JPH1121438A - 生分解性プラスチック着色組成物 - Google Patents

生分解性プラスチック着色組成物

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JPH1121438A
JPH1121438A JP17694197A JP17694197A JPH1121438A JP H1121438 A JPH1121438 A JP H1121438A JP 17694197 A JP17694197 A JP 17694197A JP 17694197 A JP17694197 A JP 17694197A JP H1121438 A JPH1121438 A JP H1121438A
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pigment
acid
polylactic acid
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composition
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JP17694197A
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English (en)
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Hiroteru Gotou
洋輝 後藤
Nobuhiro Shiraiwa
信裕 白岩
Katsuhiko Kawakami
克彦 河上
Noriki Shikata
紀樹 志方
Yasutoshi Kakizawa
保利 柿澤
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリ乳酸系の生分解性プラスチックについて
は、顔料を用いて着色する際の適当な顔料分散剤が未だ
知られておらず、他のプラスチックで汎用されているも
のを用いると分散不良を生じ、また成形品の透明性を損
なったりブルームを生じる。 【解決手段】 顔料、顔料分散剤及びポリ乳酸或いはこ
れと脂肪族ポリエステルとの共重合体とよりなる組成物
において、顔料分散剤を多価アルコール脂肪酸エステル
とすることにより、成形品の透明性を落とさずブルーム
も起こさず顔料分散に優れた着色組成物となり、顔料濃
度を高めると着色剤用の組成物となる。これを用いて美
麗で日常的に使用できる生分解性プラスチック成形品が
得られる。なかでも美麗な着色透明フィルムが得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生分解性プラスチッ
クであるポリ乳酸或いはこれと脂肪族ポリエステルとの
共重合体の着色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より熱可塑性樹脂の着色には顔料や
染料が用いられてきたが、染料は色移行性、耐光性等に
欠点を有する物が多く、顔料が主として用いられてきて
いる。
【0003】顔料は0.1〜数10μmの粒状物で、溶
融した樹脂へ混練して加えることにより所望の着色状態
を現出させるが、顔料粒子の凝集があると良好な着色状
態が得られず、樹脂成形品の外観は美麗さを欠き、時に
は機械的強さを損じることがある。そこで、顔料粒子の
凝集を防ぎ、良好な分散状態とする為に、顔料を適当な
分散媒と混ぜる方法や、混ぜた物を衝撃力や磨砕力のあ
る機械にて加工する方法や、水分で濡れた顔料を適当な
分散媒と撹拌混合し顔料の濡れ物質を水から分散媒へ置
換するフラッシング法などが取られている。一般的に後
者になる程顔料分散は良くなるが、簡便な分散方法とし
ては、適当な分散媒との混合法が多用される。分散媒に
は低分子量樹脂や可塑剤などの他に金属石鹸があり、特
に高級脂肪酸の金属塩である金属石鹸は分散剤として、
オレフィン系、スチレン系及びアクリル系などの汎用樹
脂には多用されている。
【0004】一方、生分解性プラスチックはプラスチッ
クの廃棄を容易にする利点から、種々の組成物が提案さ
れている。製造過程からの分類では微生物生産系と化学
合成系及び天然高分子系とに分ける事ができる。微生物
生産系としては微生物生産ポリエステル共重合体や微生
物多糖類があり、化学合成系としてはポリビニルアルコ
ールやポリエチレングライコール等水溶性高分子と、ポ
リカプロラクトン等の脂肪族ポリエステル、ポリ乳酸な
どをあげる事ができ、天然高分子系には澱粉やセルロー
スの誘導体、キチン・キトサン系及び蛋白質系をあげる
事ができる。いずれもその実用化が検討されてきてい
る。
【0005】そしてこれら樹脂はフィルム、シート、ボ
トル等の日用プラスチック製品に供しても充分な性能を
保持するまでになってきているが、価格や加工面で従来
の汎用熱可塑性樹脂には及ばない。従って一部を除いて
実用化される例は乏しく、着色もその例が少なく、顔料
分散の最適な処方は充分に解明されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】化学合成系の生分解性
プラスチックであるポリ乳酸や、或いはポリ乳酸−脂肪
族ポリエステル共重合体は無色透明な樹脂であり、この
性質を活かしたプラスチック成形品を得るには、着色に
おいて良好な色相を与え、樹脂の透明性に影響しない、
分散の良い顔料を用いる事が必要となる。透明性を重視
するならば顔料の使用量は自ずから減少し、その分散は
一層良くなければならないし、透明性を必要としない着
色の場合にも分散は優れることが望まれる。そこで顔料
の分散を樹脂で良く混練し用いる事が考えられるが、混
練し微分散するには多くの工程が必要であり経済的でな
い。簡単に分散させる方法として顔料分散剤を用いる事
が考えられるが、通常多用される高級脂肪酸の金属塩で
は樹脂の透明性を損なったり、顔料の使用量が多い不透
明色の場合には、高級脂肪酸の金属塩が多量に使用され
るので、貯蔵しておいた樹脂成形品の表面にブルーム
(粉吹き)を起こしてしまう事があった。
【0007】従って、顔料を良く分散させ、樹脂に望ま
しくない着色を生じず、透明性を損なわず、ブルームも
起こすことなく、生分解性を阻害しない分散剤による着
色が希求される。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は上記
実状を鑑みて鋭意検討したところ、多価アルコール脂肪
酸エステルを顔料分散剤として用いると、ポリ乳酸或い
はポリ乳酸−脂肪族エステル共重合体の透明性を損なわ
ず着色も少なく、樹脂への顔料の分散性が良く樹脂成形
品でのブルームもない事を見い出し本発明を完成するに
至った。
【0009】即ち本発明は、先ず請求項1の発明として
は、顔料と顔料分散剤を必須成分とするポリ乳酸或いは
ポリ乳酸−脂肪族ポリエステル共重合体組成物におい
て、前記顔料分散剤として、多価アルコール脂肪酸エス
テルを用いることを特徴とする生分解性プラスチック着
色組成物。
【0010】請求項2の発明としては、顔料100重量
部当たり顔料分散剤を5〜150重量部用いる請求項1
記載の組成物。
【0011】請求項3の発明としては、ポリ乳酸−脂肪
族ポリエステル共重合体において、脂肪族ポリエステル
が脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールとの共重合体
で、ポリ乳酸100重量部に対して0〜150重量部の
比率で共重合した物である請求項1記載の組成物。
【0012】請求項4の発明としては、キレート化剤及
び/又は酸性燐酸エステル類を含有する請求項1〜3の
いずれか1つに記載の組成物。
【0013】請求項5の発明としては、着色剤組成物で
ある請求項1〜4のいずれか1つに記載の組成物。
【0014】等である。この様な組成物は、通例の如く
溶融混練体として得られるが、着色剤組成物としてのマ
スターバッチ或いは成形用のペレット状のコンパウン
ド、或いは最終成形品等の種々の形態をとることができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態の典型的なもの
及び最良の状態は後記実施例に具体的に示されるが本発
明を実施する上で選択可能な各構成要件等について以下
に詳細に説明する。
【0016】本発明に係るポリ乳酸或いはポリ乳酸と脂
肪族ポリエステルとの共重合体は、下記式にて表される
物であるが、乳酸に由来する構造単位に対してジカルボ
ン酸とジオールに由来するポリエステル構造単位が0重
量%〜60重量%(ポリ乳酸100重量部に対してジカ
ルボン酸とジオールに由来するポリエステルが0〜15
0重量部)であって、重量平均分子量が2万〜40万の
ものである。
【0017】又これら共重合体の製造に用いた重合触媒
を失活させ、混練・成形加工時の安定性を向上させる、
キレ−ト化剤及び/又は酸性リン酸エステル類に由来す
る構造単位を含むものも加えられる。詳しくは特開平7
ー173266に記載される。 R、R':炭素数1〜18のアルキレン m:正の整数 n、p:0又は正の整数 q:0又は1 (p=0の場合がポリ乳酸である) (n=q=0の場合がポリラクトン系共重合体である) これら重合体の製造方法は、特に制限されないが、乳酸
系ポリエステルの内ポリ乳酸の製造方法は、乳酸の環状
2量体であるラクタイドを開環重合触媒の存在下に開環
重合させる方法がある。乳酸系ポリエステルの乳酸に由
来する成分以外の共重合成分は、ジカルボン酸とジオー
ルに由来するポリエステル構造、ラクトンに由来する構
造、グリコール酸に由来する構造、ポリエーテルに由来
する構造がある。この中で乳酸系ポリエステルの内ジカ
ルボン酸とジオールに由来する構造の製造方法は、ジカ
ルボン酸とジオールのポリエステルに、乳酸の環状2量
体であるラクタイドを開環重合触媒の存在下に、開環共
重合並びにエステル交換させて得る方法や、ジカルボン
酸とジオールのポリエステルとポリ乳酸とをエステル交
換反応させて得る事ができる。
【0018】又ジカルボン酸とジオールのポリエステル
は脱水・脱グリコール縮合やエステル交換反応による公
知慣用の製法により得る事ができる。ジオール成分は、
特に限定されないが、具体的にはエチレングリコール、
プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、
1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコ
ール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ペンタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタ
ノール、キシレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ジブタンジオール、ポリテト
ラメチレングリコール等が挙げられる。
【0019】ジカルボン酸成分は、特に限定されない
が、具体的にはコハク酸、メチルコハク酸、2−メチル
アジピン酸、メチルグルタル酸、アジピン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ブラシル酸、ドデカンジカルボン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、無水マレイン酸、フ
マル酸等が挙げられる。乳酸系ポリエステルの製造で用
いられる重合触媒としては、例えば、エステル交換触媒
として知られる、錫、亜鉛、鉛、チタン、ビスマス、ジ
ルコニウム、ゲルマニウム、コバルト等の金属及びその
化合物、特に金属有機化合物、炭酸塩、ハロゲン化物、
なかでもオクタン酸錫、塩化亜鉛、アルコキシチタン等
が挙げられる。
【0020】ところが、重合触媒が乳酸系ポリエステル
に残存すると、加熱成形加工の際に乳酸ポリエステル中
の乳酸構造単位がラクタイドの形で再生され、乳酸系ポ
リエステルの強度が低下するので、キレート化剤及び/
又は酸性リン酸エステル類の添加で、その触媒の作用を
失活させておく事が好適である。
【0021】キレート化剤及び/又は酸性リン酸エステ
ル類の添加量は触媒1重量部に対し、0.1〜100重
量部添加するが、キレート化剤としては、特に限定され
ないが、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四
酢酸二ナトリウム、シュウ酸、リン酸、ピロリン酸、ア
リザリン、アセチルアセトン、ジエチレントリアミン五
酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、カテコール、4
−t−ブチルカテコール、L(+)−酒石酸、DL−酒
石酸、グリシン、クロモトロープ酸、ベンゾイルアセト
ン、クエン酸、没食子酸、ジメチルカプトプロパノー
ル、トリエタノールアミン、シクロヘキサンジアミン四
酢酸、ジトルオイル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸が挙げ
られる。
【0022】酸性リン酸エステル類は、酸性リン酸エス
テル、ホスホン酸エステル、アルキルホスホン酸など及
びその混合物を指す。具体的に酸性リン酸エステルを示
すと、リン酸モノメチル、リン酸ジメチル、リン酸モノ
エチル、リン酸ジエチル、リン酸モノプロピル、リン酸
ジプロピル、リン酸モノイソプロピル、リン酸ジイソプ
ロピル、リン酸モノブチル、リン酸ジブチル、リン酸モ
ノペンチル、リン酸ジペンチル、リン酸モノヘキシル、
リン酸ジヘキシル、リン酸モノオクチル、リン酸ジオク
チル、リン酸モノ2−エチルヘキシル、リン酸ジ2−エ
チルヘキシル、リン酸モノデシル、リン酸ジデシル、リ
ン酸ジイソデシル、リン酸モノウンデシル、リン酸ジウ
ンデシル、リン酸モノドデシル、リン酸モノテトラデシ
ル、リン酸ジテトラデシル、リン酸モノヘキサデシル、
リン酸ジヘキサデシル、リン酸モノオクタデシル、リン
酸ジオクタデシル、リン酸モノフェニル、リン酸ジフェ
ニル、リン酸モノベンジル、リン酸ジベンジルなどが挙
げられる。
【0023】本発明で用いる顔料としては、従来公知の
無機顔料、有機顔料及び体質顔料がいずれも使用でき
る。本発明に係る顔料としては、例えばカーボンブラッ
ク、酸化チタン、弁柄、群青、アルミン酸コバルトその
他焼成顔料等の無機顔料、フタロシアニン系、ペリレン
系、アンスラキノン系、キナクリドン系、イソインドリ
ノン系、インダンスレン系、アゾ系等の有機顔料、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、シリカ等
の体質顔料が挙げられる。
【0024】本発明に係わる顔料分散剤用の多価アルコ
ール脂肪酸エステルとしては、異なる用途・分野で公知
慣用のエステル類がいずれも使用できるが、常温で固形
である事が望ましい。又構造中に水酸基を含んでいても
良い。また、従来ポリカーボネート又はポリアセタール
等のための顔料分散剤として知られているものでも良
い。
【0025】脂肪酸としてパルミチン酸、ミリスチン
酸、ラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、モンタン
酸、ヒドロキシステアリン酸等を挙げる事ができ、多価
アルコールとしてはグリセリン、ペンタエリスリトー
ル、ソルビトール等を挙げる事ができる。
【0026】このようなものとしては、例えばグリセリ
ンモノ、ジ、トリパルミテート、パルミチン酸モノ、
ジ、トリ、テトラペンタエリスリトールエステル、ミリ
スチン酸モノ、ジ、トリソルビトールエステル、グリセ
リンモノ、ジ、トリミリステート、グリセリンモノ、
ジ、トリラウレート、グリセリンモノ、ジ、トリステア
レート、モンタン酸アルコールエステル等の脂肪酸多価
アルコールエステル、ヒドロキシパルミチン酸モノ、
ジ、トリグリセライド、ヒドロキシミリスチン酸モノ、
ジ、トリグリセライド、ヒドロキシラウリン酸モノ、
ジ、トリグリセライド、ヒドロキシステアリン酸モノ、
ジ、トリグリセライド等の水酸基含有脂肪酸の多価アル
コールエステル等が挙げられる。
【0027】水酸基を有する多価アルコール脂肪酸エス
テルとしては、脂肪酸の多価アルコールエステルに比べ
れば、水酸基含有脂肪酸の多価アルコールエステル、即
ち水酸基含有脂肪酸のカルボキシル基と多価アルコール
の水酸基とがエステル結合で結合した構造の化合物のほ
うが好ましい。このことは、多価アルコールの残留水酸
基よりも、水酸基含有脂肪酸の水酸基のほうが顔料分散
性への寄与が大きいことを示している。本発明に係る水
酸基を有する多価アルコール脂肪酸エステルとしては、
水酸基含有脂肪酸のグリセリンエステルがより好まし
い。
【0028】本発明組成物を得るには、顔料と顔料分散
剤たる多価アルコール脂肪酸エステルとを予め適宜混合
して顔料予備混合物とし、次いで重合体成分と混合する
ことが好ましい。
【0029】この顔料予備混合物を調製するに当たって
の多価アルコール脂肪酸エステルの使用割合は、顔料の
種類によって大きく異なるが、顔料 100重量部に対して
通常1〜250重量部、好ましくは5〜150重量部の範囲であ
る。
【0030】なかでも有機顔料あるいはカーボンブラッ
クを用いる場合には該顔料 100重量部に対して 50〜150
重量部、カーボンブラック以外の無機顔料あるいは体質
顔料を用いる場合には該顔料 100重量部に対して、5〜1
00重量部の範囲とすることが特に好ましい。
【0031】またこの顔料予備混合物は、どの様な形態
で用いてもよいが、例えば顔料と顔料分散剤を粉末状で
均一混合したいわゆるドライカラーや、顔料を顔料分散
剤とともに顔料分散保持媒体中に溶融混練して分散せし
めたマスターバッチカラーとして用いることができる。
【0032】マスターバッチカラーは、一般的には顔料
を顔料分散剤と予め均一混合させたのち、さらにそれを
顔料分散保持媒体に高濃度で分散させてやればよい。こ
の際、溶融混練や粉砕等を適宜に行うことができる。
【0033】上記顔料分散保持媒体としては、生分解性
を持つプラスチックとしてポリ乳酸或いはポリ乳酸−脂
肪族ポリエステル共重合体を用いることが好ましい。マ
スターバッチカラーを調製する際の、顔料分散保持媒体
への顔料と顔料分散剤との合計の重量割合は、特に制限
されないが、通常顔料分散保持媒体 100重量部当たり10
0〜200重量部である。
【0034】本発明において顔料予備混合物としては、
熱履歴が少ない点でドライカラーの形態で用いることが
好ましい。本発明の組成物を得る方法は特に制限されな
いが、好適には前記顔料予備混合物を樹脂(重合体)成
分と共に溶融混練してやればよい。溶融混練の条件は、
それらが均一に分散する条件であればよいが、通常16
0〜200℃の範囲内で行われる。
【0035】本発明の組成物には、さらに公知慣用の顔
料分散剤である長鎖脂肪族モノカルボン酸モノアルコー
ルエステルを添加してもよい。この様な長鎖脂肪族モノ
カルボン酸モノアルコールエステルとしては、例えばス
テアリルアセテート、イソステアリルプロピオネート、
エイコシルアセテート、ミリスチルカプロエート、ブチ
ルシクロヘキシルプロピオネート、セチルアルコールア
セテート、ステアリルブチレート等が、挙げられる。
【0036】尚、本発明の組成物には更に必要に応じて
安定剤、滑剤、可塑剤、充填剤等の従来公知の添加剤を
添加しても良い。本発明の組成物は以上の如きものであ
るから、高い含有比率で顔料を配合して溶融混練するこ
とによって高濃度顔料分散物とし、それを適宜ペレット
化したものは、マスターバッチ状の着色剤として生分解
性ポリエステル系プラスチック用に有用である。その様
な着色剤を得るには、前記した顔料予備混合物の調製の
際、顔料分散保持媒体として本発明組成物を構成するポ
リ乳酸或いはポリ乳酸−脂肪酸ポリエステル共重合体を
必須的に用いることによって達成できる。
【0037】また、本発明の組成物は、通常の着色に要
される濃度の顔料含有率で溶融混練して顔料の高度分散
物とし、それを適宜ペレット化することによって、着色
成形品成形用のコンパウンドとして有用なものとされ
る。
【0038】また、本発明の組成物は、着色濃度の顔料
含有率で溶融混練して顔料の高度分散物とされたものを
成形して得た着色成形品であっても良い。
【0039】
【実施例】次に実施例、比較例により本発明をより具体
的に説明するが、本発明はこれにより何等限定されるも
のではない。尚、例中の%はすべて重量基準である。
【0040】実施例1、2及び比較例1〜7 銅フタロシアニングリーン顔料(C.I.Pigment Green
7)100部及び表1に記載の顔料分散剤100部を小型ミキ
サーで混合し粉末状着色剤とした。続いてこの着色剤0.
1部を、ポリ乳酸−脂肪族ポリエステル共重合体(エチ
レングリコールと1,6−ヘキサンジオールとセバシン
酸とのポリエステルがポリ乳酸との重量比で25:75、M
FR=9gr/10min(190℃×2.16Kg)、ヘース゛=20.7%、触媒
失活剤としてリン酸2−エチルヘキシルを0.1%含む)の
ペレット100部に加え、インラインスクリュ射出成形機
(型締め力50t、ダルメージスクリュ装着)で樹脂温度
180℃にて射出成形し、着色したポリ乳酸−脂肪族ポリ
エステル組成物(5×9×2mm)の角形プレートにした。
【0041】得られたプレートはヘーズメータにてその
ヘーズ(濁度)を観察した後、190℃の加熱溶融プレス
で約20μmのフィルムにして100倍の倍率で顕微鏡にて顔
料の分散を評価した。
【0042】顔料分散性評価は5段階評価とした。 5:きわめて良好−粗大粒子(粒径が30μm以上の大粒
子)は全くなく、粗粒子(粒径が10〜30μm程度の中粒
子)もほとんどない 4:良好−粗大粒子は全くないが、粗粒子が若干ある 3:普通−粗大粒子が若干ある 2:不良−粗大粒子があり、粗粒子が多い 1:極めて不良−粗大粒子、粗粒子が共に多い 又、得られたプレートを23℃でRH60%にて1週間放置し
た後、その表面を観察しブルームの評価をした。
【0043】
【表1】 ヒト゛ロキシステアリン酸トリク゛リセリト゛ 融点(示差熱分析)=77℃ ステアリン酸モノク゛リセリト゛ 融点(示差熱分析)=68℃ ステアリン酸アルミニウム (ステアリン酸50%以上でハ゜ルミチン酸、ミリスチン酸の混合塩) 融点(示差熱分析)=124℃ ステアリン酸カルシウム (ステアリン酸50%以上でハ゜ルミチン酸、ミリスチン酸の混合塩) 融点(示差熱分析)=187℃ ステアリン酸マク゛ネシウム(ステアリン酸50%以上でハ゜ルミチン酸、ミリスチン酸の混合塩) 融点(示差熱分析)=114℃ ステアリン酸亜鉛 (ステアリン酸50%以上でハ゜ルミチン酸、ミリスチン酸の混合塩) 融点(示差熱分析)=126℃ ステアリン酸リチウム (ステアリン酸50%以上でハ゜ルミチン酸、ミリスチン酸の混合塩) 融点(示差熱分析)=198℃ 12-ヒト゛ロキシステアリン酸カルシウム 融点(示差熱分析)=145℃ 12-ヒト゛ロキシステアリン酸マク゛ネシウム 融点(示差熱分析)=195℃
【0044】実施例3、4及び比較例8〜14 銅フタロシアニングリーンの代わりに群青(C.I.Pigmen
t Blue 29)を用い、表2記載の分散剤を用いて、それ
ぞれ100部ずつで予め混合して得られた粉末状着色剤の
0.5部を加える以外は、実施例1、2と同様にして着色
したポリ乳酸−脂肪族ポリエステル共重合体組成物を
得、次いで同様にヘーズ、顔料分散の評価及びブルーム
発生を観察した。
【0045】結果を表2に示す。
【0046】
【表2】 使用分散剤は表1記載の物と同一
【0047】実施例5及び比較例15〜19 顔料としてキナクリドンレッド(C.I.Pigment Violet 1
9)を用い、表3の分散剤を用いて、それぞれ100部ずつ
で混合した粉末状着色剤を得た。それをポリ乳酸−脂肪
族ポリエステル共重合体(エチレングリコールと1,6
−ヘキサンジオールとセバシン酸とのポリエステルがポ
リ乳酸との重量比で5:95、MFR=90gr/10min(190℃
×2.16Kg)、ヘース゛=7.1%、触媒失活剤としてリン酸2−
エチルヘキシルを0.1%含む)へ0.1部加え、実施例1、
2と同様にして着色したポリ乳酸−脂肪族ポリエステル
共重合体組成物を得、次いで同様にヘーズ、顔料分散の
評価及びブルーム発生を観察した。
【0048】結果を表3に示す。
【0049】
【表3】 使用分散剤はPEワックス以外は表1記載の物と同一。
【0050】PEワックス:分子量(Mn)=5000(微粉末)、粘
度(CPS:140℃)=3000、軟化点=111℃
【0051】
【発明の効果】本発明の顔料含有着色組成物は、顔料が
重合体成分即ちポリ乳酸或いはポリ乳酸−脂肪族ポリエ
ステル共重合体中に均一微細に分散しており、しかもそ
の成形品は、含有する顔料分散剤に由来するヘーズも少
なくブルームもないという格別顕著な効果を奏する。
【0052】従って本発明の組成物よりなる成形品は、
優れた着色外観を有する生分解性プラスチック製品とな
る。特に顔料含有率の低い、透明フィルム、ボトル等の
透明性を有する成形品においては、優れた透明性と均一
着色性が達せられる。
【0053】又顔料含有率の高い組成物の場合には、ポ
リ乳酸或いはポリ乳酸−脂肪族ポリエステル共重合体用
の着色剤として有効で、生分解性プラスチック製品に優
れた着色外観を形成するのに有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料と顔料分散剤を必須成分とするポリ
    乳酸或いはポリ乳酸−脂肪族ポリエステル共重合体組成
    物において、前記顔料分散剤として、多価アルコール脂
    肪酸エステルを用いることを特徴とする生分解性プラス
    チック着色組成物。
  2. 【請求項2】 顔料100重量部当たり顔料分散剤を5
    〜150重量部用いる請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 ポリ乳酸−脂肪族ポリエステル共重合体
    において、脂肪族ポリエステルが脂肪族ジカルボン酸と
    多価アルコールとの共重合体で、ポリ乳酸100重量部
    に対して0〜150重量部の比率で共重合した物である
    請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 キレート化剤及び/又は酸性燐酸エステ
    ル類を含有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の組
    成物。
  5. 【請求項5】 着色剤組成物である請求項1〜4のいず
    れか1つに記載の組成物。
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