JP2008150572A - キット製剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠したメルトフローレートが0.5〜100g/10分であるプロピレン系重合体100重量部に対し、下記一般式(1)で示される造核剤(A)を0.005重量部以上で0.3重量部未満配合した樹脂組成物を用いることを特徴とするキット製剤。
R1(CONHR2)a …(1)
【選択図】なし
Description
これらの保存容器には、蒸気滅菌時の耐熱性、耐失透性、耐添加剤抽出性、水蒸気や酸素のガスバリヤー性が維持されることや、使用添加剤が保存薬剤、薬液に相互作用を及ぼさないことが必要であり、具体的には第14改正 日本薬局方 一般試験 45.プラスチック製医薬品容器試験法 1.ポリエチレン製又はポリプロピレン製水性注射剤容器の試験項目をすべて満足することが必須要件である。
局方試験に合格する必要のある医療用途の例としては、薬液をあらかじめ充填してなるプレフィルドシリンジやキット製剤などが挙げられる。
この薬液をあらかじめ充填してなるキット製剤をポリプロピレンで製造する事を検討し始めたのは、1980年代半ば頃からで(例えば、特許文献2参照。)、近年、プロピレン系重合体と、特定の核剤とからなる透明な注射筒又は透明な容器に薬剤液を充填してなる製剤(例えば、特許文献3参照。)に関する検討がなされている。
しかしながら、高い透明性があり、局方試験に合格し、薬剤、薬液の保存容器として満足できる耐熱性や剛性などを有する成形品が得られていないのが現状であった。
R1(CONHR2)a …(1)
[式中、R1は、炭素数2〜30の飽和若しくは不飽和の脂肪族ポリカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和若しくは不飽和の脂環族ポリカルボン酸残基、又は炭素数6〜18の芳香族ポリカルボン酸残基を表わす。R2は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、又は炭素数3〜46のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基を表わす。aは、2〜6の整数を表す。]
1.プロピレン系重合体
本発明のプロピレン樹脂組成物で用いられるプロピレン系重合体は、プロピレン単独重合体であっても、プロピレン系共重合体であっても、あるいはこれらの混合物であってもよい。
プロピレン系共重合体は、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体であり、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもどちらでも良いが、透明性の観点からランダム共重合体が望ましい。共重合に用いられるα−オレフィンは、プロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンがあげられ、例えばエチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等を例示できる。プロピレンと共重合されるα−オレフィンは一種類でも二種類以上用いてもよい。このうちエチレン、ブテン−1が好適である。より好ましくはエチレンが好適である。また、これらプロピレン系重合体は、二種以上混合して使用してもよい。
また、放射線滅菌処理を行う場合は、エチレン含有量の多いランダム共重合体が好ましく、プロピレン単独重合体やブロック共重合体を用いると放射線滅菌処理後の物性低下が著しく好ましくない。また、エチレン含有量の多いランダム共重合体に分子量調整剤として過酸化物を添加した組成物は放射線照射前後にて耐衝撃性が更に良好となる。
ここで、プロピレン及びα−オレフィンは、下記の条件の13C−NMR法によって計測される値である。
装置:日本電子社製 JEOL−GSX270
濃度:300mg/2mL
溶媒:オルソジクロロベンゼン
ここで、アイソタクチックペンタッド分率は、13C−NMRを用いたプロトンデカップリング法で測定する値である。
これらの内、インデニル基あるいはアズレニル基を珪素あるいはゲルミル基で架橋したメタロセン化合物が好ましい。
例えば、スラリー重合法の場合には、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素又は液状モノマー中で行うことができる。重合温度は、通常−80〜150℃であり、好ましくは40〜120℃である。重合圧力は、1〜60気圧が好ましく、また得られるプロピレン系重合体の分子量の調節は、水素もしくは他の公知の分子量調整剤で行うことができる。重合は連続式又はバッチ式反応で行い、その条件は通常用いられている条件でよい。さらに重合反応は一段で行ってもよく、多段で行ってもよい。
本発明のキット製剤で用いられる造核剤(A)は、一般式(1)で示されるアミド系化合物であり、中でも、一般式(5)で示されるアミド系化合物が好ましく、一般式(6)で示されるアミド系化合物がより好ましい。
[式中、R1は、炭素数2〜30の飽和若しくは不飽和の脂肪族ポリカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和若しくは不飽和の脂環族ポリカルボン酸残基、又は炭素数6〜18の芳香族ポリカルボン酸残基を表わす。R2は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、又は炭素数3〜46のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基を表わす。aは、2〜6の整数を表す。]
具体的には、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−エチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、 1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、
具体的には、シクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルシクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミンのメチルシクロヘキシルアミン、2−エチルシクロヘキシルアミン、2−n−プロピルシクロヘキシルアミン、2−iso−プロピルシクロヘキシルアミン、2−n−ブチルシクロヘキシルアミン、2−iso−ブチルシクロヘキシルアミン、2−sec−ブチルシクロヘキシルアミン、2−tert−ブチルシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。
この様な造核剤としては、市販のものを用いることができる。具体的には、旭電化工業(株)社製NA−11を挙げることができる。
該有機アルカリ金属塩とは、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属β−ジケトナート及びアルカリ金属β−ケト酢酸エステル塩からなる群より選択される少なくとも一種の有機アルカリ金属塩を示すことができる。
該有機アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
上記アルカリ金属カルボン酸塩を構成するカルボン酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、オクチル酸、イソオクチル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、メリシン酸、β−ドデシルメルカプト酢酸、β−ドデシルメルカプトプロピオン酸、β−N−ラウリルアミノプロピオン酸、β−N−メチル−ラウロイルアミノプロピオン酸等の脂肪族モノカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、クエン酸、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸、ナフテン酸、シクロペンタンカルボン酸、1−メチルシクロペンタンカルボン酸、2−メチルシクロペンタンカルボン酸、シクロペンテンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、1−メチルシクロヘキサンカルボン酸、4−メチルシクロヘキサンカルボン酸、3,5−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸、4−ブチルシクロヘキサンカルボン酸、4−オクチルシクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキセンカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等の脂環式モノ又はポリカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、キシリル酸、エチル安息香酸、4−t−ブチル安息香酸、サリチル酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族モノ又はポリカルボン酸等が挙げられる。
ここで、「一塩基性アルミニウム」なる用語は周知であり、2つのカルボン酸基が結合した単一カチオンとしてアルミニウムヒドロキシド基を含むことを意図している。さらに、これら可能な塩のそれぞれにおいて、非対称炭素原子の立体配置は、シスまたはトランスのいずれでもよいが、シスが好ましい。
この様な造核剤としては、市販のものを用いることができる。具体的には、メリケン(株)社製ハイパフォームHPN68Lを挙げることができる。ハイパフォームHPN68Lの造核剤成分の構造を下記に示す。
本発明のキット製剤においては、中和剤を配合することが望ましい。中和剤の具体例としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの金属脂肪酸塩、ハイドロタルサイト(商品名:協和化学工業(株)の下記一般式(7)で表されるマグネシウムアルミニウム複合水酸化物塩)、ミズカラック(下記一般式(8)で表されるリチウムアルミニウム複合水酸化物塩)などが挙げられる。特に、プレフィルドシリンジ、キット製剤、輸液バッグなど長期接液する部材として用いる場合には、接触する液体に溶出しないハイドロタルサイトやミズカラックが有利である。
[式中、xは、0<x≦0.5であり、mは3以下の数である。]
[式中、Xは、無機または有機のアニオンであり、nはアニオン(X)の価数であり、mは3以下である。]
本発明のキット製剤においては、滑剤を配合することが望ましい。滑剤としては、既知の滑剤が挙げられるが、ステアリン酸ブチルやシリコーンオイルが好ましく、特にシリコーンオイルが良い。
具体的なシリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルヒドロジエンポリシロキサン、α−ωビス(3−ヒドロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、ポリオキシアルキレン(C2〜C4)ジメチルポリシロキサン、ポリオルガノ(C1〜C2のアルキル基および/またはフェニル基)シロキサンとポリアルキレン(C2〜C3)グリコールの縮合物などが挙げられる。この中でもジメチルポリシロキサンとメチルフェニルポリシロキサンが好ましい。該滑剤は単独、又は複数用いても構わない。
ジメチルポリシロキサンなどのシリコーンを添加した場合、成形時に発生する傷を防止するだけでなく、シリンダー内やホットランナー内で発生する焼けを防止することができる。
本発明のキット製剤においては、上述した成分に加えて、プロピレン系重合体の安定剤などとして使用されている各種酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を配合することができる。
本発明に用いられるプロピレン樹脂組成物は、プロピレン系重合体、造核剤(A)、選択的に用いられる造核剤(B)〜(D)の少なくとも1種の混合物、および、必要に応じて他の添加剤とを、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダー等に投入して混合した後、通常の単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、プラベンダー、ロール等で190〜260℃の温度範囲で溶融混練することにより得ることができる。
本発明のキット製剤は、上記のプロピレン樹脂組成物を、公知の方法である射出成形法、押出成形法、ブロー成形法など各種成形法によって成形することにより得られるが、寸法精度が高く複雑な形状を作りやすい射出成形法が望ましい。
また、本発明のキット製剤としては、薬剤液を充填してなる注射筒および容器などを挙げることができる。
なお、キット製剤は、オートクレーブ滅菌、放射線滅菌、EOG滅菌など公知の滅菌処理を行っても良い。
(1)エチレン濃度:13C−NMRにより組成を検定したエチレン・プロピレンランダムコポリマーを基準物質として733cm−1の特性吸収体を用いる赤外分光法により、ランダムコポリマー中のエチレン含量を測定した。ペレットをプレス成形により約500ミクロンの厚さのフィルムとしたものを用いた。
(2)MFR:JIS K7120、230℃ 2.16Kg荷重に準拠して測定した。
(3)ヘイズ値:厚さ2mmのシート片を用いて、JIS K7105に準拠して測定した。
(4)第14改正 日本薬局方一般試験:45.プラスチック製薬品容器試験法(プラスチック製水性注射剤容器)の1.ポリエチレン製又はポリプロピレン製水性注射剤容器の項の試験法に従って、透明性、重金属、鉛、カドミウム、強熱残分、泡立ち、PH、過マンガン酸カリウム還元性物質、紫外吸収スペクトル、蒸発残留分を測定した。但し、試料調製は、0.5ミリ厚で表面積1200cm2に相当する重量のペレットを秤量し、220℃でプレスしてシート片として、長さ約5センチ、幅約0.5センチの大きさに細断し、水で洗った後、室温で乾燥した。これを内容積約300mlの硬質ガラス製容器に入れ、水200mlを正確に加え、適当な栓で密封した後、高圧蒸気滅菌器を用いて121℃で1時間加熱した後、室温になるまで放置し、この内溶液を試験液とし、別に水につき、同様の方法で空試験液を調製した。
(5)曲げ弾性率:JIS K7203の「硬質プラスチックの曲げ試験方法」に準拠して23℃で測定した。
(6)結晶化温度(ピーク値):JIS K7121の「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠して、示差走査型熱量計を用い測定した。この温度が高い程、射出成形において成形時間が短縮でき生産性をあげることができる。
(7)成形性:射出成形によって得られた成形品を目視で観察し、造核剤やその他添加剤が成形時金型に析出・付着し、それが成形品に与える傷の有無と、目標とする寸法精度を維持できているかを基に、次の3段階で評価した。
◎:細かい傷がほとんどなく、寸法精度の良好な成形品が得られる。
○:細かい傷が若干あるが、寸法精度の良好な成形品が得られる。
×:傷が多いか、寸法精度の不良な成形品となる。
(8)荷重たわみ温度(熱変形温度):JIS K7207に準拠して測定した。この温度が高い程、得られた成形品は耐熱性に優れる。
(1)プロピレン系重合体
(i)プロピレン単独重合体(HPP):MFR10g/10分
(ii)エチレン・プロピレンランダム共重合体(RPP):エチレン濃度 2.5重量%、MFR10g/10分
(iii)プロピレン単独重合体(HPP2):MFR0.3g/10分
(iv)プロピレン単独重合体(HPP3):MFR22g/10分
(v)エチレン・プロピレンランダム共重合体(RPP2):エチレン濃度 2.5重量%、MFR30g/10分
(2)造核剤
(i)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド):造核剤(A)に相当
(ii)NA−11:有機リン酸金属塩化合物系造核剤(旭電化工業(株)製):造核剤(B)に相当
(iii)ゲルオールMD:ソルビトール系造核剤(新日本理化(株)製):造核剤(A)〜(D)のいずれにも相当しない造核剤
(iv)NA−21:芳香族燐酸エステル類の造核剤(旭電化工業(株)製):造核剤(C)に相当
(v)ハイパフォームHPN68L:ミリケン(株)製:造核剤(D)に相当
(3)中和剤
(i)DHT−4A:ハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製)
(ii)ステアリン酸カルシウム
(4)滑剤
(i)シリコーンオイル:Dowcorning360Medical Fluid(シリコン)−100 東レ・ダウコーニング(株)製
(ii)シリコーンオイル:Dowcorning360Medical Fluid(シリコン)−1000 東レ・ダウコーニング(株)製
(iii)ステアリン酸ブチル
(5)過酸化物
(i)パーヘキサ25B 日本油脂製
ホモポリプロピレン(HPP)100重量部に対して、造核剤(A)として、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2―メチルシクロヘキシルアミド)を0.15重量部、中和剤としてDHT−4Aを0.03重量部、ホスファイト系酸化防止剤としてアデガスタブ2112(旭電化工業(株)製)を0.1重量部及びヒンダードアミン系紫外線安定剤としてTINUVIN622LD(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)を0.05重量部配合し、スーパーミキサーでドライブレンドした後、35ミリ径の2軸押出機を用いて溶融混練した。ダイ出口部温度250℃でダイから押し出しペレット化した。得られたペレットを射出成形機により、樹脂温度240℃、射出圧力900kg/cm2及び金型温度40℃で射出成形し、試験片を作成した。得られた試験片を用い、物性を測定した。また、得られたペレットを射出成形機により、樹脂温度240℃、射出圧力900kg/cm2及び金型温度40℃で射出成形し、成形性評価用の成形品(12cm×12cm×2.5mm板上に、厚み1mmの25mm×20mm×20mmの箱型が3×4並んでいる形状)を作成した。得られた成形品を用い、その成形性を測定した。その結果を表1に示す。
プロピレン系重合体、造核剤、中和剤および滑剤を表1及び2に示すもの及び量に代えた以外は、実施例1に準拠して試験片を得、その物性を測定した。その結果を表1及び2に示す。
これに対し、比較例1、2は、造核剤を全く使用していない為、透明性が悪く剛性が低い。比較例3〜5は、造核剤としてNA−11を使用しているが、該造核剤のみでは、透明性が悪く、通常、造核剤の配合量を増せば透明性は向上するものであるが、該造核剤には透明性を向上させる効果はなかった。比較例6、7は、造核剤として、NA−21を使用しているが、該造核剤のみでは、透明性が充分とは言えず、良好な透明性を得ようと配合量を増やすと、第14改正日本薬局方試験に不合格となる。比較例8、9は、造核剤として、HPN68Lを使用しているが、透明性が悪く、配合量を増しても透明性は改良されないどころか、さらに透明性は悪化し、第14改正日本薬局方試験にも不合格となる。比較例10は、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)を0.30重量部配合したものであるが、この配合量であると第14改正日本薬局方試験が合格しなくなる。比較例11は、造核剤として、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)とゲルオールMDを併用したものであるが、この造核剤の組み合わせでは、透明性や結晶化温度が向上しないばかりか、第14改正日本薬局方試験に不合格となる。比較例12、13は、エチレン・プロピレンランダム共重合体に対し、造核剤として、NA−21、HPN68Lを0.20重量部配合したもので、この配合では、第14改正日本薬局方試験は不合格となる。比較例14は本発明の範囲から外れたMFRを有するプロピレン系重合体を使用したもので、該重合体を用いると、本発明で特定する造核剤(A)を用いても、射出成形によってキット製剤が得られなくなる。
プロピレン系重合体および造核剤を表3に示すもの及び量に代えた以外は、実施例1に準拠して試験片および成形品を得、その物性を測定した。その結果を表3に示す。
これに対し、比較例15は、造核剤として、本発明の範囲の造核剤(A)に相当しない造核剤であるゲルオールMDを用いたものであり、この造核剤では、透明性に優れるものの、第14改正日本薬局方試験に不合格となる。薬液を予め充填しない一般的なタイプのディスポーザブルシリンジは、第14改正日本薬局方試験(特にこの中にある121℃で1時間加熱して行う溶出試験)に合格できなくとも使用できるため、比較例15の樹脂組成物は、ディスポーザブルシリンジには用いることができるが、本発明のキット製剤の1形態の予め薬液を充填してなるプレフィルドシリンジには、第14改正日本薬局方試験が不合格では、用いることができない。比較例16は、造核剤(A)に相当する1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド)を0.60重量部配合したものであるが、この配合量であると、透明性は悪化し、第14改正日本薬局方試験が合格しなくなる。比較例17は、造核剤を全く使用していない為、透明性が著しく悪い。
実施例3によって得られたペレットを用いて、射出成形機により、樹脂温度240℃及び金型温度35℃で射出成形し、外径1cm、筒の長さ6.5cm、側面部肉厚1mmのシリンジ(プレフィルドシリンジ)を成形した後、該シリンジ外筒に121℃で20分の高圧蒸気滅菌処理を行った後、該シリンジ外筒の側面部の一部を切りなるべく平らになる様にし、肉厚1mmのヘイズを測定したところ、その値は17%であり、また、この成形品にて第14改正 日本薬局方 一般試験 45.プラスチック製医薬品容器試験法 1.ポリエチレン製又はポリプロピレン製水性注射剤容器の試験を行ったところ、試験項目をすべて満足する事を確認した。本発明のプレフィルドシリンジ用部材は、透明性に優れ、第14改正 日本薬局方 一般試験に合格するものであることがわかる。
Claims (7)
- JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に準拠したメルトフローレートが0.5〜100g/10分であるプロピレン系重合体100重量部に対し、下記一般式(1)で示される造核剤(A)を0.005重量部以上で0.3重量部未満配合した樹脂組成物を用いることを特徴とするキット製剤。
R1(CONHR2)a …(1)
[式中、R1は、炭素数2〜30の飽和若しくは不飽和の脂肪族ポリカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和若しくは不飽和の脂環族ポリカルボン酸残基、又は炭素数6〜18の芳香族ポリカルボン酸残基を表わす。R2は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、又は炭素数3〜46のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基を表わす。aは、2〜6の整数を表す。] - 樹脂組成物に、プロピレン系重合体100重量部に対し、下記一般式(2)で示される造核剤(B)を0.005〜0.3重量部、下記一般式(3)で示される造核剤(C)を0.005〜0.15重量部、もしくは下記式(4)で示される造核剤(D)を0.005〜0.15重量部から成る少なくとも1種の造核剤が配合されていることを特徴とする請求項1に記載のキット製剤。
- 樹脂組成物が、プロピレン系重合体100重量部に対し、滑剤を0.001〜0.5重量部配合されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のキット製剤。
- プロピレン系重合体が、アイソタクチックペンタッド分率が0.90以上であるプロピレン単独重合体、またはプロピレンと他のα−オレフィンとのプロピレン系共重合体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のキット製剤。
- キット製剤がプレフィルドシリンジであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のキット製剤。
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