JP2006206801A - 微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 熱可塑性樹脂と、顔料と、顔料分散剤を含む微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物において、前記熱可塑性樹脂として乳酸系樹脂(A)を、前記顔料分散剤として脂肪酸アミドと脂肪酸トリグリセライドを用いる微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物。前記熱可塑性樹脂として熱可塑性ポリエステル樹脂、澱粉、変性澱粉からなる群から1種以上選択される樹脂(B)を、前記顔料分散剤として脂肪酸アミドと脂肪酸トリグリセライドを用いる微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
顔料は0.1〜数10μmの粒状物で、溶融した樹脂へ混練して加えることにより所望の色相に着色させるが、顔料粒子の凝集があると良好な着色状態が得られず、樹脂成形品の外観は美麗さを欠き、時には機械的強さを損じることがある。そこで、顔料粒子の凝集を防ぎ良好な分散状態とする為に様々な顔料分散剤が検討されている。
(1)熱可塑性樹脂と、顔料と、顔料分散剤を含む微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物において、前記熱可塑性樹脂として乳酸系樹脂(A)を、前記顔料分散剤として脂肪酸アミドと脂肪酸トリグリセライドを用いる微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物、
(2)熱可塑性樹脂と、顔料と、顔料分散剤を含む微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物において、前記熱可塑性樹脂として熱可塑性ポリエステル樹脂、澱粉、変性澱粉からなる群から1種以上選択される樹脂(B)を、前記顔料分散剤として脂肪酸アミドと脂肪酸トリグリセライドを用いる微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物である。
本発明で用いられる乳酸系樹脂(A)は、ポリ乳酸ホモポリマーの他、ポリ乳酸コポリマーを含む。また、ポリ乳酸ホモポリマー及び/又はポリ乳酸コポリマーを主体とするブレンドポリマーであっても良い。
本発明で用いられる樹脂(B)は、熱可塑性ポリエステル樹脂、澱粉、変性澱粉からなる群から1種以上選択されたものである。
熱可塑性ポリエステル樹脂としては、脂肪族ポリエステル系樹脂の他、芳香族ポリエステル、微生物または植物より合成されたポリエステル樹脂等が挙げられる。
本発明において、顔料は種類に制限なく用いられる。具体的にはジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等の有機顔料、または酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、ホワイトカーボン、アルミナホワイト、カオリンクレー、タルク、ベントナイト、黒色酸化鉄、カドミウムレッド、べんがら、モリブデンレッド、モリブデートオレンジ、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、チタンイエロー、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、ビクトリアグリーン、群青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトシリカブルー、コバルト亜鉛シリカブルー、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機顔料、またはアセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック等のカーボンブラックが挙げられる。
本発明においては、前記顔料分散剤として脂肪酸アミドと脂肪酸トリグリセライドが共に用いられる。
<脂肪酸アミド>
脂肪酸アミドとしては、例えばエチレンビスステアリルアミド、エチレンビスベヘン酸アミド、エチレンビスオキシステアリルアミド、ステアリルアミド、オキシステアリルアミド、ベヘン酸アミド等が挙げられる。これらは、1種または2種以上の混合物であってもよい。特にエチレンビスステアリルアミドが好ましい。
脂肪酸トリグリセリドは、高級脂肪酸とグリセリンとのトリエステルである。
高級脂肪酸としては、具体的にはカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸等の炭素数が8〜31の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸等の炭素数が8〜31の不飽和脂肪酸等が挙げられる。これらは1種、または2種以上の混合物であってもよい。
なお、不飽和脂肪酸のトリグリセリドも用いることが出来るが、耐候性が損われる場合がありその用途は限定される。
本発明の微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物は、基材樹脂として前記した乳酸系樹脂(A)、樹脂(B)、または乳酸系樹脂(A)と樹脂(B)の組み合わせで用いられる。更にこれらの樹脂以外の樹脂も必要に応じて添加することができる。
顔料分散剤として用いられる脂肪酸アミドと脂肪酸トリグリセリドは、あらかじめ混合したものを上記の樹脂組成物製造の前に添加しても良いし、または上記の樹脂組成物製造の際に各々添加してもよい。
本発明の微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物がマスターバッチの場合は、成形品製造の際に希釈樹脂と混合、溶融混練、成形されて成形品が得られる。希釈樹脂として乳酸系樹脂(A)、樹脂(B)、乳酸系樹脂(A)と樹脂(B)の組み合わせ、またはこれらの樹脂を1種以上と他の樹脂との組み合わせが用いられる。また、コンパウンドの場合は樹脂組成物そのままの組成で成形される。
ベースカラーの組成は表1、微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物の組成と評価結果は表2に示した。
[ベースカラー1]
脂肪酸アミド(花王製 カオーワックスEB−P エチレンビスステアリン酸アミド)1%と、脂肪酸トリグリセリド(川研ファインケミカル製 K3ワックス500)49%と、銅フタロシアニングリーン(東洋インキ製造製 リオノールグリーンPOG−T)50%とをロールミルで予備分散してベースカラー1を得た。
脂肪酸アミド(花王製 カオーワックスEB−P エチレンビスステアリン酸アミド)49%と、脂肪酸トリグリセリド(川研ファインケミカル製 K3ワックス500)1%と、銅フタロシアニングリーン(東洋インキ製造製 リオノールグリーンPOG−T)50%とをロールミルで予備分散してベースカラー2を得た。
脂肪酸アミド(花王製 カオーワックスEB−P エチレンビスステアリン酸アミド)1%と、脂肪酸トリグリセリド(川研ファインケミカル製 K3ワックス500)39%と、銅フタロシアニングリーン(東洋インキ製造製 リオノールグリーンPOG−T)60%とをロールミルで予備分散してベースカラー3を得た。
脂肪酸アミド(花王製 カオーワックスEB−P エチレンビスステアリン酸アミド)39%と、脂肪酸トリグリセリド(川研ファインケミカル製 K3ワックス500)1%と、銅フタロシアニングリーン(東洋インキ製造製 リオノールグリーンPOG−T)60%とをロールミルで予備分散してベースカラー4を得た。
脂肪酸アミド(花王製 カオーワックスEB−P エチレンビスステアリン酸アミド)1%と、脂肪酸トリグリセリド(川研ファインケミカル製 K3ワックス500)49%と、銅フタロシアニンブルー(東洋インキ製造製 リオノールブルーPOBS)50%とをロールミルで予備分散してベースカラー5を得た。
脂肪酸アミド(花王製 カオーワックスEB−P エチレンビスステアリン酸アミド)49%と、脂肪酸トリグリセリド(川研ファインケミカル製 K3ワックス500)1%と、銅フタロシアニンブルー(東洋インキ製造製 リオノールブルーPOBS)50%とをロールミルで予備分散してベースカラー6を得た。
脂肪酸アミド(花王製 カオーワックスEB−P エチレンビスステアリン酸アミド)1%と、脂肪酸トリグリセリド(川研ファインケミカル製 K3ワックス500)49%と、イソインドリノンイエロー(チバ・スペシャリティケミカルズ製 イルガジンイエロー3RLTN)50%とをロールミルで予備分散してベースカラー7を得た。
脂肪酸アミド(花王製 カオーワックスEB−P エチレンビスステアリン酸アミド)49%と、脂肪酸トリグリセリド(川研ファインケミカル製 K3ワックス500)1%と、イソインドリノンイエロー(チバ・スペシャリティケミカルズ製 イルガジンイエロー3RLTN)50%とをロールミルで予備分散してベースカラー8を得た。
脂肪酸アミド(花王製 カオーワックスEB−P エチレンビスステアリン酸アミド)50%と、イソインドリノンイエロー(チバ・スペシャリティケミカルズ製 イルガジンイエロー3RLTN)50%とをロールミルで予備分散してベースカラー9を得た。
脂肪酸トリグリセリド(川研ファインケミカル製 K3ワックス500)50%と、イソインドリノンイエロー(チバ・スペシャリティケミカルズ製 イルガジンイエロー3RLTN)50%とをロールミルで予備分散してベースカラー10を得た。
[実施例1]
乳酸系樹脂(三井化学社製 レイシアH−100)99%に対しベースカラー1 1%を押出機にて混練造粒し、ペレット状の微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物を得た。
(1)微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物における顔料分散性
顔料が60g含有された微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物をラボプラストミルに通過させ、通過前後の差圧を読み取り樹脂差圧を測定した。
良好:差圧が5MPa未満
不良:差圧が5MPa以上
乳酸系樹脂(三井化学社製 レイシアH−100)99%に対しベースカラー2 1%を押出機にて混練造粒し、ペレット状の微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物を得た。実施例1と同様に評価を行った。
乳酸系樹脂(三井化学社製 レイシアH−100)99%に対しベースカラー3 1%を押出機にて混練造粒し、ペレット状の微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物を得た。実施例1と同様に評価を行った。
乳酸系樹脂(三井化学社製 レイシアH−100)99%に対しベースカラー4 1%を押出機にて混練造粒し、ペレット状の微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物を得た。実施例1と同様に評価を行った。
乳酸系樹脂(三井化学社製 レイシアH−100)80%に対しベースカラー1 20%を押出機にて混練造粒し、ペレット状の微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物を得た。実施例1と同様に評価を行った。
乳酸系樹脂(三井化学社製 レイシアH−100)80%に対しベースカラー2 20%を押出機にて混練造粒し、ペレット状の微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物を得た。実施例1と同様に評価を行った。
乳酸系樹脂(三井化学社製 レイシアH−100)80%に対しベースカラー5 20%を押出機にて混練造粒し、ペレット状の微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物を得た。実施例1と同様に評価を行った。
乳酸系樹脂(三井化学社製 レイシアH−100)80%に対しベースカラー6 20%を押出機にて混練造粒し、ペレット状の微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物を得た。実施例1と同様に評価を行った。
乳酸系樹脂(三井化学社製 レイシアH−100)80%に対しベースカラー7 20%を押出機にて混練造粒し、ペレット状の微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物を得た。実施例1と同様に評価を行った。
乳酸系樹脂(三井化学社製 レイシアH−100)80%に対しベースカラー8 20%を押出機にて混練造粒し、ペレット状の微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物を得た。実施例1と同様に評価を行った。
脂肪族ポリエステル系樹脂(昭和高分子製 ビオノーレ3001)80%に対しベースカラー1 20%を押出機にて混練造粒し、ペレット状の微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物を得た。実施例1と同様に評価を行った。
脂肪族ポリエステル系樹脂(昭和高分子製 ビオノーレ3001)80%に対しベースカラー2 20%を押出機にて混練造粒し、ペレット状の微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物を得た。実施例1と同様に評価を行った。
乳酸系樹脂(三井化学製 レイシアH−100)90%に対しイソインドリノンイエロー(チバ・スペシャリティケミカルズ製 イルガジンイエロー3RLTN)10%を押出機にて混練造粒し、ペレット状の微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物を得た。実施例1と同様に評価を行った。
乳酸系樹脂(三井化学製 レイシアH−100)80%に対しイソインドリノンイエロー(チバ・スペシャリティケミカルズ製 イルガジンイエロー3RLTN)10%と、ステアリン酸亜鉛(耕正製)10%を押出機にて混練造粒し、ペレット状の微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物を得た。実施例1と同様に評価試験を行ったが、樹脂の溶融粘度が極端に低下し試験を中止した。
乳酸系樹脂(三井化学社製 レイシアH−100)80%に対しイソインドリノンイエロー(チバ・スペシャリティケミカルズ製 イルガジンイエロー3RLTN)10%と、ポリエチレンワックス(三洋化成製 サンワックス131P)10%を押出機にて混練造粒し、ペレット状の微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物を得た。実施例1と同様に評価試験を行ったが、溶融加工中にワックスと樹脂の親和性不良によると思われる分離が発生し試験を中止した。
乳酸系樹脂(三井化学社製 レイシアH−100)80%に対しベースカラー9 20%を押出機にて混練造粒し、ペレット状の微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物を得た。実施例1と同様に評価を行った。
乳酸系樹脂(三井化学社製 レイシアH−100)80%に対しベースカラー10 20%を押出機にて混練造粒し、ペレット状の微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物を得た。実施例1と同様に評価を行った。
Claims (2)
- 熱可塑性樹脂と、顔料と、顔料分散剤を含む微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物において、前記熱可塑性樹脂として乳酸系樹脂(A)を、前記顔料分散剤として脂肪酸アミドと脂肪酸トリグリセライドを用いる微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂と、顔料と、顔料分散剤を含む微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物において、前記熱可塑性樹脂として熱可塑性ポリエステル樹脂、澱粉、変性澱粉からなる群から1種以上選択される樹脂(B)を、前記顔料分散剤として脂肪酸アミドと脂肪酸トリグリセライドを用いる微生物崩壊樹脂用着色樹脂組成物。
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2005
- 2005-01-31 JP JP2005022873A patent/JP2006206801A/ja active Pending
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