JPH11204355A - 複合形リアクタとその製造方法と電源装置 - Google Patents

複合形リアクタとその製造方法と電源装置

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JPH11204355A
JPH11204355A JP667498A JP667498A JPH11204355A JP H11204355 A JPH11204355 A JP H11204355A JP 667498 A JP667498 A JP 667498A JP 667498 A JP667498 A JP 667498A JP H11204355 A JPH11204355 A JP H11204355A
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iron core
gap
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隆夫 澤江
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順一 寺西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直流電源装置の高調波電流抑制回路に用い、
磁気的に相互影響のないことが必要な2つのインダクタ
ンス(交流用と直流用)を得る複合形リアクタとその製
造方法と電源装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 第1・第2コイル2,4にそれぞれ挿着
した第1,第2の鉄心部1,3と、これらと別に共通磁
脚となる第3の鉄心部5とを配設し、さらに別の第4の
鉄心部8を2個コアギャップを介して第1ないし第3の
鉄心部と突き合せて不飽和閉磁路を形成した複合形リア
クタ。また、各突き合せ部のコアギャップ寸法を調整す
ることにより2つの不飽和磁気回路間を磁気的に遮蔽
し、LC共振作用によって第3の鉄心部に流れる磁束の
方向が一定の導通期間、互いに逆位相となって打ち消し
合い、最小限の磁束しか流れないように、各鉄心部1,
3,5,8を組立て固定する複合形リアクタの製造方
法。複合形リアクタを用い、高調波規制値をクリアした
電源装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインバータ回路を採
用した電気・電子機器に用いるリアクタおよびそれを用
いた直流電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、家電用電気製品などにもそのきめ
細やかな出力制御の利点を生かしたインバータ制御方式
が広く導入され、その入力電流の波形を改善して電流ピ
ーク値抑制や力率改善するためにリアクタが使われてい
た。
【0003】また、近年国内外の電気機器・電子機器事
情より、さらに一層この電流波形の改善をすすめて謂わ
ゆる、高調波抑制を図ろうとする機運が高まってきてお
り、チョッパ回路の導入など、主として電子回路上での
対策をとったアクティブフィルタ方式と、主として図2
9に示す個別のリアクタ2個を整流用ダイオードブリッ
ジと平滑コンデンサの間にそれぞれ接続したパッシブフ
ィルタ方式が採用されていた。
【0004】すなわち、図29に示すように従来の個別
のリアクタは、中央磁脚部にコアギャップを作り込んだ
E型鉄心102と、これに対向するI型鉄心101、と
コイル103と、これを絶縁する絶縁紙104を有し、
取付板105を介して電気機器に取付ける構成にしてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来アクティブフィル
タ方式の場合、高調波電流抑制策としてほぼ完全な効果
が期待できるが、コスト高になり、実用面から、より低
コストの対策が望まれていた。したがって、アクティブ
フィルタ方式よりコスト面で有利なパッシブフィルタ方
式でも、必要な2個のインダクタンスをそれぞれ独立し
た2個のリアクタで構成することもできるが、機器が重
くなり、容積も増える欠点を有していた。なお2つの必
要なインダクタンスを単にそのまま一体化したリアクタ
で実現しようとしても、相互インダクタンスの影響が大
きく高調波電流抑制効果が劣るものであった。
【0006】本発明は、上記課題を解決するもので、従
来より安価で小型、軽量の高調波電流抑制パッシブフィ
ルタに適した複合形リアクタとその製造方法と電源装置
を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明の第1手段は、電磁鋼板を積層し第1のコイル
を挿着した第1の鉄心部と、電磁鋼板を積層し第2のコ
イルを挿着した第2の鉄心部と、電磁鋼板を積層し前記
第1・第2の鉄心部にそれぞれ所定のコアギャップを介
して不飽和閉磁路を形成するための橋絡鉄心部を有し、
前記第1のコイルと第2のコイルによる各磁束が商用電
源の毎サイクル中の少なくとも一部の期間互いに相殺方
向に流れる第3の鉄心部を具備し、この第3の鉄心部を
前記所定のコアギャップより小間隙の微小コアギャップ
を介して前記橋絡鉄心部間に前記第3の鉄心部を配設
し、これら第1,第2,第3の鉄心部と橋絡鉄心部とを
固定手段により一体に固定したものである。
【0008】また、本発明の第3手段は、第1手段にお
いて、少なくとも第1,第2,第3の鉄心部の端面がそ
れぞれ橋絡鉄心部の両端面内に収まるような鉄心部寸
法,突き合せ位置としたものである。
【0009】また、本発明の第4手段は、第1の手段に
おいて、第3の鉄心部の断面積を第1の鉄心部および第
2の鉄心部の断面積の和の5%以上にしたものである。
【0010】また、本発明の第5手段は、第1手段にお
いて、第3の鉄心部と橋絡鉄心部との間の微小コアギャ
ップ寸法を第1の鉄心部と橋絡鉄心部との間の所定コア
ギャップ寸法の40%以下、かつ第2の鉄心部と橋絡鉄
心部との間の所定コアギャップ寸法の40%以下とした
ものである。
【0011】また、本発明の第6手段は、第1手段にお
いて、各鉄心部により形成された不飽和磁気回路が、2
つのコイルが上下に位置するように見て略日の字状、略
目の字状、略田の字状のいずれかの形態となるように一
体に固定したものである。
【0012】また、本発明の製造方法は、第1のコイル
を挿着した電磁鋼板を積層してなる第1の鉄心部と、第
2のコイルを挿着した電磁鋼板を積層してなる第2の鉄
心部と、前記第1・第2の鉄心部にそれぞれ所定のコア
ギャップを介して不飽和磁路を形成するための電磁鋼板
を積層してなる橋絡鉄心部を有し、前記第1のコイルと
第2のコイルによる各磁束が商用電源の毎サイクル中の
少なくとも一部の期間互いに相殺方向に流れる第3の鉄
心部を具備し、前記所定のコアギャップより小間隙の微
小コアギャップを介して前記橋絡鉄心部間に前記第3の
鉄心部を配設することによって略日の字状、目の字状ま
たは田の字状の磁路を形成し、インダクタンス値などの
リアクタ特性を測定しながら橋絡鉄心部を押圧してコア
ギャップ寸法であるギャップスペーサの厚さを調節し、
所要の特性が得られた時の押圧力を維持したままで橋絡
鉄心部を固定手段で固定して複合リアクタを製造するも
のである。
【0013】また、本発明の電源装置は、第1手段の複
合形リアクタを用いて単相交流を整流して直流電源を形
成する電源装置であって、全波整流用ダイオードブリッ
ジと平滑用コンデンサの間にリアクタの第1のコイルと
ダイオードの直列回路と、リアクタの第2のコイルとコ
ンデンサの直列回路とを並列接続して使用するものであ
る。
【0014】また、本発明の他の電源装置は、第1手段
の複合形リアクタを用いて単相交流を整流して直流電源
を形成する電源装置であって、全波整流用ダイオードブ
リッジの後段で、リアクタの第1のコイルとダイオード
の平滑用コンデンサを含む直列回路と、リアクタの第2
のコイルとコンデンサの直列回路とを並列に接続して使
用するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の第1手段は、第3の鉄心
部を共有させた2個の口の字状の不飽和磁路が形成で
き、一体化した2個のインダクタンスを得ることができ
るため従来の独立した2個のリアクタをパッシブフィル
タに使用する場合に比しリアクタの組立工数を大巾に減
らすことができ、また機器にリアクタを搭載する場合の
取付け工数を約半分に減らすことができる作用を有す
る。
【0016】本発明の第2手段は、第1,第2,第3の
各鉄心部の磁路断面の巾寸法と奥行き寸法のうち小さい
方の寸法を積層厚とすることによって鉄心の積層枚数が
減るので各鉄心部の製作工数を低減できる作用を有す
る。
【0017】本発明の第3手段は、第1,第2,第3の
各鉄心部の端面が橋絡鉄心部の端面より外にはみ出して
組立てられることがなくなるのでこれにより、第1,第
2,第3の鉄心部からの漏れ磁束がミニマム化されて一
定に保たれることとなり、組立て時の鉄心ずれによるリ
アクタ特性のばらつきを抑えることができる作用を有す
る。
【0018】本発明の第4手段は、前記第1手段におい
て、2つのインダクタンスを構成する2つの磁気回路の
共通磁路である第3の鉄心部の磁路断面積を通常、第1
の鉄心部および第2の鉄心部の断面積の和の100%必
要なところ、5%以上確保すれば所定のリアクタ特性を
得ることができ、鉄心使用量の大巾な低減・小型・軽量
化ができる作用を有する。
【0019】本発明の第5手段は、第3の鉄心部と橋絡
鉄心部との間の微小コアギャップ寸法を、他の鉄心部と
橋絡鉄心部との間のコアギャップに比し小さく設定する
ことにより、2つのインダクタンス間の相互影響を実用
上問題とならない程度にまで小さく抑えることができる
作用を有する。
【0020】本発明の第6手段は、第1手段における磁
路構成を実際に具現化するものであり、それぞれ磁路形
態に応じてその組立方法、作業性、占有面積などを改善
できる作用を有する。
【0021】本発明の製造方法は、厚さ方向に弾力性を
有する安価な材料のコアギャップスペーサを使って、所
定のリアクタ特性を与えるコアギャップ寸法を容易に調
整することができる作用を有する。
【0022】本発明の電源装置は高調波抑制回路を形成
する2個のそれぞれのコイルにLc共振電流が流れて、
電源の1サイクルのうち一定の導通期間ごとに互いに逆
位相の電流が流れることになる。これにより、第3の鉄
心部には商用電源の毎サイクル中の少なくとも一部の期
間、互いに相殺方向の磁束が合流し、実際には互いに相
殺し合ったわずかな合成磁束しか流れないことになる。
したがって第3の鉄心はこの合成磁束を流すに必要なだ
けの磁路を形成すればよいことになり、本来、第1の鉄
心部に流れる磁束と第2の鉄心部に流れる磁束とが合流
するため第1の鉄心部と第2の鉄心部の断面積を合計し
た断面積が必要なところ、その1/2以下の断面積で済
ませることができるものである。
【0023】以下、本発明の実施の形態につき、図1な
いし図28に沿って説明する。 (実施の形態1)本実施の形態1について図1ないし図
4を参照しながら説明する。
【0024】図1において、短柵型の電磁鋼板を積層し
て溶接、突き出し圧接、接着等の手段でブロック化され
た第1の鉄心部1はコイル2に挿設されている。これと
同様に第2の鉄心部3とコイル4も組合わされる。第3
の鉄心部5は短柵型の電磁鋼板を積層してブロック化さ
れている。このように構成されたものを第1の鉄心部
1,第3の鉄心部5,第2の鉄心部3の順に並べて配置
し、厚さ方向に弾力性を有する絶縁シートよりなるギャ
ップスペーサ6,7を介して、台形状の電磁鋼板を積層
してなる2個の橋絡鉄心部8を突き合せて日の字を横に
した形状の磁路を形成して組立てる。第1のコイル2,
第2のコイル4はそれぞれ独立したインダクタンスとし
て使われ、各コイル2,4によって発生した磁束は、各
鉄心部の突合せ部のギャップスペーサ6,7の厚さで確
保されるコアギャップを介して日の字状の磁路を流れ、
2つのリアクタとして機能を供する。第3の鉄心部5と
橋絡鉄心部8の間のコアギャップは要求されるリアクタ
特性に応じて無しにする場合もある。
【0025】日の字状の磁路を形成する5個の鉄心部
1,3,5,8のうち外側に位置する2個の鉄心部を互
いに固定金具10で溶接し固定された後、他の機器へ取
付けるための取付板9が橋絡鉄心部8に溶接、固定され
る。その後、リアクタ全体としてワニス含浸処理を施さ
れている。
【0026】また、第1のコイル2,第2のコイル4は
図2及び図3に示すような高調波電流抑制回路を有する
直流電源装置(例えばインバータエアコン用)における
それぞれ、交流用インダクタンスLc,直流用インダク
タンスLdとしてそれぞれ接続し、機能させる。図2お
よび図3は、高調波電流抑制回路を施した電源回路とし
て一般的によく知られており、図2の回路を例にその高
調波電流抑制の作用を概略説明する。すなわち、Lc,
1の直列共振回路により電源電圧の低い立上り時期か
ら電源の約2倍の周波数の共振電流を流すことにより前
半部分での電流導通角を拡大させ、一方、Ld,Dの直
列回路により位相の遅れた電流を流すことにより後半部
分の導通角の拡大に寄与させる。これによりこれら2つ
の電流ic,idを合成した電源装置の入力電流Iは電
流導通角の広いなめらかな、すなわち高調波電流を少し
しか含まない電流波形を合成することができるものであ
る。参考のためその電流波形例を図4に示す。
【0027】2つのインダクタンスLc,Ldが従来の
ようにそれぞれ独立した2個のリアクタで構成されてい
る場合は問題ないが、本発明のように1個のリアクタに
2個のインダクタンスを一体化して構成させる場合は、
いかに2つのインダクタンス間の結合を小さくできるか
が肝要である。
【0028】図5に第1のコイル2に流れる電流icに
よって生ずる磁束のφA,φBの流れを示す。すなわ
ち、φAは第1の鉄心部1,橋絡鉄心部8,第3の鉄心
部5,橋絡鉄心部8の閉回路を流れる磁束を示し、φB
は鉄心部1,鉄心部8,鉄心部3、鉄心部8の閉回路を
流れる磁束を示している。そして、2つのインダクタン
ス間の相互結合を小さくするためには、このφBをなく
するかミニマム化しなければならない。本発明ではこれ
を実現するため第1の鉄心部1,第2の鉄心部3,第3
の鉄心部5のコアギャップ寸法を以下のように設定して
いる。すなわち、インダクタンスLcのインダクタンス
特性を得るのに必要なコアギャップ寸法の大半を第1の
鉄心部1と2個の橋絡鉄心部8との間に形成し(本実施
例では1.5mm)、共通磁脚である第3の鉄心部5と
橋絡鉄心8との間のコアギャップをほとんどなくするよ
うにした(0〜0.35mm)。さらにインダクタンス
Ldのインダクタンス特性を得るのに必要なコアギャッ
プ寸法の大半を第2の鉄心部3と2個の橋絡鉄心部8と
の間に形成(本実施例では1.5mm)してある。
【0029】これにより、磁束φBが流れる第2の鉄心
部3を含む磁路の磁気抵抗が、共通磁脚である第3の鉄
心部5を含む磁路の磁気抵抗に比し桁違いに大きくなる
ので実際にはφBは殆ど流れないことになる。すなわ
ち、第1のコイル2で生じた磁束は共通磁脚である第3
の鉄心部5を経由する閉回路にそのほとんどがφAとし
て流れ、他方のインダクタンスLdを構成する第2のコ
イル4と鎖交する磁束は実用上無視できる程度の微少分
しか流れなくなる。
【0030】反対に第2のコイル4の電流で発生する磁
束の流れについても今までの説明と同じく、第2のコイ
ル4による磁束の大半が共通磁脚である第3の鉄心部5
を経由して流れ、第3の鉄心部5を越えて第1のコイル
2と鎖交する磁束はほとんど無くなる。
【0031】このようにして2つのインダクタンスが同
時に機能しても磁気的な相互影響がほとんど無いか、若
しくは実用上無視できる一体型のリアクタを実現でき
た。参考までに、図6に第3の鉄心部5のコアギャップ
を他の第1の鉄心部1,第2の鉄心部3の場合に比しど
の程度の相対値にしたらどの程度の高調波電流抑制効果
になるかの傾向を高調波電流抑制値の第3高調波を例に
して示した。なお、本発明の複合形リアクタの各コイル
に流れる電流の波形は、2つの独立したリアクタを使用
する場合とほぼ同じ電流波形(図4)である。
【0032】なお、従来の独立した2個のリアクタで構
成する場合、リアクタの電磁設計としてはそれぞれ交流
用リアクタでは電流Icの積分値の合計S1+S2に比例
する磁束が流れるのでこれに応じた磁路断面が必要であ
り、一方直流用リアクタでは電流Idの積分値S3に比
例する磁束が流れるのでこれに応じた磁路断面が必要と
なる。
【0033】これに対し、本発明の実施の形態のよう
に、共通磁脚である第3の鉄心部5を介して磁気的にほ
ぼ独立した2つの磁気回路を併設する場合、図4に示す
電流IcとIdがそれぞれ第1のコイル2,第2のコイ
ル4に流れると、第3の鉄心部5にはそれぞれicとi
dに相応する磁束が合流することになる。すなわち、i
cとidの合成電流Iに相応する合成磁束が第3の鉄心
部5に流れる。図4から明らかなようにIcとIdとの
互いに逆位相であるS2部分とS3部分が打消し合った結
果、合成電流Iの積分値S4は従来の独立した2個のリ
アクタを使用する場合の電流の総和S1+S2+S3に比
し大巾に減少される。
【0034】以上のことから判るように、従来の2つの
独立したリアクタで構成していたものを、本発明のよう
に一体化して構成した場合、本来この第3の鉄心部5の
磁路断面積はそれぞれの積分値S1+S2+S3に相応す
る値が必要となるはずであるところ、積分値S4に相応
する磁路断面積で済むことになる。このS4のS1+S2
+S3に対する比率は、高調波電流抑制の目標設定値に
応じて回路定数・リアクタ特性を調整することにより変
わってくるが本実施例では約2分の1である。したがっ
て第3の鉄心部5の磁路断面を従来例に比し約2分の1
に減らすことができ、鉄心量を大巾に減らすことができ
るので、リアクタの小形、軽量、低コスト化を図ること
ができる。参考として、図7に第3の鉄心部5の断面積
を第1の鉄心部1と第2の鉄心部2の断面積を合計した
値に比しどの程度の相対値にしたら、どの程度の高調波
電流抑制効果になるかの傾向を高調波電流抑制値の第3
高調波を例にして示した。
【0035】なお、第3の鉄心部5の鉄心材料として方
向性けい素鋼板などの透磁性のより透れた電磁鋼板を使
用したり板厚をうすくなどして、高調波電流に対しても
必要な透磁率を維持することによって、第3の鉄心部5
の磁路断面をさらに減らすことも可能である。
【0036】また、鉄心部1,3,5や橋絡鉄心部8に
使う電磁鋼板は単純な形状の短柵型や台形型にできるの
で高価な打抜き型も不要となりシャーリング等で容易に
製作でき、従来のEI型などの鉄心形状の場合に比し電
磁鋼板のサイズも自由に設定することができる。これに
よりコイルを収容する鉄心部1,3,5,8の寸法も必
要最小寸法に設計することが機種ごとに可能となるので
鉄心部1,3,5,8の材料使用量を減らすことができ
る。
【0037】さらに図1に示すように2個の橋絡鉄心部
8については、磁束の流れからみて有効でない隅の部分
をカットした形状として、橋絡鉄心部8に使う電磁鋼板
11の材料使用量を低減しているとともに、リアクタ重
量の軽量化となる。また、台形状の電磁鋼板11の角度
は図8に示すように、実用特性面より60°から80°
の範囲で選定され、この電磁鋼板11を材料ロスなく製
作する場合の例を示している。
【0038】また、図9に示すように鉄心1,3,5の
磁路断面の巾寸法Aの方が奥行き寸法B(積層厚)より
大なる場合は奥行き寸法Bがそれぞれ鉄心部1,3,5
の積層厚となるようにした方が積層枚数が少なくて済む
ので鉄心1,3,5に使う電磁鋼板の打抜き加工費の低
減に有利である。なお、図10は、寸法A,Bが図9と
は逆の寸法A(積層厚)<寸法Bの場合を示す。
【0039】また、コアギャップを確保するために必要
なコアギャップスペーサ6,7として絶縁シートを採用
して、コアギャップ寸法確保と絶縁の機能を兼ねさせる
ことにより、部材の節約ができる。
【0040】さらに、第1の鉄心部1と第2の鉄心部3
は、それぞれ絶縁シートを兼ねたコアギャップスペーサ
6,7によって2個の橋絡鉄心部8すなわちアースから
完全に分離絶縁される。したがってコイル2,4の鉄心
部1,3に対する絶縁は何ら必要でない構成が実現でき
る。これにより絶縁材料の低減、絶縁構成の簡略化によ
る組立工数の低減がはかれる。さらには前述のようにそ
れぞれコイル2,4と鉄心部1,3の間の絶縁が要らな
いのでコイル2,4とそれぞれ鉄心部1,3との間の絶
縁距離を取る必要がなくなって巻線の内径寸法を最小に
できることにより電線使用量の大巾低減がはかれる。ま
た、鉄心部にコイルを直接巻回することも可能となり、
巻芯治具の不要化、巻回後のコイルと巻芯治具との分離
作業の不要化による製作工数の低減なども図れる。
【0041】さらに、矩形断面をなす第1の鉄心部1ま
たは第2の鉄心部3の外周に図11のようにコの字状の
コイル保護部材12を取付けて、その上からコイル2ま
たはコイル4を直接、巻回するようにすれば、鉄心コー
ナ部13で巻回時のコイル傷を防止する構造として有用
である。
【0042】また、図12に示すように、鉄心部1,3
の鉄心コーナ部13にR加工を施してこの上から直接コ
イル2またはコイル4を巻回することも何らコイル保護
部材を使用せずに済む構造として有用である。
【0043】また、図13(A)(B),図14(A)
(B)に示すように、鉄心部1または3の側端部に、端
面にRを有するコイル保護部材14をそれぞれ設置し、
その上からコイル2または4を直接巻回する構造も鉄心
コーナ部13で巻回によるコイル傷が発生するのを防止
するものとして有用である。
【0044】また、リアクタの特性上の制限より、コア
ギャップを確保するギャップスペーサ6,7の厚さ寸法
にはかなりの精度が必要とされる。厚さ方向に弾力性の
ない材料でこの寸法精度を実現しようとすると非常に高
いコストがかかる。これに対し、本実施例ではガラス不
織布、ポリエステル不織布、カレンダー加工なしのアラ
ミッド紙などのような厚さ方向に弾力性を有する安価な
材料をギャップスペーサ6,7として用い、2つの橋絡
鉄心部8の上下から押圧してコアギャップ部を押圧する
と、押圧力に応じて弾力性を有するコアギャップスペー
サ6,7の厚さ、すなわちコアギャップ寸法が変化す
る。この際、同時にコイル2,4に測定器を接続してイ
ンダクタンス値を測定しながら押圧し、所要のインダク
タンス値に達した時点でその押圧力を維持したまま、固
定金具10を固定すれば容易に所要のインダクタンス値
を有するリアクタをつくることができる。このようにギ
ャップスペーサとして弾力性を有する安価な材料を使う
ことにより材料コストを低減することができる。
【0045】また、図15に示すように鉄心部1,3,
5の端面がそれぞれ、橋絡鉄心部8の端面内で必ず収ま
るようにそれぞれの鉄心寸法、突き合せ位置に設定する
ことにより、漏洩磁束を橋絡鉄心部8で吸収することが
でき、組立て時の鉄心相互の突き合せずれなどによるリ
アクタ特性のばらつきを抑えることができる。
【0046】また、日の字状の磁路を形成するために有
用な鉄心形状の組合せ例を図16ないし図23に示し
た。これらも、本実施例と同様の効果を有するリアクタ
構造として有用である。
【0047】(実施の形態2)さらに、本発明の複合形
リアクタの一部または全体を樹脂でモールドした場合の
例を実施の形態2として説明する(図示せず)。すなわ
ち、モールドすることにより鉄心部1,3,5,8やコ
イル2,4などを確実に固定するとともに、モールド部
に端子固定部、他の機器への取付け部などを容易に具備
させ、製造工数の少ない量産性に富む構造を得ることが
できる。特に複合形リアクタ全体をモールドしたことに
より、複合形リアクタ全体がより完全に固定されるとと
もに外部から隔離・保護されるので非常に防水性にすぐ
れ、かつ複合形リアクタから発生する騒音や振動を抑制
されたリアクタ構造を得ることができる。
【0048】(実施の形態3)さらに、本発明の複合形
リアクタの固定を鉄心のプロジェクション溶接で行った
場合を実施の形態3として図24に示す。
【0049】2個の台形状の橋絡鉄心部8が第3の鉄心
部5と突き合わされる部分で少なくとも1個所ずつのプ
ロジェクション溶接を施すことによって2個の橋絡鉄心
部8と、第3の鉄心部5とを固定する。この時、鉄心部
1,3とコイル2,4はそれぞれギャップスペーサ6,
7とともに所定の位置に設置された状態で2個の橋絡鉄
心部8の上下から押圧されて固定される。プロジェクシ
ョン溶接のために橋絡鉄心部8または第3の鉄心部5に
プロジェクション溶接用の突起15が設けられる。この
構成により、図1の固定金具10を使用することなくリ
アクタを固定できるので使用材料費の低減がはかれると
ともに、固定金具10がなくなった分だけリアクタ外形
寸法の小形化がはかれて機器内への収納性の面で有効で
ある。
【0050】なお、これにワニス含浸を施すことによっ
て各鉄心部の突き合せ部やコイル2,4などが互いに接
着固定されてリアクタ全体の固定は完全になる。
【0051】(実施の形態4)さらに、リアクタの固定
に関する実施の形態4を図25(A)(B)に図示す
る。図25(A)(B)はリアクタのほぼ中央の第3の
鉄心部5のあたりを略U字状の固定金具16で挟持さ
せ、取付板9に設けた2個所の貫通孔9Aから突き出た
固定金具16の先端を取付板の貫通孔9Aの周辺にて溶
接固定したものを示す。
【0052】こうした構造により、鉄心部1,3,5,
8やコイル2,4が固定されるだけでなく、リアクタと
取付板9との固定をも同時に行われる。
【0053】したがって、組立工数の少ない量産性に富
むリアクタ構造を得ることができる。また、図1の固定
金具10が不要となるため、その分外形寸法が小さくな
りコンパクト化に寄与するものである。
【0054】なお、この固定金具16としては必要によ
りステンレスなどの非磁性体で作ることも可能である。
【0055】(実施の形態5)さらに、鉄心の磁路形状
に関する実施の形態5を図26に示す。なお、実施の形
態1と共通する部分については図1と同じ符号に統一し
て説明する。
【0056】図26は鉄心部1,3とそれぞれコイル
2,4およびギャップスペーサ6,7で組合わされた2
組を日の字状の磁路の窓の中にそれぞれ1組ずつ収納し
て、略田の字状の磁路を形成したものを示す。ここで日
の字状の磁路は2個のC形鉄心17,18と1個のI型
鉄心19とを有する。そして、実施の形態1の場合と同
様、図2,図3で示す直流電源装置の中で2つのリアク
タとして動作させることにより、I形鉄心19が実施の
形態1の鉄心部5に相当し、本来の約2分の1の鉄心断
面積で済むものである。
【0057】この場合、鉄心の全ての突き合せ個所のコ
アギャップ寸法は固定された寸法になるので、コアギャ
ップ寸法のばらつきがなく安定したリアクタ特性を有す
るリアクタ構造を得ることができる。この構造は鉄心突
き合せ部端部で溶接で固定されるのに適しているが他の
固定手段を用いてもよい。高さ方向の寸法が大きくなる
が占有面積を小さくするのに適する。
【0058】(実施の形態6)さらに、鉄心の磁路形状
に関する実施の形態6を図27に示す。図27は、鉄心
1,3とコイル2,4及びコアギャップスペーサ6,7
でそれぞれ組合された2組を少なくとも1個の鉄心から
なる口の字状の磁路の中に並べて配して略目の字状の磁
路を形成したものを示す。ここで口の字状の磁路はL型
鉄心20,21とで成る例を示している。
【0059】この実施の形態6の場合も、実施の形態1
の場合と同様、図2,図3で示す直流電源装置のなかで
2つのリアクタとして動作させることにより、L型鉄心
20,21の磁脚部分と一部橋絡部分が実施の形態1の
鉄心5に相当し、同様に狭い磁路断面で済むものであ
る。
【0060】この場合も実施の形態5と同様、鉄心部の
全ての突き合せ個所のコアギャップ寸法が固定寸法にな
るので、コアギャップ寸法のばらつきがなく安定したリ
アクタ特性を有するリアクタ構造が得られる。この場合
もL型鉄心20とL型鉄心21の突き合せ部は、溶接で
固定するのに適しているが他の固定手段によってもよ
い。
【0061】(実施の形態7)さらに、鉄心の磁路形状
に関する実施の形態7を図28に示す。
【0062】鉄心部1,3とコイル2,4およびギャッ
プスペーサ6,7とでそれぞれ組合された2組と、2組
の間に介在させた鉄心部5とをL形鉄心部22,23よ
りなる口の字状磁路のうちに配置したものである。この
ように、口の字状磁路のうちに3つの磁脚を並列させた
磁路構成である。2個のインダクタンスの相互影響をさ
らに減らしたリアクタ構成として有用である。
【0063】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
複合型リアクタは、第1のコイルを挿着した第1の鉄心
部と、第2のコイルを挿着した第2の鉄心部と、各コイ
ルによる磁束が互いに相殺方向となる第3の鉄心部と橋
絡鉄心部との突合せ部のコアギャップ寸法の配分を調整
したことにより、2つの磁気回路の結合をミニマム化し
て2個のほぼ独立したインタクダンスが得られる一体化
の複合型リアクタを実現でき、これにより大巾な小形,
軽量,低コスト化が図れる優れた効果を奏するものであ
る。
【0064】また、積層鉄心の積層厚が鉄心寸法を選定
することにより積層枚数が少なくて済むので電磁鋼板の
打抜き加工費を低減できる。
【0065】また、3個の磁脚の端面が橋絡鉄心部より
はみ出さないような突き合せ位置と鉄心寸法にすること
により、鉄心の突き合せずれによって生ずる漏洩磁束を
吸収して、安定したリアクタ特性を得ることができる。
【0066】また、2つのインダクタンスに流れるLC
共振電流の作用で、2つの磁気回路の共通磁脚である第
3の鉄心部に合流する磁束が互いに逆位相となって打消
し合うことによりこの第3の鉄心部の磁路を従来型リア
クタで必要な磁路断面の5%にまでミニマム化でき、さ
らに複合型リアクタの小形,軽量,低コスト化が実現で
きる。
【0067】また、2つの磁気回路の共通磁脚である第
3の鉄心部と橋絡鉄心部との間の微小コアギャップ寸法
を、第1のコイル及び第2のコイルが挿設されている第
1または第2の鉄心部のコアギャップ寸法の40%以下
にすることにより2つの磁気回路の相互影響を実用上問
題ないレベルにまで抑えることができる。
【0068】また、各鉄心部により形成される磁路形状
を日の字状,目の字状,田の字状などに選択することに
より組立性,占有スペース性で有用な構成を必要に応じ
て選ぶこともできる。
【0069】さらに、本発明の複合型リアクタの製造方
法は、インダクタンス値等の特性を測定しながらコアギ
ャップ寸法であるギャップスペーサの厚さを調節し、所
要の特性が得られた時の押圧力を維持したままで各鉄心
部を固定手段で固定するようにしているので、ギャップ
スペーサとして極めて高精度の厚さ寸法を要するためき
わめて高価な材料が必要とされるところを、厚さ寸法精
度を要しない安価な材料をギャップスペーサとして使う
ことができるようになり材料のコストを低減できるとと
もに、押圧力を調整することによりインダクタンス値を
自由に設定することができる。
【0070】また、本発明の電源装置は、高調波抑制回
路に本発明の複合型リアクタを用い、高調波規制値(I
EC相当レベル)を全次数に亘って完全にクリアするこ
とができる優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の複合形リアクタの概略
正面図
【図2】同複合形リアクタが使用される電源装置の第1
回路図
【図3】同電源装置の第2回路図
【図4】同複合形リアクタに流れる電流の波形図
【図5】同複合形リアクタの第1のコイルで発生する磁
束の流れを示す不飽和閉磁路図
【図6】同複合形リアクタの各コアギャップと第3高調
波電流の関係特性図
【図7】同複合形リアクタの各鉄心断面積と第3高調波
電流の関係特性図
【図8】同複合形リアクタの鉄心に使う電磁鋼板のプレ
ス工程の切断見取図
【図9】同複合形リアクタの各鉄心部の積層方向例を示
す斜視図
【図10】同複合形リアクタの各鉄心部の他の積層方向
例を示す斜視図
【図11】同複合形リアクタの鉄心部にコイル保護部材
を配した状態を示す斜視図
【図12】同複合形リアクタの鉄心部を示す斜視図
【図13】(A)同複合形リアクタの鉄心部のコイル挿
着状態を示す斜視図 (B)(A)のコイル保護部材の拡大斜視図
【図14】(A)同複合形リアクタの鉄心部の他のコイ
ル挿着状態を示す斜視図 (B)(A)のコイル保護部材の拡大斜視図
【図15】同複合形リアクタの鉄心部の組立配置状態を
示す概念図
【図16】同複合形リアクタの鉄心部の第2例を示す概
念図
【図17】同複合形リアクタの鉄心部の第3例を示す概
念図
【図18】同複合形リアクタの鉄心部の第4例を示す概
念図
【図19】同複合形リアクタの鉄心部の第5例を示す概
念図
【図20】同複合形リアクタの鉄心部の第6例を示す概
念図
【図21】同複合形リアクタの鉄心部の第7例を示す概
念図
【図22】同複合形リアクタの鉄心部の第8例を示す概
念図
【図23】同複合形リアクタの鉄心部の第9例を示す概
念図
【図24】同実施の形態3における複合形リアクタの組
立概念図
【図25】(A)同実施の形態4の複合形リアクタの正
面図 (B)(A)の固定金具の取付状態を示す要部斜視図
【図26】同実施の形態5の複合形リアクタの鉄心部の
第10例を示す正面図
【図27】同実施の形態6の複合形リアクタの鉄心部の
第11例を示す正面図
【図28】同実施の形態7の複合形リアクタの鉄心部の
第12例を示す正面図
【図29】従来の個別のリアクタの正面図
【符号の説明】
1,3,5,8 鉄心部 2,4 コイル 6,7 ギャップスペーサ 9 取付板 9A 取付板の貫通孔 10 固定金具 11 電磁鋼板 12 コイル保護部材 13 鉄心コーナ部 14 コーナ部にRを有するコイル保護部材 15 プロジェクション溶接用突起 16 U字状の固定金具 17,18 C形鉄心 19 I形鉄心 20,21,22,23 L形鉄心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H02M 1/14 H01F 27/24 H

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁鋼板を積層し第1のコイルを挿着し
    た第1の鉄心部と、電磁鋼板を積層し第2のコイルを挿
    着した第2の鉄心部と、電磁鋼板を積層し前記第1・第
    2の鉄心部にそれぞれ所定のコアギャップを介して不飽
    和閉磁路を形成するための橋絡鉄心部を有し、前記第1
    のコイルと第2のコイルによる各磁束が商用電源の毎サ
    イクル中の少なくとも一部の期間互いに相殺方向に流れ
    る第3の鉄心部を具備し、この第3の鉄心部を前記所定
    のコアギャップより小間隙の微小コアギャップを介して
    前記橋絡鉄心部間に配設し、これら第1,第2,第3の
    鉄心部と橋絡鉄心部とを固定手段により一体に固定した
    複合形リアクタ。
  2. 【請求項2】 第1の鉄心部と橋絡鉄心部との間、およ
    び第2の鉄心部と橋絡鉄心部との間、および第3の鉄心
    部と橋絡鉄心部との間にそれぞれコアギャップを介して
    突き合せた請求項1記載の複合形リアクタ。
  3. 【請求項3】 コアギャップをギャップスペーサを介在
    させて確保した請求項1記載の複合形リアクタ。
  4. 【請求項4】 ギャップスペーサに少なくとも厚さ方向
    に弾力性を有する部材を使用した請求項3記載の複合形
    リアクタ。
  5. 【請求項5】 ギャップスペーサとして絶縁シートを使
    用した請求項3記載の複合形リアクタ。
  6. 【請求項6】 ギャップスペーサとして多孔質材料もし
    くは繊維質材料を使用した請求項3記載の複合形リアク
    タ。
  7. 【請求項7】 固定手段として少なくとも各鉄心部の突
    き合せ部をワニス含浸で固着させた請求項1記載の複合
    形リアクタ。
  8. 【請求項8】 固定手段として一部もしくは全体を樹脂
    注型または樹脂モールドした請求項1記載の複合形リア
    クタ。
  9. 【請求項9】 橋絡鉄心部を台形状とした請求項1記載
    の複合形リアクタ。
  10. 【請求項10】 第1,第2,第3の鉄心部の磁路断面
    の巾寸法または奥行き寸法のうち小さい方の寸法が積層
    厚となる方向に積層した請求項1記載の複合形リアク
    タ。
  11. 【請求項11】 少なくとも第1,第2,第3の鉄心部
    の端面がそれぞれ橋絡鉄心部の両端面内に収まるような
    鉄心部寸法,突き合せ位置とした請求項1記載の複合形
    リアクタ。
  12. 【請求項12】 第1,第2の鉄心部の鉄心コーナ部に
    コの字状のコイル保護部材を介してコイルを巻回した請
    求項1記載の複合形リアクタ。
  13. 【請求項13】 第1,第2の鉄心部の鉄心コーナ部に
    R加工を施し、これにコイルを巻回した請求項1記載の
    複合形リアクタ。
  14. 【請求項14】 それぞれ第1,第2の鉄心部の少なく
    とも一対の対辺の両側端に、鉄心コーナ部にRを有する
    コイル保護部材を取付けてコイルを巻回した請求項1記
    載の複合形リアクタ。
  15. 【請求項15】 第3の鉄心部の断面積を第1の鉄心部
    および第2の鉄心部の断面積の和の5%以上にした請求
    項1記載の複合形リアクタ。
  16. 【請求項16】 第3の鉄心部と橋絡鉄心部との間の微
    小コアギャップ寸法を第1の鉄心部と橋絡鉄心部との間
    の所定コアギャップ寸法の40%以下、かつ第2の鉄心
    部と橋絡鉄心部との間の所定コアギャップ寸法の40%
    以下とした請求項1記載の複合形リアクタ。
  17. 【請求項17】 第3の鉄心部と橋絡鉄心部2個との突
    き合せ部にプロジェクション溶接を施して固定した請求
    項1記載の複合形リアクタ。
  18. 【請求項18】 略U字状の金具により、リアクタの略
    中央部を挟持させ、一方の橋絡鉄心部の外側端面に取付
    けられた金属製取付板の貫通孔から前記略U字状金具の
    先端2個所を突き出させ、これを貫通孔周辺で取付板に
    溶接固定した請求項1記載の複合形リアクタ。
  19. 【請求項19】 各鉄心部により形成された不飽和磁気
    回路が、2つのコイルが上下に位置するように見て略日
    の字状、略目の字状、略田の字状のいずれかの形態とな
    るように一体に固定した請求項1記載の複合形リアク
    タ。
  20. 【請求項20】 第1のコイルを挿着した電磁鋼板を積
    層してなる第1の鉄心部と、第2のコイルを挿着した電
    磁鋼板を積層してなる第2の鉄心部と、前記第1・第2
    の鉄心部にそれぞれ所定のコアギャップを介して不飽和
    磁路を形成するための電磁鋼板を積層してなる橋絡鉄心
    部を有し、前記第1のコイルと第2のコイルによる各磁
    束が商用電源の毎サイクル中の少なくとも一部の期間互
    いに相殺方向に流れる第3の鉄心部を具備し、前記所定
    のコアギャップより小間隙の微小コアギャップを介して
    前記橋絡鉄心部間に前記第3の鉄心部を配設することに
    よって略日の字状,目の字状または田の字状の磁路を形
    成し、インダクタンス値などのリアクタ特性を測定しな
    がら橋絡鉄心部を押圧してコアギャップ寸法であるギャ
    ップスペーサの厚さを調節し、所要の特性が得られた時
    の押圧力を維持したままで橋絡鉄心部を固定手段で固定
    した複合形リアクタの製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項1記載の複合形リアクタを用
    い、単相交流を整流して直流電源を形成する電源装置で
    あって、全波整流用ダイオードブリッジと平滑用コンデ
    ンサの間に複合形リアクタの第1のコイルとダイオード
    の直列回路と、前記複合形リアクタの第2のコイルとコ
    ンデンサの直列回路とを並列接続した電源装置。
  22. 【請求項22】 請求項1記載の複合形リアクタを用
    い、単相交流を整流して直流電源を形成する電源装置で
    あって、全波整流用ダイオードブリッジの後段で、複合
    形リアクタの第1のコイルとダイオードの平滑用コンデ
    ンサを含む直列回路と、前記複合形リアクタの第2のコ
    イルとコンデンサの直列回路とを並列接続した電源装
    置。
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