JP2596669B2 - マグネシア・カルシア質不定形耐火物 - Google Patents

マグネシア・カルシア質不定形耐火物

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JP2596669B2 JP4155459A JP15545992A JP2596669B2 JP 2596669 B2 JP2596669 B2 JP 2596669B2 JP 4155459 A JP4155459 A JP 4155459A JP 15545992 A JP15545992 A JP 15545992A JP 2596669 B2 JP2596669 B2 JP 2596669B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製鉄、製鋼用各種窯炉
の内張り材として好適に使用できる耐消化性に優れたマ
グネシア・カルシアクリンカーとマグネシアクリンカー
とを主体とする不定形耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、製鉄、製鋼用窯炉の内張り材は、
築炉の省力化,築炉環境改善のために吹付け、流し込み
等の不定形耐火物が広く適用されるようになった。転
炉、DH,RH,AOD,VOD等の二次精錬炉におい
ても、塩基性スラグの浸食と強攪拌に対して抵抗性のあ
るマグネシア・カーボン質,マグネシア・クロマイト
質,マグネシア・ドロマイト質等の塩基性不定形耐火物
の使用が種々検討されるようになった。
【0003】例えば、特開昭60−60986号公報に
は、マグネシア・アルミナ質不定形耐火物の使用が提案
されている。
【0004】しかし、配合したアルミナが使用過程でス
ピネルを生成する。この生成したスピネルは、容積安定
性と耐スラグ浸潤性の改善効果を示すものの、塩基性ス
ラグに対する耐食性は大幅に劣化し操業条件の苛酷な窯
炉への適用は困難である。
【0005】また、他の塩基性の耐火物を不定形化する
に際しても種々の問題がある。
【0006】例えば、マグネシア質の場合には、定形れ
んがと同様に耐スポーリング性,スラグ浸潤に伴う構造
的スポーリング性に劣り、マグネシア・クロマイト質に
ついては不定形耐火物の施工に際して水を使用すること
から、六価クロムを生成し易く、安全衛生上から好まし
くない。
【0007】また、マグネシア・カーボン質では、カー
ボン原料が増大し、組織不良となることから耐用性に劣
る。さらに、マグネシア・ドロマイト質では使用するド
ロマイトクリンカー又は合成のマグネシア・カルシアク
リンカーが消化性を有するため、水を使用する不定形耐
火物では消化による膨張,亀裂を生じることから実用に
供し難い。耐消化性に優れたCaO含有原料として安定
化ドロマイトクリンカーがあるが、原料中に多量のSi
2 が含まれることから耐食性が劣化し、操業条件の苛
酷な窯炉への適用は困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、現状で
は、マグネシア・カーボンれんがをはじめとする塩基性
れんがに匹敵する不定形耐火物はなく、転炉及び二次精
錬炉の内張り材の不定形化を可能にする耐火材料の開発
が強く望まれている。
【0009】本発明の目的は、塩基性スラグに対する耐
食性、耐スポーリング性及び耐摩耗性に優れ、かつ水を
使用しても消化による膨張、亀裂を生じない塩基性不定
形耐火物の提供にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】カルシア含有耐火物の特
長は、一般に優れた耐スポーリング性,耐スラグ浸潤性
を有することにあるが、欠点として消化による体積膨張
をもたらすことが挙げられる。
【0011】本発明に使用する合成のマグネシア・カル
シアクリンカーは、耐消化性を飛躍的に向上させるため
に種々検討した結果見出されたものである。
【0012】具体的にはMgO,CaO及びFe2 3
の合量が97重量%以上であり、かつMgO30〜90
重量%、Fe2 3 2〜5重量%、TiO2 0.5〜3
重量%の化学組成を有するクリンカーである。更に、ク
リンカー表面がリン酸カルシウム,リン酸マグネシウム
で被覆されていることが必要不可欠である。本発明の不
定形耐火物は、マグネシアクリンカーと耐消化性を飛躍
的に向上させたマグネシア・カルシアクリンカーを主原
料として混合したものである。
【0013】そして、本発明の不定形耐火物は、この焼
結マグネシア・カルシアクリンカーと他の耐火原料とを
混合して形成され、この混合物中には、前記の焼結マグ
ネシア・カルシアクリンカーを少なくとも20重量%含
有するもので、且つ、この混合物中のMgOとCaO含
有量の合量は80重量%以上である必要がある。
【0014】本発明の不定形耐火物は、キャスタブル,
吹付材,ラミング材,モルタル等を総括するものであ
り、特に施工形態を限定するものではない。また、Mg
OとCaOの合量が80重量%以上である範囲で、他の
原料、たとえばスピネル,アルミナ,ムライト,ジルコ
ニア,ジルコン,炭化けい素,炭素,黒鉛,粘土等を使
用することは可能であり、アルミナセメント,シリカフ
ラワー,リン酸塩,ケイ酸塩,分散剤,界面活性剤等の
バインダーも必要に応じて使用することができる。シリ
カ系及びリン酸塩を使用した場合には合成マグネシア・
カルシアクリンカー中のCaOがバインダーと反応して
高耐火性のCaO・SiO2 ,2CaO・SiO2 及び
3CaO・P2 5 を生成することから熱間強度が向上
し、耐摩耗性に優れた不定形耐火物を得ることができ
る。
【0015】本発明に使用する焼結マグネシア・カルシ
アクリンカーの表面処理方法については特に規制はない
が、水に可溶なリン酸又はその塩類や酸性リン酸エステ
ルのような有機物に浸漬又はスプレーし、乾燥する方法
が一般的である。
【0016】
【作用】MgO,CaO及びFe2 3 の合量が97重
量%より少ない範囲では、クリンカーの密度が低下し、
耐消化性が劣化すると同時に不純物量が増大し、クリン
カー及び耐火物の耐食性が低下することから好ましくな
い。MgO含有量が30重量%よりも少ない範囲では、
クリンカー表面が大部分カルシア結晶となり、Fe2
3 ,TiO2 を添加し、更にリン酸塩を被覆しても耐消
化性が充分ではなく、またMgO含有量が90重量%を
越える範囲ではクリンカー中のフリーのCaO量が過小
となり、耐火物におけるカルシアの特性が発揮しにくく
なることから不適である。Fe2 3 ,TiO2 量に関
しては、前者が0.2〜5重量%、後者が0.5〜3重
量%に規制されるが、これらの酸化物の適量添加は、C
aOと化合物を生成し、耐消化性は向上するが、過剰の
添加はクリンカーの密度を低下せしめ、耐消化性を劣化
させるという知見に基づいて設定された範囲である。
【0017】本発明に使用するマグネシウム・カルシア
クリンカーは、二次的な処理によってクリンカー表面を
リン酸カルシウム,リン酸マグネシウムで被覆すること
かなるが、この理由は難溶性リン酸塩の存在により、水
とクリンカーとの水和反応が規制されるためである。
【0018】かかるマグネシア・カルシアクリンカーの
耐消化性を表す重量増加率は、クリンカーのCaO含有
量によって異なるが、0.03〜0.5重量%の範囲に
あり、一般のドロマイトクリンカー,マグネシア・カル
シアクリンカーに比較して格段に優れ、水を使用する不
定形耐火物に使用することが可能となる。
【0019】本発明の不定形耐火物は上記のクリンカー
及びマグネシアクリンカーを主原料とするものである
が、合成マグネシア・カルシアクリンカーの使用量が2
0重量%よりも少ない範囲では、耐火物の耐スポーリン
グ性,耐スラグ浸潤性に劣ることから不適であり、耐火
物中のMgOとCaOの合量が80重量%よりも少ない
範囲では塩基性耐火物としての高耐食性が発揮されない
ことから好ましくない。
【0020】
【実施例】表1は、使用した合成マグネシア・カルシア
クリンカーの組成と特性を示す。A、Bの何れも本発明
の組成範囲にある。
【0021】
【表1】 表2は従来の合成マグネシア・カルシアクリンカーの組
成と特性を示すものでTiO2 添加及びリン酸カルシウ
ム,リン酸マグネシアの被覆がないものである。
【0022】
【表2】 表1に示す合成マグネシア・カルシアクリンカーを用い
て、MgO純度95%の焼結マグネシアクリンカーを用
いて表3のキャスタブル耐火物を試作した。そして、比
較のために表2に示す従来の合成マグネシア・カルシア
クリンカーを用いて同様にキャスタブル耐火物を試作
し、水を加えて常法で混練、鋳込みを行いテストピース
を作成した。得られたキャスタブル耐火物の品質を表3
に示す。
【0023】
【表3】 表3に示すように本発明の実施例1〜4では、消化によ
る亀裂は認められず、良好な品質が得られたのに対し、
従来のクリンカーを用いた比較例1〜4では、乾燥後に
亀裂が発生し、極端な品質劣化を生じた。これによっ
て、本発明による不定形耐火物の優位性を立証した。
【0024】表4は他の実施例を示す。表1の合成マグ
ネシア・ドロマイトクリンカーBを用い、表4のキャス
タブル耐火物を試作した。
【0025】
【表4】 本発明の実施例5〜8は良好な耐食性,高熱間強度,優
れた耐スポーリング性を有している。これに対して、比
較例5は本発明の範囲にある合成マグネシア・カルシア
クリンカーを使用しているものの、添加量が少ないため
に、熱間強度,耐スポーリング性に劣っている。比較例
6は粗粒の一部に焼結スピネルを使用し、MgOとCa
Oの合量が80重量%より少ないため、耐食性が著しく
低下し、実用に供し得ない。比較例7はマグネシア質、
比較例8はマグネシア・アルミナ質不定形耐火物である
が、本発明による不定形耐火物に比較して劣ることは明
らかである。
【0026】実施例6からなる不定形耐火物をDH炉吸
上管内周部に使用したところ、耐用性はマグクロ質れん
がに比較して約10%程度低下したに過ぎず、継ぎ足し
施工により原単位は逆に約10%低減し、実炉に供する
ことが可能なことが確認できた。
【0027】
【発明の効果】本発明によって、カルシアを比較的多量
に含有しているにも拘わらず、施工に際して、水を使用
しても消化による膨張、亀裂を生じない塩基性スラグに
対する耐食性、耐スポーリング性及び耐摩耗性に優れた
不定形耐火物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩下 和俊 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株 式会社 君津製鐵所サービスセンター内 黒崎窯業株式会社 君津支店内 (72)発明者 佐藤 高芳 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株 式会社 君津製鐵所内 (72)発明者 奥山 登 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株 式会社 君津製鐵所内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシアクリンカーと焼結マグネシア
    ・カルシアクリンカーを主原料とした混合物からなる不
    定形耐火物であって、 焼結マグネシア・カルシアクリンカーは、 MgOとCaOとFe2 3 との合量が97重量%以上
    であり、 MgO30〜90重量%と、Fe2 3 2〜5重量%
    と、TiO2 0.5〜3重量%との化学組成を有し、 その表面にリン酸カルシウムとリン酸マグネシウムとの
    被覆を有し、 混合物中の焼結マグネシア・カルシアクリンカーの含有
    量は少なくとも20重量%であり、且つ、 この混合物中のMgOとCaO含有量の合量が80重量
    %以上である不定形耐火物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の焼結マグネシア・カルシ
    アクリンカーの耐消化性を表す重量%増加率が0.5重
    量%以下である不定形耐火物。
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JP2003095729A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Itochu Ceratech Corp カルシア系クリンカー及びそれを用いて得られる耐火物

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