JPH11223235A - バウンドバンパー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダストカバー６のオゾン劣化による亀裂発生
を防止して、該ダストカバー６の耐久性を向上させる。 【解決手段】 バンパー本体７とダストカバー６が一体
成形されたバウンドバウンド１において、バンパー本体
７は硬質ゴムからなり、ダストカバー６はオゾン劣化に
強い材料からなっている。そのため、ダストカバー６の
オゾンに対する耐久性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は車両のショックアブ
ソーバに取り付けられるバウンドバンパーに関する。

【０００２】

【従来の技術】車両のサスペンション等に用いられるシ
ョックアブソーバには、このショックアブソーバのハウ
ジングから突出したピストンロッドの摺動面及び上記ピ
ストンロッドとハウジングとのシール面を保護するため
に、ダストカバーが設けられている。

【０００３】このようなダストカバーとしては、ショッ
クアブソーバのピストンロッド先端部に取り付けられた
バウンドバンパーと一体に成形されたものが一般に知ら
れている（例えば、実開昭５９−１２３７３６号公報を
参照）。

【０００４】上記バウンドバンパーには、ピストンロッ
ドが大きく収縮した場合に、ショックアブソーバのハウ
ジング上端面に当接して衝撃を吸収する機能と、ピスト
ンロッドの最大変位量を規制して底づきによる乗心地の
悪さを防止する機能と、が要求されている。そのため、
上記バウンドバンパーは、圧縮に対する耐久性に優れた
天然ゴム等の硬質ゴムから構成され、かつこのバウンド
バンパーと一体に成形されるダストカバーも硬質ゴムか
ら構成されていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記硬質ゴム
はオゾンに対する耐久性が低く、また、バウンドバンパ
ーと異なり微小振動によって常に伸縮を繰り返している
ダストカバーにおいては、伸びや歪みが生じた部分でオ
ゾン劣化によって表面に亀裂が生じ易くなり、耐久性に
問題がある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明では、ピ
ストンロッドの上端に取り付けられたバンパー本体に、
上記ピストンロッドを収納するハウジングの上端部を覆
い、かつ該上端部から突出したピストンロッドの外周面
を覆うダストカバーが一体に設けられているバウンドバ
ンパーにおいて、上記バンパー本体が硬質ゴムからな
り、かつ上記ダストカバーの少なくとも外表面部分がオ
ゾン劣化に強い材料から構成されていることを特徴とし
ている。これによって、ダストカバーの外表面にオゾン
による亀裂が生じにくくなり、ダストカバーの耐久性が
向上する。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図面に基づい
て詳細に説明する。

【０００８】バウンドバンパー１は、図１に示すよう
に、バンパー本体７とダストカバー６とから構成されて
いる。

【０００９】上記バンパー本体７は、中央部にピストン
ロッド３が圧入される貫通孔８を有した厚肉の蛇腹状に
形成されている。このバンパー本体７は、天然ゴムとブ
タジエンゴムの合成材料、天然ゴム、あるいは天然ゴム
とスチレンブタジエンゴムの合成材料等の圧縮に対する
耐久性が優れた硬質ゴムからなっている。

【００１０】上記ダストカバー６は、上記バンパー本体
７の底部９外縁と連続し、かつ上記貫通孔８と同軸の筒
状を呈していると共に、ピストンロッド３がハウジング
４から最大に突出した状態においても上記ピストンロッ
ド３及び該ピストンロッド３と上記ハウジング４とのシ
ール面５が露出しないような所定長さを有している。

【００１１】このダストカバー６は、エチレンプロピレ
ンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、
あるいはフッ素ゴム等のオゾン劣化による亀裂が生じに
くい材料からなり、一定肉厚で薄肉の蛇腹状に形成され
ている。

【００１２】上記バウンドバンパー１は、図２に示すよ
うに、射出成形によってバンパー本体７とダストカバー
６とが一体に成形されている。つまり、バウンドバンパ
ー１の金型において、バンパー本体７のキャビティ１０
には注入口１１より、例えば、硬質ゴムである天然ゴム
とブタジエンゴムの合成材料を注入し、かつダストカバ
ー６のキャビティ１２には注入口１３より、例えば、エ
チレンプロピレンゴムを注入することによって、バウン
ドバンパー１が射出成形される。

【００１３】上記実施例の構成によれば、ダストカバー
６にはオゾン劣化に強い材料が用いられ、かつバンパー
本体７には圧縮に対する耐久性に優れた材料が用いられ
ている。そのため、ダストカバー６においては、オゾン
劣化によって該ダストカバー６表面に亀裂が発生するこ
とを防止することができる。

【００１４】また、上記バンパー本体７においては、ハ
ウジング４上端面との当接時の衝撃を吸収できると共
に、底づきによる乗心地の悪さを防止することができ
る。

【００１５】尚、上記実施例では、ダストカバー６の全
体をオゾン劣化に強い材料にて成形してあるが、オゾン
に触れるダストカバー６の外表面部分のみをオゾン劣化
に強い材料とし、内周側部分をバンパー本体７と同一の
材料にて成形するようにしてもよい。

【００１６】

【発明の効果】請求項１に記載の発明によれば、ダスト
カバーにはオゾン劣化に強い材料が用いられ、かつバン
パー本体には圧縮に対する耐久性に優れた硬質ゴムが用
いられているので、上記ダストカバーのオゾン劣化によ
る耐久性の低下を防止することができると共に、上記バ
ンパー本体ではハウジング上端面との当接時の衝撃を吸
収でき、かつ底づきによる乗心地の悪さを防止すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明におけるバウンドバンパーの断面図。

【図２】本発明におけるバウンドバンパーの射出成形方
法を示す金型内の要部断面図。

【符号の説明】

１…バウンドバンパー ６…ダストカバー ７…バンパー本体

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ピストンロッドの上端に取り付けられた
   バンパー本体に、上記ピストンロッドを収納するハウジ
   ングの上端部を覆い、かつ該上端部から突出したピスト
   ンロッドの外周面を覆うダストカバーが一体に設けられ
   ているバウンドバンパーにおいて、上記バンパー本体が
   硬質ゴムからなり、かつ上記ダストカバーの少なくとも
   外表面部分がオゾン劣化に強い材料から構成されている
   ことを特徴とするバウンドバンパー。