JPH11217532A - 筆記具用水性顔料インキ - Google Patents

筆記具用水性顔料インキ

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JPH11217532A
JPH11217532A JP3390898A JP3390898A JPH11217532A JP H11217532 A JPH11217532 A JP H11217532A JP 3390898 A JP3390898 A JP 3390898A JP 3390898 A JP3390898 A JP 3390898A JP H11217532 A JPH11217532 A JP H11217532A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筆跡の隠蔽力が高いパステル調の筆跡を与え
ると共に、経時的に顔料の色別れが少なく、ハードケー
キを作らない筆記具用水性顔料インキを提供すること。 【解決手段】 酸化チタンと、有彩色顔料と、シリカ粉
末及び/又はアルミノケイ酸塩と、水溶性樹脂と、化1
で示される分散剤と、界面活性剤と、水とを少なくとも
含むことを特徴とする筆記具用水性顔料インキ。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マーキングペン、
筆ペン等の筆記具に充填して使用する水性顔料インキに
関するものである。更に詳細には、経時的に顔料の色別
れが少なく、攪拌による再分散が容易で、隠蔽力の高い
パステル調の筆跡を与える水性顔料インキに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、水性顔料インキは、そのインキ塗
膜に不透明性を与えるための隠蔽剤として、主に屈折率
の大きい白色無機顔料である酸化チタンを使用してい
る。この酸化チタンと有彩色顔料とを着色剤として併用
した水性顔料インキは、下地を隠蔽し重ね塗りができる
パステル調のインキ塗膜が得られることから、近年注目
されている。
【0003】ところが、酸化チタンを使用した水性顔料
インキにおいては、比重の大きな酸化チタンが時間の経
過に伴って次第に沈降し、ついにはインキ収容室底部に
堆積するという現象が発生する。そこで、これまで酸化
チタンの沈降を防止するために、種々の検討がなされて
いる。例えば、ボールミルやサンドグラインダー等の各
種分散機を使用して酸化チタンを微粒子まで分散させ、
インキ中における酸化チタン微粒子のブラウン運動によ
り沈降を防止する方法や、各種界面活性剤や水溶性樹脂
などの分散剤の使用により分散剤を酸化チタン表面に吸
着させ、その立体障害斥力により分散を安定化する方法
が提案されている。具体例を挙げれば以下の通りであ
る。特公昭55−35434号公報には、親水性部分と
親油性部分を併有するアクリル酸又はメタクリル酸のア
ルキルエステルを主成分とする重合体を顔料の分散剤と
する方法が記載されている。また、特公平1−4943
3号公報には、親水性微粉末二酸化ケイ素、及び、シリ
コーン系界面活性剤又はフッ素系界面活性剤を併用して
顔料の分散剤とする方法が記載されている。その他に
は、酸化チタンの表面性状を親水性へと改質し溶媒との
親和力を向上させたり、インキの高粘度化により顔料の
動きを少なくすることにより、酸化チタンの沈降を防止
する方法などが試みられている。
【0004】また、酸化チタンと有彩色顔料を着色剤と
して併用した水性顔料インキにおいて、その顔料間の比
重差から生じる着色剤の酸化チタン層と有彩色顔料層と
への分離、すなわち顔料の色別れに関しても種々の検討
がなされている。例えば、特公平8−9703号公報に
は、酸化チタン以外の隠蔽力付与剤として比重の小さい
白色樹脂粒子を使用して、有彩色顔料との分離を防止す
る方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、酸化チタン
を使用した水性顔料インキを筆記具に充填して使用する
場合、酸化チタンの沈降現象を考慮して設計する必要が
ある。例えば、インキ収容室内に金属球などの攪拌部材
を内蔵させ、使用時に筆記具を上下に振ることにより攪
拌力を発生させ、沈降した酸化チタンを再分散させてか
ら使用することが行われている。これにより、インキ中
の顔料濃度を一様にし、均一な濃度の筆跡を得ることが
できる。
【0006】しかしながら、上記、酸化チタンの微細化
や表面改質、分散剤の使用により沈降の防止を試みた水
性顔料インキは、初期の分散性は良好なものの、沈降の
速度を遅らせるにとどまり、長期間の経時ではインキ収
容室底部に堆積した酸化チタンが再分散不可能なハード
ケーキを形成してしまうという問題があった。筆記具に
おけるハードケーキの生成は、ケーキの抵抗によって攪
拌効果を著しく低下させ、インキ中の顔料濃度の低下に
より初期の隠蔽力が失われてしまう。また、沈降を防止
するために水溶性高分子などで粘度を高くした水性顔料
インキは、繊維を集束したペン先やプラスチック押し出
し成形によるペン先からのインキ吐出が悪く、ペン先を
使用した筆記具には適していない。更に、酸化チタンの
代わりに比重の小さな白色樹脂粒子を使用した水性顔料
インキにおいても、顔料の色別れの防止については効果
がみられるものの、下地を隠す隠蔽力においては不十分
なものであった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化チタン
と、有彩色顔料と、シリカ粉末及び/又はアルミノケイ
酸塩と、水溶性樹脂と、化1で示される分散剤と、界面
活性剤と、水とを少なくとも含むことを特徴とする筆記
具用水性顔料インキを要旨とするものである。
【0008】以下、詳細に説明する。酸化チタンは、イ
ンキの着色剤及び隠蔽剤として使用するものであり、ル
チル型、アナターゼ型など各種の酸化チタンが使用でき
る。具体的には、タイトーンSR−1、同R−310、
同R−650、同R−3L、同A−110、同A−15
0、同R−5N(以上、堺化学工業(株)製)、タイペ
ークR−550、同R−580、同R−615、同R−
630、同R−830、同R−930、同A−100、
同A−220、同CR−58(以上、石原産業(株)
製)、クロノスKR−310、同KR−380、同KR
−480、同KA−10、同KA−20、同KA−30
(以上、チタン工業(株)製)、バイエルチタンR−F
D−1、同R−FD−2、同R−FB−1、同R−FB
−3、同R−KB−3、同R−CK−20(以上、独
国、バイエル社製)、タイピュアR−900、同R−9
01、同R−931(以上、デュポン・ジャパン・リミ
テッド(株)製)、チタニックスJR−300、同JR
−600A、同JR−800、同JR−801(以上、
テイカ(株)製)などが挙げられる。これらは単独ある
いは複数混合して使用できる。酸化チタンの使用量は、
水性顔料インキ全量に対して3〜40重量%添加するこ
とが好ましい。筆跡の隠蔽力を好適に保つ点で3重量%
以上が好ましく、良好な経時安定性を保ち、筆記具用と
して使用した場合のインキ吐出に好適な粘度となす点で
40重量%以下が好ましい。
【0009】有彩色顔料は、インキの着色剤として使用
するものである。具体的には、赤色酸化鉄、群青、紺
青、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モ
リブデートオレンジ等の無機顔料、C.I.ピグメント
レッド2、同3、同5、同17、同22、同38、同4
1、同48:2、同48:3、同49、同50:1、同
53:1、同57:1、同58:2、同60、同63:
1、同63:2、同64:1、同88、同112、同1
22、同123、同144、同146、同149、同1
66、同168、同170、同176、同177、同1
78、同179、同180、同185、同190、同1
94、同206、同207、同209、同216、同2
45、C.I.ピグメントオレンジ5、同10、同1
3、同16、同36、同40、同43、C.I.ピグメ
ントバイオレット19、同23、同31、同33、同3
6、同38、同50、C.I.ピグメントブルー2、同
15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:
4、同15:5、同15:8、同16、同17、同2
2、同25、同60、同66、C.I.ピグメントブラ
ウン25、同26、C.I.ピグメントイエロー1、同
3、同12、同13、同24、同74、同83、同9
3、同94、同95、同97、同98、同99、同10
8、同109、同110、同117、同120、同13
9、同153、同166、同167、同173、C.
I.ピグメントグリーン5、同7、同10、同36等の
有機顔料の他、蛍光顔料、雲母系顔料などが挙げられ
る。
【0010】また、顔料を水性媒体に分散した分散顔料
の水性インキ組成物ベースを使用することもできる。具
体的には、富士色素(株)製Fuji.SPシリーズ、
山陽色素(株)製Emacolシリーズ、Sandye
シリーズ、オリエント化学工業(株)製MicroPi
gmoシリーズ、MicroJetシリーズ、東洋イン
キ(株)製Rio.Fastシリーズ、EM・Colo
rシリーズ等の無機又は有機顔料の分散体や、日本蛍光
化学(株)製NKWシリーズ、東洋ソーダ(株)製コス
モカラーシリーズ、シンロイヒ(株)製シンロイヒ・カ
ラーベースシリーズ等の蛍光顔料の分散体が挙げられ
る。これらは単独あるいは複数混合して使用できる。有
彩色顔料の使用量は、水性顔料インキ全量に対して1〜
40重量%添加することが好ましい。筆跡の濃度を好適
に保つ点で1重量%以上が好ましく、筆記具用として使
用した場合のインキ吐出に好適な粘度となす点で40重
量%以下が好ましい。
【0011】シリカ粉末及び/又はアルミノケイ酸塩
は、保護コロイド作用により酸化チタンの沈降を極力抑
え、かつ、沈降物のハードケーキ化を防止するために使
用するものである。具体的には、シリカ粉末として、ト
クシールU、ファインシールB(以上、徳山ソーダ
(株)製)、アエロジル200、同300(以上、日本
アエロジル(株)製)、サイロイド72、同79(以
上、富士デヴィソン(株)製)、カープレックス#8
0、同#1120(以上、シオノギ製薬(株)製)など
が挙げられ、アルミノケイ酸塩として、アルミニウムシ
リケートP−820、同P−820A(以上、独国、デ
グッサ社製)などが挙げられる。これらは単独あるいは
複数混合して使用できる。シリカ粉末及び/又はアルミ
ノケイ酸塩の使用量は、水性顔料インキ全量に対して
0.5〜20重量%添加することが好ましい。沈降物の
ハードケーキ防止の効果を好適に保つ点で0.5重量%
以上が好ましく、筆記具用として使用した場合のインキ
吐出に好適な粘度となす点で20重量%以下が好まし
い。
【0012】水溶性樹脂は、酸化チタンや有彩色顔料を
分散したり、インキの塗膜を紙面又は非吸収面に定着さ
せるために使用するものである。具体的には、アラビア
ゴム、トラガカントゴム、デキストラン、加工でん粉、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース等の天然又は半合
成水溶性高分子や、ポリビニルアルコール、ポリアクリ
ル酸、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイ
ド、水溶性アクリル樹脂、水溶性スチレン−アクリル樹
脂などの合成水溶性高分子や、アクリル樹脂、アルキッ
ド樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹
脂、マレイン酸樹脂、ウレタン樹脂などの水分散性エマ
ルジョン等が挙げられる。これらは単独あるいは複数混
合して使用できる。水溶性樹脂の使用量は、水性顔料イ
ンキ全量に対して1〜20重量%添加することが好まし
い。筆跡の定着力を好適に保つ点で1重量%以上が好ま
しく、筆記具用として使用した場合のインキ吐出に好適
な粘度となす点で20重量%以下が好ましい。
【0013】化1で示される分散剤は、水性顔料インキ
中において嵩が大きく弱いネットワーク凝集体を形成
し、再分散性を向上したり、顔料の色別れを防止するた
めに使用するものである。化1で示される分散剤は、そ
の化学式中のオキシアルキレン基の種類やアルキル基の
種類、m及びnの値を、酸化チタンや有彩色顔料に合わ
せて選択でき、特に水に可溶なタイプが好適である。具
体的には、マリアリムAKM−0531、同AKM−1
511、同AFB−1521(以上、日本油脂(株)
製)などが挙げられる。その使用量は再分散性向上の効
果を好適に保つ点で水性顔料インキ全量に対して0.1
〜5重量%添加することが好ましい。
【0014】界面活性剤は、酸化チタンや有彩色顔料の
濡れや分散性を向上するもので、使用する顔料粒子の表
面状態に合わせて公知の各種界面活性剤を選択し使用す
ることができる。具体的には、アニオン系界面活性剤と
して、デモールEP、ホモゲノールL−18、ポイズ5
20、同530(以上、花王(株)製)などのポリカル
ボン酸型界面活性剤や、デモールN(花王(株)製)な
どのナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物型界面活
性剤などがあり、ノニオン系界面活性剤としては、サー
フィノールTG、同104E(以上、日信化学工業
(株)製)などのアセチレングリコール型活性剤や、ペ
グノールO−6(東邦化学工業(株)製)、ノイゲンE
T(第一工業製薬(株)製)などのポリオキシエチレン
アルキルエーテル型界面活性剤や、ノナール210、同
212(以上、東邦化学工業(株)製)などのポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル型界面活性剤など
が挙げられる。これらは単独あるいは複数混合して使用
でき、その使用量は水性顔料インキ全量に対して0.0
1〜1重量%添加することが好ましい。
【0015】水は主溶剤として使用するもので、その使
用量は水性顔料インキ全量に対して20〜60重量%添
加することが好ましい。
【0016】また、上記必須成分以外でも必要に応じ
て、水性顔料インキに使用されている種々の添加剤を適
宜選択して使用することができる。例えば、ペン先での
インキ乾燥防止、低温時のインキの凍結防止などの目的
で、水溶性有機溶剤を使用することができる。具体的に
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジエ
チレングリコール、グリセリン等の水溶性有機溶剤や、
エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレン
グリコール低級アルキルエーテル等のグリコールエーテ
ル系溶剤や、酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル系溶
剤などが挙げられる。
【0017】その他、エチルアルコール、イソプロピル
アルコール等の筆跡乾燥促進剤や、ベンゾトリアゾー
ル、エチレンジアミン四酢酸塩などの防錆剤や、尿素、
エチレン尿素などの湿潤剤や、ベンゾチアゾリン系、オ
マジン系などの防腐剤や、シリコ−ン系界面活性剤など
の消泡剤や、フッ素系界面活性剤などのレベリング剤な
ど、種々の添加剤を適宜選択して使用することができ
る。
【0018】本発明の水性顔料インキを製造するに際し
ては、従来知られている種々の方法が採用できる。例え
ば上記各成分を配合し、これをターボミキサーやヘンシ
ェルミキサー、ホモミキサー等の攪拌機により攪拌混合
したり、ボールミルやアトライター、サンドグラインサ
ー、スピードラインミル、三本ロールミル等の分散機に
より均一に混合分散することによって容易に得られる。
また、酸化チタンとシリカ粉末及び/又はアルミノケイ
酸塩とは、前もってボールミルやヘンシェルミキサーに
より十分乾式混合を行うと、より経時分散性の良い水性
顔料インキが得られる。
【0019】
【作用】一般に、極性物質である酸化チタンは、水など
の極性の高い溶媒との親和性が高く、水性顔料インキに
使用した場合の分散安定性は良いといわれている。しか
し、筆記具用として粘度の低い水性顔料インキに使用し
た場合、酸化チタンはその比重の大きさから沈降速度が
速くなり、長期間の経時でインキ収容室底部に堆積して
しまう。その上、沈降を防止する目的で各種分散機を使
用して機械的に分散された微粒子は、単位面積当たりの
他物質を吸着する能力が増加するために、粒子間の凝集
が頻繁に行われる。その結果、酸化チタンは密に堆積
し、強い機械的な力でないと再分散できないハードケー
キを形成するという問題がある。そこで、酸化チタンの
ハードケーキ化を防止するには、微粒子の凝集能力を低
下させるような保護コロイド作用を持つ物質の添加が必
要である。シリカ粉末及び/又はアルミノケイ酸塩は酸
化チタンと併用した場合、酸化チタンの表面に付着する
ことで複合体を形成し、その複合体は水中において安定
に分散する作用を持つ。更に、保護コロイドとして酸化
チタンどうしの接触面積を小さくすることから、密に堆
積して凝集することを防止する。したがって、酸化チタ
ンは長期間の経時によって沈降してもハードケーキを作
らずに、簡単な攪拌により容易に再分散することができ
るソフトケーキになるものと思われる。他方、酸化チタ
ンと有彩色顔料との間の比重差から発生する顔料の色別
れは、上記、酸化チタンとシリカ粉末及び/又はアルミ
ノケイ酸塩とを併用した水性顔料インキに、化1で示さ
れる分散剤の添加により防止することができる。化1で
示される分散剤は、酸化チタンとシリカ粉末及び/又は
アルミノケイ酸塩との複合体に付着しやすく、それによ
り複合体間に橋掛け凝集が生起し、嵩が大きく弱いネッ
トワーク凝集体であるフロキュレーション構造を形成す
る。その構造は経時初期に分散系全体に広がるので、重
力による酸化チタンの沈降に抵抗し、ある程度以上は沈
降が進行しなくなる。また、有彩色顔料は、溶媒中に均
一に分散されると共に、隙間の多い酸化チタンの凝集体
の中に取り込まれるように分散されるので、経時におけ
る酸化チタン層と有彩色顔料層への分離を抑制できる。
更に、筆記具使用時の攪拌における再分散では、界面活
性剤が凝集体内部及び顔料粒子間に速やかに浸透し、そ
の表面を濡らすために、簡単な攪拌だけでインキ中の顔
料濃度を一様にし、均一な濃度の筆跡を得ることができ
ると推測される。
【0020】
【実施例】以下、実施例により更に詳細に説明する。 実施例1 バイエルチタンR−FD−1(酸化チタン、バイエル社製) 23.0重量部 ファーストスカーレットR−WA(C.I.ピグメントレッド17の水性分散 組成物、顔料分25重量%、住化カラー(株)製) 28.0重量部 アルミニウムシリケートP−820A(アルミノケイ酸塩、独国、デグッサ社 製) 6.0重量部 SR−131(水溶性アクリル樹脂、固形分25重量%、互応化学工業(株) 製) 23.0重量部 マリアリムAKM−1511(化1で示される分散剤、日本油脂(株)製) 3.0重量部 デモールEP(ポリカルボン酸型界面活性剤、花王(株)製) 0.2重量部 プロクセルGXL(防腐剤、ゼネカ(株)製) 0.3重量部 水 16.5重量部 上記の各成分を混合し、ボールミルにより24時間分散
処理を行うことにより、パステル調の筆記具用水性顔料
赤色インキを得た。
【0021】 実施例2 タイピュアR−900(酸化チタン、デュポン・ジャパン・リミテッド社製) 25.0重量部 LIONOL BLUE SM(C.I.ピグメントブルー15、東洋インキ 製造(株)製) 9.0重量部 アルミニウムシリケートP−820A(上述) 4.0重量部 ジョンクリル62(水溶性スチレン−アクリル樹脂、固形分34重量%、ジョ ンソンポリマー(株)製) 11.0重量部 マリアリムAKM−0531(化1で示される分散剤、日本油脂(株)製) 2.0重量部 ポイズ530(ポリカルボン酸型界面活性剤、花王(株)製) 0.2重量部 プロクセルGXL(上述) 0.3重量部 水 48.5重量部 上記の各成分を混合し、ボールミルにより24時間分散
処理を行うことにより、パステル調の筆記具用水性顔料
青色インキを得た。
【0022】 実施例3 クロノスKR−380(酸化チタン、チタン工業(株)製) 20.0重量部 FUJI SP GREEN 7051(C.I.ピグメントグリーン7の水 性分散組成物、顔料分31重量%、富士色素(株)製) 32.0重量部 トクシールU(シリカ粉末、徳山ソーダ(株)製) 8.0重量部 クラレポバールPVA203(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製) 5.0重量部 マリアリムAFB−1521(化1で示される分散剤、日本油脂(株)製) 4.0重量部 ノナール212(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型界面活性剤 、東邦化学工業(株)製) 0.1重量 部 プロクセルGXL(上述) 0.3重量部 水 30.6重量部 上記の各成分を混合し、ボールミルにより24時間分散
処理を行うことにより、パステル調の筆記具用水性顔料
緑色インキを得た。
【0023】 実施例4 バイエルチタンR−FD−1(上述) 22.0重量部 FUJI SP YELLOW 4056(C.I.ピグメントイエロー13 の水性分散組成物、顔料分30重量%、富士色素(株)製) 40.0重量部 アエロジル200(シリカ粉末、日本アエロジル(株)製) 7.0重量部 SR−131(上述) 15.0重量部 マリアリムAKM−0531(上述) 1.0重量部 デモールEP(上述) 0.1重量部 プロクセルGXL(上述) 0.3重量部 エチレングリコール(乾燥防止剤) 5.0重量部 水 9.6重量部 上記の各成分を混合し、ボールミルにより24時間分散
処理を行うことにより、パステル調の筆記具用水性顔料
黄色インキを得た。
【0024】 実施例5 タイピュアR−900(上述) 27.0重量部 ルミコールNKW−3677(紫色顔料の水性分散組成物、固形分34重量% 、日本蛍光化学(株)製) 52.0重量部 アルミニウムシリケートP−820A(上述) 2.0重量部 アエロジル200(上述) 2.0重量部 ジョンクリル62(上述) 4.0重量部 マリアリムAKM−1511(上述) 2.0重量部 ポイズ530(上述) 0.1重量部 プロクセルGXL(上述) 0.3重量部 水 10.6重量部 上記の各成分を混合し、ボールミルにより24時間分散
処理を行うことにより、パステル調の筆記具用水性顔料
紫色インキを得た。
【0025】 実施例6 バイエルチタンR−FD−1(上述) 23.0重量部 ファーストスカーレットR−WA(上述) 28.0重量部 トクシールU(上述) 6.0重量部 SR−131(上述) 23.0重量部 マリアリムAFB−1521(上述) 3.0重量部 デモールEP(上述) 0.2重量部 プロクセルGXL(上述) 0.3重量部 水 16.5重量部 上記の各成分を混合し、ボールミルにより24時間分散
処理を行うことにより、パステル調の筆記具用水性顔料
赤色インキを得た。
【0026】比較例1 実施例1においてアルミニウムシリケートP−820A
を除き、その量だけバイエルチタンR−FD−1を加え
た他は、実施例1と同様になして水性顔料赤色インキを
得た。
【0027】比較例2 実施例2においてマリアリムAKM−0531を除き、
その量だけジョンクリル62を加えた他は、実施例2と
同様になして水性顔料青色インキを得た。
【0028】比較例3 実施例3においてクロノスKR−380及び水を除き、
その量だけトレパールBP−B3000(エポキシ系白
色樹脂粒子、30重量%水分散液、東レ(株)製)を加
えた他は、実施例3と同様になして水性緑色顔料インキ
を得た。
【0029】上記、実施例1〜6、比較例1〜3で得た
筆記具用水性顔料インキについて、隠蔽力試験、色別れ
試験及び再分散性試験を行なった。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】隠蔽力試験 JIS S6055(事務用顔料組成物)にて規定され
た隠蔽率試験に従い、水性顔料インキを隠蔽率試験紙に
50μmのフィルムアプリケーターを使用して塗布し乾
燥した後、SMカラーコンピューター(MODEL、S
M−4、スガ試験機(株)製)にて隠蔽率(単位%)を
測定した。その数値が大きいほど顔料の隠蔽力が大きい
と評価される。
【0032】色別れ試験 水性顔料インキを栓付きの試験管(15mm径)に10
cc入れて自然放置し、1ヶ月後に沈降物の容積がイン
キ全容積に占める割合(単位%)を算出した。その数値
が大きいほど顔料の色別れが少ないと評価される。
【0033】再分散性試験 水性顔料インキを繊維芯のペン先を使用した筆記具(ピ
グメントマーカー、ぺんてる(株)製)に8cc充填
し、攪拌ボール(ステンレスボール、6.4mm径)を
2個入れて上向けにして3ヶ月放置後、該筆記具を上下
に降り、攪拌ボールが動くまでの振った回数を測定し
た。その数値が小さいほど再分散性が良いと評価され
る。
【0034】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係る筆記具用水性顔料インキは、筆跡の隠蔽力が高いパ
ステル調の筆跡を与えると共に、経時的に顔料の色別れ
が少なく、ハードケーキを作らないという特長を有する
ものである。
【式1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化チタンと、有彩色顔料と、シリカ粉
    末及び/又はアルミノケイ酸塩と、水溶性樹脂と、 【化1】で示される分散剤と、界面活性剤と、水とを少
    なくとも含むことを特徴とする筆記具用水性顔料イン
    キ。
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