JP2008126481A - インクジェット記録ヘッド用基板の製造方法、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】梁を備えたインク供給口を短時間で精度良く形成する。
【解決手段】インクジェットヘッド用基板の製造方法は、シリコン基板の裏面におけるインク供給口10を形成する部分に、シリコン面が露出した被エッチング面を形成する工程を有する。さらに、被エッチング面のうち梁19を形成する領域を少なくとも除いた領域に、レーザー加工によって第1の凹部を形成する工程と、シリコン基板に対して、被エッチング面から第1のウエットエッチングを行う工程とを有する。さらに、第1のウエットエッチングによってエッチングされたシリコン基板の被エッチング面に、レーザー加工によって第2の凹部20bを形成する工程を有する。さらに、シリコン基板に対して、被エッチング面がシリコン基板を貫通して犠牲層に達するまで第2のウエットエッチングを行い、梁19を備えたインク供給口20を形成する工程を有する。
【選択図】図3C
【解決手段】インクジェットヘッド用基板の製造方法は、シリコン基板の裏面におけるインク供給口10を形成する部分に、シリコン面が露出した被エッチング面を形成する工程を有する。さらに、被エッチング面のうち梁19を形成する領域を少なくとも除いた領域に、レーザー加工によって第1の凹部を形成する工程と、シリコン基板に対して、被エッチング面から第1のウエットエッチングを行う工程とを有する。さらに、第1のウエットエッチングによってエッチングされたシリコン基板の被エッチング面に、レーザー加工によって第2の凹部20bを形成する工程を有する。さらに、シリコン基板に対して、被エッチング面がシリコン基板を貫通して犠牲層に達するまで第2のウエットエッチングを行い、梁19を備えたインク供給口20を形成する工程を有する。
【選択図】図3C
Description
本発明は、インクジェット記録ヘッド用基板の製造方法、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法に関するものである。
従来から、熱エネルギーを液体に作用させて液滴吐出の原動力を得るインクジェット記録ヘッドが知られている。この種のインクジェット記録ヘッドによれば、熱エネルギーの作用を受けた液体が過熱されて気泡を発生し、この気泡発生に基づく作用力によってオリフィスから液滴が形成され、この液滴が記録媒体に付着して情報の記録が行われる。この種のインクジェット記録ヘッドは、液体を吐出するインク吐出口と、この吐出口に連通して液滴を吐出させる熱エネルギーを液体に付与する吐出エネルギー発生素子が配置されたインク流路とを有する。
図4(A)〜図4(F)は、従来のインクジェット記録ヘッドの基本的な製造工程を示した断面模式図である。
図4(A)示されている基板1上には、発熱抵抗体等のインク吐出エネルギー発生素子11が複数個配置されている。また、基板1の裏面全面がSiO2膜18で覆われている。
まず、図4(B)に示すように、基板1の表面と裏面に熱可塑性樹脂層13と熱可塑性樹脂層14をそれぞれ塗布し、これらの熱可塑性樹脂層13,14をベーキングして硬化させる。そして、表面側の熱可塑性樹脂層13をパターニングするために、熱可塑性樹脂層13上にポジ型レジストをスピンコート等により塗布、露光、現像し、熱可塑性樹脂層13をドライエッチング等によりパターニングし、ポジ型レジストを剥離する。また、裏面側の熱可塑性樹脂層14をパターニングするために、熱可塑性樹脂層14上にポジ型レジストをスピンコート等により塗布、露光、現像し、熱可塑性樹脂層14をドライエッチング等によりパターニングし、ポジ型レジストを剥離する。
次に、図4(C)に示すように、基板1の表面側にインク流路となる型材料であるポジ型レジスト(東京応化製のODUR(商品名))12をパターニングする。
次に、図4(D)に示すように、型材料12上に被覆感光性樹脂(CR)6をスピンコート等により形成する。被覆感光性樹脂(CR)6上には、撥水材15をドライフィルムをラミネートすること等により形成する。そして、被覆感光性樹脂(CR)6を紫外線やDeepUV光等による露光、現像を行ってパターニングし、インク吐出口4を形成する。
次に、図4(E)に示すように、型材料12及び被覆感光性樹脂(CR)6等が形成されている基板1の表面及び側面を保護材16で覆う。保護材16の塗布はスピンコート等によって行う。
基板1の裏面側のSiO2膜18は、樹脂層14をマスクとするウエットエッチングの開始面となるSi面(被エッチング面)が露出されている。次に、基板1にインク供給口10を形成する。このインク供給口10は、基板1に化学的なエッチング、例えばTMAH等の強アルカリ溶液による異方性エッチングを施すことにより形成する。
基板1の裏面側から異方性エッチングを行っていくと、エッチング部分が基板1の表面側の犠牲層17に到達し、図4(F)に示すようにインク供給口10が形成される。
続いて、基板1の裏面側の熱可塑性樹脂層14と保護材16を除去する。さらに、型材料12を、インク吐出口4及びインク供給口10から溶出させることにより、インク流路及び発泡室を形成する。
以上の工程によってノズル部が形成された基板1を、ダイシングソー等により切断分離、チップ化し、吐出エネルギー発生素子11を駆動させる為の配線の電気的接合を行う。その後、インク供給の為のチップタンク部材を接続すると、インクジェット記録ヘッドが完成する。
このインクジェット記録ヘッドのシリコン基板1には、<100>面の結晶方位面を表面及び裏面に持つシリコン基板が用いられている。基板1には、異方性エッチングにより1つのインク供給口10が形成されている。
このように、従来の製造方法では、インク供給口を形成するためのマスクとなる部材(熱可塑性樹脂層)を異方性エッチングで形成する工程と、そのマスク部材を用いた異方性エッチング工程とを行うことにより、インク供給口を形成している(特許文献1参照)。
特開平9−11479号公報
インクジェット記録ヘッドのシリコン基板にインク供給口を形成する際にウエットエッチングを用いた場合には、シリコン基板を開口させるのに長時間かかるため生産効率が低くなる。また、ウエットエッチング時に溶解されるシリコンの影響によってエッチング液の濃度が変化し、その結果エッチングレートが変動して、インク供給口の寸法精度等に影響を与えることがある。
また、シリコン基板のインク供給口が形成された部分は強度が低いため、この部分の強度を向上させるためにインク供給口内に梁を形成することが好ましい。
そこで本発明は、梁を備えたインク供給口を短時間で精度良く形成することを可能にするインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法は、梁を備えたインク供給口をシリコン基板に形成することを含むインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法であって、
前記シリコン基板の表面における前記インク供給口を形成する部分に犠牲層を形成する工程と、
前記シリコン基板の裏面における前記インク供給口を形成する部分に、シリコン面が露出した被エッチング面を形成する工程と、
前記被エッチング面のうち前記梁を形成する領域を少なくとも除いた領域に、レーザー加工によって第1の凹部を形成する工程と、
前記シリコン基板に対して、エッチング液を使用して前記被エッチング面から第1のウエットエッチングを行う工程と、
該第1のウエットエッチングによってエッチングされた前記シリコン基板の被エッチング面に、レーザー加工によって第2の凹部を形成する工程と、
前記シリコン基板に対して、前記エッチング液を使用して、前記被エッチング面が前記シリコン基板を貫通して前記犠牲層に達するまで第2のウエットエッチングを行い、前記梁を備えた前記インク供給口を形成する工程と、を有する。
前記シリコン基板の表面における前記インク供給口を形成する部分に犠牲層を形成する工程と、
前記シリコン基板の裏面における前記インク供給口を形成する部分に、シリコン面が露出した被エッチング面を形成する工程と、
前記被エッチング面のうち前記梁を形成する領域を少なくとも除いた領域に、レーザー加工によって第1の凹部を形成する工程と、
前記シリコン基板に対して、エッチング液を使用して前記被エッチング面から第1のウエットエッチングを行う工程と、
該第1のウエットエッチングによってエッチングされた前記シリコン基板の被エッチング面に、レーザー加工によって第2の凹部を形成する工程と、
前記シリコン基板に対して、前記エッチング液を使用して、前記被エッチング面が前記シリコン基板を貫通して前記犠牲層に達するまで第2のウエットエッチングを行い、前記梁を備えた前記インク供給口を形成する工程と、を有する。
上記本発明によれば、梁を備えたインク供給口を短時間で精度良く形成することができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを一部を破断した状態で示す斜視図である。図2は図1のA−A線に沿った断面図である。
本実施形態のインクジェット記録ヘッドは、インク吐出エネルギー発生素子11が所定のピッチで2列に並んで配置されたシリコン基板1を有している。シリコン基板1には、SiO2膜をマスクとしたシリコンの異方性エッチングとレーザー加工との組合せによって形成された、梁19を備えたインク供給口10が、インク吐出エネルギー発生素子11の2つの列の間に配置されている。梁19は、シリコン基板1のインク供給口10によって隔てられた部分を繋いでおり、シリコン基板1のインク供給口10が形成されている部分の強度を向上させている。インク供給口10に占める梁19の割合は小さいので、梁19は、インク供給口10を通ってインク流路5内に供給されるインクの流れに対してほとんど影響を与えない。
シリコン基板1上には、流路形成部材6によって、各インク吐出エネルギー発生素子11の上方に開口するインク吐出口4と、インク供給口10と各インク吐出口4とを連通するインク流路5が形成されている。このインクジェット記録ヘッドは、インク供給口10が形成された面が記録媒体の記録面に対面するように配置される。インクジェット記録ヘッドは、インク供給10を介してインク流路5内に充填されたインクに、インク吐出エネルギー発生素子11によって発生させた圧力を加えることで、インク吐出口4からインク液滴を吐出させる。インク吐出口4から吐出されたインク液滴は記録媒体に付着し、これにより記録媒体に記録が行われる。
このインクジェット記録ヘッドは、プリンタ、複写機、通信システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロセッサなどの装置、更には各種処理装置と複合的に組み合わせた産業記録装置に搭載可能である。そして、このインクジェット記録ヘッドを用いることによって、紙、糸、繊維、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックなど種々の記録媒体に記録を行うことができる。
なお、本明細書および特許請求の範囲における「記録」とは、文字や図形などの意味を持つ画像を記録媒体に対して付与することだけでなく、パターンなどの意味を持たない画像を付与することも意味する。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。ここでは、図1に示したインクジェット記録ヘッドを作成する基本的な工程を図3A〜図3Cを参照して説明する。図3A(A)〜図3C(I)の各図は、図1のA−A線に沿う部分の断面図である。なお、図3A(B)、図3B(F)及び(G)、図3C(H)の各図において、図(i)は断面図を示し、図(ii)は底面図を示している。さらに、図3B(G)(iii)は同図(i)のB−B’線に沿った断面を示し、図3C(H)(iii)は同図(i)のC−C’線に沿った断面を示している。
図3A(A)に示すように、シリコン基板1上には、発熱抵抗体等のインク吐出エネルギー発生素子(ヒーター)11が複数個配置されている。シリコン基板1の裏面の全面はSiO2膜18で覆われている。シリコン基板1の表面には、アルカリ性の溶液によってシリコン基板1にインク供給口10を形成する際にシリコン基板1の表面の寸法を精度良く加工するために犠牲層17が設けられている。この犠牲層17はシリコン基板1にインク供給口10を形成する異方性エッチングに用いられるエッチング液によるエッチング速度がシリコン基板1のエッチング速度よりも速い材料からなる。犠牲層17は、たとえば、アルカリ溶液で溶解可能な金属であるポリシリコンやアルミニウムなどからなる。さらには、犠牲層17は、アルミニウム、アルミシリコン、アルミ銅、アルミシリコン銅のいずれかを含む、アルミニウムを主成分とした材料からなることが好ましい。
シリコン基板1の表面には、その全面を覆う保護膜3が形成されている。この保護膜3は、例えばSiN膜またはSiO2膜からなる。この保護膜3により、シリコン基板1の表面、ヒーター11及び犠牲層17が覆われている。
なお、図3A(A)〜図3C(I)の各図において、ヒーター11に接続された配線やそのヒーターを駆動するための半導体素子は不図示である。また、シリコン基板1は<100>面の結晶方位面を表面及び裏面に有している。
まず、図3A(B)に示すように、シリコン基板1の表面と裏面に熱可塑性樹脂層13と熱可塑性樹脂層14をスピンコート等によりそれぞれ塗布し、これらの熱可塑性樹脂層13,14をベーキングして硬化させる。そして、表面側の熱可塑性樹脂層13をパターニングするために、熱可塑性樹脂層13上にポジ型レジスト(不図示)をスピンコート等により塗布、露光、現像し、熱可塑性樹脂層13をドライエッチング等によりパターニングし、ポジ型レジストを剥離する。
次に、シリコン基板1の裏面側の熱可塑性樹脂層14にインク供給口10を形成するための開口をパターニングするために、熱可塑性樹脂層14上にポジ型レジスト(不図示)をスピンコート等により塗布する。そしてそのポジ型レジストを露光、現像し、熱可塑性樹脂層14をドライエッチング等によりパターニングし、ポジ型レジストを剥離する。なお、シリコン基板1の裏面側をパターニングする際に基板1の表面側を保護材で覆って保護してもよい。
次に、図3A(C)に示すように、基板1の表面側に、インク流路5を形成する型材料12であるポジ型レジスト(東京応化製のODUR(商品名))をパターニングする。
次に、図3A(D)に示すように、シリコン基板1の表面側に、流路形成部材を成す被覆感光性樹脂(CR)6をスピンコート等により塗布する。さらに、被覆感光性樹脂6上に撥水材15をドライフィルムをラミネートすること等により形成する。そして、被覆感光性樹脂(CR)6を紫外線やDeepUV光等による露光、現像を行ってパターニングし、インク吐出口4を形成する。
次に、図3A(E)に示すように、型材料12及び被覆感光性樹脂(CR)6等が形成されているシリコン基板1の表面及び側面を保護材16で覆う。保護材16の塗布はスピンコート等によって行う。保護材16は、シリコン基板1にレーザー加工を行う際に装置搬送等によって傷が付くことを防止するものである。保護材16は、基板1に異方性エッチングを行う際に使用する強アルカリ溶液に十分耐えうる材料からなる。したがって、保護材16は、異方性エッチングを行う際に、型材料12、被覆感光性樹脂6および撥水材15等が強アルカリ溶液によって劣化することを防ぐ。なお、保護材16の材料としては、例えば環化ゴム系の環化ポリイソプレンゴムを用いることができる。
そして、シリコン基板1の裏面側のSiO2膜18を、熱可塑性樹脂層14をマスクとしてウエットエッチングによりパターニングし、シリコン基板1の異方性エッチングの開始面となるSi面(被エッチング面)を露出させる。
次に、図3B(F)に示すように、シリコン基板1の裏面側のSi露出面に、インク供給口10内に形成される梁19となる領域を除いて、レーザー加工によって第1の凹部20aを形成する。第1の凹部20aの深さは、シリコン基板1の厚みの1/3〜1/2程度の深さである。このレーザー加工には、波長が300nm以上400nm以下のレーザー光、例えば波長355nmの紫外線レーザー光を用いることができる。なお、最適な加工条件を得るためにレーザー光のパルス幅、出力値、ショット数等を適宜調節すべきことは言うまでもない。
次に、図3B(G)に示すように、シリコン基板1の裏面側のSi露出面に対し、化学的なエッチング、例えばTMAH(テトラメチルアンモニウム溶液)等の強アルカリ溶液によるウエットエッチングを短時間行う。シリコン基板1の裏面側のSi露出面は<100>面の結晶方位面であるため、エッチングはこのSi露出面に対して54.74°の角度を成す<111>面に沿って進行する。
次に、図3C(H)に示すように、シリコン基板1のエッチング開口面にレーザー加工によって第2の凹部20bを形成する。このとき、レーザー光を斜めに照射して、梁19の裏側を少なくとも部分的に除去する(図3C(H)(iii)参照)。その後、図3B(G)に示した工程と同様に化学的エッチングを再度行うと、エッチング開口面が犠牲層17に到達してインク供給口10が形成され、これと同時にインク供給口10内に梁19が形成される。
続いて、シリコン基板1の裏面側の熱可塑性樹脂14を除去する。さらに、型材料12をインク供給口10及びインク吐出口4から溶出させることにより、被覆感光性樹脂6にインク流路5および発泡室が形成される(図3C(I))。なお、ポジ型レジストからなる型材料12の除去は、DeepUV光による全面露光を行った後、現像、乾燥を行えばよく、必要に応じて現像の際に超音波浸漬を行ってもよい。
以上の工程によりノズル部が形成されたシリコン基板1を、ダイシングソー等により切断分離してチップ化する。さらに、インク吐出エネルギー発生素子11を駆動させるための配線の電気的接合を行った後、インク供給のためのチップタンク部材を接続すると、インクジェット記録ヘッドが完成する。
本実施例の製造工程によれば、シリコン異方性エッチング工程とレーザー加工工程とを組み合わせてインク供給口10が形成される。そのため、シリコン異方性エッチング工程のみを用いてインク供給口10を形成する場合に比べてインク供給口10の形成時間を短くすることができる。さらに、シリコン異方性エッチング工程のみを用いる場合に比べてエッチング工程の時間が短くなることから、ウエットエッチング時にシリコンが溶解されることでエッチング液の濃度が変化することによるエッチングレートの変動の影響を受けにくくなる。
さらに、シリコン異方性エッチング工程とレーザー加工工程とを組み合わせてインク供給口10を形成することにより、インク供給口10の形成工程においてインク供給口10内に梁19を容易に形成することが可能である。
なお、本実施例ではインクジェット記録ヘッドを作製する過程で梁19を備えたインク供給口10をシリコン基板1に形成する例を示したが、インクジェット記録ヘッドを作製する前の段階で、梁19を備えたインク供給口10をシリコン基板1に形成してもよい。
その場合は、まず、図3A(A)に示すように表面に犠牲層17が形成されたシリコン基板1の裏面側のSiO2膜18を、図3A(E)に示すように熱可塑性樹脂層14をマスクとしてウエットエッチングによりパターニングする。これにより、シリコン基板1の異方性エッチングの開始面となるSi面を露出させる。その後、図3B(F)〜図3C(H)を参照して説明した工程を行うことで、梁19を備えたインク供給口10を有する、インクジェット記録ヘッド用基板としてのシリコン基板1を作製することができる。
インク流路5及びインク吐出口4が形成された流路形成部材6を別途作製しておき、上記のように作製されたインクジェット記録ヘッド用基板の上に流路形成部材6を接合することで、図1に示した構成を有するインクジェット記録ヘッドを作製することができる。
1 シリコン基板
4 インク吐出口
5 インク流路
6 流路形成部材(被覆感光性樹脂)
10 インク供給光
11 インク吐出エネルギー発生素子
12 型材料
17 犠牲層
19 梁
4 インク吐出口
5 インク流路
6 流路形成部材(被覆感光性樹脂)
10 インク供給光
11 インク吐出エネルギー発生素子
12 型材料
17 犠牲層
19 梁
Claims (10)
- 梁を備えたインク供給口をシリコン基板に形成することを含むインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法であって、
前記シリコン基板の表面における前記インク供給口を形成する部分に犠牲層を形成する工程と、
前記シリコン基板の裏面における前記インク供給口を形成する部分に、シリコン面が露出した被エッチング面を形成する工程と、
前記被エッチング面のうち前記梁を形成する領域を少なくとも除いた領域に、レーザー加工によって第1の凹部を形成する工程と、
前記シリコン基板に対して、エッチング液を使用して前記被エッチング面から第1のウエットエッチングを行う工程と、
該第1のウエットエッチングによってエッチングされた前記シリコン基板の被エッチング面に、レーザー加工によって第2の凹部を形成する工程と、
前記シリコン基板に対して、前記エッチング液を使用して、前記被エッチング面が前記シリコン基板を貫通して前記犠牲層に達するまで第2のウエットエッチングを行い、前記梁を備えた前記インク供給口を形成する工程と、
を有するインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法。 - 前記第2の凹部を形成する工程は、前記シリコン基板の前記被エッチング面に対して斜めにレーザー光を照射し、前記梁を形成する領域の裏側の部分の少なくとも一部を除去することを含む、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法。
- 前記犠牲層は前記エッチング液で溶解可能な金属からなる、請求項1または2に記載のインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法。
- 前記金属はアルミニウムを主成分とした材料からなる、請求項3に記載のインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法。
- 前記アルミニウムを主成分とする材料は、アルミニウム、アルミシリコン、アルミ銅のいずれかを含んでいる、請求項4に記載のインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法。
- 前記シリコン基板の表面及び裏面は<100>面である、請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法。
- 前記レーザー光の波長は300nm以上400以下nmである、請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法。
- 前記エッチング液はテトラメチルアンモニウム溶液である、請求項1から7のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド用基板の製造方法。
- インク滴を吐出するエネルギーを発生させる複数の吐出エネルギー発生素子と、前記吐出エネルギー発生素子の配列方向に沿って延在する貫通口からなる、梁を備えたインク供給口とを有するシリコン基板と、
前記シリコン基板上に設けられ、前記複数の吐出エネルギー発生素子に対応する複数のインク吐出口と、前記吐出エネルギー発生素子を内包し、かつ前記インク供給口と前記各インク吐出口とを連通する複数のインク流路と、を形成する流路形成部材と、
を有するインクジェット記録ヘッドの製造方法において、
前記シリコン基板の前記吐出エネルギー発生素子が形成されている面の前記インク供給口が形成される部分に犠牲層を形成する工程と、
前記シリコン基板上に、前記インク流路となる部分を占有する型材を形成する工程と、
前記基板および前記型材の上に、前記吐出口を備えた流路形成部材を形成する工程と、
前記シリコン基板の前記面とは反対側の面における前記インク供給口を形成する部分に、シリコン面が露出した被エッチング面を形成する工程と、
前記被エッチング面のうち少なくとも前記梁を形成する領域を除いた領域に、レーザー加工によって第1の凹部を形成する工程と、
前記シリコン基板に対して、エッチング液を使用して前記被エッチング面から第1のウエットエッチングを行う工程と、
該第1のウエットエッチングによってエッチングされた前記シリコン基板の被エッチング面に、レーザー加工によって第2の凹部を形成する工程と、
前記シリコン基板に対して、前記エッチング液を使用して、前記被エッチング面が前記シリコン基板を貫通して前記犠牲層に達するまで第2のウエットエッチングを行い、前記梁を備えた前記インク供給口を形成する工程と、
前記型材を除去する工程と、
を含むことを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。 - 前記第2の凹部を形成する工程は、前記シリコン基板の前記被エッチング面に対して斜めにレーザー光を照射し、前記梁を形成する領域の裏側の部分の少なくとも一部を除去することを含む、請求項9に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
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JP2011020442A (ja) * | 2009-06-17 | 2011-02-03 | Canon Inc | 液体吐出ヘッドの製造方法 |
CN106274059A (zh) * | 2015-06-26 | 2017-01-04 | 佳能株式会社 | 硅基板的加工方法和液体喷出头用基板的制造方法 |
JP2017007159A (ja) * | 2015-06-18 | 2017-01-12 | キヤノン株式会社 | 液体吐出ヘッドの製造方法 |
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