JPH11140247A - 医療容器用ポリプロピレン系樹脂組成物 - Google Patents
医療容器用ポリプロピレン系樹脂組成物Info
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- JPH11140247A JPH11140247A JP9317619A JP31761997A JPH11140247A JP H11140247 A JPH11140247 A JP H11140247A JP 9317619 A JP9317619 A JP 9317619A JP 31761997 A JP31761997 A JP 31761997A JP H11140247 A JPH11140247 A JP H11140247A
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Abstract
プラスチック製医薬品容器試験法 1.ポリエチレン製
又はポリプロピレン製水性注射剤容器 の試験項目をす
べて満足し、かつ、薬剤や薬液の保存容器として必要な
耐蒸気滅菌性(耐熱性、剛性)、透明性、ガスバリヤー
性を保持する成形品用のポリプロピレン系樹脂組成物の
提供。 【解決手段】 (A)金属チタン含有量が1ppm以下
で、かつMFRが0.5〜70g/10分のポリプロピ
レン系重合体に、(B)特定の有機アルカリ金属塩0.
025〜0.15重量%と(C)特定の一般式で表され
る環状有機リン酸エステル塩基性多価金属塩0.025
〜0.15重量%と(D)特定の一般式で表される複合
水酸化物塩化合物0.01〜0.10重量%を特定の関
係式を満たすように配合してなる医療容器用ポリプロピ
レン系樹脂組成物。
Description
剤、薬液保存容器のうち、特に、第13改正 日本薬局
方 一般試験 45.プラスチック製医薬品容器試験法
1.ポリエチレン製又はポリプロピレン製水性注射剤
容器の試験項目をすべて満足する成形体を製造するのに
好適なポリプロピレン系樹脂組成物に関する。
安全衛生性や成形加工性、力学特性、ガスバリヤー性の
特徴を生かし、各種の医療器具に使用されている。特に
近年、高レベルの安全衛生性が求められる薬剤や薬液の
保存容器としてアンプルやバイアルの代替容器用材とし
ての活用が散見されるようになってきた。これらの保存
容器には、蒸気滅菌時の耐熱性、耐失透性、耐添加剤抽
出性、水蒸気や酸素のガスバリヤー性が維持されること
や、使用添加剤が保存薬剤、薬液に相互作用を及ぼさな
いこと、が必要であり、具体的には第13改正 日本薬
局方 一般試験 45.プラスチック製医薬品容器試験
法 1.ポリエチレン製又はポリプロピレン製水性注射
剤容器の試験項目をすべて満足することが必須要件であ
る。
ポリプロピレン単独重合体やエチレンとのランダム共重
合体と核剤や中和剤を種々組み合わせて、キーとなる性
能の最適化が試みられてきた。しかしながら、例えばソ
ルビトール系透明核剤を用いた場合には、耐添加剤抽出
性や局方試験を満足せずこれらの用途には不適であり、
アルミ系や有機リン酸系剛性核剤を添加したものは、透
明性の発現が十分でなかったり、また添加量を増やすと
局方試験の強熱残分や紫外線吸収スペクトルに満足すべ
き結果が得られなかった。一方、容器の基材となる結晶
性ポリプロピレン系樹脂としては、剛性や耐熱性、ガス
バリヤー性の点ではポリプロピレン単独重合体が、透明
性や耐衝撃性の点ではエチレンとのランダム共重合体が
好ましいが、剛性核剤との組み合わせにおいては、該局
方試験をすべて満足する条件下では、薬剤、薬液の保存
容器として満足できる耐熱性や透明性、ガスバリヤー性
が得られていないのが現状である。
日本薬局方 一般試験 45.プラスチック製医薬品
容器試験法 1.ポリエチレン製又はポリプロピレン製
水性注射剤容器 の試験項目をすべて満足し、かつ、薬
剤や薬液の保存容器として必要な耐蒸気滅菌性(耐熱
性、剛性)、透明性、ガスバリヤー性を保持する成形品
用のポリプロピレン系樹脂組成物を提供することにあ
る。
を解決するために鋭意研究の結果、特定のチタン含有量
およびメルトフローレートを有する結晶性ポリプロピレ
ンに、特定の有機アルカリ金属塩及び環状有機リン酸エ
ステル塩基性多価金属塩からなる造核剤及び特定の複合
水酸化物塩化合物系中和剤を特定量添加することによ
り、日本薬局方の試験項目を満足する成形体を製造する
のに好適なポリプロピレン系樹脂組成物を見出し、本発
明を完成した。
有量が1ppm以下であり、かつ、メルトフローレート
が0.5〜70g/10分であるポリプロピレン単独重
合体またはエチレン含有量が3重量%以下のプロピレン
・エチレンランダム共重合体に、(B)アルカリ金属カ
ルボン酸塩、アルカリ金属β−ジケトナート及びアルカ
リ金属β−ケト酢酸エステル塩からなる群から選択され
る少なくとも一種の有機アルカリ金属塩0.025〜
0.15重量%、(C)一般式(I):
基を示し、R2及びR3は水素原子又は炭素数1〜12の
アルキル基を示し、Mは周期律表第III族または第I
V族の金属原子を示し、XはMが周期律表第III族の
金属原子を示す場合には、HO−を示し、Mが周期律表
第IV族の金属原子を示す場合には、O=又は(HO)
2−を示す。)により表される環状有機リン酸エステル
塩基性多価金属塩の少なくとも一種0.025〜0.1
5重量%、および(D)一般式(II)および/または
一般式(III): Mg1-XAlX(OH)2(CO3)X/2・mH2O (II) (ただし、xは0<x≦0.5であり、mは3以下の数
である。)、 〔Al2Li(OH)6〕nX・mH2O (III) (ただし、Xは無機または有機のアニオンであり、nは
アニオン(X)の価数であり、mは3以下の数であ
る。)で表される複合水酸化物塩化合物、0.01〜
0.10重量%を下記式(1)の関係を満たすように配
合してなる医療容器用ポリプロピレン系樹脂組成物であ
る。 b≦0.046−0.083a (1) (ただし、aは樹脂組成物中の(B)の有機アルカリ金
属塩と(C)の環状有機リン酸エステル塩基性多価金属
塩(I)の濃度の和(重量%)であり、bは樹脂組成物
中の(II)および/または(III)の濃度(重量
%)である。)
は、メルトフローレート0.5〜70g/10分、好ま
しくは5〜40g/10分を有するものであり、ポリプ
ロピレン単独重合体ないしはエチレンとのランダム共重
合体である。共重合体の場合は、エチレン含有量は3.
0重量%以下、好ましくは2.0重量%以下であること
が必要である。メルトフローレートが0.5未満では成
形加工性の低下をきたし注射剤容器として満足できる成
形体が得られない。また、70以上では機械的強度の低
下が著しく実用上の問題が生じる。一方、エチレン含有
量が3.0重量%を超えると保存容器の蒸気減菌時に透
明性の低下や変形が起こり、また水蒸気や酸素のガスバ
リヤー性の低下をきたし、保存薬剤や薬液に悪影響を及
ぼす。
ppm以下であることが必要である。これを達成するた
めには、重合時にMg担持型の高活性触媒を用いたり、
また重合後に脱触工程を設け、ポリマー中の該金属成分
を低減させることができる。ポリマー中に該成分が1p
pmを超えると透明性の発現が十分でなかったり、ま
た、局方試験項目の強熱残分項目を満足しなくなる。
とのランダム共重合体の製造方法 プロピレン(共)重合体の製造方法は、特に限定されな
いが、立体規則性触媒を使用する重合法が好ましい。立
体規則性触媒としては、三塩化チタン、四塩化チタン、
トリクロロエトキシチタン等のハロゲン化チタン化合
物、前記ハロゲン化チタン化合物とハロゲン化マグネシ
ウムに代表されるマグネシウム化合物との接触物等の遷
移金属成分とアルキルアルミニウム化合物又はそれらの
ハロゲン化物、水素化物、アルコキシド等の有機金属成
分との2成分系触媒、更にそれらの成分に窒素、炭素、
リン、硫黄、酸素、ケイ素等を含む電子供与性化合物を
加えた3成分系触媒が挙げられる。
は、気相、液相のいずれで行ってもよい。例えば液相で
重合する場合には、n−ブタン、イソブタン、n−ペン
タン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不
活性炭化水素又は液状モノマー中で行うことができる。
重合温度は、通常−80〜150℃であり、好ましくは
40〜120℃である。重合圧力は、1〜60気圧が好
ましく、また得られる(共)重合体の分子量の調節は、
水素もしくは他の公知の分子量調整剤で行うことができ
る。重合は連続式又はバッチ式反応で行い、その条件は
通常用いられている条件でよい。さらに重合反応は一段
で行ってもよく、二段で行ってもよい。
体とプロピレン−エチレンランダム共重合体を製造して
おいて、これを所定割合にて機械的混合を行ってもよ
い。
有機アルカリ金属塩並びに(C)成分である環状有機リ
ン酸エステル塩基性多価金属塩である。(B)成分は、
アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属β−ジケトナ
ート及びアルカリ金属β−ケト酢酸エステル塩からなる
群より選択される少なくとも一種の有機アルカリ金属塩
である。
成するアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、
カリウム等が挙げられる。
カルボン酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、アク
リル酸、オクチル酸、イソオクチル酸、ノナン酸、デカ
ン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステ
アリン酸、オレイン酸、リシノール酸、12−ヒドロキ
システアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、メリシン酸、
β−ドデシルメルカプト酢酸、β−ドデシルメルカプト
プロピオン酸、β−N−ラウリルアミノプロピオン酸、
β−N−メチル−ラウロイルアミノプロピオン酸等の脂
肪族モノカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン
酸、マレイン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン
ジ酸、クエン酸、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラ
カルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸、ナフテン酸、シ
クロペンタンカルボン酸、1−メチルシクロペンタンカ
ルボン酸、2−メチルシクロペンタンカルボン酸、シク
ロペンテンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、1
−メチルシクロヘキサンカルボン酸、4−メチルシクロ
ヘキサンカルボン酸、3,5−ジメチルシクロヘキサン
カルボン酸、4−ブチルシクロヘキサンカルボン酸、4
−オクチルシクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキセン
カルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸等の脂環式モノ又はポリカルボン酸、安息香酸、トル
イル酸、キシリル酸、エチル安息香酸、4−t−ブチル
安息香酸、サリチル酸、フタル酸、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸等の芳香族モノ又はポリカルボン酸等が挙
げられる。
するβ−ジケトン化合物としては、例えば、アセチルア
セトン、ピバロイルアセトン、パルミトイルアセトン、
ベンゾイルアセトン、ピバロイルベンゾイルアセトン、
ジベンゾイルメタン等が挙げられる。
テル塩を構成するβ−ケト酢酸エステルとしては、例え
ば、アセト酢酸エチル、アセト酢酸オクチル、アセト酢
酸ラウリル、アセト酢酸ステアリル、ベンゾイル酢酸エ
チル、ベンゾイル酢酸ラウリル等が挙げられる。
ン酸塩、アルカリ金属β−ジケトナート又はアルカリ金
属β−ケト酢酸エステル塩は各々上記アルカリ金属とカ
ルボン酸、β−ジケトン化合物又はβ−ケト酢酸エステ
ルとの塩であり、従来周知の方法で製造することができ
る。また、これら(B)成分の各アルカリ金属塩化合物
の中でも、アルカリ金属の脂肪族モノカルボン酸塩、特
に、リチウムの脂肪族カルボン酸塩が好ましく、とりわ
け炭素数8〜20の脂肪族モノカルボン酸塩が好まし
い。
(I):
基を示し、R2及びR3は水素原子又は炭素数1〜12の
アルキル基を示し、Mは周期律表第III族又は第IV
族の金属原子を示し、XはMが周期律表第III族の金
属原子を示す場合には、HO−を示し、Mが周期律表第
IV族の金属原子を示す場合には、O=又は(HO)2
−を示す。)により表される環状有機リン酸エステル塩
基性多価金属塩である。
において、R1で示される炭素数1〜4のアルキル基と
しては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、s−ブチル、イソブチル等が挙げられ、R2又は
R3で示される炭素数1〜12のアルキル基としては、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s
−ブチル、t−ブチル、アミル,t−アミル、ヘキシ
ル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、t−オクチ
ル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシ
ル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、t−ドデシル
等が挙げられる。
は第IV族の金属原子としては、アルミニウム、ガリウ
ム、ゲルマニウム、錫、チタン、ジルコニウム等が挙げ
られ、特にアルミニウムが好ましい。
次に示す化合物が挙げられる。
酸エステルのアルカリ金属塩と多価金属ハロゲン化合物
あるいは酸化多価金属ハロゲン化物と反応させ、その後
必要に応じて加水分解する方法、酸性環状有機リン酸エ
ステルと多価金属アルコキサイドを反応させ、その後必
要に応じて加水分解する方法等により容易に製造するこ
とができる。
特に制限をうけず、例えば、平均粒径0.01〜50ミ
クロンのものを用いることができるが、均一な分散を図
るためには、平均粒径が10ミクロン以下、特に3ミク
ロン以下の微粒子に粉砕して用いることが好ましい。
式(II): Mg1-XAlX(OH)2(CO3)X/2・mH2O (II) (ただし、xは0<x≦0.5であり、mは3以下の数
である。)、および/または一般式(III): 〔Al2Li(OH)6〕nX・mH2O (III) (ただし、Xは無機または有機のアニオンであり、nは
アニオン(X)の価数であり、mは3以下の数であ
る。)で表される複合水酸化物塩化合物を用いる。
の造核剤の添加量は、ポリプロピレン系樹脂中に、成分
(B)が0.025〜0.15重量%、好ましくは0.
035〜0.075重量%である。また、成分(C)が
0.025〜0.15重量%、好ましくは0.035〜
0.075重量%である。成分(D)の中和剤の添加量
は、ポリプロピレン系樹脂中に、0.01〜0.10重
量%、好ましくは0.02〜0.05重量%である。さ
らに、この各添加量は式(1)を満たしていることが必
要である。 b≦0.046−0.083a (1) (ただし、aは樹脂組成物中の(B)及び(C)の濃度
の和(重量%)であり、bは樹脂組成物中の(D)の濃
度(重量%)である。)
量%未満では、透明性や耐熱性の向上効果が十分でな
く、また、0.15重量%を超えると添加量に見合った
透明性向上効果が期待できなくなると共に、逆に局方試
験項目中の強熱残分や紫外線吸収スペクトルの安全性能
の低下をきたす。(C)成分の添加量が範囲外である
と、(B)成分の場合と同様に、透明性や耐熱性の改善
が不十分であったり安全性の低下をきたしたりする。
(B)成分と(C)成分の比率は、上記範囲内である
と、特に制限を受けないが、(B)成分の添加量が
(C)成分の添加量の当量である場合に本発明の効果が
著しい。
リプロピレン系樹脂中の触媒残さ成分の中和が不十分と
なりポリプロピレン系樹脂の経時安定性や透明性が低下
し、また0.10重量%を超えるとそれ自身が透明性低
下の原因となったり、また局方試験項目中の強熱残分で
満足すべき結果が得られないことになる。さらに、各添
加剤量の関係が、式(1)を外れた場合には、薬剤、薬
液容器として必要な透明性、耐熱性、ガスバリヤー性と
これらの保存容器に必須な強熱残分や紫外線吸収スペク
トル等の安全性能の最適化が困難となる。
法 本発明のポリプロピレン系医療用樹脂組成物は、上記
(A)、(B)、(C)及び(D)の各成分をヘンシェ
ルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダー等を
用いて、本発明で用いる添加剤の他に一般的に用いられ
るトリス(2,4−ジ−tブチルフェニル)ホスファイ
トのようなプロセス安定剤やヒンダードアミン系紫外線
吸収剤等を配合し、通常の単軸押出機、二軸押出機、バ
ンバリーミキサー、プラベンダー、ロール等で160〜
250℃の温度範囲で溶融混練することにより得ること
ができる。
説明するが、本発明はこれらの記載により何ら限定され
るものではない。なお、各実施例及び比較例において樹
脂原料及び添加剤としては以下のものを使用した。 (A)結晶性ポリプロピレン ホモポリプロピレン(HPP):MFR15g/10分 ランダムポリプロピレン(RPP):エチレン濃度0.4重量%、 MFR15g/10分 (B)造核剤 NA−21:有機アルカリ金属塩と環状リン酸エステル塩基性多価金属塩の 等量混合系核剤(旭電化工業(株)製) ゲルオールMD:ソルビトール系核剤(新日本理化(株)製) (C)中和剤 ミズカラック:リチウムアルミニウム複合水酸化物塩(水澤化学工業( 株)製) DHT−4A:マグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カ ーボネート・ハイドレート(協和化学工業(株)製) Ca−St:カルシウムステアレート(日東化学(株)製)
たエチレン・プロピレンランダムコポリマーを基準物質
として733cm-1の特性吸収体を用いる赤外分光法に
より、ランダムコポリマー中のエチレン含量を測定し
た。ペレットをプレス成形により約500ミクロンの厚
さのフィルムとしたものを用いた。 (2)Ti含量:ポリプロピレン中の灰分を塩酸(塩酸
1容+水1容)に溶解後、10%アスコルピン酸を加え
ジアンチピリルメタン溶液で発色させ、385nmの吸
光度を用いてチタン含有を算出した。 (3)MFR:JIS K6758、230℃ 2.1
6Kg荷重に準拠。
ートクレーブ滅菌器を用いて121℃で1時間の条件で
滅菌し、風乾後、透明性(ヘイズ)測定に供した。 (5)ヘイズ値:厚さ1ミリのシート片を用いて、JI
S K7105に準拠して測定した。 (6)デュポン衝撃強度:厚さ2ミリのシート片を用い
て、JIS K7211に準拠して23℃で測定した。
平滑性(フローマーク等)を目視にて観察し成形性を判
定した。 ○:ゲート付近からのフローマークが殆ど観察されな
い。 ×:ゲート付近から成形品末端までフローマークが観察
される。
45.プラスチック製薬品容器試験法(プラスチック製
水性注射剤容器)の1.ポリエチレン製又はポリプロピ
レン製水性注射剤容器の項の試験法に従って、透明性、
外観、水蒸気透過性、重金属、鉛、カドミウム、強熱残
分、溶出物、細胞毒性を測定した。但し、試料調製は、
0.5ミリ厚で表面積600cm2に相当する重量のペ
レットを秤量し、210℃でプレスしてシート片とし
て、長さ約5センチ、幅約0.5センチの大きさに細断
し、水で洗った後、室温で乾燥した。これを内容積約3
00mlの硬質ガラス製容器に入れ、水200mlを正
確に加え、適当な栓で密封した後、高圧蒸気滅菌器を用
いて121℃で1時間加熱した後、室温になるまで放置
し、この内溶液を試験液とし、別に水につき、同様の方
法で空試験液を調製した。
P)100重量部に対して、造核剤としてNA−21及
び中和剤としてミズカラックを表1に示す割合で配合
し、さらにホスファイト系酸化防止剤としてMARK2
112(旭電化工業(株)製)0.1重量部及びヒンダ
ードアミン系紫外線安定剤としてTINUVIN622
LD(日本チバガイギー(株)製)0.05重量部を配
合し、スーパーミキサーでドライブレンドした後、50
ミリ径の単軸押出機を用いて溶融混練した。ダイ出口部
温度210℃でダイから押し出しペレット化した。得ら
れたペレットを射出成形機により、樹脂温度230℃、
射出圧力900kg/cm2及び金型温度60℃で射出
成形し、シートを作成した。得られたシートから、試験
片を採り、物性を測定した。その結果を表1に示す。
いて、実施例と同様にして試験片を得、その物性を測定
した。その結果を表1に示す。
いて、実施例と同様にして試験片を得、その物性を測定
した。その結果を表2に示す。
の組成物である、核剤NA−21とリチウムアルミニウ
ム複合水酸化物塩(ミズカラック)を式(1)を満足す
るように用いた系(実施例1)、同核剤とハイドロタル
サイト(DHT−4A)を式(1)を満足するように用
いた系(実施例2)、実施例2でMFRを変えた系(実
施例3)、実施例2で核剤量および中和剤量を変えた系
(実施例4)、およびランダムPP(RPP)を用いた
系(実施例5)は局方試験に合格する組成物である。一
方、ソルビトール系核剤を用いた組成物系では溶出物試
験のUV吸収や過マンガン酸消費量等で局方試験に不合
格(比較例1)、中和剤としてカルシウムステアレート
を用いた系では薬液の透明性が不合格(比較例2)、エ
チレン濃度が請求範囲を超えたRPPを用いた系では滅
菌時に変形と透明性が悪化し(比較例3)、NA−21
の添加量が低濃度側に請求範囲を外れた系では透明性改
善が不十分となり(比較例4)、中和剤が低濃度側に請
求範囲を外れた系では中和不足のため樹脂劣化による安
全性が低下し、UV吸収や過マンガン酸消費量等で局方
試験に不合格となり(比較例5)、ポリプロピレン中の
金属チタン濃度が高濃度の系では強熱残分が不合格(比
較例6)、MFRが低流動側に外れた系では成形性が悪
化し(比較例7)、MFRが高流動側に外れた系では衝
撃性(デュポンインパクト)が低下し(比較例8)、そ
れぞれ好ましくない。
脂組成物は、第13改正 日本薬局方一般試験 45.
プラスチック製医薬品容器試験法 1.ポリエチレン製
又はポリプロピレン製水性注射剤容器 の試験項目をす
べて満足し、かつ、薬剤や薬液の保存容器として必要な
耐蒸気滅菌性(耐熱性、剛性)、透明性、ガスバリヤー
性を保持している。
Claims (3)
- 【請求項1】 (A)金属チタン含有量が1ppm以下
であり、かつ、メルトフローレートが0.5〜70g/
10分であるポリプロピレン単独重合体またはエチレン
含有量が3重量%以下のプロピレン・エチレンランダム
共重合体に、(B)アルカリ金属カルボン酸塩、アルカ
リ金属β−ジケトナート及びアルカリ金属β−ケト酢酸
エステル塩からなる群から選択される少なくとも一種の
有機アルカリ金属塩0.025〜0.15重量%、
(C)一般式(I): 【化1】 (ただし、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
基を示し、R2及びR3は水素原子又は炭素数1〜12の
アルキル基を示し、Mは周期律表第III族または第I
V族の金属原子を示し、XはMが周期律表第III族の
金属原子を示す場合には、HO−を示し、Mが周期律表
第IV族の金属原子を示す場合には、O=又は(HO)
2−を示す。)により表される環状有機リン酸エステル
塩基性多価金属塩の少なくとも一種0.025〜0.1
5重量%、および(D)一般式(II)および/または
一般式(III): Mg1-XAlX(OH)2(CO3)X/2・mH2O (II) (ただし、xは0<x≦0.5であり、mは3以下の数
である。)、 〔Al2Li(OH)6〕nX・mH2O (III) (ただし、Xは無機または有機のアニオンであり、nは
アニオン(X)の価数であり、mは3以下の数であ
る。)で表される複合水酸化物塩化合物、0.01〜
0.10重量%を下記式(1)の関係を満たすように配
合してなる医療容器用ポリプロピレン系樹脂組成物。 b≦0.046−0.083a (1) (ただし、aは樹脂組成物中の(B)の有機アルカリ金
属塩と(C)の環状有機リン酸エステル塩基性多価金属
塩(I)の濃度の和(重量%)であり、bは樹脂組成物
中の(II)および/または(III)の濃度(重量
%)である。) - 【請求項2】 前記有機アルカリ金属塩が、アルカリ金
属カルボン酸塩である請求項1に記載の医療容器用ポリ
プロピレン系樹脂組成物。 - 【請求項3】 前記環状有機リン酸エステル塩基性多価
金属塩が、アルミニウム塩である請求項1ないし請求項
2に記載の医療容器用ポリプロピレン系樹脂組成物。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP31761997A JP3797772B2 (ja) | 1997-11-04 | 1997-11-04 | 医療容器用ポリプロピレン系樹脂組成物 |
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---|---|---|---|
JP31761997A JP3797772B2 (ja) | 1997-11-04 | 1997-11-04 | 医療容器用ポリプロピレン系樹脂組成物 |
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Publications (2)
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