JPH11213444A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JPH11213444A
JPH11213444A JP10019956A JP1995698A JPH11213444A JP H11213444 A JPH11213444 A JP H11213444A JP 10019956 A JP10019956 A JP 10019956A JP 1995698 A JP1995698 A JP 1995698A JP H11213444 A JPH11213444 A JP H11213444A
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JP
Japan
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recording medium
optical recording
light
layer
fluoropolymer
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Abandoned
Application number
JP10019956A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Kashiwagi
俊行 柏木
Motohiro Furuki
基裕 古木
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塵等が表面に付着することが防止されるとと
もに表面に傷が発生し難く、常に安定的に記録及び/又
は再生することのできる光記録媒体を提供する。 【解決手段】 本発明に係る光記録媒体は、基板1上に
凹凸パターンが形成され、上記凹凸パターンに対して所
定の波長の光を照射することにより情報信号が記録再生
される光記録媒体であって、少なくとも、光が照射され
る一主面上にフッ素系ポリマーが被覆されたことを特徴
とするものである。以上のように構成された光記録媒体
は、フッ素系ポリマーを被着させることにより、塵等が
付着し難いものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも、基板
上に形成された凹凸パターンを有し、所定の波長の光が
照射されて信号が記録及び/又は再生される光記録媒体
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、データ記録の分野においては光学
データ記録方式に関する研究が各所で進められている。
この光学データ記録方式は、非接触で記録・再生が行え
ること、磁気記録方式に比べて一桁以上も高い記録密度
が達成できること、再生専用型、追記型、書換可能型の
それぞれのメモリー形態に対応できる等の数々の利点を
有し、安価な大容量ファイルの実現を可能とする方式と
して産業用から民生用まで幅広い用途の考えられている
ものである。
【0003】その中でも特に、再生専用型のメモリー形
態に対応した光ディスクであり、音楽データが記録され
たデジタルオーディオディスクや画像データが記録され
た光学式ビデオディスク等は広く普及している。
【0004】デジタルオーディオディスク等の光ディス
クは、データ信号を示すピットやグルーブ等の凹凸パタ
ーンが形成された厚さ1.2(mm)程度の透明基板の
凹凸パターンが形成された一主面上にアルミニウム膜等
の金属薄膜よりなる反射膜が形成され、さらにこの反射
膜を大気中の水分,O2 から保護するための保護膜がこ
の反射膜上に形成された構成とされる。
【0005】さらに、最近では画像、音楽、コンピュー
タデータ等の多様なデータを記録するためのDVD(D
igital Versatile Disc、以下、
DVDと称する。)も上市されている。このDVDにお
いては、基板の厚さを0.6(mm)程度として、小さ
なスポット系を有する光学系を用いて高記録密度化する
ようにしている。
【0006】さらにまた、光記録媒体においては、これ
ら光ディスクやDVDに代わる大容量を有する新しい記
録媒体が求められつつある。具体的に、光記録媒体にお
いては、家庭用ビデオディスクレコーダーとして4時間
の記録再生を可能とすることにより、現在主流とされて
いるビデオテープレコーダー(Video TapeR
ecorder)に代わる新しい記録媒体が求められつ
つある。
【0007】そこで、光記録媒体においては、上述のD
VD以上に短波長化されるとともに高開口数化された光
学系を用いて再生光のスポット径を小さくして記録を行
うことで、記録密度の大容量化が進められている。
【0008】そして、このように短波長化且つ高開口数
化された光学系を用いると、照射される再生光が透過す
る部分の厚さを薄くする必要がある。これは、高開口数
化に伴い、光学ピックアップの光軸に対してディスク面
が垂直からズレる角度(チルト角)により発生する収差
の許容量が小さくなるためであり、このチルト角により
発生する収差は再生光が透過する部分の厚さが厚いほど
大きくなるためである。
【0009】そこで、このような光記録媒体において
は、例えば、基板の一主面上に凹凸部を形成し、この一
主面上に反射膜を設けて反射層とし、さらにこの上に光
を透過する薄膜である光透過層を設けるようにし、光透
過層側から再生光を照射して反射層のデータを再生する
ようにしたり、基板の一主面上に反射層を設け、その上
に少なくとも相変化型記録膜、光磁気記録膜、有機色素
型記録膜等を形成して記録層とし、さらにこの上に光を
透過する薄膜である光透過層を設けるようにし、光透過
層側から光を照射して記録層に対してデータを記録及び
再生するようにしている。このようにすれば、光透過層
を薄型化していくことで、短波長化され且つ高開口数化
された光学系を用いることが可能となる。
【0010】ところで、このような、光ディスクでは、
反射層や記録層に対して所定の波長の光が照射され、こ
の光の反射光を検出することにより記録再生が行われて
いる。このとき、照射された光の波長をλとし、レンズ
の開口数をNAとすると、照射された光のスポット径φ
は、φ=1.22×λ/NAと表される。
【0011】上述したデジタルオーディオディスク等の
光ディスクにおいて、再生に用いられる光としては、例
えば、λが780[nm]であり、NAが0.45であ
る場合、反射層上に照射される光のスポット径φは2.
1[μm]となっている。このような光ディスクにおい
て、照射された光が透明基板の他主面上で形成するスポ
ット径は715μmとなっている。このため、このデジ
タルオーディオディスク等の光ディスクにおいては、透
明基板の他主面上に付着した塵や傷等が記録層上に形成
するスポット径に影響を与えるまでには至らず、与えた
としても誤り訂正による訂正可能な場合が多い。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したよ
うな光ディスクにおいても、表面に親油性の汚れが付着
すると、この親油性の汚れの上に比較的高硬度の砂塵等
が付着するようなことがある。この場合、光ディスクで
は、光ピックアップと表面との間に砂塵が挟み込まれ、
表面を大きく傷つけてしまうことがあった。
【0013】このように、デジタルオーディオディスク
等の光ディスクでは、表面に付着した塵が大きかった
り、表面に大きな傷が形成されたような場合、誤り訂正
による訂正が不可能となり、正確な記録再生を行えない
といった問題が残る。
【0014】また、上述したように、DVD以上に短波
長化されるとともに高開口数化された光学系を用いた光
ディスクでは、光透過層を薄型化しているため、光ディ
スクの表面と記録層との間が短くなっている。このた
め、この光ディスクでは、記録層に形成されるスポット
径と光透過層上に形成されるスポット径との差が十分大
きいとはいえない。
【0015】したがって、このようなDVD以上に短波
長化されるとともに高開口数化された光学系を用いた光
ディスクでは、特に、光が照射される側の表面に塵等が
被着すると、記録層上に形成される光のスポット径に大
きな影響を与えてしまうことがある。このとき、光ディ
スクでは、正確に記録再生が行えないといった問題があ
った。
【0016】そこで、本発明は、上述したような従来の
実状に鑑みて提案されるものであって、塵等が表面に付
着することが防止されるとともに表面に傷が発生し難
く、常に安定的に記録及び/又は再生することのできる
光記録媒体を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成した本
発明に係る光記録媒体は、基板上に凹凸パターンが形成
され、上記凹凸パターンに対して所定の波長の光を照射
することにより情報信号が記録再生される光記録媒体で
あって、少なくとも、光が照射される一主面上にフッ素
系ポリマーが被覆されたことを特徴とするものである。
【0018】以上のように構成された本発明に係る光記
録媒体は、フッ素系ポリマーを被着させることにより、
塵等が付着し難いものとなる。この光記録媒体では、い
わゆる、ローリングアップ機構により塵等の付着を防止
する。このローリングアップ機構とは、表面に付着した
油脂等の汚れが表面処理された面から巻き取られるよう
な状態をいう。
【0019】以下、ローリングアップ機構を界面張力の
バランス論を用いて説明する。界面張力のバランスを、
図3(a)及び図3(b)に示すように、基板100上
に滴下された液体101が基板100に対して接触角θ
で静止して平衡状態にあるとする。このとき、基板10
0の表面張力をγsとし、液体101の表面張力をγl
とし、基板100及び液体101間の界面張力をγsl
とすると、下記式で示されるYoungの式が成立す
る。
【0020】γs=γsl+γlcosθ また、図3(a),(b)に示すような状態において、
基板100の単位面積当たりから、液体101を引き離
す仕事量は、液体101の基板100表面に対する付着
仕事Waに相当する。この付着仕事Waは、下記式のよ
うに表される。
【0021】 Wa=γs+γl−γsl=γl(1+cosθ) この付着仕事Waを表す式より、θが0゜のとき液体1
01は完全に濡れ、基板100上に広がり付着した状態
となり、θが180゜に近づくほど液体101が基板1
00上に付着することができなくなることがわかる。ま
た、基板100表面の自由エネルギ、すなわち、基板の
表面張力が小さいほど液体101は濡れにくくなる。さ
らに、液体101の表面張力は、液体101の分子間力
を表しており、この分子間力の大きい液体101ほど濡
れにくくなる。
【0022】すなわち、図3(b)に示すような状態と
比較して、図3(a)に示すような状態の場合には、濡
れにくくなり、液体101が基板100に付着し難いも
のとなる。
【0023】そして、本発明に係る光記録媒体におい
て、光が照射される一主面上にフッ素系ポリマーを被覆
させることにより、表面の自由エネルギを低下させるこ
ととなり、上述した付着仕事Waを低減することができ
る。したがって、本発明に係る光記録媒体は、表面にフ
ッ素系ポリマーを被覆させることにより、汚染防止され
た表面を有することになる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光記録媒体の
実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】本実施の形態に示す光記録媒体は、図1に
示すように、一主面1aに凹凸パターン2が形成されて
なる基板1と、この一主面1a上に積層された反射層3
と、この反射層3上に積層された光透過層4とを備え
る。この光記録媒体において、反射層3は、基板1上に
形成されるため、基板1上に形成された凹凸パターン2
に従った形状を呈する。また、この光記録媒体におい
て、光透過層4は、基板1に形成された凹凸を覆うよう
に形成され、その一主面4aが平坦面とされる。すなわ
ち、この光記録媒体では、基板1の他主面1bと光透過
層4の一主面4aとが平坦面とされて両表面を構成して
いる。
【0026】そして、この光記録媒体では、光透過層4
側から所定の波長の光(図1中Lで示す。)が反射層3
に照射され、凹凸パターン2として記録された信号が再
生される。なお、照射される光は、図示しない光ピック
アップの光源から出射されたものであり、対物レンズ5
を介して反射層3に照射される。
【0027】また、この光記録媒体では、少なくとも、
この光が照射される側の表面、すなわち、光透過層4の
一主面4aにフッ素系ポリマーが被覆されている(図1
において、このフッ素系ポリマーは図示しない。)。
【0028】この光記録媒体において、基板1は、厚さ
が0.3〜1.2(mm)とされ、例えば、ポリカーボ
ネート等の樹脂を成形することにより形成される。ま
た、反射層3は、例えば、アルミニウム等の金属を蒸着
することにより形成される。さらに、光透過層4は、厚
さが3〜177(μm)とされ、例えば、ポリカーボネ
イト等の光透過性を有する樹脂で形成される。
【0029】一方、この光記録媒体において、フッ素系
ポリマーは、例えば、シランカップリング剤や界面活性
剤の一部にフッ化炭素鎖を導入し、その後、光透過層4
の一主面4aに塗布し、最表面にCF3やCF2を並ばせ
ることにより、光透過層4の一主面4aに被覆される。
また、フッ素系ポリマーは、光透過層4の一主面4aに
対してフッ化炭素CF3やCF2を直接付与することによ
り、光透過層4の一主面4aに被覆されてもよい。さら
に、フッ素系ポリマーは、液状光硬化性樹脂に含有さ
れ、この液状光硬化性樹脂を光透過層4の一主面4aに
塗布することにより形成されるものであってもよい。
【0030】具体的に、フッ素系ポリマーは、フッ化炭
素鎖を有するフッ化シランカップリング剤を用いて形成
することができる。このフッ化炭素鎖を有するフッ化シ
ランカップリング剤としては、例えば、下記の構造式
(1)を有するものが好適に用いられる。
【0031】 CF3(CF2nCH2Si(OCH33・・・構造式(1) この構造式(1)を有するフッ化シランカップリング剤
を用いた場合、図2に示すように、3つのメトキシル基
のうち1つが光透過層4の表面に露出する水酸基と結合
する。これとともに、フッ化シランカップリング剤は、
残る2つのメトキシル基が加水分解されて水酸基とな
り、隣合うフッ化シランカップリング剤に形成された水
酸基と水素結合するか、熱処理によりシラノール縮合す
ることとなり、隣合うフッ化シランカップリング剤と結
合する。これにより、構造式(1)を有するフッ化シラ
ンカップリング剤は、いわゆる、図2に示すようなシロ
キサンネットワークを形成し、光透過層4の一主面4a
上に被覆されることとなる。
【0032】以上のように構成された本発明に係る光記
録媒体は、上述したように、フッ素系ポリマーを光透過
層4上に被覆させることにより、最表面の自由エネルギ
が低下することとなる。したがって、この光透過層4の
表面は、表面張力が小さくなるため、濡れにくい状態と
なる。
【0033】すなわち、付着仕事Waを表す式、Wa=
γl(1+cosθ)において、接触角θが180゜に
近づくこととなり、光透過層4の一主面4aに撥水性及
び撥油性が付与されることになる。
【0034】具体的に、フッ化炭素鎖を有するフッ化シ
ランカップリング剤を用いた場合には、図2に示すよう
に、シロキサンネットワークが形成されたフッ化シラン
カップリング剤の最表面にCF3基が密に詰まった状態
で存在する。このため、この最表面は、自由エネルギが
低下し、撥水性及び撥油性を有することになる。特に、
CF3基の自由エネルギが0.6×10-2N/m(20
℃の時)であり、CF2基の自由エネルギが1.8×1
-2N/m(20℃の時)であるため、CF3基が最表
面に露出したほうが、優れた撥水性及び撥油性を付与す
ることができる。
【0035】また、この光記録媒体では、フッ化炭素鎖
が不燃性、高潤滑性、化学的不活性及び低毒性等の多く
の特性を有している。このため、この光記録媒体では、
例えば、対物レンズ5との接触時や衝突時に光透過層4
に大きな傷を与えるようなことが確実に防止されたり、
様々な外気との接触によっても光透過層4が化学的に変
質するようなことが確実に防止される。したがって、こ
の光記録媒体は、常に安定的に再生されることとなる。
【0036】ところで、本発明に係る光記録媒体におい
て、フッ素系ポリマーは、上述したようなシランカップ
リング剤を用いたものに限定されず、例えば、界面活性
剤を用いて形成されたものであってもよい。
【0037】この場合、界面活性剤としては、例えば、
二鎖型のフッ素系界面活性剤が好ましく用いられる。こ
の二鎖型のフッ素系界面活性剤は、末端にCF3基を有
し、且つ、高い凝集能と分散能を有する比較的長鎖の活
性剤を有する。
【0038】このような二鎖型のフッ素系界面活性剤を
用いると、光透過層4の一主面4aがプラスに帯電して
いる場合には、活性剤のマイナスに帯電している部分
(−SO3-や−COO-)が光透過層4の一主面4a上
に単分子吸着する。その結果、二鎖型のフッ素系界面活
性剤は、疎水基のフルオロアルキル基を外側に向けて光
透過層4の一主面4aを覆うこととなる。これにより、
光記録媒体は、光透過層4の一主面4aに撥水性が付与
されたものとなる。
【0039】そして、二鎖型のフッ素系界面活性剤の濃
度を増加させると、上述したような外側に臨むフルオロ
アルキル基に対して、別の二鎖型のフッ素系界面活性剤
におけるフルオロアルキル基が疎水結合することにな
る。すなわち、この状態において、二鎖型のフッ素系界
面活性剤は、光透過層4の一主面4a上に2分子吸着す
ることとなる。これにより、二鎖型のフッ素系界面活性
剤は、活性剤のマイナスに帯電している部分(−SO3-
や−COO-)、すなわち、親水性の部分を外側に向け
て光透過層4の一主面4aを覆うこととなる。したがっ
て、光記録媒体は、光透過層4の一主面4aに撥油性が
付与されたものとなる。
【0040】このように、二鎖型のフッ素系界面活性剤
を用いた場合、光透過層4の一主面4aに単分子吸着さ
せるか2分子吸着させるかを調節することにより、光透
過層4の一主面4aに対して撥水性又は撥油性を付与す
ることができる。
【0041】一方、界面活性剤としては、一分子内疎水
基としてフッ化炭素鎖と炭化水素鎖と親水基とを有す
る、いわゆる、ハイブリッド界面活性剤を用いてもよ
い。このとき、ハイブリッド界面活性剤としては、例え
ば、C49−C64−COCH(SO3Na)C4
9[−C64はp−フェニレン基]を挙げることができ
る。
【0042】このハイブリッド界面活性剤は、加水分解
に対して非常に安定であり、従来より用いられてきた有
機溶剤を用いる必要がなく、水系の溶剤を用いることが
できる。このため、このハイブリッド界面活性剤は、大
気汚染を防止するとともに作業者の健康を損なうことを
防止することができる。
【0043】ところで、本発明に係る光記録媒体におい
て、フッ素系ポリマーは、上述したように形成されるも
のに限定されず、光透過層4の一主面4aにフッ素を直
接吹き付けて形成したものであってもよい。すなわち、
フッ素系ポリマーは、光透過層4の一主面4aに、フッ
素蒸気を加熱して吹き付けることにより形成される。
【0044】この場合、光透過層4の一主面4aには、
最表面にCF2基やCF3基等が形成されることになる。
これにより、光透過層4は、その最表面の自由エネルギ
が低下することになり、上述した場合と同様に、撥水性
及び撥油性を有することとなる。
【0045】また、本発明に係る光記録媒体は、上述し
たように、信号が凹凸パターンとして基板上に形成され
てなるような構成に限定されず、反射層上に記録層を有
するような構成であってもよい。ここで、記録層とは、
所定の波長の光を照射することにより、信号を少なくと
も1回記録することができる層のことをいう。具体的
に、記録層としては、相変化型記録層、光磁気記録層及
び有機色素型記録層を挙げることができ、これらのうち
いずれかが用いられる。
【0046】例えば、光記録媒体は、記録層として相変
化型記録層を用いることによって、多数回の記録再生が
可能なのもとなる。この相変化型記録層は、結晶状態と
非結晶状態とを可逆的に変化する材料から形成される。
そして、光記録媒体では、初期化状態として結晶状態と
された相変化型記録層に対して所定の波長の光を照射し
て、相変化型記録層を昇温させて所定の領域を非結晶状
態とすることにより記録マークが形成される。
【0047】そして、この光記録媒体では、この相変化
型記録層に対して所定の波長の光を照射し、その戻り光
を検出することにより信号が再生される。すなわち、こ
の光記録媒体では、相変化型記録層が結晶状態であるか
非結晶状態であるかによって照射された光の反射率が異
なり、この反射率の差異を検出することによって、上述
したように形成された記録マークを検出することができ
る。
【0048】なお、記録層として光磁気記録層を用いた
場合でも、光記録媒体は、多数回の記録再生が可能なも
のとなる。このとき、光磁気記録層は、磁性材料から形
成され、異なる磁化方向を有する記録マークを形成す
る。そして、光磁気記録層では、その磁化方向に起因し
て反射光の偏向面のカー回転角が異なり、このカー回転
角の差異を検出することにより記録マークが検出され
る。
【0049】
【実施例】ここで、上述したような光記録媒体を実際に
作製し、それぞれの光透過層4の一主面4a上の汚染防
止効果を確認した。
【0050】実施例1 先ず、光透過層4がポリカーボネイトで形成された光記
録媒体を作製し、この光記録媒体を可溶性フッ素系ポリ
マー溶液(商品名:FC−722、住友3M社製)に浸
漬させた。そして、この光記録媒体を引き上げ、自然乾
燥させることにより溶媒を蒸発させることによって、光
記録媒体の全面にフッ素系ポリマーを被覆させた。これ
により、光透過層4上には、約100nmの厚みのフッ
素系ポリマーが形成された。
【0051】このように作製された光記録媒体は、光透
過層4側から波長が680nmの光を照射した場合、屈
折率が1.3であるために98%の透過率を示した。ま
た、この光記録媒体は、優れた撥水性及び撥油性を有す
る。
【0052】実施例2 先ず、光透過層4がポリカーボネイトで形成された光記
録媒体を作製し、この光記録媒体をフッ化シランカップ
リング剤[構造式:CF3(CF29CH2Si(OCH
33]に浸漬させた。そして、この光記録媒体を引き上
げ、自然乾燥させることにより溶媒を蒸発させ、光記録
媒体の全面にフッ素系ポリマーを被覆させた。これによ
り、光透過層4上には、約30nmの厚みのフッ素系ポ
リマーが形成された。
【0053】ポリカーボネイトと水との接触角θは20
℃で82゜であるが、この光記録媒体では、フッ素系ポ
リマーが形成された光透過層4と水との接触角θは20
℃で118゜であった。このように、光記録媒体は、優
れた撥水性を有するものとなり、汚染され難いものとな
る。
【0054】同時に、この光記録媒体は、優れた撥油性
も有することとなり、油性の汚れが付着し難いものとな
った。これにより、この光記録媒体では、油性の汚れ上
に塵等が付着するようなことが防止され、その結果、傷
の発生が防止されることになる。
【0055】実施例3 先ず、光透過層4がポリカーボネイトで形成された光記
録媒体を作製し、光透過層4上にフッ素系ポリマーを含
有した液状光硬化性樹脂を塗布し、紫外線を照射して該
液状光硬化樹脂を硬化させた。これにより、光透過層4
上には、フッ素系ポリマーが形成されることになる。
【0056】フッ素系ポリマーを含有しない液状光硬化
性樹脂と水との接触角θは20℃で82゜であるが、こ
の光記録媒体では、フッ素系ポリマーを含有する液状光
硬化性樹脂と水との接触角θが20℃で105゜であっ
た。このように、この光記録媒体では、優れた撥水性を
有するものとなった。
【0057】実施例4 先ず、光透過層4がポリカーボネイトで形成された光記
録媒体を作製し、この光記録媒体を界面活性剤[構造
式:CF3(CF26COONa]に浸漬させた。そし
て、この光記録媒体を引き上げ、自然乾燥させることに
より溶媒を蒸発させ、光記録媒体の全面にフッ素系ポリ
マーを被覆させた。これにより、光透過層4上には、単
分子層の厚みのフッ素系ポリマーが形成された。
【0058】この光記録媒体では、光透過層4と水との
接触角θが20℃で119゜となっている。このため、
光記録媒体は、優れた撥水性を有するものであり、汚染
され難いものとなる。また、このとき、光記録媒体は、
優れた撥油性も有するため、傷が発生し難いものなって
いる。
【0059】実施例5 先ず、光透過層4がポリカーボネイトで形成された光記
録媒体を作製し、光透過層4の表面に対して60℃の温
度で60分間、蒸気圧10mmHgのフッ素を接触させ
た。これにより、CF3基等が形成されることとなり、
光透過層4の表面には、フッ素系ポリマーが形成され
た。
【0060】この光記録媒体では、光透過層4と水との
接触角θが20℃で118゜となっている。このため、
光記録媒体は、優れた撥水性を有するものであり、汚染
され難いものとなっている。また、このとき、光記録媒
体は、優れた撥油性も有するため、傷が発生し難いもの
なっている。
【0061】上述したように、実施例1乃至実施例5に
示すような光記録媒体は、水との接触角θが大きな値
(<180゜)となっているため、優れた撥水性を有す
ることとなる。このため、実施例1乃至実施例5に示し
た光記録媒体は、記録再生を行う光が照射される面に塵
等が付着するようなことが確実に防止される。したがっ
て、この光記録媒体では、記録再生の際に照射される光
を妨げるようなことなく、常に良好に記録再生されるこ
とになる。
【0062】
【発明の効果】以上のように構成された本発明に係る光
記録媒体では、少なくとも、光が照射される一主面上に
フッ素系ポリマーが被覆されているため、この一主面が
撥水性及び撥油性に優れたものとなる。このため、この
光記録媒体において、一主面は、長期間に亘って汚染さ
れ難いものとなる。したがって、この光記録媒体は、常
に、良好に記録及び/又は再生されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光記録媒体を示す要部縦断面図で
ある。
【図2】フッ化シランカップリング剤を用いて形成され
たシロキサンネットワークの概念図である。
【図3】基板とこの基板に滴下された液体との要部断面
図であり、(a)は撥水性が良い場合であり、(b)は
撥水性が悪い場合である。
【符号の説明】
1 基板、2 凹凸パターン、3 反射層、4 光透過
層、5 対物レンズ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に凹凸パターンが形成され、上記
    凹凸パターンに対して所定の波長の光が照射されること
    により信号が記録及び/又は再生される光記録媒体にお
    いて、 少なくとも、上記光が照射される一主面上にフッ素系ポ
    リマーが被覆されたことを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 少なくとも、上記基板の凹凸パターンが
    形成された面上に積層された反射層と、上記反射層上に
    積層された記録層と、上記記録層上に積層された光透過
    層とを備え、 上記記録層に対して、上記光透過層側から所定の波長の
    光が照射されて信号の記録再生を行うことを特徴とする
    請求項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記フッ素系ポリマーは、可溶性である
    ことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記フッ素系ポリマーは、フッ化炭素鎖
    を有するフッ素系シランカップリング剤であることを特
    徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記フッ素系ポリマーは、液状光硬化性
    樹脂であることを特徴とする請求項1記載の光記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 上記フッ素系ポリマーは、界面活性剤で
    あることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 上記フッ素系ポリマーは、0.5〜20
    0nmの厚みで被覆されたことを特徴とする請求項1記
    載の光記録媒体。
  8. 【請求項8】 上記記録膜が金属薄膜、相変化型記録
    膜、光磁気記録膜、有機色素型記録膜のうちのいずれか
    であることを特徴とする請求項2記載の光記録媒体。
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