JPH11173760A - セメント製造用ロ−タリ−キルンの内張り構造 - Google Patents

セメント製造用ロ−タリ−キルンの内張り構造

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JPH11173760A
JPH11173760A JP33699497A JP33699497A JPH11173760A JP H11173760 A JPH11173760 A JP H11173760A JP 33699497 A JP33699497 A JP 33699497A JP 33699497 A JP33699497 A JP 33699497A JP H11173760 A JPH11173760 A JP H11173760A
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shell
sheet
rotary kiln
lining
mgo
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Katsunori Ito
克則 伊東
Mitsuteru Takemoto
光輝 武本
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Shinagawa Refractories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セメント製造用ロ−タリ−キルンのシェルに
対する“腐食性ガスによるアタック”を低減させ、該シ
ェルの腐食を防止する「セメント製造用ロ−タリ−キル
ンの内張り構造」を提供すること。 【解決手段】 ロ−タリ−キルン10のシェル11と内張り
れんが(マグネシア-スピネル質れんが13)との間に、無
機質シ−ト(MgO質シ−ト12)を介在させたセメント製造
用ロ−タリ−キルンの内張り構造。これにより、シェル
11に対する“腐食性ガス(塩素やサルファなどの腐食性
ガス)のアタック”を低減させ、該シェル11の腐食を防
止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セメント製造用ロ
−タリ−キルンの内張り構造に関し、特に、該キルンの
シェル(鋼鉄製シェル)に対する“腐食性ガスによるアタ
ック”を低減させ、シェルの腐食を防止するセメント製
造用ロ−タリ−キルンの内張り構造に関する。
【0002】
【従来の技術】セメント製造用ロ−タリ−キルンは、直
径4〜6m,長さ50〜110mの円筒形の鋼鉄製シェ
ルからなり、その内側に耐火れんがで内張りした構造の
キルンであって、セメントクリンカ−の製造に使用され
ている。
【0003】ここで、従来のセメントクリンカ−の代表
的な製造方法を説明すると、「石灰石,粘土,けい石,
鉄原料を主原料とし、一部その他の原料を調合してロ−
タリ−キルンに供給し、一方、原料供給口の反対方向か
ら燃料(石炭,重油など)を吹き込み、このキルンを1
分間に2〜3回の速度で回転させながら、1450℃前
後で半溶融になるまで焼き締める」という方法でセメン
トクリンカ−が製造されている。
【0004】ところで、セメントクリンカ−を製造する
際、使用する原料および燃料中に含まれている“塩素や
サルファなどの腐食性ガス”が気化し、ロ−タリ−キル
ン内を循環している。
【0005】そして、上記腐食性ガスの一部が内張りれ
んが層に侵入して鉄製のシェルまで到達し、鉄と反応し
てシェルを腐食させる。また、内張りれんがの施工時
に、軸方向の目地材として、通常2〜4mm厚のボ−ル
紙が使用されているが、このボ−ル紙がキルン内温度の
上昇に伴い消失(焼失)するため、該れんが間の目地を通
って上記腐食性ガスの一部が浸入し、同じくシェルまで
到達し、鉄と反応してシェルを腐食させる。このよう
に、セメント製造用ロ−タリ−キルンにおいては、塩素
やサルファなどの腐食性ガスに起因する“シェル腐食”
が従来より問題となっていた。
【0006】近年、リサイクル資源の活用が活発に行わ
れており、セメント製造技術分野においても、各種廃棄
物をリサイクルし、資源化することが行われている。そ
して、リサイクル資源のうち、セメント成分となる資源
は“セメント原料”として、熱エネルギ−となるものは
“セメント製造用燃料”として利用されている。
【0007】例えば廃タイヤ,都市ゴミ,下水汚泥など
が使用されており、これらは、“塩素やサルファなどの
腐食性ガス”の発生源となり、そのため、従来よりもよ
り一層腐食性ガスの量が増加し、これに起因する「シェ
ルの腐食性」の問題がより一層重大視されてきている。
(なお、塩素発生源としては、都市ゴミ,下水汚泥など
であり、サルファ発生源としては、廃タイヤなどであ
る。)
【0008】上記問題点を解消する手段として、即ち、
塩素やサルファなどの腐食性ガスがシェル面と接触する
のを防止することを目的として、「シェル内面にリン酸
または無機系塗料を塗布する方法」が提案されている。
【0009】上記従来のリン酸塗布方法は、シェルの下
半周面にリン酸を塗布し、少し乾いた状態にした後反転
し、残りの上半周面を塗布する。そして、次の式(1)に
示すように、リン酸と鉄とを反応させ、FePO4膜を
形成させることにより、腐食性ガスと鉄との接触を防止
する方法である。 ・式(1)………2H3PO4+2Fe→2FePO4+3H2
【0010】一方、無機系塗料塗布方法は、被塗布面の
埃,油膜などを除去した後、刷毛またはロ−ラ−を用い
て、前記リン酸塗布方法と同様、シェルの下半周面に無
機系塗料を塗布し、少し乾いた状態にした後反転し、残
りの上半周面を塗布する。このようにして、シェルの全
周にわたって無機系塗膜を形成することにより、腐食性
ガスと鉄との接触を防止する方法である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来のリ
ン酸塗布方法では、(1) 使用するリン酸が強酸性である
ところから、塗布作業中に、このリン酸が作業者の着衣
や皮膚に付着し、損傷する危険性があること、(2) リン
酸とシェルとの反応により異臭が発生し、作業環境が悪
化すること、(3) リン酸塗布後の乾燥に1日以上を要す
ること、(4) ロ−タリ−キルンを半周単位で塗布しなけ
ればならないことから、作業効率が低いこと、の問題が
あった。
【0012】前記従来の無機系塗料塗布方法において
も、塗布後に乾燥しなければならず、また、半周単位で
塗布しなければならないことから、作業効率が低いとい
う問題があった。
【0013】さらに、前記リン酸塗布方法および無機系
塗料塗布方法では、形成された塗布膜の厚さが非常に薄
く、ロ−タリ−キルンの運転時に起きる「内張りれんが
とシェルとの熱膨張差」により、内張りれんがが滑り、
形成された薄膜(塗布膜)を摩滅ないしは削り取り、シェ
ル内面を露出させ、腐食性ガスと接触する事態が生じ
る。そのため、腐食防止効果が小さいという共通した欠
点を有している。また、シェルの温度が操業中に300
〜400℃に上昇するため、シェルと塗布膜との熱膨張
差により塗布膜が剥離するという欠点も有している。
【0014】本発明は、前記問題点,欠点を解消し、シ
ェルに対する“腐食性ガスによるアタック”を低減さ
せ、シェルの腐食を防止するセメント製造用ロ−タリ−
キルンの内張り構造を提供することを目的とする。
【0015】なお、セメント製造用ロ−タリ−キルンの
内張り構造に係るものではないが、特許第2,634,356号
公報には、塩化亜鉛法によって活性炭を製造する際や、
硫酸法によって酸化チタンを製造する際に用いられるロ
−タリ−キルンの内張り構造について記載されている。
【0016】即ち、上記公報に記載のロ−タリ−キルン
の内張り構造は、腐食性ガスの浸透防止のために、シェ
ル(鉄製缶体)の内面に有機系の不浸透性膜(テトラフル
オロエチレンフィルムまたはテトラフルオロエチレン樹
脂)をライニングするものである。しかし、これは、活
性炭,酸化チタン製造用ロ−タリ−キルンであって、操
業中のロ−タリ−キルンの炉内温度が“1000℃以
下”と低いために耐用するものであり、セメント製造用
ロ−タリ−キルンの場合には、操業中の該キルンの焼成
帯および遷移帯は、活性炭や酸化チタンの製造時の温度
に比して高温であるため(約1450℃)、上記のような
有機系の不浸透性膜の適用は不可能である。
【0017】また、上記特許第2,634,356号公報には、
内張りれんがの目地からの“腐食性ガスの浸透”を防止
するため、相互間を水硝子系の耐酸モルタルにより接着
されたれんが層を形成することについても記載されてい
るが、セメント製造用ロ−タリ−キルンの場合、このよ
うな耐酸モルタルを目地材として使用すると、モルタル
部とセメント成分とが反応して溶損し、その結果、内張
りれんが(マグネシア−クロム質れんが,マグネシア−
スピネルれんが等)の耐用を著しく低下させるので、適
用することができない。
【0018】上記特許第2,634,356号公報に記載の「ロ
−タリ−キルンの内張り構造」以外に、更に他の従来例
として、石灰,アルミナ,マグネシアの原料製造用ロ−
タリ−キルンであって、シェルの温度低減を目的とし
て、耐熱ファイバ−などのフェルトを、シェルと内張り
れんがとの間に介在させることも知られている。しか
し、このようなフェルトでは、気孔が多いため、腐食性
ガスやアルカリの浸透を防止することができず、したが
って、腐食性ガスの侵入に起因する“シェルの腐食防
止”を目的とするセメント製造用ロ−タリ−キルンで
は、その使用は無意味である。
【0019】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであって、その目的とするところは、シェル
(鋼鉄製シェル)に対する“腐食性ガスによるアタック”
を低減させ、シェルの腐食を防止するセメント製造用ロ
−タリ−キルンの内張り構造を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、内張りれんが
とシェルとの間に無機質シ−トを介在させることを特徴
とし、これにより、シェルに対する腐食性ガスのアタッ
クを軽減し、前記目的とするセメントロ−タリ−キルン
の内張り構造を提供するものである。
【0021】即ち、本発明に係るセメント製造用ロ−タ
リ−キルンの内張り構造は、・シェルと内張りれんがと
の間に無機質シ−トを介在してなること(請求項1)を特
徴(発明を特定する事項)とし、さらに、 ・前記無機質シ−トの材質が、Al2O3質,Al2O3−SiO2
(Al2O3が45wt%以上のもの),SiO2−Al2O3質(Al2O3が45
wt%未満のもの),MgO質,MgO−Cr2O3質,MgO-C質のい
ずれかであること(請求項2)、 ・前記無機質シ−トが、両面接着テ−プまたは有機系接
着剤によりシェルの内面に貼付されていること(請求項
3)、 ・前記無機質シ−トの厚さが、1〜10mmであること
(請求項4)、 を特徴とするものである。
【0022】(作用)本発明において、シェルと内張り
れんがとの間に無機質シ−トを介在させることにより、
内張りれんが層を浸透する腐食性ガスは、無機質シ−ト
と反応して二次鉱物が生成する。そして、この二次鉱物
により、シェル内面に到達する腐食性ガスを減少させ、
このガスによるシェルへのアタックを低減し、シェルを
保護することができる作用が生じる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施形態として
は、無機質原料で作製した厚さ1〜10mmの可撓性を
有する無機質シ−トをシェルの内面に貼付し、その上に
従来から使用されている内張りれんがを施工するもので
ある。
【0024】上記無機質シ−トとしては、“Al2O3,SiO
2,MgO,Cr2O3,C”の単独またはそれらを組み合わせた
原料から得られた無機質シ−トであって、Al2O3質,Al2
O3−SiO2質(Al2O3が45wt%以上のもの),SiO2−Al2O3
(Al2O3が45wt%未満のもの),MgO質,MgO−Cr2O3質,Mg
O−C質のシ−トが好ましい。
【0025】これらの無機質シ−トは、任意に製造する
ことができるが、その一例を説明すると、例えば、酢酸
ビニ−ル液に所望量の上記原料粉末(Al2O3,SiO2,Mg
O,Cr2O3,C)を加えてシ−ト状に成形した後、70℃で
乾燥させて製造することができる。(なお、上記原料
は、天然品,人工品のいずれをも用いることができ
る。)上記のように得られた無機質シ−トは、不焼成シ
−トであって可撓性を有するものであり、任意の形状に
加工,変形することが可能であるため、ロ−タリ−キル
ンの円周方向に沿った施工が容易である利点を有する。
【0026】本発明で使用する上記無機質シ−トについ
て、更に具体的に説明すると、以下の具体例に限定する
ものではないが、無機質シ−トとしては、いずれも“煉
瓦膨張吸収材,パッキン材”を主用途として市販されて
いるものであって、例えば、次のような無機質シ−トを
使用することができる。
【0027】(1) Al2O3質シ−トないしAl2O3-SiO2質シ
−ト(Al2O3が45wt%以上のもの)としては、商品名“CRX
-SA7L”の「高アルミナ質可撓性シ−ト(化学組成→Al2O
3:70wt%,SiO2:25wt%,Na2O:4wt%,Ig.loss:12w
t%)」、(2) SiO2−Al2O3質シ−ト(Al2O3が45wt%未満
のもの;SiO2質シ−トを含む)としては、商品名“CRX-S
K9”の「シリカ質可撓性シ−ト(化学組成→SiO2:95wt
%,Al2O3:2wt%,Na2O:1.5wt%,Ig.loss:12wt
%)」、(3) MgO質シ−トとしては、商品名“CRX−SM9”
の「マグネシア質可撓性シ−ト(化学組成→MgO:90wt
%,SiO2:3wt%,Na2O:2.0wt%,CaO:0.5wt%,Ig.l
oss:12wt%)」、(4) MgO−Cr2O3質シ−トとしては、商
品名“CRX−SMCR6”の「マグクロ質可撓性シ−ト(化学
組成→MgO:50wt%,Cr2O3:15wt%,Al2O3:7.5wt%,
Fe2O3:7wt%,SiO2:4wt%,Ig.loss:16wt%)」、(5)
MgO-C質シ−トとしては、商品名“CRX−SM8C”の「マ
グネシア・カ−ボン質可撓性シ−ト(化学組成→MgO:85
wt%,CaO:1.5wt%,Al2O3:0.5wt%,SiO2:3wt%,
C:5.5wt%,Ig.loss:17.5wt%)」、を使用することが
できる。
【0028】本発明で使用する無機質シ−トは、腐食性
ガス(塩素やサルファなどの腐食性ガス)と反応して二次
鉱物を生成し、この二次鉱物によりシェル内面に到達す
る腐食性ガスを減少させ、または、遮断し、このガスに
よるシェルへのアタックを低減し、シェルを保護するこ
とができる。例えば、MgO−C質のシ−トを使用した場
合、次の式(2),式(3)に示すように、MgCl2やMg
SO4の二次鉱物を形成させることにより、シェル内面
に到達する腐食性ガスを減少または遮断することができ
る。 ・式(2)………2MgO+2Cl+C→2MgCl2+CO2 ・式(3)………MgO+SO3→MgSO4
【0029】無機質シ−トをシェルの内面に貼付する手
段としては、両面接着テ−プまたは接着材を用いるのが
好ましく、これにより、従来の前記リン酸塗布方法や無
機系塗料塗布方法におけるような乾燥を必要とせず、直
ちに内張りれんがを施工することができる。
【0030】本発明において、無機質シ−トの厚さは、
1〜10mmのものを使用するのが好ましい。その厚さ
が1mm未満では、無機質シ−トが摩耗し、腐食性ガス
のアタックを防止できない場合があるので好ましくな
い。一方、10mmを超える場合は、可撓性が小さくな
って施工が困難となり、また、摩耗した時は、内張りれ
んがが弛むので好ましくない。特に好ましい厚さは、2
〜8mmである。
【0031】なお、無機質シ−トの摩耗原因としては、 ・ロ−タリ−キルンの運転時に生じる「内張りれんがと
シェルとの熱膨張差」による内張りれんがの移動、ない
しは、 ・ロ−タリ−キルンの回転に伴う内張りれんがの移動、 によるものと考えられる。
【0032】本発明において、シェルの内面に必ずしも
同一厚さの無機質シ−トを貼り付る必要はなく、腐食性
ガスのアタックの程度に応じてロ−タリ−キルンを区分
し、アタックの激しい部分には厚い無機質シ−トを、他
の部分には薄いものを貼付することもできる。また、同
一材質または異材質の無機質シ−ト2枚以上を積層し、
これをシェル内面に貼付することもでき、これも本発明
に包含されるものである。
【0033】なお、本発明において、使用する内張りれ
んがとしては、セメント製造用ロ−タリ−キルンで常用
されている内張りれんがであって、これを例示すれば、
マグネシア−スピネル質れんが,マグネシア−クロム質
れんが,ドロマイトれんがなどが挙げられる。
【0034】
【実施例】次に、本発明の実施例について、図1を参照
して説明する。なお、図1は、本発明の一実施例(実施
例1)を説明する図であって、(A)は、内張りされたセ
メント製造用ロ−タリ−キルンの横断面の概略図であ
り、(B)は、該キルンの内張り構造の展開図である。
【0035】(実施例1)5.4mφのセメント製造用
ロ−タリ−キルン10のセメントクリンカ−落口から25
mにわたる鉄製シェル11(肉厚:35mm)の内面に、厚
さ2mmのMgO質シ−ト12を、両面接着テ−プ(図示
せず)を用いて貼付し、その上にマグネシア−スピネル
質れんが13で内張りした。この際、マグネシア−スピネ
ル質れんが13の目地13aとMgO質シ−ト12の継ぎ目12
aとが重ならないように施工した。なお、MgO質シ−
ト12としては、前記した「商品名“CRX−SM9”のマグネ
シア質可撓性シ−ト(化学組成→MgO:90wt%,SiO2:3w
t%,Na2O:2.0wt%,CaO:0.5wt%,Ig.loss:12wt
%)」を使用した。
【0036】上記ロ−タリ−キルン10を320日間操業
した後、マグネシア−スピネル質れんが13を取り除き、
「MgO質シ−トの状態」および「シェル内面(表面)の
“生成物の有無”」について観察し、また、「シェルの
厚さ」を測定した。その結果、MgO質シ−ト12は、硬
く焼結し脆い状態であったが、鉄製シェル11の表面には
鉄の化合物が殆ど生成していなかった。また、このシェ
ル11の厚さは、34〜35mmで0〜1mmの減少にと
どまっていた。
【0037】比較のため、MgO質シ−ト12を貼付しな
い場合のロ−タリ−キルン(セメントクリンカ−落口か
ら35mを境に、実施例1によるMgO質シ−ト12を貼
付しない部位も、実施例1と同様にマグネシア−スピネ
ル質れんが13で内張りしたロ−タリ−キルン)について
も、実施例1と同様、320日間操業した後、マグネシ
ア−スピネル質れんが13を取り除き、「シェル内面(表
面)の“生成物の有無”」および「シェルの厚さ」を観
察した。その結果、シェルの表面に“鉄の化合物の生
成”が認められ、また、シェルの厚さは、33〜34m
mであった。
【0038】以上のように「鉄製シェル11とマグネシア
−スピネル質れんが13との間にMgO質シ−ト12を介在
させた実施例1」では、鉄製シェル11の厚さが“34〜
35mm”で0〜1mmの減少であり、「MgO質シ−
ト12を介在させない前記比較のための例」で見られる
“33〜34mm”に比べて、「シェル損傷の軽減」が
確認できた。また、実施例1では、MgO質シ−ト12と
マグネシア−スピネル質れんが13との熱伝導率がほぼ同
じであるため、シェル温度の低減にもつながった。
【0039】(実施例2)小型のキルン(3.4mφ)で
あって、このキルンの落口から40mにわたる鉄製シェ
ルの内面に、厚さ7mmのAl23−SiO2質シ−ト
を、有機系接着剤を用いて貼付し、その上にマグネシア
−スピネル質れんがを内張りした。なお、Al23−S
iO2質シ−トとしては、前記した「商品名“CRX−SA7
L”の高アルミナ質可撓性シ−ト(化学組成→Al2O3:70w
t%,SiO2:25wt%,Na2O:4wt%,Ig.loss:12wt%)」
を使用した。
【0040】上記キルンを1年半(547日)にわたり操業
した後、上記れんがを除去し、「Al23−SiO2
シ−トの状態,シェルの状態」について観察した。その
結果、Al23−SiO2質シ−トは、焼結し硬い状態
であったが、シェルの腐食は殆ど見られず、きれいな状
態を呈していた。また、Al23−SiO2質シ−トの
熱伝導率は、その上に内張りしたマグネシア−スピネル
質れんがとほぼ同じであるため、前記実施例1と同様、
「シェル温度の低減」にもつながった。
【0041】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、セメン
ト製造用ロ−タリ−キルンのシェルと内張りれんがとの
間に無機質シ−トを介在させることを特徴とし、無機質
シ−トと腐食性ガスとが反応して生成した二次鉱物によ
り、シェル内面への腐食性ガスのアタックを軽減し、シ
ェルの腐食を防止するという効果を奏する。
【0042】そして、本発明によれば、使用するシ−ト
は無機質であるため、焼失することはなく、長期間の操
業にも耐えることができ、また、無機質シ−トは、可撓
性を有しているため、貼付作業が容易であるうえ、貼付
後、直ちにれんがの内張りができるため、短時間で施工
できる効果が生じ、更に、シェル温度を低下させるとい
う効果も生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例(実施例1)を説明する図であ
って、(A)は、内張りされたセメント製造用ロ−タリ−
キルンの横断面の概略図であり、(B)は、該キルンの内
張り構造の展開図である。
【符号の説明】
10 セメント製造用ロ−タリ−キルン 11 鉄製シェル 12 MgO質シ−ト 12a 継ぎ目 13 マグネシア−スピネル質れんが 13a 目地

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント製造用ロ−タリ−キルンのシェ
    ルと内張りれんがとの間に、無機質シ−トを介在してな
    ることを特徴とするセメント製造用ロ−タリ−キルンの
    内張り構造。
  2. 【請求項2】 前記無機質シ−トの材質が、Al2O3質,A
    l2O3−SiO2質,SiO2−Al2O3質,MgO質,MgO−Cr2O3質,
    MgO−C質のいずれかであることを特徴とする請求項1に
    記載のセメント製造用ロ−タリ−キルンの内張り構造。
  3. 【請求項3】 前記無機質シ−トが、両面接着テ−プま
    たは有機系接着剤によりシェルの内面に貼付されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のセメント製
    造用ロ−タリ−キルンの内張り構造。
  4. 【請求項4】 前記無機質シ−トの厚さが、1〜10m
    mであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のセメント製造用ロ−タリ−キルンの内張り構造。
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