JPH11148162A - 大便器 - Google Patents

大便器

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JPH11148162A
JPH11148162A JP25947898A JP25947898A JPH11148162A JP H11148162 A JPH11148162 A JP H11148162A JP 25947898 A JP25947898 A JP 25947898A JP 25947898 A JP25947898 A JP 25947898A JP H11148162 A JPH11148162 A JP H11148162A
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water
air
toilet
bubble
flow
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JP25947898A
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English (en)
Inventor
Takeshi Takagi
健 高木
Shinji Shibata
信次 柴田
Masaki Kitamura
正樹 北村
Yumiko Kataoka
由美子 片岡
Kiyoshi Fujino
清 藤野
Noboru Niihara
登 新原
Takahiro Ohashi
隆弘 大橋
Hisato Haraga
久人 原賀
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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  • Sanitary Device For Flush Toilet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低給水圧時であっても、洗浄能力を維持した
まま節水化を図る。 【解決手段】 大便器100は、排水トラップ102の
入口121に臨ませてゼット吐水口106を有し、その
奥側には、ゼット導水路161とエアーノズル372を
有する。ゼット導水路161は、エアーノズル372か
ら吐出された流体の通路となることから、このエアーノ
ズル372とゼット導水路161とでジェットポンプを
構成する。また、ゼット導水路161に連通孔141を
介して連通する洗浄水貯留部104を有する。そして、
エアーノズル372は、便器洗浄時に加圧エアーをゼッ
ト導水路161に高速・高圧で吐出する。この加圧エア
ーは、ゼット導水路161を通過する際にエジェクタ作
用を引き起こし、洗浄水貯留部104内の洗浄水を巻き
込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、便器のボール部内
の汚物を洗浄水を用いて便器外へ搬送し、便器洗浄を行
う大便器に関する。
【0002】
【従来の技術】大便器では、通常、便器洗浄のために洗
浄水タンク内に洗浄水を貯留しておき、その洗浄水を便
器の中に放出することがなされている。そして、この洗
浄水放出により、便器内の汚物等をその圧力により直接
排水部へ押し流して便器外に搬送する。或いは、便器に
上方に湾曲して形成したいわゆるサイホン流路を洗浄水
放出によりその湾曲部にまで洗浄水で満たし、このサイ
ホン流路にサイホン作用を発生させる。そして、このサ
イホン作用を併用して汚物等を排出部へ引き込み、汚物
を便器外に搬送することが行われている。この場合、汚
物搬送に伴って、ボール部内の洗浄水も搬送されて便器
洗浄もなされる。このようにタンク内の洗浄水で汚物搬
送並びに便器洗浄を行うためには、一般に、10リット
ル若しくはそれ以上の量の水を貯留可能なタンクを約3
0cm程度の高さに配設して、このタンク内の水に位置
エネルギを付与することが必要である。これは、以下の
ような理由による。
【0003】便器洗浄には、水道水を用いることが一般
的であり、家庭用水道の圧力は地域、季節、天候等の影
響を受けて変動し、必ずしも定常的であるとは限らな
い。我が国では、このように変動した場合であっても、
水道水圧力の最低圧力は、約4.9x104 Pa(約
0.5kgf/cm2 )程度であるといわれている。と
ころが、高層住宅や集合住宅で貯水槽を設けた場合や特
定の地域では、上記の最低圧力を得られないことがあ
る。また、水道水を供給していないときの圧力は充分で
あっても、供給を開始すると、水道水の流動圧が、配管
系の老朽化等による管路閉塞等により、著しく低下する
こともある。よって、このような水道圧力の変動が起き
ても汚物搬送に必要不可欠なエネルギを確保するため、
上記のようなタンクを所定の高さに配設している。
【0004】ところで、近年、大都市への人口集中や、
世界的な天候不順のため、生活用水の安定供給が難しく
なっている。そこで、各自治体、政府は様々な分野にて
節水の規制や呼びかけを行っている。大便器も例外では
なく、例えば、94年には米国政府が便器洗浄の水量規
制を3.5ガロン(約13リットル)から1.6ガロン
(約6リットル)に低減変更したことをはじめ、台湾や
シンガポールにおいても節水化が切望されている。又、
日本国内においても、各市町村単位で、節水化への対応
が模索されている。
【0005】節水化を図るためによく用いられる手法と
しては、例えば、洗浄水タンク内へレンガ等を入れて見
かけの貯水量を減らすことが挙げられる。しかし、この
手法では、便器洗浄に必要な量の洗浄水が得られず、洗
浄不良を起こすという点で十分とは言い難い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の節水化の要求に
対し、いくつかの提案がなされているが、その一つとし
て、特開昭54−18137号や特公平6−99952
号に示されるものがある。これら公報で提案された技術
は、既存の洗浄水タンク内に洗浄水を水道水圧と同程度
に加圧して蓄えるサブタンクを収納している。そして、
便器洗浄時にはこのサブタンク内に蓄えられ水道水圧と
同等のエネルギを持つ加圧水を、便器に直接放出する。
しかし、これら技術では洗浄水量を少なくできる反面、
サブタンクの設置に要するだけ洗浄水タンクが大型化す
る。このため、トイレ室内が狭いような場合にはこの大
便器が設置できないことがあった。また、洗浄水タンク
をその位置を低くして便器と一体化させたローシルエッ
トタイプと称される大便器では、デザイン的な制約から
も洗浄水タンクをサブタンクの収納ができるほど大型化
することは困難であった。
【0007】よって、ローシルエットタイプの大便器に
おいて、水道管を便器洗浄のための管路に直結し、直
接、水道水圧で洗浄水を放出することも行われていた。
しかし、このように構成しても、水道水圧が何らかの原
因、例えば断水や他の水栓での多量の水吐出或いは管路
の閉塞等により、その流動圧が約2.94x104
4.9x104 Pa(約0.3〜0.5kgf/c
2 )程度まで低下した場合には、汚物搬送や便器洗浄
が不完全となる。そして、常用の水道水圧力が上記の圧
力程度に満たないことがおおい低水圧地域では、水道水
を直接放出するようなことはできなかった。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するためにな
され、低給水圧時(低流動圧時)であっても、洗浄能力
を維持したまま節水化を図ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】か
かる課題を解決するため、本発明の第1の大便器は、便
器のボール部内の汚物を便器外へ搬送する大便器であっ
て、前記汚物の搬送のために洗浄水を吐出する吐出部材
と、前記洗浄水が吐出される際に、前記ボール部内の汚
物の搬送に用いられる洗浄水の流量を増幅して該洗浄水
を前記吐水部材に導く増幅手段とを有し、該増幅手段
は、エアー源から供給されるエアーを駆動流体とし前記
ボール部の汚物搬送のために用意された洗浄水を被駆動
流体として両流体を混合噴出するジェットポンプであっ
て、前記エアー源から供給を受けたエアーを噴出する駆
動ノズルと、該駆動ノズルに対応して前記両流体の通過
経路を形成すると共に前記両流体を前記吐出部材に導く
スロートとを有する前記ジェットポンプを備えることを
特徴とする。
【0010】上記構成を有する本発明の第1の大便器で
は、吐出部材から洗浄水を吐出して行う汚物搬送は、ジ
ェットポンプにより以下のように流量増幅された洗浄水
にて行われる。
【0011】駆動ノズルからは、エアー源とほぼ同等の
エアー圧(通常、約9.8x104〜1.96x105
Pa(約1〜2kgf/cm2 )程度)のエネルギを持
った高速・高圧のエアーが噴出される。そして、この高
速・高圧の噴出エアーは、駆動流体としてスロートを通
過する際に、エジェクタ作用を引き起こし、被駆動流体
として予め用意された洗浄水を巻き込む噴流となる。し
かも、ジェットポンプによる噴流噴出を行うことから、
その際の瞬間流量を増大させる。このため、予め用意さ
れた洗浄水が噴出エアーに巻き込まれて流量増幅並びに
瞬間流量の増大がなされた状態で、スロートから吐出部
材に導かれて吐出される。よって、流量増幅並びに瞬間
流量増大を受けた洗浄水混合エアーによりボール部内の
汚物を便器外へ搬送して便器洗浄を図るので、洗浄能力
を維持することができる。しかも、駆動流体として水を
用いる必要がないので、汚物搬送のための洗浄水は予め
用意された少量の洗浄水で済む。よって、より一層の節
水化を図ることができる。
【0012】また、洗浄水の流量増幅並びに瞬間流量の
増大を図るに当たり、駆動ノズルには一切の給水を要し
ない。よって、約2.94x104 Pa(約0.3kg
f/cm2 )程度の低水圧地域やこの程度までの水圧低
下が頻繁に起きる地域若しくは時期であっても、本発明
の第1の大便器によれば、高い洗浄能力と高い節水化を
図ることができる。
【0013】しかも、便器とは別体の洗浄タンク装置の
ように便器上面に突出する部位を一切なくすことができ
る。よって、本発明の第1の大便器を、デザインの自由
度が高いローシルエットタイプの便器に容易に適用する
ことができる。そして、このようにすれば、ローシルエ
ットタイプの便器の設置可能地域の拡大を図ることがで
きる。
【0014】更には、洗浄水を吐出して局部洗浄を行う
衛生洗浄装置等を便器上面に設置する場合であっても、
この衛生洗浄装置等に大きさや形状の制約を課すことが
なくなる。このため、衛生洗浄装置をも含めた便器周辺
全体のデザインの自由度が高まり、より高い高級感を備
えた便器を提供できる。
【0015】なお、以下の説明の便宜上、ジェットポン
プを介して流量増幅並びに瞬間流量増大が図られた洗浄
水を、単に流量増幅洗浄水と呼ぶこととする。
【0016】また、本発明の第2の大便器は、便器のボ
ール部内の汚物を便器外へ搬送する大便器であって、前
記汚物の搬送のために洗浄水を吐出する吐出部材と、前
記洗浄水が吐出される際に、前記ボール部内の汚物の搬
送に用いられる洗浄水の流量を増幅して該洗浄水を前記
吐水部材に導く増幅手段と、給水源から供給される水を
加圧する加圧手段とを有し、前記増幅手段は、前記加圧
手段により加圧された加圧水を駆動流体とし前記ボール
部の汚物搬送のために用意された洗浄水を被駆動流体と
して両流体を混合噴出するジェットポンプであって、前
記加圧水を噴出する駆動ノズルと、該駆動ノズルに対応
して前記両流体の通過経路を形成すると共に前記両流体
を前記吐出部材に導くスロートとを有する前記ジェット
ポンプを備えることを特徴とする。
【0017】上記構成を有する本発明の第2の大便器で
は、駆動ノズルからの水噴出に先立ち供給源からの水を
加圧する。よって、駆動ノズルからはこの加圧により高
圧・高速で水を噴出して、その噴出水に予め用意した洗
浄水を巻き込んで流量増幅と瞬間流量増大を図り、この
状態で洗浄水を汚物搬送のために吐出する。このため、
上記したように低水圧地域や低水圧時期であっても、或
いは低流量地域や低流量時期であっても、この本発明の
第2の大便器によれば、高い洗浄能力と高い節水化を図
ることができる。従って、ローシルエットタイプの便器
の設置可能地域の拡大を図ることができる。
【0018】また、本発明の第3の大便器は、便器のボ
ール部内の汚物を便器外へ搬送する大便器であって、前
記汚物の搬送のために洗浄水を吐出する吐出部材と、前
記洗浄水が吐出される際に、前記ボール部内の汚物の搬
送に用いられる洗浄水の流量を増幅して該洗浄水を前記
吐水部材に導く増幅手段と、給水源から供給される水を
低給水圧の時には加圧する加圧手段とを有し、前記増幅
手段は、供給された水を駆動流体とし前記ボール部の汚
物搬送のために用意された洗浄水を被駆動流体として両
流体を混合噴出するジェットポンプであって、前記供給
された水を噴出する駆動ノズルと、該駆動ノズルに対応
して前記両流体の通過経路を形成すると共に前記両流体
を前記吐出部材に導くスロートとを有する前記ジェット
ポンプを備え、前記ジェットポンプは、前記給水源から
供給を受けた水を直接噴出する第1の駆動ノズルと、前
記加圧手段により加圧された水を噴出する第2の駆動ノ
ズルと、該第1と第2の駆動ノズルを給水源の給水圧に
応じて選択する選択手段とを有することを特徴とする。
【0019】上記構成を有する本発明の第3の大便器で
は、駆動ノズルからの水噴出を図るに当たり、低給水圧
時には噴出に先立ち供給源からの水を加圧し、第1の駆
動ノズルからはこの加圧により高圧・高速で水(加圧
水)を噴出する。そして、その噴出水に予め用意した洗
浄水を巻き込んで流量増幅と瞬間流量増大を図り、この
状態で洗浄水を汚物搬送のために吐出する。その一方、
給水圧が高い場合には、給水源からの水をその高い給水
圧のまま第2の駆動ノズルから噴出して流量増幅と瞬間
流量増大を図ることができる。そして、この両駆動ノズ
ルを給水圧に応じて使い分ける。このため、この本発明
の第3の大便器によれば、上記したような低水圧の発生
の有無に拘わらず、高い洗浄能力と高い節水化を図るこ
とができる。そして、低給水圧時にしか水の加圧を必要
としないので、加圧に要するエネルギの低減を図ること
ができる。具体的には加圧機器を間欠的に或いは一時的
に駆動すればよく、省エネルギを図ることができる。
【0020】また、本発明の第4の大便器は、便器のボ
ール部内の汚物を便器外へ搬送する大便器であって、前
記汚物の搬送のために洗浄水を吐出する吐出部材と、前
記洗浄水が吐出される際に、前記ボール部内の汚物の搬
送に用いられる洗浄水の流量を増幅して該洗浄水を前記
吐水部材に導く増幅手段と、給水源から供給される水に
加圧エアーを混合する混合手段とを有し、前記増幅手段
は、前記混合手段により加圧エアーが混合された加圧エ
アー混合水を駆動流体とし前記ボール部の汚物搬送のた
めに用意された洗浄水を被駆動流体として両流体を混合
噴出するジェットポンプであって、前記加圧エアー混合
水を噴出する駆動ノズルと、該駆動ノズルに対応して前
記両流体の通過経路を形成すると共に前記両流体を前記
吐出部材に導くスロートとを有する前記ジェットポンプ
を備えることを特徴とする。
【0021】上記構成を有する本発明の第4の大便器で
は、駆動ノズルからの水噴出に先立ち、供給源からの水
に加圧エアーを混合してこの水を加圧する。よって、駆
動ノズルからはこの加圧エアー混合により高圧・高速で
水(加圧エアー混合水)を噴出して、その噴出水に予め
用意した洗浄水を巻き込んで流量増幅と瞬間流量増大を
図り、この状態で洗浄水を汚物搬送のために吐出する。
このため、この本発明の第4の大便器によっても、上記
したように低水圧地域や低水圧時期であっても、高い洗
浄能力と高い節水化を図ることができる。従って、ロー
シルエットタイプの便器の設置可能地域の拡大を図るこ
とができる。
【0022】上記の構成を有する本発明の第4の大便器
は、以下の態様を採ることもできる。第1の態様は、本
発明の第4の大便器において、前記混合手段を、低給水
圧の時に駆動して前記加圧エアーを混合する手段を有す
るものとすることができる。
【0023】この第1の態様によれば、駆動ノズルから
の水噴出を図るに当たり、低給水圧時には噴出に先立ち
供給源からの水に加圧エアーを混合してこの水を加圧す
る。よって、低給水圧時には、駆動ノズルからはこの加
圧エアー混合により高圧・高速で水(加圧エアー混合
水)を噴出する。そして、その噴出水に予め用意した洗
浄水を巻き込んで流量増幅と瞬間流量増大を図り、この
状態で洗浄水を汚物搬送のために吐出する。その一方、
給水圧が高い場合には、給水源からの水をその高い給水
圧のまま駆動ノズルから噴出して流量増幅と瞬間流量増
大を図ることができる。このため、この態様によって
も、上記したような低水圧の発生の有無に拘わらず、高
い洗浄能力と高い節水化を図ることができる。そして、
低給水圧時にしか加圧エアーの混合を必要としないの
で、エアーの加圧およびその混合に要するエネルギの低
減を図ることができる。具体的には加圧機器を間欠的に
或いは一時的に駆動すればよく、省エネルギを図ること
ができる。
【0024】第2の態様は、本発明の第4の大便器にお
いて、前記混合手段を、使用者により操作される開始ス
イッチを有し、該開始スイッチの操作により駆動して前
記加圧エアーを混合するものとすることができる。
【0025】この第2の態様によれば、駆動ノズルから
の水噴出を図るに当たり、開始スイッチが操作される
と、供給源からの水に加圧エアーを混合し、駆動ノズル
から高圧・高速で水(加圧エアー混合水)を噴出する。
そして、その噴出水に予め用意した洗浄水を巻き込んで
流量増幅と瞬間流量増大を図り、この状態で洗浄水を汚
物搬送のために吐出する。その一方、開始スイッチが操
作されていない場合には、給水源からの水をその給水圧
のまま駆動ノズルから噴出して流量増幅と瞬間流量増大
を図ることができる。このため、この態様によっても、
開始スイッチの操作を経て高い洗浄能力と高い節水化を
図ることができる。そして、開始スイッチの操作時にし
か加圧エアーの混合を必要としないので、エアーの加圧
およびその混合に要するエネルギの低減を図ることがで
きる。具体的には加圧機器を間欠的に或いは一時的に駆
動すればよく、省エネルギを図ることができる。
【0026】第3の態様は、本発明の第4の大便器にお
いて、前記混合手段を、前記給水源から前記ジェットポ
ンプの前記駆動ノズルに至る給水管路と、該給水管路に
設けられた空気混入部から給水管路の水に空気を混入
し、前記空気混入部からの空気混入を経た水の流れを水
に空気が分散混合した気泡流とする気泡流化手段と、前
記気泡流における給水流量Qwと空気流量Qaの比の値
Qa/Qwで規定される空気混入率ηが1.3以上とな
るように、前記気泡流における水と空気の混合比を調整
する混合比調整手段とを有するものとすることができ
る。
【0027】この第3の態様によれば、以下の利点があ
る。
【0028】ノズルからの水の噴出に当たり、単なる水
ではなく、空気を混入させた水を噴出することが行なわ
れている。このようにすれば、水のみを噴出する場合に
比べ、噴出水の流速の増大化をもたらしてその運動量を
増大させることができることが知られている。そして、
このように単純に空気混入を図っただけでも、ノズルか
らの噴出水量を少量とできる。この場合、空気混入に
は、分岐管から水の管路内に単純に空気を混入させる手
法が採られている。
【0029】ところで、水への空気混入により水の運動
量を増大させるには、混入空気の持つ運動量を確実に水
に伝達する必要がある。しかしながら、分岐管を用いて
単純に空気混入を図るだけの手法では、以下に説明する
ように水への空気の運動量の伝達が充分ではなく、種々
の問題があった。
【0030】分岐管からの空気は、分岐管末端の開口に
て管路内に膨らんだ状態で水の流れから受ける剪断力に
より断ち切られて気泡となり、水に混入する。このよう
な空気混入の手法でもってして混入空気量を増やして水
に大量に空気を混入させると、この気泡は空気量増大に
より大きくなった状態で断ち切られることになる。よっ
て、比較的大きな気泡塊が生成しやすくなる。そして、
このような気泡塊は容易に合一する。このため、分岐管
下流の管路では、水に空気が混合した水の流れであると
いっても、その流動様相は、気相がある程度連続した状
態のスラグ流や環状流となる。
【0031】上記の空気混入の手法を採って混入空気量
をより増大させた場合には、空気流に水滴が混在した流
動様相に近づき、以下に記すように噴霧流となりやす
い。つまり、混入空気量の増大に伴い気泡密度が高まる
ため、気泡の合一の機会が増えて気泡合一の発生頻度が
高まる。よって、気泡径は大きくなり気相の連続化が進
んで連続気相となる。この状態では、水と空気との接触
面積も小さく抵抗も低いので、空気から水への運動量伝
達が進まない。このため、水は低速で管路壁面に沿って
流れ、空気は高速で管路の中央部を流れる。このように
して水と空気が管路を流れると、空気が高速で流れると
きに発生する気液界面の振動と乱流による剪断力で管路
壁面側の水が破砕され、気泡流とは逆相の噴霧流とな
る。
【0032】この噴霧流を始め上記のスラグ流や環状流
の流動様相(以下、この流動様相を非所望の流動様相と
総称する)では気相が連続しているので、上記したよう
に水と空気の接触面積は低下する。しかも、水と空気と
の接触抵抗が低いことから、空気混入による水の速度の
向上効果は低く、噴出水の速度すなわち運動量を増加さ
せる効果は低下する。このため、スラグ流等の非所望の
流動様相では、空気混入により水を少量とできるもの
の、少量が故に水自身の運動量が低いと共に空気からの
運動量の伝達程度も低いので、ノズルからは高い運動量
で水を噴出できない。従って、上記の空気混入手法で
は、混入空気量の増大を図ってもスラグ流等の非所望の
流動様相を呈してしまうので、噴出水の運動量確保の観
点から混入空気量に制限を受け、その分だけ水の少量化
が阻害される。このような事情から、節水の実効性が必
ずしも充分とはいえなかった。
【0033】この場合、上記したような気泡流と噴霧流
とが転相する境界における空気混入率、即ち、水の給水
流量Qwと空気流量Qaの比の値Qa/Qwで規定され
る空気混入率ηは、ノズルの噴出口近傍で空気を混入さ
せることを想定すると、ほぼ1.3であることが判明し
た。つまり、上記した空気混入手法では、この空気混入
率を1.3より高めても、噴霧流で水を噴出できるに過
ぎないばかりか、噴出水速度が上昇せずこれに伴う節水
率も飽和する。よって、上記の従来の空気混入手法で
は、空気混入率の臨界点はほぼ1.3であるといえる。
【0034】ところで、上記の非所望の流動様相を呈し
た上で噴出水の速度を確保するには、高い運動量をもっ
て、即ち高い水勢で水を供給する必要があると共に、こ
のような水に空気混入を図る必要がある。よって、洗浄
水供給を水道水圧力のみで行なうことはできず、水供給
に消費電力が大きい高能力の圧送ポンプを必要とする。
しかも、空気混入にも消費電力が大きい高能力の圧送ポ
ンプを必要とする。このため、節水化が困難となると共
に、水供給と空気混入に余分なエネルギを必要とする。
また、このようなポンプは大型であることから、当該ポ
ンプを内蔵する都合上、大便器の小型化も阻害される。
【0035】これに対し、上記構成の第3の態様の大便
器では、空気混入を経た水の流れを水に空気が分散混合
し、空気と水とが同一速度で流れる気泡流とするので、
混入空気は、互いに分断された状態で水に存在する。よ
って、混入空気の持つ運動量を分散混合したそれぞれの
空気で水に確実に伝達できるので、水の流速を増大させ
その運動量をも増大させる。そして、このように流速並
びに運動量の増大した水を、気泡流の状態で上記の加圧
エアー混合水としてジェットポンプの駆動ノズルから噴
出する。これにより、その噴出水に予め用意した洗浄水
を巻き込ませて流量増幅と瞬間流量増大を図り、この状
態で洗浄水を汚物搬送のために吐出する。このため、こ
の態様によっても、上記したように低水圧地域や低水圧
時期であっても、高い洗浄能力と高い節水化を図ること
ができる。従って、ローシルエットタイプの便器の設置
可能地域の拡大を図ることができる。
【0036】しかも、空気混入率ηを従来ではその上限
であった値1.3以上として、従来以上の水の少量化を
図ることができる。更には、上記の気泡流として混入空
気を分断状態にするので、従来の上限値1.3以上とい
う高い空気混入率ηであっても、気泡の合一の機会を低
減させ、気泡径の拡大並びに気相の連続相化を起こさな
い。よって、噴霧流等の非所望の流動様相を招くことが
ない。従って、高い空気混入率での空気混入により、節
水の実効性を確実に高めることができる。また、気相の
連続のない上記の気泡流として上記のように運動量が増
大した水を駆動ノズルから噴出して洗浄水吐出を行なえ
るので、噴霧流等の非所望の流動様相でのノズル噴出と
は異なり、確実に汚物を搬送できる。更に、混入空気の
運動量を確実に水に伝達できることから、エネルギ損失
を抑制でき、水自体(駆動ノズルへの供給水)を高い運
動量で供給する必要がない。よって、水の供給に消費電
力が大きい高能力のポンプ機器を必要としないばかり
か、空気混入にも高能力のポンプ機器を必要としない。
この結果、節電効果を高めることができる。
【0037】この場合、上記のような空気分散を通して
水と空気とが完全に独立した状態を得るために空気塊を
微細化するのであるが、その微細化の程度は、気泡径が
100〜1000μmであることが好ましい。すなわ
ち、気泡径を100μm以下とするまでに気泡を微細化
するには相当のエネルギーが必要となるためである。ま
た、気泡径が1000μm以上となると隣り合う気泡同
士の結合が発生し易くなり、体積比で1.3倍以上の大
量の空気を含む気泡流としては不安定となるからであ
る。
【0038】また、上記の第3の態様の大便器は、以下
の態様を採ることもできる。即ち、前記混合比調整手段
を、前記気泡流化手段を制御して空気の混入量を制御
し、前記空気流量Qaを調整する第1調整手段と、前記
給水管路に供給される水の供給量を制御し、前記給水流
量Qwを調整する第2調整手段の前記第1、第2調整手
段の少なくとも一方を有するものとすることができる。
【0039】こうすれば、空気流量Qaと給水流量Qw
のいずれか若しくは両者の調整を通して、空気混入率η
を確実に1.3以上とできる。
【0040】また、前記混合比調整手段を、前記給水管
路に供給される水の供給量に基づいて前記気泡流化手段
を制御して空気の混入量を制御し、前記空気流量Qaを
調整する手段を有するものとすることができる。
【0041】こうすれば、何らかの原因、例えば水道管
等の供給源側の不用意な圧力低下等により給水流量が変
動しても、空気混入率ηを確実に1.3以上とできる。
【0042】また、前記空気混入部を、微細な気泡を前
記給水管路の水に混入する微細気泡混入手段を有するも
のとすることができる。
【0043】こうすれば、空気は微細な気泡となって給
水管路の水に混入し、混入した各気泡は、微細であるこ
とから独立気泡の状態を保つ。このため、周囲の気泡と
の合一機会をより低減できる。よって、空気の分散混合
をより確実なものとして上記の気泡流を得ることがで
き、スラグ流等の非所望の流動様相としないので、高い
節水効果を容易に得ることができる。
【0044】この場合、前記微細気泡供給手段を、平均
直径が約100μm〜1000μmの微細な気泡を洗浄
水に混入するものとすることができる。こうすれば、気
泡は、その規定された粒径によって高い剛性を有するこ
とになり、気泡形状の変形を起きにくくできる。よっ
て、気泡の合一機会の低減に加え、気泡合一自体をも起
きにくくできるので、空気が安定して分散混合した気泡
流の状態で駆動ノズルから水を噴出できる。また、給水
管路の水において気泡の不要な運動を起こさないので、
空気の運動量を水に伝達する際のエネルギ損失も少なく
なる。よって、上記したように、節水の実効性と節電効
果とをより高めることができる。
【0045】また、前記微細気泡供給手段を、前記給水
管路の水に接する面に多数分割された独立開孔を有する
ものとすることができる。こうすれば、空気は、それぞ
れの独立開孔を経て給水管路の水に個々の気泡として別
々に混入し、各気泡は、形成当初から独立気泡の状態を
保つ。この各気泡は、独立開孔にある程度依存した小さ
な径の略球形形状となるので、剛性が高く変形もしにく
い。よって、気泡の合一機会の低減に加え、気泡合一自
体をも起きにくくできるので、空気が安定して分散混合
した気泡流とできる。しかも、各気泡は、それぞれの独
立開孔から個別に形成されて独立気泡の状態で洗浄水に
混入するので、高い分散効率で気泡が管路の水に当初か
ら混合する。そして、このように混合した気泡は、給水
管路における水の流れの乱れにより拡散し、水により均
一に分散する。よって、上記のように気泡合一が起きに
くいことと相俟って、気泡(混入空気)の運動量はより
効率よく管路の水に伝達され、高い運動量で駆動ノズル
から水が噴出される。この結果、上記したように、節水
の実効性と節電効果とをより高めることができる。
【0046】また、前記微細気泡供給手段の独立開孔
を、その開孔配置が規則的なものとすることができる。
こうすれば、単位面積当たりの開孔数を増やすことがで
きと共に、気泡間の距離を均一に保つことができる。よ
って、気泡生成時に連続気泡となりにくくスラグ流等の
非所望の流動様相を起こしにくいので、混入空気の運動
量を確実に洗浄水に伝達できる。また、開孔密度を増や
すことにより小型化も可能であり、この微細気泡供給手
段を有する空気混入部が装着される給水管路の大径化を
要しない。
【0047】更に、前記空気混入部を、前記給水管路の
一部を構成するものとすることができる。こうすれば、
空気混入部において、管路の水の流れを乱したり流れの
よどみを発生させない。ところで、気泡が混入した水に
その流れの乱れやよどみが発生すると、気泡同士の接触
機会が増加したり滞留時間が増えるので、気泡合一が発
生しやすく気泡の大径化を起こしやすい。しかし、上記
したように水の流れの乱れやよどみを発生させないの
で、気泡を好適に分散混合でき、この状態で駆動ノズル
から水を扮するできる。このため、節水の実効性と節電
効果とをより高めることができる。
【0048】この場合、前記空気混入部を、多孔質材料
で形成されたものとしたり、前記管路の洗浄水に接する
領域に亘って略網目状構造を有するものとすることがで
きる。こうすれば、上記の各微細気泡混入手段を給水管
路に容易に設けることができる。また、網目状構造は、
繊維等を重ね合せたり織り込むことで容易に形成可能で
あり、繊維等の太さ、間隔や配向を制御することで、網
目の開孔形状や開孔面積並びに開孔間距離などを容易に
調整できる。よって、これらの調整を経て、気泡をより
確実に分散混合できる。
【0049】また、前記空気混入部を、前記駆動ノズル
の噴出口の近傍に設けるようにすることができる。こう
すれば、空気が分散混合した気泡流の水は、速やかに噴
出口から噴出する。よって、管路を流れる最中での気泡
合一を起きにくくでき、安定した気泡流で水を噴出でき
る。また、気泡流の状態で水が流れる経路長が短くなる
ので、水通過に際しての管路抵抗は低くなる。よって、
水の供給に必要な水圧や混入空気圧を減少させることが
でき、低水圧時の節水効率を高めることができる。
【0050】また、前記気泡流化手段を、前記空気混入
部の下流側の管路に、前記給水管路の水の流れに含まれ
る気泡塊を破砕し、前記水の流れを破砕気泡が水に分散
混合した気泡流に変遷する気泡破砕手段を有するものと
することができる。こうすれば、空気混入を経た水の流
れが連続気相を含むスラグ流等の非所望の流動様相であ
っても、この水の流れに含まれる気泡塊を破砕して気泡
流に変遷できる。よって、この気泡流に変遷後の水の噴
出を経て汚物搬送のための洗浄水吐出を行なうことがで
きるので、上記と同様、節水の実効性と節電効果とを確
実に高めることができる。
【0051】この気泡破砕手段による気泡塊の破砕は、
その破砕した結果の気泡径が100〜1000μmであ
ることが好ましい。すなわち、気泡径を100μm以下
とするまでに気泡を破砕するには相当のエネルギーが必
要となり、かつ、その気泡破砕手段が給水管路の水に対
して大きな流路抵抗となるからである。また、気泡径が
1000μm以上となると隣り合う気泡同士の結合が発
生し易くなり、体積比で1.3倍以上の大量の空気を含
む気泡流としては不安定となるからである。
【0052】この場合、前記気泡破砕手段を、前記駆動
ノズルの噴出口の近傍に設けるようにすることができ
る。こうすれば、気泡流に変遷済みの水は速やかに噴出
口から噴出するので、上記したように、低水圧時の節水
効率を高めることができる。
【0053】
【発明の他の態様】本発明は、以下のような他の態様を
採ることも可能であり、第1の他の態様は、上記した本
発明のいずれかの大便器において、前記ボール部に溜め
置かれた溜水が流入できるように前記ボール部と区画し
て形成され、該流入した水を前記用意された水として前
記汚物の搬送の開始前に予め貯留する貯留部を有する。
【0054】この第1の他の態様によれば、貯留部には
リムからの吐出洗浄水やボール部の溜水を貯留して、こ
の水を被駆動流体として利用できる。よって、貯留部へ
の水の貯留のためだけの特別な構成が不要となり、構成
の簡略化を図ることができる。
【0055】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る大便器の実施
の形態を実施例に基づき説明する。図1は、本発明に係
る第1実施例の大便器100の概略断面図である。この
第1実施例の大便器100は、図示するように、便器と
は別体の洗浄水タンクを備えないいわゆるローシルエッ
トタイプの大便器である。この大便器100は、便器本
体101aのやや前方よりにボール部101を備える。
ボール部101底部の汚物落し込み凹部112の奥壁部
には、排水トラップ102の入口121が開設されてい
る。また、汚物落し込み凹部112の前壁部には、排水
トラップ102の入口121に臨ませてゼット吐水口1
06(洗浄水排出口)が対向して開設されている。そし
て、このゼット吐水口106から洗浄水が吐出される
と、ボール部101の汚物を排水トラップ102から洗
浄水と共に搬送して便器洗浄を図るいわゆるジェット洗
浄が実施される。
【0056】排水トラップ102は、入口121から立
ち上がって形成された上昇管122と、この上昇管12
2に堰部127を隔てて繋がり下端の便器排水口125
に至る下降管123とを有する。このため、排水トラッ
プ102に洗浄水が送り込まれると、堰部127上部の
空気を押し流すことでサイホン作用を起こし、汚物落し
込み凹部112の汚物並びに洗浄水は排水トラップ10
2に引き込まれる。
【0057】また、大便器100は、ボール部101へ
の溜水を図るために、給水弁105とこの給水弁105
から洗浄水を通水リム103に導く導入管105aとを
有する。給水弁105は、便器洗浄後に給水源からの管
路を所定時間だけ開き、溜水に必要な量の洗浄水を供給
する。よって、この給水弁105により、導入管105
aを経て通水リム103に洗浄水が導かれると、リム水
出孔132からボール部101表面に向けて洗浄水が流
れ落ち、ボール部への溜水が行われる。なお、この溜水
の際におけるボール部表面での洗浄水の流れ落ちによ
り、ボール部表面の洗浄が行なわれる。
【0058】また、大便器100は、便器本体101a
の前方側に洗浄水貯留部104を有し、この洗浄水貯留
部104をボール部101と隔壁101bで区画形成し
て備える。この場合、洗浄水貯留部104は、ボール部
101を支える台座の内部に形成されている。
【0059】この洗浄水貯留部104は、ゼット吐水口
106と連通する連通孔141を備える。このゼット吐
水口106は、排水トラップ102の入口121と対向
しており、洗浄水の通過経路となる。このため、ボール
部101に洗浄水が上記したように溜水されていれば、
洗浄水貯留部104にもゼット吐水口106および連通
孔141を経て洗浄水が流れ込む。よって、洗浄水貯留
部104には所定量の洗浄水が溜水される度に貯留され
ることになる。また、連通孔141およびゼット吐水口
106を経て、洗浄水貯留部104の側からボール部1
01へも洗浄水を流し込むことができる。この第1実施
例では、洗浄水貯留部104の内容積は、約0.5リッ
トルとされており、この水量の洗浄水で便器洗浄が行わ
れる。つまり、洗浄水貯留部104の貯留水量は、ボー
ル部101の通常の溜水水量2リットルに対して、約1
/4 とされている。なお、洗浄水貯留部104への溜
水の流入に支障がないよう、洗浄水貯留部104の頂上
部にはごく小径のエアー孔が空けられており、その開口
部は溜水水位より上方とされている。
【0060】大便器100は、洗浄水貯留部104の下
方にゼット導水路161を形成して備え、その奥側(図
における左側)に、エアーノズル372を有する。この
エアーノズル372は、その先端が洗浄水貯留部104
の連通孔141の手前に来るようにして、便器壁面10
1cに水密に固定されており、加圧エアー源であるコン
プレッサ374と接続されている。つまり、このエアー
ノズル372と、その前方に位置しノズルからの流体の
通路となるゼット導水路161とでジェットポンプが構
成される。コンプレッサ374はコントローラ376に
より制御され、このコントローラ376は、操作盤37
8からの信号(光信号)に応じて、エアーノズル372
からの加圧エアーの圧送を開始したり停止したりする。
【0061】よって、操作盤378が便器洗浄の光信号
をコントローラ376に送信し、コンプレッサ374が
加圧エアーを圧送すると、エアーノズル372は、この
加圧エアーをゼット導水路161に高速・高圧で吐出す
る。この加圧エアーは、ゼット導水路161を通過する
際にエジェクタ作用を引き起こし、洗浄水貯留部104
内の洗浄水を巻き込む。
【0062】このため、ゼット吐水口106から入口1
21に向けては、洗浄水貯留部104内の洗浄水の巻き
込みにより流量増幅並びに瞬間流量の増大を起こした吐
出エアー(加圧エアー)がゼット導水路161に沿って
直接吐出される。従って、排水トラップ102には、洗
浄水を巻き込んだ状態の加圧エアーが一度に大量送り込
まれることになる。このようなボール部101の洗浄
(ジェット洗浄)に際しては加圧エアーを吐出したに過
ぎないが、ボール部101には流量増幅洗浄水が流れ込
む。そして、汚物落し込み凹部112における汚物は、
この大量の洗浄水に押し流されて排水トラップ102内
に強力に押し込まれ排水トラップ102から排出され
る。つまり、ジェットポンプによる流量増幅並びに瞬間
流量増大をもたらした洗浄水混合エアーにより、ボール
部内の汚物を便器外へ搬送して便器洗浄を図る。よっ
て、高い洗浄能力を維持することができる。しかも、汚
物搬送に当たって給水源からの洗浄水を吐出する必要が
ないので、汚物搬送のための洗浄水は洗浄水貯留部10
4内の少量の洗浄水で済む。具体的には、ゼット流を形
成するための水量としては、既述したように約0.5リ
ットルで済む。よって、より一層の節水化を図ることが
できる。
【0063】なお、こうしたゼット吐水口106からの
洗浄水吐出が完了すると、操作盤378は給水弁105
に光信号を送信し、これを受けて給水弁105は管路を
開閉する。よって、既述したように通水リム103から
溜水並びにボール部表面洗浄のための洗浄水吐出が行わ
れる。
【0064】このように、給水源からの給水はボール部
101の溜水のための通水リム103からのものだけで
よく、給水源からボール部101に洗浄水を吐出する必
要がない。しかも、コンプレッサ374からは、給水源
の給水圧の高低に拘わらず、一定圧の加圧エアーを圧送
することができる。よって、約2.94x104 Pa
(約0.3kgf/cm2 )程度の低水圧地域やこの程
度までの水圧低下が頻繁に起きる地域若しくは時期であ
っても、高い洗浄能力と高い節水化を図ることができ
る。従って、ローシルエットタイプの便器の設置可能地
域の拡大を図ることができる。
【0065】また、排水トラップ102に起きたサイホ
ン作用が消滅した後にもエアーノズル372から加圧エ
アーを継続して吐出するようにすれば、以下の利点があ
る。何らかの原因で汚物がサイホン作用消滅時に上昇管
122から洗浄水と共に戻された場合であっても、この
汚物を加圧エアーの吐出により汚物落し込み凹部112
から上昇管122、延いては下降管123に吹き飛ばす
ことができる。よって、汚物搬送の信頼性を高めること
ができる。
【0066】次に、第2実施例について説明する。図2
は、第2実施例の大便器400の概略構成図である。こ
の第2実施例の大便器400は、便器洗浄開始直後に通
水リム103からの洗浄水吐出と、その後のゼット吐水
口106からの洗浄水吐出と、再度の通水リム103か
らの洗浄水吐出とを順次行うよう構成されている。つま
り、大便器400は、リム洗浄/ジェット洗浄/リム洗
浄を順次行い、最初のリム洗浄でボール部表面洗浄を、
ジェット洗浄で汚物搬送並びに便器洗浄を、最後のリム
洗浄でボール部101の溜水を行う。そして、リム洗浄
のための洗浄水供給系とジェット洗浄のための洗浄水供
給系を別系統で有する。
【0067】図示するように、大便器400は、給水源
と接続され常時は開弁状態にある止水栓402を有す
る。また、大便器400は、この止水栓402の下流で
分岐したリム側連結管404とジェット側連結管406
とを有する。リム側連結管404は、その管路の途中
に、図示しない制御装置により開閉されるリムバルブ4
08を備え、当該バルブの開弁時に給水源からの洗浄水
を通水リム103に直接導く。つまり、通水リム103
には、リム側連結管404にかかる給水圧(流動圧F
p)のまま洗浄水が給水され、この洗浄水がリム水出孔
132から吐出されて既述したリム洗浄が行われる。そ
して、当初のリム洗浄でボール面洗浄がなされ、最後の
リム洗浄でボール部101の溜水と洗浄水貯留部104
の洗浄水補給がなされる。
【0068】ジェット側連結管406は、加圧タンク4
10に内蔵された制御バルブ412のインポート側に接
続され、この制御バルブ412を経て加圧タンク410
内に給水源からの洗浄水を給水する。なお、ジェット側
連結管406の管路には、加圧タンク410の側からの
洗浄水の流れを遮断する逆止弁405が配置されてい
る。
【0069】制御バルブ412のアウトポートには、管
路途中にジェットバルブ414を有する連結管137が
接続されており、加圧タンク410内の洗浄水が連結管
137を経て吐出ノズル35に送られる。この吐出ノズ
ル35は、ゼット導水路161の奥側に設置され、ゼッ
ト吐水口106を経て入口121を指向している。よっ
て、この吐出ノズル35から洗浄水吐出がなされれば、
吐出ノズル35とゼット導水路161とで構成するジェ
ットポンプにより、流量増幅洗浄水が入口121に向け
て吐出され、既述したジェット洗浄が行われる。そし
て、このジェット洗浄により、汚物搬送並びに便器洗浄
が行われる。なお、ジェットバルブ414も制御装置に
より開閉される。
【0070】加圧タンク410は、その有する制御バル
ブ412により、タンク内の洗浄水を所定圧力に加圧維
持し、連結管137から吐出ノズル35へは、常時、こ
の所定圧力でタンク内洗浄水を送り出すよう構成されて
いる。これにより、以下の利点がある。
【0071】ジェット側連結管406に掛かる流動圧F
pは、他の水栓等の使用状況により変化し、1次側の設
定圧力である給水止水圧Spの約1/5程度まで低下す
ることがある。加圧タンク410は、この流動圧Fpで
洗浄水がジェット側連結管406から導かれても、制御
バルブ412によりこの洗浄水をタンク内に導入する。
そして、タンク内洗浄水の送り出しに際しては、タンク
内にて給水止水圧Spまで加圧したタンク内洗浄水を、
この給水止水圧Spで連結管137に送り出す。よっ
て、流動圧Fpが低下しても、吐出ノズル35には常に
この給水止水圧Spに加圧された洗浄水を送り出すこと
ができる。
【0072】この場合、給水止水圧Spで送り出し得る
洗浄水流量Qとタンク容量Vは、以下のようにして算出
した。
【0073】加圧タンク410が給水止水圧Spで洗浄
水を洗浄水流量Qだけ吐出ノズル35に給水できる状態
にある場合、加圧タンク410内のエアーは、その圧力
が給水止水圧Spであり、この時のエアー容積をV1と
すると、状態方程式(PV=nRT)から、以下の関係
式が成立する。
【0074】(1+Sp)V1=nRT
【0075】一方、タンク内洗浄水が送り出された後に
は、加圧タンク410は総てエアーで満たされ、エアー
圧力は流動圧Fpであるので、状態方程式から、以下の
関係式が成立する。
【0076】(1+Fp)V=nRT
【0077】このタンク容量Vは、エアー容積V1と洗
浄水流量Qの和に等しいことから、上記数式は、以下の
ようになる。
【0078】(1+Fp)(V1+Q)=nRT
【0079】そして、この二つの状態において、容器内
のエアーのモル数および温度は等しいので、以下の関係
式が成立する。
【0080】 (1+Sp)V1=(1+Fp)(V1+Q) V1=((1+Fp)Q)/(Sp−Fp)
【0081】本実施例では、ジェットポンプによる流量
増幅洗浄水でジェット洗浄を行うので、この洗浄水流量
Qは約1.2リットルとした。そして、給水止水圧Sp
を1.47x105 Pa(1.5kgf/cm2 )とし
流動圧Fpを4.9x104Pa(0.5kgf/cm
2 )としたので、エアー容積V1は1.8リットルとな
る。つまり、加圧タンク410のタンク容量Vは3.0
リットルである。このようにタンク容量Vが3リットル
と少量でよいことから、加圧タンク410は、便器本体
101aに組み込み可能な大きさでよい。
【0082】なお、リム側にもジェットポンプを組み込
んで、このリム側のジェットポンプの吐出ノズルにも加
圧タンク410から給水止水圧Spで洗浄水を送り出す
場合には、加圧タンク410をその分だけタンク容量V
が大きなものとすればよい。
【0083】上記した大便器400では、次のようにし
て便器洗浄が行われる。まず、この便器洗浄が行われる
前は、リムバルブ408並びにジェットバルブ414は
閉弁状態にあり、止水栓402は開弁しているので、加
圧タンク410にはジェット側連結管406から洗浄水
が流れ込む。そして、便器洗浄前にあっては、この加圧
タンク410にて、タンク内の洗浄水は給水止水圧Sp
に加圧される。
【0084】図示しない操作盤の洗浄ボタンが押される
と、リムバルブ408が先に開弁される。これにより、
通水リム103に給水源から洗浄水が導かれ、既述した
ようにボール面洗浄のためのリム洗浄が行われる。次
に、リムバルブ408の閉弁と同時にジェットバルブ4
14が開弁され、加圧タンク410から連結管137を
経て上記の加圧済み洗浄水が吐出ノズル35に送られ
る。よって、吐出ノズル35は、この加圧済み洗浄水
を、その有する圧力(給水止水圧Sp)で高速に吐出す
る。このため、吐出ノズル35からは、流動圧Fpが低
い状態であっても、常に高い給水止水圧Spで洗浄水吐
出を行うことができる。また、給水源からの給水流量が
少ない場合でも、加圧タンク410にて供給可能な水量
(上記の洗浄水流量Q)だけの洗浄水が給水止水圧Sp
で吐出ノズル35には送られる。そして、この洗浄水吐
出に洗浄水貯留部104の洗浄水を巻き込んで流量増幅
並びに瞬間流量増大を図り、流量増幅洗浄水で汚物搬送
と便器洗浄を行う。
【0085】従って、この大便器400にあっても、ジ
ェットポンプよる流量増幅洗浄水の吐出を通して、高い
洗浄能力と節水化を図ることができる。しかも、このよ
うな高い洗浄能力と節水化を流動圧Fpの高低に拘わら
ず実現するので、もともと給水止水圧Spの低い低水圧
地域や何らかの原因で低給水圧となった時期であって
も、高い洗浄能力と高い節水化を図ることができる。ま
た、他の水栓での水使用量が多くて大便器400への給
水流量自体が少量となったり、もともと大便器400へ
の給水流量自体が少量な地域であっても、高い洗浄能力
と高い節水化を図ることができる。よって、ローシルエ
ットタイプの便器の設置可能地域を低水圧地域や低流量
地域まで拡大することができる。
【0086】なお、上記したジェット洗浄が終了する
と、ジェットバルブ414の閉弁と同時にリムバルブ4
08が開弁され、既述したボール部101の溜水と洗浄
水貯留部104の補給のための再度のリム洗浄が行われ
る。
【0087】次に、第3実施例について説明する。この
第3実施例は、低給水圧時にのみ加圧済み洗浄水を吐出
する点に特徴がある。この第3実施例は、上記の大便器
400に以下の構成を追加して備える。図2に二点鎖線
で示すように、第3実施例では、吐出ノズル35に並ん
で吐出ノズル35Cを有する。そして、この吐出ノズル
35Cには、ジェット側連結管406から分岐して加圧
タンク410をバイパスするバイパス管415と連結管
137Cを経て、給水源からの洗浄水をその時の給水圧
のまま導く。この場合、バイパス管415には、その管
路を開閉するジェットバルブ417が設けられている。
なお、説明の都合上、ジェットバルブ414を第1ジェ
ットバルブ414と呼び、ジェットバルブ417を第2
ジェットバルブ417と呼んで、両バルブを区別するこ
ととする。また、吐出ノズル35を第1吐出ノズル35
と、吐出ノズル35Cを第2吐出ノズル35Cと呼ん
で、両ノズルを区別することとする。
【0088】従って、上記の構成を有する第3実施例で
は、第1吐出ノズル35と第2吐出ノズル35Cとを使
い分けることができ、いずれの吐出ノズルを用いても、
流量増幅洗浄水で便器洗浄を行うことができる。そし
て、この第3実施例では、以下のようにして両ノズルを
使い分けている。図3は、第3実施例で行う便器洗浄処
理を表すフローチャートである。
【0089】図3に示す便器洗浄処理は、第3実施例の
大便器の有する制御装置(図示省略)にて、操作盤の洗
浄ボタンが操作されるごとに実行される。この処理が開
始されると、まず、リムバルブ408を開弁して(ステ
ップS500)、ボール面洗浄のための最初のリム洗浄
を行うと共に、管路を流動圧下に置く。次いで、止水栓
402の下流に設けた図示しない圧力センサからその時
の給水圧P(流動圧Fp)を読み込む(ステップS50
5)。そして、この読み込んだ給水圧Pが所定の圧力P
0 以上であるか否かを判定する(ステップS510)。
この圧力P0 は、本実施例によれば約6.86x104
Pa(約0.7kgf/cm2 )程度であり、そして、
この程度の圧力があれば、給水源からの洗浄水を直接吐
出ノズルから吐出しても、このノズルからは高速・高圧
の洗浄水吐出を得られ、流量増幅並びに瞬間流量増大も
汚物搬送並びに便器洗浄に適した程度に得られるとし
て、上記の圧力P0 は規定されている。
【0090】ステップS510で肯定判定した場合に
は、その時の給水圧は高いので、続くステップS520
にて、以下のバルブ制御を行って、最初のリム洗浄に続
いてジェット洗浄/リム洗浄を順次実行する。つまり、
まず、リムバルブ408を閉弁して最初のリム洗浄を終
了させ、次いで、第2ジェットバルブ417を開弁す
る。これにより、給水源からの洗浄水は、その時の給水
圧のまま第2吐出ノズル35Cに直接送られ、この第2
吐出ノズル35Cから高圧・高速での洗浄水吐水が行わ
れ、第2吐出ノズル35Cを用いたジェット洗浄が実施
される。この際、洗浄水貯留部104内の洗浄水の巻き
込みを通して高い洗浄能力と節水化を図ると共に、確実
な汚物搬送並びに便器洗浄を行うことができるのは、既
述した通りである。その後は、第2ジェットバルブ41
7を閉弁すると共にリムバルブ408を再度開弁して、
溜水と洗浄水補給のための最後のリム洗浄を行う。
【0091】一方、ステップS510で否定判定した場
合には、その時の給水圧は低いので、その圧力のまま吐
出ノズルから洗浄水を吐出しても、高圧・高速の洗浄水
吐出は望めない。よって、この場合にはステップS53
0にて、以下のバルブ制御を行って、最初のリム洗浄に
続いてジェット洗浄/リム洗浄を順次実行する。まず、
ステップS520の場合と同様、リムバルブ408の閉
弁を通して最初のリム洗浄を終了する。これに続いて
は、第1ジェットバルブ414の制御を通して、加圧タ
ンク410にて給水止水圧Spまで既に加圧済みの洗浄
水を第1吐出ノズル35に送り出し、この第1吐出ノズ
ル35から高圧・高速での洗浄水吐出を実施する。よっ
て、この場合でも、第1吐出ノズル35を用いたジェッ
ト洗浄により、高い洗浄能力と節水化を図ると共に、確
実な汚物搬送並びに便器洗浄を行うことができる。その
後は、ステップS520の場合と同様、リムバルブ40
8の再度の制御を通して、最後のリム洗浄を行う。
【0092】以上説明した第3実施例の大便器では、ジ
ェットポンプを用いて流量増幅洗浄水で便器洗浄を行う
に当たり、低給水圧時には予め加圧タンク410にて加
圧済みの洗浄水を第1吐出ノズル35から高圧・高速で
吐出し、入口121へは流量増幅洗浄水を流し込む(ス
テップS530)。その一方、給水圧が高い場合には、
給水源からの水をその高い給水圧のまま第2吐出ノズル
35Cから吐出して、流量増幅洗浄水を入口121に流
し込む(ステップS520)。このため、この第3実施
例の大便器によっても、給水圧の高低に拘わらず、高い
洗浄能力と高い節水化を図ることができると共に、確実
に汚物搬送と便器洗浄を行うことができる。
【0093】次に、第4実施例について説明する。この
第4実施例は、吐出ノズルからは加圧エアーを混合した
洗浄水を吐出する点に特徴がある。図4は、第4実施例
の要部拡大断面図である。図示するように、第4実施例
の大便器は、上記した実施例の吐出ノズル35に替わる
吐出ノズル435を、便器壁面101cに水密に固定し
て備える。なお、吐出ノズル435の指向性等は吐出ノ
ズル35と同一とされている。
【0094】吐出ノズル435は、連結管137との接
続箇所近傍に、エアー混合体436を有する。このエア
ー混合体436は、多孔質体からなるエアー混合管部4
37と、これを気密に取り囲む密閉室439とを備え
る。このエアー混合管部437は、その内部を流れる流
体(洗浄水)に外部からエアーを混入できればよく、そ
の材質や製造方法に制約されることはない。エアー混合
管部437の例については後述する。なお、このエアー
混合管部437が水等の液体を透過させないものの空気
等の気体を透過させる気液分離機能を発揮できる微細孔
を独立開孔として有する多孔質体から形成されていれ
ば、エアー混合管部437への洗浄水流入を容易に防ぐ
ことができより好ましい。
【0095】そして、このエアー混合管部437は、多
孔質体であるがために、エアー混合管部437では、そ
の微細孔は、偏在するのではなく、規則的な開孔配置を
もって存在する。また、密閉室439には、加圧ポンプ
440から加圧エアーが圧送される。このため、連結管
137から送られた洗浄水は、吐出ノズル435をその
管路に沿って通過し、エアー混合管部437の下流で
は、この洗浄水にエアー混合管部437から管路内に透
過した加圧エアーが混合する。よって、吐出ノズル43
5からは、加圧エアーが混合済みの洗浄水が吐出され、
入口121には、この吐出ノズル435とゼット導水路
161とで構成されるジェットポンプによって得られた
流量増幅洗浄水が流れ込む。
【0096】この場合、加圧ポンプ440としては、約
4.9x104 〜9.8x104 Pa(約0.5〜1.
0kgfcm2 )程度の圧送能力で定常運転できるもの
であれば良く、ローリングポンプ、ベーンポンプ、ロー
タリーポンプ、リニアポンプ等の種々のタイプのものを
採用できる。
【0097】ここで、エアー混合管部437での洗浄水
への空気混入の様子について説明する。エアー混合体4
36は、気泡ポンプとして機能することから、当該ポン
プの概念を模式的に表わした図5の模式図として示すこ
とができる。この図5に示すように、この気泡ポンプ8
0は、密閉室439に相当する空気混入混合筐体81
と、その内部に空気室82を隔てて支持された気泡分散
体83を有する。この気泡分散体83が、エアー混合管
部437である。この場合、洗浄水管路84の管路径や
気泡分散体83の中央貫通孔径等は、図4に示す連結管
137の管路径、エアー混合管部437の貫通孔の径等
と同じであり、約6〜15mmである。
【0098】気泡分散体83は、洗浄水管路84に連続
した管路を形成し、当該管路を流れる洗浄水に接する
面、即ち管路壁面全周に、多数の独立開孔を備える。よ
って、空気導入管85から空気室82に圧送された空気
は、気泡分散体83の上記の各独立開孔から管路内に送
られ、各開孔箇所にて膨らむ。この場合、空気室82
は、圧送された空気の圧力変動や圧力分布を吸収する緩
衝領域として機能するので、空気は、著しい速度差を生
じることなく気泡分散体83を通過する。そして、上記
した空気の膨らみは、それぞれの開孔で洗浄水の流れか
ら受ける剪断力により断ち切られて気泡となり、それぞ
れ個別に洗浄水に混入する。
【0099】本実施例では、気泡分散体83(エアー混
合管部437)における上記の独立開孔を、各独立開孔
からの形成気泡の径が約100〜1000μmとなるよ
うにした。よって、洗浄水には、このような微細な径の
気泡が独立して混入・混合する。しかも、各気泡は、形
成当初から独立気泡の状態を保ち、独立開孔にある程度
依存した小さな径の略球形形状となるので、剛性が高く
変形もしにくい。このため、混入した気泡の合一機会は
低減すると共に、気泡合一自体をも起きにくくできるの
で、気泡分散体83により、洗浄水の流れを、空気が気
泡状態で安定して分散混合した気泡流とできる。この
際、各気泡は、上記したようにそれぞれの独立開孔から
個別に形成されて独立気泡の状態で洗浄水に混入するの
で、高い分散効率で気泡が洗浄水に当初から混合する。
つまり、気泡分散体83において空気の混入、微細化、
分散混合が同時に行われることになる。
【0100】この気泡分散体83は、洗浄水管路84に
連続した管路を形成しているので、洗浄水の流れに乱れ
やよどみを発生させることがなく、この乱れやよどみに
よる気泡合一の機会を低減できる。また、洗浄水管路8
4における洗浄水流れ方向に沿って独立開孔を多数有す
るので、この洗浄水流れ方向における多数箇所から気泡
混入を図り気泡発生密度を低くできる。よって、大量の
空気をこの気泡分散体83から混入させても、気泡生成
時の気泡合一が発生しにくく微細な独立気泡を生成でき
る。
【0101】このように、上記の気泡ポンプ80として
模式的に表わされたエアー混合体436は、上記したよ
うに洗浄水に気泡を確実に分散混合させ気泡合一を起き
にくくしている。よって、エアー混合体436より下流
の洗浄水の流れは、図6に示すような気泡流の洗浄水流
(図6(a))となり、洗浄水に混入した気相が連続相
として存在するスラグ流(図6(b))や環状流(図6
(c))或いは噴霧流(図6(d))の非所望の流動様
相となることはない。従って、本実施例では、圧送空気
の有する運動量(エネルギ)を、確実に、効率よく、迅
速に洗浄水に伝達することができる。また、微細な気泡
は剛性が高く変形しにくく、不要な運動をしないのでエ
ネルギ損失は少ない。上記の気泡ポンプ80から噴出さ
れる洗浄水の流れの様子を写真撮影したところ、図7の
写真の読取画像に示すように、この噴出洗浄水流は、噴
出口から広がることなく真っ直ぐに噴出することが判明
した。また、この噴出洗浄水流は、上記のように気泡が
分散混合した気泡流であることから、乳白色であった。
そして、本実施例(第4実施例)では、このようにして
得られた気泡流の状態で、洗浄水を吐出ノズル435か
ら吐出し、この吐出された洗浄水にゼット導水路161
にて洗浄水貯留部104内の洗浄水を巻き込んで流量増
幅洗浄水とする。そして、この流量増幅洗浄水を入口1
21に向けて流し込み、汚物搬送と便器洗浄を行なう。
【0102】ここで、上記のエアー混合管部437、即
ち図5の気泡ポンプの気泡分散体83により分散混合さ
れる気泡について説明する。気泡分散体83により生成
された直後の気泡径を測定し、この気泡径と気泡ポンプ
80に流れ込む洗浄水流速との関係を調べた。気泡径の
測定は、洗浄水流をマクロレンズを装着した高速度ビデ
オカメラで撮影し、その画像を拡大して寸法測定し、そ
の後に平均化したものを気泡径とした。その結果を図8
に示す。なお、図8における縦軸は、生成気泡径の対数
軸である。
【0103】この図8に示すように、気泡生成直後の気
泡径は、流れ込む洗浄水流速に依存して変化し、洗浄水
流速が大きければ気泡径は小さくなり、洗浄水流速が小
さければ気泡径は大きくなる関係があることが判った。
これは次のように説明できる。つまり、洗浄水流速が増
大するほど気泡断ち切りに関与する剪断力は大きくなる
ので、洗浄水流速が増大するほど気泡は速やかに生成さ
れる。このことから、気泡生成時の洗浄水流速を変化さ
せることにより、生成気泡径の制御は可能である。この
場合、エアー混合管部437(気泡分散体83)に流れ
込む洗浄水の流量が略一定であれば、エアー混合管部4
37(気泡分散体83)における洗浄水通過断面積を変
えることで洗浄水流速を変化させて、気泡径を制御でき
る。また、本実施例のようにエアー混合管部437(気
泡分散体83)における洗浄水通過断面積が不変であれ
ば、洗浄水流量を制御して気泡径を制御できる。また、
剪断力の効果が同一であれば、生成気泡径はエアー混合
管部437(気泡分散体83)の洗浄水に接した面の開
孔面積に概略比例するので、これを利用して気泡径を制
御してもよい。なお、本実施例では、洗浄水流速を約2
〜4m/sとして、生成気泡径が約100〜約1000
μmの範囲内に確実に入るようにした。
【0104】また、エアー混合管部437(気泡分散体
83)にて得られた上記の気泡流について、管路内滞留
時間と気泡合一による気泡成長の関係を調べた。気泡径
は、気泡ポンプ80の噴出口から異なる距離だけ離れた
2点の測定個所にて、上記の測定手法で測定し、管路内
滞留時間は、この噴出口から2点の測定個所までのそれ
ぞれの距離と洗浄水流速とから算出した。その結果を図
9に示す。なお、図9における縦軸は、成長した気泡径
Dを生成時の気泡径Dbで除算した気泡径成長比を表わ
した対数軸である。
【0105】この図9に示すように、約12msに亘っ
て気泡流が管路を滞留してもほぼ2.5倍程度しか気泡
は成長せず、約17msの管路滞留であっても約4倍程
度しか気泡は成長しなかった。
【0106】また、洗浄水管路84が種々の管路径とさ
れた気泡ポンプ80を用意し、この気泡ポンプ80の噴
出口に管路長が約100mmの洗浄水通過管を連結し、
管路径と当該通過管の洗浄水滞留時間の関係を調べた。
この場合、この洗浄水通過管が本実施例における吐出ノ
ズル435のエアー混合管部437より下流側ノズル管
部分に相当する。その結果を図10に示す。なお、気泡
ポンプ80には8リットル/分の水量で洗浄水を流し込
み、気泡分散体83には空気導入管85を経て16リッ
トル/分の空気量で空気を圧送・混入した。この場合の
空気混入率(空気混入量/洗浄水量)は、200%であ
る。
【0107】管路長約100mmの吐出ノズル435の
上記ノズル管部分における洗浄水(気泡流)の滞留時間
は、その管路径が約7mmであることから、この図10
に示すように、約12msである。従って、吐出ノズル
435を有する本実施例の大便器に図9の結果を当ては
めると、エアー混合管部437で生成した約100〜1
000μmの径の気泡を約2.8倍の約280〜280
0μmにしか成長させない。このため、吐出ノズル43
5からは、気泡が依然として微細な状態で確実に分散混
合したままの気泡流で洗浄水を吐出して、このような吐
出洗浄水に洗浄水貯留部104内の洗浄水を巻き込んで
流量増幅洗浄水とする。そして、この流量増幅洗浄水を
入口121に向けて流し込んで、汚物搬送と便器洗浄を
行なう。
【0108】次に、上記のエアー混合体436で得られ
る効果について、その模式的な構成を有する図5の気泡
ポンプ80を用いて説明する。まず、空気混入による洗
浄水の運動量増加効果について説明する。洗浄水の運動
量は、気泡ポンプ80の噴出口から洗浄水を噴出させた
場合、この噴出洗浄水がもたらす荷重で把握できる。よ
って、気泡ポンプ80の噴出口に対向して荷重側定器を
配置し、この噴出洗浄水の荷重を、種々の空気混入率の
気泡流の洗浄水について測定した。その結果を図11に
示す。なお、この図11における縦軸は、空気未混入の
洗浄水(空気混入率=0)を気泡ポンプ80から噴出し
た場合に得られる荷重で除算した荷重比である。また、
図において本実施例とされているものは、エアー混合体
436と寸法等の点で同等の気泡ポンプ80を意味す
る。従来技術とされているものは、周壁に単一の空気混
入孔を空けただけの管体を気泡分散体83に替わって組
み込んだ気泡ポンプを意味し、分岐管から管路内に単純
に空気を混入させただけの従来の手法である。また、図
中の理論値と示した直線は、以下のようにして導いたも
のである。
【0109】管路を通過する流体の運動量Euは、管路
面積をS、流体密度をρ、流体速度をVとすると、次の
式(1)と表わすことができる。
【0110】Eu=ρ・S・V2 …(1)
【0111】空気の密度ρaは水の密度ρwに比べて無
視できるほど小さいので、洗浄水に空気を混入した混合
洗浄水の密度は、空気混入率η(空気流量/洗浄水流
量)と洗浄水の密度ρwから、ρw/(1+η)とな
る。また、この混合洗浄水の速度は、空気混入率ηと洗
浄水の速度Vから、V・(1+η)となる。よって、空
気混入率ηの混合洗浄水の運動量Euは、次の式(2)
と表わすことができる。
【0112】 Eu=(ρw/(1+η))・S・V2 ・(1+η)2 =ρw・S・V2 ・(1+η) …(2)
【0113】そして、この式(2)の運動量を空気未混
入の洗浄水(空気混入率=0)の運動量(ρw・S・V
2 )で除算した運動量比(1+η)は、上記の荷重比に
相当し、この運動量比が理論値として図に示されてい
る。この理論値における混合洗浄水は、洗浄水に空気が
理想的に分散混合した気泡流の洗浄水に他ならず、連続
気相が存在するようなスラグ流等の非所望の流動様相の
洗浄水ではない。よって、上記の荷重比がこの理論値に
近似すればするほど、その洗浄水は空気が理想的に分散
混合した気泡流であるといえる。
【0114】図11から、従来技術での荷重比は、1よ
りも低い空気混入率の時点から上記の理論値と相違し、
空気混入率が約1.3となると、約1.5程度の荷重比
しか得られない。よって、従来技術では、空気混入率を
洗浄水流量に対して1以上に高めても、洗浄水に空気が
理想的に分散混合した気泡流を得ることはできず、スラ
グ流等の非所望の流動様相となるに過ぎない。このた
め、洗浄水への空気混入を通して節水化を図ろうとして
も、この非所望の流動様相であるが故に、上記したよう
に洗浄力が低下するので、空気混入を受ける洗浄水自体
の流量増を必要とする。なお、この従来技術では、空気
混入率を約1.3以上としても荷重比に増大変化が見ら
れないのは、従来技術の手法で空気混入率を高めても、
既述したようにこの空気混入率では噴霧流に相転してし
まい、それ以上の運動量増大を得ることができないから
だと考えられる。
【0115】これに対し、本実施例では、空気混入率が
ほぼ4に近くなるまで、上記の理論値と合致し、最高で
約4.5という高い荷重比を得ることができた。よっ
て、本実施例によれば、従来技術にあっては噴霧流に相
転してしまう1.3以上という高い空気混入率として
も、洗浄水に空気が理想的に分散混合した気泡流を確実
に得ることができる。よって、この気泡流の洗浄水とす
ることを通して、洗浄水の運動量を空気混入により確実
に増大できる。このため、少量の洗浄水を吐出ノズル4
35に給水供給するだけでよく、節水の実効性を高める
ことができる。これは、上記した独立開孔を有するエア
ー混合管部437(気泡分散体83)により、上記した
ように、空気の微細気泡での混入並びに分散混合を行な
うからである。
【0116】また、上記の理論値と合致するので、特に
約3までの空気混入率の範囲ではきわめて良く合致する
ので、空気の運動量をロスなく洗浄水に伝達できる。よ
って、空気混入を行なう際に投入したエネルギ(空気圧
送エネルギ等)、具体的には加圧ポンプ440の駆動エ
ネルギを低減できる。これは、微細気泡での混入並びに
分散混合を同時に行なうことによると考えられる。
【0117】本実施例でも、空気混入率が4に近くなる
と荷重比の増大程度が小さくなっている。これは、独立
開孔を介して微細気泡での混入並びに分散混合を行なっ
たとしても、気泡合一の機会が空気混入率の増大により
増えて気泡合一がある程度起きるからだと考えられる。
よって、独立開孔を介した微細気泡の混入並びに分散混
合であっても、空気混入率が4を越えると噴霧流への相
転が起き得るので、本実施例での空気混入率は4以下と
することが好ましい。
【0118】次に、上記のエアー混合体436で空気混
入を行なう際のエネルギ効率について、図5の気泡ポン
プを用いて説明する。なお、図5において、Pは流体の
圧力を、Vはその速度を、Qはその流量を、ρはその密
度を表わしている。そして、これら記号に付した添え字
wは水についてのものであることを、添え字aは空気の
ものであることを状態を、添え字tは気泡流のものであ
ることを表わしている。ただし、Paにあっては、気泡
分散体通過時の空気圧力損失は除外し、空気の密度ρa
は水の密度ρwに比べて無視できるほど小さいので、空
気自体の運動エネルギは無視することとする。
【0119】図5に示す気泡ポンプ80において、洗浄
水のエネルギは、図11を用いて説明したように気泡混
入により増加する。流れ込む洗浄水のエネルギをEwと
し、流れ出る洗浄水、即ち気泡流の洗浄水のエネルギを
Etとすると、気泡混入によるエネルギ増幅効果はEt
/Ewで表わされる。また、圧送空気のエネルギをEa
とすると、この気泡ポンプ80におけるエネルギ効率
は、出力エネルギーをすべての入力エネルギーで除算し
たEt/(Ew+Ea)で表わされ、ポンプとしての総
合効率である。このエネルギ増幅効果Et/Ew並びに
総合効率Et/(Ew+Ea)と空気混入率η(Qa/
Qw)との関係を図12に示す。この場合、上記各エネ
ルギは以下の数式で表わすことができる。
【0120】 流れ込む洗浄水のエネルギEw=PwQw+(ρw/2)QwVw2 … 流れ出る洗浄水(気泡流)のエネルギEt=PtQt+(ρt/2)QtVt2 … 圧送空気のエネルギEa=PaQa …
【0121】この図12から、本実施例で上記した気泡
流の洗浄水(図6(a)、図7参照)とし、その際の空
気混入率を1.3から4.0にすれば、エネルギ増幅効
果Et/Ew並びに総合効率Et/(Ew+Ea)の点
から好ましい。
【0122】つまり、既述したように、気泡ポンプたる
エアー混合体436にて、空気の混入時に微細な単独気
泡を独立に生成し洗浄水中に大量に分散、混合させる
と、空気の運動量を洗浄水に伝達し、洗浄水の運動量を
確実に増大させることができる。そして、気泡生成、分
散、混合を同時に行なうと、気泡混入後直ちに気泡速度
は洗浄水速度と略同一となる。よって、非常に効率よく
空気の圧力運動量を洗浄水に伝達することができる気泡
ポンプとして機能する、また、気泡径が小さいと剛性が
高いので洗浄水中で不要な変形や振動を起こさないの
で、気泡が洗浄水中にあることによるエネルギー損失も
少ない。なお、空気混入率が概略4を超えると、気泡流
から環状流もしくは噴霧流に遷移するため、気泡ポンプ
としての機能は低下するので、運転条件は空気混入率を
4以下とした方が望ましい。
【0123】上記した観点から、この第4実施例では、
エアー混合体436による空気混入率ηが約2となるよ
うにした。具体的には、水道水の給水源から連結管13
7を経て吐出ノズル435(吐出口径:φ7)に給水す
る洗浄水(水道水)の給水流量が約8リットル/分であ
ると仮定し、この給水流量に対して上記の空気混入率η
(約2)となるように加圧ポンプ440を定常運転する
ようにした。
【0124】次に、吐出ノズル435とゼット導水路1
61とで構成される第4実施例のジェットポンプで得る
ことができる流量増幅の程度、即ち吐出洗浄水のエネル
ギ(ジェットエネルギ)の推移について説明する。
【0125】既述したように、吐出ノズル435を経て
ゼット吐水口106から吐出される洗浄水のゼットエネ
ルギEは、水の密度をρw、ゼット吐水口106の開口
面積をS、ゼット流速をVとすると、以下の計算式で表
される。
【0126】E=(1/2)ρw・S・V3
【0127】そして、この計算式で表されるゼットエネ
ルギEは、エアーの混合がない場合のものである。
【0128】今、洗浄水に混入率ηの割合でエアーが混
合したとすると、混入率ηは、エアー流量をQa、洗浄
水流量をQwとした場合、Qa/Qwとなる。また、エ
アーの密度をρaとすると、エアーが混入率ηの割合で
混合した状態の洗浄水密度ρ’は、水の密度ρw、エア
ー流量Qa、洗浄水流量Qwおよびエアーの密度ρaを
用いて以下のように表される。
【0129】 ρ’=(ρw・Qw+ρa・Qa)/(Qw+Qa) ≒(ρw・Qw)/(Qw+Qa) =(ρw・Qw)/Qw・(1+η) =ρw/(1+η)
【0130】よって、上記の混入率ηでエアーが混入し
た洗浄水のゼットエネルギE’は、以下のように表され
る。
【0131】E’=(1/2)ρ’・S・V3
【0132】上記のρ’を代入し、Vを(Qw+Qa)
/Sに置換してこの式を変形すると、ゼットエネルギ
E’は、以下のように表される。
【0133】 E’=(1/2)ρw・S・V3 ・(1+η)2 =E(1+η)2
【0134】従って、この第4実施例の大便器によれ
ば、吐出ノズル435を通過する洗浄水への上記のよう
なエアーの分散混合およびジェットポンプによる流量増
幅により、(1+η)2 倍だけ洗浄水のゼットエネルギ
Eを増加させることができる。このため、吐出ノズル4
35に送られる洗浄水の給水圧が低い場合であっても、
このように高いエネルギを持って、即ち、流量増幅と瞬
間流量増大を図った状態で、ゼット吐水口106から入
口121に向けて流量増幅洗浄水を流し込むことができ
る。よって、この第4実施例の大便器によっても、給水
圧の高低に拘わらず、高い洗浄能力と高い節水化を図る
ことができると共に、確実に汚物搬送と便器洗浄を行う
ことができる。
【0135】しかも、この第4実施例では、空気の混入
時に微細な単独気泡を生成し洗浄水中に分散、混合させ
るので、大量の気泡を安定して洗浄水と混合させること
ができる。よって、既述したようにスラグ流、環状流や
噴霧流の非所望の流動様相となることがなく、少ない投
入エネルギーで確実に洗浄水の運動量を増大させること
ができ、節水効果は高い。そして、このように運動量が
増大した洗浄水を吐出ノズル435から吐出して、上記
のように入口121に向けて流量増幅洗浄水を流し込む
ので、便器洗浄力の増大や更なる節水化はもとより汚物
搬送の信頼性を高めることができる。なお、気泡生成後
の滞留時間により気泡径は異なるが、このように確実に
空気の持つ運動量を洗浄水に伝えて気泡の速度と洗浄水
の速度が略同一となった後は、空気はほとんどエネルギ
ーを持たないために気泡径拡張等の空気の挙動は節水率
に影響を与えない。
【0136】また、この第4実施例では、洗浄水と空気
との間の剪断力、すなわち洗浄水速度と、エアー混合管
部437における細孔の開孔面積、気泡生成後の滞留時
間を制御することにより気泡径の制御が可能である。こ
のように気泡径を制御することにより、吐出ノズル43
5の呈する便器洗浄力の制御も可能である。
【0137】次に、上記したように微細気泡の分散混合
を行なう多孔質のエアー混合管部437について説明す
る。上記の実施例では、このエアー混合管部437は、
超高分子量ポリエチレンの略球形粒子を加熱成型して、
形成されている。即ち、この略球形粒子をエアー混合管
部437を形成するための型に充填して加熱成型する
と、図13に示すように、形成されたエアー混合管部4
37の表面は、粒子により互いの空隙が分割された独立
開孔となっており、独立気泡を生成するのに好適であ
る。また、略均一な粒子を充填することで、開孔は略格
子状に規則的な配置となり、生成時に気泡同士が合一す
ることが少ない。なお超高分子量ポリエチレンは一般的
にメルトインデックス(MI)が低くかつ溶融時の性状
がゴムに近いため溶融状態でも流れにくく、粒子と粒子
が形状を変えずに接点のみが接着される構造となる。こ
こで用いている超高分子量ポリエチレンのMIは0.2
から1.0であり通常の射出成形用の樹脂材料に比較し
て1/10程度であることから、加熱温度を十分制御し
て樹脂の融点をわずかに上回る温度で溶融させることに
より球形粒子同士がほぼ点接触に近い形で成形される。
このように接触点のみが融合する構造となることから、
表面形状は原材料粒子の形状、粒度分布および充填率で
ほぼ決定されるので、製造上も非常に表面性状を制御し
やすい物性を有している。さらに化学的に安定であるこ
とから塩素、酸塩基、有機溶媒等を含有する洗浄液体に
適しており、吸水性がほとんど無いことから水への適用
にも適している。
【0138】また、エアー混合管部437は、アクリル
樹脂の略球形粒子から形成することもできる。図14
は、アクリル樹脂の略球形粒子を加熱して形成したエア
ー混合管部437の表面状態を示し、その表面は、若干
流動性が高いものの粒子間が結合し網目構造に近い構造
を有する独立開孔となっており、これも好適である。略
均一な粒子を充填することで、開孔は略格子状に規則的
な配置となり、生成時に気泡同士が合一することが少な
い。なおアクリル樹脂は表面張力が低く水との親和性も
高い。また、粒度分布が均一であると気孔径も均一とな
りやすく気孔形状も制御しやすいので、加熱成形前に粒
度分布をそろえるため篩にかけることも望ましい。
【0139】これらのようにエアー混合管部437の製
造に加熱溶融性材料を加熱成形したものを用いると、粒
子同士が融合することにより水圧や空気圧に対しても強
度的にも優れたものを提供できる。粒子の平均粒径は5
0μm〜300μmのものを用いているが、材料の粒子
径を制御すると気孔を制御できるので発生気泡の気泡径
は材料の平均粒径により定まる。平均粒径が50μmか
ら300μmのものを用いると、100μmから100
0μmの気泡径を得る気孔が形成される。気泡径を大き
くしたければ、材料の粒子径を大きくすればよいし、気
泡径を小さくしたければ材料の粒子径を小さくすればよ
い。
【0140】また、ナイロン等の繊維材料を略格子状に
編んだ構造であっても、図13や図14と同様に気孔間
が互いに分割された独立開孔となり、使用する繊維径や
間隔を略均一とすれば略格子状の規則的な開孔配置を得
ることができる。更に、繊維径および間隔が任意に設定
できるために、気孔間距離、気孔径や開孔率等表面形状
の制御には好適である。図15は、ナイロンメッシュに
よりエアー混合管部437を構成した場合の一例を示し
ている。このエアー混合管部437では、独立開孔を有
するナイロン製のメッシュ90が支持体91に加熱溶着
されて構成されており、十分な強度を有するとともに、
メッシュ90の開孔形状は使用する繊維の太さや間隔に
より任意に調整可能である。つまり、繊維材料を使用し
た場合は、通常それ自身に十分な強度が無いために支持
体に設置することにより安定した動作を確保できる。ま
た、繊維表面が流れによりわずかに振動するため気泡生
成や局所的な空気混入量が変化し水中のゴミやスケール
等の付着を抑止する効果もある。なお、繊維材料等は十
分な厚みがないために洗浄水の圧力変動が空気室に伝達
されやすく空気混入時に不安定な挙動を示し振動を起こ
すことがあるので、振動を避ける場合は何枚かを重ねる
ようにすると好適である。
【0141】エアー混合管部437に用いる材料として
はこれ以外にも、ブロンズ、ステンレンス等の金属やガ
ラス等を用いてもよいし、製造方法としては、これら加
熱溶融性粉体を用いる以外にも転相ガラスを用いて連続
気孔を構成させたものやセラミック材料等を用いてもよ
い。
【0142】上記したような多孔質のエアー混合管部4
37を組み込んだ場合、ノズルからこのエアー混合管部
437への洗浄水の流入を防止することが好ましい。つ
まり、このエアー混合管部437が上記したような気液
分離機能を発揮できれば、この洗浄水流入防止の観点か
らより好ましい。そして、気液分離機能が不十分であれ
ば、このエアー混合管部437に空気を導く空気管路に
逆止弁等の流入防止機構を設けたり、空気管路を非洗浄
時の間に亘ってやや高い圧力に維持する等の手法により
流入防止を図ればよい。
【0143】この第4実施例は、次のように変形するこ
とができる。第1の変形例では、上記した第3実施例と
同様に、吐出ノズル435に送られる洗浄水の給水圧を
圧力センサで検出する。そして、その検出圧力が、その
圧力のまま吐出ノズルから洗浄水を吐出しても高圧・高
速の洗浄水吐水が望めない圧力、具体的には上記の圧力
P0 未満であれば、エアー混合を行う。この第1の変形
例では、洗浄水給水圧が低い場合に限って加圧ポンプ4
40を駆動してエアーの混合を図り、高いエネルギを持
って洗浄水吐出を行うことができる。このため、加圧ポ
ンプ440を間欠的に或いは一時的に駆動すればよく、
省エネルギを図ることができる。
【0144】第2の変形例は、加圧ポンプ440の駆動
スイッチを有し、この駆動スイッチが使用者に操作され
るとこの加圧ポンプ440を駆動して上記のようにエア
ー混合を行う。この第2の変形例では、駆動スイッチが
操作されたときに限って加圧ポンプ440を駆動してエ
アーの混合を図り、高いエネルギを持って洗浄水吐出を
行うことができる。このため、加圧ポンプ440を間欠
的に或いは一時的に駆動すればよく、省エネルギを図る
ことができる。
【0145】第3の変形例は、上記の第4実施例が吐出
ノズル435への給水流量をほぼ一定であると仮定して
加圧ポンプ440を定常運転するよう構成したのに対
し、この給水流量に基づいて空気流量を調整する点に特
徴がある。図16は、この第3の変形例の要部ブロック
図である。図示するように、第3の変形例は、加圧ポン
プ440の下流管路に設置した流量調整弁442と、連
結管137の管路途中に設置され管路中の給水流量を検
出する流量センサ444と、連結管137の管路を開閉
する給水弁445と、加圧ポンプ440や流量調整弁4
42等を駆動制御する電子制御装置446と、上記の空
気混入率ηを設定等するための操作盤448とを有す
る。電子制御装置446は、CPU,ROM,RAMを
中心に論理演算回路として構成され、流量センサ444
の検出流量に基づいて加圧ポンプ440や流量調整弁4
42を駆動制御する。操作盤448は、空気混入率ηを
設定するための設定スイッチ450と、便器洗浄を開始
するための洗浄スイッチ452とを有する。この場合、
設定スイッチ450は、空気混入率ηを約1.3〜4.
0までの間の値とできるようにされており、その設定空
気混入率ηは電子制御装置446に入力される。
【0146】この第3の変形例では、上記の電子制御装
置446により空気混入制御が行なわせる。図17は、
この空気混入制御を表わすフローチャートである。この
図17に示す空気混入制御は、操作盤448の洗浄スイ
ッチ452が操作されると開始され、便器洗浄に必要な
時間に亘って繰り返し実行される。上記のスイッチが操
作されると、まず、給水弁445を開弁制御し(ステッ
プS600)、図示しない給水源から連結管137を経
て吐出ノズル435に洗浄水を導く。次いで、流量セン
サ444をスキャンして給水流量を読み込む(ステップ
S610)。その後、この読み込んだ給水流量と設定ス
イッチ450で設定済みの空気混入率ηとから、当該空
気混入率ηとするための混入空気量を演算する(ステッ
プS620)。そして、この演算した混入空気量の空気
(加圧エアー)がエアー混合管部437を経て吐出ノズ
ル435に混入するよう、流量調整弁442をその開度
調整をして開弁制御すると共に加圧ポンプ440を駆動
する(ステップS630)。上記の一連の処理が最初に
実行されると、空気混入済みの洗浄水吐出を通した便器
洗浄が既述したように開始される。よって、続くステッ
プS640では、この便器洗浄が開始されてからの経過
時間を計時し、所定の洗浄時間が経過したか否かを判定
する。そして、洗浄時間が経過していなければ、上記の
ステップS600からの処理を繰り返す。その一方、洗
浄期間が経過していれば、給水弁445と流量調整弁4
42を閉弁制御すると共に加圧ポンプ440を停止制御
し(ステップS650)、本ルーチンを終了する。
【0147】上記の空気混入制御を行なう第3の変形例
によれば、何らかの原因、例えば水道管等の供給源側の
不用意な圧力低下等により給水流量が変動しても、その
流量変動に応じて混入空気量を調整する。よって、汚物
搬送と便器洗浄のために上記のように流量増幅洗浄水を
生じさせる吐出ノズル435からの洗浄水を、1.3以
上の空気混入率ηで空気が分散混合した気泡流の状態で
吐出できる。このため、上記実施例およびその変形例と
同様に、給水圧や給水量の高低に拘わらず、高い洗浄能
力と高い節水化を図ることができると共に、確実な汚物
搬送と便器洗浄を図ることができる。しかも、1.3以
上の空気混入率ηを確実に確保するので、より確実な洗
浄能力向上と節水効率向上ともたらすことができる。
【0148】この第3の変形例では、空気混入率ηを
1.3以上とする上で給水流量に応じて混入空気量を調
整したが、次のように変形することもできる。即ち、第
4の変形例は、給水源からの給水流量を調整する流量調
整弁を有し、加圧ポンプ440からエアー混合体436
に送られる空気量を一定とし、空気混入率ηが1.3以
上となるように給水流量を調整する。この第4の変形例
であっても、1.3以上の空気混入率ηで空気が分散混
合した気泡流の状態で吐出ノズル435から洗浄水を吐
出できるので、給水流量が少なくても当該ノズルからの
吐出洗浄水を大きな運動量を有するものとできる。よっ
て、この第4の変形例によっても、高い洗浄能力と高い
節水化を図ることができると共に、確実な汚物搬送と便
器洗浄を図ることができる。
【0149】次に、第5の変形例について説明する。図
18は、この第5の変形例に係る大便器の要部拡大断面
図である。図示するように、第5の変形例は、エアー混
合体436の併設位置を吐出ノズル435の噴出口近傍
に設けた点に特徴がある。即ち、エアー混合体436を
便器壁面101cに水密に固定して備え、このエアー混
合体436は、吐出ノズル435の噴出口から約100
mm程度離れているに過ぎない。この第5の変形例によ
れば、エアー混合管部437にて空気が分散混合した気
泡流の洗浄水は、速やかにエアー混合体436の噴出口
から吐出される。よって、吐出ノズル435の噴出口に
至る最中での気泡合一を起きにくくでき、安定した気泡
流の状態でエアー混合体436から洗浄水を吐出でき好
ましい。また、気泡流の状態での洗浄水通過距離が短く
なるので、洗浄水通過に際しての管路抵抗を低くでき
る。よって、水道水等の洗浄水の供給に必要な水圧や加
圧ポンプ440による混入空気圧を減少させることがで
き、低水圧時の節水効率を高めることができる。
【0150】次に、第5実施例について説明する。この
第5実施例では、吐出ノズル435から吐出される洗浄
水に空気を混入した後に気泡塊を粉砕して、上記の第4
実施例と同様な気泡流の洗浄水を得る点に特徴がある。
図19は、この第5実施例に係る大便器の要部拡大断面
図である。また、図20は、第5実施例で用いたエアー
混合体436におけるエアー混合管部165を説明する
説明図、図21と図22は、このエアー混合管部165
における空気混入箇所の拡大図、図23ないし図26
は、エアー混合管部165の下流管路に設けられ気泡塊
を粉砕して気泡流の洗浄水とする狭窄管部170を説明
する説明図である。
【0151】図19に示すように、第5実施例のエアー
混合体436は、連結管137の側からエアー混合管部
165と狭窄管部170を、吐出ノズル435の管路に
組み込んで構成されている。エアー混合管部165は、
図20に示すように、洗浄水管路166の外壁に空気導
入口167を有する。この空気導入口167には、流量
調整弁442を介在させて加圧ポンプ440が接続され
ている。よって、加圧ポンプ440から空気導入口16
7に供給された空気は、従来の手法と同様に、その導入
口開孔168から管路内の洗浄水に混入される。この導
入口開孔168は、流れに乱れを与えず気泡へせん断力
が伝達しやすいように流れ方向に沿った開孔とされてい
る。この際、空気は、供給される洗浄水の体積に対して
1.3倍以上の体積で導入口開孔168から混入され、
単なる開孔からの混入であることから、気泡塊の状態で
洗浄水に混合する。
【0152】導入口開孔168は、図21と図22に示
すように、単純な開孔でも良く分割された開孔でもよ
い。この場合、図22のように分割開孔であれば、図2
1の開孔に比較してより小さな径を有する気泡を生成す
ることができ好ましい。
【0153】図23ないし図26に示す狭窄管部170
は、エアー混合管部165の洗浄水管路166の一部に
管路面積を減ずる狭窄箇所171を有する。そして、こ
の狭窄箇所171で、管路を通過する洗浄水の流れを乱
すと共にこの洗浄水に剪断力を及ぼし、洗浄水に混入し
ている気泡塊を粉砕する。これにより、狭窄管部170
は、それより下流に流れる洗浄水を、空気が微細の気泡
状態で分散混合しこの空気と洗浄水とが同一速度で流れ
る上記の第4実施例と同様の気泡流とする。従って、こ
の第5実施例によっても、吐出ノズル435からは気泡
流の状態で洗浄水を吐出して、上記のように入口121
に向けて流量増幅洗浄水を流し込むので、便器洗浄力の
増大や更なる節水化はもとより汚物搬送の信頼性を高め
ることができる。
【0154】この場合、図23の狭窄管部170は、図
24のものと比較して狭窄箇所の開孔面積が小さくなっ
ている。よって、図23の狭窄管部170では、洗浄水
通過速度が増大することにより剪断力による気泡破砕効
果が大きく、より小さな気泡径を含んだ気泡流の洗浄水
を吐出ノズル435から吐出できる。
【0155】図25と図26の狭窄管部170は、狭窄
箇所171を管路面積を分割するよう複数有する。図2
5の狭窄管部170と図26の狭窄管部170とは、そ
の開孔面積の和が略同一となっているので、洗浄水通過
速度はほぼ等しい。しかし、図26の狭窄管部170
は、図24のものと比較して開孔ひとつあたりの開孔面
積が小さくなっている。よって、図26の狭窄管部17
0では、壁面による剪断の影響が大きく、より小さな気
泡径を含んだ洗浄水を吐出ノズル435から吐出でき
る。なお、狭窄管部形状は円形としているが、多角形で
あってもよい。
【0156】また、図20に示すエアー混合管部165
を、図27、図28に示すエアー混合管部165とする
こともできる。図27に示すエアー混合管部165は、
管路の周方向に複数の導入口開孔168を有する。図2
8に示すエアー混合管部165は、スリット状の導入口
開孔168を有する。これらは、大量の空気混入に都合
がよい。また、図28に示すような細長い連続したスリ
ットの場合や周方向に分割してアスペクト比(縦横比)
が大きいものは、水空気間の剪断力に影響を与える空気
吐出口の開孔面積は長さLにより定められ、周方向長さ
はあまり影響を受けない。
【0157】次に、第5実施例の変形例について説明す
る。図29は、この変形例に係る大便器の要部拡大断面
図である。図示するように、この変形例は、上記の第4
実施例の第5の変形例と同様に、エアー混合体436の
併設位置を吐出ノズル435の噴出口近傍に設けた点に
特徴がある。即ち、エアー混合体436を便器壁面10
1cに水密に固定して備え、このエアー混合体436に
おける狭窄管部170の狭窄箇所171が吐出ノズル4
35の噴出口から約100mm程度離れるようにした。
この変形例によれば、エアー混合管部165での気泡塊
状での空気混入と狭窄管部170での気泡塊粉砕を経て
空気が分散混合した気泡流とした洗浄水を、速やかにエ
アー混合体436の噴出口から吐出する。よって、この
変形例によっても、上記第5の変形例と同様の効果を奏
することができる。なお、吐出ノズル435の噴出口か
らの狭窄箇所171の隔たりは、上記のものに限られ
ず、狭窄箇所171による気泡塊粉砕とその下流での空
気の分散混合とが好適に行なわれればよく、狭窄箇所1
71を噴出口から100mm以上離しても良い。また、
これ以上近づけても良い。
【0158】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種
々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の大便器100の概略
断面図である。
【図2】第2実施例の大便器400の概略構成図であ
る。
【図3】第3実施例で行う便器洗浄処理を表すフローチ
ャートである。
【図4】第4実施例の要部拡大断面図である。
【図5】第4実施例の吐出ノズル435に設けたエアー
混合体436と等価な気泡ポンプの概念を模式的に表わ
した模式図である。
【図6】エアー混合体436より得られる気泡流の洗浄
水を、従来の空気混入手法で得られる流動様相とを比較
して説明する説明図であり、(a)は本実施例での気泡
流の洗浄水流を示し、(b)、(c)、(d)は洗浄水
に混入した気相が連続相として存在する洗浄水流を示
し、(b)はスラグ流の洗浄水流を、(c)は環状流の
洗浄水流を、(d)は噴霧流の洗浄水流を示す。
【図7】気泡ポンプ80から噴出される洗浄水の流れの
様子を撮影した写真の読取画像である。
【図8】エアー混合体436のエアー混合管部437、
即ち図5の気泡ポンプの気泡分散体83により分散混合
される気泡について、生成直後の気泡径と洗浄水流速と
の関係を示すグラフである。
【図9】エアー混合管部437(気泡分散体83)にて
得られた気泡流の洗浄水について、管路内滞留時間と気
泡成長の関係を示すグラフである。
【図10】気泡ポンプ80の噴出口に管路長が約100
mmの洗浄水通過管(吐出ノズル435)を連結した場
合の、管路径と当該通過管の洗浄水滞留時間の関係を示
すグラフである。
【図11】気泡ポンプ80からの噴出洗浄水荷重と空気
混入率の関係を示すグラフである。
【図12】この気泡ポンプ80における出力エネルギー
Etをすべての入力エネルギー(Ew+Ea)で除算し
たエネルギ総合効率Et/(Ew+Ea)並びにエネル
ギ増幅効果Et/Ewと空気混入率ηとの関係を示すグ
ラフである。
【図13】超高分子量ポリエチレン略球形粒子を加熱成
型して形成したエアー混合管部437の表面の電子顕微
鏡写真の読取画像である。
【図14】アクリル樹脂の略球形粒子から形成したエア
ー混合管部437の表面の電子顕微鏡写真の読取画像で
ある。
【図15】ナイロンメッシュを支持して形成したエアー
混合管部437の一例を示す模式図である。
【図16】第4実施例の第3の変形例を表わす要部ブロ
ック図である。
【図17】この第3の変形例で実行される空気混入制御
を表わすフローチャートである。
【図18】第5の変形例に係る大便器の要部拡大断面図
である。
【図19】第5実施例に係る大便器の要部拡大断面図で
ある。
【図20】第5実施例で用いたエアー混合体436にお
けるエアー混合管部165を説明する説明図である。
【図21】このエアー混合管部165における空気混入
箇所の拡大図である。
【図22】同じく、他のエアー混合管部における空気混
入箇所の拡大図である。
【図23】エアー混合管部165の下流管路に設けられ
気泡塊を粉砕して気泡流の洗浄水とする狭窄管部170
を説明する説明図である。
【図24】同じく、他の狭窄管部170を説明する説明
図である。
【図25】また別の狭窄管部170を説明する説明図で
ある。
【図26】更に他の狭窄管部170を説明する説明図で
ある。
【図27】他のエアー混合管部165を説明する説明図
である。
【図28】また別のエアー混合管部165を説明する説
明図である。
【図29】第5実施例の変形例に係る大便器の要部拡大
断面図である。
【符号の説明】
35…吐出ノズル(第1吐出ノズル) 35C…吐出ノズル(第2吐出ノズル) 80…気泡ポンプ 81…空気混入混合筐体 82…空気室 83…気泡分散体 84…洗浄水管路 85…空気導入管 100…大便器 101…ボール部 101a…便器本体 101b…隔壁 101c…便器壁面 102…排水トラップ 103…通水リム 104…洗浄水貯留部 105…給水弁 105a…導入管 106…ゼット吐水口 112…汚物落し込み凹部 121…入口 122…上昇管 123…下降管 125…便器排水口 127…堰部 132…リム水出孔 137…連結管 137C…連結管 141…連通孔 161…ゼット導水路 165…エアー混合管部 166…洗浄水管路 167…空気導入口 168…導入口開孔 170…狭窄管部 171…狭窄箇所 372…エアーノズル 374…コンプレッサ 376…コントローラ 378…操作盤 400…大便器 402…止水栓 404…リム側連結管 405…逆止弁 406…ジェット側連結管 408…リムバルブ 410…加圧タンク 412…制御バルブ 414…ジェットバルブ(第1ジェットバルブ) 415…バイパス管 417…ジェットバルブ(第2ジェットバルブ) 435…吐出ノズル 436…エアー混合体 437…エアー混合管部 439…密閉室 440…加圧ポンプ 442…流量調整弁 444…流量センサ 445…給水弁 446…電子制御装置 448…操作盤 450…設定スイッチ 452…洗浄スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 正樹 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 片岡 由美子 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 藤野 清 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 新原 登 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 大橋 隆弘 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 原賀 久人 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 便器のボール部内の汚物を便器外へ搬送
    する大便器であって、 前記汚物の搬送のために洗浄水を吐出する吐出部材と、 前記洗浄水が吐出される際に、前記ボール部内の汚物の
    搬送に用いられる洗浄水の流量を増幅して該洗浄水を前
    記吐水部材に導く増幅手段とを有し、 該増幅手段は、 エアー源から供給されるエアーを駆動流体とし前記ボー
    ル部の汚物搬送のために用意された洗浄水を被駆動流体
    として両流体を混合噴出するジェットポンプであって、
    前記エアー源から供給を受けたエアーを噴出する駆動ノ
    ズルと、該駆動ノズルに対応して前記両流体の通過経路
    を形成すると共に前記両流体を前記吐出部材に導くスロ
    ートとを有する前記ジェットポンプを備えることを特徴
    とする大便器。
  2. 【請求項2】 便器のボール部内の汚物を便器外へ搬送
    する大便器であって、 前記汚物の搬送のために洗浄水を吐出する吐出部材と、 前記洗浄水が吐出される際に、前記ボール部内の汚物の
    搬送に用いられる洗浄水の流量を増幅して該洗浄水を前
    記吐水部材に導く増幅手段と、 給水源から供給される水を加圧する加圧手段とを有し、 前記増幅手段は、 前記加圧手段により加圧された加圧水を駆動流体とし前
    記ボール部の汚物搬送のために用意された洗浄水を被駆
    動流体として両流体を混合噴出するジェットポンプであ
    って、前記加圧水を噴出する駆動ノズルと、該駆動ノズ
    ルに対応して前記両流体の通過経路を形成すると共に前
    記両流体を前記吐出部材に導くスロートとを有する前記
    ジェットポンプを備えることを特徴とする大便器。
  3. 【請求項3】 便器のボール部内の汚物を便器外へ搬送
    する大便器であって、 前記汚物の搬送のために洗浄水を吐出する吐出部材と、 前記洗浄水が吐出される際に、前記ボール部内の汚物の
    搬送に用いられる洗浄水の流量を増幅して該洗浄水を前
    記吐水部材に導く増幅手段と、 給水源から供給される水を低給水圧の時には加圧する加
    圧手段とを有し、 前記増幅手段は、 供給された水を駆動流体とし前記ボール部の汚物搬送の
    ために用意された洗浄水を被駆動流体として両流体を混
    合噴出するジェットポンプであって、前記供給された水
    を噴出する駆動ノズルと、該駆動ノズルに対応して前記
    両流体の通過経路を形成すると共に前記両流体を前記吐
    出部材に導くスロートとを有する前記ジェットポンプを
    備え、 前記ジェットポンプは、 前記給水源から供給を受けた水を直接噴出する第1の駆
    動ノズルと、 前記加圧手段により加圧された水を噴出する第2の駆動
    ノズルと、 該第1と第2の駆動ノズルを給水源の給水圧に応じて選
    択する選択手段とを有することを特徴とする大便器。
  4. 【請求項4】 便器のボール部内の汚物を便器外へ搬送
    する大便器であって、 前記汚物の搬送のために洗浄水を吐出する吐出部材と、 前記洗浄水が吐出される際に、前記ボール部内の汚物の
    搬送に用いられる洗浄水の流量を増幅して該洗浄水を前
    記吐水部材に導く増幅手段と、 給水源から供給される水に加圧エアーを混合する混合手
    段とを有し、 前記増幅手段は、 前記混合手段により加圧エアーが混合された加圧エアー
    混合水を駆動流体とし前記ボール部の汚物搬送のために
    用意された洗浄水を被駆動流体として両流体を混合噴出
    するジェットポンプであって、前記加圧エアー混合水を
    噴出する駆動ノズルと、該駆動ノズルに対応して前記両
    流体の通過経路を形成すると共に前記両流体を前記吐出
    部材に導くスロートとを有する前記ジェットポンプを備
    えることを特徴とする大便器。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の大便器であって、 前記混合手段は、低給水圧の時に駆動して前記加圧エア
    ーを混合する、大便器。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の大便器であって、 前記混合手段は、使用者により操作される開始スイッチ
    を有し、該開始スイッチの操作により駆動して前記加圧
    エアーを混合する、大便器。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の大便器であって、 前記混合手段は、 前記給水源から前記ジェットポンプの前記駆動ノズルに
    至る給水管路と、 該給水管路に設けられた空気混入部から給水管路の水に
    空気を混入し、前記空気混入部からの空気混入を経た水
    の流れを水に空気が分散混合した気泡流とする気泡流化
    手段と、 前記気泡流における給水流量Qwと空気流量Qaの比の
    値Qa/Qwで規定される空気混入率ηが1.3以上と
    なるように、前記気泡流における水と空気の混合比を調
    整する混合比調整手段とを有する、大便器。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の大便器であって、 前記混合比調整手段は、 前記気泡流化手段を制御して空気の混入量を制御し、前
    記空気流量Qaを調整する第1調整手段と、前記給水管
    路に供給される水の供給量を制御し、前記給水流量Qw
    を調整する第2調整手段の前記第1、第2調整手段の少
    なくとも一方を有する、大便器。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の大便器であって、 前記混合比調整手段は、 前記給水管路に供給される水の供給量に基づいて前記気
    泡流化手段を制御して空気の混入量を制御し、前記空気
    流量Qaを調整する手段を有する、大便器。
  10. 【請求項10】 請求項7記載の大便器であって、 前記空気混入部は、微細な気泡を前記給水管路の水に混
    入する微細気泡混入手段を有する、大便器。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の大便器であって、 前記微細気泡供給手段は、平均直径が約100μm〜1
    000μmの微細な気泡を前記給水管路の水に混入す
    る、大便器。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の大便器であって、 前記微細気泡供給手段は、前記給水管路の水に接する面
    に多数分割された独立開孔を有する、大便器
  13. 【請求項13】 請求項12記載の大便器であって、 前記微細気泡供給手段の独立開孔は、その開孔配置が規
    則的である、大便器
  14. 【請求項14】 請求項10ないし請求項13いずれか
    記載の大便器であって、 前記空気混入部は、前記給水管路の一部を構成する、大
    便器
  15. 【請求項15】 請求項14記載の大便器であって、 前記空気混入部は、多孔質材料で形成されている、大便
    器。
  16. 【請求項16】 請求項14記載の局部洗浄装置であっ
    て、 前記空気混入部は、前記管路の洗浄水に接する領域に亘
    って略網目状構造を有する、大便器。
  17. 【請求項17】 請求項10ないし請求項16いずれか
    記載の大便器であって、 前記空気混入部は、前記駆動ノズルの噴出口近傍に設け
    られている、局部洗浄装置。
  18. 【請求項18】 請求項7記載の大便器であって、 前記気泡流化手段は、 前記空気混入部の下流側の管路に、前記給水管路の水の
    流れに含まれる気泡塊を破砕し、前記水の流れを破砕気
    泡が水に分散混合した気泡流に変遷する気泡破砕手段を
    有する、大便器。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の大便器であって、 前記気泡破砕手段は、前記駆動ノズルの噴出口近傍に設
    けられている、大便器。
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