JPH11131058A - 可逆的熱変色性を有する被覆用液状組成物と該組成物で形成した被覆層に光保護層を設けた被覆層 - Google Patents

可逆的熱変色性を有する被覆用液状組成物と該組成物で形成した被覆層に光保護層を設けた被覆層

Info

Publication number
JPH11131058A
JPH11131058A JP24432998A JP24432998A JPH11131058A JP H11131058 A JPH11131058 A JP H11131058A JP 24432998 A JP24432998 A JP 24432998A JP 24432998 A JP24432998 A JP 24432998A JP H11131058 A JPH11131058 A JP H11131058A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reversible thermochromic
weight
coating
parts
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24432998A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuyuki Fujita
勝幸 藤田
Yoshiaki Ono
義明 小野
Yutaka Shibahashi
裕 柴橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pilot Ink Co Ltd
Original Assignee
Pilot Ink Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pilot Ink Co Ltd filed Critical Pilot Ink Co Ltd
Priority to JP24432998A priority Critical patent/JPH11131058A/ja
Publication of JPH11131058A publication Critical patent/JPH11131058A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Pyridine Compounds (AREA)
  • Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 消色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性を
有する液状被覆組成物を提供する。 【解決手段】 a.電子供与化合物と、b.電子受容化
合物と、c.変色温度調整剤と、d.つぎの一般式Iで
示され、a.の電子供与化合物1.0重量部に対し0.
3〜70重量部の使用割合の電予受容性を有する耐光性
付与剤と一般式I 【化1】 {式中、n=5〜17(直鎖及び分岐)、X=C〜C
(直鎖及び分岐)、ハロゲン、Y=C〜C(直鎖
及び分岐)、ハロゲン、p=0〜3、m=0〜3であ
る。}e.光安定剤と、f.液状の展色料と、からな
る、消色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性を有する
被覆用液状組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特別の電子受容性を
有する耐光性付与剤と光安定剤を存在させることにより
消色時の耐光性を向上させた可逆的熱変色性被覆用液状
組成物と該組成物で形成した被覆層に光保護層を設けた
被覆層に関する。
【0002】
【従来の技術】電子供与性化合物と電子受容性化合物を
組み合わせた熱変色性組成物は例えば米国特許第3,5
60,229号明細書に示されるように公知である。こ
の組成物は組み合わせた両化合物の種類により変色温度
が定まるため、所望の温度で変色する組成物を得ること
が非常に困難であった。本発明者はこの問題を特定のア
ルコールやエステル、ケトンを変色温度調整剤として使
用し変色温度を所望の温度に調整する発明を提供した
(特公昭51−44706号、特公昭51−44708
号、特公昭52−7764号、特公平6−59746
号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者が前に提供し
た発明は同一の電子供与性化合物と電子受容性化合物の
組み合わせであっても変色温度を所望の温度に調節する
ことができる等の点で画期的な発明である。しかしなが
らこれ等の電子供与性化合物と電子受容性化合物を組み
合わせた発明は電子供与性化合物が耐光性が大きくない
ためこれを用いた熱変色性組成物も耐光性が大きくない
欠点がある。そのため変色した色が光により薄くなった
り甚だしいときは完全に脱色する場合もある。本発明者
はこのような問題を解決するため、特別な耐光性付与剤
と光安定剤を用いて消色時の耐光性を向上する方法の発
明を出願した。(特願平8−53588) 本発明は消色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性を有
する塗料、印刷インキ、筆記用インキ、化粧料、繊維処
理剤、絵具等の被覆用液状組成物と該組成物で形成した
被覆層に光保護層を設けた被覆層を提供するものであ
る。長期間の可逆的熱変色性の被膜を要求される被覆用
液状組成物には耐光性は非常に重要な性能である。
【0004】
【課題を解決した手段】本発明は、 「1. a.電子供与化合物と、 b.電子受容化合物と、 c.変色温度調整剤と、 d.つぎの一般式Iで示され、a.の電子供与化合物
1.0重量部に対し0.3〜70重量部の使用割合の電
子受容性を有する耐光性付与剤と一般式I
【0005】
【化2】
【0006】{式中、n=5〜17(直鎖及び分岐)、
X=C〜C(直鎖及び分岐)、ハロゲン、Y=C
〜C(直鎖及び分岐)、ハロゲン、p=0〜3、m=
0〜3である。} e.光安定剤と、 f.液状の展色料と、 からなる、消色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性を
有する被覆用液状組成物。 2. d.の電子受容性を有する耐光性付与剤を、 b.の電子受容体に兼用した、1項に記載された消色時
の耐光性を向上した可逆的熱変色性を有する被覆用液状
組成物。 3. a.〜e,成分をマイクロカプセルに内蔵した、
1項または2項に記載された消色時の耐光性を向上した
可逆的熱変色性を有する被覆用液状組成物。 4. f.成分が合成樹脂ビヒクルである、1項ないし
3項のいずれか1項に記載された消色時の耐光性を向上
した可逆的熱変色性を有する被覆用液状組成物。 5. 1項ないし4項のいずれか1項に記載された被覆
用液状組成物のf.成分が塗料用展色料である、消色時
の耐光性を向上した可逆的熱変色性塗料。 6. 1項ないし4項のいずれか1項に記載された被覆
用液状組成物のf.成分が印刷インキ用展色料である、
消色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性印刷インキ。 7. 1項ないし4項のいずれか1項に記載された被覆
用液状組成物のf.成分が筆記具用インキ用展色料であ
る、消色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性筆記具用
インキ。 8. 1項ないし4項のいずれか1項に記載された被覆
用液状組成物のf.成分が化粧料用ラッカーである、消
色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性化粧料。 9. 1項ないし4項のいずれか1項に記載された被覆
用液状組成物のf.成分が繊維処理剤用バインダであ
る、消色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性繊維処理
剤。 10. 1項ないし4項のいずれか1項に記載された被
覆用液状組成物のf.成分が絵具用展色料である、消色
時の耐光性を向上した可逆的熱変色性絵具。 11. 1項ないし10項のいずれか1項に記載された
被覆用液状組成物により形成された被覆層の光にさらさ
れる面に光安定剤および/または光遮蔽剤を含む光保護
層を1または複数層配置してなる、消色時の耐光性を向
上した可逆的熱変色性を有する被覆層。」に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、電子供与性化合物と電
子受容性化合物と変色温度調整剤と液状展色料とからな
る可逆的熱変色性被覆用液状組成物において、前述の一
般式Iで示される耐光性付与剤を電子供与性化合物1.
0重量部に対して0.3〜70重量部と、光安定剤とを
組成物中に含有させることにより、消色時の耐光性を向
上させた被覆用液状組成物である。耐光性付与剤の使用
量は電子供与性化合物1.0重量部に対し2.0〜50
重量部が特に好ましい。
【0008】電子供与性化合物の代表としてロイコ染料
があるが、ロイコ染料は耐光性が弱いのでこれを用いた
組成物は光により老化し変色性が劣化する。電子供与性
化合物は電子を供与した状態つまりロイコ染料で説明す
ると発色状態になると可視光線、特に間接光によって大
きな影響を受け耐光性が低下し変色性が劣化する。一方
消色状態はイオン化されてなく、無色の分子状態である
ので、紫外線による影響が大きく変色性が著しく劣化す
る。熱変色組成物は発色、消色により表示を行うので消
色時の耐光性も必要である。しかしながら、消色状態で
も可視光線の影響は小さいとしても決して無視すること
は出来ず可視光線の照射量に応じて必ず影響は発生し、
可逆熱変色性は確実に劣化する。従来耐光性を向上する
ために使用されている紫外線吸収剤、金属光沢顔料等は
紫外線のカットには効果があるが可視光線に対しては効
果がない。
【0009】本発明は、消色状態において紫外線をカッ
トしても可逆熱変色性が低下するのは、従来影響がない
とされていた可視光線によると考え、研究の結果この事
実を明らかにしたのである。本発明は消色状態に大きな
影響を与える紫外線を光安定剤で防止し、可視光線の影
響を前述の一般式Iの化合物により防いで、耐光性を著
しく向上することに成功した。消色時の耐光性は光安定
剤と前述の一般式Iで示される耐光性付与剤の両者を併
用しなければ改善できないのである。この点が同じ熱変
色性組成物であっても発色時の耐光性の改善方法とは異
なる。
【0010】本発明の可逆的熱変色性を有する被覆用液
状組成物の発色状態と消色状態について説明する。本発
明の可逆的熱変色性を有する被覆用液状組成物のa.成
分、b.成分、c.成分は実際に取扱う状態ではイオン
化合物ではなく、全て分子状化合物である。これ等の成
分が均一に混合された可逆的熱変色を有する被覆用液状
組成物において、変色温度以下になるとa.成分とb.
成分がイオン化して結合し発色状態となる。逆に変色温
度以上になるとa.成分とb,成分のイオン的結合が消
滅して、a.成分とb.成分は互いに独立して分子状化
合物になり消色する。b.成分のフェノール性水酸基は
c.成分の変色温度調整剤に溶解することにより溶媒和
してc.成分との親和力が強くなる。しかしながら実際
はaは単独分子ではなく、可逆性熱変色性を有する被覆
用液状組成物中にd(b)と共にC中に溶解状態にある
ため、a成分とd(b)成分には消色状態においては弱
い相互作用がある。また、現実に消色状態でもbよりも
dは耐光性向上効果があることからも少なくともd成分
はa成分と相互作用を有することがわかる。また変色過
度期においてはa.成分とb.成分はイオン化状態と分
子状態の中間状態となり、ある程度イオン化された状態
で弱いイオン的結合をしていると考えられる。少しでも
イオン化された状態となれば発色が生ずるので発色状態
の耐光性の問題が発生する。したがって、耐光性に関し
ては遷移状態は発色状態とみなされる。可逆熱変色性を
有する被覆用液状組成物は消色状態と発色状態を繰り返
して変色を行うので両状態の耐光性を向上させないと可
逆熱変色性は劣化するのである。したがって、紫外線を
カットしたり、一般式Iの耐光性付与剤を用いて可視光
線による老化を防止すると耐光性は向上するが、経時的
には可逆熱変色性の劣化は進行する。本発明の特徴は前
述の一般式Iで示される耐光性付与剤と光安定剤を併用
することにより消色時の可視光線と紫外線の両方の影響
を除いたことである。
【0011】本発明で使用する耐光性付与剤はそれ自体
も電子受容性を有しており電子供与性化合物1.0重量
部に対し0.3重量部以上消色状態で存在する必要があ
る。可逆的熱変色性被覆用液状組成物が消色した状態で
耐光性付与剤が電子供与性化合物1.0重量部に対し
0.3重量部以下の量が存在したのでは形成された被膜
は充分な耐光性を示さない。
【0012】本発明で使用する一般式Iで示される d.耐光性付与剤は、一般式I
【0013】
【化3】
【0014】{式中、n=5〜17(直鎖及び分岐)、
X=C〜C(直鎖及び分岐)、ハロゲン、Y=C
〜C(直鎖及び分岐)、ハロゲン、p=0〜3、m=
0〜3である。}で示されるアルキル基に水酸基を有す
るフェニル環が2つついたビスフェノール化合物或いは
ビス(ヒドロキシフェニル)化合物であるが、その特徴
はアルキル基が炭素数5〜17であることであって、炭
素数が5未満であると、アルキル基が短いので脂肪族雰
囲気が強いc.変色温度調整剤への溶解性が不足し、変
色温度以下の固体雰囲気下で、十分な安定化構造が得ら
れない。また炭素数17を越えると、アルキル基が長過
ぎるので脂肪族雰囲気が強いc.変色温度調整剤への溶
解性が大き過ぎ、実用面を考えた場合、呈色力が弱くな
るとともに、変色感度が悪化するため、実用的ではな
い。
【0015】アルキル基が直鎖アルキル基であることが
最も好ましく、分岐を有する場合は分岐の短いものが好
ましい。フェニル環には直鎖または分岐アルキル基やハ
ロゲンの置換基がつく場合があるがフェニル環が付いて
いるアルキル基が前記のものであれば耐光性はほぼ同様
に奏される。
【0016】前記d.耐光性付与剤は電子供与性化合物
1.0重量部に対し0.3〜70重量部使用される。
0.3重量部以下では効果が充分でなく、70重量部以
上加えても効果は向上しない。2.0〜50重量部の使
用が好ましい。この耐光性付与剤はそれ自体も電子受容
性を有しているので、これを用いることによりb.成分
の電子受容性化合物の量を調節したり、場合によっては
全部置き換えてもよい。一般式Iで示される耐光性付与
剤をb.成分の電子受容性化合物に置き換える場合はこ
の化合物が長鎖アルキル基を有しており、フェノール性
水酸基の当量が小さくなっているので、a.成分の電子
供与性化合物1.0重量部に対し1.0〜60重量部使
用する必要があり、特に2.0〜50重量部が好まし
い。
【0017】消色状態においてはa.電子供与性呈色性
有機化合物はc.変色温度調整剤中に溶解状態にありな
がら、d.耐光性付与剤とは弱い相互作用を保持してお
り、且つ、d.耐光性付与剤は長鎖アルキル基により
c.変色温度調整剤中に安定化している。光に対する安
定化の度合いは、a.電子供与性呈色性有機化合物と
d.耐光性付与剤がイオン的な強い相互作用をしている
発色状態の場合のように大きくはないが、消色状態にお
いてもこの弱い相互作用が光によって引き起こされる光
酸化や光分解を抑止し、耐光性を向上させていると考え
られる。また、消色状態における主な劣化原因である紫
外線をe.光安定剤を共存させることによって遮蔽する
ことによりその耐光性向上効果が増幅される。消色状態
におけるa.電子供与性呈色性有機化合物とd.耐光性
付与剤との弱い相互作用は、アミノ基、カルボニル基等
を有するa.電子供与性呈色性有機化合物とフェノール
性水酸基を有するd.耐光性付与剤のように極性の大き
な置換基によって分極構造を有する分子間に作用する静
電的な力によるものと推定される。
【0018】成分b.の電子受容性化合物としては、活
性プロトンを有する化合物、偽酸性化合物群〔酸ではな
いが、組成物中で酸として作用して成分a.を発色させ
る化合物群〕、電子空孔を有する化合物群などがある。
フェノール性水酸基を有する化合物が最も有効な熱変色
特性を発現させることができるが、芳香族カルボン酸及
び炭素数2〜5の脂肪酸カルボン酸、カルボン酸金属
塩、酸性リン酸エステル及びそれらの金属塩、1、2、
3−トリアゾール及びその誘導体、チオ尿素及びその誘
導体、尿素及びその誘導体、グアニジン及びその誘導
体、芳香族及び脂肪族カルボン酸無水物、ホウ酸エステ
ル類、ハロゲン化アルコール類、オキサゾール類、チア
ゾール類、イミダゾール類、ピラゾール類、ピロール
類、芳香族スルホンアミド類、芳香族スルホンイミド類
から選ばれる化合物であってもよい。本発明で使用する
一般式(I)で示される耐光性付与剤はそれ自身が電子
受容性を有する化合物であり、b.成分の電子受容性化
合物の量を調整することが好ましい。またb.成分に代
えて耐光性付与剤で兼用することもできる。本発明で使
用されるa.成分の電子供与性呈色性化合物を表1と表
2に例示する。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】本発明で使用されるb.成分の電子受容性
化合物を表3ないし表5に例示する。
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】本発明で使用するc.成分の変色温度調整
剤を表6ないし表12に例示する。
【0026】
【表6】
【0027】
【表7】
【0028】
【表8】
【0029】
【表9】
【0030】
【表10】
【0031】
【表11】
【0032】
【表12】
【0033】本発明で使用するd.成分の耐光性付与剤
を表13と表14に例示する。
【0034】
【表13】
【0035】
【表14】
【0036】本発明で使用するe.成分の光安定剤を表
15ないし表18に示す。
【0037】
【表15】
【0038】
【表16】
【0039】
【表17】
【0040】
【表18】
【0041】赤外線吸収剤としては、700〜2000
nmの近赤外領域に極大吸収を持ち、400〜700n
mの可視領域にはあまり吸収を持たない性質を有する次
の一般式II〜式IXで示される化合物が使用される。
式II
【0042】
【化4】
【0043】式中R、R、R、Rはアルキル
基、MeはNi、Pd、Ptのいずれかを示す。式II
【0044】
【化5】
【0045】式中R1、R2、R3、R4はアルキル
基、MeはNi、Pd、Ptのいずれかを示す。式IV
【0046】
【化6】
【0047】式中R、R、R、Rはアルキル
基、MeはNi、Pd、Ptのいずれか、XはC、O、
Sのいずれかを示す。式V
【0048】
【化7】
【0049】式中R、R、R、Rはアルキル
基、MeはNi、Pd、Ptのいずれか、XはC、O、
Sのいずれかを示す。式VI
【0050】
【化8】
【0051】式中R、R、R、Rはアルキル
基、MeはNi、Pd、Ptのいずれか、Xはハロゲン
またはHのいずれかを示す。式VII
【0052】
【化9】
【0053】式中RはH、アルキル基、フェニル基、ア
ルキルまたはアルコキシ置換フェニル基、チエニル基の
いずれか、MeはNi、Pd、Ptのいずれかを示す。
式VIII
【0054】
【化10】
【0055】式中Rはアルキル基、Xは陰イオンとして
過塩素酸塩、フッ化ホウ素酸塩、トリクロロ酢酸塩、ト
リフルオロ酢酸塩、ピクリン酸塩、ヘキサフルオロ砒酸
塩、ヘキサクロロアンチモン酸塩、ヘキサフルオロアン
チモン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン
酸塩、リン酸塩、硫酸塩、塩化物、臭化物のいずれかを
示す。式IX
【0056】
【化11】
【0057】式中Rはアルキル基、Xは陰イオンとして
過塩素酸塩、フッ化ホウ素酸塩、トリクロロ酢酸塩、ト
リフルオロ酢酸塩、ピクリン酸塩、ヘキサフルオロ砒酸
塩、ヘキサクロロアンチモン酸塩、ヘキサフルオロアン
チモン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン
酸塩、リン酸塩、硫酸塩、塩化物、臭化物のいずれかを
示す。式X
【0058】
【化12】
【0059】式中Rはアルキル基、Xは陰イオンとして
過塩素酸塩、フッ化ホウ素酸塩、トリクロロ酢酸塩、ト
リフルオロ酢酸塩、ピクリン酸塩、ヘキサフルオロ砒酸
塩、ヘキサクロロアンチモン酸塩、ヘキサフルオロアン
チモン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン
酸塩、リン酸塩、硫酸塩、塩化物、臭化物のいずれかを
示す。これ等の主として紫外線を遮断するe.成分は、
組成物中にa.成分1重量部に対し0.1〜40重量部
を混合して使用することができる。またa〜e成分をマ
イクロカプセルに内蔵する場合は、前記カプセル外に存
在させることもできる。
【0060】本発明で使用するf.成分の液状展色料は
樹脂、溶剤、各種添加剤等の成分から構成される。液状
展色料に使用できる樹脂を表19に示す。
【0061】
【表19】
【0062】これらの樹脂は樹脂エマルジョン、一部の
中分子量ポリマー、及びエポキシ樹脂等の一部の反応型
樹脂を除き、室温では固体状態であるため、水、脂肪族
炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、グリコ
ール類、グリコール誘導体類、エステル類、ケトン類等
の溶剤に溶解又は分散することにより、液状となすこと
ができる。これらの樹脂により、被覆膜を形成すること
ができる。樹脂として合成樹脂又は合成中分子量ポリマ
ーを使用した液状展色料を合成樹脂ビヒクルという。
【0063】さらに、前記a.〜f,成分からなる被覆
用液状組成物により形成した層上に、前記光安定剤およ
び/または光遮蔽剤の層を積層することによって紫外線
の遮蔽を一層向上させることができ、著しい耐光性向上
効果が得られる。前記光安定剤および/または光遮蔽剤
の層として、具体的には、光安定剤を含む光安定剤層、
光遮蔽性顔料を含む光遮蔽層、あるいは、光安定剤およ
び光遮蔽性顔料を含む共存層が挙げられる。また、前記
した光安定剤層、光遮蔽層および共存層は、それぞれを
積層して用いてもよく、例えば、共存層上に光安定剤層
を積層したり、光遮蔽層上に光安定剤層を積層する構成
等が挙げられ、前述の被覆用液状組成物により形成した
層上に光安定剤および/または光遮蔽剤の単一層を設け
る系よりも、さらに著しい耐光性向上効果が得られる。
なお、前記光安定剤および/または光遮蔽剤は層中に
0.1〜40重量%含まれる。
【0064】光遮蔽性顔料は、金属光沢顔料、透明二酸
化チタン、透明酸化鉄、透明酸化セシウム、透明酸化亜
鉛等の顔料類である。金属光沢顔料は、天然雲母の表面
を酸化チタンで被覆した粒度が、5〜100μmの金属
光沢顔料であり、さらに具体的には、天然雲母の表面を
41〜44重量%の酸化チタンで被覆した粒度が5〜6
0μmの金色光沢顔料、天然雲母の表面を16〜39重
量%の酸化チタンで被覆した粒度が5〜100μmの銀
色金属光沢顔料、天然雲母の表面を45〜58重量%の
酸化チタンで被覆し、その上に4〜10重量%の酸化鉄
で被覆したメタリック色金属光沢顔料、天然雲母の表面
を45〜58重量%の酸化チタンで被覆し、その上に
0.5〜10重量%の非熱変色性有色染顔料を被覆した
メタリック色金属光沢顔料等である。本発明の可逆的熱
変色性を有する被覆用液状組成物は、a.成分〜f.成
分からなる液状組成物で基材等に塗布して使用される。
本発明の可逆的熱変色性を有する被覆用液状組成物とし
て具体的には塗料、印刷インキ、筆記用インキ、化粧
料、繊維処理剤、絵具等がある。a.成分〜e.成分は
マイクロカプセルに内蔵して使用することが好ましい。
このようなマイクロカプセルに内蔵することによりa.
成分〜e.成分は必ず全成分が存在する状態となるので
これを配合した被覆用液状組成物は均一な組成物となり
確実な効果を奏することができる。
【0065】f.成分の展色料として塗料形成展色料を
用いれば可逆的熱変色性塗料となる。塗装方法には、刷
毛塗り、スプレー塗装、静電気塗装、浸漬塗装、流し塗
り、ローラー塗装、光重合塗装等があり、これらの塗装
方法、塗装対象素材に応じて蒸発乾燥型、浸透乾燥型、
エマルジョン型、酸化重合型、熱硬化樹脂型、光硬化樹
脂型塗料等が調製される。またf.成分として印刷イン
キ用展色料を用いれば可逆的熱変色性印刷インキが得ら
れる。印刷方法には、凹版、凸版、平版、孔版、コータ
ー等による印刷方法があり、これらの印刷方法、印刷対
象素材に応じて蒸発乾燥型、浸透乾燥型、エマルジョン
型、酸化重合型、熱硬化樹脂型、光硬化樹脂型等の印刷
インキが調製される。f.成分として筆記用インキ用展
色料を用いれば筆記用インキが得られる。筆記具用イン
キには筆記機構に応じて、粘度、剪断減粘性等の流動適
性が調整され、筆記対象に応じて、蒸発乾燥型、エマル
ジョン型等各種の筆記具用インキが調製される。f.成
分として化粧料用ラッカーを用いればマニキュア用化粧
料が得られる。化粧料には、マニキュア用化粧料、メイ
クアップ用化粧料、毛髪用化粧料等があり、化粧対象に
応じて、各種の組成の化粧料が調製される。f.成分と
して繊維処理用のバインダーを用いれば繊維処理剤が得
られる。繊維処理方法としては、浸漬、スプレー塗装等
があり、処理方法、対象素材に応じて、各種の組成の繊
維処理剤が調製される。f.成分として絵具用展色料を
用いれば可逆的熱変色性絵具が得られる。これらの各種
の被覆方法に応じて、非熱変色性着色剤、架橋剤、硬化
剤、乾燥剤、可塑剤、粘度調整剤、分散剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、光安定剤、沈降防止剤、平滑剤、ゲル
化剤、消泡剤、つや消し剤、浸透剤、pH調整剤、発泡
剤、カップリング剤、保湿剤、防かび剤、防腐剤、防錆
剤等の各種添加剤を適宜に加えることにより、被覆用液
状組成物となす。
【0066】
【実施例】次に実施例と比較例をあげて本発明を具体的
に説明する。まず使用する熱変色性組成物の製造方法を
示す。
【0067】熱変色性組成物の製造例1 1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソブチルア
ミノ)フルオラン1.0重量部、1,1−ビス−(4−
ヒドロキシフェニル)−n−デカン8.0重量部、セチ
ルアルコール25.0重量部、カプリン酸ステアリル2
5.0重量部、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2
−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル5.0重量部、を120℃にて加温溶解して均質相溶
体となし、エポン828〔油化シェルエポキシ株式会社
製、エポキシ樹脂〕10重量部の混合溶液に混合した
後、これを10%ゼラチン水溶液100重量部中に滴下
し、微小滴になるように撹拌する。別に用意した5.0
重量部の硬化剤エピキュアU〔油化シェルエポキシ株式
会社製、エポキシ樹脂のアミン付加物〕を45.0重量
部の水に溶解させた溶液を前記撹拌中の溶液中に徐々に
添加し、液温を80℃に保って約5時間撹拌を続け、マ
イクロカプセル原液を得た。前記原液を遠心分離処理す
ることにより、ピンクから無色に変化するマイクロカプ
セルに内包した可逆熱変色性顔料1を得た。
【0068】熱変色性組成物の製造例2〜22 a.b.c.d.e.成分の組み合わせを変えて他は製
造例1と同様にして可逆的熱変色性組成物2〜22を得
た。これ等の熱変色組成物の組成と色変化を表20〜2
3に示す。
【0069】
【表20】
【0070】
【表21】
【0071】
【表22】
【0072】
【表23】
【0073】(註) 表中の配合量は重量部である。 なお表中の組成物2〜11はd.成分、e.成分を含有
する本発明の組成物であり、12〜22はd.成分を含
まない比較例である。
【0074】実施例1 熱変色性組成物−1のマイクロカプセル顔料30.0重
量部を、アクリル酸エステル樹脂エマルジョン45.0
重量部、水分散型光安定剤(チバテックスLFN、日本
チバガイギー社製)1.5重量部、消泡剤1,0重量
部、希釈水22.5重量部からなるビヒクル中に均一分
散し、180メッシュステンレススクリーンで瀘過をし
て、可逆的熱変色性水性スプレー塗科を得た。次ぎに、
布帛に口径0.6mmのスプレーガンを用いて、ピンク
色、黄色、オレンジ色の非変色性スプレー塗料を塗装し
てカラフルな花柄の図柄を形成した。前記、非変色性ス
プレー塗料を用いて花柄を形成した布帛上の全面に前記
スプレーガンを用いて前記可逆的熱変色性スプレー塗料
を塗装した後乾燥させて可逆的熱変色性布帛を得た。ま
た前記布帛を縫製して可逆的熱変色性人形用ドレスを作
製した。前記人形用ドレスは30℃以下の環境ではピン
ク色を呈し、30℃以上に加温すると鮮やかな花柄が現
出する。また、前記可逆的熱変色性布帛を40mm×6
0mmの大きさにカットして耐光性試験試料とした。
【0075】実施例2 可逆的熱変色性組成物−9のマイクロカプセル顔料を1
5.0重量部及び蛍光ピンク顔料3.0重量部、アクリ
ル樹脂/キシレン溶液40.0重量部、紫外線吸収剤と
して2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール3.0重量部、キシレン3
0.0重量部、及びメチルイソブチルケトン30.0重
量部、イソシアネート系硬化剤10.0重量部からなる
ビヒクル中に撹拌混合して可逆的熱変色性油性スプレー
塗料を得た。前記可逆的熱変色性油性スプレー塗料を、
ABS樹脂を射出成形した車型のミニチュアカーのボデ
ィーの全体に、口径0.6mmのスプレーガンを用いて
スプレー塗装を施して乾燥し、可逆的熱変色性層を施し
たミニチュアカーを得た。前記の如く塗装された可逆的
熱変色性ミニチュアカーを17℃以上に加温すると蛍光
ピンク色を呈し、17℃以下で紫色を呈する。また、前
記可逆的熱変色性油性スプレー塗料を用いて、40mm
×60mmの白色塩化ビニルシートにスプレー塗装を施
した可逆的熱変色性塗装物を耐光性試験試料とした。
【0076】実施例3 可逆的熱変色性組成物−11のマイクロカプセル顔料3
5.0重量部を、軟質エポキシ樹脂45.0重量部、低
粘度エポキシ樹脂20.0重量部、紫外線吸収剤として
2−(5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベン
ゾトリアゾール6.0重量部、揺変性付与剤2.0重量
部、消泡剤0.3重量部、からなるビヒクル中に均一分
散練合した後、常温硬化型の脂肪族ポリアミン40.0
重量部を添加し、均一に撹拌混合して可逆的熱変色性軟
質エポキシインキを得た。前記、可逆的熱変色性軟質エ
ポキシインキを、白色エビフライ型成形物の全体に刷毛
を用いて塗装し、70℃で1時間加温硬化させて、可逆
的熱変色性エビフライ型塗装物が得られた。前記の如く
塗装された可逆的熱変色性エビフライ型塗装物は17℃
以上に加温すると白色となり、17℃以下で橙色を呈す
る。また、前記可逆的熱変色性軟質エポキシインキを用
いて、40mm×60mmの大きさにカットした合成紙
に、ドクターコーターにて塗工して硬化させた可逆的熱
変色性塗工物を耐光性試験試料とした。
【0077】実施例4 可逆的熱変色性組成物−8のマイクロカプセル顔料4
0.0重量部及び粉末蛍光黄色顔料5.0重量部、アク
リル酸エステル樹脂エマルジョン58.3重量部、水分
散型紫外線吸収剤(チバテックスLFN、日本チバガイ
ギー社製)1.5重量部、消泡剤0.3重量部、揺変性
付与剤1.3重量部、防腐剤0.1重量部からなるビヒ
クル中に均一撹拌混合して可逆的熱変色性水性ディッピ
ングインキを得た。前記、可逆的熱変色性水性ディッピ
ングインキを用いて、ボール型の成形物全面にディッピ
ング塗工し、乾燥させて可逆的熱変色層を形成し、可逆
的熱変色性ボール型塗工物を得た。前記の如く塗工され
たボール型の可逆的熱変色性ディッピング塗工物は40
℃以上の温水を注ぐことにより、蛍光黄色を呈し、また
40℃以下では緑色を呈した。また、前記可逆的熱変色
性水性ディッピングインキを用いて、40mm×60m
m、厚み2mmのプレート状樹脂成形物の表面にディッ
ピング塗工した可逆的熱変色性ディッピング塗工物を耐
光性試験試料とした。
【0078】実施例5 可逆的熱変色性組成物−3のマイクロカプセル顔料4
0.0重量部及び蛍光ピンク顔料3.0重量部、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン50.0重量
部、消泡剤3.0重量部、増粘剤(アルキン酸ナトリウ
ム)1.0重量部、レベリング剤3.0重量部、防腐剤
1.0重量部からなるビヒクル中に均一に混合して可逆
的熱変色性スクリーンインキを得た。80μm厚の白色
合成紙に接着剤をコーティングして1mm厚のポリエチ
レンフォームを貼り合わせた支持体上に、前記スクリー
ンインキをポリエステル製の150メッシュのスクリー
ン版を用いて印刷して可逆的熱変色層を形成した。前記
の如く形成した可逆的熱変色性シートは30℃以上に加
温すると全面が蛍光ピンク色を呈し、30℃以下で紫色
を呈する。また、前記可逆的熱変色性スクリーンインキ
を用いて、40mm×60mmの大きさにカットした合
成紙に、スクリーン印刷した可逆的熱変色性印刷物を耐
光性試験試料とした。
【0079】実施例6 可逆的熱変色性組成物−1のマイクロカプセル顔料4
0.0重量部をエチレン酢酸ビニル共重合樹脂エマルジ
ョン50.0重量部、消泡剤3.0重量部、増粘剤(ア
ルギン酸ナトリウム)1.0重量部、レベリング剤3.
0重量部、防腐剤1.0重量部からなるビヒクル中に均
一に混合して可逆的熱変色性スクリーンインキを得た。
軟質塩化ビニル樹脂からなる透明支持体上に前記可逆的
熱変色性スクリーンインキで可逆的熱変色性絵柄層を形
成した後、その印刷面全面に白色の一般色印刷インキを
用いて印刷した。さらに一般色印刷層上に軟質塩化ビニ
ルシートを貼り合わせて可逆的熱変色性塩化ビニルシー
トを得た。前記の可逆的熱変色性塩化ビニルシートは3
0℃以上に加温すると白色となり室温下ではピンク色の
絵柄が視認される。また、前記可逆的熱変色性塩化ビニ
ルシートの絵柄層を設けた部分を40mm×60mmの
大きさにカットして耐光性試験試料とした。
【0080】実施例7 可逆的熱変色性組成物−9のマイクロカプセル顔料5
0.0重量部をアクリル−スチレン共重合樹脂エマルジ
ョン45.0重量部、水分散型紫外線吸収剤(チバテッ
クスAPS、日本チバガイギー社製)1.0重量部、消
泡剤5.0重量部、防腐剤1.0重量部からなるビヒク
ル中に均一に撹拌混合して可逆的熱変色性グラビアイン
キを得た。前記可逆的熱変色性グラビアインキを、40
μmのOPPフイルムシート上に、従来公知のグラビア
印刷方法に準じて印刷し可逆的熱変色層を形成した。前
記の如く形成された可逆的熱変色性OPPフイルムシー
トは17℃未満に冷却すると青色を呈し、17℃以上で
は無色半透明となる。また、前記可逆的熱変色性OPP
フイルムシートを40mm×60mmの大きさにカット
したOPPフイルムシートを耐光性試験試料とした。
【0081】実施例8 可逆的熱変色性組成物−7のマイクロカプセル顔料3
0,0重量部及び、粉末蛍光黄色顔料5.0重量部をア
クリル酸エステル共重合樹脂エマルジョン45.0重量
部、水分散型紫外線吸収剤(チバテックスLFN、日本
チバカイギー社製)1.5重量部、消泡剤3.0重量部
中に均一に分散し、アルカリ増粘剤(アクリル酸エステ
ル樹脂エマルジョン)13.0重量部、防腐剤0.5重
量部、アンモニア水(35%)3.5重量部を添加して
均一に撹拌混合して可逆的熱変色性スクリーン水性イン
キを得た。前記、可逆的熱変色性スクリーン水性インキ
を白色のT−シャツ生地上に120メッシュポリエステ
ル製のスクリーン版を用いて印刷して熱変色層を形成し
た。前記の如く形成された可逆的熱変色性T−シャツ生
地は33℃以上に加温すると蛍光黄色を呈し、14℃以
下では緑色を呈する。その間の温度域では任意に緑色と
黄色を選択保持できる。また、前記可逆的熱変色性T−
シャツの可逆的熱変色層を設けた部分を40mm×60
mmの大きさにカットして耐光性試験試料とした。
【0082】実施例9 可逆的熱変色性組成物−6のマイクロカプセル顔料5.
0重量部を塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂15.0
重量部、紫外線吸収剤として2,2′−ジヒドロキシ−
4,4′−ジメトキシベンゾフェノン1.5重量部、キ
シレン35.0重量部、酢酸エチル39.0重量部、消
泡剤1.0重量部からなるビヒクル中に分散、混合して
可逆的熱変色性油性コーティングインキを得た。前記、
可逆的熱変色性油性コーティングインキをドクターコー
ターにより、透明虹彩性多層フイルム(IRIDESC
ENT FILM IF−8181R/G)〔MEAR
L社製〕上に塗布して、可逆的熱変色層を設けた。さら
に可逆的熱変色層上にアクリル系樹脂トルエン・酢酸エ
チル溶液(固形分40%)を塗布して溶剤を蒸発させた
後、厚み16μmの透明ポリエチレンテレフタレートフ
イルムをロールで圧着し虹彩可逆熱変色性積層体を得
た。前記、虹彩可逆熱変色性積層体は34℃以下では虹
彩光沢を有するオレンジ色を呈し、34℃以上では無色
半透明を呈する。また、前記虹彩性可逆的熱変色性積層
体を40mm×60mmの大きさにカットして耐光性試
験試料とした。
【0083】実施例10 可逆的熱変色性組成物−5のマイクロカプセル顔料4
0.0重量部、硬質タイプの液状エポキシ樹脂60.0
重量部、紫外線吸収剤として、2−(3,5−ジ−t−
アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
2.0重量部、消泡剤0.5重量部を均一に混練した後
常温硬化型の脂肪族ポリアミン35.0重量部を添加
し、均一に撹拌混合して可逆的熱変色性エポキシインキ
を得た。前記、エポキシインキを陶器マグカップ表面に
ステンレス製100メッシュスクリーン版を用いて曲面
スクリーン印刷を施した後70℃で60分間加熱硬化し
て可逆的熱変色層を設けた。前記の如く形成された可逆
熟変色マグカップは室温環境温度では青色を呈し、湯水
を注いで表面温度が48℃以上になると白色となる。ま
た、前記可逆的熱変色性エポキシインキを用いて、40
mm×60mmの大きさにカットした合成紙にスクリー
ン印刷し、70℃で60分で硬化させた可逆的熱変色性
印刷物を耐光性試験試料とした。
【0084】実施例11 可逆的熱変色性組成物−2のマイクロカプセル顔料3
0.0重量部及び水分散型青色顔料0.5重量部をカル
ボキシ変性ポリオレフィン系自己乳化エマルジョン(固
形分24〜25%)30重量部、ポリグリセリルアクリ
レート系湿潤剤4.0重量部、トリエタノールアミン
1.0重量部、メチルセルロース0.5重量部、防黴剤
0.2重量部及び消泡剤0.3重量部、水32.0重量
部からなるビヒクル中に均質に混合して可逆的熱変色性
マーキングペンインキを得た。なお、前記インキの比重
は1.01であり粘度37cpsである。前記可逆的熱
変色性マーキングペンインキを毛細管路を有するインキ
吸蔵体に含浸させて軸筒に内蔵し、筆記先端部にプラス
チックポーラス体よりなるペン体を設けて可逆的熱変色
性マーキングペンを得た。前記、可逆的熱変色性マーキ
ングペンにより筆記して得られる筆跡は、14℃以下に
冷却すると紫色を示し、33℃以上で青色となる。14
℃ないし33℃の温度域では、任意に紫色と青色を選択
保持できる。また、前記可逆的熱変色性マーキングペン
インキを用いて、レポート用紙に筆記した筆跡を耐光性
試験試料とした。
【0085】実施例12 可逆的熱変色性組成物−9のマイクロカプセル顔料4
4.0重量部(固形分27.3%)を、剪断減粘性付与
剤を含む水性ビヒクル56.0重量部中に均一分散混合
して、可逆的熱変色性水性ボールペン用インキを調製し
た。前記、可逆的熱変色性水性ボールペン用インキを充
填したボールペンを用いてレポート用紙に筆記したとこ
ろ書き出しが良好な青色の筆跡が得られた。なお、筆跡
の熱変色性を試験した結果、17℃以上で無色となり、
17℃未満で青色を呈する。また、前記可逆的熱変色性
ボールペンインキを用いて、レポート用紙に筆記した筆
跡を耐光性試験試料とした。
【0086】実施例13 可逆的熱変色性組成物−4のマイクロカプセル顔料1
5.0重量部及び粉末蛍光ピンク顔料3.0重量部、5
0%アクリル樹脂/キシレン溶液40.0重量部、紫外
線吸収剤として2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒ
ドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール2.0重量部、
酸化防止剤として、ビス(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)セバケート1.0重量部、キシレ
ン30.0重量部、メチルイソブチルケトン30.0重
量部、イソシアネート系硬化剤10.0重量部からなる
ビヒクル中に撹拌混合して可逆的熱変色性付け爪用油性
スプレー化粧料を得た。前記可逆的熱変色性付け爪用油
性スプレー化粧料を、アセチルセルロース樹脂製の付け
爪の表面に、口径0.6mmのスプレーガンを用いてス
プレー塗装を施した後、乾燥して可逆的熱変色層を設け
た。なお、前記つけ爪は33℃以上に加温すると蛍光ピ
ンク色を呈し、14℃以下では紫色を呈し、その間の温
度域では任意に蛍光ピンク色と紫色が選択保持できる。
前記可逆的熱変色層を設けたつけ爪を耐光性試験試料と
した。
【0087】実施例14 可逆的熱変色性組成物−1のマイクロカプセル顔料1
5.0重量部を50%アクリル樹脂/キシレン溶液4
0.0重量部、紫外線吸収剤として2−(3−t−ブチ
ル−5−オクチルオキシカルボニルエチル−2−ヒドロ
キシフェニル)ベンゾトリアゾール3.0重量部、酸化
防止剤として、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチ
ル−4−ピペリジル)セバケート1.0重量部、キシレ
ン5.0重量部、メチルイソブチルケトン5.0重量
部、ポリイソシアネート系硬化剤6.0重量部からなる
ビヒクル中に撹拌混合して可逆的熱変色性刷毛塗り溶液
を得た。前記刷毛塗り溶液をアセチルセルロース樹脂製
の白色付け爪の表面に刷毛塗りを施して可逆的熱変色性
付け爪を得た。前記可逆的熱変色性付け爪は室温環境下
ではピンク色を呈し、30℃以上では白色となる。前記
可逆的熱変色層を設けたつけ爪を耐光性試験試料とし
た。
【0088】実施例15 可逆的熱変色性組成物−3のマイクロカプセル顔料2
0.0重量部をビヒクルとしてアクリル酸エステル樹脂
エマルジョン80.0重量部、水分散型紫外線吸収剤
(チバテックスLFN、日本チバガイギー社製)1.5
重量部中に均一分散した可逆的熱変色性水性コーティン
グ液中に、70mmの長さにカットした7デニールのポ
リアクリロニトリル原綿100.0重量部を浸漬させ、
その後遠心分離により余分なコーティング液を排除して
90℃10分間乾燥させて可逆的熱変色性ポリアクリロ
ニトリル原綿を得た。前記可逆的熱変色性ポリアクリロ
ニトリル原綿をカードにかけスライバーにした後ハイパ
イル編機で製編し、シャーリング加工してパイル長20
mmの可逆的熱変色性ハイパイル生地を得た。前記可逆
的熱変色性ハイパイル生地を縫製しクマの可逆的熱変色
性ぬいぐるみを得た。前記可逆的熱変色性ぬいぐるみは
室温下では青色を呈し、30℃以上では白色を呈する。
また、前記可逆的熱変色性ハイパイル生地を40mm×
60mmの大きさにカットして耐光性試験試料とした。
【0089】実施例16 可逆的熱変色性組成物−10のマイクロカプセル顔料5
0.0重量部をビヒクルとしてアクリル酸エステル樹脂
エマルジョン50.0重量部、水分散型紫外線吸収剤
(チバテックスLFN、日本チバガイギー社製)1.5
重量部中に均一分散した可逆的熱変色性水性コーティン
グ液中に、7デニールのポリアクリロニトリル素繊維を
80.0重量部を漫漬させ、その後遠心分離により余分
なコーティング液を排除して100℃で5分間乾燥させ
可逆的熱変色性ポリアクリロニトリル素繊維を得た。前
記繊維を捲縮加工し80mm〜130mmの長さにバイ
アスカットして可逆的熱変色性原綿を得た。前記原綿を
カードにかけ、撚り加工を施して可逆的熱変色性糸を3
本束ねて可逆的熱変色性毛糸を得た。前記可逆的熱変色
性毛糸を頭髪植毛ミシンを用いて人形の頭部に植毛し
て、可逆的熱変色性毛髪を有する人形を得た。前記人形
の毛髪は17℃未満に冷却するとピンク色を呈し、17
℃以上では白色となる。また、前記可逆的熱変色性毛糸
を並列に並べたものを耐光性試験試料とした。
【0090】実施例17 可逆的熱変色性組成物7のマイクロカプセル顔料40.
0重量部及び炭酸カルシウム5.0重量部をアラビアガ
ム14.0重量部、グリセリン10.0重量部、粘性調
整剤5.0重量部、防腐剤1.0重量部、水25.0重
量部からなるビヒクル中に均一分散混合して、可逆的熱
変色性水性絵具を得た。前記絵具を水で2倍に希釈し、
筆穂に含ませて画用紙に絵を描いた。前記描いた絵の熱
変色性を試験した結果、14℃以下に冷却すると青緑色
を呈し、33℃以上で無色となる。その間の温度域では
任意に青緑色と無色が選択保持できる。前記絵を耐光性
試験試料とした。
【0091】実施例18 熱変色性組成物1のマイクロカプセル顔料を用いて、実
施例1と同様の方法により作製した可逆的熱変色性布帛
の可逆的熱変色層上に、紫外線吸収剤として、2−(5
−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリア
ゾール3.0重量部、酸化防止剤として、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト1.0重量部を、ポリウレタン樹脂(固形分50%)
/キシレン溶液40重量部、キシレン40.0重量部、
メチルイソブチルケトン40.0重量部、イソシアネー
ト系硬化剤10.0重量部中に均一に撹拌混合した表面
コート剤を、スプレーガンを用いてスプレー塗装を施し
て、光安定剤層を設けた。前記光安定剤層を設けた可逆
的熱変色性布帛を縫製して可逆的熱変色性人形用ドレス
を作製した。なお、前記人形用ドレスは30℃未満の環
境ではピンク色を呈し、30℃以上に加温すると鮮やか
な花柄が現出する。また、前記光安定剤層を設けた可逆
的熱変色性布帛を40mm×60mmの大きさにカット
して耐光性試験試料とした。
【0092】実施例19 熱変色性組成物9のマイクロカプセル顔料を用いて、実
施例2と同様の方法により作製した可逆的熱変色性ミニ
チュアカーの可逆的熱変色層上に、紫外線吸収剤とし
て、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール3.0重量部、酸化防止剤
として、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン1.0重量部、金属光沢顔料とし
て、イリオジン223(メルクジャパン社製)5.0重
量部を、アクリル樹脂(固形分50%)/キシレン溶液
40.0重量部、キシレン30.0重量部、メチルイソ
ブチルケトン30.0重量部、ポリイソシアネート系硬
化剤6.0重量部中に均一に撹拌混合してなる金属光沢
調コート剤をスプレー塗装し、光安定剤および金属光沢
顔料を含有する共存層を設けた。なお、前記ミニチュア
カーは17℃未満に冷却すると金属光沢調の紫色を呈
し、17℃以上では蛍光ピンク色を呈する。また、実施
例2と同様の方法で得られた可逆的熱変色性塗装物の可
逆的熱変色性層上に、前記共存層を設けた金属光沢調可
逆的熱変色性塗装物を耐光性試験試料とした。
【0093】実施例20 可逆的熱変色性組成物−11のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例3と同様の方法により作製した可逆的熱
変色性エビフライ型塗装物の可逆的熱変色層上に、紫外
線吸収剤として、2−(5−t−ブチル−2−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール5.0重量部、低粘度
型エポキシ樹脂25.0重量部、軟質エポキシ樹脂7
0.0重量部、揺変性付与剤4.0重量部、消泡剤1.
0重量部、常温硬化型の脂肪族ポリアミン50.0重量
部を均一撹拌混合してなる表面コート剤を刷毛を用いて
塗装し、70℃で1時間加温硬化させて光安定剤層を設
けた。前記光安定剤層を設けた可逆的熱変色性エビフラ
イ型塗装物は17℃以上に加温すると白色となり、17
℃以下でオレンジ色を呈する。また、実施例3と同様の
方法で得られた可逆的熱変色性塗工物の可逆的熱変色層
上に、前記光安定剤層を設けた可逆的熱変色性塗工物を
耐光性試験試料とした。
【0094】実施例21 可逆的熱変色性組成物−8のマイクロカプセル顔料を用
いて、実施例4と同様の方法により作製した可逆的熱変
色性ボール型塗工物の可逆的熱変色層上に、水分散型紫
外線吸収剤(チバテックスLFN、日本チバガイギー社
製)2.0重量部、アクリル酸エステル樹脂エマルジョ
ン70.0重量部、消泡剤0.5重量部、揺変性付与剤
2.4重量部、防腐剤0.1重量部、水27.0重量部
を均一撹拌混合して得られる表面コート用ディッピング
インキを塗工し、乾燥させて光安定剤層を設けた。前記
光安定剤層を設けた可逆的熱変色性ボール型塗工物は4
0℃以上の温水を注ぐことにより蛍光黄色を呈し、また
40℃以下では緑色を呈する。また、実施例4で得られ
た可逆的熱変色性ディッピング塗工物の可逆的熱変色層
上に、前記光安定剤層を設けた可逆的熱変色性ディッピ
ング塗工物を耐光性試験試料とした。
【0095】実施例22 可逆的熱変色性組成物−3のマイクロカプセル顔料を用
いて、実施例5と同様の方法により作製した可逆的熱変
色性シートの可逆的熱変色層上に、紫外線吸収剤として
2−(3−t−ブチル−5−オクチルオキシカルボニル
エチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
3.0重量部、酸化防止剤として、2−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチ
ルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)1.0重量部、金属光沢顔料(商品
名:イリオジン219、メルクジャパン社製)5.0重
量部、アクリルポリオール樹脂(固形分40%)/シク
ロヘキサノン溶液50.0重量部、シクロヘキサノン2
5.0重量部、芳香族炭化水素系溶剤25.0重量部、
ポリイソシアネート系硬化剤10.0重量部を均一撹拌
混合してなる金属光沢調表面コート剤を用いて印刷し、
光安定剤及び光遮蔽性顔料を含有する共存層を設けた。
前記金属光沢調可逆的熱変色シートは30℃以上に加温
すると全面が蛍光ピンク色を呈し、30℃以下では金属
光沢調の紫色を呈する。また、実施例5で得られた可逆
的熱変色性印刷物の可逆的熱変色層上に、前記共存層を
設けた金属光沢調可逆的熱変色シートを耐光性試験試料
とした。
【0096】実施例23 軟質塩化ビニル樹脂からなる透明支持体上に、紫外線吸
収剤として2−(3−t−ブチル−5−オクチルオキシ
カルボニルエチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾト
リアゾール3.0重量部、酸化防止剤として、2−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−
ペンタメチル−4−ピペリジル)1.0重量部、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合樹脂20.0重量部、シクロヘ
キサノン40.0重量部、芳香族炭化水素系溶剤40.
0重量部、消泡剤0.5重量部を均一に撹拌混合してな
る表面コート剤を印刷して光安定剤層を設けた。さら
に、前記光安定剤層上に実施例6で作製した可逆的熱変
色性スクリーンインキで可逆的熱変色性絵柄層を形成し
た後、その印刷面全面に白色の一般色印刷インキを用い
て印刷した。さらに、前記一般色印刷層上に軟質塩化ビ
ニルシートを貼り合わせて可逆的熱変色性塩化ビニルシ
ートを得た。前記可逆的熱変色性塩化ビニルシートは、
30℃以上に加温すると白色となり、室温下ではピンク
色の絵柄が視覚される。また、前記可逆的熱変色性塩化
ビニルシートを40mm×60mmの大きさにカットし
て耐光性試験試料とした。
【0097】実施例24 可逆的熱変色性組成物−9のマイクロカプセル顔料を用
いて、実施例7と同様の方法により作製した可逆的熱変
色性OPPフイルムシートの可逆的熱変色層上に、紫外
線吸収剤として2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒ
ドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
1.0重量部、金属光沢顔料(イリオジン225、メル
クジャパン社製)3.0重量部、スチレン樹脂20.0
重量部、トルエン80.0重量部を撹拌混合した金属光
沢調表面コート剤を従来公知のグラビア印刷方法に準じ
て印刷し、光安定剤及び光遮蔽性顔料を含有する共存層
を設けた。前記の如く形成された金属光沢調可逆的熱変
色性OPPフイルムシートは17℃未満に冷却すると淡
い金属光沢調の青色を呈し、17℃以上では無色半透明
となる。また、前記金属光沢調可逆的熱変色性OPPフ
イルムシートを40mm×60mmの大きさにカットし
て耐光性試験試料とした。
【0098】実施例25 可逆的熱変色性組成物−7のマイクロカプセル顔料を用
いて実施例8と同様の方法により作製した可逆的熱変色
性T−シャツ生地の可逆的熱変色層上に、金属光沢顔料
(イリオジン235、メルクジャパン社製)5.0重量
部、ウレタン樹脂メジュウム(ラックス、セイコーアド
バンス社製)100.0重量部、シクロヘキサノン3
0.0重量部、イソシアネート系硬化剤10.0重量部
を均一撹拌混合した金属光沢調表面コート剤をスクリー
ン印刷して光遮蔽層を設けた。前記の如く形成された金
属光沢調可逆的熱変色性T−シャツ生地は33℃以上に
加温すると蛍光黄色を呈し、14℃以下では金属光沢調
の緑色を呈する。その間の温度域では任意に蛍光黄色と
金属光沢調の緑色を選択保持できる。また、前記金属光
沢調可逆的熱変色性T−シャツ生地を40mm×60m
mの大きさにカットして耐光性試験試料とした。
【0099】実施例26 透明虹彩性多層フイルム(IRIDESCENT FI
LM IF−8181R/G、MEARL社製)上に、
紫外線吸収剤として2,2′−ジヒドロキシ−4,4′
−ジメトキシベンゾフェノン2.0重量部、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合樹脂15.0重量部、キシレン3
0.0重量部、酢酸エチル30.0重量部、消泡剤1.
0重量部を均一撹拌混合した表面コート剤をドクターコ
ーターにより塗布して光安定剤層を設けた。さらに前記
光安定剤層上に実施例9で得られた可逆的熱変色性コー
ティングインキ塗布して、可逆的熱変色層を設けた。前
記可逆的熱変色層上にアクリル系樹脂トルエン・酢酸エ
チル溶液(固形分40%)を塗布して乾燥させた後、厚
み60μmの透明ポリエチレンテレフタレートフイルム
をロールで圧着して光安定剤層を設け虹彩性可逆的熱変
色性積層体を得た。なお、前記虹彩性可逆的熱変色性積
層体は34℃以下では虹彩性を有するオレンジ色を呈
し、34℃以上では無色半透明を呈する。また、前記光
安定剤層を設けた虹彩性可逆的熱変色性積層体を40m
m×60mmの大きさにカットして耐光性試験試料とし
た。
【0100】実施例27 可逆的熱変色性組成物−5のマイクロカプセル顔料を用
いて、実施例10と同様の方法により作製した可逆的熱
変色性マグカップの可逆的熱変色層上に、紫外線吸収剤
として2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール2.0重量部、硬質エポ
キシ樹脂100.0重量部、常温硬化型の脂肪族ポリア
ミン40.0重量部、消泡剤0.5重量部を均一撹拌混
合した表面コート用エポキシインキを用いてスクリーン
印刷した後加熱硬化して光安定剤層を設けた。前記の如
く形成した光安定剤層を設けた可逆的熱変色性マグカッ
プは室温環境温度では青色を呈し、湯水を注いで表面温
度が48℃以上になると白色となる。また、実施例10
と同様の方法により得られた可逆的熱変色性印刷物上に
前記光安定剤層を設けた可逆的熱変色性マグカップを耐
光性試験試料とした。
【0101】実施例28 実施例11で作製した可逆的熱変色性マーキングペンを
用いてレポート用紙に筆記して得られる筆跡上に、紫外
線吸収剤が配合された厚み25μmのポリエステル製ラ
ミネートフイルムを貼り合わせて光安定剤層を設けた。
前記可逆的熱変色性マーキングペンにより筆記して得ら
れる筆跡は、14℃以下に冷却すると紫色を示し、33
℃以上で青色となる。14℃ないし33℃の温度域で
は、任意に紫色と青色を選択保持できる。また、前記光
安定剤層を設けた筆跡を耐光性試験試料とした。
【0102】実施例29 実施例12で作製した可逆的熱変色性水性ボールペンを
用いてレポート用紙に筆記して得られる筆跡上に、紫外
線吸収剤が配合された厚み25μmのポリエステル製ラ
ミネートフイルムを貼り合わせて、光安定剤層を設け
た。前記可逆的熱変色性水性ボールペンにより筆記して
得られる筆跡は、17℃以上で無色となり、17℃未満
で青色を呈する。また、前記光安定剤層を設けた筆跡を
耐光性試験試料とした。
【0103】実施例30 可逆的熱変色性組成物−4のマイクロカプセル顔料を用
いて、実施例13と同様の方法により作製した可逆的熱
変色性つけ爪の可逆的熱変色層上に紫外線吸収剤として
2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール3.0重量部、酸化防止剤とし
てビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート1.0重量部、金属光沢顔料(イリオジ
ン219、メルクジャパン社製)5.0重量部、アクリ
ルポリオール樹脂(固形分40%)/キシレン溶液5
0.0重量部、キシレン50.0重量部、イソシアネー
ト系硬化剤10.0重量部を均一撹拌混合した表面コー
トスプレー塗料を塗装し、光安定剤及び金属光沢顔料を
含有する共存層を設けた。前記の如くして形成された金
属光沢調可逆的熱変色性つけ爪は33℃以上に加温する
と蛍光ピンク色を呈し、14℃以下では金属光沢調の紫
色を呈し、その間の温度域では任意に蛍光ピンク色と紫
色が選択保持できる。また、前記金属光沢調可逆的熱変
色性つけ爪を耐光性試験試料とした。
【0104】実施例31 可逆的熱変色性組成物−1のマイクロカプセル顔料を用
いて、実施例14と同様の方法により作製した可逆的熱
変色性つけ爪の可逆的熱変色層上に、金属光沢顔料(イ
リオジン219、メルクジャパン社製)5.0重量部、
アクリル樹脂(固形分50%)/キシレン溶液50.0
重量部、キシレン10.0重量部、メチルイソブチルケ
トン10.0重量部を均一撹拌混合してなる金属光沢調
刷毛塗り溶液を刷毛塗りして光遮蔽層を設けた。前記の
如くして形成される金属光沢調可逆的熱変色性付け爪は
室温環境下では金属光沢調のピンク色を呈し、30℃以
上では白色となる。前記金属光沢調可逆的熱変色性つけ
爪を耐光性試験試料とした。
【0105】実施例32 可逆的熱変色性組成物−3のマイクロカプセル顔料を用
いて、実施例15と同様の方法により作製した可逆的熱
変色性ポリアクリロニトリル原綿を、水分散型紫外線吸
収剤(チバテックスLFN、日本チバガイギー社製)
1.5重量部、アクリル酸エステル樹脂エマルジョン5
0重量部、水50.0重量部を均一分散したコーティン
グ溶液中に浸漬させ、その後遠心分離により余分なコー
ティング液を排除した後、90℃で10分間乾燥させて
光安定剤層を設けた。前記光安定剤層を設けた可逆的熱
変色性ポリアクリロニトリル原綿をカードにかけスライ
バーにした後ハイパイル編機で製編し、シャーリング加
工してパイル長20mmの可逆的熱変色性ハイパイル生
地を得た。前記可逆的熱変色性ハイパイル生地を縫製
し、クマの可逆的熱変色性ぬいぐるみを得た。前記可逆
的熱変色性ぬいぐるみは室温下では青色を呈し、30℃
以上では白色を呈する。また、前記光安定剤層を設けた
可逆的熱変色性ハイパイル生地を40mm×60mmの
大きさにカットして耐光性試験試料とした。
【0106】実施例33 可逆的熱変色性組成物−10のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例16と同様の方法により作製した可逆的
熱変色性ポリアクリロニトリル素繊維を、水分散型紫外
線吸収剤(チバテックスLFN、日本チバガイギー社
製)1.5重量部、アクリル酸エステル樹脂エマルジョ
ン50重量部、水分散型光安定剤2.0重量部、水5
0.0重量部を均一分散したコーティング溶液中に浸漬
させ、その後遠心分離により余分なコーティング液を排
除して100℃で10分間乾燥させて光安定剤層を設け
た。前記光安定剤層を設けた可逆的熱変色性素繊維を捲
縮加工し80mm〜130mmの長さにバイアスカット
して可逆的熱変色性原綿を得た。さらに、前記原綿をカ
ードにかけ、撚り加工を施して可逆的熱変色性糸を3本
束ねて可逆的熱変色性毛糸を得た。前記可逆的熱変色性
毛糸を頭髪植毛ミシンを用いて人形の頭部に植毛して、
可逆的熱変色性毛髪を有する人形を得た。前記可逆的熱
変色性人形の毛髪は17℃未満に冷却するとピンク色を
呈し、17℃以上では白色となる。また、前記光安定剤
層を設けた可逆的熱変色性毛糸を並列に並べたものを耐
光性試験試料とした。
【0107】実施例34 実施例17と同様の方法により作製した可逆的熱変色性
水性絵具により描いた絵の表面上に、紫外線吸収剤とし
て2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェ
ニル)ベンゾトリアゾール3.0重量部、アクリル樹脂
(固形分50%)/キシレン溶液40.0重量部、キシ
レン30.0重量部、メチルイソブチルケトン30.0
重量部、ポリイソシアネート系硬化剤10.0重量部を
均一撹拌混合してなる表面コート剤をスプレー塗装し
て、光安定剤層を設けた。前記光安定剤層を設けた絵
は、14℃以下に冷却すると青緑色を呈し、33℃以上
で無色となる。その間の温度域では任意に青緑色と無色
が選択保持できる。また、前記光安定剤層を設けた絵を
耐光性試験試料とした。
【0108】実施例35 実施例19と同様の方法により作製した金属光沢調可逆
的熱変色性ミニチュアカーの共存層上に、紫外線吸収剤
として2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール3.0重量部、酸化防止
剤として4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン1.0重量部、アクリル樹脂(固形
分50%)/キシレン溶液40.0重量部、キシレン3
0.0重量部、メチルイソブチルケトン30.0重量
部、ポリイソシアネート系硬化剤6.0重量部を均一撹
拌してなる表面コート剤を用いてスプレー塗装を施し、
光安定剤層を設けた。前記光安定剤層を設けた金属光沢
調可逆的熱変色性ミニチュアカーは17℃未満に冷却す
ると金属光沢調の紫色を呈し、17℃以上では蛍光ピン
ク色を呈する。また、実施例19と同様の方法で作製し
た金属光沢調可逆的熱変色性塗装物の共存層上に、前記
光安定剤層を設けた金属光沢調可逆的熱変色性塗装物を
耐光性試験試料とした。
【0109】実施例36 実施例22と同様の方法で作製した金属光沢調可逆的熱
変色性シートの共存層上に、紫外線吸収剤として2−
(3−t−ブチル−5−オクチルオキシカルボニルエチ
ル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール3.
0重量部、酸化防止剤として、2−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマ
ロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)1.0重量部、アクリルポリオール樹脂
(固形分50%)/シクロヘキサノン溶液50.0重量
部、シクロヘキサノン25.0重量部、芳香族炭化水素
系溶剤25.0重量部、ポリイソシアネート系硬化剤1
0.0重量部を均一撹拌混合してなる表面コート剤を印
刷し、光安定剤層を設けた。前記光安定剤層を設けた金
属光沢調可逆的熱変色性シートは30℃以上に加温する
と全面が蛍光ピンク色を呈し、30℃以下では金属光沢
調の紫色を呈する。また、実施例22と同様の方法で作
製した金属光沢調可逆的熱変色性印刷物の共存層上に、
前記光安定剤層を設けた金属光沢調可逆的熱変色性印刷
物を耐光性試験試料とした。
【0110】実施例37 実施例30と同様の方法で作製した金属光沢調可逆的熱
変色性つけ爪の共存層上に、紫外線吸収剤として2−
(3−t−ブチル−5−オクチルオキシカルボニルエチ
ル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール3.
0重量部、酸化防止剤としてビス(2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジル)セバケート1.0重量
部、アクリルポリオール樹脂(固形分40%)/キシレ
ン溶液50.0重量部、キシレン50.0重量部、ポリ
イソシアネート系硬化剤10.0重量部を均一撹拌混合
してなる表面コート塗料をスプレー塗装し、光安定剤層
を設けた。前記光安定剤層を設けた金属光沢調可逆的熱
変色性つけ爪は33℃以上に加温すると蛍光ピンク色を
呈し、14℃以下では金属光沢調の紫色を呈する。その
間の温度域では任意に蛍光ピンク色と紫色が選択保持で
きる。また、前記光安定剤層を設けた金属光沢調可逆的
熱変色性つけ爪を耐光性試験試料とした。
【0111】実施例38 可逆的熱変色性組成物−1のマイクロカプセル顔料4
0.0重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマル
ジョン50.0重量部、消泡剤3.0重量部、増粘剤
1.0重量部、防腐剤1.0重量部からなるビヒクル中
に均一に撹拌混合して可逆的熱変色性スクリーンインキ
を得た。紫外線吸収剤が配合された軟質塩化ビニルシー
トからなる透明支持体上に、紫外線吸収剤として2−
(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール3.0重量部、酸化防止剤として4
−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン1.0重量部、光遮蔽性顔料(イリオジン21
9、メルクジャパン社製)5.0重量部、アクリルポリ
オール樹脂(固形分50%)/シクロヘキサノン溶液5
0.0重量部、シクロヘキサノン25.0重量部、芳香
族炭化水素系溶剤25.0重量部、ポリイソシアネート
系硬化剤10.0重量部を均一撹拌混合してなる表面コ
ート剤を印刷し、光安定剤及び光遮蔽性顔料を含有する
共存層を設けた。さらに、前記共存層上に可逆的熱変色
性スクリーンインキを印刷して可逆的熱変色層を形成し
た。前記可逆的熱変色層上に白色の一般色印刷インキを
印刷して一般色印刷層を形成し、金属光沢調可逆的熱変
色性塩化ビニルシートを得た。前記金属光沢調可逆的熱
変色性塩化ビニルシートは、室温環境下では金属光沢調
のピンク色を呈し、30℃以上では白色を呈する。前記
金属光沢調可逆的熱変色性塩化ビニルシートを耐光性試
験試料とした。
【0112】実施例39 可逆的熱変色性組成物−3のマイクロカプセル顔料4
0.0重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマル
ジョン50.0重量部、消泡剤3.0重量部、増粘剤
1.0重量部、防腐剤1.0重量部からなるビヒクル中
に均一に撹拌混合して可逆的熱変色性スクリーンインキ
を得た。上質紙に前記可逆的熱変色性インキを用いて絵
柄を印刷した後、前記絵柄層上に、紫外線吸収剤として
2−(3−t−ブチル−5−オクチルオキシカルボニル
エチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール
3.0重量部、酸化防止剤として2−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチル
マロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジル)1.0重量部、光遮蔽性顔料(イリオジ
ン289、メルクジャパン社製)5.0重量部、アクリ
ルポリオール樹脂(固形分50%)/シクロヘキサノン
溶液50.0重量部、シクロヘキサノン25.0重量
部、芳香族炭化水素系溶剤25.0重量部、ポリイソシ
アネート系硬化剤10.0重量部を均一撹拌混合してな
る表面コート剤を印刷し、光安定剤及び光遮蔽性顔料を
含有する共存層を設けた。さらに、前記共存層上に紫外
線吸収剤が配合された厚み25μmのポリエステル製ラ
ミネートフイルムを貼り合わせて光安定剤層を設けて金
属光沢調可逆的熱変色性印刷物を得た。前記金属光沢調
可逆的熱変色性印刷物は、室温環境下では淡い金属光沢
調の青色を呈し、30℃以上では無色となる。前記金属
光沢調可逆的熱変色性印刷物を耐光性試験試料とした。
【0113】比較例1 可逆的熱変色性組成物−12のマイクロカプセル顔料を
用いて実施例1と同様にして可逆的熱変色性スプレー塗
料を得た。この塗料で花柄を形成した布帛全面にスプレ
ー塗装して可逆的熱変色性布帛を得た。また前記布帛を
縫製して可逆的熱変色性人形用ドレスを作製した。前記
ドレスは、実施例1で得た可逆的熱変色性人形用ドレス
と同様の色変化を呈する。また、前記可逆的熱変色性布
帛を40mm×60mmの大きさにカットした布帛を耐
光性試験試料とした。
【0114】比較例2 可逆的熱変色性組成物−20のマイクロカプセル顔料を
用いて実施例2と同様にして可逆的熱変色性油性スプレ
ー塗料を得た。さらに前記可逆的熱変色性油性スプレー
塗料を用いて可逆的熱変色性層を施したミニチュアカー
を得た。前記ミニチュアカーは、実施例2で得た可逆的
熱変色性ミニチュアカーと同様の色変化を呈する。ま
た、前記可逆的熱変色性油性スプレー塗料を用いて40
mm×60mmの白色塩化ビニルシートにスプレー塗装
を施した可逆的熱変色性塗装物を耐光性試験試料とし
た。
【0115】比較例3 可逆的熱変色性組成物−22のマイクロカプセル顔料を
用いて実施例3と同様にして可逆的熱変色性軟質エポキ
シインキを得た。さらに、エビフライ型成形物全体に刷
毛を用いて前記可逆的熱変色性軟質エポキシインキで塗
装した後加熱硬化させて、可逆的熱変色性エビフライ型
塗装物を得た。前記塗装物は、実施例3で得た可逆的熱
変色性エビフライ塗装物と同様の色変化を呈する。ま
た、前記可逆的熱変色性軟質エポキシインキを用いて、
40mm×60mmの大きさにカットした合成紙にドク
ターコーターにて塗工し、硬化させた可逆的熱変色性塗
工物を耐光性試験試料とした。
【0116】比較例4 可逆的熱変色性組成物−19のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例4と同様にして可逆的熱変色性水性ディ
ッピングインキを得た。さらに、前記可逆的熱変色性水
性ディッピングインキを用いてボール型成形物の全面に
ディッピング塗工し、乾燥させてボール型の可逆的熱変
色性ディッピング塗工物を得た。前記塗工物は、実施例
4で得た可逆的熱変色性ディッピング塗工物と同様の色
変化を呈する。また、前記可逆的熱変色性水性ディッピ
ングインキを用いて、40mm×60mm、厚み2mm
のプレート状樹脂成形物の表面にディッピング塗工し、
乾燥させた可逆的熱変色性ディッピング塗工物を耐光性
試験試料とした。
【0117】比較例5 可逆的熱変色性組成物−14のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例5と同様にして可逆的熱変色性スクリー
ンインキを得た。前記可逆的熱変色性スクリーンインキ
を用いて白色合成紙にポリエチレンフォームを貼り合わ
せた支持体上にスクリーン印刷して可逆的熱変色性シー
トを得た。前記シートは、実施例5で得た可逆的熱変色
性シートと同様の色変化を呈する。また、前記可逆的熱
変色性スクリーンインキを用いて、40mm×60mm
の大きさにカットした合成紙に、スクリーン印刷した可
逆的熱変色性印刷物を耐光性試験試料とした。
【0118】比較例6 可逆的熱変色性組成物−12のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例6と同様に可逆的熱変色性スクリーンイ
ンキを得た。前記可逆的熱変色性スクリーンインキを用
いて、軟質塩化ビニルシートの上に絵柄を印刷した後前
記絵柄層上に白色の一般インキを用いて非変色層を形成
した。さらに、前記非変色層上に軟質塩化ビニルシート
を貼り合わせて可逆的熱変色性塩化ビニルシートを得
た。前記シートは、実施例6で得た可逆的熱変色性塩化
ビニルシートと同様の色変化を呈する。また、前記可逆
的熱変色性塩化ビニルシートの絵柄層を設けた部分を4
0mm×60mmの大きさにカットして耐光性試験試料
とした。
【0119】比較例7 可逆的熱変色性組成物−20のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例7と同様にして可逆的熱変色性グラビア
インキを得た、前記可逆的熱変色性グラビアインキを用
いてOPPフイルムシート上にグラビア印刷を施し可逆
的熱変色性OPPフイルムシートを得た。前記シート
は、実施例7で得た可逆的熱変色性OPPフイルムシー
トと同様の色変化を呈する。また、前記可逆的熱変色性
OPPフイルムシート40mm×60mmの大きさにカ
ットしたOPPフイルムシートを耐光性試験試料とし
た。
【0120】比較例8 可逆的熱変色性組成物−18のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例8と同様にして可逆的熱変色性スクリー
ン水性インキを得た。前記可逆的熱変色性スクリーン水
性インキを用いてT−シャツ生地上にスクリーン印刷を
施して可逆的熱変色性T−シャツ生地を得た。前記T−
シャツ生地は、実施例8で得た可逆的熱変色性T−シャ
ツ生地と同様の色変化を呈する。また、前記可逆的熱変
色性T−シャツの可逆的熱変色層を設けた部分を40m
m×60mmの大きさにカットして耐光性試験試料とし
た。
【0121】比較例9 可逆的熱変色性組成物−17のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例9と同様にして可逆的熱変色性油性コー
ティングインキを得た。前記可逆的熱変色性油性コーテ
ィングインキを用いて透明虹彩性多層フイルム上にドク
ターコーターにより塗布して、可逆的熱変色層を設け
た。さらに可逆的熱変色層上にポリエチレンテレフタレ
ートフイルムをロールで圧着し虹彩可逆熱変色性積層体
を得た。前記積層体は、実施例9で得た虹彩可逆熱変色
性積層体と同様の色変化を呈する。また、前記虹彩性可
逆的熱変色性積層体を40mm×60mmの大きさにカ
ットして耐光性試験試料とした。
【0122】比較例10 可逆的熱変色性組成物−16のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例10と同様に可逆的熱変色性エポキシイ
ンキを得た。前記可逆的熱変色性エポキシインキを用い
て陶器マグカップに曲面印刷を施し加熱硬化して可逆熱
変色マグカップを得た。前記マグカップは、実施例10
で得た可逆熱変色マグカップと同様の色変化を呈する。
また、前記可逆的熱変色性エポキシインキを用いて、4
0mm×60mmの大きさにカットした合成紙にスクリ
ーン印刷し、硬化させた可逆的熱変色性印刷物を耐光性
試験試料とした。
【0123】比較例11 可逆的熱変色性組成物−13のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例11と同様に可逆的熱変色性マーキング
ペン用インキを得た。前記可逆的熱変色性マーキングペ
ン用インキを充填し可逆的熱変色性マーキングペンを得
た。前記マーキングペンで筆記した筆跡は、実施例11
で得た可逆熱変色マーキングペンで筆記した筆跡と同様
の色変化を呈する。また、前記可逆的熱変色性マーキン
グペンを用いて筆記したレポート用紙を耐光性試験試料
とした。
【0124】比較例12 可逆的熱変色性組成物−20のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例12と同様に可逆的熱変色性水性ボール
ペン用インキを得た。前記可逆的熱変色性水性ボールペ
ン用インキを充填して可逆的熱変色性ボールペンを得
た。前記ボールペンで筆記した筆跡は、実施例12で得
た可逆熱変色ボールペンで筆記した筆跡と同様の色変化
を呈する。また、前記可逆的熱変色性水性ボールペンを
用いて筆記した用紙を耐光性試験試料とした。
【0125】比較例13 可逆的熱変色性組成物−15のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例13と同様にして可逆的熱変色性付け爪
用油性スプレー化粧料を得た。前記可逆的熱変色性付け
爪用油性スプレー化粧料を用いてアセチルセルロース樹
脂製の付け爪にスプレー塗装を施し可逆的熱変色性付け
爪を得た。前記つけ爪は、実施例13で得た可逆熱変色
つけ爪と同様の色変化を呈する。また、前記可逆的熱変
色性つけ爪を耐光性試験試料とした。
【0126】比較例14 可逆的熱変色性組成物−12のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例14と同様にして可逆的熱変色性刷毛塗
り溶液を得た。前記刷毛塗り溶液をアセチルセルロース
樹脂製の付け爪の表面に刷毛塗りを施して可逆的熱変色
性付け爪を得た。前記つけ爪は、実施例14で得た可逆
熱変色つけ爪と同様の色変化を呈する。また、前記可逆
的熱変色性つけ爪を耐光性試験試料とした。
【0127】比較例15 可逆的熱変色性組成物−14のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例15と同様にして可逆的熱変色性ハイパ
イル生地を得た。前記可逆的熱変色性ハイパイル生地を
用いて可逆的熱変色性ぬいぐるみを得た。前記ぬいぐる
みは、実施例15で得た可逆熱変色性ぬいぐるみと同様
の色変化を呈する。また、前記可逆的熱変色性ハイパイ
ル生地を40mm×60mmの大きさにカットして耐光
性試験試料とした。
【0128】比較例16 可逆的熱変色性組成物−21のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例16と同様に可逆的熱変色性毛糸を得
た。前記可逆的熱変色性毛糸を頭髪植毛ミシンを用いて
人形の頭部にて植毛して、可逆的熱変色性毛髪を有する
人形を得た。前記人形の毛髪は、実施例16で得た人形
の可逆熱変色毛髪と同様の色変化を呈する。また、前記
可逆的熱変色性毛糸を並列に並べて耐光性試験試料とし
た。
【0129】比較例17 可逆的熱変色性組成物18のマイクロカプセル顔料を用
いて、実施例17と同様に可逆的熱変色性水性絵具を得
た。前記絵具を水で2倍に希釈し、筆穂に含ませて画用
紙に絵を描いた。前記画用紙に描いた絵は、実施例17
で描いた絵と同様の色変化を呈する。また、前記画用紙
に描いた絵を耐光性試験試料とした。
【0130】比較例18 熱変色性組成物12のマイクロカプセル顔料を用いて、
実施例1と同様の方法により作製した可逆的熱変色性布
帛表面上に、実施例18で作製した表面コート剤を塗装
して、光安定剤層を設けた可逆的熱変色性布帛を得た。
前記布帛を縫製して可逆的熱変色性人形用ドレスを作製
した。前記人形用ドレスは、実施例18で得た可逆的熱
変色性人形用ドレスと同様の色変化を呈する。また、前
記光安定剤層を設けた可逆的熱変色性布帛を40mm×
60mmの大きさにカットして耐光性試験試料とした。
【0131】比較例19 熱変色性組成物20のマイクロカプセル顔料を用いて、
作製したミニチュアカーの可逆的熱変色層上に、実施例
19で作製した金属光沢調コート剤を塗装して光安定剤
および光遮蔽性顔料を含有する共存層を設けた。前記共
存層を設けたミニチュアカーは、実施例19で得たミニ
チュアカーと同様の色変化を呈する。また、熱変色性組
成物20のマイクロカプセル顔料を用いて、実施例19
と同様の方法により得られた可逆的熱変色性塗装物の可
逆的熱変色層上に、前記共存層を設けて耐光性試験試料
とした。
【0132】比較例20 可逆的熱変色性組成物−22のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例20と同様の方法により光安定剤層を設
けた可逆的熱変色性エビフライ型塗装物を得た。前記光
安定剤層を設けた可逆的熱変色性エビフライ型塗装物
は、実施例20で得た可逆的熱変色性エビフライ型塗装
物と同様の色変化を呈する。また、前記可逆的熱変色性
組成物−22のマイクロカプセル顔料を用いて、実施例
20と同様の方法により得られた光安定剤層を設けた可
逆的熱変色性塗工物を耐光性試験試料とした。
【0133】比較例21 可逆的熱変色性組成物−19のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例21と同様の方法により光安定剤層を設
けた可逆的熱変色性ボール型塗工物を得た。前記光安定
剤層を設けた可逆的熱変色性ボール型塗工物は、実施例
21で得た可逆的熱変色性ボール型塗工物と同様の色変
化を呈する。また、可逆的熱変色性組成物−19のマイ
クロカプセル顔料を用いて、実施例21と同様の方法に
より得られた光安定剤層を設けた可逆的熱変色性ディッ
ピング塗工物を耐光性試験試料とした。
【0134】比較例22 可逆的熱変色性組成物−14のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例22と同様の方法により金属光沢調可逆
的熱変色性シートを得た。前記金属光沢調可逆的熱変色
性共存層を設けたシートは、実施例22で得た金属光沢
調可逆的熱変色性シートと同様の色変化を呈する。ま
た、可逆的熱変色性組成物−14のマイクロカプセル顔
料を用いて、実施例22と同様の方法により得られた金
属光沢調可逆的熱変色性印刷物を耐光性試験試料とし
た。
【0135】比較例23 可逆的熱変色性組成物−12のマイクロカプセル顔料を
用いて作製した可逆的熱変色性スクリーンインキを使用
する以外は、実施例23と同様の方法により光安定剤層
を設けた可逆的熱変色性塩化ビニルシートを得た。前記
光安定剤層を設けた可逆的熱変色性塩化ビニルシート
は、実施例23で得た可逆的熱変色性塩化ビニルシート
と同様の色変化を呈する。また、前記光安定剤層を設け
た可逆的熱変色性塩化ビニルシートを40mm×60m
mの大きさにカットして耐光性試験試料とした。
【0136】比較例24 可逆的熱変色性組成物−20のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例24と同様の方法により金属光沢調可逆
的熱変色性OPPフイルムシートを得た。前記金属光沢
調可逆的熱変色性OPPフイルムシートは、実施例24
で得た金属光沢調可逆的熱変色性OPPフイルムシート
と同様の色変化を呈する。また、前記金属光沢調可逆的
熱変色性OPPフイルムシートを40mm×60mmの
大きさにカットして耐光性試験試料とした。
【0137】比較例25 可逆的熱変色性組成物−18のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例25と同様の方法により金属光沢調可逆
的熱変色性T−シャツ生地を得た。前記金属光沢調可逆
的熱変色性T−シャツ生地は、実施例25で得た可逆的
熱変色性T−シャツ生地と同様の色変化を呈する。前記
金属光沢調可逆的熱変色性T−シャツ生地を40mm×
60mmの大きさにカットして耐光性試験試料とした。
【0138】比較例26 可逆的熱変色性組成物−17のマイクロカプセル顔料を
用いて調製した可逆的熱変色性油性コーティングインキ
を用いて、実施例26と同様の方法により光安定剤層を
設けた虹彩性可逆的熱変色性積層体を得た。前記光安定
剤層を設けた虹彩性可逆的熱変色性積層体は、実施例2
6で得た虹彩性可逆的熱変色性積層体と同様の色変化を
呈する。前記光安定剤層を設けた虹彩性可逆的熱変色性
積層体を40mm×60mmの大きさにカットして耐光
性試験試料とした。
【0139】比較例27 可逆的熱変色性組成物−16のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例27と同様の方法により光安定剤層を設
けた可逆的熱変色性マグカップを得た。前記光安定剤層
を設けた可逆的熱変色性マグカップは、実施例27で得
た可逆的熱変色性マグカップと同様の色変化を呈する。
また、可逆的熱変色性組成物−16のマイクロカプセル
顔料を用いて、実施例27と同様の方法により光安定剤
層を設けた可逆的熱変色性印刷物を耐光性試験試料とし
た。
【0140】比較例28 可逆的熱変色性組成物−13のマイクロカプセル顔料を
用いて調製したインキを内蔵した可逆的熱変色性マーキ
ングペンを用いて、実施例28と同様にレポート用紙に
筆記して得られる筆跡上に紫外線吸収剤が配合された厚
み25μmのポリエステル製ラミネートフイルムを貼り
合わせて、光安定剤層を設けた。前記可逆的熱変色性マ
ーキングペンにより筆記して得られる筆跡は、実施例2
8で得た筆跡と同様の色変化を呈する。前記光安定剤層
を設けた筆跡を耐光性試験試料とした。
【0141】比較例29 可逆的熱変色性組成物−20のマイクロカプセル顔料を
用いて調製したインキを内蔵した可逆的熱変色性ボール
ペンを用いて、実施例29と同様にレポート用紙に筆記
して得られる筆跡上に紫外線吸収剤が配合された厚み2
5μmのポリエステル製ラミネートフイルムを貼り合わ
せて、光安定剤層を設けた。前記可逆的熱変色性ボール
ペンにより筆記して得られる筆跡は、実施例29で得た
筆跡と同様の色変化を呈する。前記光安定剤層を設けた
筆跡を耐光性試験試料とした。
【0142】比較例30 可逆的熱変色性組成物−15のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例30と同様の方法により金属光沢調可逆
的熱変色性つけ爪を得た。前記金属光沢調可逆的熱変色
性つけ爪は、実施例30で得た金属光沢調可逆的熱変色
性つけ爪と同様の色変化を呈する。前記金属光沢調可逆
的熱変色性つけ爪を耐光性試験試料とした。
【0143】比較例31 可逆的熱変色性組成物−12のマイクロカプセル顔料を
用いて、実施例31と同様の方法により金属光沢調可逆
的熱変色性つけ爪を得た。前記金属光沢調可逆的熱変色
性つけ爪は、実施例31で得た金属光沢調可逆的熱変色
性つけ爪と同様の色変化を呈する。前記金属光沢調可逆
的熱変色性つけ爪を耐光性試験試料とした。
【0144】比較例32 可逆的熱変色性組成物−14のマイクロカプセル顔料を
用いて作製した可逆的熱変色性ポリアクリロニトリル原
綿を、実施例32と同様に作製したコーティング溶液中
に浸漬させて、光安定剤層を設けた可逆的熱変色性ポリ
アクリロニトリル原綿を得た。前記原綿を用いてハイパ
イル生地を作製し、さらに前記生地を縫製してクマの可
逆的熱変色性ぬいぐるみを得た。前記可逆的熱変色性ぬ
いぐるみは、実施例32で得た可逆熱変色性クマのぬい
ぐるみと同様の色変化を呈する。また、前記光安定剤層
を設けた可逆的熱変色性ハイパイル生地を、40mm×
60mmの大きさにカットして耐光性試験試料とした。
【0145】比較例33 可逆的熱変色性組成物−21のマイクロカプセル顔料を
用いて作製した可逆的熱変色性ポリアクリロニトリル素
繊維を、実施例33と同様に作製したコーティング溶液
中に浸漬させて、光安定剤層を設けた可逆的熱変色性ポ
リアクリロニトリル素繊維を得た。前記可逆的熱変色性
ポリアクリロニトリル素繊維を用いて光安定剤層を設け
た可逆的熱変色性毛糸を作製し、頭髪植毛ミシンで人形
の頭部に植毛して可逆的熱変色性毛髪を有する人形を得
た。前記人形の毛髪は、実施例33で得た人形の毛髪と
同様の色変化を呈する。また、前記光安定剤層を設けた
可逆的熱変色性毛糸を並列に並べたものを耐光性試験試
料とした。
【0146】比較例34 可逆的熱変色性組成物−18のマイクロカプセル顔料を
用いて調製した可逆的熱変色性水性絵具で描いた絵の表
面上に、実施例34と同様の方法により光安定剤層を設
けた。前記光安定剤層を設けた絵は、実施例34で得た
絵と同様の色変化を呈する。前記光安定剤層を設けた絵
を耐光性試験試料とした。
【0147】比較例35 可逆的熱変色性組成物−20のマイクロカプセル顔料を
用いた以外は実施例35と同様にして、共存層上に光安
定剤層を設けた金属光沢調可逆的熱変色性ミニチュアカ
ーを得た。前記金属光沢調可逆的熱変色性ミニチュアカ
ーは、実施例35で得た金属光沢調可逆的熱変色性ミニ
チュアカーと同様の色変化を呈する。また、熱変色性組
成物20のマイクロカプセル顔料を用いて、実施例35
と同様の方法により共存層上に光安定剤層を設けた金属
光沢調可逆的熱変色性塗装物を耐光性試験試料とした。
【0148】比較例36 可逆性熱変色性組成物−14のマイクロカプセル顔料を
用いた以外は実施例36と同様にして、共存層上に光安
定剤層を設けた金属光沢調可逆的熱変色性シートを得
た。前記金属光沢調可逆的熱変色性シートは、実施例3
6で得たシートと同様の色変化を呈する。また、熱変色
性組成物14のマイクロカプセル顔料を用いて、実施例
36と同様の方法により、共存層上に光安定剤層を設け
た金属光沢調可逆的熱変色性印刷物を耐光性試験試料と
した。
【0149】比較例37 可逆性熱変色性組成物−15のマイクロカプセル顔料を
用いた以外は実施例37と同様にして、共存層上に光安
定剤層を設けた金属光沢調可逆的熱変色性つけ爪を得
た。前記金属光沢調可逆的熱変色性つけ爪は、実施例3
7で得たつけ爪と同様の色変化を呈する。また、前記金
属光沢調熱変色性つけ爪を耐光性試験試料とした。
【0150】比較例38 可逆的熱変色性組成物−12のマイクロカプセル顔料を
用いて調製した可逆的熱変色性スクリーンインキを用い
る以外は実施例38と同様にして、共存層上に光安定剤
層を設けた金属光沢調可逆的熱変色性塩化ビニルシート
を得た。前記金属光沢調可逆的熱変色性塩化ビニルシー
トは、実施例38で得たシートと同様の色変化を呈す
る。前記金属光沢調可逆的熱変色性塩化ビニルシートを
耐光性試験試料とした。
【0151】比較例39 可逆的熱変色性組成物−14のマイクロカプセル顔料を
用いて調製した可逆的熱変色性スクリーンインキを用い
て、実施例39と同様の方法により共存層上に光安定剤
層を設けた金属光沢調可逆的熱変色性印刷物を得た。前
記金属光沢調可逆的熱変色性印刷物は、実施例39で得
た印刷物と同様の色変化を呈する。前記金属光沢調熱変
色性印刷物を耐光性試験試料とした。
【0152】耐光堅牢度の試験方法 実施例1〜39及び比較例1〜39の耐光性試験試料を
カーボンアーク灯光試験機(スガ試験機製)を使用して
耐光堅牢度試験を行い耐光堅牢度を比較した。カーボン
アーク灯耐光堅牢度試験は、JIS L−0842(カ
ーボンアーク灯光に対する染色堅牢度試験方法)規格に
準じて行った。実施例1〜5、7、8、10〜22、2
4、25、27〜37、39及び比較例1〜5、7、
8、10〜22、24、25、27〜37、39の耐光
性試験試料は印刷面または、塗工面よりカーボンアーク
灯を照射した。実施例6、23、38及び比較例6、2
3、38は、塩化ビニルシート側からカーボンアーク灯
を照射した。実施例9、26及び比較例9、26は、虹
彩フイルム側からカーボンアーク灯を照射した。また、
カーボンアーク灯の照射時間は、実施例1〜17及び比
較例1〜17は、10時間、20時間、30時間、40
時間、50時間照射した5ポイントで測定した。実施例
18〜34及び比較例18〜34は、40時間、60時
間、80時間、100時間、120時間照射した5ポイ
ントで測定した。実施例35〜39及び比較例35〜3
9は、100時間、140時間、180時間、220時
間、260時間照射した5ポイントで測定した。
【0153】耐光堅牢度試験結果について 表24〜表29に、前記の耐光堅牢度試験による結果を
示す。前記耐光堅牢度試験結果の着色濃度保持率につい
て説明する。一定時間照射した各試料片と未照射状態の
試料片を、色差計(東京電色製)を用いて、試験の着色
状態での濃度刺激値(X値)を測定する。着色濃度保持
率は次の計算式から算出した。 着色濃度保持率(%)=100−照射後の刺激値(X)
/100−照射前の刺激値(X)×100
【0154】
【表24】
【0155】
【表25】
【0156】
【表26】
【0157】
【表27】
【0158】
【表28】
【0159】
【表29】
【0160】
【発明の効果】本発明は従来耐光性の小さかった、可逆
的熱変色性組成物の消色時の光による老化を特別な耐光
性付与剤と光安定剤を併用することにより防止し、前記
可逆的熱変色性組成物を液状の展色料中に含有すること
により、可逆的熱変色性を有する被覆用液状組成物の耐
光性とこれにより形成される被膜の耐光性を著しく向上
させる優れた効果を奏する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06M 23/12 D06M 23/12 // C07D 213/38 C07D 213/38 239/88 239/88 401/10 239 401/10 239 405/04 209 405/04 209 405/14 209 405/14 209

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a.電子供与化合物と、 b.電子受容化合物と、 c.変色温度調整剤と、 d.つぎの一般式Iで示され、a.の電子供与化合物
    1.0重量部に対し0.3〜70重量部の使用割合の電
    子受容性を有する耐光性付与剤と一般式I 【化1】 {式中、n=5〜17(直鎖及び分岐)、X=C〜C
    (直鎖及び分岐)、ハロゲン、Y=C〜C(直鎖
    及び分岐)、ハロゲン、p=0〜3、m=0〜3であ
    る。} e.光安定剤と、 f.液状の展色料と、 からなる、消色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性を
    有する被覆用液状組成物。
  2. 【請求項2】 d.の電子受容性を有する耐光性付与剤
    を、b.の電子受容体に兼用した、請求項1に記載され
    た消色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性を有する被
    覆用液状組成物。
  3. 【請求項3】 a.〜e.成分をマイクロカプセルに内
    蔵した、請求項1または2に記載された消色時の耐光性
    を向上した可逆的熱変色性を有する被覆用液状組成物。
  4. 【請求項4】 f.成分が合成樹脂ビヒクルである、請
    求項1ないし3のいずれか1項に記載された消色時の耐
    光性を向上した可逆的熱変色性を有する被覆用液状組成
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    された被覆用液状組成物のf,成分が塗料用展色料であ
    る、消色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性塗料。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    された被覆用液状組成物のf.成分が印刷インキ用展色
    料である、消色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性印
    刷インキ。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    された被覆用液状組成物のf.成分が筆記具用インキ用
    展色料である、消色時の耐光性を向上した可逆的熱変色
    性筆記具用インキ。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    された被覆用液状組成物のf.成分が化粧料用ラッカー
    である、消色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性化粧
    料。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし4のいずれか1項に記載
    された被覆用液状組成物のf.成分が繊維処理剤用バイ
    ンダである、消色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性
    繊維処理剤。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし4のいずれか1項に記
    載された被覆用液状組成物のf.成分が絵具用展色料で
    ある、消色時の耐光性を向上した可逆的熱変色性絵具。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれか1項に
    記載された被覆用液状組成物により形成された被覆層の
    光にさらされる面に光安定剤および/または光遮蔽剤を
    含む光保護層を1または複数層配置してなる、消色時の
    耐光性を向上した可逆的熱変色性を有する被覆層。
JP24432998A 1997-08-05 1998-07-28 可逆的熱変色性を有する被覆用液状組成物と該組成物で形成した被覆層に光保護層を設けた被覆層 Pending JPH11131058A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24432998A JPH11131058A (ja) 1997-08-05 1998-07-28 可逆的熱変色性を有する被覆用液状組成物と該組成物で形成した被覆層に光保護層を設けた被覆層

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-241638 1997-08-05
JP24163897 1997-08-05
JP24432998A JPH11131058A (ja) 1997-08-05 1998-07-28 可逆的熱変色性を有する被覆用液状組成物と該組成物で形成した被覆層に光保護層を設けた被覆層

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11131058A true JPH11131058A (ja) 1999-05-18

Family

ID=26535359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24432998A Pending JPH11131058A (ja) 1997-08-05 1998-07-28 可逆的熱変色性を有する被覆用液状組成物と該組成物で形成した被覆層に光保護層を設けた被覆層

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11131058A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1179435A1 (en) * 2000-08-09 2002-02-13 The Pilot Ink Co., Ltd. Reversible thermochromic composition having improved light-fastness and product comprising same
JP2002088310A (ja) * 2000-09-13 2002-03-27 Sakura Color Prod Corp 水性絵の具組成物
JP2012224788A (ja) * 2011-04-21 2012-11-15 Sekisui Chem Co Ltd 被膜形成用組成物及び配管用成形品
JP2019006849A (ja) * 2017-06-21 2019-01-17 株式会社パイロットコーポレーション 筆記具用油性インキ組成物およびそれを用いた筆記具

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1179435A1 (en) * 2000-08-09 2002-02-13 The Pilot Ink Co., Ltd. Reversible thermochromic composition having improved light-fastness and product comprising same
JP2002053853A (ja) * 2000-08-09 2002-02-19 Pilot Ink Co Ltd 耐光性を向上した可逆性熱変色組成物とこれを用いた製品
US6638620B2 (en) 2000-08-09 2003-10-28 The Pilot Ink Co., Ltd. Reversible thermochromic composition having improved light-fastness and product comprising same
JP4567859B2 (ja) * 2000-08-09 2010-10-20 パイロットインキ株式会社 耐光性を向上した可逆性熱変色組成物とこれを用いた製品
JP2002088310A (ja) * 2000-09-13 2002-03-27 Sakura Color Prod Corp 水性絵の具組成物
JP2012224788A (ja) * 2011-04-21 2012-11-15 Sekisui Chem Co Ltd 被膜形成用組成物及び配管用成形品
JP2019006849A (ja) * 2017-06-21 2019-01-17 株式会社パイロットコーポレーション 筆記具用油性インキ組成物およびそれを用いた筆記具

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6048387A (en) Reversible thermochromic composition
JP4567859B2 (ja) 耐光性を向上した可逆性熱変色組成物とこれを用いた製品
EP1657073B1 (en) Reversible thermochromic composition and microcapsules containing the same
EP1477320B1 (en) Thermochromic color-memory composition, ink, and microencapsulated pigment containing the same
US7351362B2 (en) Photochromic material
EP3608386A1 (en) Reversibly thermochromic composition, and reversibly thermochromic microcapsule pigment having same enclosed therein
WO2013106420A1 (en) Reversible thermochromic and photochromic ink pens and markers
JPH11131058A (ja) 可逆的熱変色性を有する被覆用液状組成物と該組成物で形成した被覆層に光保護層を設けた被覆層
JP2019099628A (ja) 可逆熱変色性組成物及びそれを内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料
JPH1121479A (ja) 可逆的熱変色性を有する被覆用液状組成物
EP4219650A1 (en) Reversible thermochromic composition and reversible thermochromic microcapsule pigment encapsulating same
JP5164684B2 (ja) 可逆熱変色性組成物及びそれを内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料
JP2002129029A (ja) 可逆熱変色性液状組成物及びそれを用いた可逆熱変色性積層体
JP3984509B2 (ja) 可逆熱変色性液状組成物及びそれを用いた可逆熱変色性積層体
JPH11166123A (ja) 可逆的熱変色性を有する成形用樹脂組成物及びそれを用いた成形体
JP7078529B2 (ja) 可逆熱変色性組成物及びそれを内包した可逆熱変色性マイクロカプセル顔料
JP2010064324A (ja) 可逆熱変色性積層体
CN113767159A (zh) 可逆热变色性微胶囊颜料
JP3306604B2 (ja) 熱変色性積層体
JP2015086233A (ja) 可逆熱変色性液状組成物及びそれを用いた可逆熱変色性積層体
EP4219186A1 (en) Reversible thermochromic composition and reversible thermochromic microcapsule pigment encapsulating same
TW202231791A (zh) 可逆熱變色性組合物及將其內包而成之可逆熱變色性微膠囊顏料
JP2009173778A (ja) 感温変色性色彩記憶性マイクロカプセル顔料
JP2002294096A (ja) 可逆熱変色性組成物
JP2022147559A (ja) 可逆熱変色性組成物及びそれを内包してなる可逆熱変色性マイクロカプセル顔料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050427

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20060621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060912

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061107

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070109