JPH11167204A - 感光性平版印刷版及びその製造方法 - Google Patents

感光性平版印刷版及びその製造方法

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JPH11167204A
JPH11167204A JP9332970A JP33297097A JPH11167204A JP H11167204 A JPH11167204 A JP H11167204A JP 9332970 A JP9332970 A JP 9332970A JP 33297097 A JP33297097 A JP 33297097A JP H11167204 A JPH11167204 A JP H11167204A
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JP
Japan
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acid
average
opening diameter
pits
compound
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JP9332970A
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English (en)
Inventor
Takahiro Mori
孝博 森
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オフセット輪転印刷のような、高速で苛酷な
条件で印刷した場合の耐刷力、小点再現性、網点の目の
開き及びドットゲインが良好で、ボールペン適性に優
れ、イソプロピルアルコールを含まない湿し水を用いて
印刷した場合に版が侵されることのない感光性平版印刷
版を提供する。 【解決手段】 粗さの平均波長が3〜30μmの起伏も
しくは平均開口径が3〜30μmの大ピットに平均開口
径が0.2〜3.0μmの小ピットが密集状に重畳さ
れ、小ピット内部に0.01μm以上、小ピット平均開
口径の1/2以下の平均径を持つ概略球面状の突起を有
するアルミニウム支持体上に、数平均分子量が3.00
×102〜2.00×103、重量平均分子量が5.00
×102〜4.00×103のポリヒドロキシフェノール
とケトン又はアルデヒドとの重縮合樹脂のo−ナフトキ
ノンジアジドスルホン酸エステルと、アルカリ可溶性樹
脂とを含有する感光層を有する感光性平版印刷版。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性平版印刷版及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷物の生産性向上をはかるため
に、印刷機の印刷速度は高速化されている。このような
現象は特にオフセット輪転印刷の分野でめざましい。こ
のような高速印刷は印刷条件としては過酷であるため、
耐刷枚数が低下したり、印刷物上での画線、特に網点の
付き(即ち小点再現性)が劣化したり、網点が部分的に
つぶれた状態(即ち網点の目の開きが悪い)になった
り、また更にドットゲインが劣化するという問題があ
る。
【0003】また、オフセット印刷機では、油性インキ
と水とが互いに反発し合う性質を利用して印刷が行われ
る。オフセット印刷機には、その版上に湿し部が設けら
れており、湿し部から版に湿し水と呼ばれる水を与え、
親水性の非画像部に水を付着させ、油性のインキが親油
性の画像部以外につかないようにする。この水にはま
た、版を湿してインキによる汚れを防ぐこと、版面の温
度を一定に保つことなどの役割がある。
【0004】湿し水には、通常、水の表面張力を下げ、
版を濡れやすくするためにイソプロピルアルコール(以
下「IPA」と称す)が添加されている。しかしなが
ら、近年、環境保護の問題からイソプロピルアルコール
等の環境汚染物質を低減或いは排除することが望まれて
おり、IPAフリーの湿し水が一般にも使用されつつあ
る。このようなIPAフリーの湿し水を用いて印刷を行
い、昼休みなどで印刷機を一時停止した場合、湿し水が
版に付着したまま放置されるために版の画像部である感
光層が侵食され、印刷再開時に印刷物上に画像が形成さ
れないという問題がある。
【0005】一方、感光性平版印刷版を像露光する工程
において、複数の原稿フィルムを位置を変えて次々と焼
き付けする所謂多面焼き付けを行う際、原稿フィルム間
の位置合わせのため原稿の位置を感光層上にマークする
ことがあるが、このマークのため筆記用具として通常用
いられるのは油性ボールペンである。マークした箇所が
非画像部である場合、そのまま現像すると非画像部の感
光層は溶解除去されて油性ボールペンでのマークが砂目
上に残り、印刷時にインキが付着してマーク跡が印刷物
に再現してしまうという故障が生じる(ボールペン適
性)。従ってこのようなことがおこらない、即ちボール
ペン適性に優れる感光性平版印刷版が望まれている。
【0006】以上のような問題点に鑑み種々検討を重ね
た結果、後記する請求項1〜請求項14に係る発明によ
り上記目的が達成されることを見いだし、本発明を完成
させるに到ったものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、オフセット輪転印刷のような、高速で苛酷な印刷条
件で印刷した場合の耐刷力が良好な感光性平版印刷版を
提供することである。
【0008】本発明の第2の目的は、オフセット輪転印
刷のような、高速で苛酷な印刷条件で印刷した場合の小
点再現性が良好な感光性平版印刷版を提供することであ
る。
【0009】本発明の第3の目的は、ボールペン適性に
優れる感光性平版印刷版を提供ことである。
【0010】本発明の第4の目的は、イソプロピルアル
コールを含まない湿し水を用いて印刷した場合に版が侵
されることのない、感光性平版印刷版を提供することで
ある。
【0011】本発明の第5の目的は、オフセット輪転印
刷のような、高速で苛酷な印刷条件で印刷した場合の網
点の目の開きが良好な感光性平版印刷版を提供すること
である。
【0012】本発明の第6の目的は、オフセット輪転印
刷のような、高速で苛酷な印刷条件で印刷した場合のド
ットゲインが良好な感光性平版印刷版を提供することで
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は下記(1)〜
(14)の何れかによって達成される。
【0014】(1)粗さの平均波長が3〜30μmの起
伏もしくは平均開口径が3〜30μmの大ピットに平均
開口径が0.2〜3.0μmの小ピットが密集状に重畳
され、小ピット内部に0.01μm以上、小ピット平均
開口径の1/2以下の平均径を持つ概略球面状の突起を
有するアルミニウム支持体上に、数平均分子量が3.0
0×102〜2.00×103、重量平均分子量が5.0
0×102〜4.00×103のポリヒドロキシフェノー
ルとケトン又はアルデヒドとの重縮合樹脂のo−ナフト
キノンジアジドスルホン酸エステルと、アルカリ可溶性
樹脂を含有する感光性組成物の層を設けたことを特徴と
する感光性平版印刷版。
【0015】(2)粗さの平均波長が3〜30μmの起
伏もしくは平均開口径が3〜30μmの大ピットに平均
開口径が0.2〜3.0μmの小ピットが密集状に重畳
され、小ピット内部に0.01μm以上、小ピット平均
開口径の1/2以下の平均径を持つ概略球面状の突起を
有するアルミニウム支持体上に、下記一般式(1)で示
される構造単位を分子構造中に有する高分子化合物と、
o−キノンジアジド化合物を含有する感光性組成物の層
を設けたことを特徴とする感光性平版印刷版。
【0016】
【化3】
【0017】(式中、R1及びR2は水素原子、アルキル
基又はカルボキシル基、R3は水素原子、ハロゲン原子
又はアルキル基、R4は水素原子、アルキル基、フェニ
ル基又はアラルキル基、Aは窒素原子と芳香環炭素原子
とを連結する2価の有機基、mは0又は1、Bは置換基
を有してもよいフェニレン基又は置換基を有してもよい
ナフチレン基を表す。) (3)粗さの平均波長が3〜30μmの起伏もしくは平
均開口径が3〜30μmの大ピットに平均開口径が0.
2〜3.0μmの小ピットが密集状に重畳され、小ピッ
ト内部に0.01μm以上、小ピット平均開口径の1/
2以下の平均径を持つ概略球面状の突起を有するアルミ
ニウム支持体上に、フェノール及びm−,p−混合クレ
ゾールとアルデヒドとを共縮重合させた樹脂であって、
該フェノールと該m−,p−混合クレゾールとの混合比
がモル比で1:9〜9:1である樹脂と、o−キノンジ
アジド化合物を含有する感光性組成物の層を設けたこと
を特徴とする感光性平版印刷版。
【0018】(4)粗さの平均波長が3〜30μmの起
伏もしくは平均開口径が3〜30μmの大ピットに平均
開口径が0.2〜3.0μmの小ピットが密集状に重畳
され、小ピット内部に0.01μm以上、小ピット平均
開口径の1/2以下の平均径を持つ概略球面状の突起を
有するアルミニウム支持体上に、o−キノンジアジド化
合物、下記一般式(2)で表されるs−トリアジン化合
物、該s−トリアジン化合物の光分解生成物との相互作
用により色調を変える色素、アルカリ可溶性樹脂を含有
する感光性組成物の層を設けたことを特徴とする感光性
平版印刷版。
【0019】
【化4】
【0020】(式中、R1及びR2はそれぞれアルキル
基、置換アルキル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基
又は水素原子を表す。R3及びR4はそれぞれ炭素原子1
〜3個を有するハロアルキル基又はハロアルケニル基を
表す。) (5)粗さの平均波長が3〜30μmの起伏もしくは平
均開口径が3〜30μmの大ピットに平均開口径が0.
2〜3.0μmの小ピットが密集状に重畳され、小ピッ
ト内部に0.01μm以上、小ピット平均開口径の1/
2以下の平均径を持つ概略球面状の突起を有するアルミ
ニウム支持体上に、付加重合可能なエチレン性不飽和二
重結合を少なくとも1個有する化合物、芳香族性水酸基
を側鎖に有する化合物及び/又は脂肪族水酸基を側鎖に
有する化合物を構成単位として分子中に含有する、アル
カリ水に可溶性又は膨潤性の酸性ビニル共重合体、光重
合開始剤、ジアゾ樹脂を含有する感光性組成物の層を設
けたことを特徴とする感光性平版印刷版。
【0021】(6)粗さの平均波長が3〜30μmの起
伏もしくは平均開口径が3〜30μmの大ピットに平均
開口径が0.2〜3.0μmの小ピットが密集状に重畳
され、小ピット内部に0.01μm以上、小ピット平均
開口径の1/2以下の平均径を持つ概略球面状の突起を
有するアルミニウム支持体上に、酸発生剤、酸分解化合
物、赤外線吸収剤を含有する感光性組成物の層を設けた
ことを特徴とする感光性平版印刷版。
【0022】(7)粗さの平均波長が3〜30μmの起
伏もしくは平均開口径が3〜30μmの大ピットに平均
開口径が0.2〜3.0μmの小ピットが密集状に重畳
され、小ピット内部に0.01μm以上、小ピット平均
開口径の1/2以下の平均径を持つ概略球面状の突起を
有するアルミニウム支持体上に、酸発生剤、酸で不溶化
する化合物、赤外線吸収剤を含有する感光性組成物の層
を設けたことを特徴とする感光性平版印刷版。
【0023】(8)小ピットの平均開口径が0.2〜
0.8μm、小ピット内部の概略球面状の突起の平均径
が0.01μm以上、小ピット平均開口径の1/4以下
であることを特徴とする上記(1)〜(7)の何れか1
項に記載の感光性平版印刷版。
【0024】(9)小ピットの開口径に対するピットの
深さの比が0.2以下であることを特徴とする上記
(8)に記載の感光性平版印刷版。
【0025】(10)小ピット内部の概略球面状の突起
間が滑らかな面で形成されていることを特徴とする上記
(1)〜(9)の何れか1項に記載の感光性平版印刷
版。
【0026】(11)アルミニウム板の表面を機械的粗
面化或いは脱脂後電解粗面化し、アルカリで表面溶解処
理を施し、酸で中和し、酸性電解液中で電解粗面化し、
更にアルカリで表面溶解処理を施し、酸で中和し、陽極
酸化処理を行った後、陽極酸化皮膜上に有機金属化合物
或いは無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得ら
れる金属酸化物の被覆層を設け、その上に上記(1)〜
(7)の何れか1項に記載の感光性組成物の層を設ける
ことを特徴とする感光性平版印刷版の製造方法。
【0027】(12)電解液が塩酸及び/又は酢酸を主
体とすることを特徴とする上記(11)に記載の感光性
平版印刷版の製造方法。
【0028】(13)アルミニウム板をアルカリで表面
を溶解処理し、酸で中和し、塩酸及び/又は酢酸を主体
とする酸性電解液中で電解粗面化し、更にアルカリで表
面を溶解し、酸で中和し、陽極酸化処理を行った後、陽
極酸化皮膜上に有機金属化合物或いは無機金属化合物を
加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物の被覆層
を設け、その上に上記(1)〜(7)の何れか1項に記
載の感光性組成物の層を設けることを特徴とする感光性
平版印刷版の製造方法。
【0029】(14)電解粗面化の全工程中で電解処理
の進行が速い部分と電解処理の進行が遅いかもしくは停
止する部分とが交互に複数回存在するように電解処理
し、かつ、電解処理の進行が速い部分一工程での電解処
理の電気量が平均で100C/dm2以下であることを
特徴とする上記(13)に記載の感光性平版印刷版の製
造方法。
【0030】以下、本発明について詳述する。
【0031】請求項1に係る発明の感光性組成物が含有
するポリヒドロキシフェノールとケトン又はアルデヒド
との前記特定の数平均分子量及び重量平均分子量を有す
る重縮合樹脂のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エ
ステル化合物は以下に示すような化合物である。
【0032】幹ポリマーのモノマーであるポリヒドロキ
シフェノールとしては、カテコール、(メチル)レゾル
シン、ヒドロキノン、ピロガロール、フロログルシン等
が好ましく用いられる。また、より好ましくはピロガロ
ールである。ケトン又はアルデヒドとしては、アセト
ン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアル
デヒド、クロトンアルデヒド等が好ましく用いられ、よ
り好ましくはアセトンである。
【0033】ポリヒドロキシフェノールとケトン又はア
ルデヒドとの重縮合樹脂の合成法としては、一般に公知
の方法が適用され、ポリヒドロキシフェノールをケトン
又はアルデヒド類、又は必要に応じて適当な溶媒に溶解
させ、塩酸、オキシ塩化リン、蓚酸等の適当な酸のもと
に重縮合をおこさせ重合体を得る。重縮合条件として
は、公知の方法に比較し、重合初期から高温にて重縮合
反応する合成法が好ましく用いられる。例えば触媒であ
る、塩酸、硫酸、蓚酸、オキシ塩化リン等の酸をポリヒ
ドロキシフェノールとケトン又はアルデヒド化合物、必
要に応じて使用する溶媒、例えばジオキサン、メタノー
ル、エタノール、テトラヒドロフラン水の混合物中に滴
下すると同時に還流の定常状態にもっていく処方が好ま
しく用いられる。これらの方法で得る上記ポリヒドロキ
シ系高分子化合物の分子量は、GPC法による(ポリス
チレン標準)数平均分子量Mnでは3.00×102
2.00×103、重量平均分子量Mwでは5.00×
102〜4.00×103が用いられ、より好ましくはM
nが4.00×102〜1.50×103、Mwが7.0
0×102〜3.00×103、更に好ましくMnが5.
00×102〜1.10×103、Mwが8.00×10
2〜2.00×103である。
【0034】Mnが2.00×103より大きくかつM
wが4.00×103より大きいポリヒドロキシフェノ
ール重合体のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エス
テルを使用した場合も、Mnが3.00×102より小
さくかつMnが5.00×102より小さいポリヒドロ
キシフェノール重合体のo−ナフトキノンジアジドスル
ホン酸エステルを使用した場合も、オフセット輪転印刷
のような高速で苛酷な印刷条件で印刷した場合に、満足
な耐刷力が得られない。
【0035】オフセット輪転印刷のような高速で苛酷な
印刷条件で印刷した場合に満足な耐刷力を得ることので
きるポリヒドロキシフェノール重合体の好ましい例は、
上記分子量範囲のレゾルシンベンズアルデヒド樹脂、メ
チルレゾルシンベンズアルデヒド、ピロガロール・アセ
トン樹脂であり、より好ましくはピロガロール・アセト
ン樹脂である。これらポリヒドロキシフェノール重合体
のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルは次に
示す合成法により容易に得られる。
【0036】ポリヒドロキシフェノールの重合体を適当
な溶媒、例えばジオキサン等に溶解させてこれにo−ナ
フトキノンジアジドスルホン酸クロライドを投入し、炭
酸アルカリを当量点まで滴下することにより容易にエス
テル化し、合成される。
【0037】このエステル化体のOH基に対するo−ナ
フトキノンジアジドスルホン酸クロライドの縮合率は
(OH基1個に対する%)20〜80%が好ましく、よ
り好ましくは25〜70%、更に好ましくは30〜60
%である。
【0038】このエステル化体の分子量は、OH基の縮
合率により若干変動するが、概してOH基の縮合率20
モル%から70モル%のエステル化体については、Mn
が5.00×102〜2.60×103でMwが7.00
×102〜4.80×103が好ましく、より好ましくは
Mnが6.00×102〜2.40×103でMwが9.
00×102〜4.00×103である。更に好ましくは
Mnが7.00×102〜2.10×103でMwが1.
00×103〜3.60×103である。このエステル化
体の感光層中における含有量は、その種類によっても異
なるが、概して5〜40重量%が好ましく、より好まし
くは10〜30重量%である。
【0039】請求項1に係る発明に用いられるアルカリ
可溶性樹脂としては、次に述べるアルカリ水に可溶な樹
脂の何れも使用できるが、ノボラック樹脂が好ましい。
【0040】アルカリ水に可溶な樹脂は結合剤(バイン
ダー)として用いられ、具体的には、フェノールホルム
アルデヒド樹脂、o−,m−及びp−クレゾールホルム
アルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアル
デヒド樹脂、フェノール/クレゾール(o−,m−,p
−,m−/p−及びo−/m−混合の何れでもよい)混
合ホルムアルデヒド樹脂等のノボラック樹脂や、フェノ
ール変性キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリ
ハロゲン化ヒドロキシスチレン、特開昭51−3471
1号に記載のフェノール性水酸基を含有するアクリル系
樹脂等が挙げられる。
【0041】その他の好適なアルカリ可溶性樹脂として
以下に示すモノマーをその構成単位とする分子量1万〜
20万の共重合体を挙げることができる。
【0042】(1)芳香族水酸基を有するアクリルアミ
ド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル類、メ
タクリル酸エステル類、ヒドロキシスチレン類;N−
(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4
−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−,m−
又はp−ヒドロキシスチレン、o−,m−又はp−ヒド
ロキシフェニルアクリレート又はメタクリレート等 (2)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類及び
メタクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチルアクリ
レート又はメタクリレート等 (3)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、メ
タコン酸等の不飽和カルボン酸 (4)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジ
ル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸−4−
ヒドロキシブチル、グリシジルアクリレート、N−ジメ
チルアミノエチルアクリレート等の(置換)アクリル酸
エステル (5)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロ
エチル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチル、グリシ
ジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタク
リレート等の(置換)メタクリル酸エステル (6)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミ
ド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリル
アミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−ヘキシルメ
タクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、
N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシ
エチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリル
アミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメ
タクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ベ
ンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリル
アミド、N−ニトロフェニルメタクリルアミド、N−エ
チル−N−フェニルアクリルアミド、N−エチル−N−
フェニルメタクリルアミド等のアクリルアミド又はメタ
クリルアミド (7)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニル
エーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニ
ルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル類 (8)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビ
ニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類 (9)スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレ
ン等のスチレン類 (10)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プ
ロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニル
ケトン類 (11)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジ
エン、イソプレン等のオレフィン類 (12)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾー
ル、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等 (13)N−(o−アミノスルホニルフェニル)アクリ
ルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)アク
リルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)ア
クリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナ
フチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノスルホニル
エチル)アクリルアミド等のアクリルアミド類;N−
(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、
N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミ
ド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリル
アミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチ
ル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエ
チル)メタクリルアミド等のメタクリルアミド類;o−
アミノスルホニルフェニルアクリレート、m−アミノス
ルホニルフェニルアクリレート、p−アミノスルホニル
フェニルアクリレート、1−(3−アミノスルホニルフ
ェニルナフチル)アクリレート等のアクリル酸エステル
類、等の不飽和スルホンアミド;o−アミノスルホニル
フェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニ
ルメタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタ
クリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフ
チル)メタクリレート等のメタクリル酸エステル類、等
の不飽和スルホンアミド。
【0043】又、上記モノマーの共重合によって得られ
る共重合体を、グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート等によって修飾したものも含まれる。
【0044】これらの共重合体には(3)に掲げた不飽
和カルボン酸を含有することが好ましく、その共重合体
の好ましい酸価は0〜10meq/g、更には0.2〜
5.0meq/gである。これらの共重合体の好ましい
分子量は1万〜10万である。又、これらの共重合体に
必要に応じてポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン
樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂を添加してもよ
い。
【0045】アルカリ可溶性樹脂は感光性組成物の80
重量%以下で用いられる。
【0046】請求項2に係る発明の一般式(1)で示さ
れる構造単位を分子構造中に有する高分子化合物(以下
「高分子化合物A」という)は非感光性であって、分子
構造中に前記一般式(1)で示される構造単位を有する
ことが特徴であり、該構造単位のみの繰り返し構造を有
する単独重合体型或いは該構造単位と他のビニル系単量
体の不飽和二重結合を開裂せしめた構造で示される構造
単位1種以上とを組み合わせた繰り返し構造を有する共
重合体型の構造を有するものである。共重合体型の構造
を有する本発明の高分子化合物において前記一般式で示
される構造単位と組み合わせて用いられる構造単位とし
ては例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブ
タジエン、イソプレン等のエチレン系不飽和オレフィン
類、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン類、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸類、例え
ば、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の不飽
和脂肪族ジカルボン酸類、例えば、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル
酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−
クロロエチル、アクリル酸フェニル、α−クロロアクリ
ル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、エタクリル酸エチル等のα−メチレン脂肪族モノカ
ルボン酸のエステル類、例えば、アクリロニトリル、メ
タアクリロニトリル等のニトリル類、例えば、アクリル
アミド等のアミド類、例えば、アクリルアニリド、p−
クロロアクリルアニリド、m−ニトロアクリルアニリ
ド、m−メトキシアクリルアニリド等のアニリド類、例
えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビ
ニル、酢酸ビニル等のビニルエステル類、例えば、メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチル
ビニルエーテル、β−クロロエチルビニルエーテル等の
ビニルエーテル類、塩化ビニル、ビニリデンクロライ
ド、ビニリデンシアナイド、例えば、1−メチル−1−
メトキシエチレン、1,1−ジメトキシエチレン、1,
2−ジメトキシエチレン、1,1−ジメトキシカルボニ
ルエチレン、1−メチル−1−ニトロエチレン等のエチ
レン誘導体類、例えば、N−ビニルピロール、N−ビニ
ルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピ
ロリデン、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル系単量
体がある。これらの単量体は、不飽和二重結合が開裂し
た構造で高分子化合物中に存在する。
【0047】上記の単量体のうち脂肪族モノカルボン酸
のエステル類、ニトリル類が本発明の目的に対して優れ
た性能を示し、好ましい。
【0048】これらの単量体は、高分子化合物Aの分子
構造中にブロック又はランダムの何れかの状態で結合し
ていてもよい。
【0049】高分子化合物Aの一般式(1)で示される
構造単位において、Bは置換基を有してもよいフェニレ
ン基又は置換基を有してもよいナフチレン基を表すが、
置換基の種類によって本発明の感光性組成物の特性が大
きく影響を受けることは殆どないので、置換基としては
任意の基を用いることができる。代表的な置換基として
は例えばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ア
シル基、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、シア
ノ基、ニトロ基などを挙げることができる。次に、請求
項2の高分子化合物の代表的具体例を挙げる。なお、下
記例示化合物においてMnは平均分子量、k,l,m及
びnはそれぞれの構造単位のモル%を表す。
【0050】次に、高分子化合物Aの代表的具体例を挙
げる。なお、下記例示化合物においてMnは平均分子
量、k、l、m及びnはそれぞれの構造単位のモル%を
表す。
【0051】
【化5】
【0052】
【化6】
【0053】
【化7】
【0054】
【化8】
【0055】
【化9】
【0056】高分子化合物Aは次のようにして合成され
る。即ち、α・β−不飽和酸クロライド類、又はα・β
−不飽和酸無水物類とフェノール性水酸基を有する第1
級又は第2級アミン類とを必要に応じて塩基性触媒を用
いて反応せしめ、前記一般式で示される構造単位に対応
する構造を有する単量体を合成した後、該単量体を常法
に従って単独重合させるか、或いは該単量体と他のビニ
ル系単量体の少なくとも1つとを共重合させることによ
り本発明の高分子化合物を得ることができる。この際、
各単量体の仕込みモル比及び重合条件を種々変えること
によりその分子量ならびに各構造単位のモル比を広範囲
にわたる任意の値として得ることができるが、本発明の
目的である、オフセット輪転印刷のような高速で苛酷な
印刷条件で印刷した場合の良好な小点再現性を有効に供
するためには分子量が約5000〜100000、前記
一般式で示される構造単位のモル含有率が少なくとも1
0モル%であるものが望ましい。
【0057】請求項2に係る発明において、感光性組成
物が含有するo−キノンジアジド化合物の代表としてo
−ナフトキノンジアジド化合物が挙げられる。o−ナフ
トキノンジアジド化合物としては、特公昭43−284
03号に記載の1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸
とピロガロール・アセトン樹脂とのエステルが好まし
い。また米国特許第3,046,120号,同3,18
8,210号に記載の1,2−ジアゾナフトキノン−5
−スルホン酸とフェノール・ホルムアルデヒド樹脂との
エステル、特開平2−96163号,同2−96165
号,同2−96761号に記載の1,2−ジアゾナフト
キノン−1−スルホン酸とフェノール・ホルムアルデヒ
ド樹脂とのエステル、特開昭47−5303号,同48
−13854号,同48−63802号,同48−63
803号,同48−96575号,同49−38701
号,特公昭37−18015号,同41−11222
号,同45−9610号,同49−17481号,米国
特許第2,797,213号,同3,453,400
号,同3,544,323号,同3,573,917
号,同3,674,495号,同3,785,825
号,英国特許第1,227,602号,同1,251,
345号,同1,267,005号,同1,329,8
88号,同1,330,932号,ドイツ特許第85
4,890号等に記載のものも好適に用いられる。
【0058】o−キノンジアジド化合物は単独でも感光
層を構成するが、アルカリ水に可溶な樹脂を結合剤(バ
インダー)として共に使用することが好ましい。該樹脂
としては前記請求項1に係る発明の感光性組成物に含有
させるアルカリ可溶性樹脂を用いることができる。
【0059】請求項3に係る発明で用いられるフェノー
ル及びm−,p−混合クレゾールとアルデヒドとの共縮
合物は、フェノールとm−,p−混合クレゾールの混合
物をアルデヒドと重縮合させることにより得ることがで
きる。フェノールとm−,p−混合クレゾールの混合比
は、モル比で1:9〜9:1の範囲が好ましい。1:9
よりフェノールの割合が小さくても、また9:1よりフ
ェノールの割合が多くても満足のいくボールペン適性は
得られない。
【0060】フェノール及びm−,p−混合クレゾール
と重縮合されるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、アクロレイン、フルフラール等
の脂肪族及び芳香族アルデヒドである。共縮合物の分子
量は、重量平均分子量で700〜6000であることが
好ましい。本発明のフェノール及びm−,p−混合クレ
ゾールとアルデヒドとを共重縮合させた樹脂の含有量は
感光性組成物中の全固型分に対し40〜80重量%が好
ましい。
【0061】請求項3に係る発明に用いられるo−キノ
ンジアジド化合物は、前記請求項2に係る発明のo−キ
ノンジアジド化合物を用いることができる。
【0062】請求項4に係る発明に用いられるo−キノ
ンジアジド化合物は、前記請求項2に係る発明のo−キ
ノンジアジド化合物を用いることができる。
【0063】請求項4に係る発明に用いられるs−トリ
アジン化合物は、前記一般式(2)で表される2,4−
ビス(ハロアルキル又はハロアルケニル)−6−置換ス
チリル−s−トリアジン化合物である。該s−トリアジ
ンのハロアルキル基又はハロアルケニル基は、1個又は
2個以上のハロゲン原子で置換されている。これらのs
−トリアジンは、公知の方法により合成できる。例えば
特開昭48−36281号公報等に記載されている方法
に従って、2,4−ビス(ハロアルキル又はハロアルケ
ニル)−6−メチル−s−トリアジンと相当する芳香族
アルデヒドを縮合反応することにより得られる。好適な
アルデヒドとしては、p−メトキシベンズアルデヒド、
p−エトキシベンズアルデヒド、p−プロポキシベンズ
アルデヒド、p−ブトキシベンズアルデヒド、p−ペン
チルオキシベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデ
ヒド、p−エチルベンズアルデヒド、p−プロピルベン
ズアルデヒド、p−ブチルベンズアルデヒド、p−ペン
チルベンズアルデヒド、o−メトキシベンズアルデヒ
ド、o−エトキシベンズアルデヒド、o−プロポキシベ
ンズアルデヒド、o−ブトキシベンズアルデヒド、o−
ペンチルオキシベンズアルデヒド、o−メチルベンズア
ルデヒド、o−エチルベンズアルデヒド、o−プロピル
ベンズアルデヒド、o−ブチルベンズアルデヒド、o−
ペンチルベンズアルデヒド、o,p−ジメトキシベンズ
アルデヒド、o,p−ジエトキシベンズアルデヒド、
o,p−ジプロポキシベンズアルデヒド、o,p−ジブ
トキシベンズアルデヒド、o,p−ジペンチルオキシベ
ンズアルデヒド、o,p−ジメチルベンズアルデヒド、
o,p−ジエチルベンズアルデヒド、o,p−ジプロピ
ルベンズアルデヒド、o,p−ジブチルベンズアルデヒ
ド、o,p−ジペンチルベンズアルデヒド等が挙げられ
る。
【0064】R1,R2がアルキル基又はアルコキシ基を
表す場合には、炭素数1〜4であることが特に好まし
く、アルキル基又はアルコキシ基の炭素鎖は直鎖状であ
っても、側鎖を有していても良い。また、R3,R4に含
有されるハロゲン原子としては一般に塩素原子又は臭素
原子が好適であり、より好ましくはR3,R4がそれぞれ
トリハロアルキル基又はトリハロアルケニル基を表す場
合である。更に好ましくはR3,R4がそれぞれトリクロ
ロメチル基を表す場合である。
【0065】これらの中で特に好ましくは、2,4−ビ
ス(トリクロロメチル)−6−(p−アルコキシスチリ
ル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチ
ル)−6−(p−アルキルスチリル)−s−トリアジ
ン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(o,p
−ジアルキルスチリル)−s−トリアジン及び2,4−
ビス(トリクロロメチル)−6−(o,p−ジアルコキ
シスチリル)−s−トリアジンである。以下に一般式
(II)で表されるs−トリアジン化合物についてより具
体的にその代表例を挙げるが、本発明に用いるs−トリ
アジン化合物はこれら具体例に限定されるものではな
い。なお、下記例示において記載のない限り、R1及び
2はそれぞれ水素原子を表し、R3及びR4はトリクロ
ロメチル基を表すものとする。
【0066】(2−1) R1:メトキシ基 (2−2) R1:エトキシ基 (2−3) R1:プロポキシ基 (2−4) R1:ブトキシ基 (2−5) R2:メトキシ基 (2−6) R2:エトキシ基 (2−7) R2:プロポキシ基 (2−8) R2:ブトキシ基 (2−9) R1及びR2:メトキシ基 (2−10) R1及びR2:エトキシ基 (2−11) R1及びR2:プロポキシ基 (2−12) R1及びR2:ブトキシ基 (2−13) R1:メチル基 (2−14) R1:エチル基 (2−15) R1:プロピル基 (2−16) R1:ブチル基 (2−17) R2:メチル基 (2−18) R2:エチル基 (2−19) R2:プロピル基 (2−20) R2:ブチル基 (2−21) R1及びR2:メチル基 (2−22) R1及びR2:エチル基 (2−23) R1及びR2:プロピル基 (2−24) R1及びR2:ブチル基 これらのハロメチルs−トリアジン化合物の添加量は、
感光性組成物の全固型分に対して、一般的には0.05
〜10重量%が適当であって、好ましくは、0.1〜5
重量%である。
【0067】請求項4に係る発明において、一般式
(2)で表されるs−トリアジン化合物の光分解生成物
と相互作用することによってその色調を変える色素とし
ては、発色するものと退色又は変色するものとの2種類
がある。退色又は変色する色素としては、例えばジフェ
ニルメタン系色素、トリフェニルメタン系色素、チアジ
ン系色素、オキサジン系、キサンテン系、アンスラキノ
ン系、イミノナフトキノン系、アゾメチン系等の各種色
素が有効に用いられる。
【0068】また、発色する色素としては、例えばアリ
ールアミン類等を挙げることができる。この目的に適す
るアリールアミン類としては、第一級、第二級芳香族ア
ミンのような単なるアリールアミンのほかにいわゆるロ
イコ色素も含まれる。
【0069】請求項4に係る発明において、アルカリ可
溶性樹脂として表されるアルカリ可溶性樹は、上記の請
求項1に係る発明におけるアルカリ可溶性樹脂を含め、
キノンジアジド化合物を感光成分とするポジ型感光層に
使用されるアルカリ可溶性樹脂を使用できる。
【0070】請求項1〜4に係る発明において、感光性
組成物の層には、更に、米国特許第4,123,279
号に記載の如く、t−ブチルフェノールホルムアルデヒ
ド樹脂、オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂の様
な炭素数3〜8のアルキル基を置換基として有するフェ
ノールとホルムアルデヒドとの縮合物を併用することは
画像の感脂性を向上させることから好ましい。又、感光
性組成物中には、感度を高めるために環状酸無水物類、
フェノール類、有機酸類を添加することが好ましい。
【0071】環状無水物としては米国特許第4,11
5,128号に記載の無水フタル酸、テトラヒドロ無水
フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンド
オキシ−Δ4−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロ
ル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン
酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水琥珀酸、無水ピ
ロメリット酸等を用いることができる。
【0072】フェノール類としては、ビスフェノール
A、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、
2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,
3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキ
シベンゾフェノン、4,4′,4″−トリヒドロキシ−
トリフェニルメタン、4,4′,3″,4″−テトラヒ
ドロキシ−3,5,3′,5′−テトラメチルトリフェ
ニルメタン等が挙げられる。
【0073】有機酸類としては、特開昭60−8894
2号、特開平2−96755号等に記載のスルホン酸
類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、
燐酸エステル類及びカルボン酸類等が挙げられ、具体的
には、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスル
ホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェ
ニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、燐酸フェニ
ル、燐酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピ
ン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、
フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキセン−
2,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウ
ンデカン酸、アスコルビン酸等が挙げられる。
【0074】これら環状酸無水物、フェノール類及び有
機酸類の感光性組成物中に占める割合は0.05〜15
重量%程度、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0075】又、感光性組成物中には、現像条件に拘わ
らず処理の安定性(現像ラチチュード)を広げるため、
特開昭62−251740号に記載の非イオン性界面活
性剤、特開昭59−121044号、特開平4−131
49号に記載の両性界面活性剤を添加することができ
る。非イオン性界面活性剤の具体例としては、ソルビタ
ントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソ
ルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。両
性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエ
チル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩
酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒド
ロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデ
シル−N,N−ベタイン型(例えば、第一工業(株)
製:アモーゲンK)、アルキルイミダゾリン系(三洋化
成(株)製:レボン15)等が挙げられる。これら界面
活性剤の感光性組成物中に占める割合は0.05〜15
重量%が好ましく、更には0.1〜5重量%である。
【0076】更に感光性組成物中には、露光後直ちに可
視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての染
料や顔料を加えることができる。焼き出し剤としては、
露光によって酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を
形成し得る有機染料の組み合わせ、具体的には、特開昭
50−36209号、同53−8128号に記載のo−
ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩
形成性有機染料との組み合わせや、特開昭53−362
23号、同54−74728号、同60−3626号、
同61−143748号、同61−151644号、同
63−58440号に記載のトリハロメチル化合物と塩
形成性有機染料の組み合わせを代表として挙げることが
できる。トリハロメチル化合物としては、オキサゾール
系化合物とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経時
安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
【0077】画像の着色剤としては、前述の塩形成性有
機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性
有機染料も含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基
性染料を挙げることができる。具体的には、オイルイエ
ロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク
#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、
オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブ
ラックBS、オイルブラックT−505(以上、オリエ
ント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、ク
リスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイ
オレット(CI42535)、エチルバイオレット、ロ
ーダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン
(CI42000)、メチレンブルー(CI5201
5)等を挙げることができる。又、特開昭62−293
247号に記載の染料は特に好ましい。
【0078】感光性組成物は、上記各成分を溶解する、
例えば特開昭62−251739号に記載の様な溶媒
に、2〜50重量%の固形分濃度で、溶解、分散され、
乾燥後の重量にして0.3〜4.0g/m2で支持体上
に塗布、乾燥される。感光性組成物中には、塗布面質を
向上するための界面活性剤、例えば、特開昭62−17
0950号に記載のフッ素系界面活性剤を添加すること
ができる。好ましい添加量は、全感光性組成物の0.0
01〜1.0重量%であり、更には0.005〜0.5
重量%である。
【0079】請求項5に係る発明において、付加重合可
能なエチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する
化合物(以下、「エチレン性化合物」と略す。)として
は、例えば不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸と脂肪
族ポリヒドロキシ化合物とのエステル、不飽和カルボン
酸と芳香族ポリヒドロキシ化合物とのエステル、不飽和
カルボン酸と多価カルボン酸及び前述の脂肪族ポリヒド
ロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒ
ドロキシ化合物とのエステル化反応により得られるエス
テル等が挙げられ、具体的には、特開昭59−7104
8号公報に記載されているジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、
ヒドロキノンジ(メタ)アクリレート、ピロガロールト
リアクリレート、2,2′−ビス(4−アクリロキシジ
エトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。その他、
エチレンビス(メタ)アクリルアミド、ヘキサメチレン
ビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミ
ド類、或いは、ビニルウレタン化合物やエポキシ(メ
タ)アクリレート等を挙げることができる。成分Aの使
用量は、感光性組成物の全固型分中に、通常5〜70重
量%、好ましくは、10〜50重量%である。
【0080】請求項5に係る発明において、芳香族性水
酸基を側鎖に有する化合物を構成単位として分子中に含
有する、アルカリに可溶性又は又は膨潤性の酸性ビニル
共重合体としては、芳香族性水酸基を側鎖に有するビニ
ル単量体、具体的にはo,m,p−ヒドロキシフェニル
(メタ)アクリルアミド、o,m,p−ヒドロキシスチ
レン、o,m,p−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリ
レート、o,m,p−ヒドロキシフェニルマレイミド等
と下記(a)〜(j)に示すようなビニル単量体を共重
合することによって得られる。
【0081】また、脂肪族水酸基を側鎖に含有する化合
物を構成単位として分子中に含有する、アルカリに可溶
性又は又は膨潤性の酸性ビニル共重合体としては、脂肪
族水酸基を側鎖に有するビニル単量体、例えば、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート等と下記(a)〜(j)に示すようなビニ
ル単量体を共重合することによって得られる。
【0082】(a)アクリル酸、メタクリル酸、無水マ
レイン酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸、
(b)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−
2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、N−ジメ
チルアミノエチルアクリレート等の(置換)アルキルア
クリレート、(c)メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリ
レート、アミルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、グリ
シジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタ
クリレート等の(置換)アルキルメタクリレート、
(d)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミ
ド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリ
ルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−
フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリル
アミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等の
アクリルアミドもしくはメタクリルアミド類、(e)エ
チルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテ
ル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニル
エーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエー
テル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類、
(f)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビ
ニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル
類、(g)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチ
レン、クロロメチルスチレン等のスチレン類、(h)メ
チルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニ
ルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類、
(i)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエ
ン、イソプレン等のオレフィン類、(j)N−ビニルピ
ロリドン、N−ビニルカルバゾール、4−ビニルピリジ
ン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等、更に、
上記モノマーと共重合し得る他のモノマーを共重合させ
てもよい。本発明における酸性ビニル共重合体は、
(a)として挙げた不飽和カルボン酸を含むことが現像
性の面で好ましく、好ましい酸価は10〜100であ
り、また好ましい分子量は3万〜13万である。
【0083】本発明に用いられる酸性ビニル共重合体
は、感光性組成物の固型分中に通常30〜99重量%、
好ましくは40〜95重量%含有させるとよい。
【0084】請求項5に係る発明において、光重合開始
剤としては、特に限定はなく、従来公知のものが使用で
き、例えばベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、
ベンゾフェノン、アントラキノン、ミヒラーズケトン、
トリハロメチル−s−トリアジン系化合物、オキサジア
ゾール系化合物、ビイミダゾールとミヒラーズケトンの
複合体系、チオキサントンと芳香族第3アミンの複合体
系等を何れも好適に用いることができる。
【0085】請求項5に係る発明における光重合開始剤
の使用量は、感光性組成物の固型分中に、通常0.5〜
30重量%、より好ましくは2〜10重量%含有させる
とよい。
【0086】請求項5に係る発明において感光性組成物
に含有させるジアゾ樹脂としては、例えば、芳香族ジア
ゾニウム化合物とカルボニル化合物との縮合樹脂及びそ
れら縮合樹脂の塩が挙げられる。これら縮合樹脂は、そ
の分子中に−COOH、−OH、−S03H等のアルカ
リ可溶性を付与する置換基を導入したものが好ましい。
本発明において用いるに好ましいジアゾ樹脂は、カルボ
キシル基及び水酸基からなる群の少なくとも一種を有す
る芳香族化合物と芳香族ジアゾニウム化合物とを構成単
位として分子中に含有する共縮合化合物である。具体的
には、特願平6−33740号公報、特開平8−160
612号公報に記載のものが挙げられる。本発明に用い
られるジアゾ樹脂は、感光性組成物の固型分中に通常1
〜20重量%、好ましくは2〜10重量%含有させると
よい。
【0087】請求項5に係る発明において、感光性組成
物中には、画像の感脂性を向上させるための感脂化剤
(特開昭55−527号に記載のスチレン−無水マレイ
ン酸共重合体のアルコールによるハーフエステル化物、
ノボラック樹脂、p−ヒドロキシスチレンの50%脂肪
酸エステル等)が加えられる。更に、塗膜の柔軟性、耐
摩耗性を付与するための可塑剤(ブチルフタリル、ポリ
エチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジ
エチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタ
ル酸ジオクチル、燐酸トリクレジル、燐酸トリブチル、
燐酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリ
ル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリ
マー等、特に好ましくは燐酸トリクレジル)が加えられ
る。又、感光性組成物中には、経時の安定性を広げるた
め、燐酸、亜燐酸、クエン酸、蓚酸、ジピコ燐酸、ベン
ゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルホサリチ
ル酸、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン−
5−スルホン酸、酒石酸等が加えられる。
【0088】また、感光性組成物中には、露光後直ちに
可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての
染料や顔料等の色素を加えることができる。該色素とし
ては、フリーラジカル又は酸と反応して色調を変えるも
のが好ましく、ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷
化学社製)、オイルイエロー#101、オイルイエロー
#103、オイルピンク#312、オイルレッド、オイ
ルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#
603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オ
イルブラックT−505(以上、オリエント化学工業
(株)製)、パテントピュアブルー(住友三国化学社
製)、クリスタルバイオレット(CI42555)、メ
チルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレ
ット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイ
トグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI
52015)、ブリリアントブルー、メチルグリーン、
エリスリシンB、ベーシックフクシン、m−クレゾール
パープル、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニ
ルイミナフトキノン、シアノ−p−ジエチルアミノフェ
ニルアセトアニリド等に代表されるトリフェニルメタン
系、ジフェニルメタン系、オキサジン系、キサンテン
系、イミノナフトキノン系、アゾメチン系又はアントラ
キノン系の色素が有色から無色或いは異なる有色の色調
へ変化する例として挙げられる。
【0089】一方、無色から有色に変化する変色剤とし
ては、ロイコ色素及び、トリフェニルアミン、ジフェニ
ルアミン、o−クロロアニリン、1,2,3−トリフェ
ニルグアニジン、ナフチルアミン、ジアミノジフェニル
メタン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニルア
ミン、1,2−ジアニリノエチレン、p,p′,p″−
トリス−ジメチルアミノトリフェニルメタン、p,p′
−ビス−ジメチルアミノジフェニルメチルイミン、p,
p′,p″−トリアミノ−o−メチルトリフェニルメタ
ン、p,p′−ビス−ジメチルアミノジフェニル−4−
アニリノナフチルメタン、p,p′,p″−トリアミノ
トリフェニルメタンに代表される第1級又は第2級アリ
ールアミン系色素が挙げられる。好ましくはトリフェニ
ルメタン系、ジフェニルメタン系色素であり、更に好ま
しくはトリフェニルメタン系色素であり、特にビクトリ
アピュアブルーBOHである。これらの色素は感光性組
成物中に0.5〜10重量%程度、好ましくは1〜5重
量%で含有される。
【0090】感光性組成物中には、現像性を高めるため
に環状酸無水物類、フェノール類、有機酸類及び高級ア
ルコールを添加することができる。感光性組成物は、上
記各成分を溶解する、例えば特開昭62−251739
号に記載の様な溶媒に、2〜50重量%の固形分濃度
で、溶解、分散され、乾燥後の重量にして0.3〜4.
0g/m2で支持体上に塗布、乾燥される。感光性組成
物中には、ポジ型のものと同様に界面活性剤を添加する
ことができる。
【0091】請求項6又は7に係る発明において、酸発
生剤としては、各種の公知化合物及び混合物が挙げられ
る。例えばジアゾニウム、ホスホニウム、スルホニウ
ム、及びヨードニウムのBF4−、PF6−、SbF
6−、SiF6 2−、ClO4−などの塩、特開平4−42
158号に記載のアルキルオニウム塩、有機ハロゲン化
合物、オルトキノン−ジアジドスルホニルクロリド、及
び有機金属/有機ハロゲン化合物も活性光線の照射の際
に酸を形成又は分離する活性光線感光性成分であり、本
発明における酸発生剤として使用することができる。原
理的には遊離基形成性の光開始剤として知られるすべて
の有機ハロゲン化合物はハロゲン化水素酸を形成する化
合物であり、本発明における酸発生剤として使用するこ
とができる。
【0092】前記のハロゲン化水素酸を形成する化合物
の例としては米国特許第3,515,552号、同第
3,536,489号及び同第3,779,778号及
び西ドイツ国特許公開公報第2,243,621号に記
載されているものが挙げられ、又例えば西ドイツ国特許
公開公報第2,610,842号に記載の光分解により
酸を発生させる化合物も使用することができる。又、特
開昭50−36209号に記載されているo−ナフトキ
ノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニド、特開平7−
134410号の酸発生剤、具体的には紫外線で酸多量
体を生成するもので例えばオキシスルホニル基、オキシ
カルボニル基を2個有する化合物が挙げられ、又特開平
4−19666号の酸発生剤、具体的にはテトラキス−
1,2,4,5−(ポリハロメチル)ベンゼン、トリス
(ポリハロメチル)ベンゼン等のハロゲン化アリール、
又特開平6−342209号のシリルエーテル含有高分
子スルホニウム塩、ハロゲン化アルキルが、特開平9−
96900号及び特開平6−67433号のオキシムス
ルホネート化合物、特開平4−338757号のハロゲ
ン化スルホラン誘導体、特開平6−236024号、特
開平6−214391号、特開平6−214392号、
特開平7−244378号に記載のN−ヒドロキシイミ
ド化合物のスルホン酸エステル類、ジアゾ化合物又はジ
アゾ樹脂を用いることができる。本発明に用いられる酸
発生剤としては400nm以上の吸収がないものが好ま
しい請求項6又は7に係る発明に用いる酸発生剤として
有機ハロゲン化合物を用いることが赤外線露光による画
像形成での感度及び画像形成材料として用いた際の保存
性等の面から好ましい。該有機ハロゲン化合物として
は、ハロゲン置換アルキル基を有するトリアジン類及び
ハロゲン置換アルキル基を有するオキサジアゾール類が
好ましく、ハロゲン置換アルキル基を有するs−トリア
ジン類が特に好ましい。ハロゲン置換アルキル基を有す
るオキサジアゾール類の具体例としては、特開昭54−
74728号、特開昭55−24113号、特開昭55
−77742号、特開昭60−3626号及び特開昭6
0−138539号に記載の2−ハロメチル−1,3,
4−オキサジアゾール系化合物及び特開平4−4634
4号に記載のオキサジアゾール系化合物が挙げられる。
2−ハロメチル−1,3,4−オキサジアゾール系光酸
発生剤の好ましい化合物例を下記に挙げる。
【0093】請求項6又は7に係る発明において、赤外
線露光による画像形成での感度及び画像形成材料として
用いた際の保存性等の面から、酸発生剤として、有機ハ
ロゲン化合物及びジフェニルヨードニウム塩が好まし
い。該有機ハロゲン化合物としては、ハロゲン置換アル
キル基を有するs−トリアジン類が特に好ましい。ま
た、酸発生剤の最大吸収波長λmaxは200〜350
nmが好ましく、λmaxにおけるモル吸光係数εは1
万以上、特に2万以上が好ましい。
【0094】次に、オキサジアゾール系光酸発生剤の代
表的具体例を挙げる。
【0095】
【化10】
【0096】上記ハロゲン置換アルキル基を有するs−
トリアジン類としては、下記一般式(3)で表される化
合物が好ましい。
【0097】
【化11】
【0098】一般式(3)において、Rはアルキル基、
ハロゲン置換アルキル基、アルコキシ基で置換されてい
てもよいフェニルビニレン基又はアリール基(例えばフ
ェニル基、ナフチル基等)若しくはその置換体を表し、
3はハロゲン原子を表す。
【0099】一般式(3)で表されるs−トリアジン系
光酸発生剤の化合物例を次に示す。
【0100】
【化12】
【0101】
【化13】
【0102】s−トリアジン系酸発生剤は又特開平4−
44737号、特開平9−90633号、及び特開平4
−226454号に具体的に記載されているものも使用
できる。
【0103】請求項6又は7に係る発明において、酸発
生剤は、以下の1乃至3の何れか1つに該当することが
好ましい。
【0104】1.アルカリ可溶性部位を有する、2.ブ
ロモメチルアリールケトン誘導体である、3.トリクロ
ロアセチルアミノ基含有芳香族化合物である。
【0105】アルカリ可溶性部位を有するものとして
は、例えば以下の記載から選ばれる組み合わせよりなる
エステル、水酸基を2個以上有する化合物とアルキルス
ルホン酸、フェノール性水酸基を2個以上有する化合物
とアルキルスルホン酸、水酸基を2個以上有するアント
ラセン誘導体とスルホン酸を挙げることができる。
【0106】水酸基を2個以上有する化合物とアルキル
スルホン酸とのエステルからなる酸発生剤としては、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、グリセリ
ン、1,2,4−ブタントリオールなどのアルコール性
水酸基とアルキルスルホン酸とのエステルが挙げられ
る。このアルキルスルホン酸のアルキル基はCn2n+1
であり、n=1〜4の範囲にあるものが効果的である。
アルキル基中の水素の一部又は全部をフッ素或いは塩素
等の電気陰性度の大きなハロゲンで置換したものも有効
である。酸発生剤に用いるアルキルスルホン酸エステル
はアルコール性水酸基を2個以上含む化合物の水酸基の
全てをエステルにする必要はなく、水酸基を残しても良
い。そうすることにより、アルカリ水溶液に対する溶解
性を制御することができる。
【0107】フェノール性水酸基を2個以上有する化合
物とアルキルスルホン酸とのエステルからなる酸発生剤
としては、例えばカテコール、レゾルシン、ハイドロキ
ノン、ピロガロール、オキシハイドロキノン、フロログ
ルシン、トリヒドロベンゾフェノン、テトラヒドロベン
ゾフェノン、没食子酸エステルなどのフェノール性水酸
基とアルキルスルホン酸とのエステルが挙げられる。ア
ルキルスルホン酸のアルキル基は上記と同様である。酸
発生剤に用いるアルキルスルホン酸エステルはアルコー
ル性水酸基を2個以上含む化合物の水酸基の全てをエス
テルにする必要はなく、水酸基を残しても良い。そうす
ることにより、アルカリ水溶液に対する溶解性を制御す
ることができる。
【0108】水酸基を2個以上有するアントラセン誘導
体とスルホン酸とのエステルからなる酸発生剤として
は、例えばジヒドロキシアントラセン、トリヒドロキシ
アントラセン、テトラヒドロキシアントラセンの水酸基
とスルホン酸とのエステルが挙げられる。スルホン酸と
しては、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、
1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸が挙げられ
る。アルキルスルホン酸のアルキルは上記と同様であ
る。光酸発生剤に用いるスルホン酸エステルは水酸基を
2個以上含む化合物の水酸基の全てをエステルにする必
要はなく、水酸基を残しても良い。そうすることによ
り、アルカリ水溶液に対する溶解性を制御することがで
きる。
【0109】ブロモメチルアリールケトン誘導体として
は、ブロモメチルアリールケトン或いはジブロモメチル
アリールケトンが好ましい。例えば、2−ブロモアセチ
ルナフタレン、2−ブロモアセチル−6,7−ジメトキ
シナフタレン、2−ブロモアセチルナフタレン、2−ジ
ブロモアセチル−6,7−ジメトキシナフタレン、1−
ヒドロキシ−4−ブロモ−2−ブロモアセチルナフタレ
ン、1−ヒドロキシ−4−ブロモ−2−ジブロモアセチ
ルナフタレン、2−ヒドロキシ−1−ブロモアセチルナ
フタレン、1,4−ビス(ブロモアセチル)ベンゼン、
4,4′−ビス(ブロモアセチル)ビフェニル、1,
3,5−トリス(ブロモアセチル)ベンゼン、1,3,
5−トリス(ジブロモアセチル)ベンゼン等が挙げら
れ、これらを単独で或いは2種以上組み合わせて用いる
ことができる。
【0110】又トリクロロアセチルアミノ基含有芳香族
化合物としては、以下の構造を有するものが更に好まし
い。
【0111】
【化14】
【0112】式中、R1〜R5は水素、炭素数4以下のア
ルキル基又はアルコキシ基、ハロゲン原子、フェニルア
ミノ基、フェノキシ基、ベンジル基、ベンゾイル基、ア
セチル基、トリクロロアセチルアミノ基を表し、R1
5は同じであっても、異なっていても良い。具体的に
は、例えば4−フェノキシトリクロロアセトアニリド、
4−メトキシトリクロロアセトアニリド、2,3−ジメ
トキシトリクロロアセトアニリド、4−メトキシ−2−
クロロトリクロロアセトアニリド、3−アセチルトリク
ロロアセトアニリド、4−フェニルトリクロロアセトア
ニリド、2,3,4−トリフルオロトリクロロアセトア
ニリド、2,4,5−トリメチルトリクロロアセトアニ
リド、2,4,6−トリブロモトリクロロアセトアニリ
ド、2,4,6−トリメチルトリクロロアセトアニリ
ド、2,4−ジクロロトリクロロアセトアニリド、2,
4,−ジメトキシトリクロロアセトアニリド、2,5−
ジクロロトリクロロアセトアニリド、2,5−ジメトキ
シトリクロロアセトアニリド、2,6−ジメチルトリク
ロロアセトアニリド、2−エチルトリクロロアセトアニ
リド、2−フルオロトリクロロアセトアニリド、2−メ
チルトリクロロアセトアニリド、2−メチル−6−エチ
ルトリクロロアセトアニリド、2−フェノキシアセトア
ニリド、2−プロピルトリクロロアセトアニリド、3,
4−ジクロロトリクロロアセトアニリド、3,4−ジメ
トキシトリクロロアセトアニリド、3,4−ジメチルト
リクロロアセトアニリド、4−ブチルアセトアニリド、
4−エチルアセトアニリド、4−フルオロアセトアニリ
ド、4−ヨードアセトアニリド、4−プロピルアセトア
ニリド、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアセトア
ニリド、4−プロポキシアセトアニリド、4−アセチル
アセトアニリド等を挙げることができ、特にこれらは熱
安定性が高く、好適な光酸発生剤となりうる。
【0113】本発明において光酸発生剤は1種単独でも
或いは複数併用可能であり、その含有量は、その化学的
性質及び感光性組成物或いはその物性によって広範囲に
変えることができるが、感光性組成物の乾燥状態又は画
像形成材料とした際の感光層の固形分の全重量に対して
約0.1〜約20重量%の範囲が適当であり、好ましく
は0.2〜10重量%の範囲である。
【0114】請求項6に係る発明の酸分解性化合物とし
ては、特開昭48−89003号、同51−12071
4号、同53−133429号、同55−12995
号、同55−126236号、同56−17345号に
記載されているC−O−C結合を有する化合物、特開昭
60−37549号、同60−121446号に記載さ
れているSi−O−C結合を有する化合物、特開昭60
−3625号、同60−10247号に記載されている
その他の酸分解化合物を挙げることができ、更に特開昭
62−222246号に記載されているSi−N結合を
有する化合物、特開昭62−251743号に記載され
ている炭酸エステル、特開昭62−280841号に記
載されているオルトチタン酸エステル、特開昭62−2
80842号に記載されているオルトケイ酸エステル、
特開昭63−10153号に記載されているアセタール
及びケタール、特開昭62−244038号に記載され
ているC−S結合を有する化合物、同63−23144
2号の−O−C(=O)−結合を有する化合物などを用
いることができる。
【0115】上記のうち、アセタール類及びシリルエー
テル類が好ましい。
【0116】また、酸分解性化合物としては、酸の作用
で分解した後、エチレングリコール成分又はプロピレン
グリコール成分を含むジオール化合物を生成する化合物
が好ましい。このようなジオール化合物の例としては、
一般式 −(CH2−CH2−O)n−又は−(CH2−C
2(CH3)−O)m−で示される成分を含むものが好
ましい。ここでn又はmは1〜5の範囲が好ましい。ま
た−(CH2−CH2−O)n−(CH2−CH2(CH3
−O)m−で示される共重合成分を含むものも好まし
い。これらジオール化合物の例としては、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコー
ル、テトラプロピレングリコール、ペンタプロピレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリ−エチレン
グリコール−プロピレングリコール共重合体が挙げられ
る。感度及び現像安定性からエチレングリコール及びジ
エチレングリコールが特に好ましい。更に、これらジオ
ール成分を含むアセタール類又はシリルエーテル類が特
に好ましく、これは一般式(4)に示される重縮合化合
物である。
【0117】一般式(4) R1−(XR23−O−R4n−(XR56−O−R7
O)m−R8 一般式(4)において、nは1以上の整数、mは0を含
む整数を示す。XはC原子又はSi原子を示し、R4
エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基を示し、請求
項1で限定したエチレングリコール成分又はプロピレン
グリコール成分を含むジオール化合物に対応する。
2,R5は水素原子、アルキル基又はアリール基を、R
3,R6はアルキル基、アリール基を示し、R2とR3又は
5とR6はそれぞれ結合して置換又は不置換の環を形成
してもよい。R7はアルキレン基を示す。R1は水素原
子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アルキレ
ンオキシ基、ハロゲン原子を、R8は水素原子又は−X
231又は−XR561を示す。
【0118】アセタール類はアルデヒド、ケトン類のジ
メチルアセタール又はジエチルアセタールと、前記のジ
オール化合物との縮合により合成するのが収率の点で好
ましい。このようなアルデヒド類としては、アセトアル
デヒド、クロラル、エトキシアセトアルデヒド、ベンジ
ルオキシアセトアルデヒド、フェニルアセトアルデヒ
ド、ジフェニルアセトアルデヒド、フェノキシアセトア
ルデヒド、プロピオンアルデヒド、2−フェニル及び3
−フェニルアルデヒド、イソブトキシビバリンアルデヒ
ド、ベンジルオキシビバリンアルデヒド、3−エトキシ
プロパナール、3−シアノ−プロパナール、n−ブタナ
ール、イソブタナール、3−クロル−ブタナール、3−
メトキシ−ブタナール、2,2−ジメチル−4−シアノ
−ブタナール、2−及び3−エチルブタナール、n−ペ
ンタナール、2−及び3−メチル−ペンタナール、2−
ブロム−3−メチル−ペンタナール、n−ヘキサナー
ル、シクロペンタンカルバアルデヒド、n−ヘプタナー
ル、シクロヘキサンカルバルデヒド、1,2,3,6−
テトラヒドロ−ベンズアルデヒド、3−エチルペンタナ
ール、3−及び4−メチル−ヘキサナール、n−オクタ
ナール、2−及び4−エチル−ヘキサナール、3,5,
5−トリメチルヘキサナール、4−メチルヘプタナー
ル、3−エチル−n−ヘプタナール、デカナール、ドデ
カナール、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒド、2
−,3−及び4−ブロモベンズアルデヒド、2,4−及
び3,4−クロル−ベンズアルデヒド、4−メトキシ−
ベンズアルデヒド、2,3−及び2,4−ジメトキシ−
ベンズアルデヒド、2−,3−及び4−フルオロ−ベン
ズアルデヒド、2,3−及び4−メチルベンズアルデヒ
ド、4−イソプロピル−ベンズアルデヒド、3−及び4
−テトラフルオロエトキシ−ベンズアルデヒド、1−及
び2−ナフトアルデヒド、フルフラール、チオフェン−
2−アルデヒド、テレフタルアルデヒド、ピペロナー
ル、2−ピリジンカルバルデヒド、p−ヒドロキシ−ベ
ンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシ−ベンズアルデ
ヒド、5−メチル−フルアルデヒド、バニリン等が挙げ
られる。またケトン類としてはフェニルアセトン、1,
3−ジフェニルアセトン、2,2−ジフェニルアセト
ン、クロル−及びブロモ−アセトン、ベンジルアセト
ン、メチルエチルケトン、ベンジル−プロピルケトン、
エチルベンジルケトン、ベンジルメチルケトン、イソブ
チルケトン、5−メチル−ヘキサン−2−オン、2−メ
チル−ペンタン−2−オン、2−メチル−ペンタン−3
−オン、ヘキサン−2−オン、ペンタン−3−オン、2
−メチル−ブタン−3−オン、2,2−ジメチル−ブタ
ン−3−オン、5−メチル−ヘプタン−3−オン、オク
タン−2−オン、オクタン−3−オン、オクタン−3−
オン、ノナン−2−オン、ノナン−3−オン、ノナン−
5−オン、ヘプタン−2−オン、ヘプタン−3−オン、
ヘプタン−4−オン、ウンデカン−2−オン、ウンデカ
ン−4−オン、ウンデカン−5−オン、ウンデカン−6
−オン、ドデカン−2−オン、ドデカン−3−オン、ト
リデカン−2−オン、トリデカン−3−オン、トリデカ
ン−7−オン、ジノニルケトン、ジオクチルケトン、2
−メチル−オクタン−3−オン、シクロプロピルメチル
ケトン、デカン−2−オン、デカン−3−オン、デカン
−4−オン、メチル−α−ナフチル−ケトン、ジデシル
ケトン、ジヘプチルケトン、ジヘキシルケトン、アセト
フェノン、4−メトキシ−アセトフェノン、4−クロル
−アセトフェノン、2,4−ジメチル−アセトフェノ
ン、2−,3−及び4−フルオロアセトフェノン、2
−,3−及び4−メチルアセトフェノン、2−,3−及
び4−メトキシアセトフェノン、プロピオフェノン、4
−メトキシ−プロピオフェノン、ブチロフェノン、バレ
ロフェノン、ベンゾフェノン、3,4−ジヒドロキシベ
ンゾフェノン、2,5−ジメトキシベンゾフェノン、
3,4−ジメトキシベンゾフェノン、3,4−ジメチル
ベンゾフェノン、シクロヘキサノン、2−フェニル−シ
クロヘキサノン、2−,3−及び4−メチル−シクロヘ
キサノン、4−t−ブチル−シクロヘキサノン、2,6
−ジメチルシクロヘキサノン、2−クロルシクロヘキサ
ノン、シクロペンタノン、シクロヘプタノン、シクロオ
クタノン、シクロノナノン、2−シクロヘキセン−1オ
ン、シクロヘキシルプロパノン、フラバノン、シクロヘ
キサン−1,4−ジオン、シクロヘキサン−1,3−ジ
オントロポン、イソホロン等が挙げられる。
【0119】特に好ましいのは25℃における水への溶
解性が1〜100g/lであるアルデヒド又はケトン成
分である。1g/l未満では連続処理でスラッジが発生
しやすく、100g/lより大きいと形成された画像の
解像力が低下する傾向がある。具体例としては、ベンズ
アルデヒド、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、3,4
−ジヒドロキシベンズアルデヒド、2−ピリジンカルバ
ルデヒド、ピペロナール、フルアルデヒド、テレフタル
アルデヒド、5−メチル−2−フルアルデヒド、フェノ
キシアセトアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、シ
クロヘキサンカルバルデヒド、バニリン、シクロヘキサ
ノン、シクロヘキセン−1オン、イソブチルアルデヒ
ド、ペンタナール等が挙げられる。これらの中で連続処
理に際し、シクロヘキサノンが最も安定であり好まし
い。
【0120】シリルエーテル類はシリル化合物と前記の
ジオール化合物との縮合により合成される。シリル化合
物の具体例としてはジクロルジメチルシラン、ジクロル
ジエチルシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ジフ
ェニルジクロロシラン、メチルベンジルジクロロシラン
等が挙げられる。酸の作用で分解して生成するシリル化
合物の25℃における水への溶解性が1〜100g/l
であるシリルエーテル類が好ましい。
【0121】アセタール類、シリルエーテル類とも前記
のジオール化合物以外に他のアルコール成分を共縮合さ
せてもよい。このアルコール成分の具体例としてはメタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノ
ール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シク
ロヘキサノール、ベンジルアルコールなどの置換又は無
置換のモノアルキルアルコール類、エチレングリコール
モノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエ
ーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジ
エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノフェニルエーテルなどのグリコールエーテル系アルコ
ール類、置換又は無置換のポリエチレングリコールアル
キルエーテル類やポリエチレングリコールフェニルエー
テル類が挙げられる。また、2価アルコールとして、例
えば、ペンタン−1,5−ジオール、n−ヘキサン−
1,6−ジオール、2−エチルヘキサン−1,6−ジオ
ール、2,3−ジメチル−ヘキサン−1,6−ジオー
ル、ヘプタン−1,7−ジオール、シクロヘキサン−
1,4−ジオール、ノナン−1,7−ジオール、ノナン
−1,9−ジオール、3,6−ジメチル−ノナン−1,
9−ジオール、デカン−1,10−ジオール、ドデカン
−1,12−ジオール、1,4−ビス−(ヒドロキシメ
チル)−シクロヘキサン、2−エチル−1,4−ビス−
(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサン、2−メチル−
シクロヘキサン−1,4−ジエタノール、2−メチル−
シクロヘキサン−1,4−ジプロパノール、チオ−ジプ
ロピレングリコール、3−メチルペンタン−1,5−ジ
オール、ジブチレン−グリコール、4,8−ビス−(ヒ
ドロキシメチル)−トリシクロデカン、2−ブテン−
1,4−ジオール、p−キシリレングリコール、2,5
−ジメチル−ヘキス−3−イン−2,5−ジオール、ビ
ス−(2−ヒドロキシエチル)−スルファイド、2,
2,4,4,−テトラメチルシクロブタン−1,3−ジ
オール等が挙げられる。この態様の場合、請求項1で限
定されたジオール化合物と他のアルコール成分とのモル
比は70/30〜100/0が好ましく、85/15〜
100/0がより好ましい。
【0122】前記したジオール成分を含むアセタール類
又はシリルエーテル類の好ましい分子量範囲は、GPC
のポリスチレン換算により測定された重量平均分子量M
wが500〜10000、好ましくは1000〜300
0である。
【0123】請求項6に係る発明において、酸分解性化
合物の感光性組成物の層中における好ましい含有量は5
〜50%、更に好ましくは10〜30%である。これ以
上では感度が低下し、これ以下では画像形成能力が低下
する。
【0124】請求項6又は7に係る発明に用いられる赤
外線吸収剤としては、波長700以上1500nm以下
の光を吸収する化合物を用いる。例えば波長700nm
以上に吸収を持つ赤外吸収色素、カーボンブラック、磁
性粉等を使用することが好ましい。特に好ましい赤外線
吸収色素は700以上1200nm以下に最大吸収を有
し、ピークでのモル吸光係数εが105以上の色素であ
る。
【0125】上記赤外線吸収色素としては、シアニン系
色素、スクアリウム系色素、クロコニウム系色素、アズ
レニウム系色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシア
ニン系色素、ポリメチン系色素、ナフトキノン系色素、
チオピリリウム系色素、ジチオール金属錯体系色素、ア
ントラキノン系色素、インドアニリン金属錯体系色素、
分子間CT色素等が挙げられる。上記赤外線吸収色素と
しては、特開昭63−139191号、同64−335
47号、特開平1−160683号、同1−28075
0号、同1−293342号、同2−2074号、同3
−26593号、同3−30991号、同3−3489
1号、同3−36093号、同3−36094号、同3
−36095号、同3−42281号、同3−1034
76号等に記載の化合物が挙げられる。
【0126】請求項6又は7に係る発明において、赤外
線吸収剤として、下記一般式(5)又は(6)で表され
るシアニン系色素が特に好ましい。
【0127】
【化15】
【0128】一般式(5)及び(6)において、Z1
びZ2は各々硫黄原子、セレン原子又は酸素原子を表
し、X1及びX2は各々置換基を有していてもよいベンゾ
縮合環又はナフト縮合環を形成するのに必要な非金属原
子群を表し、R3及びR4は各々置換基を表し、R3及び
4のどちらか一方はアニオン性解離性基を有する。
5、R6、R7及びR8は各々炭素原子数1〜3のアルキ
ル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。Lは炭素原子
数5〜13の共役結合の連鎖を表す。
【0129】一般式(5)又は(6)で表されるシアニ
ン系色素は、カチオンを形成し、対アニオンを有するも
のを包含する。この場合、対アニオンとしては、C
-、Br-、ClO4 -、BF4 -、t−ブチルトリフェニ
ルホウ素等のアルキルホウ素等が挙げられる。
【0130】一般式(5)又は(6)において、Lで表
される共役結合の連鎖の炭素原子数(n)は、画像露光
の光源として赤外線を放射するレーザーが使用される場
合、該レーザーの発信波長に合わせて有効な値を選択す
ることが好ましい。例えば、発信波長1060nmのY
AGレーザーを使用する場合は、nは9〜13が好まし
い。又、この共役結合部分は任意の置換基を有すること
ができ、又共役結合部分は複数の置換基により環を形成
させてもよい。又、X1で表される環及びX2で表される
環には任意の置換基を有することができる。該置換基と
してハロゲン原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭
素原子数1〜5のアルコキシ基、−SO3M及び−CO
OM(Mは水素原子又はアルカリ金属原子)から選ばれ
る基が好ましい。R3及びR4は各々任意の置換基である
が、好ましくは炭素原子数1〜5のアルキル基若しくは
炭素原子数1〜5のアルコキシ基;−((CH2)n−
O−)k−(CH2)mOR(n及びmは各々1〜3の
整数、kは0又は1、Rは炭素原子数1〜5のアルキル
基を表す。);R3及びR4の一方が−R−SO3Mで他
方が−R−SO3−(Rは炭素原子数1〜5のアルキル
基、Mはアルカリ金属原子を表す);又はR3及びR4
一方が−R−COOMで他方が−R−COO−(Rは炭
素原子数1〜5のアルキル基、Mはアルカリ金属原子を
表す。)である。R3及びR4は、感度及び現像性の点か
ら、R3及びR4の一方が上記−R−SO3 -又は−R−C
OO-、他方が上記−R−SO3M又は−R−COOMで
あることが好ましい。
【0131】赤外線吸収色素は、画像露光の光源として
半導体レーザーを使用する場合は750〜900nm、
YAGレーザーを使用する場合は900〜1200nm
において吸収ピークを示し、ε>1×105のモル吸光
係数を有するものが好ましい。また両系統に属する色素
をそれぞれ1種以上併用してもよい。
【0132】請求項6又は7に係る発明に好ましく用い
られる赤外線吸収剤の代表的具体例を以下に挙げるが、
これらに限定されるものではない。
【0133】
【化16】
【0134】
【化17】
【0135】
【化18】
【0136】
【化19】
【0137】
【化20】
【0138】
【化21】
【0139】
【化22】
【0140】
【化23】
【0141】
【化24】
【0142】
【化25】
【0143】
【化26】
【0144】
【化27】
【0145】
【化28】
【0146】
【化29】
【0147】これらの色素は公知の方法によって合成す
ることができるが、下記のような市販品を用いることも
できる。
【0148】日本化薬:IR750(アントラキノン
系);IR002,IR003(アルミニウム系);I
R820(ポリメチン系);IRG022,IRG03
3(ジインモニウム系);CY−2,CY−4,CY−
9,CY−20、三井東圧:KIR103,SIR10
3(フタロシアニン系);KIR101,SIR114
(アントラキノン系);PA1001,PA1005,
PA1006,SIR128(金属錯体系)、大日本イ
ンキ化学:Fastogen blue8120、みど
り化学:MIR−101,1011,1021等。その
他、日本感光色素、住友化学、富士写真フイルム等の各
社からも市販されている。
【0149】本発明において、赤外線吸収剤の添加量
は、0.5〜10重量%の範囲が好ましい。該添加量が
10重量%を越えると非画像部(露光部)の現像性が低
下し、0.5重量%未満では感度が低下する。
【0150】請求項6に係る発明の感光性組成物は、顔
料を有することにより、平版印刷版として用いた際の耐
刷性を顕著に改善し得る。顔料としては、公知の有機及
び無機の顔料が挙げられるが、これらは朝倉書店の「色
材工学ハンドブック」や誠文堂新光社の「顔料便覧」に
記載の顔料が特に制限なく使用できる。又、現像後の可
視画性を得るには該顔料が有色であることが好ましく、
高濃度が得られることが更に好ましい。その点では、該
顔料がフタロシアニン又はカーボンブラックから選ばれ
るのが耐刷性の向上のみならず、現像後の可視画性を得
るのに好適である。
【0151】請求項7に係る発明において、光酸発生剤
として、前記請求項6における光酸発生剤を用いること
ができる。
【0152】請求項7に係る発明において、酸で不溶化
する化合物としては、シラノール化合物、カルボン
酸又はカルボン酸誘導体を含む化合物及びヒドロキシル
基を有する化合物、カチオン性の二重結合を有する化
合物、芳香族基を有する二級又は三級アルコール、
メチロール基、アルコキシメチル基又はアセトキシメチ
ル基を有する芳香環を分子中に有するアルカリ可溶性ポ
リマー、アミノプラスト、後記一般式(A)で表さ
れる化合物、脂環式アルコール及び/又は複素環式ア
ルコールを用いることができる。
【0153】シラノール化合物は、シリコン原子1個
当たり、シリコン原子に結合したヒドロキシル基を平均
して1個以上有するものである。ここに平均とは、例え
ば化合物中にヒドロキシル基が結合していないシリコン
原子が1個あっても、ヒドロキシル基が2個結合してい
るシリコン原子が1個あれば同様な効果が得られること
である。このようなシラノール化合物として、例えば、
ジフェニルシランジオール、トリフェニルシラノール、
シス−(1,3,5,7−テトラヒドロキシ)−1,
3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン等
を用いることができる。
【0154】シラノール化合物の量は、5〜70重量%
の範囲であることが好ましい。
【0155】カルボン酸又はカルボン酸誘導体として
はケイ皮酸、安息香酸、トリル酢酸、トルイル酸、イソ
フタル酸等の芳香族カルボン酸、イソフタル酸ジメチ
ル、イソフタル酸ジ−t−ブチル等の芳香族エステル、
無水グルタル酸、無水コハク酸、無水安息香酸等の酸無
水物、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−
メタクリル酸共重合体等の共重合体が挙げられる。
【0156】ヒドロキシル基を有する化合物としては、
グリセリン等の多価アルコール、ポリp−ヒドロキシス
チレン、p−ヒドロキシスチレン・スチレン共重合体、
ノボラック樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
【0157】カルボン酸又はその誘導体とヒドロキシル
基を有する化合物との組成比は当量比で1:30〜30
〜1の範囲であることが好ましい。
【0158】ヒドロキシル基を有する化合物及びカルボ
ン酸又はその誘導体の一方が高分子化合物である場合が
ある。ヒドロキシル基を有する化合物が高分子化合物で
あるとき、この高分子化合物100に対しカルボン酸又
はその誘導体を重量比で1〜50の範囲の量を用いるこ
とが好ましい。またカルボン酸又はその誘導体が高分子
化合物であるとき、この高分子化合物100に対しヒド
ロキシル基を有する化合物を重量比で1〜20の範囲の
量を用いることが好ましい。
【0159】塗膜形成性の点から、カルボン酸及びヒド
ロキシル基を有する化合物の少なくともどちらかが高分
子化合物であることが好ましい。しかし、両者が低分子
であっても、高分子化合物を混合する等の方法で、塗膜
形成を可能とすればよい。該高分子化合物としては、前
記請求項1におけるアルカリ可溶性ポリマーが好ましい
ものとして挙げられる。
【0160】また、ヒドロキシル基を有する化合物とカ
ルボン酸又はカルボン酸誘導体の両方を同時に有する高
分子化合物を用いることができる。この高分子化合物と
してはヒドロキシル基を有するp−ヒドロキシスチレン
とカルボン酸又はカルボン酸誘導体であるメタクリル酸
メチル等のメタクリル酸エステル、アクリル酸メチル等
のアクリル酸エステル、無水マレイン酸、メタクリル
酸、アクリル酸等のモノマーの共重合体を用いることが
できる。
【0161】これらの高分子化合物の重量平均分子量
は、1000から50000の範囲内であることが望ま
しい。分子量が1000未満であると十分な耐熱性や塗
布特性が得られない。また分子量が50000を越える
とアルカリ水溶液への溶解性が十分でなく、膨潤による
パターンの変形が認められるので高解像性が得られな
い。
【0162】カルボン酸又はその誘導体、及びヒドロキ
シル基を有する化合物の量は、5〜50重量%の範囲で
あることが好ましい。
【0163】カチオン重合性の二重結合を有する化合
物としてはp−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソ
プロペニルベンゼン、ジフェニルエチレン、インデノ
ン、アセナフテン、2−ノルボルネン、2,5−ノルボ
ルナジエン、2,3−ベンゾフラン、インドール、5−
メトキシインドール、5−メトキシ−2−メチルインド
ール、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカルバ
ゾールで表される群から選ばれた少なくとも一種類の化
合物を挙げることができる。
【0164】カチオン性二重結合を有する化合物の量
は、5〜50重量%の範囲であることが好ましい。
【0165】芳香族基を有する2級又は3級アルコー
ルとしては、例えばビフェニル誘導体、ナフタレン誘導
体及びトリフェニル誘導体が挙げられ、具体的には、下
記一般式(7)〜(10)で表される化合物が挙げられ
る。
【0166】
【化30】
【0167】一般式(7)〜(10)において、R1
びR2は、同一でも異なっていてもよく、各々水素原
子、メチル基又はエチル基を表し、Xは水素原子、ハロ
ゲン原子、メチル基又はメトキシ基を表し、Yは、−S
2−、−CH2−、−S−、−C(CH32−を表し、
nは1又は2を表す。
【0168】具体的化合物としては、例えば、4,4′
−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、
3,3′−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェ
ニル、2,4,2′,4′−テトラ(α−ヒドロキシイ
ソプロピル)ビフェニル、3,5,3′,5′−テトラ
(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル、4,4′
−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニルスル
ホン、3,3′−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)
ビフェニルスルホン、4,4′−ビス(α−ヒドロキシ
イソプロピル)ビフェニルメタン、3,3′−ビス(α
−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニルメタン、4,
4′−ビス(α−ヒドロキシイソプロピル)ビフェニル
スルフィド、3,3′−ビス(α−ヒドロキシイソプロ
ピル)ビフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−α−
ヒドロキシイソプロピルフェニル)プロパン、2,2−
ビス(3−α−ヒドロキシイソプロピルフェニル)プロ
パンなどがある。ナフタレン誘導体は1,5−ビス(1
−ヒドロキシプロピル)ナフタレン、2,6−ビス(α
−ヒドロキシプロピル)ナフタレンなどがある。トリフ
ェニル誘導体はトリス(4−α−ヒドロキシイソプロピ
ルフェニル)メタン、トリス(3−α−ヒドロキシイソ
プロピルフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−
α−ヒドロキシイソプロピルフェニル)エタン、1,
1,1−トリス(3−α−ヒドロキシイソプロピルフェ
ニル)エタンなどがある。
【0169】芳香族基を有する2級又は3級アルコール
として、下記一般式(11)〜(13)で表される化合
物を挙げることができる。
【0170】
【化31】
【0171】一般式(11)において、R1及びR2は同
一でも異なっていてもよく、各々水素原子、ハロゲン原
子又はメトキシ基を表し、R3は水素原子、フェニル基
又はシクロプロピル基を表す。
【0172】一般式(12)において、R4及びR5は同
一でも異なっていてもよく、各々水素原子又はフェニル
基を表す。
【0173】一般式(13)において、Aは炭素数4以
下のアルキル基又はメチロール基を表す。
【0174】芳香環に直接結合した炭素にヒドロキシル
基を有する2級又は3級アルコールには、フェニルメタ
ノール誘導体、芳香環を有する脂環式アルコール等があ
る。
【0175】このフェニルメタノール誘導体としては、
例えばジフェニルメタノール、4,4′−ジフルオロジ
フェニルメタノール、4,4′−ジクロロ−ジフェニル
メタノール、4,4′−ジメチル−ジフェニルメタノー
ル、4,4′−ジメトキシジフェニルメタノール、トリ
フェニルメタノール、α−(4−ピリジル)−ベンズヒ
ドロール、ベンジルフェニルメタノール、1,1−ジフ
ェニルエタノール、シクロプロピルジフェニルメタノー
ル、1−フェニルエチルアルコール、2−フェニル−2
−プロパノール、2−フェニル−2−ブタノール、1−
フェニル−1−ブタノール、2−フェニル−3−ブチン
−2−オール、1−フェニル−1−プロパノール、1,
2−ジフェニルエチレングリコール、テトラフェニルエ
チレングリコール、2,3−ジフェニル−2,3−ブタ
ンジオール、α−ナフトールベンゼイン、α,α′−ジ
ヒドロキシ−p−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−
ジヒドロキシ−m−ジイソプロピルベンゼン等が挙げら
れる。
【0176】また、芳香環を有する脂環式アルコールと
しては、1−インダノール、2−ブロモインダノール、
クロマノール、9−フルオレノール、9−ヒドロキシ−
3−フルオレン、9−ヒドロキシキサンテン、1−アセ
ナフテノール、9−ヒドロキシ−3−ニトロフルオレ
ン、チオクロマン−4−オール、9−フェニルキサンテ
ン−9−オール、1,5−ジヒドロキシ−1,2,3,
4−テトラヒドロナフタレン、ジベンゾスベレノール、
ジベンゾスベロール等が挙げられる。
【0177】更に、上記の他に、2級又は3級アルコー
ルとして1−(9−アンスリル)エタノール、2,2,
2−トリフルオロ−1−(9−アンスリル)エタノー
ル、1−ナフチルエタノール等が挙げられる。
【0178】メチロール基、アルコキシメチル基又は
アセトキシメチル基を有する芳香環を分子中に有するア
ルカリ可溶性ポリマーとしては、下記一般式(14)で
表される化合物の芳香環上の水素原子を1又は2除いた
基を分子中に有するポリマーが挙げられる。
【0179】
【化32】
【0180】一般式(14)において、Xはメチロール
基、炭素数1〜5のアルコキシメチル基又はアセトキシ
メチル基を表す。Yはアルキル基、ヒドロキシル基、ハ
ロゲン原子、水素原子又はアルコキシ基を表す。
【0181】更に、請求項5に係る発明の感光層に含有
させるアルカリ可溶性ポリマーとしては、下記一般式
(15)又は(16)で表される繰り返し単位を有する
高分子化合物が好ましい。
【0182】
【化33】
【0183】一般式(15)及び(16)において、R
1はアルキル基、水素原子、ハロゲン原子又はシアノ基
を表し、Lは単結合、−O−、−O−CO−、−CON
3−、−CONR3CO−、−CONR3SO2−、−N
3−、−NR3CO−、−NR3SO2−、−SO2−、
−SO2NR3−又は−SO2NR3CO−(R3は水素原
子、アルキル基、アラルキル基又は芳香環基を表す)を
表す。X及びYは一般式(12)のX及びYと同義であ
る。
【0184】上記一般式(15)又は(16)で表され
る繰り返し単位は、ビニルベンジルアルコール、α−メ
チルビニルベンジルアルコール、ビニルベンジルアセテ
ート、α−メチルビニルベンジルアセテート、p−メト
キシスチレン、4−メチロールフェニルメタクリルアミ
ド等のモノマーと共重合させるのが好ましい。
【0185】アミノプラストとしては、下記一般式
(17)で表される化合物が好ましい。
【0186】
【化34】
【0187】一般式(17)において、Zは−NRR′
又はフェニル基を表す。R、R′、R10〜R13は各々水
素原子、−CH2OH、−CH2ORa又は−CO−ORa
を表す。Raはアルキル基を表す。
【0188】一般式(17)で表されるメラミン又はベ
ンゾグアナミンは市販品として容易に入手でき、またそ
れらのメチロール体はメラミン又はベンソグアナミンと
ホルマリンとの縮合によって得られる。また、エーテル
類はメチロール体を公知の方法により各種アルコールで
変性することにより得られる。一般式(17)のRa
示されるアルキル基としては、直鎖又は分岐していても
よい炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
【0189】一般式(17)で表される化合物の具体例
としては下記等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0190】
【化35】
【0191】
【化36】
【0192】アミノプラストとして、下記一般式(1
8)で表される化合物、下記一般式(19)で表される
ような結合を介して複数のトリアジン核が結合したメラ
ミン樹脂、及び下記一般式(20)又は(21)で表さ
れる化合物も使用することができる。
【0193】
【化37】
【0194】一般式(18)〜(21)において、Rは
水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
【0195】一般式(A)
【0196】
【化38】
【0197】一般式(A)において、Rは水素原子、炭
素数3以下のアルキル基、アリール基又はトリル基を表
し、R1、R2、R3及びR4は各々、水素原子、炭素数3
以下のアルキル基又は炭素数3以下のアルコキシ基を表
す。
【0198】上記一般式(A)で表される化合物とし
て、o−アセチル安息香酸、o−アルデヒド安息香酸、
o−ベンゾイル安息香酸、o−トルオイル安息香酸、o
−アセトキシ安息香酸を用いることが望ましい。
【0199】感光性組成物の層中の一般式(A)で表さ
れる化合物の含有量は5〜50重量%の範囲が適当であ
り、好ましくは10〜30重量%である。
【0200】脂環式アルコールとしては、例えば、2
−アダマンタノール、2−メチル−2−アダマンタノー
ル、2−エチル−2−アダマンタノール、2−プロピル
−2−アダマンタノール、2−ブチル−2−アダマンタ
ノール、exo−ノルボルネオール、endo−ノルボ
ルネオール、ボルネオール、DL−イソボルネオール、
テルピネン−4−オール、S−シス−ベルベノール、イ
ソピノカンフェノール、ピナンジオール等が挙げられ
る。
【0201】複素環式アルコールとしては、例えば1,
4−ジオキサン−2,3−ジオール、5−メチル−1,
4−ジオキサン−2,3−ジオール、5,6−ジメチル
−1,4−ジオキサン−2,3−ジオール、DL−ex
o−ヒドロキシトロピノン、4−ヒドロキシ−4−フェ
ニルピペリジン、3−キヌシリジノール、4−クロマノ
ール、チオクロマン−4−オール、DL−マバロン酸ラ
クトン等が挙げられる。複素環式アルコールは、複素環
にO又はSを含むものが好ましい。
【0202】脂環式アルコール、複素環式アルコールの
他に、更に2級又は3級アルコールを加えて用いてもよ
い。
【0203】感光性組成物の層中の脂環式又は複素環式
アルコールの含有量は5〜50重量%が適当であり、好
ましくは10〜30重量%である。
【0204】請求項6又は7に係る発明において、感光
性組成物には、上記成分以外に、アルカリ水に可溶な樹
脂を結合剤(バインダー)として共に使用することが好
ましい。具体的には、フェノールホルムアルデヒド樹
脂、o−,m−及びp−クレゾールホルムアルデヒド樹
脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、
フェノール/クレゾール(o−,m−,p−,m−/p
−及びo−/m−混合の何れでもよい)混合ホルムアル
デヒド樹脂等のノボラック樹脂や、フェノール変性キシ
レン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリハロゲン化ヒ
ドロキシスチレン、特開昭51−34711号に記載の
フェノール性水酸基を含有するアクリル系樹脂等が挙げ
られる。
【0205】その他の好適なバインダーとして以下に示
すモノマーをその構成単位とする分子量1万〜20万の
共重合体を挙げることができる。
【0206】(1)芳香族水酸基を有するアクリルアミ
ド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル類、メ
タクリル酸エステル類、ヒドロキシスチレン類;N−
(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4
−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−,m−
又はp−ヒドロキシスチレン、o−,m−又はp−ヒド
ロキシフェニルアクリレート又はメタクリレート等 (2)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類及び
メタクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチルアクリ
レート又はメタクリレート等 (3)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、メ
タコン酸等の不飽和カルボン酸 (4)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸オクチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジ
ル、アクリル酸−2−クロロエチル、アクリル酸−4−
ヒドロキシブチル、グリシジルアクリレート、N−ジメ
チルアミノエチルアクリレート等の(置換)アクリル酸
エステル (5)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロ
エチル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチル、グリシ
ジルメタクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタク
リレート等の(置換)メタクリル酸エステル (6)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミ
ド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリル
アミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N−ヘキシルメ
タクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、
N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N−ヒドロキシ
エチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリル
アミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメ
タクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ベ
ンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリル
アミド、N−ニトロフェニルメタクリルアミド、N−エ
チル−N−フェニルアクリルアミド、N−エチル−N−
フェニルメタクリルアミド等のアクリルアミド又はメタ
クリルアミド (7)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニル
エーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニ
ルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル類 (8)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビ
ニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類 (9)スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレ
ン等のスチレン類 (10)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プ
ロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニル
ケトン類 (11)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジ
エン、イソプレン等のオレフィン類 (12)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾー
ル、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等 (13)N−(o−アミノスルホニルフェニル)アクリ
ルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)アク
リルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)ア
クリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナ
フチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノスルホニル
エチル)アクリルアミド等のアクリルアミド類;N−
(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、
N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミ
ド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリル
アミド、N−〔1−(3−アミノスルホニル)ナフチ
ル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノスルホニルエ
チル)メタクリルアミド等のメタクリルアミド類;o−
アミノスルホニルフェニルアクリレート、m−アミノス
ルホニルフェニルアクリレート、p−アミノスルホニル
フェニルアクリレート、1−(3−アミノスルホニルフ
ェニルナフチル)アクリレート等のアクリル酸エステル
類、等の不飽和スルホンアミド;o−アミノスルホニル
フェニルメタクリレート、m−アミノスルホニルフェニ
ルメタクリレート、p−アミノスルホニルフェニルメタ
クリレート、1−(3−アミノスルホニルフェニルナフ
チル)メタクリレート等のメタクリル酸エステル類、等
の不飽和スルホンアミド。
【0207】又、上記モノマーの共重合によって得られ
る共重合体を、グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート等によって修飾したものも含まれる。
【0208】これらの共重合体には(3)に掲げた不飽
和カルボン酸を含有することが好ましく、その共重合体
の好ましい酸価は0〜10meq/g、更には0.2〜
5.0meq/gである。これらの共重合体の好ましい
分子量は1万〜10万である。又、これらの共重合体に
必要に応じてポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン
樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂を添加してもよ
い。
【0209】バインダーは感光性組成物の80重量%以
下で用いられる。
【0210】請求項6又は7に係る発明の感光性組成物
の層には、更に、米国特許第4,123,279号に記
載の如く、t−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹
脂、オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂の様な炭
素数3〜8のアルキル基を置換基として有するフェノー
ルとホルムアルデヒドとの縮合物を併用することは画像
の感脂性を向上させることから好ましい。また、感光性
組成物中には、感度を高めるために環状酸無水物類、フ
ェノール類、有機酸類を添加することが好ましい。
【0211】環状無水物としては米国特許第4,11
5,128号に記載の無水フタル酸、テトラヒドロ無水
フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンド
オキシ−Δ4−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロ
ル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン
酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水琥珀酸、無水ピ
ロメリット酸等を用いることができる。
【0212】フェノール類としては、ビスフェノール
A、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、
2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,
3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキ
シベンゾフェノン、4,4′,4″−トリヒドロキシ−
トリフェニルメタン、4,4′,3″,4″−テトラヒ
ドロキシ−3,5,3′,5′−テトラメチルトリフェ
ニルメタン等が挙げられる。
【0213】有機酸類としては、特開昭60−8894
2号、特開平2−96755号等に記載のスルホン酸
類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、
燐酸エステル類及びカルボン酸類等が挙げられ、具体的
には、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスル
ホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェ
ニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、燐酸フェニ
ル、燐酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピ
ン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、
フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキセン−
2,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウ
ンデカン酸、アスコルビン酸等が挙げられる。
【0214】これら環状酸無水物、フェノール類及び有
機酸類の感光性組成物中に占める割合は0.05〜15
重量%程度、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0215】又、感光性組成物中には、現像条件に拘わ
らず処理の安定性(現像ラチチュード)を広げるため、
特開昭62−251740号に記載の非イオン性界面活
性剤、特開昭59−121044号、特開平4−131
49号に記載の両性界面活性剤を添加することができ
る。非イオン性界面活性剤の具体例としては、ソルビタ
ントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソ
ルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。両
性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエ
チル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩
酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒド
ロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデ
シル−N,N−ベタイン型(例えば、第一工業(株)
製:アモーゲンK)、アルキルイミダゾリン系(三洋化
成(株)製:レボン15)等が挙げられる。これら界面
活性剤の感光性組成物中に占める割合は0.05〜15
重量%が好ましく、更には0.1〜5重量%である。
【0216】更に感光性組成物中には、露光後直ちに可
視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての染
料や顔料を加えることができる。焼き出し剤としては、
露光によって酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を
形成し得る有機染料の組み合わせ、具体的には、特開昭
50−36209号、同53−8128号に記載のo−
ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩
形成性有機染料との組み合わせや、特開昭53−362
23号、同54−74728号、同60−3626号、
同61−143748号、同61−151644号、同
63−58440号に記載のトリハロメチル化合物と塩
形成性有機染料の組み合わせを代表として挙げることが
できる。トリハロメチル化合物としては、オキサゾール
系化合物とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経時
安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
【0217】画像の着色剤としては、前述の塩形成性有
機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性
有機染料も含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基
性染料を挙げることができる。具体的には、オイルイエ
ロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク
#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、
オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブ
ラックBS、オイルブラックT−505(以上、オリエ
ント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、ク
リスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイ
オレット(CI42535)、エチルバイオレット、ロ
ーダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン
(CI42000)、メチレンブルー(CI5201
5)等を挙げることができる。又、特開昭62−293
247号に記載の染料は特に好ましい。
【0218】感光性組成物は、上記各成分を溶解する、
例えば特開昭62−251739号に記載の様な溶媒
に、2〜50重量%の固形分濃度で、溶解、分散され、
乾燥後の重量にして0.3〜4.0g/m2で支持体上
に塗布、乾燥される。感光性組成物中には、塗布面質を
向上するための界面活性剤、例えば、特開昭62−17
0950号に記載のフッ素系界面活性剤を添加すること
ができる。好ましい添加量は、全感光性組成物の0.0
01〜1.0重量%であり、更には0.005〜0.5
重量%である。
【0219】請求項6又は7に係る発明の感光性組成物
の層には、ニトロセルロース、メタル粉などの自己酸化
性化合物、紫外線吸収剤などを添加するのが好ましい。
【0220】また、保存安定性向上、露光後の経時小点
再現性低下の抑制には感光性組成物塗布液のpHを調整
し、3.5以上8.0以下、より好ましくは4.0以上
6.5以下とする。3.5以下では上記の効果が望め
ず、又8.0以上では感度低下が著しい。このようなp
H調整剤として、塩基性化合物を添加するのが好まし
い。塩基性化合物は、プロトンを補足可能なものであ
り、具体的には無機又は有機のアンモニウム塩類、有機
アミン類、アミド類、尿素やチオ尿素及びその誘導体、
チアゾール類、ピロール類、ピリミジン類、ピペラジン
類、グアニジン類、インドール類、イミダゾール類、イ
ミダゾリン類、トリアゾール類、モルホリン類、ピペリ
ジン類、アミジン類、フォルムアジン類、ピリジン類、
シッフ塩基、弱酸とナトリウム又はカリウムとの塩、特
開平8−123030号記載の塩基性窒素含有樹脂、特
開平9−54437号記載の有機塩基性化合物、特開平
8−211598号記載のチオスルホネート化合物、特
開平7−219217号記載の加熱中性化塩基性化合物
(スルホニルヒドラジド化合物等)が挙げられる。尚、
加熱中性化塩基性化合物を使用する場合は露光後現像処
理する前に加熱することで感度が大幅に向上する。以下
に具体例を挙げる。
【0221】アミン化合物としては酢酸アンモニウム、
メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エ
チルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、n−
プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−
プロピルアミン、イソプロピルアミン、sec−ブチル
アミン、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミ
ン、ベンジルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリ
ベンジルアミン、オクタデシルベンジルアミン、ステア
リルアミン、α−フェニルエチルアミン、β−フェニル
エチルアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、水酸化テトラメチルア
ンモニウム、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニ
リン、ジフェニルアニリン、トリフェニルアニリン、o
−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、o−
アニシジン、m−アニシジン、p−アニシジン、o−ク
ロルアニリン、m−クロルアニリン、p−クロルアニリ
ン、o−ブロムアニリン、m−ブロムアニリン、p−ブ
ロムアニリン、o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリ
ン、p−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、
2,4,6−トリニトロアニリン、o−フェニレンジア
ミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、ベンジジン、p−アミノ安息香酸、スルファニル
酸、スルファニルアミド、ピリジン、4−ジメチルアミ
ノピリジン、ピペリジン、ピペラジン、2−ベンジルイ
ミダゾール、4−フェニルイミダゾール、2−フェニル
−4−メチル−イミダゾール、2−ウンデシル−イミダ
ゾリン、2,4,5−トリフリル−2−イミダゾリン、
1,2−ジフェニル−4,4−ジメチル−2−イミダゾ
リン、2−フェニル−2−イミダゾリン、1,2,3−
トリフェニルグアニジン、1,2−ジトリルグアニジ
ン、1,2−ジシクロヘキシルグアニジン、1,2,3
−トリシクロヘキシルグアニジン、グアニジントリクロ
ロ酢酸塩、N,N′−ジベンジルピペラジン、4,4′
−ジチオモルホリン、モルホリニウムトリクロロ酢酸、
2−アミノ−ベンゾチアゾール、2−ベンゾイルヒドラ
ジノ−ベンゾトアゾール、アリル尿素、チオ尿素、メチ
ルチオ尿素、アリルチオ尿素、エチレンチオ尿素等が挙
げられる。
【0222】シッフ塩基の具体的化合物は、下記一般式
(22)
【0223】
【化39】
【0224】(但し、R1、R2は炭化水素基(例えばメ
チル基、イソプロピル基、オクチル基、ヘプタデシル基
等のアルキル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等
のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリー
ル基など)、R3は水素原子又は炭化水素基(R1、R2
で挙げたのと同様の基)を表す。)で表される構造を分
子中に少なくとも1つ有する化合物を挙げることができ
る。
【0225】上記構造を有する化合物は、アルデヒド又
はケトンとアミンの縮合により合成することができる。
【0226】具体的には、多価のアミン類と1価のアル
デヒド類又は1価のケトン類、1価のアミン類と多価の
アルデヒド類又は多価のケトン類との縮合反応及び、2
価のアミン類と2価のアルデヒド類又は2価のケトン類
との縮重合反応等により合成することができる。
【0227】1価のアミン類の例としては、メチルアミ
ン、プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−アミルア
ミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−
ナノニルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミ
ン、n−トリデシルアミン、1−テトラデシルアミン、
n−ペンタデシルアミン、1−ヘキサデシルアミン、n
−ヘプタデシルアミン、1−メチルブチルアミン、オク
タデシルアミン、イソプロピルアミン、tert−ブチ
ルアミン、sec−ブチルアミン、tert−アミルア
ミン、イソアミルアミン、1,3−ジメチルブチルアミ
ン、3,3−ジメチルブチルアミン、tert−オクチ
ルアミン、1,2−ジメチルブチルアミン、4−メチル
ペンチルアミン、1,2,2−トリメチルプロピルアミ
ン、1,3−ジメチルペンチルアミン、シクロブチルア
ミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキサンメチルア
ミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、o−トルイジ
ン、m−トルイジン、p−トルイジン、m−エチルアニ
リン、p−エチルアニリン、p−ブチルアニリン等が挙
げられる。2価のアミン類の例としては、メチンジアミ
ン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、
1,2−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノ−2−メ
チルプロパン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジ
アミン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペ
ンタン、1,4−ヘキサンジアミン、1,7−ジアミノ
へプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミ
ノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジア
ミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、4,
4′−メチレンビスシクロヘキサンアミン、1,2−ジ
アミノシクロヘキサン、1,3−シクロヘキサンビスメ
チルアミン、ベンジジン、4−アミノフェニルエーテ
ル、o−トリジン、3,3′−ジメトキシベンジジン、
o−フェニレンジアミン、4−メトキシ−o−フェニレ
ンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、m−フェニレ
ンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,3−ジアミ
ノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、1,8−
ジアミノナフタレン等が挙げられる。又、1価のアルデ
ヒド類の例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデ
ヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソ
ブチルアルデヒド、2−メチルブチルアルデヒド、2−
エチルブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、イソバレ
ルアルデヒド、ヘキサナル、2−エチルヘキサナル、
2,3−ジメチルバレルアルデヒド、オクチルアルデヒ
ド、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド、シクロオク
タンカルボキシアルデヒド、フェニルアセトアルデヒ
ド、2−フェニルプロピオンアルデヒド、ジフェニルア
セトアルデヒド、ベンズアルデヒド、o−トルアルデヒ
ド、m−トルアルデヒド、p−トルアルデヒド、o−ア
ニスアルデヒド、m−アニスアルデヒド、p−アニスア
ルデヒド、o−エトキシベンズアルデヒド、p−エトキ
シベンズアルデヒド、2,4−ジメチルベンズアルデヒ
ド、2,5−ジメチルベンズアルデヒド、4−ビフェニ
ルカルボキシアルデヒド、2−ナフトアルデヒド等が挙
げられ、2価のアルデヒド類の例としては、o−フタリ
ックジカルボキシアルデヒド、イソフタルアルデヒド、
テレフタルジカルボキシアルデヒド等が挙げられる。更
に、1価のケトン類の例としては、アセトン、2−ブタ
ノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−メチル−
2−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、3
−メチルヘキサノン、2−へプタノン、3−へプタノ
ン、3−メチルヘプタノン、2−オクタノン、3−オク
タノン、2−ノナノン、シクロブタノン、シクロペンタ
ノン、フェニルアセトン、ベンジルアセトン、1−フェ
ニル−2−ブタノン、1,1−ジフェニルアセトン、
1,3−ジフェニルアセトン、2−フェニルシクロヘキ
サノン、2−イレデン、β−テトラロン、プロピオフェ
ノン、o−メチルアセトフェノン、ベンゾフェノン等が
挙げられ、2価のケトン類の例としては、2,4−ペン
タンジオン、2,3−ヘキサンジオン、2,5−ヘキサ
ンジオン、2,7−オクタンジオン、2,3−ブタジオ
ン、2−メチル−1,3−シクロペンタジオン、1,3
−シクロヘキサンジオン、1,4−シクロヘキサジオ
ン、1,3−シクロペンタンジオン、3−アセチル−2
−ヘプタノン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5
−へプタジオン、2−メチル−1,3−シクロヘキサン
ジオン、5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサンジ
オン、ジベンゾイルメタン、1,4−ジベンゾイルブタ
ン、p−ジアセチルベンゼン、m−ジアセチルベンゼ
ン、ベンジル、4,4′ジメトキシベンジル、2−フェ
ニル−1,3−インダンジオン、1,3−インダンジオ
ン、o−ジベンゾイルベンゼン、1,2−ナフトキノ
ン、1,4−ナフトキノン等が挙げられる。
【0228】以下にシッフ塩基の具体例を挙げる。
【0229】
【化40】
【0230】塩基性化合物はプロトンを補足可能なもの
であれば上記に示した化合物以外に特に制限なく使用で
きる。
【0231】これらの塩基性化合物は単独又は2種以上
組み合わせて用いても良い。使用量は感光層中に0.0
01以上10重量%以下が好ましく、0.01以上5重
量%以下がより好ましい。0.001重量%以下では保
存安定性向上、露光後の経時小点再現性低下抑制の効果
がなく、又10重量%以上では感度低下が著しい。
【0232】前記pHの測定に際しては、塗布に使用す
る任意の有機溶剤、水又は複数の混合溶剤に固形分10
重量%となるように溶解した感光性組成物塗布液を調製
し、測定装置として東亜電波工業(株)のデジタルpH
メーターHM−30Sを用い、測定条件として該pHメ
ーターを標準化した後、測定すべき塗布液に対して垂直
にpHメーターの測定部を下ろし塗布液に2分浸漬した
際の測定値を塗布液のpHとする。
【0233】請求項6又は7に係る発明の感光性組成物
に対しては、波長400nm以上、特に700nm以上
の光源を用い画像露光を行うことが好ましい。光源とし
ては、半導体レーザー、He−Neレーザー、YAGレ
ーザー、炭酸ガスレーザー等が挙げられる。出力はレー
ザービーム1本あたり50mW以上が適当であり、好ま
しくは100mW以上である。
【0234】請求項7に係る発明の場合、露光後、現像
前に感光性平版印刷版に加熱処理を加える必要がある。
この場合、80℃〜200℃で5〜120秒の加熱処理
が好ましい。また、請求項6においても、同様な加熱処
理を与えてもよい。
【0235】また現像後の感光性平版印刷版を150〜
300℃、20〜200秒程度のバーニング処理を行う
ことで感光層の機械的強度を飛躍的に向上させることが
でき、印刷版として使う場合には耐刷性を大幅に上げる
ことができる。
【0236】請求項1〜10に係る発明の感光性平版印
刷版のアルミニウム支持体の感光性組成物を設ける表面
は前記した特定の突起を有する。該特定の突起を有する
アルミニウム支持体は、以下に記載する請求項11若し
くは12に係る発明の支持体の製造方法又は請求項13
若しくは14に係る発明の支持体の製造方法によって得
ることができる。
【0237】請求項11又は12に係る発明は、アルミ
ニウム板の表面を機械的粗面化或いは脱脂の後、電
解粗面化し、アルカリで表面溶解処理を施し、酸で
中和し、酸性電解液中で電解粗面化し、更にアルカ
リで表面溶解処理を施し、酸で中和し、陽極酸化処
理をした後、有機金属化合物或いは無機金属化合物を
加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物の被覆層
を設けた支持体に感光性組成物の層を設けた感光性平版
印刷版の製造方法である。
【0238】請求項11又は12に係る発明において、
機械的粗面化とは、物理的な力を加えて支持体表面を削
り取る粗面化方法である。これに対し、アルカリでの表
面溶解処理とは、化学的粗面化とも呼ばれる。脱脂とは
これに加え、溶剤による洗浄をも含む。また電解粗面化
とは、酸性電解液中で交流電流を印加し、支持体表面を
電気化学的にピット状に溶解して粗面化する方法をい
う。
【0239】請求項11又は12に係る発明において、
起伏又はピットは、化学的粗面化、機械的粗面化、電解
粗面化を適宜組み合わせて形成する。粗さの平均波長が
3〜30μmの起伏もしくは平均開口径が3〜30μm
の大ピットは機械的粗面化(例えばブラシ研磨)又は電
解粗面化(例えば塩酸を主体とする電解液を用いた交流
電解)により形成することができる。次いで、アルカリ
で表面溶解処理を行った後、硝酸もしくは塩酸を主体と
する電解液での交流電解粗面化により、平均開口径が
0.2〜3.0μmの小ピットを均一密集状に重畳して
形成することができる。
【0240】請求項13又は14に係る発明の製造方法
は、感光性組成物の層を設けるアルミニウム板の表面処
理(粗面化処理)を、上記請求項11又は12に係る発
明における前記〜の工程のうちの〜とし、かつ
前記の工程の酸性電解液を塩酸及び/又は酢酸を主体
とする酸性電解液としたものである。
【0241】また、塩酸及び/又は酢酸を主体とする電
解液での電解粗面化のみでも平均波長が3〜30μmの
起伏もしくは平均開口径が3〜30μmの大ピットに平
均開口径が0.2〜3.0μmの小ピットを均一密集状
に重畳させることができる。その方法が請求項12又は
13に係る発明示された製造方法である。
【0242】請求項14に係る発明の電解処理の場合、
電解処理の進行が遅いかもしくは停止する部分に要する
時間は、0.6秒以上、5秒以下であることが好まし
い。
【0243】電解処理の進行が速い部分と電解処理の進
行が遅いかもしくは停止する部分とが交互に複数回存在
するようにするには、例えば、図1に示すような連続式
の電解装置において、電極の配置をまばらに配置して図
2のようにすることで行なうことができる。図1におい
て、1が電解槽であり、これに電解液7が満たされてい
る。この液中を支持ロール2,3,4,5によって支持
されたアルミ合金板ウエブ6が図の左側から右側に搬送
される。その間に電極a〜xとアルミ合金板ウエブとの
間に交流電源からの電流が流れる。
【0244】ここで、電解処理の進行が速い部分とは電
極に正対しているウエブ部分を指し、電解処理の進行が
遅いかもしくは停止する部分とは、電極が存在していな
いウエブ部分を指す。電極が存在していないウエブ部分
であっても近傍の電極からの漏れ電流が流れる個所もあ
り、その部分全体で電解処理が停止するわけではない
が、電解処理の進行が速い部分一工程での電解処理の電
気量が平均で100C/dm2以下とすることで、均一
な砂目が得られる。
【0245】また、図3のように電極のない部分にロー
ル8〜13を接触させる等により、電流を実質的に遮断
することもできる。その他の方法によって、例えば処理
の回数分だけ電解槽を設けて、その電解槽間の渡り部分
で電解処理を停止させるような方法をとっても、一工程
での電解処理の電気量が平均で100C/dm2以下と
すれば同様の効果が得られることは言うまでもない。こ
の方法により、粗大ピットの生成が抑制され、大ピット
の径がほぼ一定となり均一な粗面が得られる。本方法の
効果は、特に塩酸を主に含む電解液を使用した際に著し
い。電解処理の進行が遅いかもしくは停止する部分に要
する時間が0.5秒以下では、粗大ピットの生成はやや
抑制されるものの十分な分割処理効果が得られない。
0.6秒以上とすることで、大ピットの平均開口径が3
〜6μmで均一にそろい、大ピットの偏在に起因する平
坦部分のない、粗面を得ることができる。この時間を長
くしても同様の効果を得ることができるが、5秒よりも
長い停止時間では生産適性が著しく低下するので、5秒
以下とするのが好ましい。
【0246】本発明では、塩酸と酢酸を含む電解液を用
いることで、上記大ピットの形成と同時に大ピットに重
畳して密集状の小ピットを形成することができる。小ピ
ット形状の制御は上記で説明した内容と同様である。ま
た、バッチ式の電解処理であれば、電解電源の電流密度
を時間に対して変化させることで、全電解工程中で電解
処理の進行が速い部分と電解処理の進行が遅いかもしく
は停止する部分とが交互に複数回存在するようにして
も、一工程での電解処理の電気量が平均で100C/d
2以下とすることで、粗大ピットの生成が抑制され、
均一な粗面が得られる。電解処理の進行が遅いかもしく
は停止する部分での電流密度は0〜10A/dm2であ
り、好ましくは0〜2A/dm2である。電解処理の進
行が遅いかもしくは停止する時間については前述の通り
で、0.5秒以下では、粗大ピットの生成はやや抑制さ
れるものの十分な分割処理効果が得られないことがあ
る。0.6秒以上とすることで、大ピットの平均開口径
が3〜6μmで均一にそろい、大ピットの偏在に起因す
る平坦部分のない、粗面を得ることができる。この時間
を長くしても同様の効果を得ることができるが、5秒よ
りも長い停止時間では生産適性が著しく低下するので、
5秒以下とするのが好ましい。
【0247】本発明では、塩酸と酢酸を含む電解液を用
いることで、上記大ピットの形成と同時に大ピットに重
畳して密集状の小ピットを形成することができる。小ピ
ット形状の制御は上記で説明した内容と同様である。ま
た、バッチ式の電解処理であれば、電解電源の電流密度
を時間に対して変化させることで、全電解工程中で電解
処理の進行が速い部分と電解処理の進行が遅いかもしく
は停止する部分とが交互に複数回存在するようにして
も、一工程での電解処理の電気量が平均で100C/d
2以下とすることで、粗大ピットの生成が抑制され、
均一な粗面が得られる。電解処理の進行が遅いかもしく
は停止する部分での電流密度は0〜10A/dm2であ
り、好ましくは0〜2A/dm2である。電解処理の進
行が遅いかもしくは停止する時間については前述の通り
で、0.5秒以下では、粗大ピットの生成はやや抑制さ
れるものの十分な分割処理効果が得られないことがあ
る。0.6秒以上とすることで、大ピットの平均開口径
が3〜6μmで均一にそろい、大ピットの偏在に起因す
る平坦部分のない、粗面を得ることができる。この時間
を長くしても同様の効果を得ることができるが、5秒よ
りも長い停止時間では生産適性が著しく低下するので、
5秒以下とするのが好ましい。
【0248】更に、請求項13又は14に係る発明は、
酸性電解液の塩酸の含有量が7〜15g/l、酢酸の含
有量が10〜40g/lであることがこのましい。塩酸
を7〜15g/l含むことで電解粗面化処理のみでも大
ピットに小ピットが重畳された二重構造を形成すること
ができ、更に酢酸を10〜40g/l含むことで開口径
に対して深さの浅いピットを形成することが可能とな
る。塩酸が7g/lよりも少ないと電解を分割して行っ
ても大ピットが粗大化することがある。15g/lより
も多くなると電流密度や電解液温度によってはピットが
生成しない場合が生じ、製造上の条件範囲が狭くなる。
酢酸が10g/lよりも少ないと、浅いピットを形成す
る効果が低いことがあり、40g/lよりも多く添加し
ても実質的な効果の向上は見られず意味が少くなる。更
に、此の場合本発明は、電解前のアルカリでの溶解量が
1.0〜4.0g/m2であり、かつその中和に使用す
る酸が塩酸又は酢酸を含むことがこのましい。溶解量が
1.0g/m2よりも少ないとAl原反表層の不均一な
組織が残り、電解での均一なピット生成に悪影響を及ぼ
すこともある。4.0g/m2より多くしても電解を分
割して行う場合の均一性向上には実質的な寄与は少くな
く非効率である。また、アルカリ溶解処理後の中和をそ
の次の工程である電解処理の電解液と同様の組成で行う
ことにより、電解液組成が安定し、粗面形状も安定す
る。
【0249】支持体に関する本発明に使用されるアルミ
ニウム支持体には、純アルミニウム及びアルミニウム合
金よりなる支持体が含まれる。アルミニウム合金として
は種々のものが使用でき、例えば珪素、銅、マンガン、
マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケ
ル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの
合金が用いられる。アルミニウム支持体は、粗面化に先
立ってアルミニウム表面の圧延油を除去するために脱脂
処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリク
レン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケロシン、
トリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン
脱脂処理等が用いられる。また、脱脂処理には、苛性ソ
ーダ等のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂
処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、上
記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去
することができる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ
水溶液を用いた場合には、燐酸、硝酸、塩酸、硫酸、ク
ロム酸等の酸、或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を
施すことが好ましい。中和処理の次に電気化学的粗面化
を行なう場合は、中和に使用する酸を電気化学的粗面化
に使用する酸に合わせることが特に好ましい。
【0250】支持体の粗面化としては本発明の方法での
電解粗面化を行なうが、その前処理として、適度な処理
量の化学的粗面化や機械的粗面化を適宜くみあわせた粗
面化を行なってもよい。化学的粗面化は脱脂処理と同様
に苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いる。処理後に
は燐酸、硝酸、塩酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそ
れらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
【0251】中和処理の次に電気化学的粗面化を行なう
場合は、中和に使用する酸を電気化学的粗面化に使用す
る酸に合わせることが特に好ましい。機械的粗面化法は
特に限定されないがブラシ研磨、ホーニング研磨が好ま
しい。ブラシ研磨では、例えば毛径0.2〜1mmのブ
ラシ毛を植毛した円筒状ブラシを回転し、接触面に研磨
材を水に分散させたスラリーを供給しながら、支持体表
面に押しつけて粗面化を行う。ホーニング研磨では、研
磨材を水に分散させたスラリーをノズルより圧力をかけ
射出し、支持体表面に斜めから衝突させて粗面化を行
う。研磨材としては、火山灰、アルミナ、炭化珪素等の
一般に研磨に使用されるものがあげられ、その粒度は#
200〜#2000、好ましくは#400〜#800で
ある。
【0252】機械的に粗面化された支持体は、支持体の
表面に食い込んだ研磨剤、アルミニウム屑等を取り除い
たり、ピット形状をコントロールする等のために、酸又
はアルカリの水溶液に浸漬して表面をエッチングするこ
とが好ましい。酸としては、例えば硫酸、過硫酸、弗
酸、燐酸、硝酸、塩酸等が含まれ、塩基としては、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が含まれる。
これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好まし
い。上記をアルカリの水溶液で浸漬処理を行った場合に
は、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれら
の混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。中和処
理の次に電気化学的粗面化を行なう場合は、中和に使用
する酸を電気化学的粗面化に使用する酸に合わせること
が特に好ましく、また、中和処理の次に陽極酸化処理を
行なう場合は、中和に使用する酸を陽極酸化処理に使用
する酸に合わせることが特に好ましい。
【0253】電気化学的粗面化は一般に酸性電解液中で
交流電流を用いて粗面化を行う。電解処理には塩酸及び
酢酸を含む電解液を用いる。塩酸の含有量が7〜15g
/l、酢酸の含有量が10〜40g/lであることが好
ましい。電解に使用する電源波形は、矩形波、台形波、
のこぎり波等さまざまな波形を用いることができるが、
特に正弦波が好ましい。
【0254】電気化学的粗面化において印加される電圧
は、1〜50Vが好ましく、5〜30Vが更に好まし
い。電流密度(ピーク値)は、10〜200A/dm2
が好ましく、20〜150A/dm2が更に好ましい。
電気量は全処理工程を合計して、100〜2000C/
dm2が好ましく、200〜1000C/dm2が更に好
ましい。温度は、10〜50℃が好ましく、15〜45
℃が更に好ましい。電解液には、必要に応じて更に硝酸
塩、塩化物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム
酸、ホウ酸、蓚酸等を加えることが出来る。電気化学的
に粗面化された支持体は、表面のスマット等を取り除い
たり、ピット形状をコントロールする等のために、酸又
はアルカリの水溶液に浸漬して表面をエッチングするこ
とが好ましい。酸としては、例えば硫酸、過硫酸、弗
酸、燐酸、硝酸、塩酸等が含まれ、塩基としては、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が含まれる。
これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好まし
い。上記をアルカリの水溶液で浸漬処理を行った場合に
は、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれら
の混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。中和処
理の次に陽極酸化処理を行なう場合は、中和に使用する
酸を陽極酸化処理に使用する酸に合わせることが特に好
ましい。
【0255】粗面化処理の次に、陽極酸化処理を行う。
本発明で用いられる陽極酸化処理の方法には特に制限は
なく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理
により支持体上には酸化皮膜が形成される。本発明にお
いて、陽極酸化処理には、硫酸及び/又は燐酸等を10
〜50%の濃度で含む水溶液を電解液として、電流密度
1〜10A/dm2で電解する方法が好ましく用いられ
るが、他に米国特許第1,412,768号明細書に記
載されている硫酸中で高電流密度で電解する方法や、米
国特許第3,511,661号明細書に記載されている
燐酸を用いて電解する方法等を用いることができる。
【0256】陽極酸化処理を行った後に、有機金属化合
物或いは無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得
られる金属酸化物の被覆層を設けることによって、先の
粗面化により形成された小ピットの内部に概略球面状の
突起を形成する。
【0257】この概略球面状突起の形成方法は特に限定
されるものではないが、金属酸化物粒子を含んだゾル−
ゲル反応液を塗布することで形成することができる。ゾ
ル−ゲル反応液は、有機金属化合物或いは無機金属化合
物を、水を含む有機溶媒中で酸又はアルカリなどの触媒
を用いて加水分解及び縮重合することで金属酸化物の層
を形成し、含有する金属酸化物粒子を基材表面に強固に
接着させて球面状の突起を形成する。
【0258】金属酸化物粒子としては、アルミナ、酸化
チタン、酸化ジルコニウム、シリカ等を使用することが
でき、粒子径は平均で0.01〜0.5μmであること
が好ましい。
【0259】ゾル−ゲル反応液に用いる有機金属化合
物、無機金属化合物としては特開平6−35174号公
報に示された金属アルコキシド、金属アセチルアセトネ
ート、金属酢酸塩、金属蓚酸塩、金属硝酸塩、金属硫酸
塩、金属炭酸塩、金属オキシ塩化物、金属塩化物、及び
これらを部分加水分解してオリゴマー化した縮合物を単
独もしくは2種以上混合して使用することができる。こ
れらの中では特に金属アルコキシドが好ましく、珪素の
アルコキシ化合物が特に好ましい。また、特開平6−3
5174号公報に示されたようなシランカップリング剤
を併用してもよい。
【0260】触媒としては、特開平6−35174号公
報に示された酸又はアルカリを用いることができる。触
媒の添加量は有機金属化合物又は無機金属化合物の合計
量に対して、0.05〜5重量%が好ましい。水の添加
量は有機金属化合物又は無機金属化合物の合計量を完全
に加水分解するのに必要なモル数に対して0.5〜20
倍量の範囲が好ましい。
【0261】有機溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノールといった低級アルコール
又はアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトンと
いったケトンを用いることが好ましい。有機溶媒は、ゾ
ル−ゲル反応液の反応を進行させるために適した量を添
加し、反応を進行させた後、塗布に適した量を再度添加
することが好ましい。
【0262】ゾル−ゲル反応液には、特開平6−351
74号公報に示されたその他の化合物を添加してもよ
い。
【0263】このように、有機金属化合物或いは無機金
属化合物を加水分解及び重縮合させて得られた金属酸化
物の被覆層の上に感光性組成物の層が塗布される。この
時の塗布量は乾燥重量で0.8〜1.8g/m2が好ま
しく、更に好ましくは1.2〜1.6g/m2である。
必要に応じて、この上に更にマット層を設けることがで
きる。
【0264】
【実施例】実施例1−1〜1−8、比較例1−1〜1−
6 《支持体の作成》下記表1において、ブラシ研磨の有無
の項目に有と記載されたものは、厚さ0.24mmのJ
IS1050のアルミニウム板を、#800のアルミナ
の15wt%スラリーと円筒型回転ナイロンブラシを用
いてブラシ研磨を行った後、50℃に保たれた1%水酸
化ナトリウム水溶液中に浸漬し、溶解量が5g/m2
なるように溶解処理を行い水洗した後、25℃に保たれ
た次に行う電解処理と同組成の水溶液に10秒間浸漬し
中和処理した後、水洗した。
【0265】表1のブラシ研磨の有無の項目に無Aと記
載されたものは、同様のアルミニウム板を、50℃に保
たれた1%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、溶解量が
2g/m2になるように溶解処理を行い水洗した後、2
5℃に保たれた次に行う電解処理と同組成の水溶液に1
0秒間浸漬し中和処理した後、水洗した。
【0266】表1のブラシ研磨の有無の項目に無Bと記
載されたものは、同様のアルミニウム板を、50℃に保
たれた1%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、溶解量が
2g/m2になるように溶解処理を行い水洗した後、2
5℃に保たれた10g/l塩酸水溶液に10秒間浸漬し
中和処理した後、水洗した。
【0267】次に、10g/lの塩酸電解液中で、温度
30℃、電流密度50A/dm2の条件で交流電流によ
り処理電気量が200C/dm2となるよう電解粗面化
処理を行った。交流電源波形は正弦波交流を用いた。
【0268】その後、50℃に保たれた1%水酸化ナト
リウム水溶液中に浸漬し、溶解量が3g/m2になるよ
うに溶解処理を行い水洗した後、25℃に保たれた次に
行う電解処理と同組成の水溶液に10秒間浸漬し中和処
理し、更に水洗した。
【0269】表1のブラシ研磨の有無の項目に無Cと記
載されたものは、同様のアルミニウム板を、50℃に保
たれた1%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、溶解量が
2g/m2になるように溶解処理を行い水洗した後、2
5℃に保たれた塩酸10g/lと酢酸20g/lの混酸
水溶液に10秒間浸漬し中和処理した後、水洗した。
【0270】次に、塩酸10g/lと酢酸20g/lの
混酸電解液中で、温度30℃、電流密度50A/dm2
の条件で交流電流により処理電気量が250C/dm2
となるよう電解粗面化処理を行った。交流電源波形は正
弦波交流を用いた。
【0271】その後、50℃に保たれた1%水酸化ナト
リウム水溶液中に浸漬し、溶解量が2g/m2になるよ
うに溶解処理を行い水洗した後、25℃に保たれた次に
行う電解処理と同組成の水溶液に10秒間浸漬し中和処
理し、更に水洗した。
【0272】次いで、このアルミニウム板を、バッチ式
の電解装置を使用し、表1に示した電解液組成、1回の
処理電気量、その他の条件で電解粗面化処理を行った。
この際の電極とアルミニウム板表面との距離は10mm
とした。電解粗面化後は、50℃に保たれた1%水酸化
ナトリウム水溶液中に浸漬して、溶解量が2g/m2
なるようにエッチングし次いで25℃に保たれた10%
硫酸水溶液中に10秒間浸漬し、中和処理した後水洗し
た。次いで、20%硫酸水溶液中で、電流密度5A/d
2の条件で30秒間陽極酸化処理を行い、支持体を得
た。
【0273】
【表1】
【0274】こうして得られた支持体表面の、起伏の平
均波長もしくは大ピットの平均開口径、小ピットの平均
開口径及び小ピットの開口径に対する深さの比を後述の
方法により測定した。結果を下記表2に示す。
【0275】
【表2】
【0276】次いで、表1の後処理の有無の項目に無と
記載されたものは陽極酸化処理のあと、何も行わなかっ
た。
【0277】表1の後処理の有無の項目に有と記載され
たものは、陽極酸化処理により形成された陽極酸化皮膜
上に、下記の塗布液をワイヤーバーで塗布し、120℃
で2分間乾燥して乾燥後の重量が100mg/m2の塗
布層を形成した。このような塗布を行ったアルミニウム
支持体表面を10000倍のSEM写真で観察したとこ
ろ、平均0.2μmの球面状突起が形成されていること
を確認した。一方、後処理無のものには、このような球
面状突起は観察されなかった。また、球面状突起間は滑
らかな面で形成されていた。
【0278】《塗布液の作成》 ・混合物Aの作成 下記重量比でアルミナ粒子をエチルシリケートに混合分
散した。
【0279】 アルミナ粒子(平均径:0.1μm) 50重量部 テトラエチルシリケート 100重量部 ・ゾル−ゲル反応液の作成 下記成分を攪拌し、発熱を開始してから約20分間反応
させた。
【0280】 混合物A 150重量部 イオン交換水 30重量部 メタノール 25重量部 リン酸 0.15重量部 上記反応後の液に下記の成分を加えて塗布液とした メタノール 2500重量部 《測定方法》 ・起伏の平均波長もしくは大ピットの平均開口径、小ピ
ットの平均開口径及び小ピットの開口径に対する深さの
比の測定 何れも支持体表面のSEM写真を撮影し、測定した。
【0281】ここで、起伏もしくは大ピットとは、全ピ
ット中、開口径が3μm以上でかつ、その内部に更に3
μmより小さいピットが存在する二重構造のピットのこ
ととし、小ピットとは、全ピット中、開口径が3μm以
下でかつ、その内部に更に小さなピットが存在しない構
造のピットのこととする。
【0282】起伏の平均波長もしくは大ピットの平均開
口径は、1000倍のSEM写真を用い、輪郭が明確に
判別できるピット1つずつにおいて長径と短径とを測定
してその平均を波長もしくは開口径とし、その和を、測
定した全大ピット数で割って平均を求めた。
【0283】小ピットの平均開口径は、5000倍のS
EM写真を用い、起伏の平均波長もしくは大ピットと同
様の手法で平均を求めた。
【0284】小ピットの開口径に対する深さの比は、断
面の5000倍〜20000倍のSEM写真を用いて、
断面がピットのほぼ中央を分断しているピットを選んで
測定した。
【0285】次に、下記表3に示す支持体、感光性組成
物の組合せで、支持体に感光性組成物塗布液をワイヤー
バーを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥して感光性
平版印刷版を得た。乾燥後の塗布量は約1.8g/m2
であった。
【0286】 感光性組成物A ・特開昭60−143345号公報の合成例1に記載の ピロガロール・アセトン樹脂のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸 エステル(Mn:1.99×103、Mw:2.95×103)1.0g ・フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 0.7g ・クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 2.8g ・ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学社製) 0.1g ・FC−430(3M社製、界面活性剤) 0.1g ・メチルセロソルブ 27g 感光性組成物B ・特開昭60−143345号公報の合成例3に記載の ピロガロール・アセトン樹脂のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸 エステル(Mn:7.90×102、Mw:1.10×103)1.0g ・フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 0.7g ・クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 2.8g ・ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学社製) 0.1g ・FC−430(3M社製、界面活性剤) 0.1g ・メチルセロソルブ 27g 感光性組成物C ・特開昭60−143345号公報の合成例4に記載の ピロガロール・アセトン樹脂のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸 エステル(Mn:2.00×103、Mw:3.20×103)1.0g ・フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 0.7g ・クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 2.8g ・ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学社製) 0.1g ・FC−430(3M社製、界面活性剤) 0.1g ・メチルセロソルブ 27g 感光性組成物D ・特開昭60−143345号公報の比較合成例1に記載の ピロガロール・アセトン樹脂のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸 エステル(Mn:2.01×103、Mw:4.01×103)1.0g ・フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 0.7g ・クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 2.8g ・ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学社製) 0.1g ・FC−430(3M社製、界面活性剤) 0.1g ・メチルセロソルブ 27g 感光性組成物E ・特開昭60−143345号公報の比較合成例2に記載の ピロガロール・アセトン樹脂のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸 エステル(Mn:2.99×102、Mw:4.98×102)1.0g ・フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 0.7g ・クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 2.8g ・ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学社製) 0.1g ・FC−430(3M社製、界面活性剤) 0.1g ・メチルセロソルブ 27g 得られたそれぞれの感光性平版印刷版を、光源として4
kWメタルハライドランプを使用し、60秒間画像露光
し、現像液(SDR−1,コニカ株製)の6倍希釈液で
25℃で45秒間現像した。
【0287】このようにして得られたそれぞれの平版印
刷版について下記の方法で印刷評価を行った結果を表3
に示す。
【0288】[印刷評価方法] ・耐刷力 インキ(東洋インキ株製レオエコー墨)と湿し水(東京
インキ株製SG−51)の2%水溶液)を用いて、三菱
重工 株製オフ輪印刷機(リソピアAY−1−130
0)で中越パルプ株製のザラ紙に標準の印圧、1300
rpmのスピードで印刷し、画像部が摩耗してインキが
付着しなくなり正常な印刷物が得られなくなるまでの正
常な印刷物の印刷枚数を表す。印刷枚数が多いほど耐刷
力が良好である。
【0289】
【表3】
【0290】実施例2−1〜2−8、比較例2−1〜2
−6 感光性組成物として以下のものを使った以外は実施例1
−1〜1−8、比較例1−1〜1−6と同様にして得ら
れた平版印刷版について、下記の方法で印刷評価を行っ
た結果を下記表4に示す。
【0291】 感光性組成物F ・特公昭52−28401号公報の合成例1に記載の例示化合物(1) 3.0g ・1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−フェニルエステル 1.0g ・メチルセロソルブ 80.0g 感光性組成物G ・特公昭52−28401号公報の合成例2に記載の例示化合物(2) 4.0g ・1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−フェニルエステル 2.0g ・メチルセロソルブ 90.0g 感光性組成物H ・特公昭52−28401号公報の合成例4に記載の例示化合物(5) 3.0g ・1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−フェニルエステル 1.0g ・メチルセロソルブ 80.0g 感光性組成物I ・フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 0.6g ・クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 2.5g ・1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−フェニルエステル 1.0g ・メチルセロソルブ 80.0g 感光性組成物J ・フェノールとm−,p−混合クレゾールとホルムアルデヒドとの 共縮重合樹脂(フェノールとクレゾールのモル比は3:97)3.5g ・1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−フェニルエステル 1.0g ・メチルセロソルブ 80.0g [印刷評価方法] ・小点再現性 インキ(東洋インキ株製レオエコー墨)と湿し水(東京
インキ株製SG−51の2%水溶液)を用いて、三菱重
工(株)製オフ輪印刷機(リソピアAY−1−130
0)で中越パルプ株製のザラ紙に標準の印圧、1300
rpmのスピードで印刷し、印刷物上の50%網点の網
点面積率再現性をマクベス反射濃度計RD−918によ
り測定することにより評価した。値が50に近いほど小
点再現性が良好である。
【0292】
【表4】
【0293】実施例3−1〜3−8、比較例3−1〜3
−6 感光性組成物として以下のものを使った以外は実施例1
−1〜1−8、比較例1−1〜1−6と同様にして得ら
れた平版印刷版について、下記の方法でボールペン適性
の評価を行った結果を下記表5に示す。
【0294】 感光性組成物K ・フェノールとm−,p−混合クレゾールとホルムアルデヒドとの 共縮重合樹脂(フェノールとクレゾールのモル比は4:6) 3.5g ・1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−フェニルエステル 1.2g ・ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学社製) 0.2g ・メチルセロソルブ 32.0g 感光性組成物L ・フェノールとm−,p−混合クレゾールとホルムアルデヒドとの 共縮重合樹脂(フェノールとクレゾールのモル比は2:8) 3.6g ・1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−α −ナフチルエステル 1.5g ・ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学社製) 0.2g ・メチルセロソルブ 32.0g 感光性組成物M ・フェノールとm−,p−混合クレゾールとホルムアルデヒドとの 共縮重合樹脂(フェノールとクレゾールのモル比は5:5) 3.0g ・1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−α −ナフチルエステル 1.5g ・ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学社製) 0.2g ・メチルセロソルブ 32.0g 感光性組成物N ・フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 0.8g ・クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 2.5g ・1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−フェニルエステル 1.2g ・ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学社製) 0.2g ・メチルセロソルブ 32.0g 感光性組成物O ・フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 1.0g ・クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 2.5g ・1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−α −ナフチルエステル 1.5g ・ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学社製) 0.2g ・メチルセロソルブ 32.0g [評価方法] ・ボールペン適性 得られた感光性平版印刷版にトンボ描画機にてトンボを
描いた後、感光性平版印刷版全面を前述の条件で露光、
現像し、パイロットのボールペンのインキの、砂目上で
の残り具合によりボールペン適性を評価した。
【0295】 ○:残りなし △:部分的にインキが残る ×:目視で明らかにインキが認められる。
【0296】
【表5】
【0297】実施例4−1〜4−8、比較例4−1〜4
−6 感光性組成物として以下のものを使った以外は実施例1
−1〜1−8、比較例1−1〜1−6と同様にして得ら
れた平版印刷版について、イソプロピルアルコールを含
まない(IPAフリー)湿し水に対する耐性を以下の方
法で評価し、結果を表6に示す。
【0298】 感光性組成物P ・1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−フェニルエステル 1.8g ・一般式(2)で、R1及びR2がエトキシ基、R3及びR4が トリクロロメチル基 であるもの 0.07g ・ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学社製) 0.07g ・フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 1.5g ・クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 3.0g ・メチルセロソルブ 100.0g 感光性組成物Q ・1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−α −ナフチルエステル 1.8g ・一般式(2)で、R1及びR2がプロポキシ基、R3及びR4が トリクロロメチル基であるもの 0.07g ・オイルブルー#603(オリエント化学工業社製) 0.07g ・フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 1.5g ・クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 3.0g ・メチルセロソルブ 100.0g 感光性組成物R ・1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−フェニルエステル 1.8g ・一般式(2)で、R1及びR2がブトキシ基、R3及びR4が トリクロロメチル基 であるもの 0.07g ・ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学社製) 0.07g ・フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 1.5g ・クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 3.0g ・メチルセロソルブ 100.0g 感光性組成物S ・1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−α −ナフチルエステル 1.8g ・一般式(2)で、R1及びR2がエトキシ基、R3及びR4が トリクロロメチル基であるもの 0.07g ・フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 1.5g ・クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 3.0g ・メチルセロソルブ 100.0g 感光性組成物T ・1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−フェニルエステル 1.8g ・フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 1.5g ・クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 3.0g ・メチルセロソルブ 100.0g [評価方法] ・IPAフリー湿し水耐性 得られた感光性平版印刷版を前述の条件で露光、現像し
た後、IPAフリー湿し水であるSG−51(東京イン
キ株製)の2%水溶液中に30分間浸漬して画像表面の
白変の程度を目視で観察して評価した。
【0299】 ○:画像の侵されなし △:部分的に白変が見られる ×:画像が全面にわたり白変している。
【0300】
【表6】
【0301】実施例5−1〜5−8、比較例5−1〜5
−6 感光性組成物として以下のものを使った以外は実施例1
−1〜1−8、比較例1−1〜1−6と同様にして得ら
れた平版印刷版について、下記の方法で印刷評価を行っ
た結果を下記表7に示す。
【0302】ジアゾ樹脂1の合成 p−ヒドロキシ安息香酸3.5g、及びp−ジアゾジフ
ェニルアミン硫酸塩21.75gを、氷冷下で90gの
濃硫酸に溶解した。この溶液に、2.7gのp−ホルム
アルデヒドをゆっくり添加した。この際、反応温度が1
0℃を越えないように添加した。2時間反応溶液を攪拌
した後、1リットルのエタノールに滴下し、生じた沈殿
をろ別し、エタノールで洗浄した。沈殿を200mlの
純水に溶解し、10.5gの塩化鉛を溶解した水溶液を
加えた。生じた沈殿を濾過し、エタノールで洗浄した
後、300mlの純水に溶解した。この溶液に、13.
7gのヘキサフルオロリン酸アンモニウムを溶解した水
溶液を添加した。生じた沈殿をろ別し、水、エタノール
で洗浄した後、25℃で一日乾燥してジアゾ樹脂1を得
た。このジアゾ樹脂1をゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(以下、GPCと略す)により分子量を測定
したところ、重量平均分子量で約2300であった。
【0303】ジアゾ樹脂2の合成 ジアゾ樹脂1のp−ジアゾジフェニルアミン硫酸塩を4
−ジアゾ−4′−メトキシジフェニルアミン硫酸塩2
4.3gに変えた以外はジアゾ樹脂1の合成の場合と同
様にしてジアゾ樹脂2を得た。GPCにより分子量を測
定したところ、重量平均分子量で約2500であった。
【0304】 感光性組成物U ・トリメチロールプロパントリアクリレート 0.3g ・ポリ(N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド /アクリロニトリル/メチルメタクリレート/メタクリル酸) 共重合体モル比25/25/42/8のコポリマー(Mw:42000) 0.3g ・2,4−ジエチルチオキサントン 0.05g ・ジアゾ樹脂1 0.02g ・ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学社製) 0.01g ・メチルセロソルブ 8.0g 感光性組成物V ・ペンタエリスリトールトリアクリレート 0.3g ・ポリ(N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド/ アクリロニトリル/メチルメタクリレート/メタクリル酸) 共重合体モル比25/25/40/10のコポリマー(Mw:45000) 0.3g ・2,4−ジエチルチオキサントン 0.05g ・ジアゾ樹脂1 0.02g ・ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学社製) 0.01g ・メチルセロソルブ 8.0g 感光性組成物W ・トリメチロールプロパントリアクリレート 0.3g ・ポリ(N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド/ アクリロニトリル/メチルメタクリレート/メタクリル酸) 共重合体モル比25/25/42/8のコポリマー(Mw:42000) 0.3g ・2,4−ジエチルチオキサントン 0.05g ・ジアゾ樹脂2 0.02g ・ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学社製) 0.01g ・メチルセロソルブ 8.0g 感光性組成物X ・ポリ(N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド/ アクリロニトリル/メチルメタクリレート/メタクリル酸) 共重合体モル比25/25/42/8のコポリマー(Mw:42000) 0.6g ・ジアゾ樹脂2 0.06g ・ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学社製) 0.01g ・メチルセロソルブ 8.0g 感光性組成物Y ・トリメチロールプロパントリアクリレート 0.3g ・ポリ(N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド/ アクリロニトリル/メチルメタクリレート/メタクリル酸) 共重合体モル比25/25/42/8のコポリマー(Mw:42000) 0.3g ・2,4−ジエチルチオキサントン 0.05g ・ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学社製) 0.01g ・メチルセロソルブ 8.0g [印刷評価方法] ・網点の目の開き インキ(東洋インキ株製レオエコー墨)と湿し水(東京
インキ株製SG−51の2%水溶液)を用いて、三菱重
工株製オフ輪印刷機(リソピアAY−1−1300)で
中越パルプ株製のザラ紙に標準の印圧、1300rpm
のスピードで印刷し、1万枚印刷を行った後、インキを
完全に紙面に移してから印刷版を取り外し、常温常湿で
48時間放置した。
【0305】放置後、また同様の条件で印刷を行い、印
刷物上のスクリーン線数150line/inchの8
0%網点の面積をマクベス濃度計で測定した。測定値が
100%に近いほど目がつぶれているという評価にな
る。
【0306】
【表7】
【0307】実施例6−1〜6−5、比較例6−1〜6
−5 感光性組成物として以下のものを使い、支持体とし表8
に記載の支持体を使い、メタルハライドランプでの画像
露光をクレオプロダクツ社製の露光機(トレンドセッタ
ー3244;半導体レーザー出力10W、240チャン
ネル機)での画像露光に変えた以外は実施例1−1、比
較例1−1と同様にして得られた平版印刷版について、
下記の方法で印刷評価を行った結果を表8に示す。な
お、上記画像露光における感度(露光部の感光層が除去
可能な露光エネルギー)も表8に示す。
【0308】酸分解性化合物Aの合成 1,1−ジメトキシシクロヘキサン1.0モル、ジエチ
レングリコール1.0モル及びp−トルエンスルホン酸
水和物0.003モル、トルエン500mlを攪拌しな
がら100℃で1時間反応させ、その後150℃まで徐
々に温度を上げ、更に150℃で4時間反応させた。反
応により生成するメタノールはこの間に留去した。冷却
後、反応生成物を水で充分に洗浄し、1%のNaOH水
溶液、1NのNaOH水溶液で順次洗浄した。更に食塩
水で洗浄し無水炭酸カリウムで脱水した後、減圧下濃縮
した。真空下で80℃に加熱しながら10時間乾燥させ
ワックス状の化合物を得た。GPCにより測定したポリ
スチレン換算の重量平均分子量Mwは約1600であっ
た。
【0309】酸分解性化合物Bの合成 テトラエチレングリコール0.8モル及びp−キシリレ
ングリコール0.2モル、ピリジン2.2モル、脱水蒸
留したトルエン800mlの混合物に、ジクロロジメチ
ルシラン1.0モルのトルエン200ml溶液を攪拌氷
冷下、滴下した。50℃にて8時間攪拌したのち、生成
したピリジンの塩酸塩をろ別し、トルエン溶液を減圧下
濃縮した。その後、真空下で80℃に加熱しながら、1
0時間乾燥させ、粘調油性生成物を得た。Mwは約15
00であった。
【0310】 感光性組成物あ ・フェノールとm−,p−混合クレゾールとホルムアルデヒドを共縮合させた ノボラック樹脂(Mw=4000、フェノール/m−クレゾール/ p−クレゾールのモル比がそれぞれ5/57/38) 70.0g ・メチルメタクリレート/ヒドロキシフェニルメタクリルアミド/ メタクリルアミド/メタアクリロニトリルの共重合体 (共重合重量比=20/20/30/30、Mw=30000) 5.0g ・酸分解性化合物A 20.0g ・酸発生剤 例示化合物(12) 3.0g ・赤外吸収色素 例示化合物IR53 1.0g ・クリスタルバイオレット 0.3g ・フッ素系界面活性剤S−381(旭硝子製) 0.5g ・乳酸メチル 700.0g ・メチルエチルケトン 200.0g 感光性組成物い 酸分解性化合物Aを上記Bに変更した以外は〈感光性組
成物あ〉と同様にして感光性組成物いを得た。
【0311】感光性組成物う 赤外吸収色素を入れなかった以外は感光性組成物あと同
様にして感光性組成物うを得た。
【0312】感光性組成物え 酸分解性化合物を入れなかった以外は感光性組成物あと
同様にして感光性組成物えを得た。
【0313】[印刷評価方法] ・ドットゲイン インキ(東洋インキ株製レオエコー墨)と湿し水(東京
インキ株製SG−51)の2%水溶液)を用いて、三菱
重工株製オフ輪印刷機(リソピアAY−1−1300)
で中越パルプ株製のザラ紙に標準の印圧、1300rp
mのスピードで、画像部の濃度を1.6にして印刷を行
い、印刷物上においてスクリーン線数150line/
inchの50%網点の面積をマクベス濃度計で測定
し、ゲイン量を算出した。ゲイン量が小さいほど良好で
ある。
【0314】
【表8】
【0315】実施例7−1〜7−5、比較例7−1〜7
−5 感光性組成物として以下のものを使い、露光後現像前に
140℃1分の熱処理を追加した以外は実施例6−1〜
6−5、比較例6−1〜1−5と同様にして得られた平
版印刷版について、下記の方法で印刷評価を行った結果
を表9に示す。本実施例及び比較例では現像にて未露光
部の感光層が除去される。
【0316】感光性組成物か 酸分解性化合物Aをヘキサメトキシメチロール化メラミ
ンに変更した以外は、感光性組成物あと同様にして感光
性組成物かを得た。
【0317】感光性組成物き 酸分解性化合物Aをレゾール(昭和高分子製ショーノー
ルCKP918)に変更した以外は感光性組成物あと同
様にして感光性組成物きを得た。
【0318】感光性組成物く 赤外吸収色素を入れなかった以外は感光性組成物かと同
様にして感光性組成物くを得た。
【0319】感光性組成物け ヘキサメトキシメチロール化メラミンを入れなかった以
外は、感光性組成物かと同様にして感光性組成物けを得
た。
【0320】
【表9】
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜14に係る発明の感光性平版印刷版
の支持体の電解処理を行う電解装置の一例を示す概要断
面図である。
【図2】請求項1〜14に係る発明の感光性平版印刷版
の支持体の電解処理を行う電解装置の別の一例を示す概
要断面図である。
【図3】請求項1〜14に係る発明の感光性平版印刷版
の支持体の電解処理を行う電解装置の更に別の一例を示
す概要断面図である。
【符号の説明】
1 電解槽 2,3,4,5 支持ロール 6 アルミ合金板ウエブ a〜x 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03F 7/022 G03F 7/022 7/023 7/023 7/027 7/027 7/09 501 7/09 501

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗さの平均波長が3〜30μmの起伏も
    しくは平均開口径が3〜30μmの大ピットに平均開口
    径が0.2〜3.0μmの小ピットが密集状に重畳さ
    れ、小ピット内部に0.01μm以上、小ピット平均開
    口径の1/2以下の平均径を持つ概略球面状の突起を有
    するアルミニウム支持体上に、数平均分子量が3.00
    ×102〜2.00×103、重量平均分子量が5.00
    ×102〜4.00×103のポリヒドロキシフェノール
    とケトン又はアルデヒドとの重縮合樹脂のo−ナフトキ
    ノンジアジドスルホン酸エステルと、アルカリ可溶性樹
    脂を含有する感光性組成物の層を設けたことを特徴とす
    る感光性平版印刷版。
  2. 【請求項2】 粗さの平均波長が3〜30μmの起伏も
    しくは平均開口径が3〜30μmの大ピットに平均開口
    径が0.2〜3.0μmの小ピットが密集状に重畳さ
    れ、小ピット内部に0.01μm以上、小ピット平均開
    口径の1/2以下の平均径を持つ概略球面状の突起を有
    するアルミニウム支持体上に、下記一般式(1)で示さ
    れる構造単位を分子構造中に有する高分子化合物と、o
    −キノンジアジド化合物を含有する感光性組成物の層を
    設けたことを特徴とする感光性平版印刷版。 【化1】 (式中、R1及びR2は水素原子、アルキル基又はカルボ
    キシル基、R3は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル
    基、R4は水素原子、アルキル基、フェニル基又はアラ
    ルキル基、Aは窒素原子と芳香環炭素原子とを連結する
    2価の有機基、mは0又は1、Bは置換基を有してもよ
    いフェニレン基又は置換基を有してもよいナフチレン基
    を表す。)
  3. 【請求項3】 粗さの平均波長が3〜30μmの起伏も
    しくは平均開口径が3〜30μmの大ピットに平均開口
    径が0.2〜3.0μmの小ピットが密集状に重畳さ
    れ、小ピット内部に0.01μm以上、小ピット平均開
    口径の1/2以下の平均径を持つ概略球面状の突起を有
    するアルミニウム支持体上に、フェノール及びm−,p
    −混合クレゾールとアルデヒドとを共縮重合させた樹脂
    であって、該フェノールと該m−,p−混合クレゾール
    との混合比がモル比で1:9〜9:1である樹脂と、o
    −キノンジアジド化合物を含有する感光性組成物の層を
    設けたことを特徴とする感光性平版印刷版。
  4. 【請求項4】 粗さの平均波長が3〜30μmの起伏も
    しくは平均開口径が3〜30μmの大ピットに平均開口
    径が0.2〜3.0μmの小ピットが密集状に重畳さ
    れ、小ピット内部に0.01μm以上、小ピット平均開
    口径の1/2以下の平均径を持つ概略球面状の突起を有
    するアルミニウム支持体上に、o−キノンジアジド化合
    物、下記一般式(2)で表されるs−トリアジン化合
    物、該s−トリアジン化合物の光分解生成物との相互作
    用により色調を変える色素、アルカリ可溶性樹脂を含有
    する感光性組成物の層を設けたことを特徴とする感光性
    平版印刷版。 【化2】 (式中、R1及びR2はそれぞれアルキル基、置換アルキ
    ル基、アルコキシ基、置換アルコキシ基又は水素原子を
    表す。R3及びR4はそれぞれ炭素原子1〜3個を有する
    ハロアルキル基又はハロアルケニル基を表す。)
  5. 【請求項5】 粗さの平均波長が3〜30μmの起伏も
    しくは平均開口径が3〜30μmの大ピットに平均開口
    径が0.2〜3.0μmの小ピットが密集状に重畳さ
    れ、小ピット内部に0.01μm以上、小ピット平均開
    口径の1/2以下の平均径を持つ概略球面状の突起を有
    するアルミニウム支持体上に、付加重合可能なエチレン
    性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化合物、芳香
    族性水酸基を側鎖に有する化合物及び/又は脂肪族水酸
    基を側鎖に有する化合物を構成単位として分子中に含有
    する、アルカリ水に可溶性又は膨潤性の酸性ビニル共重
    合体、光重合開始剤、ジアゾ樹脂を含有する感光性組成
    物の層を設けたことを特徴とする感光性平版印刷版。
  6. 【請求項6】 粗さの平均波長が3〜30μmの起伏も
    しくは平均開口径が3〜30μmの大ピットに平均開口
    径が0.2〜3.0μmの小ピットが密集状に重畳さ
    れ、小ピット内部に0.01μm以上、小ピット平均開
    口径の1/2以下の平均径を持つ概略球面状の突起を有
    するアルミニウム支持体上に、酸発生剤、酸分解化合
    物、赤外線吸収剤を含有する感光性組成物の層を設けた
    ことを特徴とする感光性平版印刷版。
  7. 【請求項7】 粗さの平均波長が3〜30μmの起伏も
    しくは平均開口径が3〜30μmの大ピットに平均開口
    径が0.2〜3.0μmの小ピットが密集状に重畳さ
    れ、小ピット内部に0.01μm以上、小ピット平均開
    口径の1/2以下の平均径を持つ概略球面状の突起を有
    するアルミニウム支持体上に、酸発生剤、酸で不溶化す
    る化合物、赤外線吸収剤を含有する感光性組成物の層を
    設けたことを特徴とする感光性平版印刷版。
  8. 【請求項8】 小ピットの平均開口径が0.2〜0.8
    μm、小ピット内部の概略球面状の突起の平均径が0.
    01μm以上、小ピット平均開口径の1/4以下である
    ことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の感
    光性平版印刷版。
  9. 【請求項9】 小ピットの開口径に対するピットの深さ
    の比が0.2以下であることを特徴とする請求項8記載
    の感光性平版印刷版。
  10. 【請求項10】 小ピット内部の概略球面状の突起間が
    滑らかな面で形成されていることを特徴とする請求項1
    〜9の何れか1項に記載の感光性平版印刷版。
  11. 【請求項11】 アルミニウム板の表面を機械的粗面化
    或いは脱脂後電解粗面化し、アルカリで表面溶解処理を
    施し、酸で中和し、酸性電解液中で電解粗面化し、更に
    アルカリで表面溶解処理を施し、酸で中和し、陽極酸化
    処理を行った後、陽極酸化皮膜上に有機金属化合物或い
    は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる
    金属酸化物の被覆層を設け、その上に請求項1〜7の何
    れか1項に記載の感光性組成物の層を設けることを特徴
    とする感光性平版印刷版の製造方法。
  12. 【請求項12】 電解液が塩酸及び/又は酢酸を主体と
    することを特徴とする請求項11記載の感光性平版印刷
    版の製造方法。
  13. 【請求項13】 アルミニウム板をアルカリで表面を溶
    解処理し、酸で中和し、塩酸及び/又は酢酸を主体とす
    る酸性電解液中で電解粗面化し、更にアルカリで表面を
    溶解し、酸で中和し、陽極酸化処理を行った後、陽極酸
    化皮膜上に有機金属化合物或いは無機金属化合物を加水
    分解及び重縮合させて得られる金属酸化物の被覆層を設
    け、その上に請求項1〜7の何れか1項に記載の感光性
    組成物の層を設けることを特徴とする感光性平版印刷版
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 電解粗面化の全工程中で電解処理の進
    行が速い部分と電解処理の進行が遅いかもしくは停止す
    る部分とが交互に複数回存在するように電解処理し、か
    つ、電解処理の進行が速い部分一工程での電解処理の電
    気量が平均で100C/dm2以下であることを特徴と
    する請求項13記載の感光性平版印刷版の製造方法。
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