JPH11137197A - 麺類およびその製造方法 - Google Patents
麺類およびその製造方法Info
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- JPH11137197A JPH11137197A JP9320300A JP32030097A JPH11137197A JP H11137197 A JPH11137197 A JP H11137197A JP 9320300 A JP9320300 A JP 9320300A JP 32030097 A JP32030097 A JP 32030097A JP H11137197 A JPH11137197 A JP H11137197A
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Abstract
ク)と称される斑点の発生が抑制されていて良好な外観
を保ち且つ食感に優れる商品価値の高い、生麺でのpH
が8以上であるラーメンなどの中華麺類やワンタンの皮
などの麺類、その製造法およびそのための麺類用穀粉組
成物の提供。 【解決手段】 穀粉類1kgに対してグルコースオキシ
ダーゼを7.5〜3000ユニットおよびグルコースを
0.01g以上の割合で添加してなる製麺原料を用いて
調製された生麺でのpHが8以上である本発明の麺類及
びその製造法、並びに前記麺類用の穀粉組成物によって
上記の課題が解決される。
Description
以上である麺類、それに用いる麺類用穀粉組成物および
麺類の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、製
造後に時間が経つても、いわゆる“ホシ”または“スペ
ック”と称される斑点の発生が抑制されていて、しかも
食味および食感が損なわれず、商品価値の高い、生麺で
のpHが8以上である麺類、その製造方法、それに用い
る麺類用穀粉組成物に関する。
は、製造直後は明るい白色からクリーム色を有する良好
な外観を有しているが、時間が経つと、ホシまたはスペ
ックと称される褐色の微細な斑点が多数発生し、この斑
点は時間が経つに従って数や大きさを増し且つ黒色化し
て顕著なものとなる。特に、かんすいを添加して生地p
Hをアルカリ性にする中華麺類やワンタンの皮では、冷
蔵温度で保存、流通すると、通常1日以内に多数のホシ
が発生する。また、中華麺類やワンタンの皮などの生麺
や半乾燥麺をα化せずにそのまま冷凍した冷凍麺類の場
合は、冷凍状態にある間はホシはあまり発生しないが、
解凍すると、解凍後1〜3日後には多数のホシが発生す
る。ホシの発生した麺類や麺皮は、その商品価値が著し
く低下し、しかも調理したときに黒い斑点を多数生じて
おり外観が不良となる。
いないが、小麦粉などの穀粉中に混入している微細な表
皮や色素繊維などの成分が何らかの原因で発色するもの
と考えられている。ホシの発生を出来るだけ少なくする
には、前記成分の少ない小麦粉を用いるとよいが、前記
成分の少ない小麦粉は高価であり、しかも前記成分の少
ない小麦粉などの穀粉類を用いても、ホシの発生を充分
に低減し得ないのが現状である。
メンやワンタンの皮などの生麺でのpHが8以上である
麺類の製造後に時間が経っても、ホシ(スペック)の発
生が抑制されていて、外観的に優れ、しかも食感にも優
れる商品価値の高い麺類、およびその製造方法を提供す
ることである。さらに、本発明は、上記したホシの発生
のない、生麺でのpHが8以上である麺類の製造に有効
に用い得る麺類用の穀粉組成物を提供することである。
本発明者らは鋭意検討を重ねてきた。その結果、本発明
者らは、生麺でのpHが8以上である麺類、代表的には
ラーメンなどの中華麺やワンタンの皮などを製造する際
に、麺線または麺皮の製造に用いる穀粉類1kgに対し
て、グルコースオキシダーゼを7.5〜3000ユニッ
トおよびグルコースを0.01g以上の割合で添加する
と、製造後に時間が経っても、ホシ(スペック)の発生
が抑制されて外観に優れ、且つ食味および食感の点でも
優れる、生麺でのpHが8以上である高品質の麺類が得
られることを見出した。
て、グルコースオキシダーゼを7.5〜3000ユニッ
トおよびグルコースを0.01g以上の割合で添加して
なる製麺原料を用いたことを特徴とする生麺でのpHが
8以上である麺類である。
て、グルコースオキシダーゼを7.5〜3000ユニッ
トおよびグルコースを0.01g以上の割合で添加して
なることを特徴とする生麺でのpHが8以上である麺類
用の穀粉組成物である。
て、(i)グルコースオキシダーゼ7.5〜3000ユ
ニットおよびグルコース0.01g以上を生地の調製時
に穀粉類に添加するか、または(ii)グルコースオキシ
ダーゼ7.5〜3000ユニットおよびグルコース0.
01g以上を予め添加してなる穀粉組成物を用いて、生
地を調製して、生麺でのpHが8以上である麺類を製造
する方法である。
する。本発明でいう“生麺でのpHが8以上である麺
類”とは、小麦粉を主体とする穀粉類にかんすいなどの
アルカリ剤を加えて混練して得たpHが8以上である生
地を麺線状にした麺類またはシート状にした麺皮製品で
あって、生麺または半乾燥麺の状態で保存、流通、販売
されるか、或いはそれらをα化せずにそのまま冷凍して
冷凍麺として保存、流通、販売されることの多い麺類を
いい、代表例としては、ラーメンなどの中華麺、ワンタ
ンの皮などの麺皮類を挙げることができる。
麺類の製造に用いる穀粉類1kgに対して、グルコース
オキシダーゼを7.5〜3000ユニットおよびグルコ
ースを0.01g以上の割合で添加する。生麺でのpH
が8以上である麺類において、穀粉類1kgに対して、
グルコースオキシダーゼの添加量が7.5ユニット未満
であるとホシの発生の抑制効果が低下し、一方3000
ユニットと超えると麺類の食感および食味が低下したも
のとなり易い。また、生麺でのpHが8以上である麺類
において、穀粉類1kgに対して、グルコースの添加量
が0.01g未満であるとホシの発生の抑制効果が低下
する。また、穀粉類1kgに対するグルコースの添加量
が10gを超えると麺類の食味に影響を与える場合があ
る。本発明では、生麺でのpHが8以上である麺類の製
造に用いる穀粉類1kgに対して、グルコースオキシダ
ーゼを75〜1500ユニットおよびグルコースを0.
1〜10gの割合で添加することがホシの発生の抑制効
果、得られる麺類の食味および食感の点で好ましい。な
お、本明細書におけるグルコースオキシダーゼの活性単
位を示すユニット(U)は、以下の実施例の項に記載す
る方法で測定した値をいう。また、本明細書でいう「生
麺でのpH」とは、下記のようにして測定した時のpH
値をいう。
水50mlを加えてホモジナイザーにて3分間ホモジナ
イズし、それにより得られる懸濁液のpHをpHメータ
ーにより25℃で測定し、そのpH値を生麺でのpHと
する。
麺類の製造に用いる穀粉類として、小麦粉を主体とした
ものが好ましく用いられ、必要に応じて、各種澱粉類、
米粉、そば粉などの他の穀粉類の1種または2種以上を
併用することができる。
は、グルコースを酸化してグルコン酸と過酸化水素を生
成させる反応の触媒作用を有する酵素である。食品用に
は糸状菌類や細菌類の産生したグルコースオキシダーゼ
を通常用いられているが、本発明では食品に用い得るグ
ルコースオキシダーゼであればいずれも使用でき、その
由来、調製法などは特に制限されない。また、グルコー
スオキシダーゼは、比較的純度の低い食品添加用のグル
コースオキシダーゼおよび純度の高いグルコースオキシ
ダーゼ製剤のいずれもが使用できる。また、本発明で
は、食品に対して従来から用いられているグルコースが
使用される。
ゼの触媒作用によってグルコースが酸化されて発生した
過酸化水素を分解除去するために、カタラーゼ、パーオ
キシダーゼなどのような過酸化水素分解酵素を併用する
ことが好ましい。カタラーゼやパーオキシダーゼなどの
ような過酸化水素分解酵素を併用する場合は、その使用
量は特に制限されず、グルコースの酸化により生ずる過
酸化水素の量に応じて決めればよい。
である麺類の製造に当たって、グルコースオキシダーゼ
およびグルコースと共に、必要に応じて、麺類の製造に
従来から用いられている他の成分や原材料などを用いる
ことができる。そのような他の成分や原材料としては、
例えば、食塩、かんすい(かん粉)、界面活性剤、ガム
類やその他の増粘剤、着色料、ビタミン類・ミネラル
類、蛋白質類などを挙げることができ、これらの1種ま
たは2種以上を用いることができる。
を穀粉類に添加して生麺でのpHが8以上である麺類を
製造するに当たっては、(i)生地の調製時(混捏時)
に穀粉類1kgに対してグルコースオキシダーゼ7.5
〜3000ユニットおよびグルコース0.01g以上
を、かんすい(かん粉)や必要に応じて他の成分などと
共に穀粉類に添加して麺生地を製造し、それにより得ら
れる麺生地を用いて麺類の種類に応じて麺線への切り出
しや押し出し、麺皮への切りだしや成形を行う方法、ま
たは(ii)穀粉類1kgに対してグルコースオキシダー
ゼ7.5〜3000ユニットおよびグルコース0.01
g以上をかんすい(かん粉)や必要に応じて他の成分と
共に穀粉類に添加して麺類用穀粉組成物を予め調製し、
その麺類用穀粉組成物を用いて麺生地を製造し、それに
より得られる麺生地を用いて麺類の種類に応じて麺線へ
の切り出しや押し出し、麺皮への切りだしや成形を行う
方法などを採用することができる。
場合は、グルコースオキシダーゼおよび/またはグルコ
ースは、乾燥粉末の形態で穀粉類に添加しても、生地の
製造に用いる水や他の液体に溶解または分散させた状態
で添加しても、或いは一部を穀粉類に添加し残りを水や
他の液体に溶解または分散させて添加してもよく、その
添加順序や添加方法などは特に制限されない。
造する場合に、グルコースオキシダーゼ、グルコース、
かんすい(かん粉)および必要に応じて添加される他の
成分を乾燥粉末の状態で穀粉類に添加して麺類用穀粉組
成物を調製することが好ましい。それにより得られる麺
類用穀粉組成物は、そこに含まれるグルコースオキシダ
ーゼ、グルコース、かんすい(かん粉)および必要に応
じて添加された他の成分の変性や失活などが生じないよ
うにしながら常温や冷蔵温度下で長期保存が可能であ
り、麺類用穀粉組成物(ミックス粉)の形態で、保存、
流通、販売することができる。また、前記麺類用穀粉組
成物では、かんすい(かん粉)は穀粉組成物中に予め添
加しておかず、生地の調製時に添加するようにしてもよ
い。そして、この麺類用穀粉組成物を用いる場合は、麺
類の製造時にグルコースオキシダーゼ、グルコースおよ
び場合により他の成分を個別に調達してそれらの所定の
量で穀粉類に添加するという手間を要することなく、該
麺類用穀粉組成物を使用して、ホシ(スペック)の発生
しない、生麺でのpHが8以上である高品質の麺類を極
めて簡単に且つ短時間に製造することができる。
製法、麺線への切り出しや押し出し、麺皮への切り出し
や成形などは特に制限されず、麺類の種類などに応じて
従来から使用されている方法により行うことができる。
何ら限定されるものではないが、例えば、ロール製麺
法、手延べ製麺法、手打ち製麺法、押し出し式製麺法な
どにより本発明の麺類を製造することができる。
麺の形態で、冷蔵温度および場合により常温で保存、流
通、販売しても、或いは前記の生麺または半乾燥麺をそ
のまま冷凍して冷凍麺麺類にして保存、流通、販売して
もよい。そのうちでも、本発明は、冷蔵温度または場合
により常温で保存、流通、販売される生麺に対するホシ
発生の抑制方法として特に有効である。本発明の麺類
(特に生麺)を冷蔵温度で保存、流通、販売する場合
は、一般に0〜10℃の冷蔵温度が好ましく採用され
る。前記した冷蔵温度による場合は、麺類の製造後1週
間が経過した時点でも、ホシ(スペック)の発生が少な
く且つホシが大きくならず、良好な外観および品質を保
つことができる。
のまま冷凍して冷凍麺類とする場合は、その冷凍方法や
冷凍条件などは特に制限されないが、一般には、緩慢冷
凍よりも急速冷凍が好ましい。その際の冷凍方法および
条件としては、ショックフリーザーやディープフリーザ
ーなどの急速凍結装置を用いて−30℃〜−40℃の雰
囲気温度下に麺類を1時間程度で急速に凍結した後、−
10℃〜−20℃の雰囲気温度下で貯蔵して氷結晶の成
長を抑制するようにして凍結保存することが好ましい。
て、従来の麺類と同様にして調理することによって、斑
点がなくて外観に優れる調理麺類を得ることができる。
明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。以下
の例中、%は重量%、および部は重量部を示す。また、
以下の例で用いた、グルコースオキシダーゼおよびカタ
ラーゼの活性は次のようにして測定した。
二水素カリウム1.36gを加えて溶解させた後、フェ
ノール水溶液(50mg/ml)3mlおよび「トリト
ンX−100」(Sigma社製)水溶液(50mg/
ml)3mlを加え、1M 水酸化ナトリウム水溶液に
てpHを7.0に調整し、これを蒸留水にて100ml
にフィルアップしたもの。 (c)パーオキシダーゼ溶液:パーオキシダーゼ(Si
gma社製「Type II」)40mgを秤り、冷水10
mlを加えて溶解させたもの(使用時に調製)。 (d)アミノアンチピリン溶液:アミノアンチピリン
(Sigma社製)40mgを秤り、冷水10mlを加
えて溶解させたもの(使用時に調製)。 (e)酵素試料液:グルコースオキシダーゼ試料の所定
量を秤り、氷冷した0.1M リン酸緩衝液(pH7.
0)に溶解し、適宜希釈して用いる。
ーを予め装着し、光路長10mmの石英セルをセットす
る。この石英セルに、上記のフェノール含有緩衝液2m
l、基質溶液0.5ml、パーオキシダーゼ溶液0.5
mlおよびアミノアンチピリン溶液0.1mlを加え
て、撹拌棒にて撹拌し37℃で10分間プレインキュベ
ートする。プレインキュベート後、酵素試料液0.1m
lを添加して良く混合し37℃で酵素反応を行う。その
際に、酵素反応の開始を酵素試料液の添加時とする。蒸
留水を対照として、波長500nmにおける吸光度の変
化を測定し、反応開始2分経過後の吸光度(A2)およ
び5分経過時の吸光度(A5)をそれぞれ測定する。 (ii) 別に、ブランク試験として、酵素試料液の代わ
りに0.1M リン酸緩衝液(pH7.0)を用いて上
記(i)と同様の操作を行い、反応開始後2分および5
分経過時の波長500nmにおける吸光度の変化を測定
し、反応開始2分経過後の吸光度(B2)および5分経
過時の吸光度(B5)をそれぞれ測定する。 (iii) 上記の条件下に、1分間に1μmoleのグ
ルコースを酸化するのに必要な酵素量を1ユニット
(U)とし、下記の数式によりグルコースオキシダーゼ
活性を算出する。
A2)−(B5−B2)}×n×2.218 式中、n=酵素試料1g当たりの希釈倍率
5mlを量り、これに50mM リン酸緩衝液(pH
7.0)を加えて100mlとする。水を対照として、
この液の波長240nmにおける吸光度を測定し、0.
52〜0.55の範囲内であることを確認し、もし0.
52未満である場合は過酸化水素を微量加え、また0.
55を超える場合は50mMリン酸緩衝液を加えて、前
記0.52〜0.55の範囲内になるように調整して基
質溶液とする。 (b)50mM リン酸緩衝液(pH7.0):50m
M Na2HPO4に50mM KH2PO4を加えてpH
7.0に調整したもの50mM リン酸緩衝液(pH
7.0)として用いる。 (c)酵素試料液:酵素試料を必要量秤り、氷冷した5
0mM リン酸緩衝液(pH7.0)を用いて適宜希釈
溶解して酵素試料液として用いる。
した恒温セルホルダーを予め装着し、光路長10mmの
石英セルをセットする。この石英セルに、基質溶液2.
9mlを量り入れ、25℃で10分間プレインキュベー
トする。次いで、酵素試料液0.1mlを添加して良く
混合し、直ちに25℃でこの液について蒸留水を対照と
して波長500nmにおける吸光度の変化を測定し、吸
光度が0.45〜0.40の範囲まで減少するのに要す
る時間(分)を測定する。 (iii)カタラーゼ活性の算出:上記の条件下で、1分
間に1μmoleの過酸化水素を分解するのに必要な酵
素量を1ユニットとし、次式によりカタラーゼ活性を求
める。
5×n)/t 式中、n:酵素試料液の希釈倍数 t:吸光度が0.45〜0.40の範囲まで減少するのに
要した時間(分)
kgに対して、グルコースオキシダーゼ(Sigma社
製「Type VII」)およびグルコースを下記の表5に
記載する量で添加して中華麺用の小麦粉組成物を調製し
た。なお、その際に、グルコースオキシダーゼを添加し
た実験番号2および4〜16の小麦粉組成物には、過酸
化水素分解酵素であるカタラーゼ(Sigma社製「P
roduct Number C−40」)を200ユニット(U)
相当量で添加した。 (2) 上記(1)で得られた小麦粉組成物100部
に、水38部にかん粉(オリエンタル酵母工業株式会社
製「飛龍赤」)1.2部を溶解した水溶液を加え、10
分間混合してそぼろ状の生地にし、この生地を製麺ロー
ル(ロール間隙3.0mm)にて麺帯にまとめた後、ビ
ニール袋に入れて常温(25℃)で30分間熟成させ
た。 (3) 上記(2)で熟成させた麺帯を製麺ロールにて
さらに圧延して、約1.5mm厚の麺帯にした。この麺
帯を、20番角の切刃を用いて麺線に切り出して生中華
麺を製造した。
ビニール袋に入れて、冷蔵庫(庫内温度4〜8℃)に7
日間保存した後、冷蔵庫より取り出し、袋から出して、
ホシ(スペック)の発生状況を目視により観察して、下
記の表1に示す評価基準にしたがって評価したところ、
下記の表3に示すとおりであった。なお、ホシの発生状
況の評価は、下記の表1に記載するように、グルコース
オキシダーゼおよびグルコースを添加していない中華麺
(実験番号1の中華麺)を対照として行った。 (6) 上記(5)でホシの発生状況の評価を終了した
生中華麺を、充分の沸騰水中にて、茹で歩留りが240
±2%になるようにして茹で時間を調節して茹であげた
後、直ちに温かいスープの入ったドンブリに入れて、下
記の表2に示す評価基準にしたがって10名のパネラー
にその食感を評価してもらい、その平均値を採ったとこ
ろ、下記の表3に示すとおりであった。なお、本明細書
でいう茹で麺の茹で歩留りは、下記の数式により求めた
ものをいう。
(g)、W0=茹でる前の生麺中の小麦粉の重量(g)
を表す。但し、生麺の製造に用いた小麦粉中の水分含量
が14.5%であるものとして前記W0の値を求めた。
ダーゼおよびグルコースを添加した実験番号4〜16の
生中華麺は、グルコースオキシダーゼおよびグルコース
を添加しない実験番号1(対照例)の生中華麺に比べ
て、7日間冷蔵保存した後でも、ホシ(スペック)の発
生が少ないこと、そのうちでも小麦粉1kgに対してグ
ルコースオキシダーゼを7.5〜3000ユニットおよ
びグルコースを0.01g以上の割合で添加した実験番
号5〜16の生中華麺ではホシの発生が一層良好に抑制
されていることがわかる。特に、小麦粉1kgに対して
グルコースオキシダーゼを75〜1500ユニットおよ
びグルコースを1〜10gの割合で添加した実験番号7
〜10および実験番号14〜16の生中華麺は、7日間
冷蔵保存した後でも、ホシ(スペック)の発生が大幅に
低減され且つホシの大きさが小さく外観が良好であり、
しかも食感の点でも優れていることがわかる。
ンの製造] (1) 小麦粉(日清製粉株式会社製「カメリヤ」)1
kgに対して、グルコースオキシダーゼ(Sigma社
製「Type VII」)およびグルコースを下記の表5に
記載する量で添加してワンタンの皮用の小麦粉組成物を
調製した。なお、その際に、グルコースオキシダーゼを
添加した実験番号18および20〜32の小麦粉組成物
には、過酸化水素分解酵素であるカタラーゼ(Sigm
a社製「Product Number C−40」)を200ユニ
ット(U)相当量で添加した。 (2) 上記(1)で得られた小麦粉組成物100部
に、水36部にかん粉(オリエンタル酵母工業株式会社
製「飛龍赤」)0.4部を溶解した水溶液を加え、10
分間混合してそぼろ状の生地にし、この生地を製麺ロー
ル(ロール間隙3.0mm)にて麺帯にまとめた後、ビ
ニール袋に入れて常温(25℃)で30分間熟成させ
た。 (3) 上記(2)で熟成させた麺帯を製麺ロールにて
さらに圧延して、約0.6mm厚の麺帯にした。この麺
帯を7cm×7cmの正方形に切ってワンタンの皮を製
造し得た。
皮をビニール袋に入れて、冷蔵庫(庫内温度4〜8℃)
に7日間保存した後、冷蔵庫より取り出し、袋から出し
て、ホシ(スペック)の発生状況を目視により観察し
て、上記の表1に示す評価基準にしたがって評価したと
ころ、下記の表5に示すとおりであった。なお、ホシの
発生状況の評価は、上記の表1に記載するように、グル
コースオキシダーゼおよびグルコースを添加していない
ワンタンの皮(実験番号17)を対照として行った。 (5) 上記(4)でホシの発生状況の評価を行ったワ
ンタンの皮で、挽肉、みじん切り野菜および調味料を用
いて予め製造しておいた具5gを包んでワンタンをつく
り、充分量の沸騰水中で3分間茹であげた後、その耳の
部分の食感を下記の表4に示す評価基準にしたがって1
0名のパネラーにその食感を評価してもらい、その平均
値を採ったところ、下記の表5に示すとおりであった。
ダーゼおよびグルコースを添加した実験番号20〜32
のワンタンの皮は、グルコースオキシダーゼおよびグル
コースを添加しない実験番号17(対照例)のワンタン
の皮に比べて、7日間冷蔵保存した後でも、ホシ(スペ
ック)の発生が少ないこと、そのうちでも小麦粉1kg
に対してグルコースオキシダーゼを7.5〜3000ユ
ニットおよびグルコースを0.1g以上の割合で添加し
た実験番号21〜32のワンタンの皮ではホシの発生が
一層良好に抑制されていることがわかる。特に、小麦粉
1kgに対してグルコースオキシダーゼを75〜150
0ユニットおよびグルコースを1g以上の割合で添加し
た実験番号23〜26および実験番号30〜32のワン
タンの皮は、7日間冷蔵保存した後でも、ホシ(スペッ
ク)の発生が大幅に低減され且つホシの大きさが小さく
外観が良好であり、しかも食感の点でも優れていること
がわかる。
ダーゼを7.5〜3000ユニットおよびグルコースを
0.01g以上の割合で添加してなる製麺原料を用いて
調製された生麺でのpHが8以上である本発明の麺類
は、生地の製造後に時間が経っても、ホシ(スペック)の
発生が抑制されていて、良好な外観を長い時間保つこと
ができる。そして、穀粉類1kgに対してグルコースオ
キシダーゼを7.5〜3000ユニットおよびグルコー
スを0.01g以上の割合で添加してなる本発明の麺類
用穀粉組成物を用いる場合は、生麺でのpHが8以上で
ある麺類の製造時にグルコースオキシダーゼ、グルコー
スおよび場合により他の成分を個別に調達してそれらの
所定の量で穀粉類に添加するという手間を要することな
く、該麺類用穀粉組成物を使用して、ホシ(スペック)
の発生しない、高品質の、生麺でのpHが8以上である
麺類を極めて簡単に且つ短時間に製造することができ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 穀粉類1kgに対して、グルコースオキ
シダーゼを7.5〜3000ユニットおよびグルコース
を0.01g以上の割合で添加してなる製麺原料を用い
たことを特徴とする生麺でのpHが8以上である麺類。 - 【請求項2】 生麺、半乾燥麺、乾燥麺、即席麺、冷凍
麺または麺皮である請求項1記載の麺類。 - 【請求項3】 生麺でのpHが8以上である麺類が中華
麺またはワンタンの皮である請求項1または2記載の麺
類。 - 【請求項4】 穀粉類1kgに対して、グルコースオキ
シダーゼを7.5〜3000ユニットおよびグルコース
を0.01g以上の割合で添加してなることを特徴とす
る生麺でのpHが8以上である麺類用の穀粉組成物。 - 【請求項5】 生麺でのpHが8以上である麺類が、中
華麺またはワンタンの皮である請求項4記載の麺類用の
穀粉組成物。 - 【請求項6】 麺類の製造に用いる穀粉類1kgに対し
て、(i)グルコースオキシダーゼ7.5〜3000ユ
ニットおよびグルコース0.01g以上を生地の調製時
に穀粉類に添加するか、または(ii)グルコースオキシ
ダーゼ7.5〜3000ユニットおよびグルコース0.
01g以上を予め添加してなる穀粉組成物を用いて、生
地を調製して、生麺でのpHが8以上である麺類を製造
する方法。 - 【請求項7】 生麺でのpHが8以上である麺類が、中
華麺またはワンタンの皮である請求項6記載の方法。
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---|---|---|---|
JP32030097A JP3805088B2 (ja) | 1997-11-06 | 1997-11-06 | 麺類およびその製造方法 |
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JPH11137197A true JPH11137197A (ja) | 1999-05-25 |
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ID=18119965
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