JP3242324B2 - ニトログリセリン経皮吸収型製剤 - Google Patents

ニトログリセリン経皮吸収型製剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニトログリセリン
を薬剤とする経皮吸収型製剤に関し、更に詳しくは、薬
剤のニトログリセリンを吸収、吸着、及び透過し難い支
持体を用いた経皮吸収型製剤に関する。本発明のニトロ
グリセリン経皮吸収型製剤は、保存安定性に優れ、か
つ、薬剤の投与量を正確に制御することができる。
【0002】
【従来の技術】ニトログリセリンを皮膚から投与する経
皮吸収型製剤(貼付剤)は、皮膚から吸収されたニトロ
グリセリンによって冠状動脈を拡張し、狭心症の発作を
治療または予防することができるため、臨床の場におい
て広く使用されている。このようなニトログリセリン経
皮吸収型製剤としては、大別して、(1)支持体上にニ
トログリセリンを含有する感圧性粘着剤層を形成したタ
イプのものと、(2)支持体上に感圧性粘着剤層とニト
ログリセリンを含有する薬剤保存層(薬剤貯蔵層ともい
う)とを設けたタイプのものが知られている。支持体と
しては、各種フィルムが使用されているが、ニトログリ
セリンを吸収または吸着したり、あるいは透過し易いフ
ィルムであると、保存安定性に欠け、更には、ニトログ
リセリンの投与量を正確に制御することが困難になる。
【0003】現在、市販されているニトログリセリン経
皮吸収型製剤において、支持体に使用されているフィル
ムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチ
レンフィルム、ポリプロピレンフィルム、あるいはこれ
らの複合フィルムなどがある(新谷博一編「虚血性心疾
患における経皮吸収薬の使い方」、医薬ジャーナル社発
行、第27頁;G.W.Cleary“Transde
rmal DrugDelivery Worksho
p”,June,1994,p.24−25)。
【0004】また、特開平6−256178号公報に
は、ニトログリセリン貼付剤の支持体として、酢酸セル
ロース、エチルセルロース、ポリエチレンテレフタレー
ト、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ナイロ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、可塑化ポリ塩化ビ
ニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−プロピレン共重合体、ポリ塩化ビニリデン、
アルミニウムなどが例示されており、ポリエチレンフィ
ルム、ポリエチレンテレフタレートとエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体のラミネートフィルムが好ましいとされて
いる。米国特許第5,264,219号には、薬剤の吸
収、吸着、及び透過の少ない経皮吸収型製剤の支持体と
して、超低密度ポリエチレンと直鎖状低密度ポリエチレ
ンとのブレンド物からなるフィルムが提案されている。
【0005】しかしながら、これらのフィルムの内、ポ
リエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系ポリマー
からなるフィルムは、ニトログリセリンの吸収は少ない
が、透過し易いため保存安定性に欠ける。一方、ポリウ
レタン、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポ
リエチレンテレフタレート等のオレフィン系ポリマーよ
り極性の高いポリマーからなるフィルムは、ニトログリ
セリンを透過しにくいものの、吸収し易く、ニトログリ
セリンの皮膚透過性に影響を及ぼすおそれがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、製剤
の保存安定性に優れ、薬剤層の皮膚透過に影響を及ぼす
ことのないニトログリセリン経皮吸収型製剤を提供する
ことにある。より具体的に、本発明の目的は、ニトログ
リセリンを吸収、吸着、及び透過し難い支持体を用いた
ニトログリセリン経皮吸収型製剤を提供することにあ
る。本発明者らは、従来技術の問題点を克服するために
鋭意検討を行った結果、エチレン単位の含有量が44モ
ル%以下のエチレン−ビニルアルコール共重合体から形
成されたフィルムを支持体として用いたところ、基剤層
のニトログリセリンの吸収、吸着、及び透過を顕著に抑
制することができ、保存安定性に優れ、薬剤投与量のよ
り正確な制御が可能になることを見いだし、この知見に
基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、支持体
上に、ニトログリセリンを含有する粘着剤層、または粘
着剤層とニトログリセリンを含有する薬剤保存層とが形
成された経皮吸収型製剤において、該支持体が、エチレ
ン単位の含有量が44モル%以下のエチレン−ビニルア
ルコール共重合体からなるフィルムであることを特徴と
するニトログリセリン経皮吸収型製剤が提供される。
【0008】支持体として、エチレン−ビニルアルコー
共重合体からなるフィルムの基剤層とは反対側の面
に、他の層が更に積層された複合体を用いることもでき
る。そして、他の層としてポリエチレンやポリプロピレ
ンなどのオレフィン系ポリマーからなるフィルムや不織
布などを積層した支持体を使用すれば、保存安定性に加
えて、耐水性や寸法安定性などが改善された製剤を得る
ことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】一般に、経皮吸収型製剤は、前記
したとおり、(1)薬剤を含む粘着剤層と、これに隣接
する支持体とを含むマトリックス型の製剤、及び(2)
粘着剤層と薬剤保存層と支持体の3層を含むリザーバー
型の製剤とに大別することができる。ニトログリセリン
を含有する基剤層の表面には、通常、剥離ライナー(剥
離紙)が貼り合わせられている。
【0010】これら経皮吸収型製剤の最外層(支持体及
び剥離ライナー)には、通常、薬剤が透過しにくく、か
つ、吸収・吸着の少ない材質のものが選択される。薬剤
が支持体を透過して揮散した場合、必然的に基剤層にお
ける薬剤の含有量の低下を引き起こし、所定量を所定時
間内に経皮吸収させることが難しくなる。一方、薬剤が
支持体に吸収または吸着される場合、分配則に従い一定
量の薬剤が支持体側に移行することとなり、基剤層にお
ける薬剤の含有量が低下し、薬剤の投与量を正確に制御
することが困難になる。
【0011】リエチレンフィルムは、ニトログリセリ
ンを透過し易いが、ビニルアルコール単位が56モル%
以上(エチレン単位が44モル%以下)のエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体からなるフィルムは、ニトログ
リセリンを吸収、吸着、及び透過し難いことが見いださ
れた
【0012】ニトログリセリン経皮吸収型製剤は、支持
体、薬剤であるニトログリセリンを含む基剤層、及び基
剤面を保護し、使用する前に剥がす剥離ライナーから構
成されている。本発明に使用する基剤層は、マトリック
ス型またはリザーバー型のいずれでもよい。マトリック
ス型の場合、ニトログリセリンを添加する粘着剤として
は、一般にゴム系またはアクリル系粘着剤が選択される
が、これらに限定されるものではない。
【0013】ゴム系粘着剤は、エラストマー100重量
部に対して、通常、粘着付与剤樹脂を100〜200重
量部の範囲で添加し、さらに必要に応じ、軟化剤、吸収
促進剤、充填剤、酸化防止剤等を加えることができる。
エラストマーとしては、例えば、天然ゴム、ポリイソプ
レンゴム、ポリイソブチレンゴム、ブチルゴム、スチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン
−ブタジエン−スチレンブロック共重合体等が挙げられ
る。粘着付与剤樹脂としては、例えば、芳香族系石油樹
脂、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、エステルガ
ム、ポリテルペン、テルペンフェノール等の石油樹脂等
が挙げられる。軟化剤としては、例えば、オレイルアル
コール、ラウリルアルコール等の高級アルコール、オレ
イン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸、ミリスチン酸イソ
プロピル、パルミチン酸イソプロピル等の高級脂肪酸エ
ステル、流動パラフィン、オレフィン系オイル、ナフテ
ン系オイル、ラノリン、ラノリンエステル等が挙げられ
る。充填剤としては、例えば、酸化チタン、亜鉛華、微
粉末シリカ、クレー等の無機充填剤、あるいはポリスチ
レン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、シリ
コン等からなる微粉末粒子が挙げられる。ニトログリセ
リンは、これらの配合物で構成される粘着剤基剤100
重量部に対して、通常、1〜50重量部、好ましくは1
0〜30重量部の範囲で加えられる。
【0014】アクリル系粘着剤としては、(メタ)アク
リル酸エステル類の共重合体、あるいはこれらと官能基
を有するモノマー、及び凝集力を高める効果のある重合
性モノマーとの共重合体が挙げられる。(メタ)アクリ
ル酸エステルとしては、一般にアルキル基の炭素数が1
〜18のものであり、例えば、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブ
チル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソ
オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリ
ル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げ
られる。官能基を有するポリマーとしては、例えば、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキ
シエチル、(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアク
リルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールトリ(メタ)アクリレート等
が挙げられる。重合性モノマーとしては、酢酸ビニル、
スチレン等が挙げられる。これらのモノマーは、それぞ
れ単独で、あるいは2種以上が組み合わされて用いられ
る。
【0015】アクリル系粘着剤は、ラジカル重合による
溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合等の常法により
製造することができる。アクリル系粘着剤には、必要に
応じて、軟化剤、架橋剤等を添加することができる。ア
クルリ系粘着剤に加えるニトログリセリンの配合量は、
粘着剤100重量部に対して、通常、10〜100重量
部、好ましくは25〜75重量部である。一般にアクリ
ル系粘着剤は、ゴム系粘着剤に比べて溶解度が高いの
で、ニトログリセリンの粘着剤基剤からの溶出を考慮し
て配合量を多くしている。
【0016】リザーバー型の製剤は、粘着剤層とニトロ
グリセリンを含有する薬剤保存層から基剤が構成され、
ニトログリセリンは薬剤保存層から粘着剤中を透過して
皮膚から体内に吸収される。粘着剤としては、ゴム系粘
着剤、アクリル系粘着剤、及びジメチルシロキサン単独
またはフェニル基を有するシリコンとの共重合体を含有
するシリコン系粘着剤等が挙げられる。薬剤保持層は、
例えば、シリコンオイル、乳糖等とニトログリセリンを
混合した層、あるいは薬剤の放出速度を制御する微多孔
性物質で形成されたマイクロカプセルや容器にニトログ
リセリンを含有させたものなどが挙げられる。
【0017】剥離ライナーとしては、例えば、シリコン
またはポリテトラフルオロエチレンで処理したポリエス
テルフィルム、紙の両面にポリエチレンを貼り合わせた
3層構造の加工紙の片面または両面にシリコンまたはポ
リテトラフルオロエチレンで処理したものが挙げられ
る。本発明では、ニトログリセリンを含有する基剤層の
背面から薬剤であるニトログリセリンの揮散を防止し、
また、基剤から薬剤が移行して基剤中のニトログリセリ
ン含有量を低下させない支持体として、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体のフィルムを用いる。
【0018】チレン−ビニルアルコール共重合体は、
エチレンとビニルアルコールとのランダム共重合体であ
る。本発明では、支持体として、エチレン単位の含有量
が44モル%以下のエチレン−ビニルアルコール共重合
体からなるフィルムを使用する。共重合の組成比とし
て、エチレン単位の含有量が45モル%以上になると、
ニトログリセリンを透過し易くなる。エチレン単位の含
有量の下限は、特に限定されないが、一般に、エチレン
単位の含有量が25〜44モル%のエチレン−ビニルア
ルコール共重合体が好ましい。
【0019】フィルム厚は、特に限定されるものではな
く、基剤とのバランスで適宜選択することができるが、
通常、10〜200μm程度である。エチレン−ビニル
アルコール共重合体のフィルムは、耐水性や寸法安定性
が不足する場合があるが、その他の層と複合化すること
により、これらの特性の改善を図ることができる。複合
化するその他の層としては、例えば、ポリエチレンやポ
リプロピレンなどのオレフィン系ポリマーのフィルムや
不織布等を例示することができる。
【0020】本発明のニトログリセリン経皮吸収型製剤
は、常法により製造することができる。例えば、マトリ
ックス型の粘着剤基剤を用いて製剤を調製するには、ゴ
ム系またはアクリル系粘着剤をトルエン、酢酸エチルな
どの有機溶剤に溶解し、更に所定量のニトログリセリン
を加えて均一になるように撹拌する(例、1時間程度攪
拌)。得られた溶液をナイフコーター、コンマコータ
ー、リバースコーター等の塗工機を用いて、ポリエステ
ル剥離紙等の上に所定量を均一に塗布する。次いで、一
定温度(例、60〜120℃)雰囲気下で、所定時間
(例、2〜5分間程度)置き、ニトログリセリンを残留
させて有機溶剤を揮発させる。使用する有機溶剤の種類
及び設定する基剤層の厚みにより、適切な条件を選択す
る。基剤層の上にエチレン−ビニルアルコール共重合体
フィルムを貼り合わせ、所定のサイズに裁断して製剤と
する。支持体上に粘着剤溶液を塗布した後、基剤層の上
に剥離紙を貼り合わせてもよい。
【0021】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明するが、本発明は、これらの実
施例のみに限定されるものではない。なお、以下に部と
あるのは重量部を示す。
【0022】[実施例1] アクリル酸2−エチルヘキシル 85部 酢酸ビニル 13部 アクリル酸 2部 酢酸エチル 600部 アゾビスイソブチロニトリル 0.5部 上記のモノマー、溶剤、及び開始剤をフラスコに入れ、
80℃で8時間、撹拌しながら反応させて、平均分子量
約30万のアクリル系粘着剤を調製した。このアクリル
系粘着剤溶液に、50部のニトログリセリンを加え、均
一になるまで静かに撹拌した。得られた溶液を、シリコ
ン処理したポリエステル剥離紙上に塗布し、90℃で3
分間乾燥させ、次いで、支持体として厚さ15μmのエ
チレン−ビニルアルコール共重合体(エチレン単位の含
有量=32モル%)フィルムを貼り合わせた。得られた
製剤の基剤層の乾燥厚さは40μmであり、ニトログリ
セリン含有量は1.2mg/cm2であった。
【0023】[実施例] 支持体として、厚さ12μmのエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体(エチレン単位の含有量=32モル%)フ
ィルムと厚さ15μmのポリエチレンフィルム30μm
をラミネートした複合支持体を用いたこと以外は、実施
例1と同じ方法にて製剤を調製した。
【0024】[比較例1] 支持体として、厚さ60μmのポリエチレンフィルムを
用いたこと以外は、実施例1と同じ方法にて製剤を調製
した。
【0025】[比較例2] 支持体として、厚さ12μmのポリエステルフィルムを
用いたこと以外は、実施例1と同じ方法にて製剤を調製
した。
【0026】[比較例3] 支持体として、厚さ30μmのエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体(エチレン単位の含有量=85モル%)フ
ィルムを用いたこと以外は、実施例1と同じ方法にて製
剤を調製した。
【0027】[比較例4] 支持体として、厚さ25μmのエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体(エチレン単位の含有量=55モル%)フ
ィルムを用いたこと以外は、実施例1と同じ方法にて製
剤を調製した。
【0028】(1)実験1(保存安定性) 各実施例及び比較例で得たサンプルの薬剤含有量の安定
性を調べるために、各サンプルを3.14cm2の大き
さに打ち抜いた。これを50℃の雰囲気に48時間放置
し、各サンプルにおける製剤中のニトログリセリン量を
高速液体クロマトグラフ(HPLC)にて定量した。結
果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1の結果から明らかなように、ポリエチ
レンフィルムやポリエステルフィルム(比較例1〜2)
は、ニトログリセリンを移行ないしは透過し易いことが
わかる。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体フ
ィルムであっても、エチレン単位の割合が大きい共重合
体のフィルムを用いた場合(比較例3〜4)には、やは
りニトログリセリンを移行ないしは透過し易いことがわ
かる。これに対して、本発明の製剤(実施例1〜
は、ニトログリセリンを移行ないしは透過し難いもので
ある。
【0031】 (2)実験2(支持体の吸収、吸着、及び透過性) ヘアレスラット(オス、5週令)の腹部摘出皮膚の角質
層側に、各実施例及び比較例で得た製剤サンプル(大き
さ1.76cm2)を貼り、真皮膚層側に透過してくる
ニトログリセリンの量を経時的にHPLCを用いて測定
し、支持体の種類によるニトログリセリンの吸収、吸
着、及び透過による影響を調べた。結果を図1に示す。
図1の結果から、特定のエチレン−ビニルアルコール共
重合体フィルムを支持体として用いた製剤は、支持体が
ニトログリセリンをほとんど吸収、吸着、及び透過する
ことがないので、ポリエステルフィルムを用いた場合に
見られる累積透過量の低下が認められないことがわか
る。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、薬剤のニトログリセリ
ンを吸収、吸着、及び透過し難い支持体を用いているの
で、保存安定性に優れ、かつ、薬剤の投与量を正確に制
御することができるニトログリセリン経皮吸収型製剤が
提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘアレスラットを用い、製剤の支持体の種類に
よるニトログリセリンの累積透過量への影響を経時的に
HPLCを用いて測定した結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 哲晃 東京都文京区関口二丁目3番3号 ニチ バン株式会社内 (72)発明者 北崎 寧昭 東京都文京区関口二丁目3番3号 ニチ バン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−112927(JP,A) 特開 平4−244019(JP,A) 特開 昭63−185920(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 9/70 401 A61K 31/21 A61K 47/32 A61P 9/10 103

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、ニトログリセリンを含有す
    る粘着剤層、または粘着剤層とニトログリセリンを含有
    する薬剤保存層とが形成された経皮吸収型製剤におい
    て、該支持体が、エチレン単位の含有量が44モル%以
    下のエチレン−ビニルアルコール共重合体からなるフィ
    ルムであることを特徴とするニトログリセリン経皮吸収
    型製剤。
  2. 【請求項2】 支持体が、エチレン−ビニルアルコール
    共重合体からなるフィルムの粘着剤層とは反対側の面
    に、他の層が更に積層された複合体である請求項1記載
    の経皮吸収型製剤。
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RU2657551C1 (ru) * 2017-02-07 2018-06-14 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования "Рязанский государственный медицинский университет имени академика И.П. Павлова" Министерства здравоохранения Российской Федерации Неинвазивный способ лечения дегенеративно-дистрофических заболеваний тазобедренного сустава
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