JP2004232718A - トロイダル無段変速機 - Google Patents

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Kazuo Oyama
和男 大山
Norikazu Kawai
則和 河合
Tsuneaki Kiyono
恒昭 清野
Hideki Toda
英樹 戸田
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Abstract

【課題】小型・コンパクトで、FF車に対応できる無段変速機を得る。
【解決手段】エンジンにより回転駆動される変速機入力シャフト1と、トロイダル変速機構CVTと、遊星歯車機構PGとを備えてトロイダル無段変速機が構成される。トロイダル変速機構の入力ディスク11,21が変速機入力シャフト1と第1入力ドライブおよびドリブンギヤ2,4を介して連結される。遊星歯車機構は、第1〜第3サンギヤS1〜S3と、第1〜第3ピニオンギヤP1〜P3と、キャリアシャフトCおよびギヤボックス30とを有する。さらに、第1サンギヤおよび第2サンギヤへの入力回転を係脱制御するIVTクラッチ40およびトルクスプリットクラッチ45)と、第3サンギヤに連結されて出力回転を取り出すカウンターシャフト35とを備える。そして、ギヤボックス30の連結ギヤ31が出力ディスク12,22と噛合する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力ディスクおよび出力ディスクの間に挟持したパワーローラを傾転制御して入力ディスクの回転を無段階に変速して出力ディスクに伝達するように構成されるトロイダル変速機構を備えたトロイダル無段変速機に関する。本発明は特に、トロイダル変速機構に遊星歯車機構を組み合わせて構成されるトロイダル無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
トロイダル変速機構は従来から知られており、無段階な滑らかな変速を行うことができるため、自動車の変速機用等として用いることが検討され、一部実用化されつつある。但し、トロイダル変速機構のみでは無段変速可能なレンジをあまり広くできないため、トロイダル変速機構に歯車伝達機構(例えば、遊星歯車機構)を用いて変速レンジを拡大して自動車の変速機用等に用いることができるようにすることも提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第3254605号
【特許文献2】特許第2778038号
【特許文献3】特許第2717659号
【特許文献4】特開平10−267106号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようにトロイダル変速機構と遊星歯車機構とを組み合わせて構成することにより変速レンジを拡大できるのであるが、変速機の内部構成が複雑化しやすく、且つ変速機が大型化しやすいという問題がある。上記特許文献1〜4に開示の無段変速機においてもトロイダル変速機構と遊星歯車機構を組み合わせた構成の無段変速機が種々提案されているが、それぞれ軸方向寸法が大きくなったり、径方向寸法が大きくなるなど、一長一短であり、できる限りコンパクトで簡易な構成の無段変速機が要望されている。
【0005】
例えば、特許文献1に開示の無段変速機の場合には、フルトロイダル型の無段変速機構を用いているがこの場合には入出力ディスクの径が大きくなって径方向寸法が大きくなりやすい。また、二組のトロイダルユニットの間に入力ドリブンギヤを挟持し、エンジンからの駆動力を受けて回転される入力ドライブギヤをこの入力ドリブンギヤと噛合させてトロイダル変速機構にエンジンからの回転駆動力を伝達するように構成されているが、入力ドリブンギヤの幅寸法だけトロイダル変速機構の軸方向寸法が大きくなるという問題がある。なお、二組のトロイダルユニットを入力ディスクが隣り合わせなるように接合して配設し、入力ディスクの外周に入力ドリブンギヤを形成すれば、軸方向寸法を縮小できる。しかしながら、この場合には入力ドリブンギヤの径が大きくなり、入力ドライブギヤの回転が減速してトロイダル変速機構に伝達されることになり、トロイダル変速機構に入力されるトルクが大きくなって、トロイダル変速機構の強度、耐久性の低下という問題が発生するおそれがある。なお、トロイダル変速機構を大型化して大きな入力トルクに対応できるようにすることは可能であるが、この場合には無段変速機が大型化するという問題がある。
【0006】
また、特許文献1に記載の無段変速機では、トロイダル変速機構と遊星歯車機構とを同軸上に並べて配設しており、径方向寸法を抑えることはできるが軸方向寸法が大きくなる。このため、フロントエンジンリアドライブ車(FR車)のように前後に長い変速機配設スペースがある車両に適しているが、フロントエンジンフロントドライブ車(FF車)のようにエンジンを横置にしてその横に変速機を配設する車両に適用するのが難しいという問題がある。
【0007】
本発明は上記のような問題に鑑みたもので、小型・コンパクトで、FF車に対応できるような構成の無段変速機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的達成のため、本発明に係る無段変速機は、駆動源からの回転駆動力を受けて回転駆動される変速機入力部材(例えば、実施形態における変速機入力シャフト1)と、トロイダル変速機構と、遊星歯車機構とを備える。トロイダル変速機構は、入力ディスクおよび出力ディスクの間にパワーローラを挟持して構成され、パワーローラを傾転制御して入力ディスクの回転を無段階に変速して出力ディスクに伝達するように構成され、入力ディスクが変速機入力部材と対応して回転するように連結されている。また、遊星歯車機構は、同一軸上に並列に且つ回転自在に配列された第1〜第3サンギヤと、第1〜第3サンギヤの周囲に位置するとともに第1〜第3サンギヤと噛合する第1〜第3ピニオンギヤと、第1〜第3サンギヤと同一軸上に回転自在に配設されるとともに第1〜第3ピニオンギヤを回転自在に支持するキャリア部材(例えば、実施形態におけるキャリアシャフトCおよびギヤボックス30)とを有して構成される。この無段変速機はさらに、変速機入力部材の回転を第1サンギヤに伝達する第1回転伝達経路中に配設された第1クラッチ(例えば、実施形態におけるIVTクラッチ40)と、変速機入力部材の回転を第2サンギヤに伝達する第2回転伝達経路中に配設された第2クラッチ(例えば、実施形態におけるトルクスプリットクラッチ45)と、第3サンギヤに連結されて出力回転を取り出す変速機出力部材(例えば、実施形態におけるカウンターシャフト35)とを備える。そして、キャリア部材が出力ディスクと対応して回転するように連結され、第1クラッチおよび第2クラッチが、遊星歯車機構と同軸上に隣接して配設される。
【0009】
上記のように無段変速機を構成することにより、トロイダル変速機構と遊星歯車機構とを第1及び第2クラッチにより係脱自在に連結してなる小型・コンパクトな構成で、従来には無い新規な構成とすることができる。
【0010】
なお、上記の構成の無段変速機において、変速機入力部材と入力ディスクとが増速機構を介して連結され、駆動源からの回転が増速機構により増速されて入力ディスクに伝達されるように構成されているのが好ましい。このように構成すれば、駆動源からの回転トルクより小さなトルクがトロイダル変速機構に入力されることになり、トロイダル変速機構の必要容量が小さくなってこれを小型・コンパクト化することができる。
【0011】
また、上記の構成の無段変速機において、変速機入力部材が駆動源の出力軸に連結された入力シャフトからなり、入力シャフトの回転中心となる第1回転中心軸と、トロイダル変速機構の回転中心となる第2回転中心軸と、遊星歯車機構の回転中心となる第3回転中心軸とが互いに所定距離をおいて平行に延びており、入力シャフト上に固定された第1入力ドライブギヤが、入力ディスクに連結されて配設されるとともに第2回転中心軸上に位置する第1ドリブンギヤと噛合して入力シャフトの回転が前記入力ディスクに伝達され、入力シャフト上に固定された第2入力ドライブギヤが、第1および第2クラッチの入力側部材に連結されるとともに第3回転中心軸上に位置する第2ドリブンギヤと噛合して入力シャフトの回転が第1および第2クラッチの入力側部材に伝達されるように構成され、第1ドライブおよびドリブンギヤと第2ドライブおよびドリブンギヤとに挟まれる軸方向間隔内に、第2回転中心軸上に位置する前記トロイダル変速機構と、第3回転軸上に位置する遊星歯車機構および第1および第2クラッチとが配設されるように構成しても良い。
【0012】
このように構成すれば、トロイダル変速機構への回転入力位置と遊星歯車機構への回転入力位置との設定の自由度を大きくでき、各機構の配置を適切化して変速機全体を小型コンパクト化することが容易となる。特に、上記のように第1ドライブおよびドリブンギヤと第2ドライブおよびドリブンギヤとに挟まれる軸方向間隔内に、第2回転中心軸上に位置する前記トロイダル変速機構と、第3回転軸上に位置する遊星歯車機構および第1および第2クラッチとが配設されるように構成すれば、変速機の軸方向寸法を短くして変速機を小型コンパクト化することができる。
【0013】
さらに、上記無段変速機において、第1クラッチを係合させて第1サンギヤを変速機入力部材に対応して回転させるようにした状態において、トロイダル変速機構を所定変速比に設定すると第3サンギヤの回転が零となり、トロイダル変速機構を所定変速比から最大変速比まで変速すると第3サンギヤが第1サンギヤと等速回転するまで前進方向に増速され、トロイダル変速機構を所定変速比から最小変速比まで変速すると第3サンギヤが後進方向に増速されるように構成し、第1クラッチを係合させてトロイダル変速機構を最大変速比まで変速した後、第1クラッチを解放させて第2クラッチを係合させ、トロイダル変速機構を最大変速比から最小変速比まで変速すると第3サンギヤが前進方向に最高速回転まで増速されるように構成するのが好ましい。
【0014】
このように構成すれば、第1クラッチを係合させた状態でトロイダル変速機構を所定変速比に設定して車両停止状態(ニュートラル状態)を作り出し、この状態からトロイダル変速機構を最小変速比に向かって変速することにより後進制御を行うことができ、逆に最大変速比に向かって変速することにより発進制御およびLOW変速制御を行うことができる。さらに、LOW変速制御を行ってトロイダル変速機構を最大変速比まで変速すると、第1サンギヤと第3サンギヤが等速回転し、第2サンギヤも等速回転するので、第1クラッチを解放して第2クラッチを係合し、トロイダル変速機構を最小変速比まで変速すると、最高速レシオまでの変速制御を行うことができる。これにより、比較的シンプルな制御により大きなトータル変速レシオ範囲での変速制御が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明を適用したトルクスプリットタイプのトロイダル無段変速機の動力伝達経路構成を図1に示し、その内部構造および軸配列構成を図2および図3に示している。この無段変速機は、トロイダル変速機構CVTと、遊星歯車機構PGと、終減速機構FDと、後輪用トランスファー機構TFを備える。この無段変速機はトーショナルダンパーTDを介して駆動源としてのエンジン(図示せず)の出力シャフトに繋がる変速機入力シャフト1を備え、変速機入力シャフト1に伝達されるエンジンの回転駆動力を変速して出力側(例えば、駆動輪)に伝達する。変速機入力シャフト1は変速機ハウジングHSGにより回転自在に支持され、エンジン側(図1および図2における右側)に第1入力ドライブギヤ2が設けられ、反対側に第2入力ドライブギヤ3が設けられている。なお、変速機入力シャフト1の回転中心軸(第1回転中心軸)を符号O1により示している。
【0016】
第1入力ドライブギヤ2はトロイダル変速機構CVTに設けられた第1入力ドリブンギヤ4と噛合し、エンジンからの出力回転が第1入力ドライブおよびドリブンギヤ2,4のギヤ比に応じて変速されてトロイダル変速機構CVTに伝達される。このトロイダル変速機構CVTの回転中心軸(第2回転中心軸)を符号O2により示している。この構成では、第1入力ドライブギヤ2の歯数が第1入力ドリブンギヤ4の歯数より大きく、エンジンの出力回転は増速されてトロイダル変速機構CVTに伝達される。
【0017】
第2入力ドライブギヤ3は遊星歯車機構PGに設けられた第2入力ドリブンギヤ5と噛合し、エンジンからの出力回転は第2入力ドライブおよびドリブンギヤ3,5のギヤ比に応じて変速されて遊星歯車機構PGにも伝達される。この遊星歯車機構PGおよび第2入力ドリブンギヤ5の回転中心軸(第3回転中心軸)を符号O3により示している。なお、第2入力ドライブギヤ3の歯数が第2入力ドリブンギヤ5の歯数より大きく、エンジンの出力回転は増速されて遊星歯車機構PGに伝達される。但し、第2入力ドリブンギヤ5と遊星歯車機構PGとの間にIVTクラッチ40とトルクスプリットクラッチ45とが第3回転中心軸O3上に位置して並列に配設されており、エンジンの出力回転はこれらクラッチ40,45により係脱制御されて伝達される。
【0018】
また、トロイダル変速機構CVTの出力ディスクギヤ12b,22bが遊星歯車機構PGを構成する連結ギヤ31と噛合している。このため、第2入力ドライブ及びドリブンギヤ3,5を介して入力されたエンジンからの回転駆動力とトロイダル変速機構CVTの出力回転駆動力とが遊星歯車機構PGにより集合されて終減速機FDに伝達される。この無段変速機はFF車用に用いられ、車両の前部にエンジンが横置きに置かれ、このエンジンの側部に変速機が結合して配設されている。このため、終減速機FDに伝達された回転駆動力は、終減速機FDから前アクスルシャフトを介して左右の前輪(図示せず)に伝達される。この回転駆動力はさらに、後輪用トランスファー機構TFを介して分割されて後輪にも伝達され、四輪駆動が行われる。なお、終減速機FDおよび後輪用トランスファー機構TFの回転中心軸(第4および第5回転中心軸)を符号O4,O5により示している。
【0019】
上記の無段変速機を構成するトロイダル変速機構CVTについてまず説明する。このトロイダル変速機構CVTは、第2回転軸O2上に並列に配設された第1および第2トロイダル変速ユニット10,20を備える。すなわち、この無段変速機構CVTはダブルキャビティ型のトロイダル変速機構から構成される。なお、第1および第2トロイダル変速ユニット10,20は同一構成であるので、対応する構成部材については下一桁および接尾符号が同一となるようにして示している。
【0020】
第1トロイダル変速ユニット10は、断面が半円状となる半ドーナッツ状の内面11aを有した第1入力ディスク11と、この内面11aに対して軸方向に対向するとともに断面が半円状となる半ドーナッツ状の内面12aを有した第1出力ディスク12と、第1入力および第1出力ディスク11,12の内面11a,12aに囲まれた第1キャビティ13内に配設され、これら内面11a,12aと当接した状態で挟持された一対の第1トラニオンアセンブリ15とから構成される。これら第1トラニオンアセンブリ15はパワーローラ15aを有して構成され、パワーローラ15aが内面11a,12aと当接した状態で挟持され、且つ第1トラニオンアセンブリ15の傾転揺動制御によりパワーローラ15aが傾転揺動される。なお、これら一対の第1トラニオンアセンブリ15は両ディスク11,12の回転軸を挟んで対向する位置、すなわち、第2回転中心軸O2を挟んで対称となる位置に配設されている。
【0021】
第1入力ディスク11および第1出力ディスク12は第2回転中心軸O2上に互いに対向して配設されており、第1入力ディスク11は第1入力ドリブンギヤ4と結合されており、これと一体回転する。一方、第1出力ディスク12は第2回転中心軸O2上に回転自在に配設され、第1出力ディスク12の外周には第1出力ディスクギヤ12bが形成されている。
【0022】
第2トロイダル変速ユニット20は、第1トロイダル変速ユニット10に対して軸方向左右対称となって構成されており、半ドーナッツ状の内面21aを有した第2入力ディスク21と、この内面21aに対して軸方向に対向するとともに半ドーナッツ状の内面22aを有した第2出力ディスク22と、これら内面21a,22aに囲まれた第2キャビティ23内に挟持された一対の第2トラニオンアセンブリ25とから構成される。これら第2トラニオンアセンブリ25はパワーローラ25aを有して構成され、パワーローラ25aが内面21a,22aと当接した状態で挟持され、且つ第2トラニオンアセンブリ25の傾転揺動制御によりパワーローラ25aが傾転揺動される。なお、これら一対の第2トラニオンアセンブリ25は両ディスク21,22の回転軸を挟んで対向する位置、すなわち、第2回転中心軸O2を挟んで対称となる位置に配設されている。
【0023】
両ディスク21,22は第2回転中心軸O2の上にこれと同軸に互いに対向して配設されており、第2入力ディスク21は連結シャフト16により第1入力ディスク11に結合されており、これと一体回転する。一方、第2出力ディスク22は連結シャフト16上に相対回転自在に配設され、且つ第1出力ディスク12と連結されて一体回転する。なお、第2出力ディスク22の外周に第1出力ディスクギヤ12bと同一歯数の第2出力ディスクギヤ22bが設けられており、第1および第2ディスクギヤ12b,22bはやま歯ギヤを構成している。
【0024】
トロイダル変速機構CVTにおける第1入力ドリブンギヤ4と反対側の端部(図1および図2の左側端部)に押圧シリンダ26が取り付けられており、この押圧シリンダ26内に第2入力ディスク21が軸方向に摺動自在に嵌入されている。すなわち、第2入力ディスク21の左端部が押圧ピストンとして機能し、押圧シリンダ26内にローディング用油圧を作用させて第2入力ディスク21を右方(第2出力ディスク22の方)に押圧する。これにより、押圧力に対応する軸方向の力で、第1入出力ディスク11,12の間に第1トラニオンアセンブリ15(パワーローラ15a)を挟持し、第2入出力ディスク21,22の間に第2トラニオンアセンブリ25(パワーローラ25a)を挟持する。
【0025】
このような構成のトロイダル変速機構CVTにおける変速作動は、第1および第2トラニオンアセンブリ15,25によりパワーローラ15a,25aを傾転揺動させて行われる。パワーローラ15a,25aを傾転揺動させると、パワーローラ15a,25aと入力ディスク11,21との接点の位置および出力ディスク12,22との接点の位置が変動する。この結果、入力ディスク11,12が回転駆動されたときにパワーローラ15a,25aを介して回転される出力ディスク21,22の回転速度がパワーローラ15a,25aの傾転揺動に応じて無段階に変化する。
【0026】
このことから分かるように、トロイダル変速機構CVTにおいて、第1および第2トラニオンアセンブリ15,25によるパワーローラ15a,25aの傾転揺動制御により無段変速制御が行われる。このようにして、入力ディスク11,21の回転(第1入力ドリブンギヤ4の回転)が無段変速されて出力ディスク12,22に伝達されるのであるが、この出力ディスク12,22の外周に形成された第1および第2出力ディスクギヤ12b,22bは遊星歯車機構PGを構成するやま歯ギヤからなる連結ギヤ31に噛合し、変速された回転駆動力がこの連結ギヤ31に伝達される。
【0027】
遊星歯車機構PGは、図1から良く分かるように、第3回転中心軸O3上に回転自在に配設されたギヤボックス30内に第1〜第3遊星歯車列G1,G2,G3を並列に配設して構成される。ギヤボックス30内にはこれと一体に結合されてキャリアシャフトCが設けられており、第1〜第3遊星歯車列G1,G2,G3は、キャリアシャフトC上に配設された第1〜第3ピニオンP1〜P3と、これら第1〜第3ピニオンP1〜P3とそれぞれ噛合するとともに第3回転中心軸O3と同軸に配設された第1〜第3サンギヤS1〜S3とから構成される。そして、第1サンギヤS1はIVTクラッチ40を介して第2入力ドリブンギヤ5と係脱自在に繋がっており、第2サンギヤS2はトルクスプリットクラッチ45を介して第2入力ドリブンギヤ5と係脱自在に繋がっている。また、第3サンギヤS3は、第3回転中心軸O3上に回転自在に配設されたカウンターシャフト35と連結されている。
【0028】
カウンターシャフト35にはパーキングギヤ51および終減速ドライブギヤ52が固設されており、終減速ドライブギヤ52は、終減速機構FDを構成する終減速ドリブンギヤ53と噛合している。この終減速ドリブンギヤ53の回転はデフ機構54により左右アクスルシャフトを介して左右の前輪(図示せず)に伝達される。終減速ドリブンギヤ53に隣接するとともにこれに一体結合されて後輪出力ドライブギヤ55が設けられており、これがトランスファー機構TFの第5回転中心軸O5上に回転自在に配設された後輪出力ドリブンギヤ56と噛合している。この後輪出力ドリブンギヤ56と一体に繋がってベベルドライブギヤ57が設けられており、これと直交する回転軸を有するベベルドリブンギヤ58が噛合し、ベベルドリブンギヤ58と一体に繋がる後輪出力用プロペラシャフト59から後輪側に回転駆動力が出力される。すなわち、本例の変速機は四輪駆動車用として構成されている。
【0029】
以上のように、本実施形態に係るトロイダル無段変速機においては、第1入力ドライブおよびドリブンギヤ2,4と第2入力ドライブおよびドリブンギヤ3,5とに挟まれる軸方向間隔内に、第2回転中心軸O2上に位置してトロイダル変速機構CVTが配設されており、同時に、第3回転軸O3上に位置して遊星歯車機構PG、IVTクラッチ40およびトルクスプリットクラッチ45が配設されている。これにより軸方向寸法を小さくして、FF車用(もしくは四輪駆動車用)の小型コンパクトな無段変速機を構成している。
【0030】
以上の構成のトロイダル無段変速機の変速作動を図4の速度線図を参照して説明する。なお、この速度線図において、S1,S2,S3,Cで示す縦線がそれぞれ第1〜第3サンギヤS1,S2,S3およびキャリアシャフトC(すなわち、ギヤボックス30)の回転速度を示し、点S10,S20,S30,C0が速度が零の位置を示し、上方に向かって前進側、下方に向かって後進側速度を示す。また、縦線Cと各縦線S1〜S3との間隔は、第1〜第3サンギヤS1〜S3の歯数ZS1,ZS2,ZS3と第1〜第3ピニオンP1〜P3の歯数ZP1,ZP2,ZP3とのそれぞれの歯数比に比例する。上記構造から分かるように、第3サンギヤS3の回転がカウンターシャフト35に伝達されて前後輪に伝達されるものであり、第3サンギヤS3の回転が出力回転速度に対応する。
【0031】
上記トロイダル無段変速機を有した車両において、運転席に設けられたシフトレバーをNもしくはPレンジ位置に設定したときには、IVTクラッチ40およびトルクスプリットクラッチ45がともにオフにされる。これにより、第2入力ドリブンギヤ5から第1および第2サンギヤS1,S2への回転駆動力伝達は遮断されてこれらサンギヤS1,S2は自由回転状態となる。一方、ギヤボックス30すなわちキャリアシャフトCはトロイダル変速機構CVTにより変速された回転駆動力を受けて回転されるが、キャリアシャフトCにより支持された第1〜第3ピニオンP1,P2,P3は第1〜第3サンギヤS1,S2,S3の回りを空転するだけで、第3サンギヤS3からカウンターシャフト35への回転駆動力伝達はなされず、ニュートラル状態となる。
【0032】
次に、停車状態からシフトレバーをDレンジ位置に設定したときにはまずIVTクラッチ40が係合される。これにより、エンジン回転が第2入力ドライブおよびドリブンギヤ3,5からIVTクラッチ40を介して第1サンギヤS1に伝達される。これにより第1サンギヤS1は、第2入力ドライブおよびドリブンギヤ3,5のギヤ比により決まるエンジン回転に対応した回転速度(点S11で示す回転速度)となる。このときにキャリアシャフトCの回転が点C2の回転となるようにトロイダル変速機構CVTの変速比を設定すると、第3サンギヤS3の回転は点S30で示す回転、すなわち、静止状態となり、車両は停止状態で保持される。
【0033】
この状態から、トロイダル変速機構CVTの変速比を最大変速比側に変化させてキャリアシャフトCの回転を点C1(トロイダル変速機構CVTの変速比が最大変速比となる点)まで減少させると、第1サンギヤS1の回転は点S11のままで第3サンギヤS3の回転(出力回転)が点S31まで上昇する変速制御となる。これにより、車両の発進制御およびLOW変速制御が行われる(これをIVTモードと称する)。なお、このようにトロイダル変速機構CVTの変速比が最大変速比となって第3サンギヤS3の回転(出力回転)が点S31まで上昇した状態では、第1〜第3サンギヤS1〜S3が等速回転する。
【0034】
この状態まで変速されると、IVTクラッチ40は解放され、トルクスプリットクラッチ45が係合されてモード切替が行われる。この結果、第2入力ドリブンギヤ5から第1サンギヤS1への回転駆動力は伝達されなくなり、代わりに第2サンギヤS2に回転駆動力が伝達され、第2サンギヤS2は、第2入力ドライブおよびドリブンギヤ3,5のギヤ比により決まるエンジン回転に対応した点S21で示す回転速度で回転される。
【0035】
この後に、トロイダル変速機構CVTの変速比を変化させてキャリアシャフトCの回転を点C1から点C3まで上昇させると、第2サンギヤS2の回転は点S21のままで第3サンギヤS3の回転(出力回転)が点S32で示す最高速度変速比(OD変速比)まで上昇する変速制御となる(これをトルクスプリットモードと称する)。
【0036】
以上のようにして、カウンターシャフト35に繋がる第3サンギヤS3の回転を点S30で示す零の状態から、点S31までIVTクラッチ40を用いたIVTモードでの無段階変速が行われ、さらに、点S31から点S32までトルクスプリットクラッチ45を用いたトルクスプリットモードでの無段階変速が行われる。このときに、IVTモードからトルクスプリットモードへのモード切替は、第1〜第3サンギヤS1〜S3が等速回転となり、キャリアシャフトCの回転が最小となるとき、すなわちトロイダル変速機構CVTが最大減速比近傍となるときに行われ、トータルとしての変速レシオレンジを大きくしている。
【0037】
なお、IVTクラッチ40を係合して、第1サンギヤS1の回転が点S11となり、キャリアシャフトCの回転が点C2の回転となるようにトロイダル変速機構CVTの変速比を設定して第3サンギヤS3の回転を点S30で示すように静止させた状態から、キャリアシャフトCの回転を点C3(トロイダル変速機構CVTが最小変速比となる点)まで上昇させると、第3サンギヤS3の回転は上記とは逆方向に点S33まで上昇するが、これによりリバース方向への無段変速制御が行われる。
【0038】
以上説明したトロイダル無段変速機においては、トロイダル変速機構CVTにより変速された回転駆動力を受けるギヤボックス30内に第1〜第3遊星歯車列G1〜G3を並列に配設し、このギヤボックス30に隣接してIVTクラッチ40およびトルクスプリットクラッチ45を同軸上に配設しているため、変速機全体の軸方向寸法を抑えて全体を小型コンパクト化することができる。また、変速機入力シャフト1の一端側に第1入力ドライブおよびドリブンギヤ2,4を配設してトロイダル変速機構CVTへの回転入力を行い、変速機入力シャフト1の他端側に第2入力ドライブおよびドリブンギヤ3,5を配設して遊星歯車機構PGへの回転入力を行うようになっているため、トロイダル変速機構CVTの軸方向位置と遊星歯車機構PGの軸方向位置との設定自由度が大きく、IVTクラッチ40およびトルクスプリットクラッチ45を遊星歯車機構PGと同軸上にコンパクトに配設することもできる。
【0039】
また、第1入力ドライブおよびドリブンギヤ2,4はエンジン回転を増速してトロイダル変速機構CVTに伝達するため、トロイダル変速機構CVTの入力トルクは小さくなり、これを小型コンパクト化することができる。
【0040】
さらに、遊星歯車機構PGにおいて、トロイダル変速機構CVTからの出力回転をギヤボックス30に伝達し、第2入力ドライブおよびドリブンギヤ2,4からの回転を第1および第2サンギヤS1,S2のいずれかに伝達し、これらをピニオンギヤP1〜P3およびキャリアシャフトCを介して第3サンギヤS3に集合させて伝達するというシンプルな伝達機構構成であり、伝達効率が高い。また、遊星歯車機構PGを構成するサンギヤおよびピニオンギヤは、前進側変速時においてモード切換時にも回転方向が反転することがなく、スムーズな変速制御となる。また、ギヤボックス30内に固定したキャリアシャフトCに第1〜第3ピニオンギヤP1〜P3を配設してリングギヤを設けない構成であるため、遊星歯車機構PGの径を小さくしてこれを小型コンパクト化することができる。
【0041】
図3に示すように、このトロイダル無段変速機においては、第1回転中心軸O1を有する変速機入力シャフト1の前やや下方に第2回転中心軸O2を有するトロイダル変速機構CVTを配設し、第3回転中心軸O3を有する遊星歯車機構PGを第1回転中心軸O1の後下方で、第2回転中心軸O2よりやや下方に配設している。さらに、第4回転中心軸O4を第3回転中心軸O3の後方に配設し、第5回転中心軸O5を第4回転中心軸O4の後下方に配設している。なお、図3において、矢印F,R,U,Dはそれぞれ、車両前方、後方、上方、下方を示している。
【0042】
上記のような軸配列構成を採用することにより、第1〜第3回転中心軸O1〜O3によりそれぞれ噛合接続されたギヤ駆動系を持つことができる三角形配置とすることができる。第2回転中心軸O2にはトロイダル変速機構CVTが位置するので、第1回転中心軸O1が第2回転中心軸O2にできるかぎり近づくようにするにはトラニオンアセンブリ15,25のパワーローラ15a,25aを傾転揺動させるための油圧制御装置17は第1回転中心軸O1と反対側すなわち前方側となり、トラニオンアセンブリ15,25は水平方向に延びて配設されるようになる。また、三角形配置となる第1〜第3回転中心軸O1〜O3の下方にオイルストレーナを有したオイル吸入口が設けられ、上方にその他の制御装置が配設される。
【0043】
上記実施形態においては、車両の前部にエンジンが横置きに置かれ、このエンジンの側部に変速機が結合して配設され、変速機出力回転駆動力が終減速機FDから前輪に伝達され、さらに後輪用トランスファー機構TFを介して後輪にも伝達されて四輪駆動が行われるように構成されている。すなわち、横置きFF車で四輪駆動構成を採用しているが、これを縦置きFF車で四輪駆動構成とした実施形態について図5を参照して説明する。但し、この実施形態に係るトロイダル無段変速機において、図1〜図4に示した実施形態に係るトロイダル無段変速機と同一構成部分については同一番号を付して重複する説明は省略する。
【0044】
図5においては左側が車両前方となり、エンジンが前後に延びて配設(縦置き配設)されており、その出力軸がトーショナルダンパーTDを介して変速機入力シャフト101に繋がる。変速機入力シャフト101は変速機ハウジングにより回転自在に片持ち支持され、先端に入力ドライブギヤ102が設けられている。この入力ドライブギヤ102はトロイダル変速機構CVTに設けられた第1入力ドリブンギヤ103と噛合し、エンジンからの出力回転が入力ドライブ101および第1入力ドリブンギヤ103のギヤ比に応じて変速(例えば、増速)されてトロイダル変速機構CVTに伝達される。
【0045】
入力ドライブギヤ101は遊星歯車機構PGに設けられた第2入力ドリブンギヤ105とも噛合し、エンジンからの出力回転は入力ドライブギヤ101および第2入力ドリブンギヤ105のギヤ比に応じて変速されて遊星歯車機構PGにも伝達される。第2入力ドリブンギヤ105と遊星歯車機構PGとの間にはIVTクラッチ40とトルクスプリットクラッチ45と並列に配設されており、エンジンの出力回転はこれらクラッチ40,45により係脱制御されて遊星歯車機構PGに伝達される。
【0046】
トロイダル変速機構CVTの出力ディスクギヤ12b,22bが遊星歯車機構PGを構成する連結ギヤ31と噛合している。なお、トロイダル変速機構CVTと、IVTクラッチ40およびトルクスプリットクラッチ45を有した遊星歯車機構PGの構成は、上述した第1の実施形態と同一であるので、同一部分に同一番号を付してその説明は省略する。
【0047】
遊星歯車機構PGからの出力回転部材である第3サンギヤS3に連結されたカウンターシャフト35には、パーキングギヤ51が固設されるとともにセンターデフ機構70が繋がっている。センターデフ機構70は、サンギヤ71,キャリア72,ピニオンギヤ73,リングギヤ74を有した遊星歯車から構成され、キャリア72がカウンターシャフト35と連結されている。サンギヤ71には後輪に回転駆動力を伝達するプロペラシャフト86が繋がり、リングギヤ74には前輪に回転駆動力を伝達する前輪側出力ドライブギヤ81が連結されている。前輪側出力ドライブギヤ81は前輪側出力ドリブンギヤ82と噛合し、前輪側出力ドリブンギヤ82は終減速ベベルピニオン83が連結され、終減速ベベルピニオン83は終減速ベベルギヤ84と噛合している。終減速ベベルギヤ84には前輪デフ機構85が設けられており、終減速ベベルギヤ84に伝達された回転駆動力は前輪デフ機構85から左右の前輪(図示せず)に伝達される。
【0048】
以上の構成から分かるように、エンジンの出力回転は、トロイダル変速機構CVT、IVTクラッチ40およびトルクスプリットクラッチ45、遊星歯車機構PGにより変速されてカウンターシャフト35に出力され、センターデフ機構70により前輪側と後輪側に伝達される四輪駆動車用として構成されている。なお、変速制御は上述した第1の実施形態の場合と同一であるので、その説明は省略する。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、変速機入力部材と、トロイダル変速機構と、遊星歯車機構とを備え、トロイダル変速機構の入力ディスクが変速機入力部材と対応して回転するように連結され、遊星歯車機構は、同一軸上に並列に且つ回転自在に配列された第1〜第3サンギヤと、これら第1〜第3サンギヤと噛合する第1〜第3ピニオンギヤと、第1〜第3ピニオンギヤを回転自在に支持するキャリア部材とを有して無段変速機が構成され、さらに、変速機入力部材の回転を第1および第2サンギヤに伝達する回転伝達経路中に配設された第1および第2クラッチと、第3サンギヤに連結されて出力回転を取り出す変速機出力部材とを備え、キャリア部材が出力ディスクと対応して回転するように連結され、第1クラッチおよび第2クラッチが、遊星歯車機構と同軸上に隣接して配設されており、このように無段変速機を構成することにより、トロイダル変速機構と遊星歯車機構とを第1及び第2クラッチにより係脱自在に連結してなる小型・コンパクトな構成で、従来には無い新規な構成とすることができる。
【0050】
なお、上記の構成の無段変速機において、変速機入力部材と入力ディスクとが増速機構を介して連結され、駆動源からの回転が増速機構により増速されて入力ディスクに伝達されるように構成されているのが好ましい。このように構成すれば、駆動源からの回転トルクより小さなトルクがトロイダル変速機構に入力されることになり、トロイダル変速機構の必要容量が小さくなってこれを小型・コンパクト化することができる。
【0051】
また、上記の構成の無段変速機において、変速機入力部材が駆動源の出力軸に連結された入力シャフトからなり、入力シャフトの第1回転中心軸と、トロイダル変速機構の第2回転中心軸と、遊星歯車機構の第3回転中心軸とが互いに所定距離をおいて平行に延びており、入力シャフトの回転を入力ディスクに伝達する第1ドライブおよびドリブンギヤと、入力シャフトの回転をトロイダル変速機構に伝達する第2ドライブおよびドリブンギヤとに挟まれる軸方向間隔内に、第2回転中心軸上に位置するトロイダル変速機構と、第3回転軸上に位置する遊星歯車機構および第1および第2クラッチとが配設されるように構成しても良い。このように構成すれば、トロイダル変速機構への回転入力位置と遊星歯車機構への回転入力位置との設定の自由度が大きくでき、各機構の配置を適切化して変速機全体を小型コンパクト化することが容易となる。特に、上記のように第1ドライブおよびドリブンギヤと第2ドライブおよびドリブンギヤとに挟まれる軸方向間隔内に、第2回転中心軸上に位置する前記トロイダル変速機構と、第3回転軸上に位置する遊星歯車機構および第1および第2クラッチとが配設されるように構成すれば、変速機の軸方向寸法を短くして変速機を小型コンパクト化することができる。
【0052】
さらに、上記無段変速機において、第1クラッチを係合させて第1サンギヤを変速機入力部材に対応して回転させるようにした状態において、トロイダル変速機構を所定変速比に設定すると第3サンギヤの回転が零となり、トロイダル変速機構を所定変速比から最大変速比まで変速すると第3サンギヤが第1サンギヤと等速回転するまで前進方向に増速され、トロイダル変速機構を所定変速比から最小変速比まで変速すると第3サンギヤが後進方向に増速されるように構成し、第1クラッチを係合させてトロイダル変速機構を最大変速比まで変速した後、第1クラッチを解放させて第2クラッチを係合させ、トロイダル変速機構を最大変速比から最小変速比まで変速すると第3サンギヤが前進方向に最高速回転まで増速されるように構成するのが好ましい。
【0053】
このように構成すれば、第1クラッチを係合させた状態でトロイダル変速機構を所定変速比に設定して車両停止状態(ニュートラル状態)を作り出し、この状態からトロイダル変速機構を最小変速比に向かって変速することにより後進制御を行うことができ、逆に最大変速比に向かって変速することにより発進制御およびLOW変速制御を行うことができる。さらに、LOW変速制御を行ってトロイダル変速機構を最大変速比まで変速すると、第1サンギヤと第3サンギヤが等速回転し、第2サンギヤも等速回転するので、第1クラッチを解放して第2クラッチを係合し、トロイダル変速機構を最小変速比まで変速すると、最高速レシオまでの変速制御を行うことができる。これにより、比較的シンプルな制御により大きなトータル変速レシオ範囲での変速制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトロイダル無段変速機の動力伝達経路構成を示すスケルトン図である。
【図2】上記トロイダル無段変速機の内部構造を示す断面図である。
【図3】上記トロイダル無段変速機の軸配置構成を示す側面概略図である。
【図4】上記トロイダル無段変速機の変速作動を説明する速度線図である。
【図5】本発明の異なる実施形態に係るトロイダル無段変速機の動力伝達経路構成を示すスケルトン図である。
【符号の説明】
1 変速機入力シャフト
2 第1入力ドライブギヤ
3 第2入力ドライブギヤ
4 第1入力ドリブンギヤ
5 第2入力ドリブンギヤ
11,21 入力ディスク
12,22 出力ディスク
15,25 トラニオンアセンブリ
15a,25a パワーローラ
30 ギヤボックス
35 カウンターシャフト
40 IVTクラッチ
45 トルクスプリットクラッチ
CVT トロイダル変速機構
PG 遊星歯車機構
S1〜S3 第1〜第3サンギヤ
P1〜P3 第1〜第3ピニオンギヤ
C キャリアシャフト

Claims (4)

  1. 駆動源からの回転駆動力を受けて回転駆動される変速機入力部材と、
    入力ディスクおよび出力ディスクの間にパワーローラを挟持して構成され、前記パワーローラを傾転制御して前記入力ディスクの回転を無段階に変速して前記出力ディスクに伝達するように構成され、前記入力ディスクが前記変速機入力部材と対応して回転するように連結されたトロイダル変速機構と、
    同一軸上に並列に且つ回転自在に配列された第1〜第3サンギヤ、前記第1〜第3サンギヤの周囲に位置するとともに前記第1〜第3サンギヤと噛合する第1〜第3ピニオンギヤと、前記第1〜第3サンギヤと同一軸上に回転自在に配設されるとともに前記第1〜第3ピニオンギヤを回転自在に支持するキャリア部材とを有して構成される遊星歯車機構と、
    前記変速機入力部材の回転を前記第1サンギヤに伝達する第1回転伝達経路中に配設された第1クラッチと、
    前記変速機入力部材の回転を前記第2サンギヤに伝達する第2回転伝達経路中に配設された第2クラッチと、
    前記第3サンギヤに連結されて出力回転を取り出す変速機出力部材とを備え、
    前記キャリア部材が前記出力ディスクと対応して回転するように連結され、
    前記第1クラッチおよび前記第2クラッチが、前記遊星歯車機構と同軸上に隣接して配設されていることを特徴とするトロイダル無段変速機。
  2. 前記変速機入力部材と前記入力ディスクとが増速機構を介して連結され、前記駆動源からの回転が前記増速機構により増速されて前記入力ディスクに伝達されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル無段変速機。
  3. 前記変速機入力部材が前記駆動源の出力軸に連結された入力シャフトからなり、前記入力シャフトの回転中心となる第1回転中心軸と、前記トロイダル変速機構の回転中心となる第2回転中心軸と、前記遊星歯車機構の回転中心となる第3回転中心軸とが互いに所定距離をおいて平行に延びており、
    前記入力シャフト上に固定された第1入力ドライブギヤが、前記入力ディスクに連結されて配設されるとともに前記第2回転中心軸上に位置する第1ドリブンギヤと噛合して前記入力シャフトの回転が前記入力ディスクに伝達され、
    前記入力シャフト上に固定された第2入力ドライブギヤが、前記第1および第2クラッチの入力側部材に連結されるとともに前記第3回転中心軸上に位置する第2ドリブンギヤと噛合して前記入力シャフトの回転が前記第1および第2クラッチの前記入力側部材に伝達されるように構成され、
    前記第1ドライブおよびドリブンギヤと前記第2ドライブおよびドリブンギヤとに挟まれる軸方向間隔内に、前記第2回転中心軸上に位置する前記トロイダル変速機構と、前記第3回転軸上に位置する前記遊星歯車機構および前記第1および第2クラッチとが配設されていることを特徴とする請求項1もしくは2に記載のトロイダル無段変速機。
  4. 前記第1クラッチを係合させて前記第1サンギヤを前記変速機入力部材に対応して回転させるようにした状態において、前記トロイダル変速機構を所定変速比に設定すると前記第3サンギヤの回転が零となり、前記トロイダル変速機構を前記所定変速比から最大変速比まで変速すると前記第3サンギヤが前記第1サンギヤと等速回転するまで前進方向に増速され、前記トロイダル変速機構を前記所定変速比から最小変速比まで変速すると前記第3サンギヤが後進方向に増速され、
    前記第1クラッチを係合させて前記トロイダル変速機構を前記最大変速比まで変速した後、前記第1クラッチを解放させて前記第2クラッチを係合させて前記第2サンギヤを前記変速機入力部材に対応して回転させる状態とし、前記トロイダル変速機構を前記最大変速比から前記最小変速比まで変速すると前記第3サンギヤが前進方向に最高速回転まで増速されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のトロイダル無段変速機。
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