JPH11192483A - 電解水生成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカリ水と酸性水がまざりにくく、且つ、陰
極室と陽極室の流量比を管理し易い電解水生成装置を提
供するとともに、この装置の洗浄機構を提供する。 【解決手段】給水支管から給水される水が、有隔膜電解
槽の陽極室と陰極室を逆方向に流れるようにする。給水
管路といずれか一方の排水管路間に、給水管路から給水
される水を前記一方の排水管路側に切り換える洗浄回路
切り換え機構を設け、給水管路の水が前記一方の排水管
路から一方の電極室及びその給水支管を逆流して他方の
電極室の給水支管に流れ、前記他方の電極室を通してそ
の排水管路から排水される洗浄回路が開性されるように
する。この洗浄回路に通水しながら洗浄電解をする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は水を電解してアルカ
リイオン水と酸性水に生成する電解水生成装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】給水管路から供給される水道水などの水
を有隔膜電解漕の陰極室と陽極室に独立に給水しながら
電解し、陰極室に生成されるアルカリイオン水と陽極室
に生成される酸性水を一対の排水管路から排出する有隔
膜の連続式電解水生成装置が知られている。従来、この
種の連続式電解水生成装置は陰極室と陽極室に流れる水
の方向が同方向であるため、主として以下のよう問題が
ある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】有隔膜電解槽の陰極室
と陽極室に流れる水の方向が同方向であると、各電極室
の排水口付近で水が電解隔膜を介して移行し、陰極室の
アルカリイオン水に陽極室の酸性水が混ざりやすい。

【０００４】また、電解槽の水は電極室を通る過程で水
の一部が隔膜を通し移行するので陰極室と陽極室の流量
比が給水側と排水側で違ってしまう傾向があるが、同方
向の場合は隔膜間の水移行量が多いため誤差が大きくな
り、修正が困難でなる。

【０００５】従って、本発明の第１の目的は電解槽のア
ルカリ水に酸性水がまざりにくく、且つ、陰極室と陽極
室の流量比を管理し易い電解水生成装置を提供すること
にある。

【課題を解決するための手段】

【０００６】本発明の第２の目的は、洗浄の際に、効率
の良い洗浄水回路が形成される上記電解水生成装置を提
供することにある。

【０００７】ところで、この種の電解水生成装置は、利
用側排水管路の吐水蛇口を止めて給水を閉にしても他方
の排水管路の吸引排水の慣性で電解槽の水が抜けてしま
い、滞水が保たれないという問題がある。そこで、本発
明の第３の目的は、止水の際に、電解槽の水の滞水が保
たれるようにした上記電解水生成装置を提供することに
ある。

【０００８】本発明の第４の目的は、上記電解水生成装
置の洗浄方法を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記第１の目的を達成す
るために、本発明は、原水給水管路を途中から二股の給
水支管に分岐し、各々の給水支管を有隔膜電解槽の陰極
室と陽極室に独立に配管するとともに、各電極室に各々
独立の排水管路を配管した電解水生成装置において、前
記各々の給水支管から給水される水が、前記陽極室と陰
極室を逆方向に流れるように、前記各々の給水支管同志
及び各々の排水管路同志を電解槽の逆位置に配管したこ
とを特徴とする。

【００１０】本発明の前記第２の目的は、上記の電解水
生成装置において、給水管路といずれか一方の排水管路
間に、給水管路から給水される水を前記一方の排水管路
側に切り換える洗浄回路切り換え機構を設け、洗浄流路
への切り換えにより、給水管路から給水された原水が前
記一方の排水管路から一方の電極室及びその給水支管を
逆流して他方の電極室の給水支管に流れ、前記他方の電
極室を通してその排水管路から排水されるようにするこ
とによって達成される。

【００１１】上記第３の目的は、上記の電解水生成装置
において、電解水生成装置の水回路に水流停止を検出す
る装置を設け、給水本管の水の流れが停止したときに、
水流停止検出装置の検出信号により、洗浄回路切り換え
機構を洗浄流路切り換え位置に切り換え又は保持し、も
しくは前記一方の排水管路が閉鎖されるように摺ること
によって達成される。

【００１２】上記第４の目的を達成するために、本発明
の電解水生成装置の洗浄方法は、原水給水管路を二股の
給水支管に分岐し、各々の給水支管から給水される水
が、有隔膜電解槽の陽極室と陰極室を逆方向に流れ、一
対の排水管路から排出されるようにしてアルカリ水と酸
性水に電解する電解水生成装置の洗浄方法において、給
水管路の水をいずれか一方の排水管路から供給し、前記
一方の排水管路から一方の電極室及びその給水支管を逆
流させて他方の電極室の給水支管に流し、該他方の電極
室を通してその排水管路から排水される洗浄回路を構成
し、この洗浄回路に水を通水しながら、電解槽の電極極
性を変えずに、もしくは電極極性を逆転して洗浄電解す
ることを特徴とする。

【００１３】

【発明の実施の形態】図１は本発明の基本的な実施形態
を示すもので、この電解水生成装置は、電解隔膜１で陰
極室２と陽極室３に仕切った有隔膜電解槽４と、この電
解槽４に被電解水を供給する給水管路５と、電解槽４か
らアルカリイオン水と酸性水を別々に排出する一対の排
水管路６、７を具備している。

【００１４】給水管路５は途中から二股の給水支管５
ａ、５ｂに分岐されており、一方の給水支管５ａは電解
槽４の一側から陰極室２に接続され、他方の給水支管５
ｂは電解槽４の他側から陽極室３に接続されている。す
なわち、給水支管５ａ、５ｂは電解槽４の反対側に形成
した陰極室２と陽極室３の各々の給水口に接続されてい
る。

【００１５】図の実施例では給水管路５に活性炭浄水器
などの吸着浄水部８とミクロフイルタ浄水器などの濾過
浄水部９が設けられており、給水管路５は濾過浄水部９
を介して二股の給水支管５ａ、５ｂに分岐されている。
図では吸着浄水部８と濾過浄水部９を給水管路５に位置
を離して介装しているが一体に結合してもよく、また、
共通の浄水器ケーシングに吸着浄水部８と濾過浄水部９
を内蔵させてもよい。なお、図中、符号１０で示す部材
は給水管路５を流れる水を検出して電解槽４の電解をＯ
Ｎ、ＯＦＦ制御するフロースイッチであり、符号１１で
示す部材は陰極室２に通水される水にミネラル等を添加
するための薬筒である。

【００１６】他方、陰極室２の排水口２ｂと陽極室３の
排水口３ｂは電解槽４の反対側にそれぞれ設けられてお
り、前記一対の排水管路６、７は前記給水支管５ａ、５
ｂに対応して電解槽４の反対側の排水口２ｂ、３ｂに接
続されている。

【００１７】以上の構成により、給水管路５から供給さ
れる水は二股給水支管５ａ、５ｂを通して電解槽４の陰
極室２と陽極室３を互いに逆方向（すれ違い方向）に流
れながら電解され、陰極室２で生成されたアルカリイオ
ン水は排水管路６を通して蛇口などの吐水側へ送られ、
陽極室３で生成された酸性水は排水管路７を通してドレ
ン１２へ排水される。

【００１８】このように、陰極室２と陽極室３の水の流
れを逆にした本発明の電解水生成装置は、図２のように
電極室の排水口側付近の水が電解隔膜１を通して他方の
電極室の給水口側付近に滲透する傾向がある。従って、
陰極室２の給水口付近の水に陽極室３の酸性水が滲透し
てきてもこの水は陰極室２を通過する過程で電解され、
アルカリイオン水になるのでアルカリイオン水の品質に
は影響がない。

【００１９】図３ａ、図３ｂの電解水生成装置は図１の
装置に洗浄効率のよい洗浄回路を、きわめて簡潔な構造
で形成することができるようにしたものである。すなわ
ち、給水管路５といずれかの排水管路（図では陽極室の
排水管路７）との間に、給水間路５から給水される水を
この排水間路７に切り換える洗浄回路切り換え機構１３
が設けられている。

【００２０】図３ａ、図３ｂは洗浄回路切り換え機構１
３として、給水管路５の水を排水管路７に切り換えて排
水管路７を逆流させる切り換えバルブが例示されている
が、これに限定されるものではなく、給水管路５の水を
排水管路７に切り換えて通水するとともに、排水管路７
のドレンへの通水を止める機構を有するものであればよ
い。例えば、図４のように排水管路７に開閉弁１４を設
けるとともに、この開閉弁１４の上流側と給水管路５を
三方弁１５を介して接続する構造でもよい。

【００２１】図３ａの電解水生成装置は図３ｂのように
洗浄回路切り換え装置１３を操作して給水管路を排水管
路７に切り換えると、水道水などの水が排水管路７を逆
流し、陽極室３の排水口３ｂから陽極室３、その給水支
管５ｂを逆流し、二股分岐部（図では濾過浄水部９）を
介して陰極室２の給水支管５ａへ流れ、陰極室２を通っ
て排水管路６から排水される洗浄回路が開成される。

【００２２】水道水をこの洗浄回路に通水すると二股分
岐部の下流側水回路全体が水道水で洗浄される。また、
この時に電解槽４を通る水を電解しながら洗浄すると、
電解槽４に水道水の塩素による次亜塩素酸が発生し、殺
菌性の水で前記洗浄回路が殺菌洗浄されることになる。
この場合、洗浄回路の上流側電極室（図では陽極室３）
の電極極性を陽極にして洗浄電解すると次亜塩素酸を含
む殺菌水が前記洗浄回路全体に効率よく通水される。ま
た、アルカリイオン水を生成していた陰極室２の電極が
陽極になるように電極極性を逆転して洗浄電解を行う
と、陰極室２に析出していたカルシウムなどが溶解す
る。

【００２３】図３ａ、図３ｂ及び図４のように、給水管
路５その他の電解水生成の水回路に水の流れの停止を検
出する装置１６を設け、この水流停止検出装置１６の検
出信号で洗浄回路切り換え機構１３を洗浄回路の位置に
きりかえるか、もしくは、排水管路７の開閉弁１４のみ
を閉じると、従来、通常電解の給水停止の時に生じてい
た排水管路７からの吸引慣性排水が防止される。

【００２４】

【効果】アルカリイオン水を生成する通常電解時に陰極
室と陽極室の水が逆方向にながれるので、アルカリ水の
出口付近での酸性水の混合が防止されるとともに、電解
隔膜間の水の移行が少なくなるのでアルカリイオン水と
酸性水の流量比率を管理し易くなる。

【００２５】簡単な流路切り換え機構で洗浄回路を開成
することができ、また、濾過浄水部を含む給水支管、電
解槽、排水管路を次亜塩素酸を発生させた殺菌性の水で
殺菌洗浄できるので洗浄効果が飛躍的に向上する。

【００２６】電解水生成回路の給水を止めたときに、ド
レンヘの排水管路が閉になるようにすることにより、水
回路の滞水が保持される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施例による電解水生成装置の概略
構成図

【図２】 図１の装置の水の移行を示す説明図

【図３ａ】 本発明の他の実施例による電解水生成装置
の概略構成図

【図３ｂ】 図３ａの洗浄回路切り換え図

【図４】 本発明の他の実施例による殺菌水生成装置の
概略構成図

【符号の説明】

１…電解隔膜 ２…陰極室 ３…陽極室 ４…電解槽 ５…給水管路 ５ａ、５ｂ…給水支管 ６、７…排水管路 ８…吸着浄水部 ９…濾過浄水部 １０…フロースイッチ １１…薬筒 １２…ドレン １３…洗浄回路切り換え機構 １４…開閉弁 １５…三方弁 １６…水流停止検出装置 １７…希釈給水回路 １８…貯水タンク １９、２０…開閉弁 ２１…カルシウム水溶液添加装置 ２２…流量センサ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】原水給水管路を途中から二股の給水支管に
   分岐し、各々の給水支管を有隔膜電解槽の陰極室と陽極
   室に独立に配管するとともに、各電極室に各々独立の排
   水管路を配管した電解水生成装置において、前記各々の
   給水支管から給水される水が、前記陽極室と陰極室を逆
   方向に流れるように、前記各々の給水支管及び各々の排
   水管路をそれぞれ電解槽の逆位置に配管したことを特徴
   とする電解水生成装置
2. 【請求項２】給水管路といずれか一方の排水管路間に、
   給水管路から給水される水を前記一方の排水管路側に切
   り換える洗浄回路切り換え機構を設け、洗浄流路への切
   り換えにより、給水管路から給水された原水が前記一方
   の排水管路から一方の電極室及びその給水支管を逆流し
   て他方の電極室の給水支管に流れ、前記他方の電極室を
   通してその排水管路から排水されるようにしたことをさ
   らに特徴とする請求項１記載の電解水生成装置
3. 【請求項３】電解水生成装置の水回路に水流停止を検出
   する装置を設け、給水本管の水の流れが停止したとき
   に、水流停止検出装置の検出信号により、洗浄回路切り
   換え機構を洗浄流路切り換え位置に切り換え又は保持
   し、もしくは前記一方の排水管路が閉鎖されるようにし
   たことをさらに特徴とする請求項２記載の電解水生成装
   置
4. 【請求項４】原水給水管路を二股の給水支管に分岐し、
   各々の給水支管から給水される水が、有隔膜電解槽の陽
   極室と陰極室を逆方向に流れ、一対の排水管路から排出
   されるようにしてアルカリ水と酸性水に電解する電解水
   生成装置の洗浄方法において、給水管路の水をいずれか
   一方の排水管路から供給し、前記一方の排水管路から一
   方の電極室及びその給水支管を逆流させて他方の電極室
   の給水支管に流し、該他方の電極室を通してその排水管
   路から排水される洗浄回路を構成し、この洗浄回路に水
   を通水しながら、電解槽の電極極性を変えずに、もしく
   は電極極性を逆転して洗浄電解することを特徴とする請
   求項１記載の電解水生成装置の洗浄方法