JPH11164878A - 新規な医療用ポリマー - Google Patents

新規な医療用ポリマー

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JPH11164878A
JPH11164878A JP9334141A JP33414197A JPH11164878A JP H11164878 A JPH11164878 A JP H11164878A JP 9334141 A JP9334141 A JP 9334141A JP 33414197 A JP33414197 A JP 33414197A JP H11164878 A JPH11164878 A JP H11164878A
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JP
Japan
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group
polymer
adhesive
pressure
sensitive adhesive
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Application number
JP9334141A
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English (en)
Inventor
Susumu Maruo
享 丸尾
Hiromasa Minematsu
宏昌 峯松
Takeyuki Kawaguchi
武行 川口
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚接着面からの脱着を防ぐために必要な粘
着力を有するとともに、使用後の剥離時に皮膚表面を損
傷しない程度の剥離容易性を有し、かつ糊残りの少ない
貼付剤用ゲル状粘着剤を提供する。 【解決手段】 カルボキシル基含有エチレン性不飽和単
量体を1〜40重量%と下記一般式(1)で示される単
量体を20〜90重量%含有する酸性基含有ポリマー
(A)、塩基性基含有ポリマー(B)、及びこれら両ポ
リマーに相溶する液体成分(C)とからなり、(A)と
(B)の合計含有量と(C)の含有重量比が1.0:0.25
〜1.0:2.0であるゲル状粘着剤。 CH2=C(R1)COO(CH2CH(R2)O)nR3 式(1) (但し、R1、R2は水素又はメチル基、nは2以上1
0以下の整数、R3は炭素数6以上24以下のアルキル
基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な粘着剤および
貼付剤に関する。更に詳細には、本発明は皮膚面の保護
などに用いることのできる医療用粘着剤および皮膚表面
に貼付して薬剤を経皮吸収させるための貼付剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、薬物を皮膚面を通して生体内に投
与するための経皮吸収テープ剤が各種開発されている。
通常、こうしたテープ剤には、皮膚接着面からの脱着を
防ぐために必要な粘着力を有すると共に、使用後の剥離
時に皮膚表面(角質層)を損傷しない程度の剥離容易性
を有することが望まれている。従来よりゴム系の粘着剤
において、流動パラフィンなどの液体成分を添加するこ
とで、剥離時の角質層の損傷を防ぐ方法が行われてい
る。しかしながら、これら粘着剤の場合、酸化防止剤、
安定化剤及び粘着付与樹脂などの低分子成分の添加が必
須であり、仮に角質層剥離を抑制することができても皮
膚刺激を完全に抑制することは難しい。また、特開昭60
ー208912号公報には天然ゴムや合成ゴムの代わりにポリ
エステルエラストマーを用いることで粘着剤の安定性を
向上させる方法がある。この方法では酸化防止剤や安定
化剤の添加をなくすことはできても低分子量(数平均分
子量<2000)の粘着付与樹脂の添加は必須であり、
従ってそれらによる皮膚刺激は回避出来ない。また、特
開平3-220120号公報には、アクリル酸エステル系ポリマ
ーおよび該ポリマーと相溶する液体成分とを含む架橋ゲ
ル層が、支持体の少なくとも片面に形成されてなるアク
リル系ゲル状粘着剤が提案されている。該提案によれ
ば、ゲル状粘着剤は、多量の液体成分を含有できるため
に、従来の非架橋粘着剤に比べて粘着力と剥離容易性を
バランスでき、角質層剥離も少ないとされている。しか
しながら、上記提案のゲル状粘着剤においては、粘着剤
の凝集力をあげるために、アクリル酸エステル系ポリマ
ー中に含まれるアクリル酸単位を、Al3+やチタンなど
の多価金属アルコラートや三官能イソシアネートなどの
低分子架橋剤を用いて化学反応により架橋する必要があ
る。一般に高分子反応において、100%の反応率を達
成することは困難であり、通常は未反応の試薬が系に残
存する。従って、こうした架橋剤を化学反応させて得た
ゲル状粘着剤においては、架橋用触媒や架橋剤が粘着剤
中に残存し、皮膚刺激やかぶれを誘発する恐れがあっ
た。また、低分子架橋剤を用いた化学反応による架橋の
代わりにポリイオンコンプレックスを形成する高分子を
用いる方法が考えられるが、従来の粘着ポリマーにおい
ては、ポリイオンコンプレックスを形成する高分子を添
加すると粘着剤ドープが粘着剤キャスト以前にゲル化し
てしまい、均質な粘着剤を得ることが困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、皮膚
接着面からの脱着を防ぐために必要な粘着力を有すると
ともに、使用後の剥離時に皮膚表面を損傷しない程度の
剥離容易性を有し、かつ糊残りの少ない貼付剤用ゲル状
粘着剤を提供することにある。
【0004】更に本発明の目的は、かかるゲル状粘着剤
を用いた、皮膚の保護などに用いることのできる貼付
剤、あるいはかかる粘着剤中に薬剤を含有せしめた薬剤
を効果的に経皮吸収させることのできる貼付剤を提供す
ることにある。
【0005】本発明者らは、このような目的を達成する
ために鋭意研究した結果、上記のような低分子架橋剤を
用いた化学反応架橋の代わりに特定の両親媒性側鎖を有
する単量体および酸性基を有する単量体からなるポリマ
ーと塩基性基を有するポリマーおよび液体成分を混合す
ることにより、液体成分の沁みだしのないゲル状粘着剤
が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、カル
ボキシル基含有エチレン性不飽和単量体を1〜40重量
%と下記一般式(1)で示される単量体を20〜90重
量%含有する酸性基含有ポリマー(A)、塩基性基含有
ポリマー(B)、及びこれら両ポリマーに相溶する液体
成分(C)とからなり、(A)と(B)の合計含有量と
(C)の含有重量比が1.0:0.25〜1.0:2.0であるゲル
状粘着剤、およびかかるゲル状粘着剤と支持体とからな
る貼付剤を提供するものである。 CH2=C(R1)COO(CH2CH(R2)O)nR3 式(1) (但し、R1、R2は水素又はメチル基、nは2以上1
0以下の整数、R3は炭素数6以上24以下のアルキル
基を示す。)
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる酸性基
含有ポリマー(A)としては、単量体はカルボキシル基含
有エチレン性不飽和単量体を1重量%以上40重量%以
下及び下記式(1)で示される単量体を20重量%以上
90重量%以下含有するポリマーである。 CH2=C(R1)COO(CH2CH(R2)O)nR3 式(1) (但し、R1、R2は水素又はメチル基、nは2以上1
0以下の整数、R3は炭素数6以上24以下のアルキル
基を示す。) カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体が1%未満
の場合や、上記式(1)の単量体が90重量%を超えた
場合、粘着剤の凝集力が低下し、貼付剤を皮膚に適用し
た場合に皮膚面に粘着剤が残る、すなわち糊残りが生じ
やすくなり好ましくない。また、上記式(1)の単量体
が20重量%未満の場合、ポリマーが低沸点極性溶剤で
あるアルコールやアルコール混合溶媒等に溶けにくくな
り、塩基性基を含有するポリマー溶液と混合した場合に
粘着剤ドープがゲル化してしまい、粘着剤のコーティン
グが困難となり好ましくない。また、カルボキシル基含
有エチレン性不飽和単量体が40重量%を超えると、皮
膚接着に必要な粘着力が得られなくなり、好ましくな
い。
【0008】上記式(1)の単量体の具体的な例として
は、ジエチレングリコールオクチルエーテル(メタ)ア
クリレート、テトラエチレングリコールオクチルエーテ
ル(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールド
デシルエーテル(メタ)アクリレート、ヘキサエチレング
リコールオクタデシルエーテル(メタ)アクリレート、
ヘプタエチレングリコールオクタデシルエーテル(メ
タ)アクリレート、オクタエチレングリコールヘキサデ
シルエーテル(メタ)アクリレート、デカエチレングリ
コールヘキサデシルエーテル(メタ)アクリレート、ペ
ンタプロピレングリコールドデシルエーテル(メタ)ア
クリレート、ペンタプロピレングリコールオクタデシル
エーテル(メタ)アクリレート、ヘプタエチレングリコ
ールトリプロピレングリコールオクタデシルエーテル
(メタ)アクリレートなどがあげられる。また、上記カ
ルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体の具体的な例
としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マ
レイン酸などが上げられる。これらの中でも特にアクリ
ル酸が凝集力、粘着力、重合性の点から好ましい。
【0009】本発明において、上記式(1)、カルボキ
シル基含有エチレン性不飽和単量体以外の単量体を共重
合することもできる。この単量体としては、メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレー
ト、ヘキシル(メタ)アクリレート、2ーエチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
トなどのアルキル(メタ)アクリレート、ブチルビニル
エーテル、メチルビニルエーテルなどのビニルエーテ
ル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルピロリド
ン、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、無水
マレイン酸、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキ
シプロピルアクリレート、アクリルアミド、ジメチルア
クリルアミド、アクリロニトリルなどなどがあげられ
る。これらの単量体は粘着剤の粘着力、凝集力を損なわ
ない範囲で共重合することができる。
【0010】本発明に用いられる塩基性ポリマー(B)と
しては、アミノ基、アルキルアミノ基、ピロリドン基、
ピリジン基、イミダゾール基、ピリミジン基、ピペラジ
ン基などを含有するポリマーがあげられる。これらのう
ち、酸性基との相互作用の強さ、粘着剤の凝集性や原料
コストの点から、アミノ基、アルキルアミノ基、ピロリ
ドン基を有するポリマーがより好ましい。該ポリマーと
して、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルなどの
縮合系ポリマーやポリオレフィン、ポリスチレンなどの
ビニル系ポリマーがあげられるが、ポリマーの溶解性や
柔軟性の点からビニル系ポリマーが好ましい。具体的に
は、アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アク
リレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレートなどのア
ルキルアミノ(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、
ビニルピリジン、ビニルイミダゾールなどのビニルモノ
マーを含む単独重合体や共重合体があげられる。
【0011】本発明において、酸性基含有ポリマー(A)
の酸性基と塩基性基含有ポリマー(B)の塩基性基がグラ
ム当量比で1.0:0.02〜1.0:0.80となるように(A)と(B)
を混合することが重要である。該ポリマー(B)の塩基性
基が該ポリマー(A)の酸性基に対しグラム当量比で0.02
未満では、十分な凝集力が得られず、粘着剤剥離時に糊
残りが生じやすくなる。一方、0.80を超えると、皮膚接
着に必要な粘着力が得られなくなり、好ましくない。ま
た、酸性基含有ポリマー(A)の酸性基と塩基性基含有ポ
リマー(B)の塩基性基がグラム当量比のより好ましい値
は1.0:0.05〜1.0:0.5である。
【0012】本発明において用いられる液体成分(C)と
しては、上記該ポリマー(A)、該ポリマー(B)と相溶性を
有するものであれば特に制限はない。そのような液体成
分の中でも常温で液体のものが好ましく、具体的には、
例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリ(オキシエチレン
ーオキシプロピレン)グリコールなどのグリコール類;
例えばエタノール、オレイルアルコールなどのアルコー
ル類;例えばグリセリン、トリアセチンなどのグリセリ
ン類;例えばオリーブ油、ヒマシ油のような油脂類;例
えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソオク
チル、オレイン酸エチル、セバシン酸ジエチルなどの高
級脂肪酸エステル類;例えばリノレン酸、リノール酸、
オレイン酸、カプリン酸などの高級脂肪酸;例えばフタ
ル酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピルなどの脂肪酸
エステル;例えばジメチルスルホキシド、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、Nーメチルピロリド
ンなどの非プロトン性極性有機物;例えばラウリルアミ
ド、ジメチルドデシルスルホキシド、ドデシルピロリド
ン、モノカプリル酸ソルビタンなどの液状界面活性剤お
よび例えば流動パラフィンなどの炭化水素類などがあげ
られる。これらは単独でも、1種または2種以上の混合
系でも使用できる。
【0013】これらのなかでも、本発明の液体成分
(C)としては、例えばミリスチン酸イソプロピル、パ
ルミチン酸イソオクチル、オレイン酸エチルなどの高級
脂肪酸エステルや例えばリノレン酸、リノール酸、オレ
イン酸などの高級脂肪酸がゲル状粘着剤の粘着力、剥離
容易性および薬物の経皮吸収性の向上の点から好まし
く、またポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリ(オキシエチレンーオキシプロピレン)グ
リコールなどのグリコールが吸汗性、吸湿性を有するこ
とで皮膚刺激を抑制する点から好ましい。
【0014】本発明において、上記ポリマー(A)、上記
ポリマー(B)および液体成分(C)は、該ポリマー(A)及び
該ポリマー(B)の合計含有量と該液体成分(C)の含有量
の重量比が1.0:0.25〜1.0:2.0、好ましくは1.0:0.4〜1.
0:1.2の割合で混合される。このような適度な配合割合
のとき、皮膚接着面からの脱着を防ぐために必要な適度
な粘着力と使用後の剥離時に皮膚表面を損傷しない程度
の剥離容易性とを有し、糊残りの少ない安全なゲル状粘
着剤が得られる。ここでいう糊残りとは、後述する18
0度剥離試験において、剥離後ベークライト板に液成分
及びまたは粘着性ポリマーが付着しない程度のことをい
う。
【0015】本発明のゲル状粘着剤は、上記ポリマー
(A)、上記ポリマー(B)および液体成分(C)を例
えば前項記載の混合割合で、共通溶剤中にて混合溶解し
たのち、基板または離型材の片面に塗布し、その後、乾
燥処理により溶媒を除去して、かかるゲル状粘着剤から
なる粘着剤層とすることができる。出来上がりの粘着剤
層の厚みは、例えばゲル状粘着剤に薬物を含有させる場
合には、用いる薬剤にもよるが、通常20μm〜150
μm、好ましくは30μm〜80μm程度が好適である。
【0016】本発明の貼付剤は、上記のようにして得ら
れた本発明のゲル状粘着剤からなる粘着剤層と支持体と
を直接・間接に積層して得るか、あるいはまた、かかる
支持体上に直接本発明のゲル状粘着剤を例えばコーター
等を用いて塗布するか、支持体上にゲル状粘着剤層を転
着するなど従来公知の方法により得ることができる。
【0017】本発明に用いられる支持体としては、上記
粘着剤層が形成でき、自己保持性があって、皮膚表面に
貼付して薬剤を経皮吸収により透過させるための貼付剤
および皮膚面の保護などに用いる貼付剤とすることがで
きるものであれば特に制限はなく、ポリエステル、ポリ
オレフィン、セルロースエステルなどのポリマーフィル
ム、ポリエステル、ポリオレフィン、セルロースエステ
ル、ポリウレタン、ポリアミド等からなる織物・編物・
不織布、紙、ポリエステル、ポリオレフィン、セルロー
スエステル、ポリウレタン、ポリアミド等からなる多孔
性膜又はこれらの1種または2種以上の組み合わせから
なる積層体などが使用できる。これらの支持体の厚み
は、貼付剤の種類にもよるが、通常100μm〜100
0μm、好ましくは、200μm〜500μmに設定され
る。
【0018】本発明の粘着剤に薬物を含有させること
で、貼付剤とすることができる。含有される薬物として
は特に限定はないが、具体的には消炎鎮痛剤、ステロイ
ド類、降圧利尿剤、麻酔剤、抗ヒスタミン剤、抗腫瘍
剤、抗高血圧剤、抗鬱剤、ビタミン剤などが例示され
る。また、薬物の含有量は、治療目的に応じて設定され
るが、通常0.1〜40重量%,好ましくは1〜30重量%であ
る。含有量が0.1重量%未満では、通常治療に必要な量
の薬物の経皮吸収が得られない場合がある。また、含有
量が40重量%を超える場合、貼付剤の粘着力が低下した
り、使用後の貼付剤の残存薬物量が増え、不経済であ
る。また、薬物を含有させる方法としては、溶液状の粘
着剤に薬物溶液をあらかじめ混合して薬物含有粘着剤層
とするか、あるいは含浸、転着、スプレー等の方法で薬
物を含有しないか又は薬物を十分には含有しない粘着剤
層に薬物を経皮吸収に十分な量含有させる等、含有させ
ようとする薬物の物性等に応じて従来公知の方法を採用
することができる。
【0019】
【発明の効果】上述したように、本発明の粘着剤は、低
分子架橋剤を用いることなくゲル化でき、かつ大量の液
体成分を含有できるために、皮膚刺激性がなく、剥離時
の角質層剥離が少ない。また、含有させる油性液体の種
類によって、経皮吸収を促進することも可能である。
【0020】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。な
お、実施例中、部および%は重量部および重量%を意味
する。また、実施例中の「粘着力」、「凝集力」は以下
の方法で測定した。
【0021】(1)粘着力 ベークライト板に幅12mm、長さ50mmに切断した
サンプルを貼付し、荷重850gのローラーを1往復さ
せた後、37℃の恒温装置に30分静置させた後、30
0mm/min.の速度で180度方向に剥離し、その
ときの剥離力を粘着力とした。
【0022】(2)凝集力 上記(1)の方法で粘着力を測定した後に、粘着剤がベ
ークライト板上に残るか否かを目視にて判定を行った。
【0023】[実施例1]窒素ガス雰囲気下でテトラエ
チレングリコールドデシルエーテルアクリレート45
g、酢酸ビニル50g,アクリル酸5g及び酢酸エチル
100gの溶液に重合開始剤としてアゾビスイソブチロ
ニトリルを0.374g加えた後、溶液中に窒素ガスを
1時間通じた。70℃に昇温し、2時間重合反応を行う
ことにより酸性基を有するアクリル共重合体を得た。こ
の共重合体の固形分60g(33%酢酸エチル溶液)に対
し、ポリプロピレングリコール(数平均分子量2000)40
g、塩基性基を有するメタアクリル酸ジメチルアミノエ
チル共重合体(オイト゛ラキ゛ットE、Roehm Pharma品)1.17g
(5%エタノール溶液)及びエタノール180gを加えた
後、この混合溶液をシリコーンコートした離型フィルム
の上に乾燥後の粘着剤層の厚みが50μmとなるように
塗工し、60℃で30分乾燥し粘着剤層を得た。得られ
た粘着剤層の片面に支持体として3.5μmのPETフィ
ルムを貼り合わせて剥離試験用の粘着テープを得た。こ
のようにして得られたテープを12mm×50mmに切
断し、粘着力を測定したところ表1にしめした様に、粘
着力は76gと良好であり、かつ糊残りは見られなかっ
た。
【0024】[比較例1]実施例1において、塩基性基
を有するメタアクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体
を0.11gとした以外は実施例1と同様にして粘着テ
ープを得た。
【0025】[比較例2]実施例1において、塩基性基
を有するメタアクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体
を11.66gとした以外は実施例1と同様にして粘着
テープを得た。
【0026】[実施例2]実施例1において、ポリプロ
ピレングリコールを60gとした以外は実施例1と同様
にして粘着テープを得た。
【0027】[実施例3]実施例1において、塩基性基
を有するメタアクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体
の代わりに、塩基性基を有するポリマーとしてポリビニ
ルピロリドン2.31gを用いた以外は実施例1と同様
にして粘着テープを得た。
【0028】[実施例4]窒素ガス雰囲気下でテトラエ
チレングリコールドデシルエーテルアクリレート30
g、2ーエチルヘキシルアクリレート55g,アクリル
酸15g及び酢酸エチル100gの溶液に重合開始剤と
してアゾビスイソブチロニトリルを0.285g加えた
後、溶液中に窒素ガスを1時間通じた。70℃に昇温
し、2時間重合反応を行うことにより酸性基を有するア
クリル共重合体を得た。この共重合体の固形分60g
(33%酢酸エチル溶液)に対し、ポリプロピレングリコ
ール(数平均分子量2000)40g、塩基性基を有するポリ
ビニルピロリドン6.9g(5%エタノール溶液)及びエ
タノール180gを加えた後、この混合溶液をシリコー
ンコートした離型フィルムの上に乾燥後の粘着剤層の厚
みが50μmとなるように塗工し、60℃で30分乾燥
し粘着剤層を得た。得られた粘着剤層の片面に支持体と
して3.5μmのPETフィルムを貼り合わせて剥離試験
用の粘着テープを得た。
【0029】[比較例3]実施例4において、塩基性基
を有するポリビニルピロリドン及びエタノールを添加し
ない以外は実施例4と同様にして粘着テープを得た。
【0030】[実施例5]実施例4において、ポリビニ
ルピロリドンを2.76gとし、ポリプロピレングリコ
ールの代わりにイソプロピルミリステートを用いた以外
は実施例4と同様にして粘着テープを得た。
【0031】[比較例4]実施例5において、ポリビニ
ルピロリドン及びエタノールを添加しない以外は実施例
5と同様にして粘着テープを得た。
【0032】[実施例6]実施例5において、粘着剤混
合溶液に薬物としてケトプロフェンを2g添加した以外
は実施例5と同様にして粘着テープを得た。この粘着テ
ープに関して、粘着力、凝集力の他に薬物透過性も評価
した。支持体としてPETフィルムを貼り合せて得られ
た粘着テープを16.5mmΦに打ち抜いて試験片とした。垂
直型拡散セルのドナー、アクセプター間にエチレン酢酸
ビニルポリマーフィルム(酢酸ビニル7モル%、膜厚4
5μm)をセットし、このフィルムのドナー側に試験片
を貼付した。アクセプター側にはpH7.4のリン酸緩
衝液を20ml充填した。拡散セルを37℃の恒温槽内
にセットし、マグネチックスターラーで撹袢した。6時
間後、アクセプター側の液をサンプリングし、薬物濃度
を液体クロマトグラフィーで分析し、薬物の透過量を測
定した。同一サンプルで実験を4回くり返し、平均値を
そのサンプルの透過量とした。本試験片の薬物(ケトプ
ロフェン)の透過量は52μg/cm2/6hrと良好であった。
【0033】
【表1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシル基含有エチレン性不飽和単
    量体を1〜40重量%と下記一般式(1)で示される単
    量体を20〜90重量%含有する酸性基含有ポリマー
    (A)、塩基性基含有ポリマー(B)、及びこれら両ポ
    リマーに相溶する液体成分(C)とからなり、(A)と
    (B)の合計含有量と(C)の含有重量比が1.0:0.25
    〜1.0:2.0であるゲル状粘着剤。 CH2=C(R1)COO(CH2CH(R2)O)nR3 式(1) (但し、R1、R2は水素又はメチル基、nは2以上1
    0以下の整数、R3は炭素数6以上24以下のアルキル
    基を示す。)
  2. 【請求項2】 酸性基含有ポリマー(A)の酸性基と塩
    基性基含有ポリマー(B)の塩基性基がグラム当量比で
    1:0.02〜1:0.80となるように(A)と(B)が配合さ
    れていることを特徴とする請求項1記載のゲル状粘着
    剤。
  3. 【請求項3】 塩基性ポリマー(B)がポリビニルピロ
    リドン、ビニルピロリドン共重合体、またはジエチルア
    ミノメチルメタクリレート共重合体から選ばれたもので
    あることを特徴とする請求項1、2記載のゲル状粘着
    剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の粘着剤に薬物を含有
    することを特徴とする貼付剤。
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