JP3938592B2 - フェノール化合物 - Google Patents

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本発明は耐熱性、耐水性、機械的強度に優れる硬化物を与えるエポキシ樹脂の原料として有用なフェノール化合物に関する。
エポキシ樹脂は種々の硬化剤で硬化させることにより、一般的に機械的性質、耐水性、耐薬品性、耐熱性、電気的性質などの優れた硬化物となり、接着剤、塗料、積層板、成形材料、注型材料などの幅広い分野に利用されている。従来、工業的に最も使用されているエポキシ樹脂としてビスフェノ−ルAにエピクロルヒドリンを反応させて得られる液状および固形のビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂がある。その他液状のビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂にテトラブロムビスフェノ−ルAを反応させて得られる難燃性固形エポキシ樹脂などが汎用エポキシ樹脂として工業的に使用されている。
特開平5−117350号
しかしながら、前記したような汎用エポキシ樹脂は分子量が大きくなるにつれて、それを硬化して得られる硬化物の靭性は増加するものの耐熱性が低下するという欠点がある。また、耐熱性の低下を補うためにクレゾールノボラックエポキシ樹脂などの多官能エポキシ樹脂を混合した場合に得られる硬化物は耐熱性は高くなるものの、靭性は低下し吸水率が高くなるという欠点がある。一方、最近の電子産業などの目ざましい発達に伴い、これらに使用される電気絶縁材料などに要求される耐熱性、耐水性及び機械強度(例えば靭性)は益々厳しくなっており、これらの特性に優れたエポキシ樹脂の出現が待ち望まれている。またこれらの特性を満たすエポキシ樹脂として、特許文献1にビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂が記載されているが、それが具体的に開示するエポキシ樹脂は、耐水性、機械強度は優れているものの、官能基数が2であるため、耐熱性の点で十分とはいえない。
本発明者らはこうした実状に鑑み、耐熱性、耐水性及び機械的強度に優れる硬化物を与えるエポキシ樹脂を求めて鋭意研究した結果、本発明を完成させるに到った。
すなわち本発明は、下記式(2)
Figure 0003938592
(式中、nは平均値を示し1.1〜2.1の値を取る。Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基のいずれかを表し個々のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。Pは水素原子またはメチル基を表す。)
で表される化合物を提供するものである。
本発明の化合物は、耐熱性及び耐水性及び機械的強度に優れた特性を兼ね備えた硬化物を与えるエポキシ樹脂の原料となるフェノール化合物であり、成形材料、注型材料、積層材料、塗料、接着剤、レジストなど広範囲の用途にきわめて有用である。
本発明の化合物は、下記式(2)
Figure 0003938592
(式中、nは平均値を示し1.1〜2.1の値を取る。Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基のいずれかを表し個々のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。Pは水素原子またはメチル基を表す。)で表される。本発明の化合物を原料とするエポキシ樹脂は、通常下記式(1)
Figure 0003938592
(式中n、P及びRは式(2)におけるのと同じ意味を表す。)
で表され、本発明の化合物とエピハロヒドリンとの反応をアルカリ金属水酸化物の存在下で行うことにより得ることができる。
式(2)で表される本発明の化合物は式(3)
Figure 0003938592
(式中、Xはハロゲン原子、水酸基、低級アルコキシ基を表す。Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基のいずれかを表し個々のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。)
で表される化合物とフェノール類とを酸触媒の存在下で縮合反応させることにより得ることができる。
式(3)のXにおいてハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子などが、低級アルキル基としてはメチル基、エチル基、t−ブチル基などが、低級アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基などがそれぞれ好ましい基として挙げられる。
ここでフェノール類とはフェノール性水酸基を1分子中に1個有する芳香族化合物が挙げられ、その用いうる具体例としては、フェノール、クレゾール、エチルフェノール、n−プロピルフェノール、イソブチルフェノール、t−ブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、キシレノール、メチルブチルフェノール、ジ−t−ブチルフェノール等のアルキルフェノールの各種o−、m−、p−異性体、またはビニルフェノール、アリルフェノール、プロペニルフェノール、エチニルフェノールの各種o−、m−、p−異性体、またはシクロペンチルフェノール、シクロヘキシルフェノール、シクロヘキシルクレゾール等のシクロアルキルフェノール、またはフェニルフェノールなどの置換フェノール類が挙げられる。これらのフェノール類は1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記縮合反応を行う場合フェノール類の使用量は式(3)で表される化合物1モルに対して好ましくは0.5〜20モル、特に好ましくは2〜15モルである。
上記縮合反応においては酸触媒を用いるのが好ましく、酸触媒としては種々のものが使用できるが塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸等の無機あるいは有機酸、三弗化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のルイス酸などが好ましく、特にp−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸が好ましい。これら酸触媒の使用量は特に限定されるものではないが、式(3)で表される化合物の0.1〜30重量%用いるのが好ましい。
上記縮合反応は無溶剤下で、あるいは有機溶剤の存在下で行うことができる。有機溶剤を使用する場合の具体例としてはトルエン、キシレン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。有機溶剤の使用量は仕込んだ原料の総重量に対して50〜300重量%が好ましく、特に100〜250重量%が好ましい。反応温度は40〜180℃の範囲が好ましく、反応時間は1〜8時間が好ましい。
反応終了後、洗浄液のpH値が3〜7、好ましくは5〜7になるまで水洗処理を行う。この場合必要により水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、アンモニア、リン酸二水素ナトリウムさらにはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、アニリン、フェニレンジアミンなどの有機アミンなど様々な塩基性物質等を中和剤として用いて処理してもよい。水洗処理は常法にしたがって行えばよい。例えば反応混合物中に上記中和剤を溶解した水を加え、分液抽出操作をくり返す。
水洗処理を行った後、減圧加熱下で未反応のジヒドロキシベンゼン類及び溶剤を留去し生成物の濃縮を行い、式(2)で表される本発明の化合物を得ることが出来る。
本発明の化合物からエポキシ樹脂を得る方法としては公知の方法が採用できる。例えば前記で得られた本発明の化合物と過剰のエピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン等のエピハロヒドリンとの混合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物をあらかじめ添加し、または添加しながら20〜120℃の温度で1〜10時間反応させることによりエポキシ樹脂を得ることが出来る。
該エポキシ樹脂を得る反応において、アルカリ金属水酸化物はその水溶液を使用してもよく、その場合は該アルカリ金属水酸化物の水溶液を連続的に反応系内に添加すると共に減圧下、または常圧下連続的に水及びエピハロヒドリンを留出させ、更に分液し水は除去しエピハロヒドリンは反応系内に連続的に戻す方法でもよい。
また、本発明の化合物とエピハロヒドリンとの溶解混合物にテトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、等の4級アンモニウム塩を触媒として添加し50〜150℃で1〜5時間反応させて得られる本発明の化合物のハロヒドリンエーテル化物にアルカリ金属水酸化物の固体または水溶液を加え、20〜120℃の温度で1〜10時間反応させ脱ハロゲン化水素(閉環)させる方法でもよい。
通常これらの反応において使用されるエピハロヒドリンの量は本発明の化合物の水酸基1当量に対し通常1〜20モル、好ましくは2〜10モルである。アルカリ金属水酸化物の使用量は式(2)で表される化合物の水酸基1当量に対し0.8〜15モル、好ましくは0.9〜11モルである。また、4級アンモニウム塩の使用量は式(2)の化合物の水酸基1当量に対して、通常1〜10g、好ましくは2〜8gである。更に、反応を円滑に進行させるためにメタノール、エタノールなどのアルコール類の他、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒などを添加して反応を行うことが好ましい。
アルコール類を使用する場合、その使用量はエピハロヒドリンの量に対し2〜20重量%、好ましくは4〜15重量%である。また非プロトン性極性溶媒を用いる場合はエピハロヒドリンの量に対し5〜100重量%、好ましくは10〜90重量%である。
これらのエポキシ化反応の反応物を水洗後、または水洗無しに加熱減圧下、110〜250℃、圧力10mmHg以下でエピハロヒドリンや添加溶媒などを除去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、得られたエポキシ樹脂をトルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えて更に反応を行い、閉環を確実なものにすることもできる。この場合アルカリ金属水酸化物の使用量はエポキシ化に使用した本発明の化合物の水酸基1当量に対して好ましくは0.01〜0.3モル、特に好ましくは0.05〜0.2モルである。反応温度は50〜120℃、反応時間は通常0.5〜2時間である。
反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することによりエポキシ樹脂が得られる。
こうして得られた式(1)で表されるエポキシ樹脂は、硬化剤、必要により硬化促進剤等と均一に混合しエポキシ樹脂組成物とすることができる。このエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂として式(1)のエポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を併用することも可能である。他のエポキシ樹脂を併用する場合、全エポキシ樹脂中の式(1)のエポキシ樹脂の占める割合は、20重量%以上が好ましい。式(1)のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物において、硬化剤としてはアミン系化合物、酸無水物系化合物、アミド系化合物、フェノ−ル系化合物などが使用できる。用いうる硬化剤の具体例としては、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、フェノ−ルノボラック、及びこれらの変性物、イミダゾ−ル、BF3 −アミン錯体、グアニジン誘導体などが挙げられる。また式(1)のエポキシ樹脂の原料として用いた本発明の化合物も硬化剤として用いることが出来る。これらの硬化剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して0.7〜1.2当量が好ましい。エポキシ基1当量に対して、0.7当量に満たない場合、あるいは1.2当量を超える場合、いずれも硬化が不完全となり良好な硬化物性が得られない恐れがある。
また上記硬化剤を用いる際に硬化促進剤を併用しても差し支えない。用いうる硬化促進剤の具体例としては2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾ−ル類、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等の第3級アミン類、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類、オクチル酸スズなどの金属化合物などが挙げられる。硬化促進剤は、エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜5.0重量部が必要に応じ用いられる。さらに、このエポキシ樹脂組成物には、必要に応じてシリカ、アルミナ、タルク等の充填材やシランカップリング剤、離型剤、顔料等の種々の配合剤を添加することができる。
式(1)のエポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂組成物は、各成分を均一に混合することにより得られる。該エポキシ樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易にその硬化物とすることができる。例えば式(1)のエポキシ樹脂と硬化剤、充填剤及びその他の添加剤とを必要に応じて押出機、ニ−ダ、ロ−ル等を用いて均一になるまで充分に混合して本発明のエポキシ樹脂組成物を得、そのエポキシ樹脂組成物を溶融後注型あるいはトランスファー成形機などを用いて成形し、さらに80〜200℃で2〜10時間に加熱することにより硬化物を得ることができる。
また該エポキシ樹脂組成物をトルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解させ、ガラス繊維、カ−ボン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アルミナ繊維、紙などの基材に含浸させ加熱乾燥して得たプリプレグを熱プレス成形して硬化物を得ることもできる。
この際の希釈溶剤は該エポキシ樹脂組成物と該希釈溶剤の混合物中で通常10〜70重量%、好ましくは15〜65重量%を占める量を使用する。
こうして得られる硬化物は耐熱性、耐水性及び機械的強度に優れているため、耐熱性、耐水性の要求される広範な分野で用いることができる。具体的には封止材料、積層板、絶縁材料などのあらゆる電気・電子材料として有用である。また、成型材料、接着剤、塗料などの分野にも用いることができる。
次に本発明を実施例、比較例により更に具体的に説明するが、以下において部は特に断わりのない限り重量部を意味する。
実施例1
温度計、滴下ロート、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに、下記式(4)
Figure 0003938592
で表される化合物242部、フェノール282部を仕込み、室温下、窒素を吹き込みながら撹拌した。p−トルエンスルホン酸(1水和物)2.8部を発熱に注意しながら液温が50℃を超えないようにゆっくり添加した。その後油浴中で110℃まで加熱し、2時間反応させた。反応終了後、更にメチルイソブチルケトン1000mlを加え、分液ロートに移し水洗した。洗浄水が中性を示すまで水洗後有機層から溶媒及び未反応物を加熱減圧下に除去し、軟化点が108℃の樹脂状化合物(本発明の化合物)299部を得た。この化合物について溶媒にテトラヒドロフランを用いてGPC分析、マススペクトル(FAB−MS)分析によって分析した結果、この化合物は下記式(5)
Figure 0003938592
で表される化合物であることが確認された。GPC分析の結果から水酸基当量を算出すると228g/eqとなった。またnの平均値は2.1であった。
参考例1
温度計、冷却管、撹拌機を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら実施例1で得られた化合物228部、エピクロルヒドリン370部、ジメチルスルホキシド92.5部を仕込み溶解させた。更に50℃に加熱しフレーク状水酸化ナトリウム(純分99%)40.4部を90分かけて分割添加し、その後更に60℃で2時間、70℃で1時間反応させた。反応終了後、130℃で加熱減圧下ジメチルスルホキシド及びエピクロルヒドリンを留去し、残留物に568部のメチルイソブチルケトンを加え溶解した。
更にこのメチルイソブチルケトンの溶液を70℃に加熱し30重量%の水酸化ナトリウム水溶液10部を添加し1時間反応させた後、水洗を3回繰り返しpHを中性とした。更に水層は分離除去し、ロータリエバポレーターを使用して油層から加熱減圧下メチルイソブチルケトンを留去し、下記式(6)
Figure 0003938592
(式中、Gはグリシジル基を表し、nの平均値は2.1である。)で表されるエポキシ樹脂(A)267部を得た。得られたエポキシ樹脂の軟化点は85.3℃、エポキシ当量は295g/eqであった。
実施例2
フェノールの代わりにo−クレゾール432部を用いた以外は実施例1と同様に反応を行い軟化点が101.5℃の樹脂状化合物(本発明の化合物)337部を得た。この化合物について溶媒にテトラヒドロフランを用いてGPC分析、マススペクトル(FAB−MS)分析によって分析した結果、この化合物は下記式(7)
Figure 0003938592
で表される化合物であることが確認された。GPC分析の結果から水酸基当量を算出すると229g/eqとなった。またnの平均値は1.1であった。
参考例2
前記式(7)で表される化合物229部を用いた以外は参考例1と同様にエポキシ化反応を行い下記式(8)
Figure 0003938592
(式中、Gはグリシジル基を表し、nの平均値は1.1である。)で表される本発明のエポキシ樹脂(B)273部を得た。得られたエポキシ樹脂の軟化点は82.2℃、エポキシ当量は293g/eqであった。
比較例1
特許文献1の実施例1に従い下記式(9)
Figure 0003938592
で示される化合物を得た。
次いで式(9)の化合物を用いて同公報実施例2に従いエポキシ樹脂(C)を得た。
参考例3〜4、比較例2
参考例1、2で得られたエポキシ樹脂(A)、(B)、比較用の前記エポキシ樹脂(C)、硬化剤としてフェノールノボラック(水酸基当量106g/eq、軟化点80.2℃)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン(TPP)を用い、表1の配合物の組成の欄に示す組成で配合して、70℃で15分ロールで混練し、150℃、成形圧力50kg/cm2 で180秒間トランスファー成形して、その後160℃で2時間、更に180℃で8時間硬化せしめて試験片を作成し、ガラス転移点、吸水率を測定した。結果を表1に示す。尚、ガラス転移点、吸水率及び曲げ強度の測定条件は次の通りである。また、表中、配合物の組成の欄の数値は重量部を示す。
ガラス転移点熱機械測定装置(TMA)
:真空理工(株)製 TM−7000
昇温速度:2℃/min
吸水率
試験片(硬化物):直径50mm厚さ3mm 円盤100℃の水中で24時間煮沸した後の重量増加率(%)
曲げ強度
JIS K−6911に準拠し測定
Figure 0003938592
表1より本発明の化合物を原料とするエポキシ樹脂の硬化物は、公知のビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂の硬化物に較べ、高いガラス転移点、低い吸水率及び、高い機械強度を示した。

Claims (1)

  1. 下記式(2)
    Figure 0003938592
    (式中、nは平均値を示し1.1〜2.1の値を取る。Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、アリール基のいずれかを表し個々のRは互いに同一であっても異なっていてもよい。Pは水素原子またはメチル基を表す。)
    で表される化合物。
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