JPH11158248A - 高純度エポキシ樹脂の製造方法。 - Google Patents

高純度エポキシ樹脂の製造方法。

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JPH11158248A
JPH11158248A JP32790597A JP32790597A JPH11158248A JP H11158248 A JPH11158248 A JP H11158248A JP 32790597 A JP32790597 A JP 32790597A JP 32790597 A JP32790597 A JP 32790597A JP H11158248 A JPH11158248 A JP H11158248A
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reaction
metal hydroxide
phenol
alkali metal
epihalohydrin
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Miki Hirai
未希 平井
Hironobu Ito
広宣 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性に優れ、かつ、加水分解性塩素量及び
全塩素量が著しく低減されたエポキシ樹脂の製造方法を
提供する。 【解決手段】 クレゾールノボラックとエピクロルヒド
リンとの混合液中に、クレゾールノボラックの水酸基に
対して0.2〜0.9当量となる量のアルカリ金属水酸
化物を2時間かけて加え共に、減圧条件下に系内の水分
をエピクロルヒドリンとの共沸により除去しながら加熱
減圧下に反応を行い、次いで、系内のアルカリ金属水酸
化物が消費された後、圧力を常圧に復圧し、次いで、ア
ルカリ金属水酸化物を系内に導入して、再度反応を進行
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気、電子部品用途
において有用な、加水分解性塩素含有量が少ない高純度
エポキシ樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気、電子産業用として使用されるエポ
キシ樹脂では、加水分解性塩素に代表される塩素原子の
含有量の少ないことが不可欠であり、このことは広く認
知されている。エポキシ樹脂中の塩素原子は、電気絶縁
性の低下、リード線の腐食等に対して悪影響を及ぼす。
特に、半導体を封止する原料としてのエポキシ樹脂で
は、全塩素量の少ないことが必須である。
【0003】エポキシ樹脂中の全塩素量を低減するため
に、さまざまな製造方法が提案されている。例えば特開
昭58−188870号公報においては、加水分解性塩
素の低減を目的として、フェノール類とエピクロルヒド
リンとをアルカリ金属水酸化物の存在下で、かつ環状ま
たは直鎖状エーテル化合物、及び第四級アンモニウム塩
基の共存下に反応させた後、溶剤及び過剰のエピクロル
ヒドリンを留去し、しかる後にアルカリ金属の水酸化物
の水溶液を添加して閉環反応させるエポキシ樹脂の製造
法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この特開昭5
8−188870号公報記載の方法は、加水分解性塩素
をある程度低減させることができるもののその効果は充
分でなく、また、全塩素量も充分低減できるものではな
かった。またこの方法は第四級アンモニウム塩又は第四
級アンモニウム塩基の分解物であるアミンが生成し、エ
ポキシ当量の上昇を引き起こす。また溶剤を使用するこ
とにより、反応混合物の容積が増加し装置の生産性低下
を招いていた。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、生産性
に優れ、かつ、加水分解性塩素量及び全塩素量が著しく
低減されたエポキシ樹脂の製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明者等は、上記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の条件下でフェ
ノール類とエピハロヒドリンとを反応させることによ
り、得られるエポキシ樹脂中の加水分解性塩素量及び全
塩素量を著しく低減できると共に、その生産性も優れる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、 フェノール類(a)と
エピハロヒドリン(b)との混合液中に、先ず、第一工
程として、前記フェノール類の水酸基に対して0.2〜
0.9当量となる量のアルカリ金属水酸化物を連続的乃
至断続的に系内に導入すると共に、減圧条件下に系内の
水分をエピハロヒドリン(b)との共沸により除去しな
がら反応を行い、次いで、第二工程として、系内のアル
カリ金属水酸化物が消費された後、圧力を常圧に復圧
し、次いで、アルカリ金属水酸化物を系内に導入して、
再度反応を進行させることを特徴とする高純度エポキシ
樹脂の製造方法に関する。
【0008】
【発明の実施の態様】本発明における第一工程で導入さ
れるアルカリ金属水酸化物は、フェノール類の持つフェ
ノール性水酸基に対して0.2〜0.9当量である。即
ち、0.2当量未満の場合、生成エポキシ樹脂中にフェ
ノール性水酸基が多数残存し、エポキシ当量の増大を招
く他、加水分解性塩素量が高くなる。一方0.9当量を
超える場合、ゲル化を招いて反応が困難になる他、生成
エポキシ樹脂中の全塩素量も高くなる。全塩素量低減効
果の点から、なかでも0.7〜0.9当量の範囲が好ま
しい。
【0009】この際、アルカリ金属水酸化物の導入は連
続的乃至は断続的に行うことができるが、導入する時間
は0.5〜8時間、好ましくは1〜4時間であることが
加水分解性塩素量の低減効果の点から好ましい。
【0010】本発明の方法で使用される原料のフェノー
ル類(a)は、ハロゲン原子、アルキル基、アリル基、
アルケニル基、アリール基、アラルキル基等で置換され
た、または無置換の芳香族環を有する一価または多価フ
ェノールが何れも使用できる。具体的には、例えばフェ
ノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾ
ール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチル
フェノール、キシレノール、α−ナフトール、β−ナフ
トール等の一価フェノール、ジヒドロキシナフタレン、
レゾルシン、ハイドロキノン、メチルレゾルシン、カテ
コール、ブチルカテコール等のジヒドロキベンゼン類、
ジフェノールメタン(すなわちビスフェノールF)、ジ
フェノールプロパン(すなわちビスフェノールA)、四
臭化ビスフェノールA等のビスフェノール類、ビフェノ
ール、2,2’,6,6’−テトラメチルビフェノール
等のビフェノール類、1,1,2,2−テトラ(ヒドロ
キシフェニル)エタン、トリフェノールメタン、トリ
(ブチル化クレゾール)メタン、4−(4−ヒドロキシ
−α−メチルクミル)−1,1−ジフェノールエタン等
の多官能フェノール類、フェノールノボラック、クレゾ
ールノボラック、臭素化フェノールノボラック、臭素化
クレゾールノボラック、レゾルシンノボラック、臭素化
レゾルシンノボラック、ビスフェノールAノボラック及
びナフトールノボラック等のノボラック類、ジシクロペ
ンタジエンフェノール付加重合体及びジシクロペンタジ
エンクレゾール付加重合体等のジシクロペンタジエン付
加重合型フェノール樹脂、ジビニルベンゼンフェノール
付加重合体及びジビニルベンゼンクレゾール付加重合体
等のジビニルベンゼン付加重合型フェノール樹脂が挙げ
られる。
【0011】これらのなかでも特に流動性、耐熱性及び
硬化性の点からノボラック類が好ましく、また、耐湿
性、流動性及び硬化性に優れる点からジシクロペンタジ
エン付加重合型フェノール樹脂が好ましい。
【0012】本発明に用いられるエピハロヒドリン
(b)としては、特に限定されず、エピクロルヒドリ
ン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリ
ン、β−メチルエピブロモヒドリン等が挙げられるが、
なかでもフェノール性水酸基との反応性に優れ、かつ、
取り扱いが容易である点からエピクロルヒドリンが好ま
しい。
【0013】エピハロヒドリン(b)の使用量は、フェ
ノール類のフェノール性水酸基1モルに対して2.0モ
ル〜20.0モルの範囲が好ましい。即ち、2.0モル
以上においては、分子間反応による高分子量化を抑制で
き、エポキシ当量の上昇や溶融粘度の上昇等の製品の品
質低下を防止できる。一方、20.0モル以下において
は、反応混合物の容積効率が向上し、装置の生産性が高
まる。これらの性能バランスの点から、なかでも3.0
〜10.0モルの範囲が好ましい。
【0014】本発明の製造方法を、更に詳述すると、ま
ずフェノール類(a)、エピハロヒドリン(b)を所定
の割合で混合、溶解して均一な溶液とする。
【0015】次いで、第一工程として、これを撹拌しな
がらフェノール類(a)の水酸基に対して0.2〜0.
9当量のアルカリ金属水酸化物を加えて加熱反応をす
る。この際、反応条件は減圧条件下であるが、系内から
水分を共沸により効率的に溜去することが重要であり、
その為には、40〜250mmHg、40〜70℃の条件下
で行うことが好ましい。
【0016】第一工程の反応中は、上記反応条件下、ア
ルカリ金属水酸化物を連続的乃至断続的に系内に導入す
ると共に、減圧条件下に系内の水分をエピハロヒドリン
(b)との共沸により除去しながら反応を行うが、特に
系内の水分をエピハロヒドリン(b)との共沸させると
共に、揮発成分を冷却して得られた凝縮液を油/水分離
し、留出エピハロヒドリン(b)を反応系中に再導入し
乍ら反応を行うことが原料原単位が良好となる点で点か
ら好ましい。
【0017】次いで、第二工程として、圧力を常圧に復
圧し、さらにアルカリ金属水酸化物を導入して再度反応
を進行させる。アルカリ金属水酸化物の添加は、急激な
反応を抑えるために、10分〜8時間かけて少量ずつ断
続的、若しくは連続的に添加することが好ましい。ま
た、第一工程及び第二工程を合わせた全反応時間は1〜
12時間であることが好ましい。
【0018】第二工程における反応条件は特に制限され
るものではないが、ゲル化抑制及び全塩素量の低減効果
の点から700〜800mmHg、40〜70℃であること
が好ましい。
【0019】また、第二工程においては、圧力を常圧に
復圧した後、有機溶媒及び水を加えた後、アルカリ金属
水酸化物を系内に導入することが全塩素量の低減効果が
顕著となり好ましい。
【0020】ここで使用しうる有機溶媒としては、特に
限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、1
−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、
2−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、イ
ソアミルアルコール、t−アミルアルコール、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール等のアルコール類、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族有機溶媒、ペ
ンタン、ヘキサン等の脂肪族有機溶媒、テトラヒドロフ
ラン、1,4−ジオキサン、ジグライム、モノグライ
ム、ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリルアミド等の非
プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらのなかでも
特に真空の誘電率を1.0とした場合の25℃で液状に
おける比誘電率1.1〜40.0のものが好ましく、上
記例示有機溶媒としては、アルコール類、非プロトン性
極性溶媒が好ましい。
【0021】ここで、第一工程及び第二工程で使用する
アルカリ金属水酸化物の全量は、原料フェノール類
(a)中の水酸基を完全に消失する点、及び、ゲル化抑
制の点からフェノール類(a)の水酸基に対して0.9
1〜1.15当量となる範囲が好ましい。
【0022】反応終了後、減圧下未反応のエピハロヒド
リン(b)と反応溶媒を除去してから、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン類、またはトルエンなどの芳香族
炭化水素などの溶媒を加えて反応生成物を溶解する。そ
の際に不溶の副生塩は濾別して除くか水洗して除く。得
られた反応生成物溶液を蒸留して溶媒を除去することに
より、目的とする高純度エポキシ樹脂が得られる。
【0023】この様にして得られる高純度エポキシ樹脂
は、具体的には、加水分解性塩素量は250〜350p
pm、全塩素量は650〜800ppmの範囲にある。
ここで、また、「加水分解性塩素量」及び「全塩素量」
とはエポキシ化合物をジオキサンに溶解し、3規定の水
酸化カリウムアルコール溶液を加え、還流状態で30分
間加熱したときに脱離するハロゲン量を硝酸銀溶液の滴
定により定量して得られた量である。
【0024】また、本発明の製造方法で得られるエポキ
シ樹脂は、同一構造のエポキシ樹脂においてエポキシ当
量を著しく低減できる。例えば、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂では、195〜210g/eq、ジシク
ロペンタジエン型エポキシ樹脂の場合は、245〜26
5g/eqの範囲となる。
【0025】ここで、「エポキシ当量」とは、エポキシ
化合物をメチルエチルケトンに溶解し、氷酢酸、セチル
トリメチルアンモニウムブロミドおよびスクリーン指示
薬を加えた後、0.1N過塩素酸標準溶液で滴定するこ
とにより得られるエポキシ基1当量当たりの分子量であ
る。
【0026】この様にして得られるエポキシ樹脂は、加
水分解性塩素量及び全塩素量が従来に比べ飛躍的に低減
され、また、エポキシ当量も低いことから電気絶縁性能
に優れたものとなる。従って、半導体封止材料、プリン
ト配線基板材料、絶縁粉体塗料、レジストインキ材料、
ビルドアップ型の層間絶縁材料電気積層板等において有
用であり、とりわけ半導体封止材料として有用である。
【0027】本発明で得られるエポキシ樹脂から半導体
封止材料を調整するには、例えば、上記方法で得られた
エポキシ樹脂に、硬化剤、無機充填材等を配合して調整
することができる。具体的には、エポキシ樹脂、硬化
剤、硬化促進剤、その他の添加剤をミキサー等によって
十分に均一に混合した後、更に熱ロールまたはニーダ−
等で溶融混練し、冷却後粉砕し、タブレット化するなど
して得ることができる。
【0028】ここで硬化剤としては、特に限定されるも
のではないが、例えばフェノールノボラック樹脂、オル
ソクレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラ
ック樹脂、ビスフェノールFノボラック樹脂、フェノー
ル類−ジシクロペンタジエン重付加型樹脂、ナフトール
ノボラック樹脂、ジヒドロキシナフタレンノボラック樹
脂、キシリデン基を結接基とした多価フェノール類、フ
ェノール−アラルキル樹脂、ジエチレントリアミン、ト
リエチレンテトラミンなどの脂肪族アミン類、メタフェ
ニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノ
ジフェニルスルホンなどの芳香族アミン類、ポリアミド
樹脂およびこれらの変性物、無水マレイン酸、無水フタ
ル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸
などの酸無水物系硬化剤、ジシアンジアミド、イミダゾ
ール、BF3−アミン錯体、グアニジン誘導体等の潜在
性硬化剤等が挙げられる。
【0029】中でも上記フェノールノボラック樹脂等の
芳香族炭化水素−ホルムアルデヒド樹脂が硬化性、成形
性、耐熱性に優れること、またフェノール−アラルキル
樹脂が硬化性、成形性、低吸水率に優れる点から好まし
い。
【0030】また、使用し得る無機充填材としては、例
えば、特に限定されないが破砕シリカ、球状シリカ、ア
ルミナ、タルク、クレー、ガラス繊維等が挙げられる。
【0031】また、その他の配合成分としては、三酸化
アンチモン、ヘキサブロモベンゼン等の難燃剤、カ−ボ
ンブラック、ベンガラ、雲母等の着色剤、天然ワック
ス、合成ワックス等の離型剤及びシリコンオイル、合成
ゴム、シリコーンゴム等の低応力添加剤等の種々の添加
剤を併用してもよい。
【0032】
【実施例】次に実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0033】実施例1〜6 撹拌装置、温度計、アルカリ金属水酸化物水溶液の連続
滴下用の滴下ロート、および反応系から蒸発する水、エ
ピクロルヒドリン、反応溶媒の蒸気を冷却、液化し、そ
の凝縮液を有機層と水層の二層に分離し、水層を反応系
外に除去し、有機層を反応系内に戻すための発生蒸気の
冷却、液化、分離、還留をする装置を付設した反応容器
を使用し、表1中にそれぞれ示す種々の種類および量の
フェノールとエピクロルヒドリンとを混合、溶解して均
一な溶液とした。次いで、これを撹拌しながら表1に示
した条件でアルカリ金属水酸化物を2時間かけて加え加
熱反応した。
【0034】反応中は、系内の水分をエピハロヒドリン
との共沸により除去すると共に、揮発成分を冷却して得
られた凝縮液を油/水分離し、留出エピハロヒドリンを
反応系中に再導入し乍ら反応を続けた。
【0035】次いで、第二工程として、圧力を常圧に復
圧し、更に有機溶媒を表1記載の条件で加えた後、表1
記載の所定量のアルカリ金属水酸化物を30分かけて系
内に導入し、再度反応を進行させた。尚、ここで表1中
の有機溶媒の使用量はエピクロルヒドリンの使用量に対
する重量%である。
【0036】反応終了後、未反応のエピクロルヒドリン
および反応溶媒を減圧蒸留により除去し、得られた粗製
フェノール類のグリシジルエーテルをメチルイソブチル
ケトンに溶解し、48.5重量%の水酸化ナトリウムを
5.5gを加え80℃で1時間処理した。さらに水洗を
行い副生塩を除去した。次いで、分離した油層を減圧下
で減圧蒸留してメチルイソブチルケトンを完全に除いて
フェノール類のグリシジルエーテルを収得した。各フェ
ノール類のグリシジルエーテルの加水分解性塩素量およ
びエポキシ当量は表1にそれぞれ示すとおりであった。
【0037】比較例1〜3 撹拌装置、温度計、アルカリ金属水酸化物水溶液の連続
滴下用の滴下ロートを付設した反応容器を使用し、表2
中に示すフェノールを用い、かつエピクロルヒドリンの
所定量、及び有機溶媒とを所定の割合で混合、溶解して
均一な溶液とした。尚、ここで表2中の有機溶媒の使用
量における%は、エピクロルヒドリンの使用量に対する
重量%である。
【0038】次いで、これを撹拌しながら表2に示した
条件でアルカリ金属水酸化物を2時間かけて加え加熱反
応した。その際生成した塩は、反応終了後水を添加し静
置後、水溶液として分離棄却した。
【0039】反応終了後、未反応のエピクロルヒドリン
および反応溶媒を減圧蒸留により除去し、得られた粗製
フェノール類のグリシジルエーテルをメチルイソブチル
ケトンに溶解し、48.5重量%の水酸化ナトリウムを
5.5gを加え80℃で1時間処理した。さらに水洗を
行い副生塩を除去した。次いで、分離した油層を減圧下
で減圧蒸留してメチルイソブチルケトンを完全に除いて
フェノール類のグリシジルエーテルを収得した。各フェ
ノール類のグリシジルエーテルの加水分解性塩素量およ
びエポキシ当量は表2にそれぞれ示す通りであった。
【0040】尚、比較例1は反応系内に多量のゲルが生
成した。
【0041】
【表1】
【0042】[表中に各略号は以下の通りである。 ECN;o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂 DCPD;ジシクロペンタジエン−フェノール重付加型
エポキシ樹脂 IPA;2−プロパノール DMSO;ジメチルスルホキシド
【0043】
【表2】
【0044】[表中、TMACLはテトラメチルアンモ
ニウムクロライドを表わす。]
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、生産性に優れ、かつ、
加水分解性塩素量が著しく低減されたエポキシ樹脂の製
造方法を提供できる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類(a)とエピハロヒドリン
    (b)との混合液中に、先ず、 第一工程として、前記フェノール類の水酸基に対して
    0.2〜0.9当量となる量のアルカリ金属水酸化物を
    連続的乃至断続的に系内に導入すると共に、減圧条件下
    に系内の水分をエピハロヒドリン(b)との共沸により
    除去しながら反応を行い、 次いで、第二工程として、系内のアルカリ金属水酸化物
    が消費された後、圧力を常圧に復圧し、次いで、アルカ
    リ金属水酸化物を系内に導入して、再度反応を進行させ
    ることを特徴とする高純度エポキシ樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 第一工程の反応を、減圧条件下に系内の
    水分をエピハロヒドリン(b)との共沸させると共に、
    留出エピハロヒドリン(b)を反応系中に再導入し乍ら
    反応を行う請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 第一工程における反応条件が、40〜2
    50mmHg、40〜70℃である請求項1又は2記載の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 第二工程における反応条件が、700〜
    800mmHg、40〜70℃である請求項1、2又は3記
    載の製造方法。
  5. 【請求項5】 第一工程及び第二工程で使用するアルカ
    リ金属水酸化物の全量が、フェノール類(a)の水酸基
    に対して0.91〜1.15当量となる範囲である請求
    項1、2、3又は4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 第一工程終了後、圧力を常圧に復圧し、
    有機溶媒及び水を加えた後、アルカリ金属水酸化物を系
    内に導入する請求項1〜5の何れか1つに記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 有機溶媒が、非プロトン性極性溶媒又は
    アルコール類である請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 フェノール類(a)が、ノボラック類で
    ある請求項1〜6の何れか1つに記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 フェノール類(a)が、ジシクロペンタ
    ジエン付加重合型フェノール樹脂である請求項1〜6の
    何れか1つに記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 アルカリ金属水酸化物が、水酸化カリ
    ウム又は水酸化ナトリウムである請求項1〜9の何れか
    1つに記載の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007056089A (ja) * 2005-08-23 2007-03-08 Japan Epoxy Resin Kk 精製エポキシ樹脂の製造方法
WO2009120685A2 (en) 2008-03-25 2009-10-01 Dow Global Technologies Inc. Process for manufacturing liquid epoxy resins

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