JPH11140369A - 筆記具用水性顔料インキ - Google Patents

筆記具用水性顔料インキ

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JPH11140369A
JPH11140369A JP31625297A JP31625297A JPH11140369A JP H11140369 A JPH11140369 A JP H11140369A JP 31625297 A JP31625297 A JP 31625297A JP 31625297 A JP31625297 A JP 31625297A JP H11140369 A JPH11140369 A JP H11140369A
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JP
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water
ink
titanium oxide
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pigment
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JP31625297A
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Tomohisa Nishimoto
智久 西本
Tomihiko Sato
富彦 佐藤
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Pentel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 筆跡の隠蔽力が高いパステル調の筆跡を与え
ると共に、経時的に顔料の色別れが少なく、ハードケー
キを作らない筆記具用水性顔料インキを提供すること。 【解決手段】 インキ全量に対し3〜40重量%の酸化
チタンと、1〜40重量%の着色樹脂粒子と、0.5〜
20重量%のアルミノケイ酸塩と、1〜20重量%の水
溶性樹脂と、0.1〜1重量%の水に溶解する無機塩
と、0.01〜1重量%の界面活性剤と、水とを少なく
とも含むことを特徴とする筆記具用水性顔料インキ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マーキングペン、
筆ペン等の筆記具に充填して使用する水性顔料インキに
関するものである。更に詳細には、経時的に顔料の色別
れが少なく、攪拌による再分散が容易で、隠蔽力の高い
パステル調の筆跡を与える水性顔料インキに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、水性顔料インキは、そのインキ塗
膜に不透明性を与えるための隠蔽剤として、主に屈折率
の大きい白色無機顔料である酸化チタンを使用してい
る。この酸化チタンと有彩色顔料とを着色剤として併用
した水性顔料インキは、下地を隠蔽し重ね塗りができる
パステル調のインキ塗膜が得られることから、近年注目
されている。
【0003】ところが、酸化チタンを使用した水性顔料
インキにおいては、比重の大きな酸化チタンが時間の経
過に伴って次第に沈降し、ついにはインキ収容室底部に
堆積するという現象が発生する。そこで、これまで酸化
チタンの沈降を防止するために、種々の検討がなされて
いる。例えば、ボールミルやサンドグラインダー等の各
種分散機を使用して酸化チタンを微粒子まで分散させ、
インキ中における酸化チタン微粒子のブラウン運動によ
り沈降を防止する方法や、各種界面活性剤や水溶性樹脂
などの分散剤の使用により分散剤を酸化チタン表面に吸
着させ、その立体障害斥力により分散を安定化する方法
が提案されている。具体例を挙げれば以下の通りであ
る。特公昭55−35434号公報には、親水性部分と
親油性部分を併有するアクリル酸又はメタクリル酸のア
ルキルエステルを主成分とする重合体を顔料の分散剤と
する方法が記載されている。また、特公平1−4943
3号公報には、親水性微粉末二酸化ケイ素及びシリコー
ン系界面活性剤又はフッ素系界面活性剤を顔料の分散剤
とする方法が記載されている。その他には、酸化チタン
の表面性状を親水性へと改質し溶媒との親和力を向上さ
せたり、インキの高粘度化により顔料の動きを少なくす
ることにより、酸化チタンの沈降を防止する方法などが
試みられている。
【0004】また、酸化チタンと有彩色顔料を着色剤と
して併用した水性顔料インキにおいて、その顔料間の比
重差から生じる酸化チタン層と有彩色顔料層への分離、
すなわち顔料の色別れに関しても種々の検討がなされて
いる。例えば、特公平8−9703号公報には、酸化チ
タン以外の隠蔽力付与剤として比重の小さい白色樹脂粒
子を使用して、有彩色顔料との分離を防止する方法が記
載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、酸化チタン
を使用した水性顔料インキを筆記具に充填して使用する
場合、酸化チタンの沈降現象を考慮して設計する必要が
ある。例えば、インキ収容室内に金属球などの攪拌部材
を内蔵させ、使用時に筆記具を上下に振ることにより攪
拌力を発生させ、沈降した酸化チタンを再分散させてか
ら使用することが行われている。これにより、インキ中
の顔料濃度を一様にし、均一な濃度の筆跡を得ることが
できる。
【0006】しかしながら、上記、酸化チタンの微細化
や表面改質、分散剤の使用により沈降の防止を試みた水
性顔料インキは、初期の分散性は良好なものの、沈降の
速度を遅らせるにとどまり、長期間の経時ではインキ収
容室底部に堆積した酸化チタンが再分散不可能なハード
ケーキを形成してしまうという問題があった。筆記具に
おけるハードケーキの生成は、ケーキの抵抗によって攪
拌効果を著しく低下させ、インキ中の顔料濃度の低下に
より初期の隠蔽力が失われてしまう。また、沈降を防止
するために水溶性高分子などで粘度を高くした水性顔料
インキは、繊維を集束したペン先やプラスチック押し出
し成形によるペン先からのインキ吐出が悪く、ペン先を
使用した筆記具には適していない。更に、酸化チタンの
代わりに比重の小さな白色樹脂粒子を使用した水性顔料
インキにおいても、顔料の色別れの防止については効果
がみられるものの、下地を隠す隠蔽力においては不十分
なものであった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化チタン
と、着色樹脂粒子と、アルミノケイ酸塩と、水溶性樹脂
と、水に溶解する無機塩と、界面活性剤と、水とを少な
くとも含むことを特徴とする筆記具用水性顔料インキを
要旨とするものである。
【0008】以下、詳細に説明する。酸化チタンは、イ
ンキの着色剤及び隠蔽剤として使用するものであり、ル
チル型、アナターゼ型など各種の酸化チタンが使用でき
る。具体的には、タイトーンSR−1、同R−310、
同R−650、同R−3L、同A−110、同A−15
0、同R−5N(以上、堺化学工業(株)製)、タイペ
ークR−550、同R−580、同R−615、同R−
630、同R−830、同R−930、同A−100、
同A−220、同CR−58(以上、石原産業(株)
製)、クロノスKR−310、同KR−380、同KR
−480、同KA−10、同KA−20、同KA−30
(以上、チタン工業(株)製)、バイエルチタンR−F
D−1、同R−FD−2、同R−FB−1、同R−FB
−3、同R−KB−3、同R−CK−20(以上、独
国、バイエル社製)、タイピュアR−900、同R−9
01、同R−931(以上、デュポン・ジャパン・リミ
テッド(株)製)、チタニックスJR−300、同JR
−600A、同JR−800、同JR−801(以上、
テイカ(株)製)などが挙げられる。これらは単独ある
いは複数混合して使用できる。酸化チタンの使用量は、
水性顔料インキ全量に対して3〜40重量%添加するこ
とが好ましい。筆跡の隠蔽力を好適に保つ点で3重量%
以上が好ましく、良好な経時安定性を保ち、筆記具用と
して使用した場合のインキ吐出に好適な粘度となす点で
40重量%以下が好ましい。
【0009】着色樹脂粒子は、インキの着色剤及びイン
キ中の固形分の平均比重を小さくし、顔料の色別れを防
止するために使用するものである。その製造方法は、樹
脂を製造する過程において又は出来上がった樹脂に対し
て染料で染着し、得られた着色塊状樹脂を粉砕する塊状
樹脂粉砕法や、水系又は非水系において乳化剤や安定剤
を使用し染料の存在下で重合するか、又は乳化重合物を
染料で染着する乳化重合法など、従来公知の方法で球状
及び破砕型の水不溶性の樹脂粒子を製造することができ
る。例えば、染料の担体となる合成樹脂の一例を挙げる
と、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のア
クリル系重合体、ポリスチレン等のビニル芳香族炭化水
素系重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、
スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリアセタール
樹脂などが挙げられる。着色する染料としては、酸性染
料、塩基性染料、油溶性染料、分散染料、反応性染料な
どが挙げられる。着色樹脂粒子の一例を挙げると、水性
分散タイプとして、ルミコールNKW−2101(赤橙
色、色調、以下同じ)、同NKW−2103(赤色)、
同NKW−2104(橙色)、同NKW−2105(黄
色)、同NKW−2106(黄橙色)、同NKW−21
17(桃色)、同NKW−2127(ローズ)、同NK
W−2137(ルビン)、同NKW−2167(紫
色)、NKW−3002(緑色)、同NKW−3003
(赤色)、同NKW−3004(橙色)、同NKW−3
005(黄色)、同NKW−3007(桃色)、同NK
W−3077(紫色)、同NKW−3602(緑色)、
同NKW−3604(橙色)、同NKW−3605(黄
色)、同NKW−3607(桃色)、同NKW−367
7(紫色)(以上、日本蛍光化学(株)製)、SW−1
1(レッドオレンジ)、SW−12(グリーン)、SW
−13(レッド)、SW−14(オレンジ)、SW−1
5(レモンイエロー)、SW−16(オレンジイエロ
ー)、SW−17(ピンク)、SW−07(セリー
ズ)、SW−27(ローズ)、SW−37(ルビン)、
SW−47(バイオレット)(以上、シンロイヒ(株)
製)などが挙げられる。これらは単独あるいは複数混合
して使用できる。着色樹脂粒子の使用量は水性顔料イン
キ全量に対して1〜40重量%添加することが好まし
い。筆跡の濃度を好適に保つ点で1重量%以上が好まし
く、筆記具用として使用した場合のインキ吐出に好適な
粘度となす点で40重量%以下が好ましい。
【0010】アルミノケイ酸塩は、保護コロイド作用に
より酸化チタンの沈降を極力抑え、かつ、沈降物のハー
ドケーキ化を防止するために使用するものである。その
一般式は、xM2O ・yAl23・zSiO2 ・nH2
O (n=0を含む、またM2Oは1種あるいは2種以上
の金属酸化物を示す)で表される。アルミノケイ酸塩の
使用量は、水性顔料インキ全量に対して0.5〜20重
量%添加することが好ましい。沈降物のハードケーキ防
止の効果を好適に保つ点で0.5重量%以上が好まし
く、筆記具用として使用した場合のインキ吐出に好適な
粘度となす点で20重量%以下が好ましい。
【0011】水溶性樹脂は、酸化チタンの分散剤及びイ
ンキの塗膜を紙面又は非吸収面に定着させるために使用
するものである。具体的には、アラビアゴム、トラガカ
ントゴム、デキストラン、加工でん粉、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース等の天然又は半合成水溶性高分子
や、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニ
ルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、水溶性アクリ
ル樹脂、水溶性スチレン−アクリル樹脂などの合成水溶
性高分子や、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、ビニル樹
脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、マレイン酸樹
脂、ウレタン樹脂などの水分散性エマルジョン等が挙げ
られる。これらは単独あるいは複数混合して使用でき
る。水溶性樹脂の使用量は、水性顔料インキ全量に対し
て1〜20重量%添加することが好ましい。筆跡の定着
力を好適に保つ点で1重量%以上が好ましく、筆記具用
として使用した場合のインキ吐出に好適な粘度となす点
で20重量%以下が好ましい。
【0012】水に溶解する無機塩は、水性顔料インキ中
において嵩が大きく弱いネットワーク凝集体を形成し、
再分散性を向上するために使用するものである。種々あ
る無機塩の中でも本発明で使用する無機塩は、硼酸やケ
イ酸、炭酸などの、それぞれ硼素、ケイ素、炭素などを
中心原子とする非常に弱い酸素酸とナトリウムとの塩及
び塩鉱物であり、水溶液中でアルカリ性を示し、かつ容
易に縮合生成物を作る無機塩が好適である。具体的に
は、硼砂、硼酸ナトリウム、水ガラス、炭酸ナトリウム
等が挙げられる。これらは単独あるいは複数混合して使
用でき、その使用量は再分散性向上の効果を好適に保つ
点で水性顔料インキ全量に対して0.1〜1重量%添加
することが好ましい。
【0013】界面活性剤は、酸化チタンや着色樹脂粒子
の濡れや分散性を向上するもので、使用する顔料粒子の
表面状態に合わせて公知の各種界面活性剤を選択し使用
することができる。具体的には、アニオン系界面活性剤
として、デモールEP、ホモゲノールL−18、ポイズ
520、同530(以上、花王(株)製)などのポリカ
ルボン酸型界面活性剤や、デモールN(花王(株)製)
などのナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合物型界面
活性剤などがあり、ノニオン系界面活性剤としては、サ
ーフィノールTG、同104E(以上、日信化学工業
(株)製)などのアセチレングリコール型活性剤や、ペ
グノールO−6(東邦化学工業(株)製)、ノイゲンE
T(第一工業製薬(株)製)などのポリオキシエチレン
アルキルエーテル型界面活性剤や、ノナール210、同
212(以上、東邦化学工業(株)製)などのポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル型界面活性剤など
が挙げられる。これらは単独あるいは複数混合して使用
でき、その使用量は水性顔料インキ全量に対して0.0
1〜1重量%添加することが好ましい。
【0014】水は主溶剤として使用するもので、その使
用量は水性顔料インキ全量に対して20〜60重量%添
加することが好ましい。
【0015】また、上記必須成分以外でも必要に応じ
て、水性顔料インキに使用されている種々の添加剤を適
宜選択して使用することができる。例えば、ペン先での
インキ乾燥防止、低温時のインキの凍結防止などの目的
で、水溶性有機溶剤を使用することができる。具体的に
は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジエ
チレングリコール、グリセリン等の水溶性有機溶剤や、
エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレン
グリコール低級アルキルエーテル等のグリコールエーテ
ル系溶剤や、酢酸エチル、乳酸エチル等のエステル系溶
剤などが挙げられる。
【0016】その他、エチルアルコール、イソプロピル
アルコール等の筆跡乾燥促進剤や、ベンゾトリアゾー
ル、エチレンジアミン四酢酸塩などの防錆剤や、尿素、
エチレン尿素などの湿潤剤や、ベンゾチアゾリン系、オ
マジン系などの防腐剤や、シリコ−ン系界面活性剤など
の消泡剤や、フッ素系界面活性剤などのレベリング剤な
ど、種々の添加剤を適宜選択して使用することができ
る。
【0017】本発明の水性顔料インキを製造するに際し
ては、従来知られている種々の方法が採用できる。例え
ば上記各成分を配合し、これをターボミキサーやヘンシ
ェルミキサー、ホモミキサー等の攪拌機により攪拌混合
したり、ボールミルやアトライター、サンドグラインサ
ー、スピードラインミル、三本ロールミル等の分散機に
より均一に混合分散することによって容易に得られる。
また、酸化チタンとアルミノケイ酸塩は、前もってボー
ルミルやヘンシェルミキサーにより十分乾式混合を行う
と、より経時分散性の良い水性顔料インキが得られる。
【0018】
【作用】一般に、極性物質である酸化チタンは、水など
の極性の高い溶媒との親和性が高く、水性顔料インキに
使用した場合の分散安定性は良いといわれている。しか
し、筆記具用として粘度の低い水性顔料インキに使用し
た場合、酸化チタンはその比重の大きさから沈降速度が
速くなり、長期間の経時でインキ収容室底部に堆積して
しまう。その上、沈降を防止する目的で各種分散機を使
用して機械的に分散された微粒子は、単位面積当たりの
他物質を吸着する能力が増加するために、粒子間の凝集
が頻繁に行われる。その結果、酸化チタンは密に堆積
し、強い機械的な力でないと再分散できないハードケー
キを形成するという問題がある。そこで、酸化チタンの
ハードケーキ化を防止するには、微粒子の凝集能力を低
下させるような保護コロイド作用を持つ物質の添加が必
要である。アルミノケイ酸塩は、イオン結晶として三次
元的な網状構造の骨格をつくり、そのすきまに金属陽イ
オンが入っている巨大イオンであるという特異な構造を
有している。これを酸化チタンと併用した場合、酸化チ
タンの表面に付着することで複合体を形成し、その複合
体は水中において安定に分散する作用を持つ。更に、保
護コロイドとして酸化チタンどうしの接触面積を小さく
することから、密に堆積して凝集することを防止する。
したがって、酸化チタンは長期間の経時後でもハードケ
ーキを作らずに、簡単な攪拌により容易に再分散するこ
とができるソフトケーキになるものと思われる。他方、
酸化チタンと有彩色顔料との間の比重差から発生する顔
料の色別れは、上記、酸化チタン及びアルミノケイ酸塩
を併用した水性顔料インキに、水に溶解する無機塩及び
着色樹脂粒子の添加により防止することができる。本発
明で使用する無機塩は、酸化チタンとアルミノケイ酸塩
との複合体に付着しやすく、それにより複合体間に橋掛
け凝集が生起し、嵩が大きく弱いネットワーク凝集体で
あるフロキュレーション構造を形成する。その構造は経
時初期に分散系全体に広がるので、重力による酸化チタ
ンの沈降に抵抗し、ある程度以上は沈降が進行しなくな
る。また、比重の小さい着色樹脂粒子は、溶媒中に均一
に分散されると共に、隙間の多い酸化チタンの凝集体の
中に取り込まれるように分散されるので、経時における
酸化チタン層と有彩色顔料層への分離を抑制できる。更
に、筆記具使用時の攪拌における再分散では、界面活性
剤が凝集体内部及び酸化チタン粒子間に速やかに浸透
し、その表面を濡らすために、簡単な攪拌だけでインキ
中の顔料濃度を一様にし、均一な濃度の筆跡を得ること
ができると推測される。
【0019】
【実施例】以下、実施例により更に詳細に説明する。 実施例1 バイエルチタンR−FD−1(酸化チタン、バイエル社製)30.0重量部 ルミコールNKW−3677(紫色着色樹脂粒子、固形分34重量部、日本蛍 光化学(株)製) 20.0重量部 アルミノケイ酸塩(各成分の含有量は、Na2O :8重量%、Al23:10 重量%、SiO2 :82重量%) 6.0重量部 SR−131(水溶性アクリル樹脂、固形分25重量部、互応化学工業(株) 製) 23.0重量部 硼砂(無機塩) 0.5重量部 デモールEP(ポリカルボン酸型界面活性剤、花王(株)製)0.2重量部 プロクセルGXL(防腐剤、ゼネカ(株)製) 0.3重量部 水 20.0重量部 上記各成分中、ルミコールNKW−3677以外の各成
分を混合し、ボールミルにより24時間分散処理を行っ
た後、ルミコールNKW−3677を加えて1時間攪拌
を行うことにより、パステル調の水性顔料紫色インキを
得た。
【0020】 実施例2 タイピュアR−900(酸化チタン、デュポン・ジャパン・リミテッド社製) 35.0重量部 ルミコールNKW−2104(橙色着色樹脂粒子、固形分54重量部、日本蛍 光化学(株)製) 15.0重量部 アルミノケイ酸塩(各成分の含有量は、Na2O :7.7重量%、Al23: 6.4重量%、SiO2 :85.9重量%) 9.0重量部 ジョンクリル62(水溶性スチレン−アクリル樹脂、固形分34重量部、ジョ ンソンポリマー(株)製) 10.0重量部 硼砂(上述) 0.8重量部 ポイズ530(ポリカルボン酸型界面活性剤、花王(株)製)0.2重量部 プロクセルGXL(上述) 0.3重量部 水 29.7重量部 上記各成分中、ルミコールNKW−2104以外の各成
分を混合し、ボールミルにより24時間分散処理を行っ
た後、ルミコールNKW−2104を加えて1時間攪拌
を行うことにより、パステル調の水性顔料橙色インキを
得た。
【0021】 実施例3 クロノスKR−380(酸化チタン、チタン工業(株)製)25.0重量部 SW−12(緑色着色樹脂粒子、水性分散タイプ、シンロイヒ(株)製) 30.0重量部 アルミノケイ酸塩(各成分の含有量は、Na2O :7.7重量%、Al23: 6.4重量%、SiO2 :85.9重量%) 15.0重量部 クラレポバールPVA203(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製) 5.0重量部 炭酸ナトリウム(無機塩) 0.2重量部 ノナール212(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型界面活性剤 、東邦化学工業(株)製) 0.1重量部 プロクセルGXL(上述) 0.3重量部 エチレングリコール(乾燥防止剤) 3.0重量部 水 21.4重量部 上記各成分中、SW−12以外の各成分を混合し、ボー
ルミルにより24時間分散処理を行った後、SW−12
を加えて1時間攪拌を行うことにより、パステル調の水
性顔料緑色インキを得た。
【0022】比較例1 実施例1においてアルミノケイ酸塩を除き、その量だけ
バイエルチタンR−FD−1を加えた他は、実施例1と
同様になして水性顔料紫色インキを得た。
【0023】比較例2 実施例2においてアルミノケイ酸塩を除き、その量だけ
トクシールU(二酸化ケイ素粉末、(株)トクヤマ製)
を加えた他は、実施例2と同様になして水性顔料橙色イ
ンキを得た。
【0024】比較例3 実施例3においてクロノスKR−380及び水を除き、
その量だけトレパールBP−B3000(エポキシ系白
色樹脂粒子、30重量%水分散液、東レ(株)製)を加
えた他は、実施例3と同様になして水性緑色顔料インキ
を得た。
【0025】上記、実施例1〜3、比較例1〜3で得た
筆記具用水性顔料インキについて、隠蔽力試験、色別れ
試験及び再分散性試験を行なった。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】隠蔽力試験 JIS S6055(事務用顔料組成物)にて規定され
た隠蔽率試験に従い、水性顔料インキを隠蔽率試験紙に
50μmのフィルムアプリケーターを使用して塗布し乾
燥した後、SMカラーコンピューター(MODEL、S
M−4、スガ試験機(株)製)にて隠蔽率(単位%)を
測定した。その数値が大きいほど顔料の隠蔽力が大きい
と評価される。
【0028】色別れ試験 水性顔料インキを栓付きの試験管(15mm径)に10
cc入れて自然放置し、1ヶ月後に沈降物の容積がイン
キ全容積に占める割合(単位%)を算出した。その数値
が大きいほど顔料の色別れが少ないと評価される。
【0029】再分散性試験 水性顔料インキを繊維芯のペン先を使用した筆記具(ピ
グメントマーカー、ぺんてる(株)製)に8cc充填
し、攪拌ボール(ステンレスボール、6.4mm径)を
2個入れて上向けにして3ヶ月放置後、該マーカーを上
下に降り、攪拌ボールが動くまでの振った回数を測定し
た。その数値が小さいほど再分散性が良いと評価され
る。
【0030】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係る筆記具用水性顔料インキは、筆跡の隠蔽力が高いパ
ステル調の筆跡を与えると共に、経時的に顔料の色別れ
が少なく、ハードケーキを作らないという特長を有する
ものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化チタンと、着色樹脂粒子と、アルミ
    ノケイ酸塩と、水溶性樹脂と、水に溶解する無機塩と、
    界面活性剤と、水とを少なくとも含むことを特徴とする
    筆記具用水性顔料インキ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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