JP3781033B2 - 熱可塑性樹脂用着色剤及びその利用 - Google Patents

熱可塑性樹脂用着色剤及びその利用 Download PDF

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Description

本発明は熱可塑性樹脂用着色剤及び熱可塑性樹脂組成物に関する。詳しくは透明性を有すると共に紫外線を遮蔽し、更に550nm付近の可視光線も遮蔽できる熱可塑性樹脂成形物に関する。
透明性の高い熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等の縮合型熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂は耐熱性、耐候性、意匠性にも優れ、フィルム、シート、ボトル等の各種成形物に使用されている。特に、ポリエステル樹脂は透明性、ガスバリア性、軽量性等の有利な特性を生かしてガラス瓶にかわり食品包装用、化粧品包装用容器等への用途が増加している。
ビール用、酒類用等のガラス瓶は褐色系の色相を有している。ポリエステル樹脂製ボトルの着色には、製品への溶出性、耐熱性を考慮し、一般に微粒子酸化鉄と称される平均粒径0.1μm以下のα−酸化第二鉄が使用されている(特許文献1)。特にビール容器は、内容物の安定のため、420nm以下の紫外線領域において96%以上、550nm付近の可視光領域において70%を超える遮蔽が必要とされる。すなわち、光線透過率でいうと、420nm以下の紫外線領域において4%未満、及び550nm付近の可視光線領域において30%以下でないと内容物保護の点で問題があった。しかし、上記のα−酸化第二鉄には生産工程における凝集等の問題があり分散性が悪く不充分であった。
また、比較的凝集がしにくいα−酸化第二鉄粒子についての技術も開示されている(特許文献2)が、上記特性を満足することは困難であった。
特公平5−81623号公報 特開平8−59398号公報
本発明は、透明性を有すると共に紫外線を遮蔽し、更に必要に応じて550nm付近の可視光線も遮蔽できる熱可塑性樹脂成形物を提供することを目的とする。
すなわち本発明の第1の発明は、平均粒径が0.01〜0.06μm、アスペクト比が0.2〜1.0の非針状であるα−酸化第二鉄(A)と、分散剤(B)としてオキシカルボン酸金属塩(B1)を含有する熱可塑性樹脂用着色剤である。
第2の発明は、オキシカルボン酸金属塩(B1)が、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩である第1の発明に記載の熱可塑性樹脂用着色剤である。
第3の発明は、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩が、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムである第2の発明に記載の熱可塑性樹脂用着色剤である。
第5の発明は、α−酸化第二鉄(A)100重量部に対して、分散剤(B)40〜150重量部を配合する第1〜第4の発明いずれかに記載の熱可塑性樹脂用着色剤である。
第6の発明は、第1〜第5の発明いずれかに記載の熱可塑性樹脂用着色剤に、メチン系染料(C)を含有する熱可塑性樹脂用着色剤である。
第7の発明は、第6の発明に記載のメチン系染料(C)が、C.I.No.Solvent Brown53である熱可塑性樹脂用着色剤である。
第8の発明は、第1〜第5の発明いずれかに記載の熱可塑性樹脂用着色剤と、メチン系染料(C)と、熱可塑性樹脂とを配合して得られる熱可塑性樹脂組成物である。
第9の発明は、第8の発明に記載のメチン系染料(C)が、C.I.No.Solvent Brown53である熱可塑性樹脂組成物である。
第10の発明は、第1〜第7の発明いずれかに記載の熱可塑性樹脂用着色剤と、熱可塑性樹脂とを配合して得られる熱可塑性樹脂組成物である。
第11の発明は、熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂である第8〜第10の発明いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物である。
第12の発明は、熱可塑性樹脂が微生物崩壊性樹脂である第8〜第11の発明いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物である。
第13の発明は、第1〜第7の発明いずれかに記載の熱可塑性樹脂用着色剤を用いて得られる成形物である。
第14の発明は、第8〜第12の発明いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を用いて得られる成形物である。
本発明の熱可塑性樹脂用着色剤は、平均粒径が0.01〜0.06μm、アスペクト比が0.2〜1.0の非針状であるα−酸化第二鉄(A)と、分散剤(B)としてオキシカルボン酸金属塩(B1)を含有するので、α−酸化第二鉄(A)が良好に分散でき、樹脂成形物としたときに樹脂劣化を抑制すると共に透明性を有し、かつ紫外線を遮蔽できる。
また、オキシカルボン酸金属塩(B1)が12−ヒドロキシステアリン酸金属塩であるので、更にα−酸化第二鉄(A)が良好に分散でき、透明性の高い樹脂成形物が得られる。
また、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩が12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムであるので更に好適に使用出来る。
本発明の熱可塑性樹脂用着色剤は、平均粒径が0.01〜0.06μm、アスペクト比が0.2〜1.0の非針状であるα−酸化第二鉄(A)と、分散剤(B)として高級脂肪酸金属塩(B2)を含有するので、α−酸化第二鉄(A)が良好に分散でき、樹脂成形物としたときに透明性を有し、かつ紫外線を遮蔽できる。
本発明の熱可塑性樹脂用着色剤は、α−酸化第二鉄(A)100重量部に対して分散剤(B)40〜150重量部を配合するので、α−酸化第二鉄(A)が良好に分散できる。
本発明の熱可塑性樹脂用着色剤は、更にメチン系染料(C)を含有するので、樹脂成形物としたときに可視光線も遮蔽できる。
また、メチン系染料(C)が、C.I.No.Solvent Brown53なので、樹脂成形物を茶色系の色相に着色出来る。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、メチン系染料(C)未含有の熱可塑性樹脂用着色剤と熱可塑性樹脂を配合、メチン系染料(C)未含有の熱可塑性樹脂用着色剤とメチン系染料(C)と熱可塑性樹脂とを配合、またはメチン系染料(C)含有の熱可塑性樹脂用着色剤と熱可塑性樹脂とを配合することにより容易に得られ、生産工程上の取り扱い性に優れる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物における熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂なので、透明性を有する成形物が得られる。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物における熱可塑性樹脂が微生物崩壊性樹脂なので、環境負荷が少なく、透明性を有する成形物が得られる。
本発明の成形物は、上記の熱可塑性樹脂用着色剤または熱可塑性樹脂組成物を用いて得られるので、透明性を有すると共に紫外線を遮蔽し、更に必要に応じて550nm付近の可視光線も遮蔽できる。
本発明の熱可塑性樹脂用着色剤は、α−酸化第二鉄(A)と分散剤(B)を含有する。
本発明で用いられるα−酸化第二鉄(A)は、平均粒径0.01〜0.06μmであり、好ましくは0.03〜0.05μmである。平均粒径が0.01μm未満の場合は粒子凝集、分散不良が発生するおそれがあり、0.06μmを超える場合は透明性の低下、α−酸化第二鉄(A)の凝集による成形物の外観不良のおそれがある。ここで平均粒径とは、短径、長径の平均を粒径として粒度分布の最大値を示した値をいう。
また、本発明で用いられるα−酸化第二鉄(A)は、アスペクト比0.2〜1.0の非針状のものであり、特開平8−59398号公報に開示されている方法により得ることが出来る。ここでアスペクト比とは、電子顕微鏡観察による短径と長径の比(短径/長径)をいう。透明性、分散性が良好な成形物を得るためには、真球状(短径/長径=1.0)が最も好ましい。
本発明で用いられる分散剤(B)としては、オキシカルボン酸金属塩(B1)又は高級脂肪酸金属塩(B2)が用いられる。これらは単独で用いることができるし、2種以上の併用もできる。
オキシカルボン酸金属塩(B1)におけるオキシカルボン酸とは、カルボキシル基と水酸基とを有する化合物であれば特に限定されるものではないが、脂肪族または芳香族のオキシカルボン酸が挙げられる。オキシカルボン酸金属塩(B1)によりα−酸化第二鉄(A)の分散性が高くなるので透明性の高い成形物が得られると共に、特にポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリ乳酸等ポリエステル樹脂等を用いる場合は樹脂の極限粘度(IV)の値が保持できる。IVとは樹脂劣化(加水分解)の状態を示すものであり、値が高いほど樹脂劣化が低いことを示し加工性の点で優れる。
脂肪族オキシカルボン酸としては炭素数10〜30のものが好ましく、例えばα−ヒドロキシミリスチン酸、α−ヒドロキシパルミチン酸、α−ヒドロキシステアリン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラエイコサン酸、α−ヒドロキシヘキサエイコサン酸、α−ヒドロキシオクタエイコサン酸、α−ヒドロキシトリアコンタン酸、β−ヒドロキシミリスチン酸、10−ヒドロキシデカン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸等が挙げられる。これらは単独で用いることができるし、または2種以上の併用もできる。原料の入手容易性を鑑みると12−ヒドロキシステアリン酸が特に好ましい。
また、他の脂肪族オキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α−オキシ酪酸、α−ヒドロキシイソ酪酸、δ−ヒドロキシカプロン酸、α−ヒドロキシドトリアコンタン酸、α−ヒドロキシテトラトリアコンタン酸、α−ヒドロキシヘキサトリアコンタン酸、α−ヒドロキシオクタトリアコンタン酸、α−ヒドロキシテトラコンタン酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、クエン酸等が挙げられる。また、芳香族オキシカルボン酸としては、サリチル酸、m−オキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、没食子酸、マンデル酸、トロバ酸等が挙げられる。
オキシカルボン酸金属塩(B1)における金属としては、アルカリ金属であるリチウム、アルカリ土類金属であるマグネシウム、カルシウムが好ましい。また、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩の場合は、FAD認可として使用できる利点のあるマグネシウム、またはカルシウムが好ましい。これらの金属塩は1種で用いることができるし、2種以上の併用もできる。
12−ヒドロキシステアリン酸金属塩は微粉末の方が好ましい。また、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩の製法は複分解沈殿法、乾式直接法等があり、いずれも使用出来る。乾式直接法によると含水率が低い12−ヒドロキシステアリン酸金属塩が得られるので、熱可塑性樹脂と溶融混練する際に熱可塑性樹脂の分子量低下等の影響が抑えられるのでより好ましい。
高級脂肪酸金属塩(B2)における高級脂肪酸としては、炭素数10〜30の脂肪族カルボン酸が挙げられる。
具体的にはステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸、ベヘニン酸、ベヘン酸、ミリスチン酸、モンタン酸等が挙げられる。脂肪族カルボン酸の金属塩としてはカルシウム、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、亜鉛、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。特にステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂用着色剤において、必要に応じて用いられるメチン系染料(C)は耐熱性が良好で昇華性が少ないものである。具体的には、Color Index(C.I.) Solvent Brown53、C.I.Solvent Yellow133、C.I.Solvent Violet49、C.I.Pigment Orange70等が挙げられる。これらは単独、または併用することが出来る。特に、色相が褐色であるC.I.Solvent Brown53は、FDA登録品のため好ましく用いられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物におけるベース樹脂や成形物における成形樹脂として用いられる熱可塑性樹脂としては、従来公知の樹脂のうち透明性を有する樹脂、具体的にはポリエステル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。具体的には透明性を有するポリエステル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。特にポリエステル樹脂が好ましい。
ポリエステル樹脂としてはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2、6−ジカルボン酸、4、4−ジフェニルジカルボン酸の如き芳香族カルボン酸、又はそのエステルと、エチレングリコール、プロピレングリコール、1、4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1、4−シクロヘキサンジメタノール等の如き脂肪族グリコールとを縮重合させて得ることができる。代表的なものとしてPETやポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
これらのポリエステル樹脂は、複数種のカルボン酸成分と複数種のジオール成分とを組み合わせたものであっても良い。すなわち、前記ポリエステル樹脂は上記の芳香族カルボン酸成分と脂肪族グリコール成分からなるホモポリマー(主たる構成成分)の他に、第3成分を添加して共重合させたコポリマーでもよい。この第3成分としては、例えば主たる構成成分がエチレンテレフタレートである場合、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、1、4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール;コハク酸、アジピン酸、セパシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官能多価カルボン酸などが例示できる。また、主たる構成成分がエチレン−2、6−ナフタレートである場合、上記第3成分(ただし2、6−ナフタレンジカルボン酸をテレフタル酸とする)を挙げることができる。
また、本発明において用いられる熱可塑性樹脂として、微生物崩壊性樹脂も用いることができる。具体的にはポリ乳酸、ポリカプロラクトン、または脂肪族ジカルボン酸と多価アルコールとを原料として得られる脂肪族ポリエステル系樹脂の他、微生物または植物より合成されたポリエステル樹脂等が挙げられる。特にポリ乳酸が好ましい。
具体的には市販または試作されている、昭和高分子社製や日本触媒社製のポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペート、三井化学社製、カーギル社製や島津社製のポリ乳酸、ダイセル化学社製のポリカプロラクトン、モンサント社製のポリ(3−ヒドロキシ酪酸−CO−3−ヒドロキシ吉草酸)(P(3HB−3HV))やポリ(3−ヒドロキシ酪酸−CO−4−ヒドロキシ酪酸)(P(3HB−4HB))やポリ(3−ヒドロキシ酪酸−CO−3−ヒドロキシプロピオネート)(P(3HB−3HP))等が挙げられる。製品名としてはレイシアH100J(三井化学(株))、タフロンIVB 2500(出光石油化学(株))、テオナイトTN8065S(帝人(株))等が挙げられる。
熱可塑性樹脂組成物におけるベース樹脂と成形物における成形樹脂とは、同じ樹脂または相溶性のある樹脂が用いられることが好ましい。
α−酸化第二鉄(A)と分散剤(B)とをヘンシェルミキサー、スーパーフローター、ポニーミキサー等で混合することにより本発明の熱可塑性樹脂用着色剤が製造できる。特にα−酸化第二鉄(A)100重量部に対して分散剤(B)40〜150重量部の割合で配合すると好ましい。
また、α−酸化第二鉄(A)、分散剤(B)、メチン系染料(C)を配合して同様に本発明の熱可塑性樹脂用着色剤が製造できる。この場合、α−酸化第二鉄(A)と分散剤(B)の混合物中にメチン系染料(C)を添加しても良いし、α−酸化第二鉄(A)、分散剤(B)、メチン系染料(C)を同時に混合しても良い。
α−酸化第二鉄(A)と分散剤(B)からなる熱可塑性樹脂用着色剤は、熱可塑性樹脂とともに単軸、二軸押出機で押出することにより本発明の熱可塑性樹脂組成物(マスターバッチまたはコンパウンド)が製造できる。
また、上記のα−酸化第二鉄(A)と分散剤(B)からなる熱可塑性樹脂用着色剤は、メチン系染料(C)と熱可塑性樹脂とともに単軸、二軸押出機で押出することにより本発明の熱可塑性樹脂組成物が製造できる。
また、α−酸化第二鉄(A)と分散剤(B)とメチン系染料(C)とからなる熱可塑性樹脂用着色剤は、熱可塑性樹脂とともに同様に押出することにより本発明の熱可塑性樹脂組成物が製造できる。
これらの熱可塑性樹脂組成物においては、熱可塑性樹脂100重量部に対してα−酸化第二鉄(A)はマスターバッチでは0.01〜60重量部、コンパウンドでは0.01〜3重量部の含有量が好ましい。また、メチン系染料(C)を含有する場合、マスターバッチでは0.001〜4重量部、コンパウンドでは0.001〜0.2重量部の含有量が好ましい。
本発明の成形物は、上記の熱可塑性樹脂用着色剤を、そのまま成形用の熱可塑性樹脂にまぶして溶融混練、成形して製造できる。
また本発明の成形物は、上記の熱可塑性樹脂用着色剤と、熱可塑性樹脂を配合して熱可塑性樹脂組成物(マスターバッチ)を作製し、この熱可塑性樹脂組成物と成形樹脂(成形用の熱可塑性樹脂)とを混合し、溶融混練、成形することによっても製造できる。また、上記の熱可塑性樹脂用着色剤と、熱可塑性樹脂を配合して熱可塑性樹脂組成物(コンパウンド)を作製し、そのままの組成で成形することによっても製造できる。
成形物の形状としては、ボトル、シート、フィルム、プレート等が挙げられる。
本発明の成形物は、透明性を有し、かつ420nm以下の紫外線領域を遮蔽できる。また、メチン系染料(C)を含有している場合、更に550nm付近の可視光線を遮蔽できる。
しかし遮蔽の程度は成形物における各成分の含有量と成形物の厚さにより変化する。一例を挙げると、熱可塑性樹脂100重量部にα−酸化第二鉄(A)を0.22重量部以上含有する成形物において、厚さ0.3mmの場合、ヘイズが10未満で透明性を有し、420nm以下の紫外線領域を96%以上遮蔽できる。
更に、上記成形物の例において、メチン系染料(C)を0.01重量部以上含有する場合、550nm付近の可視光線を70%を超えて遮蔽できる。
上記特性を有する条件として、成形物における上記成分の含有量は、厚さが0.3mmより薄ければ多くする必要があり、厚ければ低くてもよい。
尚、光線遮蔽率は(100%−光線透過率)で得られる値である。
本発明の熱可塑性樹脂用着色剤、熱可塑性樹脂組成物、及び成形物には、所望の色相に応じて顔料又は染料を使用できる。具体的にはアゾ系、アンスラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、フタロシアニン系、イソインドリノン系、ジオキサジン系、インダスレン系、キノフタロン系等の有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、群青、コバルトブルー、カーボンブラック、チタンイエロー等の有色無機顔料、硫酸バリウム、カオリン、タルク等の体質顔料、アンスラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、モノアゾ系、他種のメチン系、複素環系、ラクトン系、フタロシアニン系等の油溶性染料、分散染料が使用できる。
また、滑剤として金属石鹸すなわち高級脂肪酸の金属塩、またはオキシカルボン酸金属塩を用いることができる。例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸リチウム、ラウリル酸カルシウム、ラウリル酸亜鉛、ラウリル酸マグネシウム、オキシカルボン酸金属塩としてα−ヒドロキシミリスチン酸、α−ヒドロキシパルミチン酸、α−ヒドロキシステアリン酸、α−ヒドロキシエイコサン酸、α−ヒドロキシドコサン酸、α−ヒドロキシテトラエイコサン酸、α−ヒドロキシヘキサエイコサン酸、α−ヒドロキシオクタエイコサン酸、α−ヒドロキシトリアコンタン酸、β−ヒドロキシミリスチン酸、10−ヒドロキシデカン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸等の金属塩が挙げられる。
更に、一般に熱可塑性樹脂成形物に使用される酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、金属不活性剤等の添加剤を配合することができる。酸化防止剤としてはフェノール系、ホスファイト系等が使用できる。フェノール系としては、例えばジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等を挙げることができる。ホスファイト系としては、例えばトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト等を挙げることができる。
紫外線防止剤としてはベンゾトリアゾール系、トリアジン系等が使用できる。ベンゾトリアゾール系としては、例えば2,2−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]]、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール等を挙げることができる。トリアジン系としては、例えば2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等を挙げることができる。
光安定剤としてはヒンダードアミン系等が使用できる。ヒンダードアミン系としては、例えばビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物等を挙げることができる。金属不活性剤としては、例えば2,3−ビス[[3−[3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド等を挙げることができる。
本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下、重量部とは単に部と記す。本実施例において用いた材料については表1に示し、熱可塑性樹脂用着色剤の組成は表2、熱可塑性樹脂組成物及び成形物の組成等は表3、評価試験の結果は表4に示した。
Figure 0003781033
<熱可塑性樹脂用着色剤(1)の製造>
α−酸化第二鉄(FRO−3)100部、分散剤として12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム100部をスーパーフローターで混合して熱可塑性樹脂用着色剤(1)を得た。
<熱可塑性樹脂用着色剤(2)の製造>
α−酸化第二鉄(FRO−3)100部、分散剤として12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム43部をスーパーフローターで混合して熱可塑性樹脂用着色剤(2)を得た。
<熱可塑性樹脂用着色剤(3)の製造>
α−酸化第二鉄(FRO−3)100部、分散剤として12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム100部をスーパーフローターで混合して熱可塑性樹脂用着色剤(3)を得た。
<熱可塑性樹脂用着色剤(4)の製造>
α−酸化第二鉄(FRO−3)100部、分散剤としてステアリン酸カルシウム100部をスーパーフローターで混合して熱可塑性樹脂用着色剤(4)を得た。
<熱可塑性樹脂用着色剤(5)の製造>
α−酸化第二鉄(FRO−3)100部、分散剤としてステアリン酸マグネシウム100部をスーパーフローターで混合して熱可塑性樹脂用着色剤(5)を得た。
<熱可塑性樹脂用着色剤(6)の製造>
α−酸化第二鉄(C−9)100部、分散剤として12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム100部をスーパーフローターで混合して熱可塑性樹脂用着色剤(6)を得た。
<熱可塑性樹脂用着色剤(7)の製造>
α−酸化第二鉄(FRO−3)100部、分散剤としてエチレンビスステアリン酸アミド100部をスーパーフローターで混合して熱可塑性樹脂用着色剤(7)を得た。
<熱可塑性樹脂用着色剤(8)の製造>
α−酸化第二鉄(FRO−3)100部、分散剤としてグリセリル−トリ−12ヒドロキシステアレート100部をスーパーフローターで混合して熱可塑性樹脂用着色剤(8)を得た。
<熱可塑性樹脂用着色剤(9)の製造>
α−酸化第二鉄(FRO−20)100部、分散剤として12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム100部をスーパーフローターで混合して熱可塑性樹脂用着色剤(9)を得た。
Figure 0003781033
[実施例1]
PET100部に、熱可塑性樹脂用着色剤(1)8.5部を配合して、ヘンシェルミキサーで混合し単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(1)を得た。
160℃4時間乾燥したPET100部と熱可塑性樹脂組成物(1)6部をタンブリングし、日精STRYCH−BLUWを使用して成形物(二軸延伸ボトル)を作製した。このボトル胴体部の0.3mm厚の部分について評価試験を行った。
[実施例2]
160℃4時間乾燥したPET100部と熱可塑性樹脂組成物(1)6部をタンブリングし、プラストミル押出機((株)東洋精機製作所製)Tダイにて成形物(シート)を作製した。このシートの0.3mm厚の部分について評価試験を行った。
[実施例3]
160℃4時間乾燥したPET100部と熱可塑性樹脂組成物(1)3部をタンブリングし、東芝射出成形機(IS100)にて成形物(プレート)を作製した。このプレートの0.6mm厚の部分について評価試験を行った。
[実施例4]
PET100部に、熱可塑性樹脂用着色剤(1)8.5部、メチン系染料0.2部を配合して、ヘンシェルミキサーで混合し単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(2)を得た。
160℃4時間乾燥したPET100部と熱可塑性樹脂組成物(2)6部をタンブリングし、実施例1と同様に二軸延伸ボトルを作製し、ボトル胴体部の0.3mm厚の部分について評価試験を行った。
[実施例5]
160℃4時間乾燥したPET100部と熱可塑性樹脂組成物(2)6部をタンブリングし、実施例2と同様にシートを作製し、0.3mm厚の部分について評価試験を行った。
[実施例6]
160℃4時間乾燥したPET100部と熱可塑性樹脂組成物(2)3部をタンブリングし、実施例3と同様にプレートを作製し、0.6mm厚の部分について評価試験を行った。
[実施例7]
PET100部に、熱可塑性樹脂用着色剤(1)8.5部、メチン系染料0.7部を配合して、ヘンシェルミキサーで混合し単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(3)を得た。
160℃4時間乾燥したPET100部と熱可塑性樹脂組成物(3)6部をタンブリングし、実施例1と同様に二軸延伸ボトルを作製し、ボトル胴体部の0.3mm厚の部分について評価試験を行った。
[実施例8]
PET100部に、熱可塑性樹脂用着色剤(1)8.5部、メチン系染料1.5部を配合して、ヘンシェルミキサーで混合し単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(4)を得た。
160℃4時間乾燥したPET100部と熱可塑性樹脂組成物(4)6部をタンブリングし、実施例1と同様に二軸延伸ボトルを作製し、ボトル胴体部の0.3mm厚の部分について評価試験を行った。
[実施例9]
ポリカーボネート100部に、熱可塑性樹脂用着色剤(1)8.5部を配合し、ヘンシェルミキサー混合して単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(5)を得た。
120℃6時間乾燥した熱可塑性樹脂組成物(5)3部とポリカーボネート100部をタンブリングし、実施例3と同様にプレートを作製し、0.6mm厚の部分について評価試験を行った。
[実施例10]
ポリカーボネート100部に、熱可塑性樹脂用着色剤(1)8.5部、メチン系染料0.2部を配合し、ヘンシェルミキサー混合して単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(6)を得た。
120℃6時間乾燥した熱可塑性樹脂組成物(6)3部とポリカーボネート100部をタンブリングし、実施例9と同様にプレートを作製し、0.6mm厚の部分について評価試験を行った。
[実施例11]
ポリスチレン100部に、熱可塑性樹脂用着色剤(1)8.5部を配合し、ヘンシェルミキサー混合して単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(7)を得た。
熱可塑性樹脂組成物(7)3部とポリスチレン100部をタンブリングし、実施例3と同様にプレートを作製し、0.6mm厚の部分について評価試験を行った。
[実施例12]
ポリスチレン100部に、熱可塑性樹脂用着色剤(1)8.5部、メチン系染料0.2部を配合し、ヘンシェルミキサー混合して単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(8)を得た。
熱可塑性樹脂組成物(8)3部とポリスチレン100部をタンブリングし、実施例3と同様にプレートを作製し、0.6mm厚の部分について評価試験を行った。
[実施例13]
PET100部に、熱可塑性樹脂用着色剤(3)8.5部を配合して、ヘンシェルミキサーで混合し単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(9)を得た。
160℃4時間乾燥したPET100部と熱可塑性樹脂組成物(9)6部をタンブリングし、実施例1と同様に二軸延伸ボトルを作製し、ボトル胴体部の0.3mm厚の部分を評価した。
[実施例14](参考例)
PET100部に、熱可塑性樹脂用着色剤(4)8.5部を配合して、ヘンシェルミキサーで混合し単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(10)を得た。
160℃4時間乾燥したPET100部と熱可塑性樹脂組成物(10)6部をタンブリングし、実施例1と同様に二軸延伸ボトルを作製し、ボトル胴体部の0.3mm厚の部分を評価した。
[実施例15](参考例)
PET100部に、熱可塑性樹脂用着色剤(5)8.5部を配合して、ヘンシェルミキサーで混合し単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(11)を得た。
160℃4時間乾燥したPET100部と熱可塑性樹脂組成物(11)6部をタンブリングし、実施例1と同様に二軸延伸ボトルを作製し、ボトル胴体部の0.3mm厚の部分を評価した。
[実施例16](参考例)
PET100部に、熱可塑性樹脂用着色剤(5)8.5部、メチン系染料0.2部を配合し、ヘンシェルミキサーで混合し単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(12)を得た。
160℃4時間乾燥したPET100部と熱可塑性樹脂組成物(12)6部をタンブリングし、実施例1と同様に二軸延伸ボトルを作製し、ボトル胴体部の0.3mm厚の部分を評価した。
[実施例17]
PET100部に、熱可塑性樹脂用着色剤(6)8.5部を配合し、ヘンシェルミキサーで混合し単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(13)を得た。
160℃4時間乾燥したPET100部と熱可塑性樹脂組成物(13)6部をタンブリングし、実施例1と同様に二軸延伸ボトルを作製し、ボトル胴体部の0.3mm厚の部分を評価した。
[実施例18]
PET100部に、熱可塑性樹脂用着色剤(6)8.5部、メチン系染料0.2部を配合して、ヘンシェルミキサーで混合し単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(14)を得た。
160℃4時間乾燥したPET100部と熱可塑性樹脂組成物(14)6部をタンブリングし、実施例1と同様に二軸延伸ボトルを作製し、ボトル胴体部の0.3mm厚の部分を評価した。
[実施例19]
ポリ乳酸100部に、熱可塑性樹脂用着色剤(1)8.5部を配合して、ヘンシェルミキサーで混合し単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(15)を得た。
160℃4時間乾燥したポリ乳酸100部と熱可塑性樹脂組成物(15)6部をタンブリングし、実施例1と同様に二軸延伸ボトルを作製し、ボトル胴体部の0.3mm厚の部分について評価試験を行った。
[実施例20]
ポリ乳酸100部に、熱可塑性樹脂用着色剤(1)8.5部、メチン系染料0.2部を配合して、ヘンシェルミキサーで混合し単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(16)を得た。
160℃4時間乾燥したポリ乳酸100部と熱可塑性樹脂組成物(16)6部をタンブリングし、実施例1と同様に二軸延伸ボトルを作製し、ボトル胴体部の0.3mm厚の部分について評価試験を行った。
[比較例1]
PET100部に、熱可塑性樹脂用着色剤(7)8.5部を配合し、ヘンシェルミキサーで混合し単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(17)を得た。
160℃4時間乾燥したPET100部と熱可塑性樹脂組成物(17)6部をタンブリングし、実施例1と同様に二軸延伸ボトルを作製し、ボトル胴体部の0.3mm厚の部分を評価した。
[比較例2]
PET100部に、熱可塑性樹脂用着色剤(8)8.5部を配合し、ヘンシェルミキサーで混合し単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(18)を得た。
160℃4時間乾燥したPET100部と熱可塑性樹脂組成物(18)6部をタンブリングし、実施例1と同様に二軸延伸ボトルを作製し、ボトル胴体部の0.3mm厚の部分を評価した。
[比較例3]
PET100部に、熱可塑性樹脂用着色剤(9)8.5部、メチン系染料0.2部を配合して、ヘンシェルミキサーで混合し単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(19)を得た。
160℃4時間乾燥したPET100部と熱可塑性樹脂組成物(19)6部をタンブリングし、実施例1と同様に二軸延伸ボトルを作製し、ボトル胴体部の0.3mm厚の部分を評価した。
[比較例4]
FRO−3 100部のみを、スーパーフローターを用いて分散した。
PET100部に、上記FRO−3 100部を配合し、ヘンシェルミキサーで混合し単軸押出機で押出ペレット化して熱可塑性樹脂組成物(20)を得た。
140℃3時間結晶化し、160℃4時間乾燥したPET100部と熱可塑性樹脂組成物(20)6部をタンブリングし、実施例1と同様に二軸延伸ボトルを作製し、このボトル胴体部の0.3mm厚の部分を評価した。
Figure 0003781033
<評価>
(1)熱可塑性樹脂組成物の極限粘度(η)及び極限粘度保持率
樹脂をそれぞれ0.1g、0.3g、0.5gを含有する熱可塑性樹脂組成物を作成し、試料として用いた。
[極限粘度(η)]
フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mlを用いて、熱可塑性樹脂組成物中の樹脂成分を溶解し、α−酸化第二鉄粒子を遠心分離除去した後の各樹脂溶液の30℃における粘度を測定し、定法に従い粘度/濃度の値を濃度に対してプロットし、濃度0に補外して極限粘度(η)を求めた。なお、ブランクは、樹脂のみを用いた。
極限粘度は、樹脂の劣化(加水分解)の状態を示すものであり、値が高いほど樹脂劣化が低いことを示す。
[極限粘度保持率]
(熱可塑性樹脂組成物中の樹脂の極限粘度/ブランクの極限粘度)×100の値を求めた。この値が100に近いほど(熱可塑性樹脂組成物中の樹脂の極限粘度が、ブランクの極限粘度に近いほど)熱可塑性樹脂組成物中の樹脂の劣化は少ないといえる。
(2)成形物における光線遮蔽性及び透明性
[光線遮蔽率]
4種類の波長380、400、420、550nmにおいて、空気をブランク(100%)として島津製作所製UV−265FWで測定した。
◎:遮蔽率99%以上
○:遮蔽率96%以上
△:遮蔽率70%以上
×:遮蔽率70%未満
[透明性]
空気をブランク(0)としてビックケミー・ジャパン(株)製ヘイズ・ガード・プラスにて測定した。成形樹脂だけで作製した成形物の場合は大体1前後の値である。透明性が高いと値は低くなり、くもり性が高いと値は高くなる。15以上のヘイズ値においては顕著にくもっていることが目視で確認出来る。
◎:5以下
○:10以下
△:15以下
×:15より大きい
Figure 0003781033
本発明の成形物は、ビール容器等の酒類用ボトル容器等における内容物の保存安定性や、トレー等の食品容器での食品安定性(鮮度保持)に有効である他に、食品包装用、化粧品包装用等への適用が可能である。また、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂を用いたカーポート等における紫外腺遮蔽や、農業用フィルム及びシートにおける紫外線や可視光線遮蔽により農産物の生産性向上が期待できる。
また、本発明の成形物がフィルム(シュリンクフィルムを含む)の場合、これで対象物を包むことにより透明性を有しつつ紫外線遮蔽、可視光遮蔽が容易にできる。

Claims (13)

  1. 平均粒径が0.01〜0.06μm、アスペクト比が0.2〜1.0の非針状であるα−酸化第二鉄(A)と、分散剤(B)としてオキシカルボン酸金属塩(B1)を含有する熱可塑性樹脂用着色剤。
  2. オキシカルボン酸金属塩(B1)が、12−ヒドロキシステアリン酸金属塩である請求項1に記載の熱可塑性樹脂用着色剤。
  3. 12−ヒドロキシステアリン酸金属塩が、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムである請求項2に記載の熱可塑性樹脂用着色剤。
  4. α−酸化第二鉄(A)100重量部に対して、分散剤(B)40〜150重量部を配合する請求項1〜いずれかに記載の熱可塑性樹脂用着色剤。
  5. 請求項1〜いずれかに記載の熱可塑性樹脂用着色剤に、メチン系染料(C)を含有する熱可塑性樹脂用着色剤。
  6. 請求項に記載のメチン系染料(C)が、C.I.No.Solvent Brown53である熱可塑性樹脂用着色剤。
  7. 請求項1〜いずれかに記載の熱可塑性樹脂用着色剤と、メチン系染料(C)と、熱可塑性樹脂とを配合して得られる熱可塑性樹脂組成物。
  8. 請求項に記載のメチン系染料(C)が、C.I.No.Solvent Brown53である熱可塑性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜いずれかに記載の熱可塑性樹脂用着色剤と、熱可塑性樹脂とを配合して得られる熱可塑性樹脂組成物。
  10. 熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂である請求項いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  11. 熱可塑性樹脂が微生物崩壊性樹脂である請求項いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  12. 請求項1〜いずれかに記載の熱可塑性樹脂用着色剤を用いて得られる成形物。
  13. 請求項11いずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を用いて得られる成形物。
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