JPH05124208A - 液体噴射記録ヘツドの製造方法および液体噴射記録ヘツド - Google Patents

液体噴射記録ヘツドの製造方法および液体噴射記録ヘツド

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JPH05124208A
JPH05124208A JP29174191A JP29174191A JPH05124208A JP H05124208 A JPH05124208 A JP H05124208A JP 29174191 A JP29174191 A JP 29174191A JP 29174191 A JP29174191 A JP 29174191A JP H05124208 A JPH05124208 A JP H05124208A
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JP29174191A
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Hiroaki Toshima
博彰 戸島
Masashi Miyagawa
昌士 宮川
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インクを安定して吐出させるために、段差構
造を有したインク流路を自由な形状でかつ容易に作成で
きる液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供する。 【構成】 インク流路10と吐出口11とが形成される位置
の基板1上に、除去可能層5を積層し(A)、除去可能層5の
表面の段差部3に対応しない部分にマスク層8を設ける
(B)。マスク層8を介して、マスク層8で覆われていない
部分の除去可能層5を選択的に一部分除去し、マスク層8
の形状に応じた段差を除去可能層5の表面に設ける(C)。
除去可能層5およびマスク層8を覆うように基板1の表面
に硬化性樹脂を塗布し、さらにインク供給口の設けられ
たガラス板7を貼り合わせ、前記硬化性樹脂を硬化させ
て被覆樹脂層4とし(D)、残存している除去可能層5とマ
スク層8とを除去してインク流路10を開通させる(E)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吐出口に連通するイン
ク流路と、該インク流路に対応して配置されインクを前
記吐出口から吐出するために利用されるエネルギーを発
生するエネルギー発生素子とを有する液体噴射記録ヘッ
ドの製造方法と、この製造方法によって製造された液体
噴射記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法(液体噴射記録
方法)で用いられる液体噴射記録ヘッドは、一般に、イ
ンクが吐出する微細な吐出口に連通するインク流路、イ
ンク流路内に配置されインクを吐出するためのエネルギ
ーを発生するエネルギー発生素子とを備えている。エネ
ルギー発生素子としては、圧電素子や電気熱変換体など
が使用される。
【0003】従来このような液体噴射記録ヘッドは、例
えばガラスや金属などの板を用い、この板に切削やエッ
チングなどの加工を施してインク流路に相当する微細な
溝を形成し、この板と所定の位置にエネルギー発生素子
を予め設けた別の板とを位置合わせして貼り合わせるこ
とによって製造されていた。この場合、インク流路に対
応する溝の末端であって外部に開口しているところが吐
出口となる。しかしながらこの従来の液体噴射記録ヘッ
ドでは、インク流路に対応する溝を切削加工で形成する
場合に溝の内壁面の荒れが大きくなりすぎたり、エッチ
ングでこの溝を形成する場合にエッチング率の差によっ
て溝に歪みが生じたりして、流れ抵抗が一定であるイン
ク流路が得難く、記録特性にばらつきが出やすいという
問題点があった。また、エッチングでインク流路に対応
する溝を形成する場合には、工程数が多いので、製造コ
ストの上昇を招きやすい。さらに、2枚の板を貼り合わ
せるときに、一方の板に設けられた溝と他方の板に設け
られたエネルギー発生素子とを正確に位置合わせするこ
とが困難であって、量産性に欠けるという問題点もあ
る。
【0004】そこで、特開昭62-154947号公報に開示さ
れているように、予め吐出エネルギー発生素子の形成さ
れている基板を用い、この基板上のインク流路が形成さ
れるべき位置に、フォトリソグラフィーなどによって、
除去可能な部材からなる層を設け、この層を覆うように
して前記基板上に樹脂層を設け、そののち前記除去可能
な部材からなる層を除去する方法が考え出された。イン
ク流路が前記除去可能な部材からなる層を除去すること
によって形成されるので、この方法を用いることによ
り、少ない工程数で、位置合わせの困難さやインク流路
の流れ抵抗のばらつきといった問題点を解決することが
可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】液体噴射記録ヘッドの
特性を大きく左右する因子として、エネルギー発生素子
と吐出口との位置関係、吐出口およびインク流路の内部
構造などがある。これは、吐出するインク液滴の体積、
速度および吐出方向が、前記位置関係、インク流路の流
れ抵抗やインクの重量などによって決定されるためであ
る。このうち流れ抵抗に関する因子としては、吐出口お
よびインク流路の内部構造が最も重要である。この吐出
口およびインク流路の内部構造について検討したとこ
ろ、インク流路の一部に段差を設けることにより、イン
クの吐出速度や吐出方向を制御でき、インクを安定して
吐出できることがわかっている。
【0006】しかしながら、切削やエッチングによって
インク流路が形成される上述の液体噴射記録ヘッドで
は、インク流路内の内部構造を制御することは困難であ
り、特に段差構造を設けることは不可能である。また、
前述した特開昭62-253457号に記載されたような液体噴
射記録ヘッドにおいても、通常、除去可能な部材からな
る層の厚さは一定であるから、インク流路内の内部構造
とりわけ段差構造を設けることは困難である。
【0007】本発明の目的は、インクを安定して吐出さ
せるために、段差構造を有するインク流路を自由な形状
でかつ容易に作成できる液体噴射記録ヘッドの製造方法
と、この製造方法によって製造される液体噴射記録ヘッ
ドを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の液体噴射記録ヘ
ッドの製造方法は、エネルギー発生素子が設けられた基
板上に、インク流路が形成される位置に対応させて除去
可能層を積層する工程と、前記除去可能層の表面の一部
にマスク層を設ける工程と、前記マスク層を介して前記
マスク層で覆われていない部位の前記除去可能層を選択
的に一部分除去し、前記マスク層の形状に応じた段差を
前記除去可能層の表面に設ける選択的除去工程と、前記
除去可能層および前記マスク層を覆うように前記基板の
表面に被覆層を設ける工程と、残存している前記除去可
能層を除去する除去工程とを有する。
【0009】また本発明の液体噴射記録ヘッドは、上記
の本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法によって製造
される。
【0010】
【作用】インク流路に対応する除去可能層を積層し、こ
の除去可能層の表面の一部にマスク層を設け、マスク層
を介してこのマスク層で覆われていない部分の前記除去
可能層を選択的に一部分除去するので、マスク層の形状
に応じた段差が除去可能層の表面に設けられることにな
る。そののち除去可能層およびマスク層を覆うように基
板の表面に被覆層を設け、残存している除去可能層を除
去すれば、除去可能層の表面の段差構造が被覆層に転写
され、この段差構造を有するインク流路が形成されるこ
とになる。この場合、マスク層のパターン(2次元的形
状)を制御することにより、段差構造の2次元的な形状
を制御することができ、選択的除去工程での除去条件、
例えば除去時間などを制御することにより、段差構造の
高さを制御することができる。
【0011】選択的除去工程において形成される段差の
形状をより厳密に規制するため、除去可能層を複数の層
が積層されたものとし、選択的除去工程で用いられる除
去条件下でのこれら複数の層の除去速度が相互に異なる
ようにするとよい。このようにすれば、前記複数の層の
相互間の界面で除去速度が変わることにより、多少の除
去条件の変動や場所によるばらつきなどがあっても、こ
の界面で選択的除去工程における除去を正確に終らせる
ことができ、段差構造の形状の高さを正確に制御するこ
とができる。また、除去工程においてマスク層も除去す
るようにしてもよい。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。図1はインク流路に段差構造を有する液
体噴射記録ヘッドの、吐出口およびインク流路の形状を
示す要部斜視図、図2(A)〜(E)は、それぞれ本発明の一
実施例の液体噴射記録ヘッドの製造方法の原理を説明す
る図、図3〜5はそれぞれ実施例1〜3における液体噴
射記録ヘッドの製造方法を説明する図である。
【0013】図1に示すように、この液体噴射記録ヘッ
ドでは、基板1の表面の所定の位置に、エネルギー発生
素子2が所望の個数配置されている。基板1は、後述す
るように、インク流路10の底壁を構成するとともに、
インク流路10や吐出口11が一体形成された構成部材
である被覆樹脂層4の支持体としても機能し得るもので
ある。基板1の材料は特に限定されるものではなく、ガ
ラス、金属、セラミックスなどが適宜使用される。エネ
ルギー発生素子2は、吐出口11から吐出するためのエ
ネルギーをインクに与えるものであって、例えば電気熱
変換体、圧電素子などからなる。ちなみに、エネルギー
発生素子2として電気熱変換体を使用した場合、この素
子が近傍のインクを加熱することにより吐出エネルギー
がインクに与えられ、インクが発泡してインク液滴が吐
出する。圧電素子を使用した場合には、この素子の機械
的振動によって吐出エネルギーがインクに与えられる。
エネルギー発生素子2には、これら素子を動作させるた
めの駆動信号が入力する電極(不図示)が接続されてい
る。また、エネルギー発生素子2の耐久性を向上させる
ために、保護層などの各種の機能層が設けられるが、本
発明においてもこのような機能層を設けることは一向に
差し支えない。
【0014】エネルギー発生素子2に対応してインク流
路10が設けられ、インク流路10の底部にエネルギー
発生素子2が配置されるようになっている。インク流路
10の一端は外部に開口しており、これが吐出口11と
なる。吐出口11に近接する部分において、インク流路
10の上壁の一部が下方に突出して段差部3となってお
り、このため吐出口11の断面は凹字型となっている。
一方、液体噴射記録ヘッドの内部側、例えばエネルギー
発生素子2の設けられたあたりにおいて、インク流路1
0の断面は長方形である。インク流路10の他端は、イ
ンクを一時的に貯える液室(不図示)に連通しており、
この液室には、外部からインクを液室に供給するための
インク供給口(不図示)が設けられている。
【0015】吐出口11およびこれに連通するインク流
路10は、1個の液体噴射記録ヘッドにつき所望の個数
設けることができ、例えば16個/mmといった高密度
で128個もしくは256個さらにそれ以上の個数形成
することができ、さらに被記録媒体の記録領域の全幅に
わたるだけの数を形成してフルラインタイプとすること
もできる。
【0016】次に、このインクジェット記録ヘッドの動
作について説明する。記録用の液体であるインクは、図
示しない液体貯蔵室からインク供給口(不図示)を通っ
て液室(不図示)に供給される。液室内に供給されたイ
ンクは、毛管現象により、インク流路10内に供給さ
れ、インク流路10の先端にある吐出口11でメニスカ
スを形成することにより安定に保持される。ここでエネ
ルギー発生素子2を図示しない駆動手段で駆動すること
により、吐出エネルギーがインクに印加され、その吐出
エネルギーの作用によりインクが吐出口11から吐出
し、記録が行なわれる。
【0017】次に、本発明によってこの液体噴射記録ヘ
ッドの製造する実施例について、図2(A)〜(E)を用いて
説明する。
【0018】まず、図2(A)に示すように、予めエネル
ギー発生素子2の形成された基板1を用い、この基板1
上のインク流路10と吐出口11とになるべき位置に、
溶解可能な樹脂からなる除去可能層5を積層する。除去
可能層5はインク流路10の形状にしたがってパターニ
ングされていることになる。この除去可能層5の材質
は、後述する選択的除去工程および除去工程で除去でき
るものであれば特に限定されるものではなく、樹脂の
他、無機質膜や、樹脂と無機質との混合膜なども使用す
ることができる。
【0019】続いて、図2(B)に示すように、この除去
可能層5の上面の一部にマスク層8を積層する。マスク
層8は、インク流路10の上壁の段差部3となるべき位
置には設けず、段差部3以外となるべき位置には設けら
れるようにする。すなわち、マスク層8は、段差部3の
2次元的配置にしたがってパターニングされることにな
る。なお、後述する選択的除去工程での除去方法が、除
去可能層5を横方向にも腐食除去するようなものである
とき(例えば等方性エッチングの場合)には、除去可能
層5の側面にもマスク層8を設け、除去可能層5の側面
がエッチングなどされないように保護する必要がある。
【0020】次に、図2(C)に示すように、マスク層8
を介して除去可能層5を選択的に一部分除去する(選択
的除去工程)。このとき用いられる除去方法としては、
例えば、プラズマエッチング、イオンエッチング、リア
クティブイオンエッチング、湿式エッチングあるいは除
去可能層5のみを溶解する溶液に浸漬する方法などがあ
る。インク流路10に形成されるべき段差部3の形状を
厳密に制御し、図1に示すように段差部3が直方体形状
となるようにするためには、リアクティブイオンエッチ
ングなどの異方性エッチングを用いることが望ましい。
【0021】そして、図2(D)に示すように、硬化性の
樹脂からなる被覆樹脂層4を基板1上に塗布して除去可
能層5とマスク層8とを被覆し、インク供給口(不図
示)が設けられガラス板7を被覆樹脂層4に貼り合わ
せ、被覆樹脂層4を硬化させる。このとき、インク流路
10に連通する液室(不図示)が同時に形成されるよう
にする。液室を形成する方法としては、液室となる部位
には被覆樹脂層4を塗布しない、あるいは液室となる部
分にも被覆樹脂層4を塗布するがこの部分のみを選択的
に未硬化の状態のままにしてこの未硬化の被覆樹脂層4
を除去するなどの方法がある。もちろん、ガラス板7に
設けられたインク供給口は液室に連通するようになって
いる。被覆樹脂層4は、硬化後においてこの液体噴射記
録ヘッドの構成部材となるから、高い機械的強度、耐熱
性、基板1に対する密着性およびインクに対する耐性や
インクを変質させないなどの特性が要求される。また、
被覆樹脂層4を設ける工程で除去可能層5やマスク層8
が変形してはならないから、被覆樹脂層4と除去可能層
5やマスク層8とは相溶でないことが好ましい。すなわ
ち、除去可能層5やマスク層8が極性溶媒に可溶性のも
のであるときは、被覆樹脂層4としては極性が極力小さ
いものを用いることが望ましく、逆に除去可能層5やマ
スク層8が非極性溶媒に可溶性のものであるときは、被
覆樹脂層4としては極性を有するものを用いることが望
ましい。
【0022】被覆樹脂層4が硬化したのち、図2(E)に
示すように、除去可能層5とマスク層8とを除去する
(除去工程)。除去の方法としては、例えば、除去可能
層5とマスク層8とを溶解または膨潤あるいは剥離する
液体中に浸漬して除去する方法などが好ましいものとし
て挙げられる。この際、必要に応じて、超音波処理、ス
プレー、加熱、攪拌、振とう、加圧循環やその他の除去
促進手段を用いることも可能である。また、除去可能層
5とマスク層8を同時に除去するのではなく、一方を除
去したのちに他方を除去することも可能である。さら
に、マスク層8がインク流路10に残存していても吐出
特性や耐久性に問題が生じない場合には、除去可能層5
のみを除去してマスク層8を除去しないことも可能であ
る。
【0023】以上のようにして、インク流路10に段差
部3が形成されている液体噴射記録ヘッドが製造され
る。もちろん、段差部3の位置は、ここではインク流路
10の先端部すなわち吐出口11に近接したものあった
が、必ずしもインク流路10で先端部でなくてもよい。
また、段差部3の形状も直方体である必要はない。さら
に、除去可能層5を複数の層を積層させた構造とするこ
ともできる。複数の層を積層させた構造とした場合、選
択的除去工程での除去条件下での除去速度を比較したと
きに、一番上の層が他の層よりも格段に除去速度が大き
くなるように各層を構成する材料を選択するとよい。こ
のように各層を選択すれば、一番上の層と二番目の層と
の界面で、選択的除去工程における除去可能層5の選択
的除去が実質的に停止し、除去条件の変動や場所による
ばらつきによらず、形成される段差部3の高さを正確に
規制することができるようになる。
【0024】次に、本実施例の液体噴射記録ヘッドの製
造方法によって実際に液体噴射記録ヘッドを作成した例
について説明する。 [実施例1]マスク層8として金属膜を使用し、除去可
能層5を第1の層(下層)5aと第2の層(上層)5b
からなる2層構造とした例である。予めエネルギー発生
素子が形成されているシリコンウェハーを基板1として
用いた。
【0025】まず、除去可能層5の第1の層5aとして
は厚さ15μmのヘキスト社製ポジ型フォトレジストA
Z4903を用い、第2の層5bとしては厚さ5μmの
東京応化社製ポジ型フォトレジストOFPR83を用
い、これら各ポジ型フォトレジストを基板1の全面にス
ピンコータを用いて順次塗布して積層し、90℃10分
間のプリベークを行ない、そののち露光、現像すること
により、除去可能層5を基板1の吐出口とインク流路1
0となるべき位置に形成した(図3(A))。
【0026】次に、この除去可能層5の形成された基板
1の表面に、スパッタリングによって厚さ50nmのア
ルミニウム膜6を堆積させた(図3(B))。スパッタリ
ングではなく、蒸着法などによって堆積させてもよい。
堆積されたアルミニウム膜6の表面に、厚さ0.5μm
のポジ型フォトレジスト膜(東京応化社製OFPR8
3)を塗布して形成し、露光、現像して、インク流路1
0の段差部3に対応する位置のポジ型フォトレジスト膜
を除去し、インク流路10であって段差部3でない部分
に対応するポジ型フォトレジスト膜が残るようにした。
なお、インク流路10が存在しない部分、すなわち基板
1にアルミニウム膜6が直接積層されている部分につい
てはポジ型フォトレジスト膜が残らないようにした。そ
して、このポジ型フォトレジスト膜を介してアルミニウ
ム膜6をエッチングした。エッチングには、リン酸、硝
酸、酢酸の混酸溶液を用いた。その結果、除去可能層5
のうち、インク流路10の段差部3に相当する部位には
アルミニウム膜6が残存せず、インク流路10のその他
の部分に相当する部位にはアルミニウム膜6が残ったま
まとなり、すなわちアルミニウム膜6がパターニングさ
れてこのアルミニウム膜6からなるマスク層8が形成さ
れたことになる(図3(C))。なお、アルミニウム膜6
のうち基板1に直接積層されていた部分は、除去されて
いる。
【0027】もちろん、マスク層8をアルミニウム以外
の金属、例えば金、銅、ニッケルクロム、タングステン
などによって形成しても差し支えない。ここでは、図3
(C)に示すように、除去可能層5の側面にもマスク層8
が形成されているが、選択的除去工程での除去方法が異
方性エッチングである場合には、除去可能層5の側面に
はマスク層8を形成しておく必要はない。
【0028】次に選択的除去工程を行なった。この選択
的除去工程は、マスク層8まで形成されたこの基板1を
リアクティブイオンエッチング装置に装着し、酸素ガス
を導入しながら、マスク層8を介して、除去可能層5の
第2の層5bのみを選択的にリアクティブエッチングに
よって除去するものである(図3(D))。リアクティブ
エッチングは異方性エッチングであり、酸素を導入した
リアクティブエッチングにおいてはアルミニウム膜から
なるマスク層8は侵されないから、マスク層8の設けら
れていない部分のみが垂直にエッチング除去され、除去
可能層5の断面が凹の字形となる。除去可能層5の第1
の層5aと第2の層5bの界面で、選択的除去工程の進
行が正確に打ち切られるようにするため、リアクティブ
エッチングでの除去速度に関して、第2の層5bの除去
速度≫第1の層5aの除去速度なる関係が成立するよ
う、第1および第2の層5a、5bの材質を選択する必
要がある。上述した各ポジ型フォトレジストはこの関係
を満たしている。
【0029】続いて、選択的除去工程を行なった後の基
板1の表面に、液状の硬化性樹脂をスピンナーによって
100μmの厚さに塗布し、インク供給口を設けたガラ
ス板7と貼り合わせ、130℃で10分間熱硬化させて
被覆樹脂層4を形成した(図3(E))。硬化性樹脂とし
ては、エポキシ樹脂を主剤とし感光剤を添加した樹脂を
用いた。感光剤は液室をフォトリソグラフィで形成する
ために添加されたものであり、この液室は、ガラス板7
を貼り合わせた後、この硬化性樹脂を露光、現像するこ
とによって形成される。
【0030】最後に、除去可能層5を構成する2種類の
フォトレジストをエタノール中で10分間の超音波洗浄
を行なうことにより除去し、さらに、アルミニウムをエ
ッチングする溶液を用いて、アルミニウム膜からなるマ
スク層8をエッチング、除去した。その結果、吐出口に
近接して段差部3が設けられているインク流路10が開
通し、液体噴射記録ヘッドが完成したことになる(図3
(F))。 [実施例2]マスク層8として樹脂層を使用し、除去可
能層5を実施例1と同様に2層構造とした例である。
【0031】予めエネルギー発生素子が形成されている
シリコンウェハーを基板1として用い、実施例1と同様
にして、厚さ15μmのヘキスト社製ポジ型フォトレジ
ストAZ4903からなる第1の層5aと厚さ5μmの
東京応化社製ポジ型フォトレジストOFPR83からな
る第2の層5bとの2層構造である除去可能層5を基板
1の吐出口とインク流路10となるべき位置に形成した
(図4(A))。そしてこの除去可能層5の表面に、スク
リーン印刷によって樹脂からなるマスク層8を形成し
た。もちろん段差部3に対応する部分にはマスク層8が
設けられないようにしておく(図4(B))。ここでは印
刷性などを考慮して、マスク層8として厚さ10μmの
Amicom社製のc990なる銀ペーストを使用し
た。マスク層8を構成する樹脂としては、これに限られ
るものではない。
【0032】次に、実施例1と同様に、リアクティブイ
オンエッチングによって選択的除去工程を行ない、マス
ク層8を介して、第2の層5bのみを選択的に除去した
(図4(C))。このとき、マスク層8がリアクティブイ
オンエッチングで侵食されないようにするため、このと
きの除去条件において、第2の層5bの除去速度≫第1
の層5aの除去速度≫マスク層8の除去速度なる関係が
成立するよう、第1および第2の層5a、5bとマスク
層8を構成する各樹脂の材質を選択する必要がある。上
述した各ポジ型フォトレジストと銀ペーストをそれぞれ
用いた第1および第2の層5a、5bとマスク層8は、
この関係を満たしている。この選択的除去工程の結果、
マスク層8の設けられていない部分の第2の層5bのみ
が垂直方向にエッチングされ、除去可能層5の断面が凹
の字形となる。
【0033】続いて、選択的除去工程を行なった後の基
板1の表面に、実施例1と同様にして、液状の硬化性樹
脂を塗布し、インク供給口を設けたガラス板7と貼り合
わせ、液室が設けられた被覆樹脂層4を形成した(図4
(D))。最後に、2種類のレジストからなる除去可能層
5と樹脂からなるマスク層8とをアセトン中で10分間
の超音波洗浄を行なうことにより除去した。その結果、
吐出口に近接して段差部3が設けられているインク流路
10が開通し、液体噴射記録ヘッドが完成したことにな
る(図4(E))。この実施例2では、マスク層8を印刷
によって形成するため、より容易にインク流路10に段
差部3を設けることができる。 [実施例3]樹脂からなる第1の層(下層)5aと第2
の層(上層)5b、および無機物質からなり第1の層5
aと第2の層5bとにはさまれた無機質層5cとからな
る3層構造の除去可能層5を使用した例である。マスク
層8としては、金属膜を用いた。
【0034】予めエネルギー発生素子が形成されている
シリコンウェハーを基板1として用い、この基板1の上
にスピンコータを用いて厚さ15μmのヘキスト社製ポ
ジ型フォトレジストAZ4903を塗布し、90℃10
分間のプリベークの後、露光、現像して、インク流路1
0および吐出口となるべき位置にパターン形成して、除
去可能層5の第1の層5aを形成した。そして第1の層
5aを形成した基板1の全面に、スパッタリングによっ
て厚さ500nmの第1のアルミニウム膜9aを形成し
た(図5(A))。続いて、この第1のアルミニウム膜9
aの表面にスピンコータを用いて厚さ5μmの東京応化
社製ポジ型フォトレジストOFPR83を塗布し、90
℃10分間のプリベークの後、露光、現像して第1の層
5bと一致するようにパターン形成し、第2の層5bを
形成した(図3(B))。さらに、第2の層5bまでが形
成された基板1の全面に、スパッタリングによって厚さ
500nmの第2のアルミニウム膜9bを形成した(図
5(C))。
【0035】次に、堆積された第2のアルミニウム膜9
bの表面に厚さ0.5μmのポジ型フォトレジスト膜
(東京応化社製OFPR83)を塗布して形成し、露
光、現像して、インク流路10の段差部3に対応する位
置のポジ型フォトレジスト膜を除去し、インク流路10
であって段差部3でない部分に対応するポジ型フォトレ
ジスト膜が残るようにした。なお、インク流路10が存
在しない部分、すなわち基板1に第1および第2のアル
ミニウム膜9a,9bが直接積層されている部分につい
てはポジ型フォトレジスト膜が残らないようにした。そ
して、このポジ型フォトレジスト膜を介して各アルミニ
ウム膜9a,9bをエッチングした。エッチングには、
リン酸、硝酸、酢酸の混酸溶液を用いた。その結果、除
去可能層5のうち、インク流路10の段差部3に相当す
る部位には第2のアルミニウム膜9bが残らず、インク
流路10のその他の部分に相当する部位には第2のアル
ミニウム膜9bが残って、すなわち第2のアルミニウム
膜9bがパターニングされてこの第2のアルミニウム膜
9bからなるマスク層8が形成されたことになる(図4
(D))。また、第1の層5aと第2の層5bにはさまれ
た部分の第1のアルミニウム膜9aは残り、除去可能層
5の無機質膜5cとなる。基板1に直接積層していた部
分の各アルミニウム膜5a,5bは除去されている。な
お、ここでは除去可能層5の側面にはアルミニウム膜が
残らないようにしているが、この側面にもアルミニウム
膜を残しておいてもよい。
【0036】次に、実施例1と同様にして、リアクティ
ブイオンエッチングによる選択的除去工程を行ない、マ
スク層8を介して、除去可能層5の第2の層5bのみを
選択的に除去した(図5(E))。このとき、除去可能層
5の第1の層5aと第2の層5bとの間にはアルミニウ
ムからなる無機質層5cが設けられており、この無機質
層5cはリアクティブイオンエッチングではエッチング
されないので、リアクティブイオンエッチングでは第2
の層5bのみが除去されることになる。したがって、第
2の層5bのマスク層8の設けられていない部分のみが
垂直にエッチング除去され、除去可能層5の断面が凹の
字形となる。
【0037】続いて、選択的除去工程を行なった後の基
板1の表面に、実施例1と同様にして、液状の硬化性樹
脂を塗布し、インク供給口を設けたガラス板7と貼り合
わせ、液室が設けられた被覆樹脂層4を形成した(図5
(F))。最後に、フォトレジストからなる第1の層5a
と第2の層5bとをエタノール中で10分間の超音波洗
浄を行なうことにより除去し、さらに、アルミニウムを
エッチングする溶液を用いて、アルミニウムからなる無
機質層5cとマスク層8とをエッチング、除去した。こ
れにより、除去可能層5とマスク層8とが除去され、吐
出口に近接して段差部3が設けられているインク流路1
0が開通し、液体噴射記録ヘッドが完成したことになる
(図5(G))。この実施例3では、選択的除去工程では
除去されない層すなわち無機質層5cを除去可能層5中
に積層していることになるので、この除去されない層で
選択的除去工程における除去の進行を完全に制御するこ
とができ、段差部3の形状をより精密に制御することが
可能となる。
【0038】図6は本発明により得られた記録ヘッドを
インクジェットヘッドカートリッジ(IJC)として装
着したインクジェット記録装置(IJRA)の一例を示
す外観斜視図である。
【0039】図6において、20はプラテン24上に送
紙されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を行
うノズル群を具えたインクジェットヘッドカートリッジ
(IJC)である。16はIJC20を保持するキャリ
ッジHCであり、駆動モータ17の駆動力を伝達する駆
動ベルト18の一部と連結し、互いに平行に配設された
2本のガイドシャフト19Aおよび19Bと摺動可能と
することにより、IJC20の記録紙の全幅にわたる往
復移動が可能となる。
【0040】26はヘッド回復装置であり、IJC20
の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向する
位置に配設される。伝動機構23を介したモータ22の
駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せしめ、I
JC20のキャッピングを行う。このヘッド回復装置2
6のキャップ部26AによるIJC20へのキャッピン
グに関連させて、ヘッド回復装置26内に設けた適宜の
吸引手段によるインク吸引もしくはIJC20へのイン
ク供給経路に設けた適宜の加圧手段によるインク圧送を
行い、インクを吐出口より強制的に排出させることによ
りノズル内の増粘インクを除去する等の吐出回復処理を
行う。また、記録終了時等にキャッピングを施すことに
よりIJCが保護される。
【0041】30はヘッド回復装置26の側面に配設さ
れ、シリコンゴムで形成されるワイピング部材としての
ブレードである。ブレード30はブレード保持部材30
Aにカンチレバー形態で保持され、ヘッド回復装置26
と同様、モータ22および伝動機構23によって動作
し、IJC20の吐出面との係合が可能となる。これに
より、IJC20の記録動作における適切なタイミング
で、あるいはヘッド回復装置26を用いた吐出回復処理
後に、ブレード30をIJC20の移動経路中に突出さ
せ、IJC20の移動動作に伴ってIJC20の吐出面
における結露、濡れあるいは塵埃等をふきとるものであ
る。
【0042】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも、熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記
録を行うインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録装
置において、優れた効果をもたらすものである。
【0043】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行うものが好ましい。この記録方式
はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいず
れにも適用可能である。
【0044】この記録方式を簡単に説明すると、液体
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液体
(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じるよ
うな急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆
動信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。こ
のように液体(インク)から電気熱変換体に付与する駆
動信号に一対一対応した気泡を形成できるため、特にオ
ンデマンド型の記録法には有効である。この気泡の成
長、収縮により吐出孔を介して液体(インク)を吐出さ
せて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号を
パルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行わ
れるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が
達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号と
しては、米国特許第4463359号明細書、同第43
45262号明細書に記載されているようなものが適し
ている。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明
の米国特許第4313124号明細書に記載されている
条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができ
る。
【0045】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出孔、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路または直角液流
路)の他に、米国特許第4558333号明細書、米国
特許第4459600号明細書に開示されているよう
に、熱作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つも
のも本発明に含まれる。
【0046】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出孔とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成においても本発明は有効である。
【0047】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅
に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがあ
る。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示さ
れているような記録ヘッドを複数組み合わせることによ
ってフルライン構成にしたものや、一体的に形成された
一個のフルライン記録ヘッドであっても良い。
【0048】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0049】また、本発明の記録装置に、記録ヘッドに
対する回復手段や、予備的な補助手段等を付加すること
は、本発明の記録装置を一層安定にすることができるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニング
手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこ
れとは別の加熱素子、あるいはこれらの組み合わせによ
る予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モー
ドを行う手段を付加することも安定した記録を行うため
に有効である。
【0050】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個を組み合わせ
て構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0051】以上説明した本発明実施例においては、液
体インクを用いて説明しているが、本発明では室温で固
体状であるインクであっても、室温で軟化状態となるイ
ンクであっても用いることができる。上述のインクジェ
ット装置ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものであれば良い。
【0052】加えて、熱エネルギーによるヘッドやイン
クの過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に
防止するかまたは、インクの蒸発防止を目的として放置
状態で固化するインクを用いることもできる。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化してインク液状として吐出するものや記録媒
体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質を
持つインクの使用も本発明には適用可能である。
【0053】このようなインクは、特開昭54−568
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されるような、多孔質シートの凹部または貫通孔に液
状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体
に対して対向するような形態としても良い。
【0054】本発明において、上述した各インクに対し
て最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するも
のである。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、インク流
路と吐出口とに対応する除去可能層を積層し、この除去
可能層の表面の一部にマスク層を設け、マスク層を介し
て、このマスク層で覆われていない部分の前記除去可能
層を選択的に一部分除去し、そののち被覆層を設けるこ
とにより、マスク層の形状に対応した段差構造を有する
インク流路を形成することができ、液体噴射記録ヘッド
の製造において、インクを安定して吐出させるための段
差構造を有したインク流路を自由な形状でかつ容易に作
成できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体噴射記録ヘッドの吐出口とインク流路の形
状を示す要部斜視図である。
【図2】(A)〜(E)は、それぞれ本発明の一実施例の液体
噴射記録ヘッドの製造方法の原理を説明する図である。
【図3】(A)〜(F)は、それぞれ実施例1における液体噴
射記録ヘッドの製造方法を説明する図である。
【図4】(A)〜(E)は、それぞれ実施例2における液体噴
射記録ヘッドの製造方法を説明する図である。
【図5】(A)〜(G)は、それぞれ実施例3における液体噴
射記録ヘッドの製造方法を説明する図である。
【図6】本発明に係る液体噴射記録ヘッドを備えた記録
装置の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基板 2 エネルギー発生素子 3 段差部 4 被覆樹脂層 5 除去可能層 5a 第1の層 5b 第2の層 5c 無機質層 6,9a,9b アルミニウム膜 7 ガラス板 8 マスク層 10 インク流路 11 吐出口

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出口に連通するインク流路と、該イン
    ク流路に対応して配置されインクを前記吐出口から吐出
    するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー
    発生素子とを有する液体噴射記録ヘッドの製造方法にお
    いて、 前記エネルギー発生素子が設けられた基板上に、前記イ
    ンク流路が形成される位置に対応させて除去可能層を積
    層する工程と、 前記除去可能層の表面の一部にマスク層を設ける工程
    と、 前記マスク層を介して前記マスク層で覆われていない部
    位の前記除去可能層を選択的に一部分除去し、前記マス
    ク層の形状に応じた段差を前記除去可能層の表面に設け
    る選択的除去工程と、 前記除去可能層および前記マスク層を覆うように前記基
    板の表面に被覆層を設ける工程と、 残存している前記除去可能層を除去する除去工程とを有
    することを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 除去可能層が複数の層が積層されたもの
    であり、選択的除去工程で用いられる除去条件下での前
    記複数の層の除去速度が相互に異なるものである請求項
    1記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 除去工程において、マスク層も除去する
    請求項1または2記載の液体噴射記録ヘッドの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3いずれか1項記載の液
    体噴射記録ヘッドの製造方法によって製造された液体噴
    射記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 エネルギー発生素子が電気エネルギーを
    与えることによって、発熱し、インクに状態変化を生ぜ
    しめて吐出を行なわせるための電気熱変換体である請求
    項4記載の液体噴射記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐
    出口が複数設けられているフルラインタイプのものであ
    ることを特徴とする請求項4記載の液体噴射記録ヘッ
    ド。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004198420A (ja) * 2002-12-16 2004-07-15 Xerox Corp マイクロエレクトロニック素子の集積方法
CN1308144C (zh) * 2003-02-07 2007-04-04 佳能株式会社 喷墨头的制造方法
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JP2010253945A (ja) * 2009-04-01 2010-11-11 Canon Inc 構造体の製造方法及び液体吐出ヘッドの製造方法
US8268539B2 (en) 2010-07-23 2012-09-18 Caron Kabushiki Kaisha Method of manufacturing liquid ejection head

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