JPH1121464A - 可逆的熱変色性を有する成形用樹脂組成物及びそれを用いた成形体 - Google Patents

可逆的熱変色性を有する成形用樹脂組成物及びそれを用いた成形体

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Publication number
JPH1121464A
JPH1121464A JP20701497A JP20701497A JPH1121464A JP H1121464 A JPH1121464 A JP H1121464A JP 20701497 A JP20701497 A JP 20701497A JP 20701497 A JP20701497 A JP 20701497A JP H1121464 A JPH1121464 A JP H1121464A
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JP
Japan
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reversible thermochromic
molding
electron
resin composition
weight
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Pending
Application number
JP20701497A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Fujita
勝幸 藤田
Yoshiaki Ono
義明 小野
Yutaka Shibahashi
裕 柴橋
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Pilot Ink Co Ltd
Original Assignee
Pilot Ink Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1121464A publication Critical patent/JPH1121464A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特別の耐光性付与剤を配合することにより発
色時の耐光性を向上させた可逆的熱変色性成形用樹脂組
成物とこれを用いて成形した成形体を提供する。 【解決手段】 a.電子供与化合物と、b.電子受容化
合物と、c.変色温度調整剤と、d.つぎの一般式Iで
示され、a.の電子供与化合物1.0重量部に対し0.
3〜70重量部の使用割合の電子受容性を有する耐光性
付与剤と一般式I 【化1】 {式中、n=5〜17(直鎖及び分岐)、X=C〜C
(直鎖及び分岐)、ハロゲン、Y=C〜C(直鎖
及び分岐)、ハロゲン、p=0〜3、m=0〜3であ
る。}e.成形用樹脂と、からなる、発色時の耐光性を
向上した可逆的熱変色性を有する成形用樹脂組成物とこ
れを用いて成形した成形体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特別の電子受容性を
有する耐光性付与剤を存在させることにより発色時の耐
光性を向上させた可逆的熱変色性成形用樹脂組成物と成
形体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子供与性化合物と電子受容性化合物を
組み合わせた熱変色性組成物は例えば米国特許第3,5
60,229号明細書に示されるように公知である。こ
の組成物は組み合わせた両化合物の種類により変色温度
が定まるため、所望の温度で変色する組成物を得ること
が非常に困難であった。本発明者はこの問題を特定のア
ルコールやエステル、ケトンを変色温度調整剤として使
用し変色温度を所望の温度に調整する発明を提供した
(特公昭51−44706号、特公昭51−44708
号、特公昭51−35216号、特公昭51−3718
0号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者が前に提供し
た発明は同一の電子供与性化合物と電子受容性化合物の
組み合わせであっても変色温度を所望の温度に調節する
ことができる等の点で画期的な発明である。しかしなが
らこれ等の電子供与性化合物と電子受容性化合物を組み
合わせた発明は電子供与性化合物の耐光性が大きくない
ためこれを用いた熱変色性組成物も耐光性が大きくない
欠点がある。そのため変色した色が光により薄くなった
り甚だしいときは完全に脱色する場合もある。従来化合
物に耐光性を付与するために紫外線吸収剤を配合するこ
とが行われているが、電子供与性化合物と電子受容性化
合物からなる熱変色性組成物に紫外線吸収剤を配合する
と消色状態では耐光性が向上するが発色状態ではほとん
ど効果がなく、特に間接光に対しては全く効果がない。
また金属光沢顔料と紫外線吸収剤を併用して可視光線の
一部も遮断すると消色状態の耐光性は飛躍的に改良され
るが発色状態では効果は小さく、特に間接光に対しては
効果がない。この他ヒンダードアミン系、ヒンダードフ
ェノール系、イオウ系、ニッケル錯塩系等の光安定剤は
消色状態でも発色状態でもほとんど効果はない。本発明
者はこのような問題を解決するため、特別な耐光性付与
剤を用いて発色時の耐光性を向上する方法の発明を出願
した。(特願平7−354711) 本発明は発色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性を有
する成形用樹脂組成物及びこれを用いた成形体を提供す
るものである。長期間の可逆的熱変色性を要求される成
形用樹脂組成物及びこれを用いた成形体には耐光性は非
常に重要な性能である。
【0004】
【課題を解決した手段】本発明は、 「1. a.電子供与化合物と、 b.電子受容化合物と、 c.変色温度調整剤と、 d.つぎの一般式Iで示され、a.の電子供与化合物
1.0重量部に対し0.3〜70重量部の使用割合の電
子受容性を有する耐光性付与剤と一般式I
【0005】
【化2】
【0006】{式中、n=5〜17(直鎖及び分岐)、
X=C〜C(直鎖及び分岐)、ハロゲン、Y=C
〜C(直鎖及び分岐)、ハロゲン、p=0〜3、m=
0〜3である。} e.成形用樹脂と、からなる、発色時の耐光性を向上し
た可逆的熱変色性を有する成形用樹脂組成物。 2. d.の電子受容性を有する耐光性付与剤を、 b.の電子受容体に兼用した、1項に記載された発色時
の耐光性を向上した可逆的熱変色性を有する成形用樹脂
組成物。 3. a.〜d.成分をマイクロカプセルに内蔵した、
1項または2項に記載された発色時の耐光性を向上した
可逆的熱変色性を有する成形用樹脂組成物。 4. e.成分が熱可塑性樹脂である、1項ないし3項
のいずれか1項に記載された発色時の耐光性を向上した
可逆的熱変色性を有する成形用樹脂組成物。 5. 1項ないし4項のいずれか1項に記載された成形
用樹脂組成物を用いて成形した、発色時の耐光性を向上
した可逆的熱変色性を有する成形体。 6. 前記成形体がフィラメントである、5項に記載さ
れた発色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性を有する
成形体。 7. 前記成形体がフイルムである、5項に記載された
発色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性を有する成形
体。」に関する。
【0007】本発明は、電子供与性化合物と電子受容性
化合物と変色温度調整剤と成形用樹脂とからなる可逆的
熱変色性成形用樹脂組成物において、前述の一般式Iで
示される、耐光性付与剤を電子供与性化合物1.0重量
部に対して0.3〜70重量部組成物中に存在させるこ
とにより発色時の耐光性を向上させた成形用樹脂組成物
である。耐光性付与剤の使用量は電子供与性化合物1.
0重量部に対し2.0〜7.0重量部が特に好ましい。
電子供与性化合物の代表としてロイコ染料があるが、電
子供与性化合物は電子を供与した状態つまりロイコ染料
で説明すると発色状態になるとイオン化されイオン状態
となる。このようにイオン化された状態になると耐光性
が低下し、光により電子供与性能が低下し可逆的熱変色
性が劣化することがわかった。この発色状態における耐
光性の低下は意外にも可視光線により発生するところが
大きい。特に間接光によって耐光性の低下は発生する。
消色状態はイオン化されてなく、無色の分子状態である
ため、可視光線の影響はほとんどない。
【0008】耐光性を向上するために使用されている、
紫外線吸収剤、金属光沢顔料、酸化防止剤、老化防止剤
等はロイコ染料の消色状態の耐光性向上には効果がある
が、発色状態では効果が非常に小さい。従来使用されて
いるこのような耐光性配合剤は、分子状態にある物質の
耐光性を向上する作用はある。通常光を受ける可能性の
ある所で使用されている物質は分子状態にあるものがほ
とんどであって、イオン状態で使用されるものは稀であ
り、紫外線吸収剤等で充分効果があった。
【0009】ところが、本発明の可逆的熱変色性を有す
る成形用樹脂組成物は特殊な技術に属し、電子を供与し
た物質はイオン状態となりこの状態で組成物は発色す
る。そして消色状態では分子状態となっており、分子状
態では無色で可視光線を吸収しないため、紫外線のカッ
トだけで、十分な耐光性向上効果がある。一方、イオン
状態では、着色しているため、紫外線のカットだけでは
不十分であり、更に可視光線のカットも必要である。
【0010】本発明の可逆的熱変色性を有する成形用樹
脂組成物の発色状態と消色状態について説明する。本発
明での可逆的熱変色性を有する成形用樹脂組成物のa.
成分、b.成分、c.成分は実際に取扱う状態ではイオ
ン化合物ではなく、全て分子状化合物である。これ等の
成分が均一に混合された可逆的熱変色性を有する成形用
樹脂組成物において、変色温度以下になるとa.成分と
b.成分がイオン化して結合し発色状態となる。逆に変
色温度以上になるとa.成分とb,成分のイオン的結合
が消滅して、a.成分とb.成分は互いに独立して分子
状化合物になり消色する。b.成分のフェノール性水酸
基はc.成分の変色温度調整剤に溶解することにより溶
媒和してc.成分との親和力が強くなる。また変色過渡
期においてはa.成分とb.成分はイオン化状態と分子
状態の中間状態となり、ある程度イオン化された状態で
弱いイオン的結合をしていると考えられる。少しでもイ
オン化された状態となれば発色が生ずるので発色状態の
耐光性の問題が発生する。したがって、耐光性に関して
は遷移状態は発色状態とみなされる。したがって、通常
使用される紫外線吸収剤等の耐光性配合剤は消色状態の
組成物の耐光性の向上には有効であるが、発色状態にあ
る組成物の耐光性の向上にはあまり効果がない。この状
態のものは可視光線や間接光に対する耐光性は弱い。
【0011】ところが本発明で使用する、一般式Iで示
される耐光性付与剤を発色時に存在させると耐光性が著
しく向上し、可視光や間接光でも老化しないことがわか
った。何故本発明の可逆的熱変色性を有する成形用樹脂
組成物が、発色状態にあると、可視光線や、間接光で老
化しないのか、消色状態にあるとこれ等の光で老化しな
いのか、その学問的解明は未だ充分ではないが、本発明
者は次のようにに考えている。一般式Iで示されるd.
耐光性付与剤は、電子受容性を有するため、c.の変色
温度調整剤中で、a.電子供与性呈色性有機化合物と共
存した場合、変色温度以下では、a.電子供与性呈色性
有機化合物とイオン的に強く相互作用を行い、発色状態
を形成することができる。勿論、a.電子供与性呈色性
有機化合物は、通常のb.電子受容性化合物と、イオン
的に強く相互作用し、発色状態を形成するが、発色状態
となった時の、イオン的な相互作用に基づくイオン構造
が、a.とb.の場合と、a.とd.の場合で、光に対
する安定性が大きく異なっていると考えられる。
【0012】d.耐光性付与剤は、長鎖アルキル基を有
しており、脂肪族雰囲気の強いc.変色温度調整剤への
溶解性が大きい。そのため、成形用樹脂組成物において
変色温度以下のc.変色温度調整剤が結晶化した固体中
においても、a.電子供与性呈色性有機化合物と強く相
互作用してイオン状態を形成したd.耐光性付与剤は、
c.変色温度調整剤と弱く相互作用した状態で、長鎖ア
ルキル基の部分がc.変色温度調整剤が結晶化した固体
中で、安定化しており、その結果、イオン状態の構造全
体が光に対し安定化した状態になるのではないかと思わ
れる。従って、イオン状態にあるa.電子供与性呈色性
有機化合物が、可視光線を吸収して光励起しても、光分
解あるいは光酸化されずに、そのエネルギーを放出して
基底状態に戻る安定したサイクルになる状態を、全体と
して形成しているのではないかと推察する。さらに、長
鎖アルキル基を有する構造は各種存在するが、その中で
も、一般式Iで示される構造が優れた耐光性向上効果を
示すのは、中心炭素の片方に水素、もう一方に長鎖アル
キル基となった分岐していない構造であるため、c.変
色温度調整剤が結晶化した固体中における馴染み易さ、
すなわち安定性が特に優れているからではないかと思わ
れる。
【0013】一方、通常のb.電子受容性化合物の場合
には、アルキル基が短く、変色温度以下のc.変色温度
調整剤が結晶化した固体中における馴染み易さが少な
く、安定性の悪い状態で、a.とb.のイオン状態の構
造が存在していると考えられる。従って、イオン状態に
あるa.電子供与性呈色性有機化合物が、可視光線を吸
収して光励起すると、光分解あるいは光酸化する反応が
優先し、劣化がすすむのではないかと思われる。本発明
で使用するd.耐光性付与剤はそれ自体も電子受容性を
有しており電子供与性化合物1.0重量部に対し0.3
重量部以上発色状態で存在する必要がある。可逆的熱変
色性成形用樹脂組成物が発色した状態で耐光性付与剤が
電子供与性化合物1.0重量部に対し0.3重量部以下
の量が存在したのでは本発明の成形用樹脂組成物を用い
た成形体は充分な耐光性が得られない。
【0014】本発明で使用する一般式Iで示されるd.
耐光性付与剤は、一般式I
【0015】
【化3】
【0016】{式中、n=5〜17(直鎖及び分岐)、
X=C〜C(直鎖及び分岐)、ハロゲン、Y=C
〜C(直鎖及び分岐)、ハロゲン、p=0〜3、m=
0〜3である。}で示されるアルキル基に水酸基を有す
るフェニル環が2つついたビスフェノール化合物或いは
ビス(ヒドロキシフェニル)化合物であるが、その特徴
はアルキル基が炭素数5〜17であることであって、炭
素数が5未満であると、アルキル基が短いので脂肪族雰
囲気が強いc.変色温度調整剤への溶解性が不足し、変
色温度以下の固体雰囲気下で、十分な安定化構造が得ら
れない。また炭素数17を越えると、アルキル基が長過
ぎるので脂肪族雰囲気が強いc.変色温度調整剤への溶
解性があり過ぎ、実用面を考えた場合、呈色力が弱くな
るとともに、変色感度が悪化するため、実用的ではな
い。アルキル基が直鎖アルキル基であることが最も好ま
しく、分岐を有する場合は分岐の短いものが好ましい。
フェニル環には直鎖または分岐アルキル基やハロゲンの
置換基がつく場合があるがフェニル環が付いているアル
キル基が前記のものであれば耐光性はほぼ同様に奏され
る。本発明で使用する耐光性付与剤はそれ自体も電子受
容性があるのでこれを用いることにより電子受容性化合
物の使用量を調整したり、場合によっては置き換えるこ
ともできる。
【0017】一般式Iで示されるd.耐光性付与剤を
b.成分の電子受容性化合物に置き換える場合はこの化
合物が長鎖アルキル基を有しており、フェノール性水酸
基の当量が小さくなっているので、a.成分の電子供与
性化合物1.0重量部に対し0.3〜7.0重量部使用
する必要があり、特に2.0〜7.0重量部が好まし
い。成分b.の電子受容性化合物としては、活性プロト
ンを有する化合物、偽酸性化合物群〔酸ではないが、組
成物中で酸として作用して成分a.を発色させる化合物
群〕、電子空孔を有する化合物群などがある。フェノー
ル性水酸基を有する化合物が最も有効な熱変色特性を発
現させることができるが、芳香族カルボン酸及び炭素数
2〜5の脂肪酸カルボン酸、カルボン酸金属塩、酸性リ
ン酸エステル及びそれらの金属塩、1、2、3−トリア
ゾール及びその誘導体、チオ尿素及びその誘導体、尿素
及びその誘導体、グアニジン及びその誘導体、芳香族及
び脂肪酸カルボン酸無水物、ホウ酸エステル類、ハロゲ
ン化アルコール類、オキサゾール類、チアゾール類、イ
ミダゾール類、ピラゾール類、ピロール類、芳香族スル
ホンアミド類、芳香族スルホンイミド類から選ばれる化
合物であってもよい。
【0018】本発明で使用する一般式Iで示される耐光
性付与剤はそれ自身が電子受容性を有する化合物であ
り、b.成分の電子受容性化合物の量を調整することが
好ましい。またb.成分に代えて耐光性付与剤で兼用す
ることもできる。
【0019】本発明で使用されるa.成分の電子供与性
呈色性化合物を表1と表2に例示する。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】本発明で使用されるb.成分の電子受容性
化合物を表3ないし表5に例示する。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】本発明で使用するc.成分の変色温度調整
剤を表6ないし表12に示す。
【0027】
【表6】
【0028】
【表7】
【0029】
【表8】
【0030】
【表9】
【0031】
【表10】
【0032】
【表11】
【0033】
【表12】
【0034】本発明で使用するd,成分の耐光性付与剤
を表13と表14に示す。
【0035】
【表13】
【0036】
【表14】
【0037】本発明で使用するe.成分の成形用樹脂を
表15に示す。前記樹脂としては、熱可塑性樹脂あるい
は熱硬化性樹脂のいずれを用いることもできるが、成形
体を得るためには熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
【0038】
【表15】
【0039】
【発明の実施の形態】本発明の可逆的熱変色性を有する
成形用樹脂組成物は通常ペレットの形状を有し、フイル
ム、シート、板、棒、パイプ、フィラメント等の成形に
用いられる。樹脂として熱可塑性樹脂を用いた場合は、
カレンダロールを用いてフイルムとすることができま
た、インフレーションによってもフイルムとすることが
できる。また押し出しによる板状体や棒状体、パイプあ
るいはフィラメントを成形することができる。この他射
出成形により種々な形状の成形体を成形することができ
る。たとえば射出成形により玩具のミニカー、人形、日
用品等を簡単に成形することができる。メルトスピニン
グ等により得たフィラメントは、織物や編物に用いられ
るだけでなく、植毛に用いることもできる。熱硬化性樹
脂を用いると、金型を用いることにより種々の成形体を
成形することができる。このような成形体は成形後も成
形用樹脂組成物と同様な可逆的熱変色性を示す。
【0040】
【実施例】次に実施例をあげて具体的に説明する。まず
熱変色性組成物の製造例を示す。 熱変色性組成物の製造例1 3−(N−イソブチル−N−エチルアミノ)−7,8−
ベンゾフルオラン0.7重量部、1,1−ビス−(4−
ヒドロキシフェニル)−n−デカン10.0重量部、ラ
ウリン酸ステアリル30,0重量部、カプリン酸ステア
リル20.0重量部からなる4成分を120℃にて加温
溶解して均質相溶体となし、エポン828(油化シェル
エポキシ株式会社製、エポキシ樹脂)10重量部の混合
溶液に混合した後、これを10%ゼラチン水溶液100
重量部中に滴下し、微小滴になるように撹拌する。別に
用意した5.0重量部の硬化剤エピキュアU(油化シェ
ルエポキシ株式会社製、エポキシ樹脂のアミン付加物)
を45.0重量部の水に溶解させた溶液を前記撹拌中の
溶液中に徐々に添加し、液温を80℃に保って5時間撹
拌を続け、マイクロカプセル原液を得た。前記原液を遠
心分離処理することにより、ピンクから無色に変化する
マイクロカプセルに内包した可逆的熱変色性組成物1を
得た。
【0041】熱変色性組成物の製造例2〜12 a.成分、b.成分、c.成分、d.成分の組み合わせ
を変えて他は製造例1と同様にして可逆的熱変色性組成
物2〜12を得た。1〜6はd.成分を含有する本発明
で用いる熱変色性組成物であり、7〜12はd.成分を
含まない比較例で用いるものである。これ等の熱変色性
組成物の組成と色の変化を表16及び表17に示す。
【0042】
【表16】
【0043】
【表17】
【0044】実施例1 成形用樹脂組成物として、可逆的熱変色性組成物1のマ
イクロカプセル顔料40.0重量部を低密度ポリエチレ
ン樹脂(メルトフローレート1.3)1000.0重量
部、金属石鹸系滑剤0.5重量部中に配合しタンブラー
ミキサーで均一分散した後、押出成形機を用いてシリン
ダー温度170℃、先端ダイス温度180℃で成形し、
可逆的熱変色性ポリエチレン樹脂ペレットを得た。前記
成形用樹脂組成物を用いて、金魚型の金型を使用し、シ
リンダー部温度160℃でブロー成形により金魚形態の
可逆的熱変色性中空成形体を得た。なお、前記成形体
は、室温環境下ではピンク色を呈し、34℃以上では無
色なる。
【0045】実施例2 成形用樹脂組成物として、可逆的熱変色性組成物2のマ
イクロカプセル顔料30.0重量部及び粉末蛍光顔料
(蛍光イエロー)7.0重量部をエチレン−酢酸ビニル
共重合樹脂(メルトフローレート1.4)1000.0
重量部、金属石鹸系滑剤0.5重量部中に配合しタンブ
ラーミキサーで均一分散した後、押出成形機を用いて、
シリンダー温度160℃、先端ダイス温度160℃で成
形し、可逆的熱変色性エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂
ペレットを得た。前記成形用樹脂組成物を用いて、人形
型の金型を使用し、シリンダー温度150℃でブロー成
形して人形形態の可逆的熱変色性中空成形体を得た。な
お、前記成形体は、室温環境下では緑色を呈し、30℃
以上では蛍光黄色を呈する。
【0046】実施例3 成形用樹脂組成物として、可逆的熱変色性組成物3のマ
イクロカプセル顔料40.0重量部及び粉末蛍光顔料
(蛍光ピンク)5.0重量部をポリプロピレン樹脂(メ
ルトフローレート39.0)1000.0重量部、金属
石鹸系滑剤0.5重量部中に配合し、タンブラーミキサ
ーで均一分散後、押出成形機を用いてシリンダー温度1
60℃、先端ダイス温度160℃で成形し、可逆的熱変
色性ポリプロピレン樹脂ペレットを得た。前記成形用樹
脂組成物をシリンダー温度170℃、シリンダーヘッド
温度170℃で溶融紡糸を行い可逆的熱変色性フィラメ
ントを得た。前記フィラメントを用いて馬形態の玩具に
植毛を施し、たて髪と尻尾を形成した。なお、前記可逆
的熱変色性フィラメントは、室温環境下では紫色を呈
し、34℃以上では蛍光ピンク色を呈する。
【0047】実施例4 成形用樹脂組成物として、可逆的熱変色性組成物4のマ
イクロカプセル顔料50.0重量部及び粉末蛍光顔料
(黄色)0.1重量、粉末加工顔料(緑色)0.01重
量部、粉末顔料(赤色)0.04重量部を12ナイロン
樹脂(融点178℃)1000.0重量部、光安定剤
5.0重量部中に配合し、ヘンシルミキサーで均一分散
した後、押出成形機を用いてシリンダー温度190℃、
先端ダイス温度200℃で成形し、可逆的熱変色性12
ナイロン樹脂ペレットを得た。前記成形用樹脂組成物を
シリンダー温度190℃、ダイス温度200℃で溶融紡
糸を行い可逆的熱変色性フィラメントを得た。前記フィ
ラメントを用いて人形の頭に植毛を施した。なお、前記
可逆的熱変色性フィラメントは室温環境下ではオレンジ
色を呈し、34℃以上ではブロンド色を呈する。
【0048】実施例5 成形用樹脂組成物として、可逆的熱変色性組成物5のマ
イクロカプセル顔料30.0重量部及び粉末加工顔料
(白色)5.0重量部をスチレン−ブタジエン共重合樹
脂(メルトフローレート7.3)1000.0重量部、
金属石鹸系滑剤0.5重量部中に配合し、タンブラーミ
キサーで均一分散した後、押出成形機を用いてシリンダ
ー温度180℃、先端ダイス温度180℃で成形し、可
逆的熱変色性スチレン−ブタジエン共重合樹脂ペレット
を得た。前記成形用樹脂組成物を用いて、イルカ型の金
型を使用し、シリンダー温度180℃、シリンダーヘッ
ド温度185℃で射出成形を行いイルカ形態の可逆的熱
変色性成形体を得た。なお、前記成形体は30℃以上で
は白色を呈し、13℃以下ではパステルブルー色を呈す
る。また、その間の温度域では任意に白色とパステルブ
ルー色を選択保持できる。
【0049】実施例6 成形用樹脂組成物として、可逆的熱変色性組成物3のマ
イクロカプセル顔料30.0重量部及び粉末加工顔料
(白色)5.0重量をABS樹脂(メルトフローレート
60.0)1000.0重量部、金属石鹸系滑剤0.5
重量部中に配合し、タンブラーミキサーで均一分散した
後、押出成形機を用いてシリンダー温度200℃、先端
ダイス温度200℃で、可逆的熱変色性ABS樹脂ペレ
ットを得た。前記成形用樹脂組成物を用いて、小型自動
車玩具成形用の金型を使用し、シリンダー温度200
℃、シリンダーヘッドの温度200℃で射出成形を行い
小型自動車形態の可逆的熱変色性成形体を得た。なお、
前記成形体は室温環境下ではパステルブルー色を呈し、
34℃以上では白色を呈する。
【0050】実施例7 成形用樹脂組成物として、可逆的熱変色性組成物2のマ
イクロカプセル顔料30.0重量部をポリエステルエラ
ストマー樹脂(メルトフローレート20.0)100
0.0重量部、金属石鹸系滑剤0.5重量部中に配合
し、タンブラーミキサーで均一分散した後、押出成形機
を用いてシリンダー温度190℃、先端ダイス温度19
0℃で、可逆的熱変色性ポリエステルエラストマー樹脂
ペレットを得た。前記成形用樹脂組成物を用いて、ホッ
トカーラー型の金型を使用し、シリンダー温度190
℃、シリンダーヘッドの温度200℃で射出成形を行い
ホットカーラー形態の可逆的熱変色性成形体を得た。な
お、前記成形体は室温環境下では青緑色を呈し、30℃
以上では無色となる。
【0051】実施例8 成形用樹脂組成物として、可逆的熱変色性組成物4のマ
イクロカプセル顔料30.0重量部をエチレン−エチル
アクリレート共重合樹脂(メルトフローレート5.0)
1000.0重量部、金属石鹸系滑剤1.0重量部中に
配合し、タンブラーミキサーで均一分散した後、押出成
形機を用いてシリンダー温度180℃、先端ダイス温度
180℃で、可逆的熱変色性エチレン−エチルアクリレ
ート共重合樹脂ペレットを得た。前記成形用樹脂組成物
を用いて、シリンダー温度180℃でインフレーション
成形を行い、可逆的熱変色性エチレン−エチルアクリレ
ート共重合樹脂フイルムシートを得た。なお、前記フイ
ルムシートは室温環境下ではオレンジ色を呈し、34℃
以上では無色となる。
【0052】実施例9 成形用樹脂組成物として、可逆的熱変色性組成物5のマ
イクロカプセル顔料100.0重量部、粉末蛍光顔料
(ピンク色)5.0重量部をポリエーテルポリオール1
000.0重量部中に均一分散した可逆的熱変色性ポリ
オールゾルを、イソシアネート化合物500.0重量
部、触媒20.0重量部、水5.0重量部中に混合分散
して反応させることにより可逆的熱変色性発泡ウレタン
フォームを得た。なお、前記成形用樹脂組成物は33℃
以上では蛍光ピンク色を呈し、14℃以下では紫色を呈
する。その間の温度域では任意にピンク色と紫色を選択
保持できる。
【0053】実施例10 成形用樹脂組成物として、可逆的熱変色性組成物6のマ
イクロカプセル顔料50.0重量部粉末顔料(青色)
0.3重量部をフタル酸ジオクチル40重量部、塩化ビ
ニル樹脂60.0重量部、塩化ビニル安定剤5.0重量
部からなる塩化ビニルペーストゾル中に均一分散し、可
逆的熱変色性塩化ビニルペースト樹脂ゾルを得た。前記
成形用樹脂組成物を用いて、スラッシュ成形を行い馬形
態の可逆的熱変色性スラッシュ成形体を得た。なお、前
記成形体は33℃以上では青色を呈し、14℃以下では
紫色を呈する。その間の温度域では任意に青色と紫色を
選択保持できる。
【0054】実施例11 成形用樹脂組成物として、可逆的熱変色性組成物1のマ
イクロカプセル顔料10.0重量部を付加反応型シリコ
ーンゴム1000.0重量部中に均一分散し、可逆的熱
変色性硬化性シリコーン組成物を得た。前記成形用樹脂
組成物に硬化剤10,0重量部を加えて分散、混合した
後、深さ5mmの星形状の型枠に注入し150℃で30
分間硬化させた後、室温で1日放置し星形状の可逆的熱
変色性シリコーン成形体を得た。なお、前記成形体は室
温環境下ではピンク色を呈し、34℃以上では無色とな
る。
【0055】実施例12 実施例1で得られた可逆的熱変色性ポリエチレン樹脂ペ
レットを用いて、シリンダー温度160℃でインフレー
ション成形を行い、可逆的熱変色性ポリエチレンフイル
ムを得た。なお、前記可逆的熱変色性フイルムは室温環
境下ではピンク色を呈し、34℃以上では無色となる。
【0056】比較例1 d.成分を含まない可逆的熱変色性組成物7のマイクロ
カプセル顔料を用いて、実施例1と同様に可逆的熱変色
性ポリエチレン樹脂ペレットを得た。さらに、前記樹脂
ペレットを用いて金魚形態の中空成形体を得た。
【0057】比較例2 d.成分を含まない可逆的熱変色性組成物8のマイクロ
カプセル顔料を用いて実施例2と同様に可逆的熱変色性
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂ペレットを得た。さら
に、前記樹脂ペレットを用いて人形形態の中空成形体を
得た。
【0058】比較例3 d.成分を含まない可逆的熱変色性組成物9のマイクロ
カプセル顔料を用いて、実施例3と同様に可逆的熱変色
性ポリプロピレン樹脂ペレットを得た。さらに、前記樹
脂ペレットを用いて形成した可逆的熱変色性フィラメン
トを、馬形態の玩具に植毛し、たて髪と尻尾を形成し
た。
【0059】比較例4 d.成分を含まない可逆的熱変色性組成物10のマイク
ロカプセル顔料を用いて、実施例4と同様に可逆的熱変
色性12ナイロン樹脂ペレットを得た。前記、樹脂ペレ
ットを用いて形成した可逆的熱変色性フィラメントを、
人形の頭に植毛した。
【0060】比較例5 d.成分を含まない可逆的熱変色性組成物11のマイク
ロカプセル顔料を用いて、実施例5と同様に可逆的熱変
色性スチレン−ブタジエン共重合樹脂ペレットを得た。
さらに、前記樹脂ペレットを用いてイルカ形態の成形体
を得た。
【0061】比較例6 d.成分を含まない可逆的熱変色性組成物9のマイクロ
カプセル顔料を用いて、実施例6と同様に可逆的熱変色
性ABS樹脂ペレットを得た。さらに、前記樹脂ペレッ
トを用いて小型自動車形態の成形体を得た。
【0062】比較例7 d.成分を含まない可逆的熱変色性組成物8のマイクロ
カプセル顔料を用いて、実施例7と同様に可逆的熱変色
性ポリエステルエラストマー樹脂ペレットを得た。さら
に、前記樹脂ペレットを用いてホットカーラー形態の成
形体を得た。
【0063】比較例8 d.成分を含まない可逆的熱変色性組成物10のマイク
ロカプセル顔料を用いて、実施例8と同様に可逆的熱変
色性エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂ペレット
を得た。さらに、前記樹脂ペレットを用いてフイルムシ
ートを得た。
【0064】比較例9 d.成分を含まない可逆的熱変色性組成物11のマイク
ロカプセル顔料を用いて、実施例9と同様に可逆的熱変
色性発泡ウレタンフォームを得た。
【0065】比較例10 d.成分を含まない可逆的熱変色性組成物12のマイク
ロカプセル顔料を用いて、実施例10と同様に可逆的熱
変色性塩化ビニルペーストゾルを得た。さらに、前記塩
化ビニルペーストゾルを用いて、馬形態のスラッシュ成
形体を得た。
【0066】比較例11 d.成分を含まない可逆的熱変色性組成物7のマイクロ
カプセル顔料を用いて、実施例11と同様に可逆的熱変
色性硬化性シリコーン組成物を得た。さらに、前記シリ
コーン組成物を用いて星形状のシリコーン成形体を得
た。
【0067】次に実施例及び比較例の樹脂組成物の耐光
堅牢度を示す。 (1) 耐光堅牢度試験試料の調製 実施例1の可逆的熱変色性ポリエチレン樹脂ペレットを
用いて、成形樹脂温度180℃で射出成形を行い、40
mm×60mm、厚み2mmのプレート状の成形体を得
た。前記成形体を耐光性試験試料とする。実施例2の可
逆的熱変色性エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂ペレット
を用いて、成形樹脂温度170℃で射出成形を行い、4
0mm×60mm、厚み2mmのプレート状の成形体を
得た。前記成形体を耐光性試験試料とする。実施例3の
可逆的熱変色性ポリプロピレン樹脂ペレットを用いて、
成形樹脂温度170℃で射出成形を行い、40mm×6
0mm、厚み2mmのプレート状の成形体を得た。前記
成形体を耐光性試験試料とする。実施例4の可逆的熱変
色性12ナイロン樹脂ペレットを用いて、成形樹脂温度
200℃で射出成形を行い、40mm×60mm、厚み
2mmのプレート状の成形体を得た。前記成形体を耐光
性試験試料とする。実施例5の可逆的熱変色性スチレン
−ブタジエン共重合樹脂ペレットを用いて、成形樹脂温
度200℃で射出成形を行い、40mm×60mm、厚
み2mmのプレート状の成形体を得た。前記成形体を耐
光性試験試料とする。実施例6の可逆的熱変色性ABS
樹脂ペレットを用いて、成形樹脂温度200℃で射出成
形を行い、40mm×60mm、厚み2mmのプレート
状の成形体を得た。前記成形体を耐光性試験試料とす
る。実施例7の可逆的熱変色性ポリエステルエラストマ
ー樹脂ペレットを用いて、成形樹脂温度200℃で射出
成形を行い、40mm×60mm、厚み2mmのプレー
ト状の成形体を得た。前記成形体を耐光性試験試料とす
る。実施例8の可逆的熱変色性エチレン−エチルアクリ
レート共重合樹脂ペレットを用いて、成形樹脂温度18
0℃で射出成形を行い、40mm×60mm、厚み2m
mのプレート状の成形体を得た。前記成形体を耐光性試
験試料とする。実施例9の可逆的熱変色性発泡ウレタン
フォームを40mm×60mm、厚み10mmにスライ
スしたウレタンフォームを得た。前記ウレタンフォーム
を耐光性試験試料とする。実施例10の可逆的熱変色性
塩化ビニルペーストゾルを40mm×60mm、厚み2
mmのプレート状型枠に流し込んで成形体を得た。前記
成形体を耐光性試験試料とする。実施例11の可逆的熱
変色性硬化性シリコーン組成物を40mm×60mm、
厚み2mmのプレート状型枠に流し込んで成形体を得
た。前記成形体を耐光性試験試料とする。比較例1の可
逆的熱変色性ポリエチレン樹脂ペレットを用いて、成形
樹脂温度180℃で射出成形を行い、40mm×60m
m、厚み2mmのプレート状の成形体を得た。前記成形
体を耐光性試験試料とする。比較例2の可逆的熱変色性
エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂ペレットを用いて、成
形樹脂温度170℃で射出成形を行い、40mm×60
mm、厚み2mmのプレート状の成形体を得た。前記成
形体を耐光性試験試料とする。比較例3の可逆的熱変色
性ポリプロピレン樹脂ペレットを用いて、成形樹脂温度
170℃で射出成形を行い、40mm×60mm、厚み
2mmのプレート状の成形体を得た。前記成形体を耐光
性試験試料とする。比較例4の可逆的熱変色性12ナイ
ロン樹脂ペレットを用いて、成形樹脂温度200℃で射
出成形を行い、40mm×60mm、厚み2mmのプレ
ート状の成形体を得た。前記成形体を耐光性試験試料と
する。比較例5の可逆的熱変色性スチレン−ブタジエン
共重合樹脂ペレットを用いて、成形樹脂温度200℃で
射出成形を行い、40mm×60mm、厚み2mmのプ
レート状の成形体を得た。前記成形体を耐光性試験試料
とする。比較例6の可逆的熱変色性ABS樹脂ペレット
を用いて、成形樹脂温度200℃で射出成形を行い、4
0mm×60mm、厚み2mmのプレート状の成形体を
得た。前記成形体を耐光性試験試料とする。比較例7の
可逆的熱変色性ポリエステルエラストマー樹脂ペレット
を用いて、成形樹脂温度200℃で射出成形を行い、4
0mm×60mm、厚み2mmのプレート状の成形体を
得た。前記成形体を耐光性試験試料とする。比較例8の
可逆的熱変色性エチレン−エチルアクリレート共重合樹
脂ペレットを用いて、成形樹脂温度180℃で射出成形
を行い、40mm×60mm、厚み2mmのプレート状
の成形体を得た。前記成形体を耐光性試験試料とする。
比較例9の可逆的熱変色性発泡ウレタンフォームを40
mm×60mm、厚み10mmにスライスしたウレタン
フォームを得た。前記ウレタンフォームを耐光性試験試
料とする。比較例10の可逆的熱変色性塩化ビニルペー
ストゾルを40mm×60mm、厚み2mmのプレート
状型枠に流し込んで成形体を得た。前記成形体を耐光性
試験試料とする。比較例11の可逆的熱変色性硬化性シ
リコーン組成物を40mmx60mm、厚み2mmのプ
レート状型枠に流し込んで成形体を得た。前記成形体を
耐光性試験試料とする。
【0068】(2) 耐光堅牢度の試験方法 実施例1〜11及び比較例1〜11で得られた樹脂組成
物を用いた耐光性試験試料をキセノンアーク灯光試験機
(ヘラウス社製)を用いて耐光堅牢度試験を行い耐光堅
牢度を比較した。キセノンアーク灯耐光堅牢度試験は、
JIS L−0843(キセノンアーク灯光に対する染
色堅牢度試験方法)の規格に準じて行った。キセノンア
ーク灯の照射時間は20時間、40時間、60時間照射
の3ポイントにおいて測定した。
【0069】(3) 耐光堅牢度試験結果 表18〜表21に、前記の耐光堅牢度試験による結果を
示す。
【0070】
【表18】
【0071】
【表19】
【0072】
【表20】
【0073】
【表21】
【0074】前記耐光堅牢度試験結果の着色濃度保持率
について説明する。一定時間照射した各試料片と未照射
状態の試料片を、色差計(東京電色製)を用いて、試験
の着色状態での濃度刺激値(X値)を測定する。着色濃
度保持率は次の計算式から算出した。 着色濃度保持率(%)=100−照射後の刺激値(X)
/100−照射前の刺激値(X)×100
【0075】
【発明の効果】本発明は従来耐光性の小さかった電子供
与受容反応による、可逆的熱変色性組成物の発色時の光
による老化を特別の化学構造を有する耐光性付与剤を用
いて防止し、前記可逆的熱変色性組成物を成形用樹脂中
に含有することにより、成形用樹脂組成物及びこれを用
いた成形体の耐光性を著しく向上させる優れた効果を奏
する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 3/00 C09K 3/00 Y D01F 1/04 D01F 1/04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a.電子供与化合物と、 b.電子受容化合物と、 c.変色温度調整剤と、 d.つぎの一般式Iで示され、a.の電子供与化合物
    1.0重量部に対し0.3〜70重量部の使用割合の電
    子受容性を有する耐光性付与剤と一般式I 【化1】 {式中、n=5〜17(直鎖及び分岐)、X=C〜C
    (直鎖及び分岐)、ハロゲン、Y=C〜C(直鎖及び
    分岐)、ハロゲン、p=0〜3、m=0〜3である。} e.成形用樹脂と、からなる、発色時の耐光性を向上し
    た可逆的熱変色性を有する成形用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 d.の電子受容性を有する耐光性付与剤
    を、b.の電子受容体に兼用した、請求項1に記載され
    た発色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性を有する成
    形用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 a.〜d.成分をマイクロカプセルに内
    蔵した、請求項1または2に記載された発色時の耐光性
    を向上した可逆的熱変色性を有する成形用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 e.成分が熱可塑性樹脂である、請求項
    1ないし3のいずれか1項に記載された発色時の耐光性
    を向上した可逆的熱変色性を有する成形用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    された成形用樹脂組成物を用いて成形した、発色時の耐
    光性を向上した可逆的熱変色性を有する成形体。
  6. 【請求項6】 前記成形体がフィラメントである、請求
    項5に記載された発色時の耐光性を向上した可逆的熱変
    色性を有する成形体。
  7. 【請求項7】 前記成形体がフイルムである、請求項5
    に記載された発色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性
    を有する成形体。
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JP2006522179A (ja) * 2003-03-20 2006-09-28 ストウ・ウッドワード・エフェ・ウント・エー・ゲー・エム・べー・ハー サーモクロミック性質を有する熱硬化性物質の調製用組成物
JP4825941B2 (ja) * 2003-03-20 2011-11-30 ストウ ウッドワード アーゲー サーモクロミック性質を有する熱硬化性物質の調製用組成物

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