JP2000129187A - マーキングペン用水性顔料インキ - Google Patents

マーキングペン用水性顔料インキ

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JP2000129187A
JP2000129187A JP32150698A JP32150698A JP2000129187A JP 2000129187 A JP2000129187 A JP 2000129187A JP 32150698 A JP32150698 A JP 32150698A JP 32150698 A JP32150698 A JP 32150698A JP 2000129187 A JP2000129187 A JP 2000129187A
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oil absorption
pigment
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JP32150698A
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Naoharu Nakatani
直治 中谷
Tomohisa Nishimoto
智久 西本
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Pentel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吐出性が良好で隠蔽力が高い白色又はパステ
ル調色の筆跡を与えると共に、経時において顔料が沈降
しても攪拌による再分散が容易であるマーキングペン用
水性顔料インキを提供すること。 【解決手段】 吸油量が10〜25(g/100g)の
酸化チタンと、吸油量が30〜45(g/100g)の
酸化チタンと、分散剤と、水とを少なくとも含み、粘度
が5〜100mPa・s(25℃)であるマーキングペ
ン用水性顔料インキ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、毛細管現象による
インキ流通路をもつペン先を使用するマーキングペンに
好適な水性顔料インキに関する。更に詳細には、経時に
おいて顔料が沈降しても攪拌による再分散が容易で、隠
蔽力の高い白色又はパステル調色の筆跡を与えるマーキ
ングペン用水性顔料インキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、水性顔料インキは、そのイン
キ塗膜に不透明性を与えるための隠蔽剤として、屈折率
の大きい白色無機顔料である酸化チタンを主に使用して
いる。この酸化チタン、又は、酸化チタンと有彩色顔料
とを併用した顔料を着色剤として使用した水性顔料イン
キは、下地を隠蔽し重ね塗りができる白色又はパステル
調色のインキ塗膜(筆跡、塗布跡などを示す。以下同
様。)が得られることから、近年注目されている。
【0003】しかし、酸化チタンを使用した水性顔料イ
ンキにおいて、比重の大きな酸化チタンは時間の経過に
伴って沈降しやすい。そして、ついにはインキ収容室底
部に堆積し、ハードケーキを形成するという難点があっ
た。因みに、ハードケーキとは、沈降した沈殿の硬度が
高く、容易には再分散しないような状態になった沈殿を
示す。そこで、これまで酸化チタンの沈降を防止するた
めに、種々の検討がなされている。例えば、ボールミル
やサンドグラインダー等の各種分散機を使用して酸化チ
タンを微粒子まで分散させ、インキ中における酸化チタ
ン微粒子のブラウン運動により沈降を防止する方法や、
各種界面活性剤や水溶性樹脂などの分散剤の使用により
分散剤を酸化チタン表面に吸着させ、その立体障害斥力
により分散を安定化する方法が提案されている。具体例
を挙げれば以下の通りである。特公昭55−35434
号公報には、親水性部分と親油性部分を併有するアクリ
ル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルを主成分とす
る重合体を顔料の分散剤とする方法が記載されている。
また、特公平1−49433号公報には、親水性微粉末
二酸化ケイ素、及び、シリコーン系界面活性剤又はフッ
素系界面活性剤を併用して顔料の分散剤とする方法が記
載されている。その他には、インキの高粘度化により顔
料の動きを少なくすることにより、酸化チタンの沈降を
防止する方法などが試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、酸化チタン
を使用した水性顔料インキをマーキングペンに充填して
使用する場合、酸化チタンの沈降現象を考慮して設計す
る必要がある。例えば、インキ収容室内に金属球などの
攪拌部材を内蔵させ、使用時に筆記具を上下に振ること
により攪拌力を発生させ、沈降した酸化チタンを再分散
させてから使用することが行われている。これにより、
インキ中の顔料濃度を一様にし、均一な濃度の筆跡を得
ることができる。
【0005】しかしながら、上記、酸化チタンの微細化
や分散剤の使用により沈降の防止を試みた水性顔料イン
キは、初期の分散性は良好なものの、沈降の速度を遅ら
せるにとどまり、長期間の経時ではインキ収容室底部に
堆積した酸化チタンが再分散不可能なハードケーキを形
成してしまうという問題があった。マーキングペンにお
けるハードケーキの生成は、ケーキの抵抗によって攪拌
効果を著しく低下させ、インキ中の顔料濃度の低下によ
り初期の隠蔽力が失われてしまう。また、沈降を防止す
るために水溶性高分子などで粘度を高くした水性顔料イ
ンキは、繊維を集束したペン先やプラスチック押し出し
成形によるペン先からのインキ吐出が悪く、毛細管現象
によるインキ流通路をもつペン先を使用するマーキング
ペンには適していないという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、吸油量が10
〜25(g/100g)の酸化チタンと、吸油量が30
〜45(g/100g)の酸化チタンと、分散剤と、水
とを少なくとも含み、粘度が5〜100mPa・s(2
5℃)であるマーキングペン用水性顔料インキを要旨と
する。
【0007】以下、詳細に説明する。酸化チタンは、吸
油量が10〜25(g/100g)の酸化チタンと、吸
油量が30〜45(g/100g)の酸化チタンとを併
用することが必要である。酸化チタンは、通常、その分
散性、耐光性を向上させるために、シリカ及び/または
アルミナ等で表面処理を行っており、その表面処理条件
により表面性状が変化する。例えば、表面処理により酸
化チタンの表面を多孔質にすると、比表面積が大きくな
り、吸油量が大きくなる。因みに、吸油量とは、酸化チ
タン2グラムをガラス板上に取り、煮あまに油を少量ず
つ滴下し、金属へらで良く混ぜ、煮あまに油と酸化チタ
ンとの混合物がパテ状となり成形性を持つまでの煮あま
に油の添加量を、酸化チタン100gとして換算した量
(グラム)である。吸油量が10〜25(g/100
g)の酸化チタンは、主要の着色剤及び隠蔽剤として使
用するものであり、ルチル型、アナターゼ型などの各種
の酸化チタンが使用できる。具体的には、タイトーンS
R−1(吸油量19〜21(g/100g))、同R−
650(吸油量20〜22(g/100g))、同R−
3L(吸油量21〜24(g/100g))、同R−5
N(19〜21(g/100g))(以上、堺化学工業
(株)製)、タイペークR−580(吸油量19(g/
100g))、同R−550(吸油量23(g/100
g))、同R−930(吸油量19(g/100
g))、同A−100(吸油量22g/100g))、
同A−220(吸油量21(g/100g))、同CR
−58(吸油量19(g/100g))(以上、石原産
業(株)製)、クロノスKR−310(吸油量17〜2
2(g/100g))、同KR−380(吸油量19〜
24(g/100g))、同KR−480(吸油量19
〜24(g/100g))(以上、チタン工業(株)
製)、タイピュアR−900(吸油量14(g/100
g))、同R−902(吸油量17(g/100g))
(以上、デュポン・ジャパン・リミテッド社製)、チタ
ニックスJR−300(吸油量18(g/100
g))、同JR−301(吸油量18g/100
g))、同JR−600A(吸油量18g/100
g))、同JR−701(吸油量20(g/100
g))(以上、テイカ(株)製)などが挙げられる。
【0008】吸油量が30〜45(g/100g)の酸
化チタンは、表面性状が多孔質であるため、ハードケー
キ化を防止するために使用するものである。具体的に
は、チタニックスJR−800(吸油量30(g/10
0g))、同JR−801(吸油量40(g/100
g))(以上、テイカ(株)製)、タイピュアR−93
1(吸油量32(g/100g))、同R−933(吸
油量36(g/100g))(以上、デュポン・ジャパ
ン・リミテッド社製)等が挙げられる。
【0009】上記、吸油量が10〜25(g/100
g)の酸化チタンと吸油量が30〜45(g/100
g)の酸化チタンは、両者を併用することによりマーキ
ングペン用水性顔料インキとして好適に使用できる。吸
油量が10〜25(g/100g)の酸化チタンだけを
着色剤とした場合、経時によりハードケーキを形成しや
すく、また、吸油量が30〜45(g/100g)の酸
化チタンだけを着色剤とした場合、好ましい隠蔽力を得
るために使用量を多くすると吐出性が悪くなる傾向にあ
る。上記2種類の酸化チタンを合わせた使用量は、水性
顔料インキ全量に対して2〜40重量%添加することが
好ましい。インキ塗膜の隠蔽力を好適に保つ点で2重量
%以上が好ましく、マーキングペン用として吐出性を好
適に保つ点で40重量%以下が好ましい。また、吸油量
が10〜25(g/100g)の酸化チタンと吸油量が
30〜45(g/100g)の酸化チタンとの比率(重
量%)は、50:50〜80:20であることが好まし
い。
【0010】分散剤は、酸化チタンや後述する有彩色顔
料の分散性を向上するもので、使用する顔料の種類に合
わせて公知の水溶性樹脂や各種界面活性剤などを選択し
使用することができる。水溶性樹脂としては、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽
和カルボン酸又はそのアルキルエステルや、スチレン、
アクリロニトリル、酢酸ビニル等のモノマー群より選択
して重合した合成高分子や、前記モノマー群より2種以
上を選択して共重合した合成高分子を、アルカリ金属
塩、アンモニウム塩、アミン塩の形態で使用するものな
どが挙げられる。また、各種界面活性剤としては、アニ
オン系界面活性剤として、デモールEP、ホモゲノール
L−18、ポイズ520、同530(以上、花王(株)
製)などのポリカルボン酸型界面活性剤や、デモールN
(花王(株)製)などのナフタレンスルフォン酸ホルマ
リン縮合物型界面活性剤などがあり、ノニオン系界面活
性剤として、サーフィノールTG、同104E(以上、
日信化学工業(株)製)などのアセチレングリコール型
活性剤や、ペグノールO−6(東邦化学工業(株)
製)、ノイゲンET(第一工業製薬(株)製)などのポ
リオキシエチレンアルキルエーテル型界面活性剤や、ノ
ナール210、同212(以上、東邦化学工業(株)
製)などのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル型界面活性剤などが挙げられる。これらの分散剤は、
単独あるいは複数混合して使用できる。その使用量は、
水性顔料インキ全量に対して1〜20重量%添加するこ
とが好ましい。顔料の分散性を好適に保つ点で1重量%
以上が好ましく、インキとしての流動性を好適に保つ点
で20重量%以下が好ましい。
【0011】水は主溶剤として使用するもので、その使
用量は水性顔料インキ全量に対して20〜60重量%添
加することが好ましい。
【0012】その他、上記必須成分以外でも必要に応じ
て、水性顔料インキに使用されている種々の添加剤を適
宜選択して使用することができる。例えば、樹脂粒子
は、インキ中の固形分の平均比重を小さくし、酸化チタ
ンの沈降を防止する。樹脂粒子の材質としてはポリエチ
レン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリメタクリレー
ト、ベンゾグアナミン、ナイロン、スチレン−アクリル
共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体などが
挙げられ、形状としては球状のもの、異形のものや中空
のもの等が挙げられる。また、樹脂粒子を染料などで着
色したものも使用でき、これは有彩色顔料の働きも兼ね
る。市販の樹脂粒子としては、エポスターS(メラミン
・ホルムアルデヒド縮合物、日本触媒化学工業(株)
製)、ナイロンSP500(ナイロン、東レ(株)
製)、LX407BP(スチレン−ブタジエン共重合
体)、LX407BP6(スチレン−ブタジエン)(以
上、日本ゼオン(株)製)、ルミコールNKW−210
9、同NKW−75(スチレン−アクリロニトリル共重
合体、日本蛍光(株)製)などが挙げられる。中空の樹
脂粒子としては、MH5055(スチレン−ブタジエン
共重合体、日本ゼオン(株)製)、SX863(A)、
SX864(B)、SX865(B)(以上、スチレン
−アクリル共重合体、日本合成ゴム(株)製)、ローペ
イクOP−62、同OP−84J、同HP−91(以
上、アクリル−スチレン共重合体、ローム・アンド・ハ
ース・ジャパン(株)製)、ケミパールW100、同W
200、同W300、同W400、同W500、同WF
640、同W308、同W700、同W950(以上、
ポリオレフィン、三井石油化学工業(株)製)などが挙
げられる。染料などで着色した樹脂粒子としては、SW
−11(レッド・オレンジ、色調、以下同じ)、SW−
12(グリーン)、SW−13(レッド)、SW−14
(オレンジ)、SW−15(レモン・イエロー)、SW
−16(オレンジ・イエロー)、SW−17(ピン
ク)、SW−27(ローズ)、SW−37(ルビン)、
SW−47(バイオレット)、SW−18(ブルー)
(以上、シンロイヒ(株)製)、ルミコールNKW−2
101(レッドオレンジ)、同NKW−2102(グリ
ーン)、同NKW−2103(レッド)、同NKW−2
104(オレンジ)、同NKW−2108(ブルー)、
同NKW−2117(ピンク)、同NKW−2127
(ローズ)、同NKW−2137(ルビン)、同NKW
−2167(バイオレット)(以上、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、日本蛍光化学(株)製)などが挙
げられる。上記、樹脂粒子は1種又は2種以上混合して
使用可能である。
【0013】有彩色顔料は、インキの着色剤として使用
するものである。具体的には、赤色酸化鉄、群青、紺
青、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モ
リブテートオレンジ等の無機顔料、C.I.ピグメント
レッド2、同3、同5、同17、同22、同38、同4
1、同48:2、同48:3、同49、同50:1、同
53:1、同57:1、同58:2、同60、同63:
1、同63:2:同64:1、同88、同112、同1
22、同123、同144、同146、同149、同1
66、同168、同170、同176、同177、同1
78、同179、同180、同185、同190、同1
94、同206、同207、同209、同216、同2
45、C.I.ピグメントオレンジ5、同10、同1
3、同16、同36、同40、同43、C.I.ピグメ
ントバイオレット19、同23、同31、同33、同3
6、同38、同50、C.I.ピグメントブルー2、同
15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:
4、同15:5、同15:8、同16、同17、同2
2、同25、同60、同66、C.I.ピグメントブラ
ウン25、同26、C.I.ピグメントイエロー1、同
3、同12、同13、同24、同74、同83、同9
3、同94、同95、同97、同98、同99、同10
8、同109、同110、同117、同120、同13
9、同153、同166、同167、同173、C.
I.ピグメントグリーン5、同7、同10、同36等の
有機顔料の他、蛍光顔料、雲母系顔料などが挙げられ
る。
【0014】また、顔料を水性媒体に分散した分散顔料
の水性インキ組成物ベースを使用することもできる。具
体的には、富士色素(株)製Fuji.SPシリーズ、
山陽色素(株)製Emacolシリーズ、Sandye
シリーズ、オリエント化学工業(株)製MicroPi
gmoシリーズ、MicroJetシリーズ、東洋イン
キ(株)製Rio.Fastシリーズ、EM・Colo
rシリーズ等の無機又は有機顔料の分散体や、日本蛍光
化学(株)製NKWシリーズ、東洋ソーダ(株)製コス
モカラーシリーズ、シンロイヒ(株)製シンロイヒ・カ
ラーベースシリーズ等の蛍光顔料の分散体が挙げられ
る。これらは単独あるいは複数混合して使用できる。有
彩色顔料の使用量は、水性顔料インキ全量に対して1〜
40重量%添加することが好ましい。インキの濃度を好
適に保つ点で1重量%以上が好ましく、インキとしての
流動性を好適に保つ点で40重量%以下が好ましい。
【0015】その他、ペン先でのインキ乾燥防止、低温
時のインキの凍結防止などの目的で、水溶性有機溶剤を
使用することができる。具体的には、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、チオジエチレングリコール、グ
リセリン等の水溶性有機溶剤や、エチレングリコールモ
ノフェニルエーテル、プロピレングリコール低級アルキ
ルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤や、酢酸エチ
ル、乳酸エチル等のエステル系溶剤などが挙げられる。
【0016】また、水溶性の粘度調整剤として、アラビ
アガム、トラガントガム、グァーガム、キサンタンガ
ム、デキストラン、加工でん粉、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロース等の天然又は半合成水溶性高分子や、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアク
リル酸、ポリエチレンオキサイド等の合成水溶性高分子
などを使用することができる。
【0017】その他、エチルアルコール、イソプロピル
アルコール等の筆跡乾燥促進剤や、ベンゾトリアゾー
ル、エチレンジアミン四酢酸塩などの防錆剤や、尿素、
エチレン尿素などの湿潤剤や、ベンゾチアゾリン系、オ
マジン系などの防腐剤や、シリコ−ン系界面活性剤など
の消泡剤や、フッ素系界面活性剤などのレベリング剤
や、酸、アルカリ等のpH調節剤など、種々の添加剤を
適宜選択して使用することができる。
【0018】本発明のマーキングペン用水性顔料インキ
は、その粘度が5〜100mPa・s(25℃)である
ことが必要である。これはマーキングペン用インキとし
て書きやすさに優れ、インキ吐出が良好であり、十分な
筆跡濃度を確保するためである。インキ粘度が5mPa
・sより低い場合、酸化チタンなどの固形分の添加量が
制限されるため、十分な筆跡濃度を確保できない。ま
た、インキ粘度が100mPa・sより高い場合、繊維
を集束したペン先やプラスチック押し出し成形によるペ
ン先からのインキ吐出性が悪く、マーキングペンには適
さない。
【0019】本発明のマーキングペン用水性顔料インキ
を製造するに際しては、従来知られている種々の方法が
採用できる。例えば上記各成分を配合し、これをターボ
ミキサーやヘンシェルミキサー、ホモミキサー等の攪拌
機により攪拌混合したり、ボールミルやアトライター、
サンドグラインダー、スピードラインミル、三本ロール
ミル等の分散機により均一に混合分散することによって
容易に得られる。
【0020】
【作用】一般に、極性物質である酸化チタンは、水など
の極性の高い溶媒との親和性が高く、水性顔料インキに
使用した場合の分散安定性は良いといわれている。しか
し、マーキングペン用として粘度の低い水性顔料インキ
に使用した場合、酸化チタンはその比重の大きさから沈
降速度が速く、長期間の経時でインキ収容室底部に堆積
してしまう。その結果、酸化チタンは密に堆積し、強い
機械的な力でないと再分散できないハードケーキを形成
するという問題がある。そこで、酸化チタンのハードケ
ーキ化を防止するには、酸化チタン粒子間において嵩が
大きく弱いネットワーク構造を形成させることが必要で
ある。通常、水性顔料インキの着色剤及び隠蔽剤として
使用している吸油量10〜25(g/100g)の酸化
チタンは、その表面性状から比表面積が小さいため、イ
ンキ中に溶存する樹脂や活性剤などの分散剤の吸着が少
なく、酸化チタン粒子同士が強く凝集し、ハードケーキ
が発生しやすい。一方、吸油量30〜45(g/100
g)の酸化チタンは、その表面性状が多孔質で比表面積
が大きいため、分散剤と吸着しやすく、酸化チタンと分
散剤による分散体は、嵩が大きく水中において安定に分
散する作用を持つ。しかし、この酸化チタンを着色剤と
してマーキングペン用水性顔料インキに使用する場合、
好ましい隠蔽力を得るために使用量を多くすると粘度が
高くなり、インキ吐出性が悪くなるという問題点があ
る。そこで、マーキングペン用として好ましい水性顔料
インキを得るためには、上記吸油量の異なる2種類の酸
化チタンを併用することが必要である。吸油量30〜4
5(g/100g)の酸化チタンが形成する分散体と、
吸油量10〜25(g/100g)の酸化チタンが形成
する分散体との間に、嵩が大きく弱いネットワーク構造
を形成する。これにより、酸化チタンは長期間の経時に
より沈降してもハードケーキを作らずに、簡単な攪拌に
より容易に再分散することができるソフトケーキになる
ものと思われる。また、隠蔽力を得るために使用量を多
くしても低粘度であり、良好な筆跡を得ることができ
る。さらに、樹脂粒子の添加は、ソフトケーキ形成の効
果を大きくする作用があると推測される。
【0021】
【実施例】以下、実施例により更に詳細に説明する。
尚、実施例中のインキ粘度は、B型粘度計((株)東京
計器製造所製、No.1ローター)を使用して、25℃
の条件において測定した。 実施例1 チタニックスJR−300(酸化チタン、吸油量18(g/100g)、テイ カ(株)製) 29.0重量部 チタニックスJR−800(酸化チタン、吸油量30(g/100g)、テイ カ(株)製) 10.0重量部 SR−131(水溶性アクリル樹脂、固形分25重量%、互応化学工業(株) 製) 25.0重量部 プロクセルGXL(防腐剤、ゼネカ(株)製) 0.3重量部 エチレングリコール(乾燥防止剤) 5.0重量部 水 30.7重量部 上記の各成分を混合し、ボールミルにより24時間分散
処理を行うことにより、粘度42.5mPa・sのマー
キングペン用水性顔料白色インキを得た。
【0022】 実施例2 チタニックスJR−300(上述) 24.2重量部 チタニックスJR−800(上述) 10.0重量部 SR−131(上述) 25.0重量部 プロクセルGXL(上述) 0.3重量部 SX865(B)(中空樹脂粒子、固形分40重量%、日本合成ゴム(株)製 ) 12.0重量部 エチレングリコール(上述) 5.0重量部 水 23.5重量部 上記の各成分を混合し、ボールミルにより24時間分散
処理を行うことにより、粘度45.2mPa・sのマー
キングペン用水性顔料白色インキを得た。
【0023】 実施例3 チタニックスJR−300(上述) 24.2重量部 チタニックスJR−800(上述) 10.0重量部 SR−131(上述) 25.0重量部 プロクセルGXL(上述) 0.3重量部 FUJI SP GREEN 7051(C.I.ピグメントグリーン7の水 性分散組成物、顔料分31重量%、冨士色素(株)製) 15.5重量部 エチレングリコール(上述) 5.0重量部 水 20.0重量部 上記の各成分を混合し、ボールミルにより24時間分散
処理を行うことにより、粘度35.8mPa・sでパス
テル調のマーキングペン用水性顔料緑色インキを得た。
【0024】 実施例4 チタニックスJR−300(上述) 29.0重量部 チタニックスJR−801(酸化チタン、吸油量40(g/100g)、テイ カ(株)製) 10.0重量部 SR−131(上述) 25.0重量部 プロクセルGXL(上述) 0.3重量部 エチレングリコール(上述) 5.0重量部 水 30.7重量部 上記の各成分を混合し、ボールミルにより24時間分散
処理を行うことにより、粘度48.2mPa・sのマー
キングペン用水性顔料白色インキを得た。
【0025】 実施例5 タイペークA−100(酸化チタン、吸油量22(g/100g)、石原産業 (株)製) 20.2重量部 チタニックスJR−800(上述) 8.3重量部 ジョンクリル61J(スチレン・アクリル酸共重合物のアンモニウム塩、固形 分30.5重量%、ジョンソンポリマー(株)製) 20.8重量部 プロクセルGXL(上述) 0.3重量部 NKW−2102(着色樹脂粒子、固形分54重量%、日本蛍光化学(株)製 ) 12.9重量部 エチレングリコール(上述) 4.2重量部 水 33.3重量部 上記の各成分を混合し、ボールミルにより24時間分散
処理を行うことにより、粘度8.5mPa・sでパステ
ル調のマーキングペン用水性顔料緑色インキを得た。
【0026】 実施例6 タイピュアR−900(酸化チタン、吸油量15(g/100g)、デュポン ・ジャパン・リミテッド社製) 29.0重量部 チタニックスJR−800(上述) 10.0重量部 ジョンクリル62(スチレン・αメチルスチレン・アクリル酸共重合物のアン モニウム塩、固形分34重量%、ジョンソンポリマー(株)製) 24.7重量部 ポイズ530(アニオン系界面活性剤、花王(株)製) 0.3重量部 プロクセルGXL(上述) 0.3重量部 PVA203(ポリビニルアルコール、(株)クラレ製) 1.5重量部 エチレングリコール(上述) 5.0重量部 水 29.2重量部 上記の各成分を混合し、ボールミルにより24時間分散
処理を行うことにより、粘度87.0mPa・sのマー
キングペン用水性顔料白色インキを得た。
【0027】比較例1 実施例1においてチタニックスJR−800を除き、そ
の量だけチタニックスJR−300を加えた他は、実施
例1と同様になして粘度35.5mPa・sのマーキン
グペン用水性顔料白色インキを得た。
【0028】比較例2 実施例6においてPVA203の1.5重量部を3.0
重量部にし、水を27.7重量部にした他は実施例6と
同様になして、粘度133mPa・sのマーキングペン
用水性顔料白色インキを得た。
【0029】比較例3 実施例1においてチタニックスJR−800を除き、そ
の量だけタイペークR−550(酸化チタン、吸油量2
3(g/100g)石原産業(株)製)を加えた他は、
実施例1と同様になして粘度34.2mPa・sのマー
キングペン用水性顔料白色インキを得た。
【0030】上記、実施例1〜6、比較例1〜3で得た
マーキングペン用水性顔料インキについて、隠蔽力試
験、色別れ試験、再分散性試験、吐出性試験を行った。
結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】隠蔽力試験 JIS S6055(事務用顔料組成物)にて規定され
た隠蔽率試験に従い、水性顔料インキを隠蔽率試験紙に
50μmのフィルムアプリケーターを使用して塗布し乾
燥した後、SMカラーコンピューター(MODEL、S
M−4、スガ試験機(株)製)にて隠蔽率(単位%)を
測定した。その数値が大きいほど顔料の隠蔽力が大きい
と評価される。
【0033】再分散性試験 水性顔料インキを繊維芯のペン先を使用したマーキング
ペン(ピグメントマーカー、ぺんてる(株)製)に8c
c充填し、攪拌ボール(ステンレスボール、6.4mm
径)を2個入れて製品を作成する。次に、ペン先を上向
けにして3ヶ月放置後、該マーキングペンを上下に降
り、攪拌ボールが動くまでの振った回数を測定した。そ
の数値が小さいほど再分散性が良いと評価される。
【0034】吐出性試験 上記、再分散性試験において作成した製品を用いて、上
質紙に手書きで螺旋筆記し、筆跡を目視評価した。 評価 ○:カスレのない良好な筆跡が得られた。 △:一部カスレあり ×:筆記不能
【0035】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係るマーキングペン用水性顔料インキは、吐出性が良好
で隠蔽力が高い白色又はパステル調色の筆跡を与えると
共に、経時において顔料が沈降しても攪拌による再分散
が容易であるという特長を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J039 AD01 AD03 AD05 AD08 AD09 AD10 AD11 AD14 AE03 AE08 BA13 BA23 BA35 BA36 BA37 BA38 BC09 BC13 BC27 BC28 BC66 BC79 BD02 BD03 BE01 BE22 CA06 EA18 EA21 EA44 GA26

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸油量が10〜25(g/100g)の
    酸化チタンと、吸油量が30〜45(g/100g)の
    酸化チタンと、分散剤と、水とを少なくとも含み、粘度
    が5〜100mPa・s(25℃)であるマーキングペ
    ン用水性顔料インキ。
  2. 【請求項2】 更に、樹脂粒子を含む請求項1のマーキ
    ングペン用水性顔料インキ。
  3. 【請求項3】 更に、有彩色顔料を含む請求項1又は2
    に記載のマーキングペン用水性顔料インキ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002302628A (ja) * 2001-04-06 2002-10-18 Mitsubishi Pencil Co Ltd 光輝性水性インキ組成物
JP2016104842A (ja) * 2014-12-01 2016-06-09 サカタインクス株式会社 グラビア白色インキ組成物

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