JPH11138817A - 液体噴射ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents
液体噴射ヘッドおよびその製造方法Info
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Abstract
ンク液滴が吐出される液体噴射記録ヘッドであって、基
板上に、溶解可能な樹脂層よりなるインク流路用のパタ
ーンと共に、流路用パターン上に形成され、オリフィス
プレートとなる被覆樹脂層を平坦にするための土台とな
る溶解可能な樹脂層のパターンを形成し、インク流路用
パターンおよび土台となるパターン上に平坦な樹脂層を
形成した後に、両パターンを構成した溶解可能な樹脂層
をすべて除去してなる液体噴射ヘッドにおいて、製造時
および使用時にゴミの発生が少なく、信頼性の高い同ヘ
ッドの製造方法を提供する。 【解決手段】 土台となった溶解可能な樹脂層を除去す
るために被覆樹脂層に設けられる貫通口を、土台の大き
さよりも充分大きく形成する。
Description
「インクジェット」という)記録方式に用いる記録液
(インク)小滴を発生するためのインクジェット記録ヘ
ッド、およびその製造方法に関する。
ける騒音の発生が無視し得る程度に極めて小さいという
点、また高速記録が可能であり、しかもいわゆる普通紙
に定着可能で、特別な処理を必要とせずに記録が行える
という点で、ここ数年急速に普及しつつある。
吐出エネルギー発生素子が形成された基体に対して、垂
直方向にインク液滴が吐出するものを「サイドシュータ
型記録ヘッド」と称し、本発明は、この種のサイドシュ
ータ型記録ヘッドの構造に関するものである。
10941号公報、特開平4−10942号公報に記載
のインクジェット記録ヘッド(図5)は、発熱抵抗体を
加熱することにより生成した気泡を外気と連通させるこ
とにより、インク液滴を吐出させることを特徴とする。
これらの記録ヘッドにおいては、従来のサイドシュータ
型ヘッドの製造方法(例えば特開昭62−234941
号明細書)では困難であったインク吐出エネルギー発生
素子とオリフィス間の距離を短くすることおよび小液滴
記録を容易に達成することができ、近年の高精細記録へ
の要求に答えることが可能である。これらの発明によっ
て製造されたインクジェット記録ヘッドでは、図9
(a)〜(d)に示すように、溶解可能な樹脂層3をイ
ンク流路となるパターンに形成した基板上に、オリフィ
スプレートとなる被覆樹脂層5’をスピンコートなどに
より塗布するため、溶解可能な樹脂層3の段差パターン
に沿って形成されてしまい、オリフィスプレートの膜厚
に厚い部分と薄い部分とのばらつきが生じる。このよう
な構造からなる記録ヘッドを使用した場合には、オリフ
ィスプレートの膜厚の薄い部分での信頼性が悪くなり記
録ヘッドの寿命を低下させる。更に、インク吐出エネル
ギー発生のための発熱抵抗体1とオリフィス面との距離
によってインクの吐出量が決定されるので高精細記録の
有力な手段の一つである小液滴記録を安定的に行うこと
は、非常に困難となる。
人は、オリフィスプレートを平坦に形成する目的で、溶
解可能な樹脂層で、インク流路パターンの外周部に土台
となるパターンを形成する手法を考案し、先に特許出願
した。この発明では図5(c)に示すように、溶解可能
な樹脂層で形成する土台パターン4と、この土台部4を
除去するための貫通口パターン8を同一寸法幅に形成し
ていた。しかしながら図5(c)のV部、図5(d)の
VI部の模式拡大図である図6(a),(b)および図7
(a),(b)に示すように、溶解可能な樹脂層で形成
する土台4と、オリフィスプレートを形成する被覆樹脂
層5とのパターニング精度にずれが生じた際に、微小突
起部10ができる。この微小突起部は、土台部4の除去
を含む、インクジェット記録ヘッドが完成するまでの全
ての工程、およびインクジェット記録ヘッドとしての使
用を繰り返している期間中に、クラックによってゴミ発
生の原因となる。ここでいう「パターニング精度」と
は、パターン形成幅のばらつきや、パターン形成時の位
置合わせ精度などを含むものである。インクジェット記
録ヘッド内にゴミが発生した場合には、ゴミはインク液
の流れとともに移動し、インク流路内、またはインク吐
出口部に詰まり、インク液滴が記録紙上によれて飛ぶこ
とによる印字ムラや、インク液滴が全く飛ばない不吐出
に至る。
鑑み先願の改良のために成されたものであって、ゴミの
発生が少なく、信頼性の高い、サイドシューター型イン
クジェット記録ヘッドおよびその製造方法を提供するこ
とを目的としている。
明は次のようである。 1.発熱体を有する基板面に対して垂直方向にインク液
滴が吐出される液体噴射記録ヘッドにおいて、前記基板
上に、溶解可能な樹脂層よりなるインク流路用のパター
ンと共に、前記流路用パターン上に形成されるオリフィ
スプレートとなる被覆樹脂層を平坦にするための土台と
なる前記溶解可能な樹脂層のパターンを形成し、前記イ
ンク流路用パターンおよび土台となるパターン上に平坦
な樹脂層を形成した後に、前記両パターンを構成した溶
解可能な樹脂層をすべて除去してなる液体噴射ヘッドで
あって、土台となった前記溶解可能な樹脂層を除去する
ための前記被覆樹脂層に設けられた貫通口が、前記土台
の大きさよりも5μm以上大きいか、または5μm以上
小さく形成されていることを特徴とする液体噴射記録ヘ
ッド。
なる溶解可能な樹脂層のパターンと、その樹脂層上にオ
リフィスプレートとなる被覆樹脂を平坦に形成するため
の土台となる前記溶解可能な樹脂層のパターンとを形成
する工程、(2)前記2つの溶解可能な樹脂層のパター
ン上に、平坦な被覆樹脂層を形成する工程、(3)前記
被覆樹脂層に、インク吐出口を形成する工程、(4)前
記被覆樹脂層に、土台となった溶解可能な樹脂層を除去
するための、土台より充分大きいか、またはかなり小さ
い貫通口を形成する工程、(5)前記基板にインク供給
口を形成する工程、および(6)前記溶解可能な樹脂層
を溶解除去する工程を少くとも含むことを特徴とする上
記1に記載の液体噴射ヘッドの製造方法。
ことを特徴とする上記2に記載の製造方法。
係る実施態様例を詳細に説明する。
(d)は、本発明による液体噴射記録ヘッドの基本的な
製造工程を示すための模式的断面図である。
上に発熱抵抗体(電気熱変換素子)等のインク吐出エネ
ルギー発生素子1を所望の個数配置する。次いでインク
吐出エネルギー発生素子1を含む基板2上に、溶解可能
な樹脂層でインク流路となるパターン3、および土台と
なるパターン4を形成する。溶解可能な樹脂層は、例え
ばドライフィルムのラミネート、レジストのスピンコー
ト等による塗布の後、例えば紫外線、Deep−UV光
による露光・現像などによりパターン形成すればよい。
ペニルケトン(東京応化工業(株)社製ODUR−10
10)をスピンコートにより塗布、乾燥した後、Dee
p−UV光により露光、現像することによりパターン形
成する。
図1および図3の(b)に示すように被覆樹脂層5をス
ピンコート等により形成する。この際、被覆樹脂層5
は、溶解可能な樹脂層からなる土台部4が形成されてい
ることにより、インク流路部3の上面は平坦に形成可能
である。さらにこの被覆樹脂層5にインク吐出口6を形
成する(図1および図3の(c))。前記溶解可能な樹
脂層からなる土台部4を除去するための貫通口パターン
8も同時または異時に同じ手法により形成する。ここで
前記貫通口パターン8の大きさは前記溶解可能な樹脂層
からなる土台部4のパターンよりも充分大きく(図1)
またはかなり小さく(図3)形成することにより、前記
貫通口8のパターニング精度にかなりのずれが生じて
も、ゴミの原因となり得る前述の図6、7に示した微小
突起部10は発生しない。ここに、“充分大きく”およ
び“かなり小さく”とは、前記貫通口8のパターンを土
台部と同等にしたときにおこりうる樹脂層溶解除去後の
貫通口内壁の微小突起をさけるのに充分な程度の大きさ
をいい、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μ
m以上“大きく”および“小さく”なっていればよい。
インク吐出口6および貫通口8の形成は、例えば紫外
線、Deep−UV光などの露光により、形成可能であ
る。より具体的には、ネガ型レジストをスピンコートに
より塗布、乾燥後、紫外線によりパターン露光、現像す
ることで形成する。
のインク供給口7は、基板を化学的にエッチングするこ
とにより形成する。例えば基板2としてSi基板を用
い、KOH、NaOH、TMAHなどの強アルカリ溶液
による異方性エッチングにより形成する(図1,3の
(d))。より具体的な例としては、結晶方位が<11
0>のSi基板上に形成した熱酸化膜をパターニング
し、このSi基板を80℃に加熱温調したTMAH22
%溶液で十数時間エッチングすることにより、インク供
給口7を形成する。
および土台部となるパターンの形成(図1,3の
(a))、またはインク吐出口の形成(図1,3の
(c))前に行うことも可能である。
解可能な樹脂層3および4を、インク吐出口6、インク
供給口7および樹脂層除去のための貫通口8から溶出さ
せることにより、インク流路および発泡室が形成され
る。溶解可能な樹脂層3および4の除去の方法は、De
ep−UV光による全面露光を行った後、現像、乾燥を
行えばよく、必要があれば現像の際、超音波浸漬すれば
十分である。
口8を設けず、土台部4を除去せずに残す場合も考えら
れるが、この場合、前述のODUR−1010は熱変形
温度が110℃であるため、これ以降の硬化工程中など
でのこの温度を超える加熱によりオリフィスプレート部
を変形、破損する可能性が高い。したがって、本構成に
おける溶解可能な樹脂層よりなる土台部の除去工程は必
須である。
板2を、ダイシングソーなどにより分離切断、チップ化
し、そして発熱抵抗体1を駆動するための電気的接合
(図示せず)を行った後、インク供給のためのチップタ
ンク部材を接続して、インクジェット記録ヘッドが完成
する。
の発生による印字品位の低下が極めて少なく、信頼性の
高い、小液滴記録が安定的に可能なインクジェット記録
ヘッドを提供することが可能となる。
もバブルジェット方式の記録ヘッドに適用すると優れた
効果をもたらし、特に先に引用した特開平4−1094
0号公報、特開平4−10941号公報、特開平4−1
0942号公報に記載の方法の記録ヘッドに最適であ
る。これら各公報は、インク吐出エネルギー発生素子
(電気熱変換素子)に、記録情報に対応した駆動信号を
印加し、電気熱変換素子にインクの核沸騰を越える急激
な温度上昇を与える熱エネルギーを発生させ、インク内
に気泡を形成させ、この気泡を外気と連通させてインク
液滴を吐出させるものである。これらの方法では、小イ
ンク液滴(50pl以下)の吐出が可能であり、且つヒ
ータ前方のインク液を吐出させるため、インク液滴の体
積や速度が温度の影響を受けず安定化し、高品位な画像
を得ることができる。
録ができるフルラインタイプの記録ヘッドとして、さら
には記録ヘッドを一体的に、あるいは複数個組み合わせ
たカラー記録ヘッドにも有効である。
るが、これら実施例は本発明を限定するものではない。
示す構成のインクジェット記録ヘッドを、前述の図1
(a)〜(d)に示した手順に従って作製した。この
時、図8(b)のA−A’断面を示したものが図2であ
る。なお、図2の土台部4のYは100μm幅、貫通口
8のXは150μm幅で形成した。作製したインクジェ
ット記録ヘッドにより、純水/ジエチレングリコール/
イソプロピルアルコール酢酸リチウム/黒色染料フード
ブラック2=79.4/15/3/0.1/2.5から
なるインク液を用いて、吐出周波数f=15kHzで印
字記録を行ったところ、非常に高品位な印字が得られ
た。
使用した場合を想定して、60℃のインク雰囲気中に3
ヶ月間保存試験を行った後の記録ヘッドを用いf=15
kHzで印字記録を行った結果、吐出特性に対する悪影
響は全く見られず、良好な印字記録を得ることができ
た。
ヘッドにより同様のインク液を用いてf=15kHzで
印字記録を行ったところ、記録媒体に対してインク液が
まっすぐ飛ばずにヨレによるスジや、設計値通りのイン
ク吐出量が飛翔しないことによるカスレが一部のノズル
で発生し、低品位な印字記録となった。
示す構成のインクジェット記録ヘッドを、前述の図3
(a)〜(d)に示した手順に従って作製した。この
時、図8(b)のA−A’断面を示したものが図4であ
る。なお、図4の土台部4のYは120μm幅、貫通口
8のXは70μm幅で形成した。作製したインクジェッ
ト記録ヘッドにより、純水/ジエチレングリコール/イ
ソプロピルアルコール酢酸リチウム/黒色染料フードブ
ラック2=79.4/15/3/0.1/2.5からな
るインク液を用いて、吐出周波数f=15kHzで印字
記録を行ったところ、非常に高品位な印字が得られた。
さらにこの記録ヘッドを長期間にわたって使用した場合
を想定して、60℃のインク中に3ヶ月間保存試験を行
った後の記録ヘッドを用いf=15kHzで印字記録を
行った結果、吐出特性に対する悪影響は全く見られず、
良好な印字記録を得ることができた。
以下のような効果を挙げることができる。即ち、ゴミの
発生による印字品位の低下が極めて少なく、信頼性の高
い、小液滴記録が安定的に可能なインクジェット記録ヘ
ッドを提供することが可能となる。
程の一例を示す模式的断面図である。
部分を説明する模式的断面図である。
程の他の例を示す模式的断面図である。
部分を説明する模式的断面図である。
示す模式的断面図である。
の一例を説明する模式的断面図である。
の他の例を説明する模式的断面図である。
示す模式的平面図である。
を示す模式的断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 発熱体を有する基板面に対して垂直方向
にインク液滴が吐出される液体噴射記録ヘッドにおい
て、前記基板上に、溶解可能な樹脂層よりなるインク流
路用のパターンと共に、前記流路用パターン上に形成さ
れるオリフィスプレートとなる被覆樹脂層を平坦にする
ための土台となる前記溶解可能な樹脂層のパターンを形
成し、前記インク流路用パターンおよび土台となるパタ
ーン上に平坦な樹脂層を形成した後に、前記両パターン
を構成した溶解可能な樹脂層をすべて除去してなる液体
噴射ヘッドであって、土台となった前記溶解可能な樹脂
層を除去するための前記被覆樹脂層に設けられた貫通口
が、前記土台の大きさよりも5μm以上大きく形成され
ていることを特徴とする液体噴射記録ヘッド。 - 【請求項2】 発熱体を有する基板面に対して垂直方向
にインク液滴が吐出される液体噴射記録ヘッドにおい
て、前記基板上に、溶解可能な樹脂層よりなるインク流
路用のパターンと共に、前記流路用パターン上に形成さ
れオリフィスプレートとなる被覆樹脂層を平坦にするた
めの土台となる前記溶解可能な樹脂層のパターンを形成
し、前記インク流路用パターンおよび土台となるパター
ン上に平坦な樹脂層を形成した後に、前記両パターンを
構成した溶解可能な樹脂層をすべて除去してなる液体噴
射ヘッドであって、土台となった前記溶解可能な樹脂層
を除去するための前記被覆樹脂層に設けられた貫通口
が、前記土台の大きさよりも5μm以上小さく形成され
ていることを特徴とする液体噴射記録ヘッド。 - 【請求項3】 下記工程 (1)発熱抵抗体が形成された基板上に、インク流路と
なる溶解可能な樹脂層のパターンと、その樹脂層上にオ
リフィスプレートとなる被覆樹脂を平坦に形成するため
の土台となる前記溶解可能な樹脂層のパターンとを形成
する工程、(2)前記2つの溶解可能な樹脂層のパター
ン上に、平坦な被覆樹脂層を形成する工程、(3)前記
被覆樹脂層に、インク吐出口を形成する工程、(4)前
記被覆樹脂層に、土台となった溶解可能な樹脂層を除去
するための、土台より充分大きい貫通口を形成する工
程、(5)前記基板にインク供給口を形成する工程、お
よび(6)前記溶解可能な樹脂層を溶解除去する工程を
少くとも含むことを特徴とする請求項1に記載の液体噴
射ヘッドの製造方法。 - 【請求項4】 下記工程 (1)発熱抵抗体が形成された基板上に、インク流路と
なる溶解可能な樹脂層のパターンと、その樹脂層上にオ
リフィスプレートとなる被覆樹脂を平坦に形成するため
の土台となる前記溶解可能な樹脂層のパターンとを形成
する工程、(2)前記2つの溶解可能な樹脂層のパター
ン上に、平坦な被覆樹脂層を形成する工程、(3)前記
被覆樹脂層に、インク吐出口を形成する工程、(4)前
記被覆樹脂層に、土台となった溶解可能な樹脂層を除去
するための、土台よりかなり小さい貫通口を形成する工
程、(5)前記基板にインク供給口を形成する工程、お
よび(6)前記溶解可能な樹脂層を溶解除去する工程を
少くとも含むことを特徴とする請求項2に記載の液体噴
射ヘッドの製造方法。 - 【請求項5】 工程(3)および(4)を同時に行うこ
とを特徴とする請求項3または4に記載の製造方法。
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JP31227597A JP3413082B2 (ja) | 1997-11-13 | 1997-11-13 | 液体噴射ヘッドおよびその製造方法 |
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JP31227597A Expired - Fee Related JP3413082B2 (ja) | 1997-11-13 | 1997-11-13 | 液体噴射ヘッドおよびその製造方法 |
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