曲げヤング率が35,000
〜70,000kgf/cm2 であることが好ましい。
これにより,耐火性複合床材の強度が更に向上する。一
方,上記石膏ボードの曲げ強度が80kgf/cm2
満又は,曲げヤング率が35,000kgf/cm2
満の場合には,耐火性複合床材の強度が不十分になるお
それがある。また,曲げ強度が350kgf/cm2
超える場合,又は曲げヤング率が70,000kgf/
cm2 を超える場合には,床材として過剰な強度とな
り,それに見合う効果は期待できない。
【0015】上記石膏ボードは,石膏板の表側面又は裏
側面の少なくとも一方にボード原紙を貼着してなり,上
記補強層は上記ボード原紙の上に接着されていることが
好ましい。上記ボード原紙としては,例えば,古紙,パ
ルプなどを主原料とし,これに発水剤などを添加した厚
み0.3〜0.5mm程度の厚紙を用いることができ
る。かかるボード原紙貼着により,耐火性複合床材の曲
げ強度,耐衝撃性,耐水性などが向上する。
【0016】上記石膏ボード若しくは石膏板は,単層で
もよいし,また複数層積層されていてもよい。各石膏ボ
ード若しくは石膏板の間は,接着剤により接着されてい
ることが好ましい。この接着剤は,石膏ボード若しくは
石膏板と補強層との間を接着する接着剤と同様のものを
用いることが好ましい。即ち,上記接着剤は,フェノー
ル樹脂,エポキシ樹脂,ウレタン樹脂,メラミン樹脂,
レゾルシノール樹脂,及び酢酸ビニル樹脂のグループか
ら選ばれる1種又は2種以上からなることが好ましい。
これにより,耐火性複合床材全体の撓みを防止できる。
【0017】上記補強層は,熱硬化性樹脂と無機質繊維
とからなる。上記熱硬化性樹脂は,フェノール樹脂,メ
ラミン樹脂,エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂,尿素樹脂
などがよい。
【0018】上記無機質繊維としては,ガラス繊維,ロ
ックウール,セラミックファイバーが望ましい。低価格
で耐熱性,強度が高いからである。上記無機質繊維は,
非連続の繊維がマット状に成形されていてもよく,ま
た,連続長繊維を3〜7cmに切断してマット状にした
もの(チョップドストランドマット),あるいは連続長
繊維を渦巻き状に積層しマット状にしたもの,さらには
連続長繊維を織りあげたものでもよい。
【0019】上記補強層に含まれる熱硬化性樹脂の含有
量は,無機質繊維100重量部に対して,20〜200
重量部であることが望ましい。この理由は,この範囲で
は,充分な剛性,耐衝撃性などが得られ,かつ高い耐火
性を維持できるからである。
【0020】上記補強層の厚さは,0.3mm〜3.5
mmが望ましい。この理由は,この範囲では,充分な剛
性,耐衝撃性などが得られ,かつ高い加工性を維持でき
るからである。上記補強層には,水酸化アルミニウム,
水酸化マグネシウムなどの難燃化剤,ならびにシリカゾ
ル,アルミナゾル,水ガラスなど,一般に使用される無
機質の結合剤を添加してもよい。
【0021】上記補強層は,少なくとも石膏ボード若し
くは石膏板の裏面側(室内側の反対側)に形成されてい
ることが好ましい。これにより,耐火性複合床材に,上
方から下方への引張り力に対して耐性を付与できる。ま
た,補強層は,石膏ボード若しくは石膏板の片面のみ,
あるいはその両面に形成されていてもよい。
【0022】上記補強層は,接着剤により上記石膏ボー
ド若しくは石膏板の表側面又は裏側面の少なくとも一方
に接着されていることが好ましい。これにより補強層が
石膏ボード若しくは石膏板に対して強固に接着される。
また,上記接着剤は,フェノール樹脂,エポキシ樹脂,
レゾルシノール樹脂及びメラミン樹脂のグループから選
ばれる1種又は2種以上からなることが好ましい。これ
らの接着剤は,接着後に撓みが少ないため,耐火性複合
床材全体の撓みを抑制できる。また,接着剤としては,
上記のほかに,ウレタン樹脂,酢酸ビニル樹脂等を用い
ることもできる。
【0023】また,耐火性複合床材の木口面は,被覆層
により被覆されていることが好ましい。これにより,耐
火性複合床材,特に石膏の粉の飛散を防止でき,取扱性
が高くなる。上記被覆層は,例えば,珪酸ソーダ溶液,
シリカゾル,アルミナゾル等の無機系材料,ゴム系エマ
ルジョン,アクリルエマルジョンなどの各種樹脂エマル
ションからなる有機系材料を用いることができる。シリ
カゾル,アルミナゾルは,大きさ10〜100nmのS
iO2 やAl2 3 の粒子を水中に分散させたものであ
り,その濃度は20〜40重量%であることが好まし
い。
【0024】上記被覆層は,上記木口面の表面に含浸さ
れた含浸層を形成していることが好ましい。これによ
り,上記粉の飛散を効果的に防止することができる。上
記被覆層の厚みは,上記含浸層である場合及びそうでな
い場合のいずれも,0.01〜4.5mmであることが
好ましい。これにより,重量,コストの増大を招くこと
なく,石膏の粉の飛散を防止できる。一方,0.01m
m未満の場合には,上記粉が飛散するおそれがある。ま
た,4.5mmを超える場合には,それに見合う効果は
期待できない。
【0025】第1の発明の耐火性複合床材は,その最表
面に表面化粧層を設けることもできる。表面化粧層とし
ては,例えば,メラミン化粧板,塩化ビニルタイル,布
製カーペットなどカーペット,畳,天然木,化粧合板,
天然石又は人造石を用いることができる。また,第1の
発明の耐火性複合床材は,電磁波シールド層を設けるこ
ともできる。これにより,室内におけるコンピュータか
ら発する電磁波を吸収でき,電磁波による人体への影響
を抑制できる。なお,電磁波シールド層としては,例え
ば,金属箔,導電性フィラーと樹脂とからなる複合シー
トなどがある。金属箔,導電性フィラーは,例えば,
鉄,アルミニウムなどからなる。
【0026】第1の発明の耐火性複合床材の製造方法と
しては,まず,石膏ボード若しくは石膏板の表側面又は
裏側面の少なくとも一方の面に補強層を接着する。この
接着方法としては,例えば,無機,有機バインダなど
を含浸させた無機質繊維を予め板状に成形し,ここに熱
硬化性樹脂組成物を含浸,乾燥,硬化させたものを接着
剤を介して石膏ボード若しくは石膏板に貼付する方法が
ある。また,無機質繊維のマットに樹脂組成物を含
浸,乾燥した後,加熱プレスし,熱硬化性樹脂を硬化せ
しめて成形し,これを接着剤を介して石膏ボード若しく
は石膏板に貼付する方法でもよい。あるいは,無機質繊
維のマットに樹脂組成物を含浸,乾燥した後,石膏ボー
ド若しくは石膏板に積層し,加熱プレスし,熱硬化性樹
脂を硬化せしめて成形する方法でもよい。また,石膏ボ
ード若しくは石膏板に熱硬化性樹脂を塗布しておき,こ
こに無機質繊維のマットを載置し,加熱プレスする方法
でもよい。
【0027】さらに,ガラス繊維,ロックウール,セ
ラミックファイバーの繊維表面にフェノール樹脂などの
熱硬化性樹脂をBステージでコーティングしておき,石
膏ボード若しくは石膏板に積層して加熱プレスする方法
も採用できる。繊維表面に熱硬化性樹脂をBステージで
コーティングしておく方法では,含浸した樹脂との密着
性が向上し,また繊維同士を接着しやすく,また樹脂の
含浸率を改善できるため有利である。このようなコーテ
ィングの方法としては,ガラス繊維,ロックウール,セ
ラミックファイバーの原料溶融物をノズルから流出させ
て,ブローイング法あるいは遠心法により,繊維化し,
この繊維化と同時にフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂
の溶液を吹きつけて集綿するのである。なお,ガラス繊
維,ロックウール,セラミックファイバーを使用する場
合は,シランカップリング剤をコーティングしておくと
よい。
【0028】次に,第2の発明は,石膏ボード若しくは
石膏板の表側面又は裏側面の少なくとも一方に,熱硬化
性樹脂及び無機質繊維からなる補強層を設けてなる耐火
性複合床材であって,上記石膏ボード若しくは石膏板の
比重は,0.9〜1.5であることを特徴とする耐火性
複合床材である。
【0029】第2の発明においては,石膏ボード若しく
は石膏板の比重が0.9〜1.5である。そのため,石
膏ボード若しくは石膏板を芯材として用いた耐火性複合
床材は,優れた強度を有する。一方,石膏ボード若しく
は石膏板の比重が0.9未満の場合には,耐火性複合床
材に要求される強度を付与することができない場合があ
る。また,1.5を超える場合には,耐火性複合床材の
軽量化が妨げられる。
【0030】また,石膏ボード若しくは石膏板は,耐火
性及び圧縮強度に優れている。また,多孔質無機芯材の
表面には補強層を被覆しているため,引張り力を更に高
めることができる。その他,第2の発明においても,上
記第1の発明と同様の効果を発揮できる。
【0031】次に,第2の発明において,上記石膏ボー
ド若しくは石膏板の厚みは,9.5〜25.0mmであ
ることが好ましい。また,上記石膏ボードは,曲げ強度
が80〜350kgf/cm2 であり,曲げヤング率が
35,000〜70,000kgf/cm2 であること
が好ましい。いずれも第1の発明と同様の理由による。
第2の発明において,その他の点は,第1の発明と同様
である。
【0032】次に,第3の発明は,石膏ボードの表側面
又は裏側面の少なくとも一方に,熱硬化性樹脂及び無機
質繊維からなる補強層を接着してなる耐火性複合床材で
あって,上記石膏ボードは,曲げ強度が80〜350k
gf/cm2 であり,曲げヤング率が35,000〜7
0,000kgf/cm2 であることを特徴とする耐火
性複合床材である。
【0033】第3の発明において,石膏ボードは,曲げ
強度が80〜350kgf/cm2であり,曲げヤング
率が35,000〜70,000kgf/cm2 であ
る。そのため,かかる石膏ボードを芯材として用いた耐
火性複合床材は,優れた強度を有する。一方,上記石膏
ボードの曲げ強度が80kgf/cm2 未満又は,曲げ
ヤング率が35,000kgf/cm2 未満の場合に
は,耐火性複合床材の強度が不十分になるおそれがあ
る。また,曲げ強度が350kgf/cm2 を超える場
合,又は曲げヤング率が70,000kgf/cm2
超える場合には,床材として過剰な強度となり,それに
見合う効果は期待できない。
【0034】また,石膏ボードは,耐火性及び圧縮強度
に優れている。また,多孔質無機芯材の表面には補強層
を被覆しているため,引張り力を更に高めることができ
る。その他,第2の発明においても,上記第1の発明と
同様の効果を発揮できる。
【0035】次に第3の発明において,上記石膏ボード
の厚みは,9.5〜25.0mmであることが好まし
い。また,上記石膏ボードの比重は,0.9〜1.5で
あることが好ましい。いずれも第1の発明と同様の理由
による。第3の発明において,その他の点は,第1の発
明と同様である。
【0036】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかる耐火性複合床材について図
1を用いて説明する。本例の耐火性複合床材7は,図1
に示すごとく,石膏ボード3の表側面71及び裏側面7
2の両面に,熱硬化性樹脂及び無機質繊維からなる補強
層4を接着している。石膏ボード3は,1層からなり,
その厚みTは,12.5mmであり,その比重は,1.
2g/cm3 である。また,石膏ボード3は,曲げ強度
が95kgf/cm2 であり,曲げヤング率が4700
0kgf/cm2 である。
【0037】補強層4は,18重量%の熱硬化性樹脂
と,82重量%の無機質繊維とからなる。熱硬化性樹脂
は,フェノール樹脂である。無機質繊維としては,ガラ
ス繊維チョップドストランド(重量600g/m2 )を
用いる。補強層4の厚さは,0.7mmである。
【0038】石膏ボード3は,石膏板5の表側面71及
び裏側面72にボード原紙8を貼着したものである。ボ
ード原紙8としては,古紙,パルプなどを主原料として
その中に発水剤を添加して形成した厚紙を用いる。上記
補強層4は,フェノール樹脂からなる接着剤により上記
ボード原紙8に対して接着されている。
【0039】本例の耐火性複合床材の製造方法を説明す
る。 (1)ボード原紙8の上に焼石膏と水との混合物を流し
込み,更にその上にボード原紙8を載せ,石膏を乾燥,
硬化させる。これにより,石膏板5の表側面71及び裏
側面72にボード原紙8を貼着してなる石膏ボード3を
作製する。
【0040】(2)次に,ボード原紙8の表面に,硬化
剤を添加したフェノール樹脂溶液を420g/m2 (固
形分換算)の割合で塗布した後,市販のガラス繊維チョ
ップドストランドマット(重量600g/m2 ,厚み
0.7mm)を重ね100℃の温度にて15分間プレス
した。これにより,石膏ボード3の表側面71及び裏側
面72に補強層4が形成される。
【0041】(3)耐火性複合床材7は,その後丸鋸に
より切断して,数十cm平方の大きさにし,その裏側面
72に脚を取り付け,これらを複数枚組み合わせて耐火
性複合床材として使用する。耐火性複合床材7を事務室
の床に設置すると,その表側面には事務機器を,その裏
側面には事務機器の配線機器,空調機器を配設すること
ができる。配線機器及び空調機器は,耐火性複合床材の
開口部を設け,そこから床上に取出すことができる。
【0042】次に,本例の作用及び効果について説明す
る。本例において,石膏ボード3は,上記の厚み,比
重,曲げ強度及び曲げヤング率という物性を有する。そ
のため,この石膏ボードを芯材として用いた耐火性複合
床材は優れた強度を発揮する。
【0043】また,石膏ボード3は,低コストで耐火性
及び圧縮強度に優れている反面,引張り強度は不十分で
ある。そこで,本例においては,石膏ボード3の両面に
補強層4を接着することで,引張り強度の改善を行って
いる。即ち,石膏ボード3の表側面71及び裏側面72
に高強度の補強層4を被覆しているため,引張り力が加
わった場合でも破壊が起きない。また,補強層4は,熱
硬化性樹脂及び無機質繊維からなるため,加工性に優れ
ている。
【0044】また,熱硬化性樹脂は熱可塑性樹脂と異な
り,耐火性に優れ,高温化でも軟化しないため,補強層
4としての機能が失われない。さらに,本例の耐火性複
合床材7は,石膏ボード3,熱硬化性樹脂及び無機質繊
維からなる補強層4を主要構成としているため,軽量で
加工性に優れ安価である。
【0045】なお,本例においては図1に示すごとく石
膏ボード3の両面に補強層4を形成しているが,表側面
又は裏側面のいずれかに形成されていてもよい。また,
耐火性複合床材7を切断して露出した木口面には,石膏
粉飛散防止用の被覆層を被覆してもよい。また,耐火性
複合床材7の表側面71に表面化粧層を被覆することも
でき,また裏側面72にはアルミニウムフィラーなどの
導電性フィラー含浸樹脂からなる電磁波シールド層を設
けることもできる。
【0046】実験例1 本例においては,表1に示すごとく,厚み,比重及び強
度の異なる石膏ボードを用いて耐火性複合床材を作製
し,これらの耐衝撃性を測定した。本発明に係る耐火性
複合床材を実施例1〜3とし,比較例に係る耐火性複合
床材を比較例1〜3とした。また,石膏ボードはいずれ
も1層である。補強層は,無機質繊維としてガラス繊維
チョップドストランド100重量部と,フェノール樹脂
90重量部とからなる。その他は実施形態例1と同様と
した。
【0047】測定に当たっては,耐火性複合床材を大き
さ500mm×500mmに切断し,その4つの角部を
支点間距離400mmの支持脚で支え,JIS A14
50フリーアクセスフロア構成材試験方法に準じて質量
30kgの砂袋を500mmの高さから落下させる衝撃
負荷試験を行った。
【0048】その結果を表1に示した。同表より,本発
明に係る実施例1〜3は,いずれも耐衝撃性に優れてい
ることがわかる。
【0049】
【表1】
【0050】
【発明の効果】本発明によれば,石膏ボードを床材に使
用して,強度が高く,軽くて耐火性に優れ,加工性にも
優れた耐火性複合床材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1の耐火性複合床材の断面模式図。
【符号の説明】
3...石膏ボード, 4...補強層, 5...石膏板, 7...耐火性複合床材, 71...表側面, 72...裏側面, 8...ボード原紙,

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石膏ボード若しくは石膏板の表側面又は
    裏側面の少なくとも一方に,熱硬化性樹脂及び無機質繊
    維からなる補強層を設けてなる耐火性複合床材であっ
    て,上記石膏ボード若しくは石膏板の厚みは,9.5〜
    25.0mmであることを特徴とする耐火性複合床材。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記石膏ボード若し
    くは石膏板の比重は,0.9〜1.5であることを特徴
    とする耐火性複合床材。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記石膏ボー
    ドは,曲げ強度が80〜350kgf/cm2 であり,
    曲げヤング率が35,000〜70,000kgf/c
    2 であることを特徴とする耐火性複合床材。
  4. 【請求項4】 石膏ボード若しくは石膏板の表側面又は
    裏側面の少なくとも一方に,熱硬化性樹脂及び無機質繊
    維からなる補強層を設けてなる耐火性複合床材であっ
    て,上記石膏ボード若しくは石膏板の比重は,0.9〜
    1.5であることを特徴とする耐火性複合床材。
  5. 【請求項5】 請求項4において,上記石膏ボード若し
    くは石膏板の厚みは,9.5〜25.0mmであること
    を特徴とする耐火性複合床材。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5において,上記石膏ボー
    ドは,曲げ強度が80〜350kgf/cm2 であり,
    曲げヤング率が35,000〜70,000kgf/c
    2 であることを特徴とする耐火性複合床材。
  7. 【請求項7】 石膏ボードの表側面又は裏側面の少なく
    とも一方に,熱硬化性樹脂及び無機質繊維からなる補強
    層を接着してなる耐火性複合床材であって,上記石膏ボ
    ードは,曲げ強度が80〜350kgf/cm2 であ
    り,曲げヤング率が35,000〜70,000kgf
    /cm2 であることを特徴とする耐火性複合床材。
  8. 【請求項8】 請求項7において,上記石膏ボードの厚
    みは,9.5〜25.0mmであることを特徴とする耐
    火性複合床材。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8において,上記石膏ボー
    ドの比重は,0.9〜1.5であることを特徴とする耐
    火性複合床材。
JP5442898A 1997-09-26 1998-02-18 耐火性複合床材 Pending JPH11227095A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5442898A JPH11227095A (ja) 1998-02-18 1998-02-18 耐火性複合床材
PCT/JP1998/001809 WO1999016984A1 (fr) 1997-09-26 1998-04-20 Materiau de construction refractaire composite, son procede fabrication, plaque de platre et composition resineuse
EP98914107A EP1022400A1 (en) 1997-09-26 1998-04-20 Composite refractory building material, method of manufacturing the same, gypsum board, and resin composition

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5442898A JPH11227095A (ja) 1998-02-18 1998-02-18 耐火性複合床材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11227095A true JPH11227095A (ja) 1999-08-24

Family

ID=12970457

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5442898A Pending JPH11227095A (ja) 1997-09-26 1998-02-18 耐火性複合床材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11227095A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101002363B1 (ko) 2010-05-26 2010-12-17 주식회사 세기센추리 접착시트 및 이를 포함하는 바닥마감 시공구조

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101002363B1 (ko) 2010-05-26 2010-12-17 주식회사 세기센추리 접착시트 및 이를 포함하는 바닥마감 시공구조

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1022400A1 (en) Composite refractory building material, method of manufacturing the same, gypsum board, and resin composition
CZ20031174A3 (cs) Kompozitní stavební materiál
WO1999028101A1 (en) Ligneous finishing material
JPH1199588A (ja) 耐火性複合床材
JPH11227095A (ja) 耐火性複合床材
JPH10205057A (ja) 無機系芯材ボードの構造
WO2000049246A1 (fr) Materiau de construction composite et son procede de production, et materiau de plancher composite
JPH11303369A (ja) 耐火性複合建築材料および耐火性複合床材
JPH11315593A (ja) 耐火性複合建築材料および耐火性複合床材
JPH11227081A (ja) 耐火性複合床材
JPH11315595A (ja) 耐火性複合建築材料および耐火性複合床材
JPH07214506A (ja) 強化合板及びその製造方法
JP4105784B2 (ja) 吸音板及びその製造方法
JPH11315594A (ja) 耐火性複合建築材料および耐火性複合床材
JP2838982B2 (ja) 耐火パネル
JPH11314980A (ja) 耐火性複合建築材料の製造方法
JPH11240105A (ja) 耐火性複合床材
CN206554366U (zh) 防火吸音板
JPH0681407A (ja) 吸音性に優れた金属サンドイッチパネル
JP2000291175A (ja) 不燃性化粧板及び製造方法
JP2001009970A (ja) 難燃仕上材
JPS6158735A (ja) 耐火性複合板の製造方法
JPH10259309A (ja) 釘耐力付与のための樹脂組成物、シート状成形体および板状成形体
JPH0740489A (ja) 無機質複合成形体の製造方法
JPH11227093A (ja) 石膏ボード