JPH11182650A - 差動制限装置におけるピニオン軸構造 - Google Patents

差動制限装置におけるピニオン軸構造

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JPH11182650A
JPH11182650A JP35522497A JP35522497A JPH11182650A JP H11182650 A JPH11182650 A JP H11182650A JP 35522497 A JP35522497 A JP 35522497A JP 35522497 A JP35522497 A JP 35522497A JP H11182650 A JPH11182650 A JP H11182650A
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cam
pinion shaft
differential
different
angles
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JP35522497A
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Katsumi Tanaka
克己 田中
Isao Hirota
功 広田
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H48/00Differential gearings
    • F16H48/20Arrangements for suppressing or influencing the differential action, e.g. locking devices
    • F16H2048/204Control of arrangements for suppressing differential actions
    • F16H2048/207Control of arrangements for suppressing differential actions using torque sensors

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 簡素な構造によって部品の共通化が実現でき
て、安定した差動制限特性が確保できる安価な差動制限
装置におけるピニオン軸構造を提供する。 【解決手段】 デフケースと回転をともにする一対のプ
レッシャリングの対向面と差動歯車のピニオン軸との間
に形成されたカム面のカム作用によって差動回転部材間
に配置された多板クラッチを軸方向の押圧力により接続
して前記差動回転部材間の差動制限を行うように構成さ
れた差動制限装置において、カム角度α、β、γを異に
する複数のカム面2α、2β、2γを形成した前記ピニ
オン軸2と、これらピニオン軸2における複数のカム面
に対応するカム角度を有する1以上のカム面6α(およ
び6β、6γ)を対向面に形成した異なった仕様の前記
一対のプレッシャリング6L、6Rおよび6L’、6
R’とを選択的に組み合わせて異なったカム角度を得る
ように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレッシャリング
の対向面とピニオン軸との間のカム作用によって差動回
転部材間に配置された多板クラッチを押圧して差動制限
を行う差動制限装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のプレッシャリングの対向面とピ
ニオン軸との間のカム作用によって差動回転部材間に配
置された多板クラッチを押圧して差動制限を行う差動制
限装置として、種々のものが提案されている。そして、
近年では、コストの低減や互換性向上のために部品の共
通化が図られるようになってきている。このようなこと
から、本件出願人に係る特開平3ー153944号公報
に記載されたものや、実公昭63ー25414号公報に
記載されたもの等が提案された。
【0003】図5は、前記本件出願人に係る特開平3ー
153944号公報に記載された第1の従来例を示すも
ので、これを簡単に説明すると、差動制限装置としての
基本的な構造は後述する本発明のものと同様であるの
で、本発明の差動制限装置の説明図である図2に対応さ
せて説明すると、デフケース1からの入力側回転駆動力
をピニオンギヤ3とサイドギヤ5L、5Rの差動歯車か
らなる差動回転部材を介して左右の出力側4L、4Rに
差動配分して伝達し、前記デフケース1と回転をともに
する一対のプレッシャリング16L(図示省略)、16
R(図5)の対向面と前記差動歯車のピニオン軸12
(図5)との間に形成されたカム面のカム作用によって
前記差動回転部材間に配置された多板クラッチ7L、7
Rを軸方向の押圧力により接続して前記差動回転部材間
の差動制限を行うように構成された差動制限装置であ
る。そして、前記プレッシャリング16R(16Lは図
示省略)のカム面は、図5(A)に示すように、2種類
の異なる角度16α、16βと16γを有し、回転入力
方向によって前記多板クラッチ7L、7Rへの押圧力を
異ならせる第1のカム部(カム角度16α、16β側)
と、回転入力方向に係わりなく、多板クラッチ7L、7
Rへの押圧力を略等しく働かせる第2のカム部(カム角
度16γ側)とよりなり、第1のカム部の多板クラッチ
7L、7Rへの押圧力が大きくなるカム面16βを隔壁
部を介して第2のカム部と隣接して設けたものである。
【0004】このように構成して、第1のカム部と第2
のカム部との間に位置する隔壁部へ加わる曲げモーメン
トを小として耐久性を向上させた上で、図5(B)
(C)に示したように、これらプレッシャリング16R
における第1のカム部と第2のカム部のいずれか一方に
ピニオン軸12を択一的に組み合わせることで、カム作
用における軸方向の異なった分力の発生を得て、部品の
共通化による異なった性能特性を有する差動制限装置を
得るように構成したものである。
【0005】図6は、前記実公昭63ー25414号公
報に記載された第2の従来例を示すもので、差動制限装
置としての基本的な構造は前述のものと同様に図2に対
応するもので、これを簡単に説明すると、図6(A)の
例では、ピニオン軸22とプレッシャリング26L、2
6Rとに少なくとも2種以上の連続した接触角22α、
22βと26α、26βを有する接触面(カム面)を形
成し、かつプレッシャリングの軸方向移動量変更手段
(スペーサ31)を前記多板クラッチ機構(7L、7R
に相当)に設けた差動制限装置である。図6(B)の例
では、前記ピニオン軸22とプレッシャリング26L、
26Rとに形成される少なくとも2種以上の連続した接
触角は、無段階状に接触角が変化する接触面22C、2
6が形成されて、かつプレッシャリングの軸方向移動量
変更手段としてスペーサ31と介して調整ボルト30が
採用されたものである。
【0006】このように構成して、プレッシャリングに
おけるデフケース21L、21Rとの間の間隔を調整す
ることによって、ピニオン軸22と対向する一対のプレ
ッシャリング26L、26Rにおけるカム部の異なった
接触角を有する接触面とを択一的に接触させて、カム作
用における軸方向の異なった分力の発生を得て、部品の
共通化による異なった性能特性を有する差動制限装置を
得るように構成したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
差動制限装置において、前者の例では、ピニオン軸12
の断面が略円形に形成されているために、ピニオン軸1
2とプレッシャリング16との間のカム作用によって大
きな軸方向の分力すなわち差動制限力が得られるところ
の回転軸に対して大きな角度をなすカム角度16γ等を
持ったカム面ではピニオン軸12との接触が線接触に近
いために面圧が高くなる虞れがあった。また、後者の例
では、構造が複雑になる他、スペーサ31の磨耗によっ
てピニオン軸22とプレッシャリング26との接触する
接触面が変更されて、安定した差動制限特性が得られな
い虞れもあった。
【0008】このため本発明では、上記従来の差動制限
装置の課題を解決して、簡素な構造によって部品の共通
化が実現できて、安定した差動制限特性が確保できる安
価な差動制限装置におけるピニオン軸構造を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、デフケ
ースからの入力側回転駆動力を差動歯車からなる差動回
転部材を介して左右の出力側に差動配分して伝達し、前
記デフケースと回転をともにする一対のプレッシャリン
グの対向面と前記差動歯車のピニオン軸との間に形成さ
れたカム面のカム作用によって前記差動回転部材間に配
置された多板クラッチを軸方向の押圧力により接続して
前記差動回転部材間の差動制限を行うように構成された
差動制限装置において、カム角度を異にする複数のカム
面を形成した前記ピニオン軸と、これらピニオン軸にお
ける複数のカム面に対応するカム角度を有する1以上の
カム面を対向面に形成した異なった仕様の前記一対のプ
レッシャリングとを選択的に組み合わせて異なったカム
角度を得るように構成したことを特徴とするものであ
る。また本発明は、前記ピニオン軸を軸心周りにその設
置位置を変更可能に構成したことを特徴とするものであ
る。また本発明は、前記カム角度を異にする複数のカム
面は、軸方向において2分割されたピニオン軸の両端部
に振り分け形成するとともに、これら両端部のカム面の
いずれか一方を前記一対のプレッシャリングと組み合わ
せるように構成したことを特徴とするものである。また
本発明は、前記カム角度を異にする複数のカム面は、異
なった仕様のピニオン軸にそれぞれ形成したことを特徴
とするもので、これらを課題解決のための手段とするも
のである。
【0010】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1および図2は、本発明の差動制限装
置におけるピニオン軸構造の第1実施の形態を示すもの
で、図1(A)はピニオン軸の側面図、図1(B)
(C)は図1(A)のA矢視図でピニオン軸とプレッシ
ャリングのカム作用を説明する図、図2は本発明の差動
制限装置の全体断面図である。図2に示すように、図示
しないエンジンからの駆動力が駆動ピニオンギヤ、リン
グギヤを介して、左右のデフケース1L、1Rからなる
デフケース1に伝達される。デフケース1に伝達された
回転駆動力は、該デフケース1の内周面に軸方向にのみ
スライド可能に装着されてデフケース1と回転をともに
する左右一対のプレッシャリング6L、6Rに伝えら
れ、さらに、これらプレッシャリング6L、6Rの対向
面と差動歯車のピニオン軸2との間に形成されたカム面
を介してピニオン軸2に伝達される。そして、回転駆動
力は前記ピニオン軸2に軸支されたピニオンギヤ3とこ
れに傘歯噛合する左右一対のサイドギヤ5L、5Rの差
動歯車からなる差動回転部材を介して左右の車軸4L、
4Rに差動配分して伝達する。前記各プレッシャリング
6L、6Rの背面と左右のデフケー1L、1Rの側壁と
の間には、それぞれデフケース1と回転をともにするク
ラッチリングと各サイドギヤ5L、5Rとそれぞれ回転
をともにするクラッチリングとを交互に配列した左右の
多板クラッチ7L、7Rが配置される。差動制限作用
は、図1(B)(C)に明示されるように、プレッシャ
リング6がピニオン軸2を駆動する駆動力(例えば矢印
Dの前進方向)によって左右のプレッシャリング6L、
6Rの対向面とピニオン軸2との間に形成されたカム面
のカム作用によって発生する軸方向のスラスト分力が、
左右のプレッシャリング6L、6Rを軸方向外側へスラ
イドさせて前記左右の多板クラッチ7L、7Rをデフケ
ース1の側壁に押し付けることで行う。
【0011】このような構成によって、通常の直進走行
時にはデフケース1からの所定の駆動力を受けてピニオ
ンギヤ3からは左右の各サイドギヤ5L、5Rに均等に
その駆動力が伝達され、車両が泥濘地等の悪路に遭遇し
て片輪空転等により過剰な差動作用が発生しようとした
場合に、高速車輪側には該車輪の路面抵抗に相当するト
ルクが伝達されるのみであるが、例えば図示しない右側
の車輪の駆動抵抗が大きい場合には、ピニオンギヤ3と
サイドギヤ5L、5Rとの間の噛合反力によって各サイ
ドギヤ5L、5Rを軸方向外側に移動させようとする
他、ピニオン軸2に対するプレッシャリング6の抵抗も
生じてプレッシャリング6も軸方向外側に移動させよう
としてサイドギヤ5L、5Rの背面と左右のデフケース
1L、1Rとの間の圧接摺接面において差動制限力が発
生して差動回転部材間の差動作用が制限されて低速車輪
側に駆動力が伝達されて、悪路での脱出性能が可能とな
るものである。
【0012】本発明では、部品の共通化による異なった
性能特性を容易に得るために、すなわち得られる差動制
限力を異にする仕様車種等に多様に対応させるために、
ピニオン軸2の端部に形成されるカム面として、図1
(B)(C)に示すように、ピニオン軸2にカム角度
(回転軸に対する角度)を異にするα、β、γの複数の
第1〜第3カム面2α、2β、2γを形成し、これらピ
ニオン軸2における複数の第1〜第3カム面2α、2
β、2γに対応するカム角度α、β、γを有する1以上
のカム面を対向面に形成した異なった仕様の一対のプレ
ッシャリング6L、6Rあるいは6L’、6R’とを選
択的に組み合わせて異なったカム角度すなわち異なった
差動制限トルクを得るように構成したことを特徴とする
ものである。図1の第1実施の形態のものでは、図1
(A)(B)(C)に示したように、ピニオン軸2の軸
端部に車両前進側(矢印Dが前進側)から、カム角度α
の第1カム面2α、カム角度γの第3カム面2γ、カム
角度βの第2カム面2βを形成し、該ピニオン軸2と組
み合わせる一対のプレッシャリング6L、6Rとして、
車両前進側にカム角度αの第1カム面6αを、車両後進
側にカム角度βの第2カム面6βを形成したものが採用
されたものと、これらの一対のプレッシャリング6L、
6Rに代えて前記ピニオン軸2と組み合わせる一対のプ
レッシャリングとして、車両前進側および車両後進側に
カム角度γの第3カム面6γを形成したプレッシャリン
グ6L’、6R’とを採用したことによって、ピニオン
軸2を共通部品としてプレッシャリング6L、6Rと6
L’、6R’とを選択的に組み合わせて異なった性能特
性を得るように構成したものである。
【0013】図1(B)の組合せの例では、ドライブD
側においてカム作用が行われる第2カム面2β、6βに
て得られるスラスト分力の方が、コースト側においてカ
ム作用が行われる第1カム面2α、6αにて得られるス
ラスト分力より大きいため、ドライブD側において大き
な差動制限力が得られるものである。図1(C)の組合
せの例では、ピニオン軸2とプレッシャリング6とは、
ドライブD側およびコースト側のいずれにおける第3カ
ム面2γ、6γも同じカム角度γを有する部分が接触す
るように組み合わされるため、ドライブ側およびコース
ト側のいずれにても得られる差動制限力が同じであるよ
うな車種に適用されることになる。したがって、本実施
の形態では、ピニオン軸2を共通部品として、これに組
み合わすべきプレッシャリング6として、前記ピニオン
軸2における複数の異なったカム角度を有するカム面に
対応する1以上のカム面を対向面に形成した異なった仕
様のもの採用することで、異なった特性の差動制限力を
発生させる仕様の差動制限装置が容易に得られることに
なる。また、本実施の形態のうちには、ピニオン軸2を
共通部品として、これに組み合わすべきプレッシャリン
グ6として異なった仕様のものを組み合わせる他、本件
出願人の先の提案である図5に示したような、異なった
複数のカム角度のカム部を有するプレッシャリング16
におけるこれらのカム部を択一的にピニオン軸2に組み
合わせることもその範囲内にある。
【0014】図3は、本発明の差動制限装置におけるピ
ニオン軸構造の第2実施の形態を示すもので、図3
(A)はピニオン軸とプレッシャリングとの第1の組合
せ例の平面図、図3(B)は同第2の組合せ例の平面図
である。本実施の形態のものも、前記第1実施の形態の
もののピニオン軸2とほぼ同じ構造のものを採用してい
るが、図1(A)に示すように、ブロック8に装着され
るピニオン軸2がその軸心周りにその設置位置を変更可
能に構成されている点で前記第1実施の形態のものとは
異なるものである。つまり、図3(A)に示されたピニ
オン軸2を、その軸心Oの周りに180°回転させた状
態のものが図3(B)に示したものである。ピニオン軸
2の各カム面の形成態様によっては、180°回転させ
ずとも、適宜の軸心周りの角度を選定することができ
る。
【0015】このように構成したことによって、図3
(A)に示すように、ピニオン軸2の軸端部に車両後進
側(矢印Dが前進側)から、カム角度αの第1カム面2
α、カム角度γの第3カム面2γ、カム角度βの第2カ
ム面2β、さらにカム角度γの第3カム面2γが形成さ
れたものと、ドライブD側とコースト側とで同じカム角
度γ(例えば45°)の第3カム面6γ、6γを有する
プレッシャリング6R(左プレッシャリング6Lは省
略)とを組み合わせることができる。そして、図3
(B)に示すように、図3(A)の状態のピニオン軸2
を、その軸心Oの周りに180°回転させることによっ
て、ドライブD側においてカム作用が行われる第2カム
面2β、6βにて得られるスラスト分力の方が、コース
ト側においてカム作用が行われる第1カム面2α、6α
にて得られるスラスト分力より大きいため、ドライブD
側において大きな差動制限力が得られる組合せとするこ
とができる。本実施の形態のように、カム角度を異にす
る複数のカム面を形成した前記ピニオン軸を、単にその
軸心周りに回転させるだけで、異なった仕様の一対のプ
レッシャリングと選択的に組み合わせることができ、こ
れによって、異なった特性の差動制限装置が容易に得ら
れる。
【0016】図4は、本発明の差動制限装置におけるピ
ニオン軸構造の第3実施の形態を示すもので、図4
(A)はピニオン軸の全体側面図、図4(B)は分割さ
れたピニオン軸単体の拡大図、図4(C)はピニオン軸
とプレッシャリングとの第1の組合せ例の平面図、図4
(D)は同第2の組合せ例の平面図である。本実施の形
態のものは、図4(A)に示すように、ピニオン軸2に
おいてカム角度を異にする複数のカム面として、軸方向
において2分割されたピニオン軸2A〜2Dの両端部に
振り分け形成したことを特徴とするものである。すなわ
ち、図4(A)に示すように、ピニオン軸2を軸方向で
ある長さ方向において2分割し、それぞれの分割ピニオ
ン軸2A〜2Dが、ブロック8に装着されて構成されて
おり、図4(B)に示すように、それぞれの分割ピニオ
ン軸、例えば分割ピニオン軸2Aの一端部にカム角度α
の第1カム面2α、2αを形成するとともに、他端部に
カム角度βの第2カム面2β、2βを形成したものであ
る。分割ピニオン軸の両端部に形成される複数のカム面
におけるカム角度は適宜な角度の組合せとすることがで
きる。
【0017】このように構成したことによって、前記各
分割ピニオン軸2A〜2Dのそれぞれをブロック8から
抜いて、その一端部と他端部とを入れ替えて装着し直す
ことにより、図4(C)の状態から図4(D)の状態
に、各分割ピニオン軸2A〜2Dにおけるカム角度を異
ならせたカム面を現出させることができる。図示の例で
は、図4(C)に示すような、ドライブ側およびコース
ト側において同じカム角度αの分割ピニオン軸2Aの第
1カム面2α、2αとプレッシャリング6L、6Rの第
1カム面6α、6αとを組み合わせたものと、これらの
組合せよりもカム角度βが大きい、したがってスラスト
分力である差動制限力の大きい図4(D)に示すよう
な、ドライブ側およびコースト側において同じカム角度
βの分割ピニオン軸2Aの第2カム面2β、2βとプレ
ッシャリング6L’、6R’の第2カム面6β、6βと
の組合せが得られる。本実施の形態のように、カム角度
を異にするカム面をそれぞれその両端部に形成した分割
ピニオン軸を、単にその両端部を入れ替えるだけで、異
なった仕様の一対のプレッシャリングと選択的に組み合
わせることができ、これによって、異なった特性の差動
制限装置が容易に得られる。
【0018】また、図示はしないが、ピニオン軸2の端
部に形成されるカム角度を異にする複数のカム面とし
て、異なった仕様のピニオン軸にそれぞれ形成するよう
にしてもよい。すなわち、前記第1実施の形態のものに
おけるピニオン軸、あるいは第3実施の形態のものにお
ける分割ピニオン軸の端部に形成される所定のカム角度
のカム面と、該所定のカム角度とは異なるカム角度のカ
ム面を有する他の仕様のピニオン軸を数種類準備してお
き、ブロック8に抜き差し自在に構成して所望のピニオ
ン軸を選択的に前記ブロック8に装着して、適宜のプレ
ッシャリング6と組み合わせることによって、所望の差
動制限力を得るようにすることも可能である。
【0019】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明の趣旨の範囲内で、差動制限装置の形式、プ
レッシャリングの形式およびカム面を設けたカム部の
数、ピニオン軸の数、ピニオン軸におけるカム面の数、
ピニオン軸およびプレッシャリングにおけるカム面のカ
ム角度、ピニオン軸とブロックとの関連構成等について
は適宜の構造のものが採用できる。
【0020】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明で
は、カム角度を異にする複数のカム面を形成した前記ピ
ニオン軸と、これらピニオン軸における複数のカム面に
対応するカム角度を有する1以上のカム面を対向面に形
成した異なった仕様の前記一対のプレッシャリングとを
選択的に組み合わせて異なったカム角度を得るように構
成したことによって、ピニオン軸を共通部品として、こ
れに組み合わすべきプレッシャリングとして異なった仕
様のもの採用することで、異なった特性の差動制限力を
発生させる仕様の差動制限装置が容易に得られることに
なった。ピニオン軸がその軸心周りにその設置位置を変
更可能に構成したものでは、カム角度を異にする複数の
カム面を形成した前記ピニオン軸を、単にその軸心周り
に回転させるだけで、異なった仕様の一対のプレッシャ
リングと選択的に組み合わせて、異なった特性の差動制
限装置が容易に得られる。
【0021】また、ピニオン軸においてカム角度を異に
する複数のカム面として、軸方向において2分割された
ピニオン軸の両端部に振り分け形成したものでは、カム
角度を異にするカム面をそれぞれその両端部に形成した
分割ピニオン軸を、単にその両端部を入れ替えるだけ
で、異なった仕様の一対のプレッシャリングと選択的に
組み合わせて、異なった特性の差動制限装置が容易に得
られる。さらに、ピニオン軸の端部に形成されるカム角
度を異にする複数のカム面として、異なった仕様のピニ
オン軸にそれぞれ形成したものでは、異なるカム角度の
カム面を有する他の仕様のピニオン軸を数種類準備して
おき、所望のピニオン軸を選択的に装着して、適宜のプ
レッシャリングと組み合わせることによって、所望の差
動制限力が容易に得られることになった。このように、
本発明によれば、簡素な構造によって部品の共通化が実
現できて、一旦組み合わされたピニオン軸とプレッシャ
リングとの間のカム面は、従来のもののようにずれてそ
の特性が変化することもなく、安定した差動制限特性が
確保でき、安価な差動制限装置におけるピニオン軸構造
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の差動制限装置におけるピニオン軸構造
の第1実施の形態を示すもので、図1(A)はピニオン
軸の側面図、図1(B)(C)は図1(A)のA矢視図
でピニオン軸とプレッシャリングのカム作用を説明する
図である。
【図2】本発明の差動制限装置の全体断面図である。
【図3】本発明の差動制限装置におけるピニオン軸構造
の第2実施の形態を示すもので、図3(A)はピニオン
軸とプレッシャリングとの第1の組合せ例の平面図、図
3(B)は同第2の組合せ例の平面図である。
【図4】本発明の差動制限装置におけるピニオン軸構造
の第3実施の形態を示すもので、図4(A)はピニオン
軸の全体側面図、図4(B)は分割されたピニオン軸単
体の拡大図、図4(C)はピニオン軸とプレッシャリン
グとの第1の組合せ例の平面図、図4(D)は同第2の
組合せ例の平面図である。
【図5】本件出願人に係る第1の従来例を示す要部の図
である。
【図6】差動制限装置の第2の従来例を示す要部の図で
ある。
【符号の説明】
1 デフケース 2 ピニオン軸 2α〜2γ 第1〜第3カム面 3 ピニオンギヤ 4 車軸 5 サイドギヤ 6 プレッシャリング 6α〜6γ 第1〜第3カム面 7 多板クラッチ 8 ブロック O ピニオン軸心

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デフケースからの入力側回転駆動力を差
    動歯車からなる差動回転部材を介して左右の出力側に差
    動配分して伝達し、前記デフケースと回転をともにする
    一対のプレッシャリングの対向面と前記差動歯車のピニ
    オン軸との間に形成されたカム面のカム作用によって前
    記差動回転部材間に配置された多板クラッチを軸方向の
    押圧力により接続して前記差動回転部材間の差動制限を
    行うように構成された差動制限装置において、カム角度
    を異にする複数のカム面を形成した前記ピニオン軸と、
    これらピニオン軸における複数のカム面に対応するカム
    角度を有する1以上のカム面を対向面に形成した異なっ
    た仕様の前記一対のプレッシャリングとを選択的に組み
    合わせて異なったカム角度を得るように構成したことを
    特徴とする差動制限装置におけるピニオン軸構造。
  2. 【請求項2】 前記ピニオン軸を軸心周りにその設置位
    置を変更可能に構成したことを特徴とする請求項1に記
    載の差動制限装置におけるピニオン軸構造。
  3. 【請求項3】 前記カム角度を異にする複数のカム面
    は、軸方向において2分割されたピニオン軸の両端部に
    振り分け形成するとともに、これら両端部のカム面のい
    ずれか一方を前記一対のプレッシャリングと組み合わせ
    るように構成したことを特徴とする差動制限装置におけ
    るピニオン軸構造。
  4. 【請求項4】 前記カム角度を異にする複数のカム面
    は、異なった仕様のピニオン軸にそれぞれ形成したこと
    を特徴とする差動制限装置におけるピニオン軸構造。
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